JP2010106954A - 閉塞部材、リークチェッカー、及び合成樹脂管の穿孔穴の補修方法 - Google Patents

閉塞部材、リークチェッカー、及び合成樹脂管の穿孔穴の補修方法 Download PDF

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勇一 山田
Tetsuko Mizota
哲子 溝田
Akihito Mori
昭仁 毛利
Masahiko Yoshimoto
晶彦 吉本
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Abstract

【課題】合成樹脂管の補修作業について、リペアサドルと合成樹脂管との融着の良否を容易に判定することができる閉塞部材と、リークチェッカーを提供する。
【解決手段】合成樹脂管10の穿孔穴11に挿入して穿孔穴11を閉塞するための閉塞部材1は、この挿入方向に形成された貫通孔3aを有しその外周面に非磁性体の弾性部材からなる外側栓体2を装着した非磁性体からなる拡径部材3と、拡径部材3に形成された貫通孔3a内に、磁性体からなる部材を備えるとともに貫通孔3aに沿って移動可能に配設された内側栓体4を備えている。内側栓体4が貫通孔3a内の所定の位置に挿入されていると、閉塞部材1は、合成樹脂管10の管内が貫通孔3aを介して閉塞部材1の外側との連通を遮断し、閉塞部材1に磁力を作用させて内側栓体4を移動させるとこの遮断を解除するようにしている。
【選択図】図6

Description

本発明は、合成樹脂管、特に都市ガスなどの燃料ガスを供給する合成樹脂製のガス管に穿孔された穿孔穴を閉塞するための閉塞部材、この閉塞部材を用いて合成樹脂管に穿孔された穿孔穴を補修する方法、およびこの合成樹脂管に穿孔された穿孔穴を補修するときに使用するリークチェッカーに関するものである。
近年、都市ガス、LPガスなどの燃料用ガス(以下、単に「都市ガス」という)を需要家(一般家庭や各種事業所)へ供給するためのガス管は、ポリエチレン製等の合成樹脂からなる管が使用されている。また、このガス供給用の管(ガス管)の大部分は、地下に埋設されている。
新規需要家に対してガス管を敷設するときには、既設のガス管に分岐管を接続するための孔を穿孔した後、この穿孔した孔(以下、「穿孔穴」という)を囲むように分岐用継手を既設のガス管の表面に固着し、この分岐用継手に分岐管を接続する工法が採用されている。
また、既設のガス管の補修を行なうときには、このガス管によるガスの供給を停止しないように、補修するガス管の区間にバイパス管を接続し、このバイパス管を介して都市ガスが供給されるようにするとともに、このガス管の補修部分へのガスの供給を止めた状態にして、ガス管の補修作業が行なわれる。このとき、バイパス管を接続するガス管には分岐用継手を接続するための孔が穿孔され、この分岐用継手にバイパス管が接続される。そして、ガス管の補修が完了すると、接続したバイパス管は撤去される。
そして、上記したバイパス管を撤去したガス管には分岐用継手が接続された状態になっているので、この分岐用継手もガス管から撤去することが望ましい。ガス管から分岐用継手を撤去すると、ガス管にはこの分岐用継手を接続していた穿孔穴が残った状態になる。このガス管に残った穿孔穴からのガス漏れを防止するために、この穿孔穴にシールプラグ(以下、「閉塞部材」という)を挿入してガスの漏れを無くしている。さらに、この穿孔穴からのガス漏れを確実に防止するためのガス管の補修工法として、下記の特許文献1に記載の補修工法が提案されている。特許文献1には、穿孔穴に挿入した閉塞部材の上方を囲むように合成樹脂製のリペアサドルを合成樹脂製のガス管の外周面に融着することにより、穿孔穴からのガス漏れを防止することが開示されている。
なお、上記した合成樹脂製のリペアサドルは、合成樹脂製ガス管の外周面に熱融着される部材であって、閉塞部材を挿入した穿孔穴から万一ガス漏れが生じても、漏れたガスが外部に流出することを防止するために使用される部材である。
従来から使用されているリペアサドルの概要を、図12及び図13に示している。図12及び図13に示すように、リペアサドル12は、外側方向に突出する外側突出部12a、ガス管の外周面と融着する部分となり、断面が円弧形状をなすサドル部12bとを備えている。また、外側突出部12aにより、この外側突出部12aの内側面12cの下方部には空間部13が形成されている。さらに、サドル部12bの内部には電熱線12dが埋設され、サドル部12bの外表面にはこの電熱線12dに所定の電力を供給するための電極12e、12fが配置されている。なお、一般に、外側突出部12aの横断面形状は円形をなしている。
また、下記の特許文献2には、樹脂製分岐管の撤去方法が提案されている。特許文献2には、回転ロッドを備えた閉止工具を用いて、ポリエチレン製の本閉止栓を、元管に穿孔されたタッピング孔に回転摩擦熱を利用して融着することが記載されている。さらに、特許文献2には、本閉止栓をタッピング孔に融着する前に、側周面にOリングを設けた仮栓をこのタッピング孔に取り付けてシールすることが記載されている。
また、穿孔された孔などの空洞部をシールするためのシール部材(閉塞部材、又はプラグ)を磁性体で形成し、磁力を利用してこのシール部材を空洞部方向及び空洞部と離れる方向に移動させて空洞部を密封、及びこの密封状態を開放するための技術が、下記の特許文献3により提案されている。この特許文献3には、真空に排気されるべき容器について、その排気管と連通している接続部を、電磁石の磁力を利用して遠隔操作的に磁性体からなるシール部材で密封及び開放を自在にすることが開示されている。
特開平9−49596号公報 特開2002−295724号公報 特開平5−26372号公報
上記特許文献1には、合成樹脂製ガス管に分岐用継手を接続するために穿孔した孔について、ガス管の補修後に、この穿孔穴に閉塞部材を挿入してガスの漏れを無くして、この閉塞部材の上方を囲むように合成樹脂製のリペアサドルを合成樹脂製ガス管の外周面に融着することにより、このガス管の補修を行なう技術が提案されている。しかし、このようなガス管の補修においては、リペアサドルとガス管との融着による気密性が完全になされ、リペアサドルの内部から外部へガス漏れが発生しないという保障を確実に得るための手段については開示されていない。
