JP2010105990A - 複合粉体を含有する粉体化粧料 - Google Patents

複合粉体を含有する粉体化粧料 Download PDF

Info

Publication number
JP2010105990A
JP2010105990A JP2008281941A JP2008281941A JP2010105990A JP 2010105990 A JP2010105990 A JP 2010105990A JP 2008281941 A JP2008281941 A JP 2008281941A JP 2008281941 A JP2008281941 A JP 2008281941A JP 2010105990 A JP2010105990 A JP 2010105990A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
receiving angle
light receiving
composite powder
reflectance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008281941A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirobumi Ishikawa
博文 石川
Hidenori Komai
秀紀 駒井
Sumiko Kizaki
寿美子 木崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noevir Co Ltd
Original Assignee
Noevir Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noevir Co Ltd filed Critical Noevir Co Ltd
Priority to JP2008281941A priority Critical patent/JP2010105990A/ja
Publication of JP2010105990A publication Critical patent/JP2010105990A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Abstract

【課題】カバー力、毛穴ぼかし効果、素肌感・透明感、及び滑らかな密着感の全てにおいて優れた効果を発揮する粉体化粧料を提供すること。
【解決手段】2種以上の粉体から構成される複合粉体(I)及び複合粉体(II)を含有する化粧料であって、複合粉体(I)が、当該複合粉体の反射率Yを、入射角−45°の入射光を照射し受光角を−70°〜70°の範囲で変角しながら測定したときに、反射率Yが、受光角−40°〜45°の範囲で40%より大きく、40°〜50°の範囲内で最大値を示し、且つ、受光角0°における反射率Y(0°)の受光角45°における反射率Y(45°)に対する割合が0.7〜0.95である複合粉体であり、複合粉体(II)が、セリサイト、金属石けん及び脂質を含み、前記セリサイトが金属石けん及び脂質により被覆されている複合粉体である、粉体化粧料。
【選択図】図1

Description

本発明は、複合粉体を含有する粉体化粧料に関する。
ファンデーション等の化粧料には、カバー力、毛穴ぼかし効果、素肌感・透明感、滑らかな密着感等において優れた効果を発揮することが求められる。従来、カバー力及び毛穴ぼかし効果の向上のために、酸化チタン等の屈折率の高い粉体を用いた化粧料が開示されている(特許文献1〜3参照)。しかし、これらの屈折率の高い粉体を高配合した化粧料は、滑らかな密着感に欠ける傾向があった。また、カバー力向上のため、単に密着感を高める処方とすると、仕上がりに厚ぼったさが生じて不自然になり、素肌感・透明感が十分に得られなくなる傾向があった。
一方、素肌感・透明感のある自然な仕上がりを実現するために、マイカやタルクなどの屈折率の低い粉体を高配合すると、カバー力が十分でなくなる傾向があった。さらに、マイカを高配合すると、くすみが生じる傾向があり、タルクを高配合すると、角立ちが生じて滑らかな密着感が得られなくなる傾向があった。
これまでに、上記の効果を兼ね備えた化粧料を得る試みがなされ、特定の粒子径を有する粉体を用いる技術(特許文献4参照)や、特定の光学特性を有する粉体を用いる技術(特許文献5及び6参照)が開示されている。
