JP2010103551A - 基板処理装置 - Google Patents

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尚司 寺田
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Abstract

【課題】フォトレジストパターンを溶解し所望のレジストパターンを形成するリフロー処理において、生産効率が向上し、コストを低減することのできる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置7は、純水を前記基板上に供給するノズルと前記ノズルからの純水の供給開始および停止を制御する純水供給手段21を備え、前記ノズル20から供給される純水に、下地膜のエッチングマスクとして使用された前記フォトレジストパターンを所定時間、曝す純水曝しユニット16と、前記純水に曝された基板上にエアを吹き付けるブローノズル22と、前記ブローノズルからのエアを制御するブロー手段23とを備え、前記ブローノズルからのエアで、前記基板上の純水を除去する純水除去ユニット17と、前記純水が除去された基板のフォトレジストパターンを溶剤雰囲気に曝して溶解し、所定エリアをマスクするリフローユニットとを含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、フォトリソグラフィ工程により形成されエッチングマスクとして使用されたレジストパターンを溶解し、新たなレジストパターンを形成するリフロー処理において、レジストをフローする工程の前に実施する基板処理装置に関する。
例えばLCD(液晶ディスプレイ)製造工程におけるアモルファスSiTFT(アモルファスシリコン薄膜トランジスタ)の形成においては、複数回のエッチング処理が必要とされる。このため従来は、複数回のフォトリソグラフィ工程、即ち露光・現像処理を行い、フォトレジストパターンを形成している。
しかしながら、TFT形成工程において、エッチングで得たいパターン毎に塗布現像装置と露光装置とが必要となり、装置コストが嵩むという課題があった。
このような課題に対し、一度エッチングマスクとして使用したレジストパターンを溶解し変形することにより、新たなレジストパターンを形成するリフロー処理が注目されている。このリフロー処理によれば、二度目のレジストパターン形成において、塗布現像装置及び露光装置を用いた処理を必要とせず、装置コストを低減し、製造効率を向上することができる。このリフロー処理を用いたTFT形成工程について図を用いて説明する。
アモルファスSiTFTを形成する場合、図6(a)に示すように、ガラス基板200に形成されたゲート電極201上に、絶縁層202、a−Si層(ノンドープアモルファスSi層)203aとna−Si層(リンドープアモルファスSi層)203bからなるSi層203、ドレイン・ソース電極を形成するためのメタル層205が順に積層される。
そして、メタル層205をエッチングするため、フォトリソグラフィ工程により、メタル層205上にフォトレジストが成膜され、露光、現像処理によりレジストパターン206が形成される。但し、このレジストパターン206は、光の透過率に差が設けられたハーフトーンマスクを用いるハーフ露光処理により、異なる膜厚(厚膜部と薄膜部)を有するものとなされる。尚、ハーフ露光技術については、特許文献1に開示されている。
レジストパターン206は、メタル層205をエッチングするためのマスクとして使用され、エッチング後は図6(b)に示すようにメタル層205の非マスク部分がエッチングされる。
メタルエッチングによりレジスト層206の表面には、ウェットエッチング液の影響によりレジストが変質した変質層207が形成される。そこで、リフロー処理の前処理として、この変質層207を除去する処理を行う。
この前処理においては、例えばアルカリ溶液がウェットエッチング液として変質層207に滴下され、これにより図6(c)に示すように変質層207が除去される。
次いで再現像処理により、図6(d)に示すように次のレジストパターン形成においてマスクが不要な薄膜部のレジスト206を除去し、マスクしたいターゲットTg周辺のレジスト(厚膜部)のみを残す処理が行われる。
次いで図6(d)に示すようにレジスト206が残された状態から、レジスト206に溶剤雰囲気を曝すことによりレジスト206の溶解、拡散処理(リフロー処理)が行われ、図6(e)に示すようにターゲットTg上にレジスト層が形成される。