リペアサドルと合成樹脂製ガス管との融着が不完全、例えば、熱融着によりリペアサドルとガス管とを接合した融着部に微小な隙間が生じていても、閉塞部材による穿孔穴の閉塞(密封)が確実になされていると、この微小な隙間を介して、すなわち、リペアサドルの内部(前記空間部13)から外部へのガス漏れは発生しないからである。また、閉塞部材による穿孔穴の閉塞は、あくまでも一時的なシールを目的としたものである。穿孔穴を閉塞した閉塞部材は、都市ガスに含まれている各種の成分により、時間の経過とともに劣化することが考えられる。従って、劣化した閉塞部材から都市ガスが漏洩し、この漏洩した都市ガスはリペアサドルとガス管とにより形成される空間部13に流出する。さらに、空間部13に流出した都市ガスは、リペアサドルとガス管との融着が不完全であると、リペアサドルの内部から外部へ漏洩することになる。
このため、上記したように、ガス管に穿孔された穿孔穴の補修作業が終了したときに、リペアサドルとガス管との融着による気密性の良否を確実に、かつ、信頼性高く判定するための手段が望まれている。
特許文献2に記載の発明には、回転ロッドを備えた閉止工具を用いて、ポリエチレン製の本閉止栓を、元管に穿孔されたタッピング孔に回転摩擦熱を利用して融着することにより、タッピング孔を閉塞する分岐管の撤去方法が開示されている。しかし、特許文献2には、本閉止栓を囲むようにリペアサドルを合成樹脂製の元管に融着して、タッピング孔の閉塞をより完全にすることについては記載されていない。
特許文献3に記載の発明には、真空容器に穿孔された空洞部をシールするためのシール部材を磁性体で形成し、磁力を利用してこのシール部材を、遠隔操作的に空洞部方向及び空洞部と離れる方向に移動させて空洞部を密封、及びこの密封状態を開放することが開示されているが、都市ガス等を供給するガス管に穿孔された孔をシールする技術を対象としたものではない。
そこで、本発明の目的は、合成樹脂管に穿孔された穿孔穴の補修において、この穿孔穴に閉塞部材を挿入して、この閉塞部材の上方からリペアサドルをこの合成樹脂管に融着する方法を採用している補修方法において、リペアサドルと合成樹脂管との融着による気密性の良否を容易に判定することができる閉塞部材、この融着の気密性の良否を判定する作業を容易にするためのリークチェッカー、及び合成樹脂管に穿孔された穿孔穴の補修方法を提供することにある。
上記した課題を解決するために、請求項1に記載の閉塞部材は、合成樹脂管に穿孔された穿孔穴に挿入して該穿孔穴を閉塞するための閉塞部材であって、前記閉塞部材は、
前記挿入方向に形成された貫通孔を有するとともに、外周面に非磁性体の弾性部材からなる外側栓体を装着する非磁性体からなる拡径部材と、
前記拡径部材に形成された前記貫通孔内に、磁性体からなる部材を備えるとともに前記貫通孔に沿って移動可能に配設された内側栓体と、
前記内側栓体が前記貫通孔内の所定の位置に挿入されているときに、前記拡径部材と前記内側栓体は、前記合成樹脂管の管内が前記貫通孔を介して前記穿孔穴に挿入された前記閉塞部材の外側との連通を遮断するための手段を形成するようになされていることを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は請求項1に記載の閉塞部材に係り、前記内側栓体は、前記貫通孔に挿入される栓体部と、栓体部の一方の端部に結合された吸着プレート部を備え、前記吸着プレート部は磁性体から構成されていることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は請求項2に記載の閉塞部材に係り、前記貫通孔に挿入された前記内側栓体は、前記内側栓体を前記合成樹脂管方向に移動させる付勢力を付与するための付勢手段を備えていることを特徴としている。
さらに、請求項4に記載の発明はリークチェッカーに係り、このリークチェッカーは、合成樹脂管に穿孔された穿孔穴に挿入された前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の前記閉塞部材に磁力を作用させるためのリークチェッカーであって、
合成樹脂管に固着されたリペアサドルの外側突出部に装着可能な凹状空間部と、
永久磁石を配設した回転磁石体と、
前記回転磁石体を固着した回転軸を回転可能に支持する軸受部を備え、
前記回転軸の回転に基づいて、前記回転磁石体に配設された前記永久磁石からの磁力を、前記リペアサドルを介して前記穿孔穴に挿入された前記閉塞部材に作用させるようになされていることを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は請求項4に記載のリークチェッカーに係り、前記回転磁石体は、ラジアル異方性を備えたリング状の永久磁石から構成されていることを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明は請求項4に記載のリークチェッカーに係り、前記回転磁石体は、極異方性を備えたリング状の永久磁石から構成されていることを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明は請求項4から請求項6に記載のリークチェッカーに係り、前記回転磁石体は、その外周面に形成されている磁極の箇所を明示するために、前記外周面に識別表示を備えていることを特徴としている。
また、請求項8に記載の発明は請求項4に記載のリークチェッカーに係り、前記回転軸の端部の一方又は双方に、取っ手を設けていることを特徴としている。
さらに、請求項9に記載の発明は合成樹脂管に穿孔した穿孔穴の補修方法に係り、この穿孔穴の補修方法は、
合成樹脂管に穿孔された穿孔穴に閉塞部材を挿入し、前記閉塞部材の上方から前記合成樹脂管の外周面にリペアサドルを被せて、前記リペアサドルを前記合成樹脂管に融着する成樹脂管の穿孔穴の補修方法であって、
前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の閉塞部材を前記合成樹脂管に穿孔された穿孔穴に挿入して該穿孔穴を閉塞する閉塞工程と、
前記穿孔穴に挿入した前記閉塞部材の上方から前記リペアサドルを前記合成樹脂管の外周面に被せて、前記閉塞部材が前記リペアサドルの外側突出部の下方に位置した状態で、前記リペアサドルを前記合成樹脂管に融着するリペアサドル融着工程と、
前記合成樹脂管に融着したリペアサドルの外側突出部の上方部から前記閉塞部材に磁力を作用させて、前記閉塞部材の磁性体からなる部材を備えた前記内側栓体を前記貫通孔から前記リペアサドル方向に移動させる内側栓体引抜き工程と、
前記リペアサドルと前記合成樹脂管との融着についてその気密性を確認する気密性確認工程と、