特公昭43−25644号公報 特開平6−56628号公報 特開平8−188723号公報 特開昭63−027418号公報 特開2002−104931号公報 特開平8−188723号公報
しかしながら、より優れた効果を兼ね備えた粉体化粧料の開発が強く望まれていた。そこで、本発明は、カバー力、毛穴ぼかし効果、素肌感・透明感、及び滑らかな密着感の全てにおいて優れた効果を発揮する粉体化粧料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、変角測色によって測定される反射率に着目し、この反射率が特定の挙動を示す複合粉体と、特定の構成を備える複合粉体とを組み合わせて用いることにより、カバー力、毛穴ぼかし効果、素肌感・透明感、及び滑らかな密着感の全てにおいて優れた効果を発揮する粉体化粧料を得ることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、2種以上の粉体から構成される複合粉体(I)及び複合粉体(II)を含有する粉体化粧料に関する。
複合粉体(I)は、標準黒色板に貼付された3cm×3cmの半透明粘着テープの表面に0.5mg/cmの密度で配置された当該複合粉体の反射率Yを、入射角−45°の入射光を照射し受光角を−70°〜70°の範囲で変角しながら測定したときに、反射率Yが、受光角−40°〜45°の範囲で40%より大きく、40°〜50°の範囲内で最大値を示し、且つ、受光角0°における反射率Y(0°)の受光角45°における反射率Y(45°)に対する割合が0.7〜0.95である、複合粉体である。
一方、複合粉体(II)は、セリサイト、金属石けん及び脂質を含み、セリサイトが金属石けん及び脂質により被覆されている複合粉体である。
このような複合粉体(I)と複合粉体(II)とを組み合わせて用いることにより、カバー力、毛穴ぼかし効果、素肌感・透明感、及び滑らかな密着感の全てにおいて優れた効果を発揮する粉体化粧料が得られる。
複合粉体(I)は、反射率Yが、受光角−45°〜−30°の範囲内で60%以上の最大値を示し、受光角−30°〜70°の範囲で受光角が大きくなるほど小さい値を示す粉体(A)と、反射率Yが、受光角40°〜50°の範囲内で60%以上の最大値を示し、受光角−40°〜45°の範囲で受光角が大きくなるほど大きい値を示す粉体(B)とを含むことが好ましい。この場合、好ましくは粉体(B)が粉体(A)によって被覆される。このような複合粉体(I)を用いることにより、上記効果がより優れた粉体化粧料が得られる。
本発明の粉体化粧料は、球状粉体を更に含有することにより、伸びが向上する。また本発明の粉体化粧料は、固形油脂を更に含有することにより、パフなどの化粧用具へのほぐれが向上する。
本発明によれば、カバー力、毛穴ぼかし効果、素肌感・透明感、及び滑らかな密着感の全てにおいて優れた効果を発揮する粉体化粧料を提供することが可能となる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る化粧料は、互いに異なる材料によって形成された2種以上の粉体から構成される複合粉体(I)及び複合粉体(II)を含有する。
複合粉体(I)の反射率Yは、受光角−40°〜45°の範囲で40%より大きい。また、好ましくは、反射率Yは40°〜50°の範囲内で最大値を示す。さらに、受光角0°における反射率Y(0°)の受光角45°における反射率Y(45°)に対する割合(=Y(0°)/Y(45°))が0.7〜0.95であることが好ましい。
上記反射率Yは、黒色板に貼付された3cm×3cmの半透明粘着テープの表面に0.5mg/cmの密度で当該複合粉体を均一に塗布し、その状態で入射角−45°の入射光を照射し受光角を−70°〜70°の範囲で変角しながら測定する方法によって測定される値である。
上記のような反射率Yを有する複合粉体(I)は、例えば、光学特性の異なる2種以上の粉体を組み合わせ、その配合比を適宜調整する方法により得ることができる。具体的には、下記のような粉体(A)及び粉体(B)を組み合わせる方法が好適である。粉体(B)の表面の少なくとも一部は粉体(A)により被覆されていることが好ましい。
粉体(A):反射率Yが、受光角−45°〜−30°の範囲内で60%以上の最大値を示し、受光角−30°〜70°の範囲で受光角が大きくなるほど小さい値を示す。
粉体(B):反射率Yが、受光角40°〜50°の範囲内で60%以上の最大値を示し、受光角−40°〜45°の範囲で受光角が大きくなるほど大きい値を示す。