尚、このレジスト層形成後は、図7(a)に示すようにメタル層205をマスクとしてSi層203のエッチングを行い、図7(b)に示すようにレジスト層206を除去する。そして、図7(c)に示すように、チャネル領域におけるna−Si層203bのエッチングが行われ、TFTが形成される。
尚、本願発明者らは、前記リフロー処理の前処理として、さらにフォトレジストに対して所定波長(例えば波長172nm)のUV光を所定時間(例えば120秒間)露光し、レジスト表面の高分子を分解することによって、レジスト表面に対する有機溶剤の接触角を低下させる方法を開示している(特許文献2参照)。
このUV光の露光処理により、レジスト表面からの有機溶剤の吸収率が向上し、より速くレジスト全体に有機溶剤を浸透させることが可能となる。
特開2005−108904号公報 特開2007−235026号公報
ところで従来は、前記のようにリフロー処理の前処理としてウェットエッチング液(アルカリ溶液)が変質層207に滴下され、変質層207が除去されることによって、リフロー処理でのレジストへの溶剤雰囲気の浸透が促進するようになされていた。
また、特許文献2に記載のように、さらにフォトレジストにUV光を露光することにより、レジスト表面を親溶剤性に改質する方法があった。
しかしながら、従来の方法にあっては、アルカリ溶液等のウェットエッチング液の使用はコストが嵩み、UV光の使用はそのプロセスの処理に長時間を要するため、量産工程には適さないという課題があった。
本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、フォトレジストパターンを溶解し所望のレジストパターンを形成するリフロー処理において、生産効率が向上し、コストを低減することのできる基板処理装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明にかかる基板処理装置は、基板上に形成されたフォトレジストパターンを溶解し、新たなフォトレジストパターンを形成する基板処理装置であって、純水を前記基板上に供給するノズルと前記ノズルからの純水の供給開始および停止を制御する純水供給手段を備え、前記ノズルから供給される純水に、下地膜のエッチングマスクとして使用された前記フォトレジストパターンを所定時間、曝す純水曝しユニットと、前記純水に曝された基板上にエアを吹き付けるブローノズルと、前記ブローノズルからのエアを制御するブロー手段とを備え、前記ブローノズルからのエアで、前記基板上の純水を除去する純水除去ユニットと、前記純水が除去された基板のフォトレジストパターンを溶剤雰囲気に曝して溶解し、所定エリアをマスクするリフローユニットと、を含むことを特徴としている。
尚、前記純水曝しユニットにおいて、 前記下地膜のエッチングマスクとして使用された前記フォトレジストパターンが純水に、少なくとも10秒間、曝されることが望ましい。
このように、本発明にかかる基板処理装置によって、フォトレジストを溶解するリフロー処理の前に、フォトレジストに純水を曝す処理を行うことにより、純水がフォトレジスト並びに変質層に膨潤し、フォトレジスト(変質層)の表面積が増加し、また、表層の密度が粗い状態に変質する。
これにより、変質層を除去せずともレジストへの有機溶剤の吸収率が向上し、リフロー(溶解)処理において有機溶剤をレジスト全体に浸透させることができる。
その結果、安定した溶解を行うことができると共に、従来のように変質層を除去する工程を必要としないために、掛かるコストを低減し、生産効率を向上することができる。
また、前記フォトレジストパターンを溶剤雰囲気に曝して溶解し、所定エリアをマスクする前であって、前記下地膜のエッチングマスクとして使用された前記フォトレジストパターンを所定時間、純水に曝す前、または、前記基板上にエアを吹き付けて、前記純水を除去した後に、前記基板に対して疎水化処理を施す疎水化処理ユニットを備えてもよい。
このようにリフロー(溶解)処理前において、疎水化処理ユニットによって基板に対して疎水化処理を施すことによって、後段のリフロー処理のレジスト溶解が適度に抑えられ、線幅の広がりを適度なものとなされる。