を有することを特徴としている。
本発明は、下記の効果を発揮することができる。
(1)本発明に係る閉塞部材は、磁性体から構成された内側栓体を備えている。これにより、合成樹脂管に穿孔された穿孔穴の補修において、この穿孔穴に閉塞部材を挿入して、この閉塞部材の上方からリペアサドルをこの合成樹脂管に融着する方法を採用している補修方法において、この閉塞部材として本発明に係る磁性体を有する内側栓体を備えた閉塞部材を使用することにより、リペアサドルの上方からこの閉塞部材に磁力を作用させると、この内側栓体は磁力によりリペアサドル方向に移動させて、合成樹脂管内を流れる都市ガス等の流体をリペアサドル内に流出させることができる。このため、本発明の閉塞部材は、合成樹脂管に穿孔された穿孔穴の補修作業が終了すると、直ちに、リペアサドルと合成樹脂管との融着の良否を確実に確認することができる閉塞部材を提供することができる。
(2)本発明に係る閉塞部材を構成する内側栓体は、その一方の端部に磁性体から構成された吸着プレートを備えている。このため、リペアサドルの上方からこの吸着プレートに磁力を作用させると、磁力による内側栓体をリペアサドル方向へ移動させる移動力を高めることができる。
(3)リークチェッカーは、その内部に補修作業者の操作で回転可能な回転磁石体を設け、さらに、その下方部はリペアサドルの上面部に載置することができる構造にしている。これにより、リペアサドルの上方から合成樹脂管の穿孔穴に挿入されている閉塞部材に対して磁力を作用させることができるので、簡単な操作で、かつ、確実に、閉塞部材から内側栓体のみを、リペアサドル方向へ移動させることが可能なリークチェッカーを提供することができる。
本発明に係る合成樹脂管に穿孔した穿孔穴の補修方法は、上記した効果(1)〜(3)により、合成樹脂管に穿孔した穿孔穴の補修作業が終了したときに、リペアサドルと合成樹脂管との融着の良否を確実に確認することができる補修方法を提供することができる。
都市ガスを需要家に供給するポリエチレン製のガス管を補修するときには、前記したように、このガス管にバイパス用の管(又はホース)を接続するための穿孔穴が穿孔工具に穿孔される。そして、補修作業が終了すると、この穿孔穴に閉塞部材を挿入して密封し、さらに、この穿孔穴に挿入した閉塞部材を上方から覆うように、リペアサドルがガス管の外周面に融着される。本発明に係る閉塞部材は、この閉塞部材の構成に係るものである。
また、ガス管とリペアサドルとが確実に融着しているか否かを確認(判定)するために、補修作業が終了した後に、例えば、熱融着によりガス管とリペアサドルとが接合された接合部の周囲に、石けん水等を流して泡の発生の有無により確認していた。ガス管に穿孔した穿孔穴について、このような補修方法を採用した場合、ガス管とリペアサドルとの融着が不完全であっても、閉塞部材により穿孔穴か密封されていると、ガス管とリペアサドルとの融着が確実になされているか否かを確認することはできない。
本発明に係るリークチェッカーは、上記した補修作業を実施した後に、ガス管とリペアサドルとの融着の良否を判定するときに、穿孔穴に挿入した本発明に係る閉塞部材に対して、ガス管内を流れている都市ガスの一部が通過可能な流路を、磁力を利用して形成させる手段を備えた装置であって、この穿孔穴に係る補修作業の良否を判定するための作業を容易にするための装置である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。まず、本発明に係る閉塞部材(ストッパー)について、その第1の実施形態について説明する。
(閉塞部材の第1の実施形態)
図1は本発明に係る閉塞部材1の第1の実施形態を示す縦断面、図2は図1に示す閉塞部材1を構成する各部材について、その形状を説明するための斜視図である。また、図3および図4は、ガス管に穿孔された穿孔穴を閉塞するために、この穿孔穴に、図1に示す閉塞部材1を挿入したときの状態を示す断面図である。
図1及び図2に示すように、第1の実施形態を示す閉塞部材1は、外側栓体2と、拡径部材3と、内側栓体4と、Oリング5から構成されている。
外側栓体2は、適度な弾性を有するリング形状の合成ゴム、例えばNBR(Nitril Butandiene Ruber)から製作されている。リング形状をなす外側栓体2が備えている貫通孔2aの内径は、図1に示すように、その上側内径部2bの内径を下側内径部2cの内径より若干大きくし、さらに、下側内径部2cの上下の端部にはその内周面から内側方向に円環状に突出する突出部2d、2eを形成している。また、外側栓体2の一方の端部(上端部)には、貫通孔2aに対して外側に突出する所定の厚さを有する鍔部(フランジ部)2fを形成し、さらに、鍔部2fの下方には鍔部2fの外径より小さくした外径を有する円筒状の外周面部2gを形成している。外周面部2gは、ガス管に穿孔された穿孔穴の内周面と密着する部分になる。なお、外周面部2gの外径は、この穿孔穴の内径より若干大きく、例えば、0.5mm〜1.5mm程度大きくなるようにする。
拡径部材3は、縦長のリング形状をなし、その材質は非磁性体である硬質な合成樹脂、例えばポリエチレンから形成されている。拡径部材3の高さH2は、外側栓体2の高さH1より高くしている。また、拡径部材3はその高さ方向に形成された貫通孔3aを有している。さらに、貫通孔3aには、その内周面から拡径部材3の上端面3bに通じる微小なガス孔3c、3dを形成している。図2に示すように、拡径部材3の外周面には、上側外周面3eと下側外周面3fを形成するとともに、上側外周面3eの外径を下側外周面3fの外径より若干大きくしている。なお、閉塞部材1を組み立てたときには、この下側外周面3fに外側栓体2の下側内径部2cが挿入されて両者が密着し、さらに、上側外周面3eの下部が外側栓体2の上側内径部2bに挿入される。
内側栓体4は、SS400(一般構造用圧延鋼材)等の強磁性体から構成され、その断面形状はT型をなしている。図1に示すように内側栓体4は、横断面が円形の栓体部4aと、栓体部4aに形成された溝部4bと、栓体部4aの一方の端部に形成された平坦な面を有する吸着プレート4cを備えている。栓体部4aに形成された溝部4bは、Oリング5を挿入するための円環状の溝である。なお、閉塞部材1を組み立てたときには、内側栓体4の栓体部4aは、拡径部材3の貫通孔3aにその全長が挿入されたときには、吸着プレート4cの下面は図1に示すように拡径部材3の上端面3bに当接するようにする。また、貫通孔3aの外径は栓体部4aの外径より若干大きくして、栓体部4aを貫通孔3aに挿入したときに微小な隙間が生じるようにする。なお、溝部4bに挿入したOリング5は貫通孔3aの内周面に摺動自在に当接して、栓体部4aと貫通孔3aとの隙間の気密を確保する手段になる。