粉体(A)を形成する材料としては、酸化チタン(TiO)が挙げられる。粉体(A)の粒径(粒子径)は好ましくは0.1〜0.4μmである。粉体(B)を形成する材料としては、マイカ、セリサイト、タルク等が例示される。これらの粉体の中でも、粉体の光学特性の点からマイカを用いることが好ましい。粉体(B)の粒径は好ましくは10μm〜30μmである。粉体(B)としては、粒径が20μmでアスペクト比が70であるものがより好ましい。
粉体(A)及び粉体(B)の合計量に対する粉体(A)の割合は、25〜45質量%であることが好ましい。この範囲で粉体(A)及び粉体(B)を組み合わせることにより、特に容易に上述の反射率Yを達成することができる。
粉体(B)への粉体(A)の被覆方法としては、これまで知られた各種方法、例えば物理化学的な混合摩砕法(乾式、湿式)や化学的な沈着法などが選択され実施されるが、複合粉体の光学特性の点から、乾式の混合摩砕法が有利に用いられる。
得られた複合粉体(I)を、シリコーン化合物、有機フッ素化合物、高級脂肪酸、金属セッケン、ワックス、ペースト、アシル化アミノ酸処理等の化合物でさらに被覆することにより、粉体化粧料に配合した場合、分散性及び化粧持ちが向上する。複合粉体を疎水性化合物で処理する場合、その処理は、粉体製造時に行っても良く、また他の粉体と混合した後でも良い。
複合粉体の粉体化粧料への配合量としては、0.5〜90質量%が好ましい。この配合量が0.5質量%未満では、複合粉体の反射特性が粉体化粧料中で有効に発揮されにくくなる傾向がある。一方、90質量%を超える複合粉体を配合すると、製剤化が困難になる傾向がある。
一方、複合粉体(II)は、セリサイト、金属石けん及び脂質を含み、セリサイトが金属石けん及び脂質により被覆されている。セリサイトは、層状珪酸塩鉱物の一種である白雲母の細粒であり、絹雲母と呼ばれる。本実施形態において用いるセリサイトとしては、通常化粧料に配合しうるものであれば特に種類は問わないが、平均粒子径が12μm未満の微細なセリサイトを用いることが好ましい。
金属石けんとしては、通常化粧料に使用しうるものであれば、特に制限はない。脂肪酸としては、炭素数12〜26のものが好ましく、特に好適なものとして、ミリスチン酸(C1428)等が挙げられる。金属塩を形成する金属としては、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム等が挙げられ、特にアルミニウムが好ましい。金属石けんとして特に好適なものは、ミリスチン酸アルミニウムである。これらの金属石けんの被覆量としては、母体の粉体100質量部に対し、0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
脂質としては、アシルアミノ酸及び/又はそれらの塩、脂肪酸などが挙げられ、これらの混合物を用いることが好ましい。
アシルアミノ酸のアシル基としては、アルカノイル基が好ましく、その炭素数は通常10〜26、好ましくは12〜22、より好ましくは14〜18である。例えば、酢酸、ブタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベへニン酸などの直鎖飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸などの直鎖不飽和脂肪酸、イソブタン酸、イソペンタン酸、イソヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、2−へキシルデカン酸、イソステアリン酸などの分岐脂肪酸等に由来するものが挙げられる。
また、アシルアミノ酸のアミノ酸の種類は、特別の制限はないが、中性アミノ酸、酸性アミノ酸が好ましい。アミノ酸の好適なものを例示すれば、特にグリシン、アラニン、プロリン、スレオニン、β−アラニン、サルコシン、N−メチル−β−アラニン、アミノ酪酸、グルタミン酸、アスパラギン酸が例示される。
アシルアミノ酸塩を形成する塩としては、亜鉛塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩が例示される。
脂肪酸としては、分岐を有してもよい炭素数10〜26、好ましくは12〜22、より好ましくは14〜18の高級脂肪酸で、飽和、不飽和を問わない。
本実施形態においては、脂質として、アシルアミノ酸、それらの塩、及び脂肪酸から選択される1種又は2種以上を混合して用いる。これらの脂質の被覆量としては、母体の粉体100質量部に対し、0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