また、前記課題を解決するために、本発明にかかる基板処理装置は、基板上に形成されたフォトレジストパターンを溶解し、新たなフォトレジストパターンを形成する基板処理装置であって、現像液を前記基板上に供給するノズルと前記ノズルからの現像液の供給開始および停止を制御する現像液供給手段を備え、前記ノズルから供給される現像液に、下地膜のエッチングマスクとして使用された前記フォトレジストパターンを所定時間、曝す現像液曝しユニットと、純水を前記基板上に供給するノズルと前記ノズルからの純水の供給開始および停止を制御する純水供給手段を備え、前記ノズルから供給される純水によって、前記基板上の現像液を洗い流すリンス処理ユニットと、前記基板上にエアを吹き付けるブローノズルと、前記ブローノズルからのエアを制御するブロー手段とを備え、前記ブローノズルからのエアで、前記基板上の純水を除去する純水除去ユニットと、前記純水が除去された基板のフォトレジストパターンを溶剤雰囲気に曝して溶解し、所定エリアをマスクするリフローユニットと、を含むことを特徴としている。
尚、前記現像液は、濃度2.38%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液、または、前記TMAH水溶液が純水により所定の割合で希釈されたものが望ましい。
また、前記基板上に純水を供給し、前記現像液を洗い流すリンス処理ユニットにおいて、少なくとも10秒間、前記純水が前記基板上に供給されることが望ましい。
このように、本発明にかかる基板処理装置によって、フォトレジストを溶解するリフロー処理の前に、フォトレジストに現像液を曝す処理を行うことにより、現像液がフォトレジスト並びに変質層に膨潤し、フォトレジスト(変質層)の表面積が増加し、また、表層の密度が粗い状態に変質する。
これにより、変質層を除去せずともレジストへの有機溶剤の吸収率が向上し、リフロー(溶解)処理において有機溶剤をレジスト全体に浸透させることができる。
その結果、安定した溶解を行うことができると共に、従来のように変質層を除去する工程を必要としないために、掛かるコストを低減し、生産効率を向上することができる。
本発明によれば、フォトレジストパターンを溶解し所望のレジストパターンを形成するリフロー処理において、生産効率が向上し、コストを低減することのできる基板処理装置を得ることができる。
図1は、本発明に係る基板処理装置を実施するリフローパターン形成装置のレイアウトを示す平面ブロック図である。 図2は、前処理ユニットの概略構成を示す断面図である。 図3は、リフローパターン形成装置による基板処理工程を示すフローである。 図4は、本発明に係る基板処理装置による処理工程を説明するための基板断面図である。 図5は、前処理ユニットの他の形態の概略構成を示す断面図である。 図6は、TFT形成におけるリフロー処理工程を説明するための基板断面図である。 図7は、図6の工程後、TFT形成の処理工程を説明するための基板断面図である。
以下、本発明に係る基板処理装置について、実施の形態に基づいて説明する。図1は、リフローパターン形成装置のレイアウトを示す平面ブロック図である。
図1に示すリフローパターン形成装置1は、例えばTFT形成のため、塗布現像処理装置(COT/DEV)50及び露光装置(Exp)51においてレジストパターン形成し、エッチング装置(Etching)52によりエッチング処理が施された基板Gに対し、レジストパターンのリフロー処理を行い、レジストパターンを再形成するための装置である。
このリフローパターン形成装置1は、複数の基板Gをカセット単位で外部(エッチング装置)から搬入出したり、カセットに対して基板Gを搬入出したりするカセットステーション(C/S)2を備える。
また、カセットステーション2に隣接して基板処理部3が設けられ、この基板処理部3においては、図中矢印A,Bに示す基板処理方向に沿って複数の基板処理ユニットが並べて配置され、2列の基板処理ラインを形成している。
尚、各ユニット間での基板Gの搬送は、例えばコロ搬送機構からなる平流し搬送路に沿って行われる。
矢印Aで示す基板処理ラインには、処理方向に沿って先ず、基板Gを例えばHMDS(ヘキサメチルジンラザン)雰囲気内で加熱処理することにより疎水化する疎水化処理ユニット(AD)5、及び加熱された基板Gを所定温度に冷却するためのクールユニット(Col)6が配置される。
そして、クールユニット(Col)6に隣接して、フォトレジスト及びその表面部に生じた変質層を親溶剤性に改質させるための処理(リフロー処理の前処理)を行う前処理ユニット(PreT)7が配置される。尚、この前処理ユニット(PreT)7は、本発明の特徴に係る部分であるため、詳細に後述する。
さらに、前処理ユニット(PreT)7に隣接して、フォトレジストを溶解するリフローユニット(RF)8が配置される。