図1に示す内側栓体4は、栓体部4aと吸着プレート4cの双方を磁性体の材質から構成して一体化した例を示しているが、吸着プレート4cをSS400等の磁性体とし、栓体部4aを非磁性体(金属又は合成樹脂)として、両者をネジ接合または接着等により一体にしてもよい。
なお、吸着プレート4cの平坦な面の形状は、図2に示すように平面視で円形にするか、あるいは四角形状にしてもよい。また、平坦な面の幅は栓体部4aの断面の幅の少なくとも1.5倍以上に設定する。このように吸着プレートの平坦な面の幅を設定すると、後述するが、この吸着プレート4cはその上方から磁力による吸引作用を受けると、より強い吸引力を受けることになる。これにより、内側栓体4は、磁力の吸引作用を受けると、図3に示すF方向(閉塞部材1を挿入する方向と逆方向を示す)に容易に移動、すなわち、栓体部4aは貫通孔3a内を摺動してF方向に移動することになる。
また、図1に示すように、栓体部4aが貫通孔3aの所定に位置、例えば、栓体部4aの全長部分が貫通孔3aに挿入されたときに、栓体部4aの溝部4bに挿入されたOリング5は、微小なガス孔3cより下側における貫通孔3aと、栓体部4aとの気密状態を確保する作用が行なえるように、溝部4bとガス孔3cの位置を適切に設定する。
このように、内側栓体4が磁力の作用を受けて貫通孔3a内をF方向に移動可能にするために、溝部4bに挿入されたOリング5が貫通孔3aの内周面に作用する面圧が適切になるように、Oリング5の材質と表面部の形状等を設定する。
上記した外側栓体2、拡径部材3、内側栓体4、気密保持手段となるOリング5から構成される閉塞部材1を組み立てる手順は、例えば、次の(1)〜(3)に記載の手順に従って組み立てることができる。
(1)内側栓体4の栓体部4aに形成した溝部4bに、Oリング5を挿入する。
(2)外側栓体2の貫通孔2aに、拡径部材3を挿入する。このとき、図1に示すように、外側栓体2の下側内径部2cの内径は、拡径部材3の下側外周面3fの外径より若干小さく形成されているので、適度な弾性を有する下側内径部2cは、拡径部材3の下側外周面3fに密着する。また、外側栓体2の下側内径部2cの上下の端部には、その内径面から内側方向に円環状に突出する突出部2d、2eが形成されているので、これらの弾性を有する突出部2d、2eは拡径部材3の下側外周面3fにさらに強く密着することになる。これにより、外側栓体2の下側内径面2cと拡径部材3の下側外周面3fとの気密性が確保される。
(3)拡径部材3に形成されている貫通孔3aに、内側栓体4の栓体部4aを挿入する。このとき、図1に示すように、栓体部4aはその全長が貫通孔3aに挿入するとともに、溝部4bに挿入したOリング5が図1に示すようにガス孔3cの下方なるように位置させて、Oリング5により、このOリング5の下方部分における貫通孔3aと栓体部4aとの気密性が確保されるようにする。また、内側栓体4の吸着プレート4cの下面は、図1に示すように、拡径部材3の上端面3bに当接するようにする。
続いて、ガス管に穿孔した穿孔穴を補修するために、上記した手順で組み立てた閉塞部材1を、この穿孔穴に挿入したときの状態について説明する。
図3は、ガス管10に穿孔した穿孔穴11に、上記した第1の実施形態に係る閉塞部材1を挿入したときの状態を示す要部断面図である。図3に示すように、閉塞部材1を穿孔穴11に挿入したときには、閉塞部材1の外側栓体2に形成されている鍔部2fから上方部がガス管の外周面から突出するようにする。
図3に示す穿孔穴11は、上記したように、例えば、都市ガスを供給するガス管10を補修するために、このガス管10にバイパス用の管(又はホース)を接続するために穿孔した孔である。そして、ガス管10の補修作業を行なうときに、この穿孔穴11に閉塞部材1を挿入するとともに、ガス管10からのガス漏れを確実に防止するために、穿孔穴11に挿入した閉塞部材1の上方からこの閉塞部材1を覆うように、リペアサドル12がガス管10の外周面に融着される。なお、この穿孔穴11の内周面の断面形状は、円形形状をなしている。
図3に示すリペアサドル12は、前記したように、外側方向に突出する外側突出部12aと、サドル部12bと、サドル部12bの内部周辺に埋め込まれた電熱線12d(図13参照)を備えている。また、リペアサドル12をガス管10の外周面に融着すると、リペアサドル12が備えている外側突出部12aにより、この外側突出部12aの内側面12cとガス管10の外周面との間に空間部13が形成される。
前記したように、外側栓体2に形成されている外周面部2gの外径は、穿孔穴11の内径より若干大きく設定されている。従って、外側栓体2の外周面部2gをガス管の穿孔穴11に挿入した状態を示す図3においては、弾性材からなる外側栓体2はガス管10の長手(管軸)方向に圧縮されて、その外周面部2gは穿孔穴11の内周面に密着するとともに、下側内径部2cは拡径部材3の下側外周面3eに密着する。さらに、下側内径部2cには円環状の突出部2d、2eが設けられているので、これら突出部2d、2eは下側外周面3fに強く密着することになる。また、内側栓体4の溝部4bに挿入されたOリング5は、微小なガス孔3cより下側に位置する状態になっている。
これにより、リペアサドル12をガス管10の外周面に融着して穿孔穴11に係る補修作業が終了したときの状態を示す図3においては、ガス管10内を流れる都市ガスが、穿孔穴11を介して空間部13内に、さらに、空間部13からリペアサドル12の外側へ漏洩することを防止する対策、すなわち、ガス管10内と閉塞部材1の外側(吸着プレート4c方向)との連通を遮断する対策が施されたことになる。
図4は、ガス管10に穿孔した穿孔穴11に係る補修作業が終了したときに、穿孔穴11に挿入した閉塞部材1の上方からガス管10に融着したリペアサドル12がガス管10に確実に融着して、気密性が保持されているか否かを判定するために、磁力を利用して、閉塞部材1を構成する磁性体からなる部材を備えている内側栓体4のみを、図3に示す状態からF方向に移動させたときの状態を示している。なお、内側栓体4に磁力を作用させるための磁石は、後述する本発明に係るリークチェッカー(図5参照)が備えている。
