JP2010105480A - 車両の前部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車体11前部の下部を構成するフロントバンパ12が車体11下部から前方に突設され、車体11前部の中央部を構成するフロントパネル13がフロントバンパ12の上方に設けられ、更に車体11前部の上部を構成するウインドシールドガラス14がフロントパネル13の上方に設けられる。歩行者17が車体11の前部に衝突して車体11の前方に放出されたときに、歩行者17の脚部17aが車体11の前部から離れた前方に位置しかつ歩行者17の頭部17bが車体11の前部に近い前方に位置して接地するように、フロントバンパ12、フロントパネル13及びウインドシールドガラス14がそれぞれ形成される。
【選択図】図1
Description
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、更に図1及び図3に示すように、フロントバンパ12が車体11の前部に衝突した歩行者17に車体11の前部に沿う方向への回転を与えるように上方に向うに従って車体後方に傾斜する傾斜面12aを有することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明であって、更に図1及び図3に示すように、フロントバンパ12が車体11の前部に衝突した歩行者17に車体11の前部に沿う方向への回転を与えるように上方に向うに従って車体後方に傾斜する傾斜面12aを有し、歩行者17の回転を阻害しないようにフロントバンパ12の上面とフロントパネル13の下部とにより第1段差部21が形成され、フロントパネル13が歩行者17のリフト時間を長くしてその間に歩行者17を回転させ歩行者17を前方かつ斜め上方に放出するように上方に向うに従って車体後方に傾斜する傾斜面13aを有することを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、更に図1〜図3に示すように、衝突後の歩行者17の重心17cと歩行者17の初期接地点とを結ぶ直線を初期接地直線Lとするとき、初期接地点から鉛直上方に向う半直線と初期接地直線Lとのなす角度のうち歩行者17の回転した角度θが30〜135度の範囲内であることを特徴とする。
歩行者17が右から左に向って走行する小型トラック10に衝突して、脚部17aから接地したときの歩行者17の挙動は、歩行者17がトラック10の進行方向に対して直交する方向に向いている場合と、歩行者17がキャブ11の前部に向いている場合とで異なる(図4)。歩行者17がトラック10の進行方向に対して直交する方向に向いた状態でキャブ11の前部に衝突すると、図4(a)に示すように、歩行者17は反時計回りに回転し、歩行者17の腰が接地した後に、歩行者17の頭部17bの水平方向の速度は転倒しながら加速するので、歩行者17の路面衝突時における頭部17bの傷害は大きくなる。一方、歩行者17がキャブ11の前部に向いた状態でキャブ11の前部に衝突すると、上記と同様に、歩行者17は反時計回りに回転し、歩行者17の腰部が接地した後に、頭部17bが接地する(図4(b))。このため歩行者17の水平方向の速度が腰部接地により歩行者17の重心17c回りの角速度に変換されるので、歩行者17の頭部17bの加速度も比較的大きくなり、歩行者17の路面23への衝突時における頭部17bの傷害も比較的大きくなる。上述のことから、歩行者17がトラック10に衝突した後に脚部17aから接地する場合の歩行者17の接地角度θを0度以上とする必要がある。
M=FH×(L×sinθ) ……(1)
上記式(1)において、FHは接地点における歩行者17の路面23に作用する力の垂直成分であり、Lは路面23から歩行者17の重心17cまでの距離である。上記式(1)を変形すると、次の式(2)となる。
FH=M /(L×sinθ) ……(2)
歩行者17が路面23に接地した時に発生する歩行者17のモーメントMを一定とすると、Lは一定であるので、次の式(3)が成り立つ。
FH ∝(1/sinθ) ……(3)
即ち、接地点における歩行者17の路面23に作用する力の垂直成分FHは(1/sinθ)に比例する。このため滑りに対する抵抗力である最大静止摩擦力FSは次の式(4)で表される。
FS=FH×μ ……(4)
上記式(4)において、μは最大静止摩擦係数であり、これは一定であるため、次の式(5)が成り立つ。
FS ∝ (1/sinθ) ……(5)
このため、図6に示すように、歩行者17の接地角度θを0度から徐々に大きくしていくと、磨擦抵抗Fμは急激に低下し、接地角度θが20度付近に達すると、磨擦抵抗Fμは殆ど変化しなくなることが分かる。
FL×K=m×v2/2 ……(6)
上記式(6)において、mは歩行者17の質量であり、vは歩行者17の速度であり、Kは移動量である。上記式(6)を変形すると次の式(7)にようになる。
FL=m×v2/(2×K) ……(7)
上記式(7)において、m及びKを一定とすると、次の式(8)が成り立つ。
FL ∝ v2 ……(8)
滑りに対する抵抗力である最大静止摩擦力力FSと滑り方向に作用する力FLの比Aは式(5)及び式(8)から次のようになる。
A=FL/FS ∝ v2×sinθ ……(9)
そして、式(9)はCを定数とすると、次の式(10)のように表される。
A=C×(v2×sinθ) ……(10)
従って、比Aが1以上である場合、滑り方向に作用する力FLが大きいため歩行者17は滑り、比Aが1以下である場合、滑り方向に作用する力FLが小さくなるため歩行者17は滑らない。
路面23との衝突時における歩行者17の頭部17bの傷害は、歩行者17が路面23に頭部17bから接地するときに頭部17bが路面23に衝突して発生する。図8に示すように、歩行者17の首に作用する軸力は歩行者17の接地角度θが135〜165度の範囲にあるときに極めて大きくなる。また図9に示すように、歩行者17の首に作用する曲げモーメントは歩行者17の接地角度θが165〜−165度であるときに極めて大きくなる。更に図10に示すように、歩行者の首の障害を評価するNIC(Neck Injury Criterion)値は、歩行者の首軸力と曲げモーメントから算出される値であり、NIC値は、歩行者17の接地角度θを次第に増加していくと、歩行者17の接地角度θが135度であるときを境に急激に悪化するため、135度以下の角度域で歩行者17が接地することが望ましい。なお、上記歩行者17の接地角度θが浅い角度であれば、歩行者17のNIC値(首軸力、首曲げモーメント)が少なくなる。この結果、歩行者17の接地角度は135度以下であることが望ましい。上記接地角度θが135度以下である場合の効果は、トラック10のキャブ11の前部形状、キャブ11の高さ、キャブ11前部の硬さ、或いは衝突時の速度に拘らず、キャブ11前部と衝突した後の歩行者17と路面23との関係から得られる効果である。