このリフローユニット(RF)8においては、チャンバ内に載置された基板Gに対し、濃度が50〜100%に調整された溶剤雰囲気が供給され、フォトレジストが溶剤雰囲気に曝されることによってフォトレジストパターンがフローし、パターン形成がなされる。
尚、図1においては、例えば4台のリフローユニット(RF)8が2列の基板処理ラインにわたり(各ラインに2台)配置され、2列の基板処理ライン間には各リフローユニット(RF)8に対し基板Gの搬入出を行う基板搬送部4が配置されている。
基板搬送部4は基板Gを保持可能なアーム装置4aを有すると共に、基板処理方向に移動可能に設けられ、アーム装置4aによって、適宜空きがあるリフローユニット(RF)8に基板Gを搬入するようになされている。
また、2列の基板処理ラインの間には、リフローユニット(RF)8に隣接し、基板搬送部4がアクセス可能な位置にバッファユニット(Buf)9が配置され、基板Gをリフローユニット(RF)8にすぐに搬送出来ない場合等に、基板Gを一時的に保持可能となされている。
また図中、矢印Bで示す基板処理方向に沿って、複数のホットプレート及びクールプレートからなる熱処理装置(HP/COL)10、基板Gを一時的に保持するためのバッファユニット(Buf)11が配置されている。
次に、フォトレジスト及びその表面部に生じた変質層を親溶剤性に改質させるための処理(リフロー処理の前処理)を行う前処理ユニット(PreT)7の構成について説明する。
図2は、前処理ユニット(PreT)7の構成を模式的に示した概略断面図である。図2に示すように、前処理ユニット(PreT)7には、平流し搬送路15に沿って複数(図では2つ)のチャンバユニット16、17が上流から順に並べて設けられている。
尚、平流し搬送路15は例えばコロ搬送機構により構成することができ、この平流し搬送路15の駆動は、コロ回転を制御するためのモータ等からなる搬送駆動手段19によりなされる。
チャンバユニット16は、基板Gの被処理面を純水に曝すためのユニットであって、その方法は、パドル(液盛り)方式、浸漬する方式、ミスト状の純水を吹き掛ける方式、流水に曝す方式等、様々な形態が可能であるが、図2においては、スリット状のノズル口を有するノズル20により純水Wを液盛りするパドル方式を採用している。
図2において、ノズル20は純水Wの供給開始及び停止を制御する純水供給手段21に接続されている。また、ノズル20は、例えば基板Gの幅方向に伸びるスリット状のノズル口を有し、チャンバユニット16の入り口16a付近に設けられる。
また、チャンバユニット16の底部には、基板Gからこぼれ落ちた純水Wを排出するための排水口16cが設けられている。
平流し搬送路15により水平方向に搬送される基板Gは、チャンバユニット16の中に搬入口16aから所定速度で搬入され、(図示しないセンサにより基板G搬入が検出されると)それに同期して純水供給手段21が駆動開始し、ノズル20から所定温度(例えば24℃〜24.5℃)の純水Wが吐出される。また、(図示しないセンサの検出により)ノズル20下に基板Gが存在しない場合には、純水供給手段21が駆動停止し、ノズル20からの純水Wの吐出が停止される。
また、基板G上に純水Wが液盛りされた後、チャンバユニット16内において、平流し搬送路15のコロ搬送機構が停止することにより、所定時間(例えば30sec)、フォトレジストが純水Wに曝されるようになされている。
また、チャンバユニット17は、基板Gに液盛りされた純水Wを除去するためのユニットであって、搬入口17aから搬入された基板Gの純水Wが液盛りされた被処理面に対し、エアを吹き付けるためのブローノズル22が設けられている。
ブローノズル22は、前記被処理面に対しノズル口から所定の距離(例えば150mm)を空けて設けられている。また、ノズル口から噴出されるエアは、ブロー手段23によって制御され、所定の圧力(例えば0.2MPa)のエアが所定時間(例えば20sec)、基板Gの被処理面に対し噴出されるようになされている。
また、チャンバユニット17の底部には、ブローノズル22によりエアが吹き付けられて基板Gから除去された純水Wを排出するための排水口17cが設けられている。
この構成において、平流し搬送路15によりチャンバユニット17内を移動する基板Gは、その上面(被処理面)に液盛りされた純水Wがブローノズル22から噴出されたエアにより吹き飛ばされ、チャンバユニット17の搬出口17bから搬出されるときには、余分な純水Wが全て除去されるようになされている。
尚、前記搬送駆動手段19、前記純水供給手段21、前記ブロー手段23のそれぞれに対する駆動制御は制御プログラムや、そのプログラムが実行されるコンピュータ等からなる制御部30によりなされる。