図3に示す状態から、リペアサドル12の外側突出部12aの上面近くに配置したリークチェッカーから閉塞部材1に対して磁力を作用させると、図4に示すように、内側栓体4の吸着プレート4cは磁力による吸着力を受けて、内側栓体4は距離LほどF方向に移動し、吸着プレート4cの上面はリペアサドル12の内側面12cに当接させるようにする。このためには、内側栓体4が距離LほどF方向に移動可能な十分な磁力を吸着プレート4cに作用させる必要がある。また、内側栓体4を距離LほどF方向に移動させたときに、内側栓体4の栓体部4aのF方向の長さの大部分が、貫通孔3a内に留まるようにする。
さらに、図4に示すように、磁力を利用して閉塞部材1から内側栓体4のみをF方向に距離Lほど上方に引き上げる(引き抜く)と、内側栓体4の溝部4bに挿入されているOリング5は、図3に示す位置から、図4に示すようにガス孔3cの上方部まで貫通孔3a内を摺動して移動させるようにする。このためには、内側栓体4の移動距離L、及び前記したガス孔3cを設ける位置、Oリングを挿入する溝部4bの位置等を適切に設定する必要がある。
これら内側栓体4の移動距離L、及び前記したガス孔3cを設ける位置、Oリングを挿入する溝部4bの位置等は、内側栓体4が貫通孔3a内の所定の位置に挿入されているときに、ガス管10の内部が貫通孔3aを介して穿孔穴11に挿入された閉塞部材1の外側(吸着プレート4cの上方)との連通を遮断するための手段となる。
磁力の作用により内側栓体4を距離LほどF方向に移動した状態を示す図4においては、Oリング5も貫通孔3a内を摺動してF方向に移動してガス孔3cの上方に位置する。これにより、貫通孔3a内において、ガス孔3c(Oリング5)より下方に位置する栓体部4aと貫通孔3aとの気密性は無くなる。このため、ガス管10の内部とガス孔3cと3dが連通して、ガス管10内を流れている都市ガスの微少量が空間部13に流出する流路が形成され、この流路を流れた都市ガスは空間部13に流れ込むことになる。
一般に、ガス管10を流れる都市ガスの供給圧力は、1.8kPa〜3kPaに調整されているので、都市ガスが空間部13に流れ込むと空間部13内の圧力は大気圧より若干高くなる。これにより、図4に示す状態において、ガス管10とリペアサドル12との融着が不完全であって、この融着による接合部に微小な隙間が形成されていると、この隙間から都市ガスがリペアサドル12の外部に漏れ出すことになる。
本発明においては、穿孔穴11に対する補修作業が終了したときに、直ちに、上記したように、本発明に係るリークチェッカーから閉塞部材1に磁力を作用させることにより、ガス管10とリペアサドル12との融着の気密性の良否を簡単に確認することができる。なお、都市ガスがリペアサドル12の外部に漏れ出しているか否かを検出する手段は、従来から実施されているガス管10とリペアサドル12との融着による接合部の周囲に、石けん水を流して泡の発生の有無を目視により確認することにより可能である。
(リークチェッカーの構成)
続いて、本発明に係るリークチェッカーの構成について説明する。このリークチェッカーは、リペアサドル12の外側突出部12a上に載置(装着)して、ガス管11に穿孔された穿孔穴に挿入された閉塞部材1に磁力を作用させることにより、閉塞部材1から内側栓体4のみを図4に示すようにF方向に所定の距離ほど移動させるために使用する装置である。
以下、リークチェッカーの構成を、図5及び図6に基づいて説明する。なお、図5はこのリークチェッカー20の構成を示す断面図、図6はガス管10の穿孔穴11を補修する作業が終了したときに、ガス管10とリペアサドル12との融着の良否を判定するために、リークチェッカー20をリペアサドル12の外側突出部12aに装着したときの状態を示す断面図である。
リークチェッカー20は、主として図5に示すように、ケース部21と、このケース部21に設けられている空間部を貫通して配置されるとともに、ケース部21に設けた軸受部25、26に回転自在に支持される回転軸22と、回転軸22に固定されてこの回転軸22とともに回転可能な回転磁石体23と、回転軸22の端部に固定された把持部(取っ手)24とから構成されている。なお、回転軸22の所定位置に回転磁石体23を固定するために、回転軸22に挿入されるスペーサー27と、回転軸に設けたねじ孔にねじ込まれる止めねじ28を備えている。なお、ケース部21の材質は、硬質な合成樹脂あるいはアルミニウム合金等の非磁性体を使用する。また、軸受部25、26にはボールベアリングを備えた軸受から構成して、作業者が手で把持部24を操作して回転軸22に回転力を付与すると、回転軸22は円滑に回転するようにする。
図5は、リークチェッカー20の縦断面を示しているが、ケース部21の横方向(水平方向)の断面を示す形状は円形をなしている。そして、ケース部21の下方部には、図5に示すように断面が円形をなす凹状空間部29を、また、ケース部21の上方部には、断面が円形をなす凹状空間部30を設けている。凹状空間部29は、図5に示すようにリペアサドル12の外側突出部12aを挿入して、リークチェッカー20をリペアサドル12上に安定した状態で載置するための空間部になる。なお、上記した回転磁石体23は凹状空間部30に配置されており、凹状空間部30の上端部にはアクリル等からなる透明な蓋31を装着している。
回転磁石体23は円筒形状をなし、前記したように、閉塞部材1が備えている内側栓体4の吸着プレート4cに磁力を作用させるための磁石体であって、その磁石としては永久磁石、例えば、強力な磁力を有するネオジム系希土類磁石、あるいはフェライト磁石を用いることが望ましい。
円筒形状をなす回転磁石体23を回転軸22に固定する構造は、例えば、次のようにするとよい。すなわち、断面が円形をなす回転磁石体23の軸(回転軸22)方向の中心軸に対して、図5に示すように、所定の距離ほどずらせた(偏心させた)位置に回転軸22を固定する構造にする。
回転自在に設けた回転磁石体23の回転軸22を中心軸に対して偏心させた構造としたリークチェッカー20を、その回転軸22が水平方向を向くように置いたときに、回転磁石体23からの磁力線が届く範囲に磁性体が存在せず、かつ回転軸22に何らの回転力を付与していないときには、図5に示すように、回転磁石体23は回転軸22から回転磁石体23の外周面までの距離が大きくなる部分23a(以下、「非着磁部」という)は、重量差の関係で凹状空間部29の方向に向く。一方、この非着磁部23aに対向する他の半分部分23b(以下、「着磁部」という)は非着磁部23aより軽くなるので、蓋31方向に向いた状態で停止する。そして、図5に示すリークチェッカー20の実施形態において、転軸が偏心している回転磁石体23は、重量が重くなる非着磁部23aは磁極を備えていない非着磁部分とし、重量が非着磁部23aより軽くなる着磁部23bは磁極を備えた着磁部分から構成される構造にしている。