11 キャブ(車体)
12 フロントバンパ
12a フロントバンパの傾斜面
13 フロントパネル
13a フロントパネルの傾斜面
14 ウインドシールドガラス
17 歩行者
17a 歩行者の脚部
17b 歩行者の頭部
17c 歩行者の重心
21 第1段差部
22 第2段差部
L 初期接地直線
θ 歩行者の接地角度
Claims (6)
- 車体(11)下部から前方に突設され前記車体(11)前部の下部を構成するフロントバンパ(12)と、前記フロントバンパ(12)の上方に設けられ前記車体(11)前部の中央部を構成するフロントパネル(13)と、フロントパネル(13)の上方に設けられ前記車体(11)前部の上部を構成するウインドシールドガラス(14)とを備えた車両の前部構造において、
歩行者(17)が前記車体(11)の前部に衝突して前記車体(11)の前方に放出されたときに、前記歩行者(17)の脚部(17a)が前記車体(11)の前部から離れた前方に位置しかつ前記歩行者(17)の頭部(17b)が前記車体(11)の前部に近い前方に位置して接地することができるように、前記フロントバンパ(12)、前記フロントパネル(13)及び前記ウインドシールドガラス(14)がそれぞれ形成されたことを特徴とする車両の前部構造。 - 歩行者(17)の回転を阻害しないようにフロントバンパ(12)の上面とフロントパネル(13)の下部とにより第1段差部(21)が形成され、
前記フロントパネル(13)が前記歩行者(17)のリフト時間を長くしてその間に前記歩行者(17)を回転させ前記歩行者(17)を前方かつ斜め上方に放出するように上方に向うに従って車体後方に傾斜する傾斜面(13a)を有する請求項1記載の車両の前部構造。 - フロントバンパ(12)が車体(11)の前部に衝突した歩行者(17)に前記車体(11)の前部に沿う方向への回転を与えるように上方に向うに従って車体後方に傾斜する傾斜面(12a)を有する請求項1記載の車両の前部構造。
- フロントバンパ(12)が車体(11)の前部に衝突した歩行者(17)に前記車体(11)の前部に沿う方向への回転を与えるように上方に向うに従って車体後方に傾斜する傾斜面(12a)を有し、
前記歩行者(17)の回転を阻害しないように前記フロントバンパ(12)の上面とフロントパネル(13)の下部とにより第1段差部(21)が形成され、
前記フロントパネル(13)が前記歩行者(17)のリフト時間を長くしてその間に前記歩行者(17)を回転させ前記歩行者(17)を前方かつ斜め上方に放出するように上方に向うに従って車体後方に傾斜する傾斜面(13a)を有する請求項1記載の車両の前部構造。 - フロントバンパ(12)が車体(11)の前部に衝突した歩行者(17)に前記車体(11)の前部に沿う方向への回転を与えるように上方に向うに従って車体後方に傾斜する傾斜面(12a)を有し、
前記歩行者(17)の回転を阻害しないように前記フロントバンパ(12)の上面とフロントパネル(13)の下部とにより第1段差部(21)が形成され、
前記フロントパネル(13)が前記歩行者(17)のリフト時間を長くしてその間に前記歩行者(17)を回転させ前記歩行者(17)を前方かつ斜め上方に放出するように上方に向うに従って車体後方に傾斜する傾斜面(13a)を有し、
前記歩行者(17)の前記車体前部に沿う方向の回転を阻害しないように前記フロントパネル(13)上端とウインドシールドガラス(14)の下部とにより第2段差部(22)が形成された請求項1記載の車両の前部構造。 - 衝突後の歩行者(17)の重心(17c)と歩行者(17)の初期接地点とを結ぶ直線を初期接地直線(L)とするとき、前記初期接地点から鉛直上方に向う半直線と前記初期接地直線(L)とのなす角度のうち前記歩行者(17)の回転した角度(θ)が30〜135度の範囲内である請求項1ないし5いずれか1項に記載の車両の前部構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008278079A JP2010105480A (ja) | 2008-10-29 | 2008-10-29 | 車両の前部構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008278079A JP2010105480A (ja) | 2008-10-29 | 2008-10-29 | 車両の前部構造 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2010105480A true JP2010105480A (ja) | 2010-05-13 |
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Family Applications (1)
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JP2008278079A Pending JP2010105480A (ja) | 2008-10-29 | 2008-10-29 | 車両の前部構造 |
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JP (1) | JP2010105480A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010221728A (ja) * | 2009-03-19 | 2010-10-07 | Toyota Central R&D Labs Inc | 歩行者保護装置 |
Citations (4)
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JPH03123783U (ja) * | 1990-03-30 | 1991-12-16 | ||
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JP2006182328A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-13 | Nippon Plast Co Ltd | 歩行者等保護装置 |
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2008
- 2008-10-29 JP JP2008278079A patent/JP2010105480A/ja active Pending
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