続いて、本発明に係る基板処理装置を実施するリフローパターン形成装置1の処理工程について図3のフロー及び図4の基板状態図に従い説明する。尚、以下の説明においては、既に説明した図1、図2の装置構成を適宜用いて説明する。
先ず、エッチング装置52より搬送された基板Gが収容されたカセットステーション2から、1枚の基板Gが平流し搬送路に沿って疎水化処理ユニット5に搬送される。尚、図4(a)に示すように、疎水化処理ユニット5に搬送される基板Gにおいて、メタル層205(下地膜)上に形成されたフォトレジストパターン206は、塗布現像処理装置50及び露光装置51において、リフロー処理で必要なフォトレジストを厚膜に形成し、不要なフォトレジストを薄膜に形成するハーフ露光処理が施されている。
疎水化処理ユニット(AD)5において、基板Gは例えば蒸気化したHMDS(ヘキサメチルジンラザン)雰囲気の中で所定時間(例えば120sec)、所定温度(例えば110℃)に加熱処理され、基板Gとフォトレジストとの密着性向上のための疎水化処理がなされる(図3のステップS1)。この疎水化処理により、後段のリフロー処理(レジスト溶解)の進行が適度に抑えられ、線幅の広がりが適度なものとなされる。
疎水化処理ユニット5における疎水化処理がなされると、高温状態の基板Gはクールユニット(Col)6に搬送され、所定の温度に冷却される(図3のステップS2)。
所定の温度に冷却された基板Gは、続いて平流し搬送路15に沿って前処理ユニット(PreT)7のチャンバユニット16に搬送される。そして、純水供給手段21の駆動によりノズル20から純水Wが吐出され、水平方向に移動する基板Gの上面(被処理面)に対して純水Wが液盛りされる(図3のステップS3)。
基板G全体に純水Wが液盛りされると、搬送駆動手段19はチャンバユニット16内における平流し搬送路15におけるコロ駆動を一時停止し、図4(b)に示すようにフォトレジスト206が純水Wに所定時間(例えば30sec)曝される。
その後、基板Gは再び平流し搬送路15に沿ってチャンバユニット17内に搬送される。そして、水平方向に移動する基板Gの表面に対しブロー手段23の駆動によりブローノズル22から所定の風圧(例えば0.2MPa)で、所定時間(例えば20sec)、エアが噴出され、これにより液盛りされていた純水Wが除去される(図3のステップS4)。
このように前処理ユニット(PreT)7での処理を終えた基板Gにおいては、図4(c)に示すように、純水Wがフォトレジスト206並びに変質層207に膨潤し、フォトレジスト206(変質層207)の表面積が増加し、また、表層の密度が粗い状態に変質する。
前処理ユニット(PreT)7においてレジストが改質された基板Gは、平流し搬送路15に沿って、前処理ユニット(PreT)7に隣接するリフローユニット(RF)8或いはバッファユニット(Buf)9に搬送される。
基板Gがバッファユニット(Buf)9に搬送された場合には、基板搬送部4により適宜空きがあるリフローユニット(RF)8に搬送される。
リフローユニット(RF)8においては、基板Gは所定の温度(例えば24℃)に温調され、所定濃度に調整された溶剤雰囲気として、例えばシンナーガスがチャンバ内に導入されて雰囲気置換され、処理レシピに規定された所定時間の間、レジスト206、変質層207がシンナーガスに曝される。
ここで、フォトレジスト206並びに変質層207は、その表面積が増加し、また、表層の密度が粗い状態に改質されているため、有機溶剤であるシンナーの吸収率が向上しており、レジスト全体に速くシンナーが浸透する。このため、溶解(フロー)が進行し、ターゲットTgをマスクするレジストパターンが形成される(図3のステップS5)。
リフローユニット(RF)8での処理が終わると、基板Gは基板搬送部4により一度バッファユニット(Buf)9に搬送された後、平流し搬送路により熱処理装置(HP/Col)10に搬送され、加熱によるレジストパターンの定着処理が行われる(図3のステップS6)。そして、冷却後、再び基板搬送部4によりカセットステーション2のカセットに戻され、その後、エッチング装置52に搬送される。
このように本発明の基板処理装置に係る実施の形態によれば、フォトレジストを溶解するリフロー処理の前に、フォトレジストに純水Wを曝す処理を行い、有機溶剤が容易に浸透するよう変質層を含めたフォトレジストが改質される。即ち変質層を除去せずともレジストへの有機溶剤の吸収率が向上し、リフロー処理において有機溶剤がレジスト全体に浸透する。