複合粉体(II)は、例えば、セリサイトを上記脂質の混合物と金属石けんにより被覆したものである。
複合粉体(II)は、本発明の粉体化粧料全量に対し、0.1〜30質量部配合することが好ましい。0.1質量部未満の配合では本発明の効果を発揮しにくい。一方、30質量部を超えて配合しても、使用感の向上は認められず、逆に伸び、ほぐれに悪影響を及ぼす傾向がある。
本実施形態に係る粉体化粧料は、上記の複合粉体(I)及び複合粉体(II)を含有することによって、カバー力、毛穴ぼかし効果、素肌感・透明感、及び滑らかな密着感の全てにおいて優れた効果を発揮するものとなる。
上記粉体化粧料に球状粉体を配合することにより、さらに伸びの軽い良好な使用感の粉体化粧料を得ることができる。球状粉体は、無機粉体、有機粉体のいずれでも良く、具体的には、無機球状粉体として、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等が挙げられ、有機球状粉体として、例えば、ナイロン、ポリメタクリル酸メチル、オルガノポリシロキサンエラストマー、メチルシロキサン網状重合体、ウレタン樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体、ポリエチレン、シルク、セルロース等が挙げられる。これらのうち、シリカ、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン、メチルシロキサン網状重合体、ウレタン樹脂が好ましく、特に、シリカ、ナイロンが好ましい。また、上記球状粉体は、粉体の2種以上を複合化して球状にしたものでも良く、そのような球状粉体の好ましい例として酸化チタン内包シリカが例示される。これらの球状粉体を1種以上用いることができる。また、粉体化粧料全組成中に0.1〜20質量%、特に0.5〜10質量%の球状粉体を含有することが好ましい。
上記粉体化粧料に固形油脂を配合することにより、粉体化粧料の伸びが軽く良好な使用感が得られるとともに、パフなどの化粧用具へのほぐれの良好な粉体化粧料を得ることができる。固形油脂としては、通常化粧料等の外用剤に用いられるものであれば特に限定されるものではなく、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。かかる固形油脂としては、モクロウ,牛脂,硬化牛脂,硬化大豆油,硬化ヒマシ油等の固形状油脂類、カルナウバロウ,キャンデリラロウ,水添ホホバ油等の植物ロウ類、ミツロウ,鯨ロウ,ラノリン,還元ラノリン,硬質ラノリン等の動物ロウ類、オゾケライト,セレシン,マイクロクリスタリンワックス等の固形状炭化水素類、トリステアリン酸グリセリル,トリパルミチン酸グリセリル,トリベヘン酸グリセリル,トリミリスチン酸グリセリル,トリヤシ油脂肪酸グリセリル,トリラウリン酸グリセリル,トリラノリン脂肪酸グリセリル等の固形状脂肪酸トリグリセリドなどが挙げられる。これらの固形油脂の中でも、本願発明の効果の点から、セレシンが最も好ましく用いられる。固形油脂は、粉体化粧料中の油分の配合比により最適な配合量が変化するが、粉体化粧料全組成中に0.01〜5質量%、0.01〜1質量%、さらに好ましくは0.01〜0.5質量%配合することができる。0.01質量%未満の配合ではほぐれの改良効果が認められにくい傾向がある。一方、固形油脂を5質量%以上配合すると、逆にほぐれに悪影響を及ぼす傾向がある。
本実施形態の粉体化粧料は、粉体と油分を必須成分として含有する化粧料である。かかる粉体化粧料の剤型としては、油中水乳化型、水中油乳化型、油型等任意である。この中でも、油型の剤型を採用することが好ましく、さらには、油分の配合量が30質量%以下で、プレス成型して調製する、粉体固形化粧料の剤型が、本発明の効果を最も発揮する。
粉体化粧料の種類としては、ファンデーション、紫外線防御用化粧料、チークカラー、アイカラー、マユズミ等が例示されが、ファンデーションにおいて最も複合粉体の効果を発揮することができる。
本発明の粉体化粧料には、他に粉体、油分、紫外線防御剤、水性成分、美白剤、抗酸化剤、防腐・殺菌剤等、通常化粧料に配合しうる成分を配合することができる。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(複合粉体(I))