前記したように、ガス管10に穿孔した穿孔穴11に対する補修作業が終了すると、ガス管10とリペアサドル12との融着の気密性に対する良否を判定するために、補修作業者は図6に示すように、リークチェッカー20のケース部21の凹状空間部29内に、リペアサドル12の外側突出部12aを挿入して、外側突出部12a上にリークチェッカー20を載置する。なお、ガス管10に穿孔する穿孔穴11の位置は、垂直方向の向きであって、ガス管10の軸方向に対して垂直方向の上側に設けることが望ましい。これにより、リペアサドル12の外側突出部12aは、水平方向に向くことになるので、リークチェッカー20をリペアサドル12の外側突出部12a上に安定した状態で載置することができる。
図6は、水平方向に向いているリペアサドル12の外側突出部12a上にリークチェッカー20を載置したときに、回転磁石体23の非着磁部23aが凹状空間部29の方向、すなわち、ガス管10の穿孔穴11に挿入された閉塞部材1の方向に向いた状態になっていることを示している。
続いて、補修作業者は、回転軸22に取り付けられている取っ手24を操作して回転軸22を180度回転させる。この操作により、回転磁石体23も180度回転して磁極を備えている着磁部23bが閉塞部材1方向に向いた状態になる。この回転操作により、回転磁石体23の着磁部23bが閉塞部材1の上面部と対面すると、着磁部23bからの磁力線が磁性体からなる内側栓体4の吸着プレート4cに作用する。これにより、内側栓体4には図3に示すように、F方向に引っ張られる磁気吸引力が作用して、閉塞部材1を構成する内側栓体4は、貫通孔3a内をF方向に距離Lほど上方に摺動し、その吸着プレート4cの上面は図4に示すように、リペアサドル12の内側面12cに当接することになる。
そして、閉塞部材1を構成する内側栓体4がF方向に移動すると、前記したように、Oリング5も栓体部4aとともに貫通孔3a内をF方向に摺動して、ガス孔3cの上方に位置する。これにより、貫通孔3a内において、ガス孔3c(Oリング5)より下方に位置する栓体部4aと貫通孔3aとの気密性が無くなって、ガス管10の内部とガス孔3cとガス孔3dが連通する。この連通により、ガス管10内を流れている都市ガスの微少量が空間部13に流出する流路が形成され、この流路を流れた都市ガスは空間部13に流れ込むことになる。
このようにして、補修作業者は、リークチェッカー20を操作して閉塞部材1の方向に磁力を作用させた後、所定時間が経過すると、熱融着によりガス管10とリペアサドル12とが接合された接合部の周囲に石けん水等を流して、ガス管10とリペアサドル12とが確実に融着されて気密性が確保されているか否かを確認する気密性確認作業を行なう。なお、内側栓体4が磁力の作用を受けて閉塞部材1から所定の距離ほどF方向に移動する(抜ける)と、回転磁石体23の着磁部23bは内側栓体4の吸着プレート4cに磁力をより強く作用させる状態となるので、補修作業者が取っ手24から手から離しても回転磁石体23はその着磁部23bが閉塞部材1に対向した状態で停止することになる。これにより、補修作業者は、内側栓体4が閉塞部材1から上方に移動して、ガス管10の内部とガス孔3cとガス孔3dが連通したことを確認することができる。
(回転磁石体の構成)
続いて、回転磁石体23の構成について説明する。図7(a)は回転磁石体23の第1の実施形態を示す斜視図、図7(b)及び図7(c)は図7(a)に示す回転磁石体23について、回転軸方向と直交する方向の断面図と、回転磁石体23に形成した磁極を示した図である。図7(a)〜図7(c)に示す回転磁石体23は、強力な磁力を有するネオジム系希土類磁石を、粉末成形と焼結によりリング形状に一体成形した永久磁石を使用したものである。また、回転磁石体23の中心軸方向に対して偏心させた回転軸22を貫通させて固定するための回転軸用孔32を形成する方法は、粉末成形時に形成するか、あるいは機械加工により形成する。
回転磁石体23への磁極の形成は、回転磁石体23の着磁部23bに、図7(b)に示すようにラジアル異方性となる磁極NとS、あるいは図7(c)に示すように極異方性となるように磁極NとSを形成するようにするとよい。
図8(a)及び図8(b)は、回転磁石体23について第2の実施形態を示す斜視図と断面図である。第2の実施形態を示す回転磁石体23は、回転軸用孔32と外周面の長手方向(回転軸方向)に断面が円弧(弓型)状の凹部33を形成した非磁性体34と、この凹部33に弓(アーク)型のネオジム系希土類磁石又はフェライト磁石からなる永久磁石35を接着等により固定して円筒形状の磁石体とした例を示している。この第2の回転磁石体23への磁極は、例えば、図8(b)に示すように永久磁石35の長手方向の一方の端面にN極を、同じく他方の端面にS極を形成するようにする。
なお、図7(a)に示すように、回転磁石体23の外周面には、その外周面に形成されている磁極の箇所を明示するために、カラー色の塗料を塗布した識別表示50からなる塗布層を設けるとよい。例えば、磁極が形成されている外周面には赤色、磁極が存在しない箇所は白色の塗料を塗布する。このように、回転磁石体23の外周面に識別表示50を設けると、リークチェッカー20の透明な蓋31を通して回転磁石体23に塗布した識別表示50を目視することが可能になる。これにより、補修作業者がリークチェッカー20を操作して回転磁石体23からの磁力を閉塞部材1に作用させるときに、回転磁石体23の着磁部23bの位置の確認が容易になる。
(閉塞部材の第2の実施形態)
続いて、本発明に係る閉塞部材について、その第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図9は、この第2の実施形態に係る閉塞部材40の縦断面を示している。第2の実施形態となる閉塞部材40は、図1に示す第1の実施形態の閉塞部材1を構成する部材とほぼ同様な部材である、外側栓体41と、拡径部材42と、内側栓体43とを備えるとともに、さらに、内側栓体43に嵌装されるスプリング部材44と、拡径部材42の貫通孔42aの内周面にネジ嵌合された押さえナット45と、内側栓体43の下端部近傍に固定されるスプリング受け46とを備えている。
上記した閉塞部材40を構成する各部材において、外側栓体41の材質及び形状は第1の実施形態に係る閉塞部材1を構成すると外側栓体2とほぼ同様であるので、その説明は省略する。