その結果、安定した溶解を行うことができると共に、従来のように変質層を除去する工程を必要としないために、掛かるコストを低減し、生産効率を向上することができる。
尚、前記実施の形態では、前処理ユニット(PreT)7での処理において、フォトレジストを純水Wに所定時間曝し、レジストを改質するものとしたが、純水Wに替えて、所定濃度に希釈された現像液に所定時間曝し、レジストを改質するようにしてもよい。
ここで、レジスト改質に用いる現像液は、例えば濃度2.38%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液、または、そのTMAH水溶液をレジストパターン表面のダメージ度合いに応じて純水により1〜10000倍のいずれかの割合で希釈したものが望ましい。
その場合の前処理ユニット(PreT)7の構成例としては、図5に示すようにチャンバユニット16内にスリット状のノズル口を有する現像液ノズル24を設け、現像液供給手段25により現像液ノズル24に所定濃度(例えば2.38%)の現像液Dが供給される。
また、図示するようにチャンバユニット17内に純水ノズル26が設けられ、純水供給手段27により純水ノズル26に純水が供給される。尚、この純水ノズル26から吐出される純水Wは、基板G上に液盛りされた現像液Dを洗浄して除去するリンス処理を行うものである。
また、基板G上に供給された純水Wはエアブローノズル22から吹き付けられるエアにより除去されるが、チャンバユニット17内において、純水ノズル26とエアブローノズル22との組み合わせの構成を搬送路に沿って複数設け、繰り返しリンス処理を行うようにしてもよい。
また、前記実施の形態においては、前処理ユニット(PreT)7での処理前に疎水化処理ユニット(AD)5での疎水化処理を行う形態を示したが、この疎水化処理は、前処理ユニット(PreT)7での処理後(リフロー処理前)に実施してもよい。或いは、疎水化処理はパターン線幅を適度に抑えるために実施するものであるため、本発明に係る基板処理方法においては、リフロー処理前の疎水化処理は必ずしも実施しなくてよい。
続いて、本発明に係る基板処理装置について、実施例に基づきさらに説明する。本実施例では、前記した本発明の基板処理装置に係る実施の形態について、その効果を検証した。
(実施例1)
実施例1では、リフロー処理前の疎水化処理を実施せず、前処理ユニット(PreT)での処理(前処理と呼ぶ)において、基板上のフォトレジストを所定時間、純水に曝す処理及び、純水を除去する処理を行い、その後のリフロー処理結果を検証した。
前処理の条件として、24℃〜24.5℃の純水を所定時間(10sec、20sec、30sec、60secの4条件)、曝した状態とすることとした。
また、フォトレジストに純水を曝す方法として、パドル(液盛り)方式、浸漬する方式、ミスト状の純水を吹き掛ける方式、流水に曝す方式の4条件を設定した。
尚、パドル(液盛り)方式の場合、フォトレジストに対し1ccの純水を液盛りした。純水に浸漬する方式の場合、水深20〜30mmの水槽に浸漬した。ミスト状の純水を吹き掛ける方式の場合、ミスト吹き出し口からフォトレジストまでの距離を500mmに設定した。
また、基板上の純水に対し吹き付けるエアは、エアガンにより乾燥エアを吹き付け、エアの圧力は、元圧が0.2MPa、ブローノズルからフォトレジストまでの距離が約150mm、吹き付け時間が約20secとした。
この実験の結果を表1に示す。尚、表1に記載する結果として、リフロー処理の結果、フロー(溶解)が完全になされた場合を○、不完全な場合を△、全くフローしていない場合を×とする。
Figure 2010103551
表1に示すように、純水処理方法、純水処理時間のいずれの組み合わせ条件においても、リフロー工程におけるフロー処理は完全に実行された。
(実施例2)
実施例2では、前処理ユニット(PreT)での処理後(前処理後)に疎水化処理(AD)を施し、リフロー処理を行った。前処理においては、基板上のフォトレジストを所定時間、純水に曝す処理及び、純水を除去する処理を行い、その後のリフロー処理結果を検証した。
前処理の条件として、24℃〜24.5℃の純水を所定時間(10sec、20sec、30sec、60secの4条件)、曝した状態とすることとした。
また、フォトレジストに純水を曝す方法として、パドル(液盛り)方式、浸漬する方式、ミスト状の純水を吹き掛ける方式、流水に曝す方式の4条件を設定した。