平均粒子径20μm及びアスペクト比70であるマイカ(以下、「マイカ1」と記す。)65質量部と、平均粒子径0.25μmの酸化チタン35質量部とを、ブレンダーを用いて2時間混合することにより、酸化チタンとマイカからなる複合粉体を得た。この複合粉体を顕微鏡で観察したところ、酸化チタン(TiO)によりマイカ1が被覆されていた。以下、この複合粉体を「マイカ1/TiO35%」と記す。
(複合粉体(II))
セリサイトに、パルミトイルプロリン(1.25質量部)、パルミトイルサルコシンNa(0.35質量部)、パルミトイルグルタミン酸Mg(0.35質量部)及びパルミチン酸(1.05質量部)の粉体混合物と、ミリスチン酸アルミニウムとを加熱して被覆することにより、セリサイトが上記脂質及びミリスチン酸アルミニウムによって被覆された複合粉体(II)を得た。
(変角測色)
標準黒色板に、3cm×3cmの半透明粘着テープ(商品名:ブレンダーム住友スリーM社製)を貼付し、その粘着テープの表面に、上記で得られた複合粉体(I)(マイカ1/TiO35%)を、0.5mg/cmの密度となるように均一に塗布した。その塗布面に、入射角−45°にて入射光を照射し、受光角を−70°〜70°の範囲で変角しながら反射光の反射率の測定(変角測色)を行った。その結果、反射率は、受光角−40°〜45°の範囲で40%より大きく、受光角40°において最大値を示し、受光角45°における反射率(60.26%)に対する受光角0°における反射率(51.62%)の割合は、0.86であった。
下記の粉体a〜iについて、上記と同様に変角測色を行った。なお、下記の「粉体c」は、上記の複合粉体(I)(マイカ1/TiO35%)である。また、「粉体a」は「粉体b」、「粉体c」、「粉体d」、「粉体h」を構成する「酸化チタン」に相当する。
粉体a:ルチル型酸化チタン
粉体b:マイカ1(50質量%)を、特開昭63−027418号公報に記載の方法を用いて酸化チタン(50質量%)で被覆したもの
粉体c:マイカ1(65質量%)を、特開昭63−027418号公報に記載の方法を用いて酸化チタン(35質量%)で被覆したもの
粉体d:マイカ1(65質量%)と酸化チタン(35質量%)との混合物(被覆処理なし)
粉体e:マイカ(65質量%)を、特開昭63−027418号公報に記載の方法を用いて、酸化鉄(1質量%)、酸化チタン(34質量%)で被覆したもの
粉体f:マイカ(70質量%)を、特開昭63−027418号公報に記載の方法を用いて微粒子酸化チタン(30質量%)で被覆したもの
粉体g:マイカ(56.5質量%)を、特開昭63−027418号公報に記載の方法を用いて微粒子酸化チタン(43.5質量%)で被覆したもの
粉体h:セリサイト(65質量%)を、特開昭63−027418号公報に記載の方法を用いて酸化チタン(35質量%)で被覆したもの
粉体i:マイカ1
図1は、粉体a〜iの変角測色の結果を示すグラフである。各粉体の受光角0°における反射率Y(0°)、受光角45°における反射率Y(45°)及びY(0°)/Y(45°)の値を下記表1に示す。
Figure 2010105990
表1に示されるように、粉体c、f、gのY(0°)/Y(45°)の値は0.7〜0.95の範囲内にあった。ただし、図1に示されるように、粉体f、gは受光角−40°〜45°の範囲において反射率が40%以下の部分を有していた。また、粉体c、gは受光角40°〜50°の範囲で最大値を示すこともなかった。
粉体aの反射率は、受光角−40°で最大値(70.5%)を示した。すなわち、上記反射率は、受光角−45°〜−30°の範囲内で60%以上の最大値を示した。また、上記反射率は、受光角−30°〜70°の範囲で受光角が大きくなるほど小さい値を示した。つまり、粉体aは、本発明における粉体(A)に相当する。
粉体iの反射率は、受光角45°で最大値(79.2%)を示した。すなわち、上記反射率は、受光角40°〜50°の範囲内で60%以上の最大値を示した。また、上記反射率は、受光角−40°〜45°の範囲で受光角が大きくなるほど大きい値を示した。つまり、粉体iは、本発明における粉体(B)に相当する。
(実施例1)
以下の表2に示す粉体成分1〜14をブレンダーで混合して粉体混合物を得た。表2に示すバインダー成分1〜3を加熱混合して均一なバインダー溶液を得た。このバインダー溶液を、上記粉体混合物に加え、さらに混合して化粧料組成物を得た。この化粧料組成物を粉砕し、篩過した後、金皿に入れてプレス成型することにより、本発明の化粧料の一実施形態であるパウダーファンデーションを得た。なお、表2の粉体成分10である粉体(X)としては、上記粉体cを用いた。