拡径部材42は、貫通孔42aを備えた縦長のリング形状をなし、その材質は硬質な合成樹脂、例えばポリエチレンから形成されている。図9に示すように、断面形状が円形をなす貫通孔42a内にはその長手方向に内側栓体43が挿入されている。また、貫通孔42aの下端部近傍には、図9に示すようにその貫通孔42aの内径をその断面をV形状に縮小した径縮小部42bを設けている。また、拡径部材42の上方部には押さえナット45の外周面に形成されたネジと螺合するネジ溝を設けたネジ部42cと、ネジ部42cの上方は貫通孔42aの内径を拡大した内径拡大部42dを設けている。
内側栓体43は、断面が円形をなす栓体部43aと、栓体部43aの上端部とネジ結合された吸着プレート43bから構成される。なお、吸着プレート43bは円盤形状をなしその平面上の中央部には、栓体部43aの上端部に形成したネジと螺合するネジ溝を設けている。また、吸着プレート43bの材質は磁性体、例えば強磁性材であるSS400等を使用する。栓体部43aの材質は磁性体を使用してもよいが、非磁性体である、例えば「SUS303」等を使用してもよい。
また、栓体部43aの下端部は、その内径を徐々に縮小してその縦断面がV型形状をなす径縮小部43cを設けている。また、この径縮小部43cの上部には栓体部43aに嵌装したスプリング受け46を係止するための段差部を設ける。
拡径部材42の貫通孔42aの内周面にネジ嵌合される押さえナット45は、その中央部に内側栓体43の栓体部43aを貫通させるための貫通孔45aを備え、その材質は合成樹脂等の非磁性材を使用する。
図9に示す状態おいては、栓体部43aに嵌装されたスプリング部材44は、押さえナット45とスプリング受け46との間で圧縮状態になっており、その反発力は内側栓体43をガス管10方向へ移動させる付勢力を発生している。これにより、栓体部43aの径縮小部43cは拡径部材42の内径縮小部42bに密着し、この密着面は気密性を確保している状態になっている。これらスプリング部材44、押さえナット45、スプリング受け46等は、内側栓体43をガス管10方向へ移動させる付勢手段になる。また、この付勢手段と、栓体部43aの径縮小部43cと、拡径部材42の内径縮小部42bは、ガス管10の内部が貫通孔42aを介して穿孔穴11に挿入された閉塞部材40の外側(吸着プレート43bの上方)との連通を遮断するための手段となる。
図10は、図3と同様に、ガス管10に穿孔した穿孔穴11に、第2の実施形態に係る閉塞部材40を挿入したときの状態を示す要部断面図である。図10に示す状態においては、リペアサドル12の外側突出部12aに前記したリークチェッカー20を載置していないので、内側栓体43はスプリング部材44の反発力によりその栓体部43aの径縮小部43cは、拡径部材42の内径縮小部42bに密着している。このため、ガス管10内を流れている都市ガスは、リペアサドル12とガス管10の外周面により形成される空間部13に流出していない。
そして、ガス管10に穿孔した穿孔穴11に係る補修作業が終了し、リペアサドル12の外側突出部12aにリークチェッカー20が載置され、補修作業者の操作によりリークチェッカー20が備えている回転磁石体23からの磁力を閉塞部材40に作用させると、磁性体から構成される吸着プレート43bを備えている内側栓体43は、図10に示す状態であるスプリング部材44の反発力に抗して、図11に示すように磁力の吸引力によりF方向に移動する。その結果、吸着プレート43bの上面はリペアサドル12の内側面12cに当接する。これにより、栓体部43aの径縮小部43cと拡径部材42の内径縮小部42bとが離反するので、ガス管10内を流れている都市ガスの微量が空間部13に流出することになる。これにより、前記したように、石けん水等を利用してリペアサドル12とガス管10との融着に対する気密性の良否を確認することが可能になる。
上記した本発明に実施形態の説明においては、ガス管10に穿孔された穿孔穴に挿入された閉塞部材1(40)から内側栓体4(43)を、磁力を利用して若干の距離ほどリペアサドル12方向(図3等に示すF方向)に移動させる例について説明したが、この移動させた内側栓体4(43)を、磁力を利用して、図3(図10)に示すように、閉塞部材1(40)内の元の位置に戻すようにしてもよい。これを実現するためには、次の手段を採用することができる。
(1)例えば、内側栓体4(43)の吸着プレート4c(43b)の上面に板状の永久磁石を固定する。そして、この板状永久磁石の一方の面に磁極のN極を他方の面にはS極を形成する。
(2)リークチェッカー20が備えている回転磁石体23を回転させて、例えば、回転磁石体23のN極と吸着プレート4cの上面に固定された板状永久磁石の上面の磁極Sか対向すると、相互の永久磁石間に吸引力が作用するので、内側栓体4(43)を、図4(図11)に示すように回転磁石体23方向に移動させることができる。
(3)リペアサドル12とガス管10との融着に対する気密性の良否の確認が終了すると、上記(2)の状態から、回転磁石体23を回転させて、回転磁石体23の磁極Sが板状永久磁石の上面の磁極Sと対向させる。これにより、相互の永久磁石間には反発力が作用するので、内側栓体4(43)は回転磁石体23に対して逆方向に移動するので、内側栓体4(43)は閉塞部材1(40)内の元の位置に戻すことができる。
このように、リペアサドル12とガス管10との融着に対する気密性の良否の確認が終了すると、内側栓体4(43)を閉塞部材1(40)内の元の位置に戻す操作を行なうと、内側栓体4(43)が都市ガスにより腐食されることを防止することが可能になる。
また、上記した本発明の実施形態において、回転磁石体23はその形状が円筒形をなしている場合について説明したが、例えば、回転磁石体23の断面形状は4角形状(又は多角形状)とし、その対向する表面部にN極とS極を形成し、他の対向する表面部には磁極を形成していない回転磁石体としてもよい。さらに、リークチェッカー20の凹状空間部29には、リークチェッカー20をリペアサドル12の外側突出部12a上に安定した状態で載置するための載置支持手段を設けてもよい。