尚、パドル(液盛り)方式の場合、フォトレジストに対し1ccの純水を液盛りした。純水に浸漬する方式の場合、水深20〜30mmの水槽に浸漬した。ミスト状の純水を吹き掛ける方式の場合、ミスト吹き出し口からフォトレジストまでの距離を500mmに設定した。
また、基板上の純水に対し吹き付けるエアは、エアガンにより乾燥エアを吹き付け、エアの圧力は、元圧が0.2MPa、ブローノズルからフォトレジストまでの距離が約150mm、吹き付け時間が約20secとした。
また、疎水化処理は基板を110℃に加熱し、120秒間、HMDS(ヘキサメチルジンラザン)雰囲気に曝すことにより実施した。
この実験の結果を表2に示す。尚、表2に記載する結果として、リフロー処理の結果、フロー(溶解)が完全になされた場合を○、不完全な場合を△、全くフローしていない場合を×、一部フロー不足の場合を▲とする。
Figure 2010103551
表2に示すように、純水処理方法による違いは無かったが、純水処理時間が30秒以上の場合に、リフロー工程におけるフロー処理は完全に実行された。
(実施例3)
実施例3では、基板に疎水化処理(AD)を施した後、前処理ユニット(PreT)での処理(前処理)を実施し、その後、リフロー処理を行った。前処理においては、基板上のフォトレジストを所定時間、純水に曝す処理及び、純水を除去する処理を行い、その後のリフロー処理結果を検証した。
前処理の条件として、24℃〜24.5℃の純水を所定時間(10sec、20sec、30sec、60secの4条件)、曝した状態とすることとした。
また、フォトレジストに純水を曝す方法として、パドル(液盛り)方式、浸漬する方式、ミスト状の純水を吹き掛ける方式、流水に曝す方式の4条件を設定した。
尚、パドル(液盛り)方式の場合、フォトレジストに対し1ccの純水を液盛りした。純水に浸漬する方式の場合、水深20〜30mmの水槽に浸漬した。ミスト状の純水を吹き掛ける方式の場合、ミスト吹き出し口からフォトレジストまでの距離を500mmに設定した。また、基板上の純水に対し吹き付けるエアは、エアガンにより乾燥エアを吹き付け、エアの圧力は、元圧が0.2MPa、ブローノズルからフォトレジストまでの距離が約150mm、吹き付け時間が約20secとした。
また、疎水化処理は基板を110℃に加熱し、120秒間、HMDS(ヘキサメチルジンラザン)雰囲気に曝すことにより実施した。
この実験の結果を表3に示す。尚、表3に記載する結果として、リフロー処理の結果、フロー(溶解)が完全になされた場合を○、不完全な場合を△、全くフローしていない場合を×とする。
Figure 2010103551
表3に示すように、純水処理方法、純水処理時間のいずれの組み合わせ条件においても、リフロー工程におけるフロー処理は完全に実行された。
(実施例4)
実施例4では、前処理ユニット(PreT)での処理(前処理)において、基板上のフォトレジストを所定時間、現像液に曝し、その後、純水でリンス処理し、さらに純水を除去する処理を行った。
また、前記前処理後に疎水化処理(AD)を実施し、その後のリフロー処理結果を検証した。
前処理の条件として、現像液は、濃度2.38%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液を100倍に希釈(現像液10cc、純水990cc)したものと、希釈なしのものの2条件とした。
また、希釈した現像液の場合、基板Gを現像液の水深が20〜30mmの水槽に所定時間(5sec、10sec、20sec、30sec、60secの5条件)、浸漬した。希釈なしの現像液の場合、基板Gを現像液の水深が20〜30mmの水槽に3秒間のみ浸漬した。これは、3秒より長い時間浸漬すると、レジストが全て除去されるためである。
また、リンス処理として、24℃〜24.5℃の純水を10sec、流水に曝し、現像液を除去した。
また、基板上の純水に対し吹き付けるエアは、エアガンにより乾燥エアを吹き付け、エアの圧力は、元圧が0.2MPa、ブローノズルからフォトレジストまでの距離が約150mm、吹き付け時間が約20secとした。
また、疎水化処理は基板を110℃に加熱し、120秒間、HMDS(ヘキサメチルジンラザン)雰囲気に曝すことにより実施した。
この実験の結果を表4、表5に示す。尚、表4は現像液が希釈ありの場合、表5は現像液が希釈なしの場合である。表4、5に記載する結果として、リフロー処理の結果、フロー(溶解)が完全になされた場合を○、不完全な場合を△、全くフローしていない場合を×とする。