Figure 2010105990
表2の粉体成分3は、セリサイトをミリスチン酸アルミニウム及びLPにより被覆処理したものである。ここで、「LP」は、パルミトイルプロリン(1.25質量部)、パルミトイルサルコシンNa(0.35質量部)、パルミトイルグルタミン酸Mg(0.35質量部)、及びパルミチン酸(1.05質量部)の混合物である。
(比較例1〜9)
上記粉体(X)として、上記粉体cに代えて、以下の表3に示す粉体を用いて、実施例1と同様にしてパウダーファンデーションを得た。
Figure 2010105990
表3の粉体のうち、上記粉体a〜i以外の粉体は、以下のとおりである。
「マイカ1/TiO20%」:マイカ1(粒径20μm、アスペクト比70)(80質量%)を、特開昭63−027418号公報に記載の方法を用いて、酸化チタン(20質量%)で被覆したもの
「マイカ2/TiO35%」:マイカ2(粒径20μm未満)(65質量%)を、特開昭63−027418号公報に記載の方法を用いて、酸化チタン(35質量%)で被覆したもの
「マイカ3/TiO35%」:マイカ3(アスペクト比70未満)(65質量%)を、特開昭63−027418号公報に記載の方法を用いて、酸化チタン(35質量%)で被覆したもの
「合成マイカ/TiO35%」:合成マイカ(65質量%)を、特開昭63−027418号公報に記載の方法を用いて、酸化チタン(35質量%)で被覆したもの
「マイカ1/TiO20%」、「マイカ2/TiO35%」、「マイカ3/TiO35%」及び「合成マイカ/TiO35%」について変角測色を行ったところ、これらはいずれも、Y(0°)/Y(45°)の値が0.7〜0.95の範囲外であるか、受光角−40°〜45°の範囲において反射率が40%以下の部分を有しているか、又は、40°〜50°の範囲外で反射率が最大値を示した。
(評価試験)
専門評価者3名に、実施例及び比較例1〜9で得たパウダーファンデーションを塗布させ、以下の評価基準により各項目について評価させた。
評価基準
◎:非常に優れている
○:優れている
△:普通である
×:不十分である
各項目について専門評価者3名の合議による評価を行い、結果を上記記号により上記表3に示した。表3に示すとおり、粉体(X)として「マイカ1/TiO35%」(粉体c)を用いた実施例のパウダーファンデーションは、「カバー力」、「しわ・凹凸ぼかし効果」、「つや感」、「密着感」及び「滑らかさ」の5項目全てにおいて、◎(非常に優れている)の評価を得た。それに対し、比較例1〜9のパウダーファンデーションが◎の評価を得たのは、いずれも上記5項目のうち3項目以下であった。
(参考例1〜3)
実施例1における粉体成分2(シリコーン処理タルク)、粉体成分5(シリコーン処理酸化チタン内包シリカ)及び粉体成分8(ナイロンパウダー)並びにバインダー成分2(ミリスチン酸イソセチル)及びバインダー成分3(セレシン)の配合量を、以下の表4に示すように変えたほかは、実施例1と同様にしてパウダーファンデーションを得た。
Figure 2010105990
上記評価試験と同様にして、以下の表5に示す項目について、評価試験を行った。
Figure 2010105990
試験の結果、表5に示すとおり、球状粉体である粉体成分5及び8並びに固形油脂であるバインダー成分3を含有する実施例のパウダーファンデーションは、「カバー力」、「毛穴ぼかし効果」、「素肌感・透明感」及び「均一な伸び」の4項目全てにおいて、◎(非常に優れている)の評価を得た。それに対し、固形油脂であるバインダー成分3を含有しない参考例1のパウダーファンデーション、球状粉体である粉体成分5の含有量が少ない参考例2のパウダーファンデーション、球状粉体である粉体成分8の含有量が少ない参考例3のパウダーファンデーションは、いずれも「均一な伸び」について×(不十分である)の評価がなされ、他の項目についても、実施例の評価ほどの良い評価は得られなかった。なお、参考例1のパウダーファンデーションは、パフでほぐす際にすぐにほぐれにくくなり、角立ち現象がみとめられた。
(比較例10)
上記粉体成分3である複合粉体(II)として、ミリスチン酸アルミニウム/LP(パルミトイルプロリン1.25質量部、パルミトイルサルコシンNa0.35質量部、パルミトイルグルタミン酸Mg0.35質量部、及びパルミチン酸1.05質量部の混合物)処理セリサイトに代えて、上記LPで被覆処理を行ったLP処理セリサイトを用いたほかは、実施例と同様にしてパウダーファンデーションを得た。