本発明に係る閉塞部材について、その第1の実施形態の構成を説明するための断面図である。 図1に示す閉塞部材について、閉塞部材を構成する部材を示す斜視図である。 ガス管に穿孔した穿孔穴を補修するために、この穿孔穴に図1に示す閉塞部材を挿入した時の状態を説明するための部分断面図である。 図3に示す状態において、閉塞部材を構成する内側栓体のみを閉塞部材からF方向に移動させたときの状態を説明するための部分断面図である。 本発明に係るリークチェッカーについて、その構成を説明するための断面図である。 図5に示すリークチェッカーを、図3に示すリペアサドル上に載置したときの状態を説明するための断面図である。 本発明に係るリークチェッカーが備えている回転磁石体について、その構成例を説明するための図であって、(a)は斜視図、(b)はその断面図と磁極の配置例を示す図、(c)は同じく磁極の配置について他の例を示す図である。 本発明に係るリークチェッカーが備えている回転磁石体について、他の構成例を説明するための図であって、(a)は斜視図、(b)はこの回転磁石体の断面図と磁極の配置例を示す図である。 本発明に係る閉塞部材について、第2の実施形態の構成を説明するための断面図である。 ガス管に穿孔した穿孔穴を補修するために、この穿孔穴に図9に示す第2の実施形態に係る閉塞部材を挿入した時の状態を説明するための部分断面図である。 図10に示す状態において、第2の閉塞部材を構成する内側栓体のみを閉塞部材からF方向に移動させたときの状態を説明するための部分断面図である。 リペアサドルの構成を説明するための部分横断面図である。 同じく、リペアサドルの構成を説明するための部分縦断面図である。
符号の説明
1、40:閉塞部材
2、41:外側栓体
3、42:拡径部材
4、43:内側栓体
5:Oリング
10:ガス管
11:穿孔穴
12:リペアサドル
13:空間部
20:リークチェッカー
21:ケース部
22:回転軸
23:回転磁石体
44:スプリング部材
50:識別表示

Claims (9)

  1. 合成樹脂管に穿孔された穿孔穴に挿入して該穿孔穴を閉塞するための閉塞部材であって、前記閉塞部材は、
    前記挿入方向に形成された貫通孔を有するとともに、外周面に非磁性体の弾性部材からなる外側栓体を装着する非磁性体からなる拡径部材と、
    前記拡径部材に形成された前記貫通孔内に、磁性体からなる部材を備えるとともに前記貫通孔に沿って移動可能に配設された内側栓体と、
    前記内側栓体が前記貫通孔内の所定の位置に挿入されているときに、前記拡径部材と前記内側栓体は、前記合成樹脂管の管内が前記貫通孔を介して前記穿孔穴に挿入された前記閉塞部材の外側との連通を遮断するための手段を形成するようになされていることを特徴とする閉塞部材。
  2. 前記内側栓体は、前記貫通孔に挿入される栓体部と、栓体部の一方の端部に結合された吸着プレート部を備え、前記吸着プレート部は磁性体から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の閉塞部材。
  3. 前記貫通孔に挿入された前記内側栓体は、前記内側栓体を前記合成樹脂管方向に移動させる付勢力を付与するための付勢手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の閉塞部材。
  4. 合成樹脂管に穿孔された穿孔穴に挿入された前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の前記閉塞部材に磁力を作用させるためのリークチェッカーであって、
    合成樹脂管に固着されたリペアサドルの外側突出部に装着可能な凹状空間部と、
    永久磁石を配設した回転磁石体と、
    前記回転磁石体を固着した回転軸を回転可能に支持する軸受部を備え、
    前記回転軸の回転に基づいて、前記回転磁石体に配設された前記永久磁石からの磁力を、前記リペアサドルを介して前記穿孔穴に挿入された前記閉塞部材に作用させるようになされていることを特徴とするリークチェッカー。
  5. 前記回転磁石体は、ラジアル異方性を備えたリング状の永久磁石から構成されていることを特徴とする請求項4に記載のリークチェッカー。
  6. 前記回転磁石体は、極異方性を備えたリング状の永久磁石から構成されていることを特徴とする請求項4に記載のリークチェッカー。
  7. 前記回転磁石体は、その外周面に形成されている磁極の箇所を明示するために、前記外周面に識別表示を備えていることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載のリークチェッカー。
  8. 前記回転軸の端部の一方又は双方に、取っ手を設けていることを特徴とする請求項4に記載のリークチェッカー。
  9. 合成樹脂管に穿孔された穿孔穴に閉塞部材を挿入し、前記閉塞部材の上方から前記合成樹脂管の外周面にリペアサドルを被せて、前記リペアサドルを前記合成樹脂管に融着する成樹脂管の穿孔穴の補修方法であって、
    前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の閉塞部材を前記合成樹脂管に穿孔された穿孔穴に挿入して該穿孔穴を閉塞する閉塞工程と、
    前記穿孔穴に挿入した前記閉塞部材の上方から前記リペアサドルを前記合成樹脂管の外周面に被せて、前記閉塞部材が前記リペアサドルの外側突出部の下方に位置した状態で、前記リペアサドルを前記合成樹脂管に融着するリペアサドル融着工程と、
    前記合成樹脂管に融着したリペアサドルの外側突出部の上方部から前記閉塞部材に磁力を作用させて、前記閉塞部材の磁性体からなる部材を備えた前記内側栓体を前記貫通孔から前記リペアサドル方向に移動させる内側栓体引抜き工程と、
    前記リペアサドルと前記合成樹脂管との融着についてその気密性を確認する気密性確認工程と、
    を有することを特徴とする合成樹脂管の穿孔穴の補修方法。
JP2008279295A 2008-10-30 2008-10-30 閉塞部材、リークチェッカー、及び合成樹脂管の穿孔穴の補修方法 Pending JP2010106954A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010255689A (ja) * 2009-04-22 2010-11-11 Seibu Gas Co Ltd 閉塞部材、及び閉塞部材用吸着装置
CN103851303A (zh) * 2014-04-01 2014-06-11 王连英 输油气管道快速堵漏装置及方法
CN109466719A (zh) * 2017-09-07 2019-03-15 中国人民解放军海军工程大学 一种管道堵漏装置

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