Figure 2010103551
Figure 2010103551
表4に示すように、希釈された現像液の場合、現像液処理時間が30秒以上の場合に、リフロー工程におけるフロー処理は完全に実行された。
また、表5に示すように、希釈していない現像液の場合、現像処理時間が3秒で、リフロー工程におけるフロー処理は完全に実行されたが、プロセスマージンが少ないため、前処理としては不向きであると確認した。
以上の実施例の結果から、本発明の基板処理装置によれば、前記実施の形態に示した効果を得ることができると確認した。
本発明は、複数回に亘りフォトレジストパターンを形成する工程に適用することができ、電子デバイス製造業界等において好適に用いることができる。
1 リフローパターン形成装置
2 カセットステーション
3 基板処理部
4 基板搬送部
5 疎水化処理ユニット
6 クールユニット
7 前処理ユニット
8 リフローユニット
9 バッファユニット
10 熱処理装置
11 バッファユニット
G 基板
W 純水
D 現像液

Claims (6)

  1. 基板上に形成されたフォトレジストパターンを溶解し、新たなフォトレジストパターンを形成する基板処理装置であって、
    純水を前記基板上に供給するノズルと前記ノズルからの純水の供給開始および停止を制御する純水供給手段を備え、前記ノズルから供給される純水に、下地膜のエッチングマスクとして使用された前記フォトレジストパターンを所定時間、曝す純水曝しユニットと、
    前記純水に曝された基板上にエアを吹き付けるブローノズルと、前記ブローノズルからのエアを制御するブロー手段とを備え、前記ブローノズルからのエアで、前記基板上の純水を除去する純水除去ユニットと、
    前記純水が除去された基板のフォトレジストパターンを溶剤雰囲気に曝して溶解し、所定エリアをマスクするリフローユニットと、
    を含むことを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記純水曝しユニットにおいて、前記下地膜のエッチングマスクとして使用された前記フォトレジストパターンが純水に、少なくとも10秒間、曝されることを特徴とする請求項1に記載された基板処理装置。
  3. 前記フォトレジストパターンを溶剤雰囲気に曝して溶解し、所定エリアをマスクする前であって、前記下地膜のエッチングマスクとして使用された前記フォトレジストパターンを所定時間、純水に曝す前、または、前記基板上にエアを吹き付けて、前記純水を除去した後に、前記基板に対して疎水化処理を施す疎水化処理ユニットを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された基板処理装置。
  4. 基板上に形成されたフォトレジストパターンを溶解し、新たなフォトレジストパターンを形成する基板処理装置であって、
    現像液を前記基板上に供給するノズルと前記ノズルからの現像液の供給開始および停止を制御する現像液供給手段を備え、前記ノズルから供給される現像液に、下地膜のエッチングマスクとして使用された前記フォトレジストパターンを所定時間、曝す現像液曝しユニットと、
    純水を前記基板上に供給するノズルと前記ノズルからの純水の供給開始および停止を制御する純水供給手段を備え、前記ノズルから供給される純水によって、前記基板上の現像液を洗い流すリンス処理ユニットと、
    前記基板上にエアを吹き付けるブローノズルと、前記ブローノズルからのエアを制御するブロー手段とを備え、前記ブローノズルからのエアで、前記基板上の純水を除去する純水除去ユニットと、
    前記純水が除去された基板のフォトレジストパターンを溶剤雰囲気に曝して溶解し、所定エリアをマスクするリフローユニットと、
    を含むことを特徴とする基板処理装置。
  5. 前記現像液は、濃度2.38%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液、または、前記TMAH水溶液が純水により所定の割合で希釈されたものであることを特徴とする請求項4に記載された基板処理装置。
  6. 前記基板上に純水を供給し、前記現像液を洗い流すリンス処理ユニットにおいて、少なくとも10秒間、前記純水が前記基板上に供給されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載された基板処理装置
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