上記評価試験と同様にして、以下の表6に示す項目について、評価試験を行った。
Figure 2010105990
表6に示すとおり、金属石けんにより被覆された複合粉体(II)を用いた実施例のパウダーファンデーションは、「カバー力」、「毛穴ぼかし効果」、「素肌感・透明感」及び「滑らかな密着感」の4項目全てにおいて、◎(非常に優れている)の評価を得た。それに対し、脂質のみによって被覆された複合粉体(II)を用いた比較例10のパウダーファンデーションは、「滑らかな密着感」について×(不十分である)の評価がなされ、「毛穴ぼかし効果」についても、実施例の評価ほどの良い評価は得られなかった。
以上の結果から、本発明の化粧料は、複合粉体(I)及び複合粉体(II)を組み合わせて用いることにより、カバー力、毛穴ぼかし効果、素肌感・透明感、及び滑らかな密着感の全てにおいて優れた効果を発揮することが明らかとなった。
本発明の粉体化粧料は、ファンデーション、紫外線防御用化粧料、チークカラー、アイカラー、マユズミ等に利用することができる。
粉体a〜iについて、受光角を−70°〜70°の範囲内で変角しながら反射光の反射率の測定(変角側色)を行った結果を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 2種以上の粉体から構成される複合粉体(I)及び複合粉体(II)を含有する化粧料であって、
    前記複合粉体(I)が、標準黒色板に貼付された3cm×3cmの半透明粘着テープの表面に0.5mg/cmの密度で配置された当該複合粉体の反射率Yを、入射角−45°の入射光を照射し受光角を−70°〜70°の範囲で変角しながら測定したときに、反射率Yが、受光角−40°〜45°の範囲で40%より大きく、40°〜50°の範囲内で最大値を示し、且つ、受光角0°における反射率Y(0°)の受光角45°における反射率Y(45°)に対する割合が0.7〜0.95である複合粉体であり、
    前記複合粉体(II)が、セリサイト、金属石けん及び脂質を含み、前記セリサイトが金属石けん及び脂質により被覆されている複合粉体である、粉体化粧料。
  2. 前記複合粉体(I)が、
    反射率Yが、受光角−45°〜−30°の範囲内で60%以上の最大値を示し、受光角−30°〜70°の範囲で受光角が大きくなるほど小さい値を示す粉体(A)と、
    反射率Yが、受光角40°〜50°の範囲内で60%以上の最大値を示し、受光角−40°〜45°の範囲で受光角が大きくなるほど大きい値を示す粉体(B)と、
    を含み、粉体(B)が粉体(A)によって被覆されている複合粉体である、請求項1に記載の粉体化粧料。
  3. 球状粉体を更に含有する、請求項1又は2に記載の粉体化粧料。
  4. 固形油脂を更に含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粉体化粧料。
JP2008281941A 2008-10-31 2008-10-31 複合粉体を含有する粉体化粧料 Pending JP2010105990A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008281941A JP2010105990A (ja) 2008-10-31 2008-10-31 複合粉体を含有する粉体化粧料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008281941A JP2010105990A (ja) 2008-10-31 2008-10-31 複合粉体を含有する粉体化粧料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010105990A true JP2010105990A (ja) 2010-05-13

Family

ID=42295801

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008281941A Pending JP2010105990A (ja) 2008-10-31 2008-10-31 複合粉体を含有する粉体化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010105990A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001002522A (ja) * 1999-06-17 2001-01-09 Kao Corp 化粧料
JP2003212721A (ja) * 2002-01-22 2003-07-30 Merck Ltd 化粧用体質顔料およびその製造方法
JP2004231564A (ja) * 2003-01-30 2004-08-19 Miyoshi Kasei Inc 特定のリポアミノ酸組成物で被覆した粉体及びこれを配合した化粧料
JP2008013438A (ja) * 2006-07-03 2008-01-24 Kose Corp 粉末状化粧料
JP2008088317A (ja) * 2006-10-03 2008-04-17 Kose Corp 白色複合粉体及びそれを配合した化粧料

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001002522A (ja) * 1999-06-17 2001-01-09 Kao Corp 化粧料
JP2003212721A (ja) * 2002-01-22 2003-07-30 Merck Ltd 化粧用体質顔料およびその製造方法
JP2004231564A (ja) * 2003-01-30 2004-08-19 Miyoshi Kasei Inc 特定のリポアミノ酸組成物で被覆した粉体及びこれを配合した化粧料
JP2008013438A (ja) * 2006-07-03 2008-01-24 Kose Corp 粉末状化粧料
JP2008088317A (ja) * 2006-10-03 2008-04-17 Kose Corp 白色複合粉体及びそれを配合した化粧料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI288161B (en) Novel composite powders and cosmetics containing the same
WO2001052794A1 (fr) Cosmetiques brillants
JPH1192688A (ja) 複合粉末
JP2011173809A (ja) 被覆処理粉体及びその処理粉体を用いた化粧料
JP2013539746A (ja) リップメークアップのための化粧品組成物
JP5546792B2 (ja) メイクアップ化粧料
KR20130011584A (ko) 복합분체 및 이를 함유하는 화장료 조성물
JP2004043291A (ja) 鱗片状粒子およびそれを配合した化粧料、塗料組成物、樹脂組成物およびインキ組成物
JP4212480B2 (ja) 化粧料
JP2001010929A (ja) 複合粉末
JP4920962B2 (ja) 複合有機粉末とそれを用いた製品
JP2008162941A (ja) ポリマー粉体及びこれを含有する化粧料
JP2005314390A (ja) 美爪料
JP6096525B2 (ja) 被覆粉体及びこれを含有するメイクアップ化粧料
JP5042540B2 (ja) 複合粒子を含む化粧料の製造方法
JP2010105990A (ja) 複合粉体を含有する粉体化粧料
JP4440630B2 (ja) 化粧料
JP2010105989A (ja) 複合粉体及びこれを含有する粉体化粧料
TWI388341B (zh) 印象控制劑
JP6325209B2 (ja) 固形棒状化粧料
JP4672412B2 (ja) 口唇用油性化粧料
JP3723710B2 (ja) 化粧料
JP4791817B2 (ja) メークアップ化粧料
JP3492966B2 (ja) 化粧料
EP1512729A1 (en) Scaly particles and cosmetic comprising the same, coating composition, resin composition and ink composition

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110808

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20110830

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130521

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140128