JP2010103248A - 半導体発光素子 - Google Patents

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章彦 村井
Masaharu Yasuda
正治 安田
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Abstract

【課題】光取り出し効率の低下を抑制しつつ低コストで光出力の高出力化を図れる半導体発光素子を提供する。
【解決手段】窒化物半導体材料により形成されたLED薄膜部2と、LED薄膜部2の厚み方向の一面側に結合されたZnO基板からなる酸化物半導体基板3とを備え、酸化物半導体基板3がLED薄膜部2側を下面31、LED薄膜部2側とは反対側を上面32とする六角錘台状の形状に結晶異方性エッチングにより加工されるとともに、酸化物半導体基板3の下面31側にアノード電極4およびカソード電極5が形成されている。酸化物半導体基板3の上面32には、上述の結晶異方性エッチングを行うときにマスクとして用いるTi薄膜からなる透光性薄膜6が形成されてなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体発光素子に関するものである。
従来から、発光層が窒化物半導体材料(GaN、InGaN、AlGaInNなど)により形成されたLEDチップからなる半導体発光素子の高効率化および高出力化の研究開発が各所で行われている。また、この種の半導体発光素子と、半導体発光素子から放射された光によって励起されて半導体発光素子よりも長波長の光を放射する波長変換材料である蛍光体とを組み合わせて半導体発光素子の発光色とは異なる色合いの混色光を出す発光装置の研究開発が各所で行われている。なお、この種の発光装置としては、例えば、青色光あるいは紫外光を放射する半導体発光素子と蛍光体とを組み合わせて白色の光(白色光の発光スペクトル)を得る白色発光装置(一般的に白色LEDと呼ばれている)の商品化がなされている。
また、近年、光取り出し効率の向上を目的として、窒化物半導体材料により形成されたLED薄膜部と透明で導電性を有するn形ZnO基板からなる酸化物半導体基板とを結合してから、酸化物半導体基板をエッチング速度の結晶方位依存性を利用した結晶異方性エッチングにより六角錘台状ないし六角錘状に加工してなる半導体発光素子が提案されている(例えば、非特許文献1,2参照)。
ここで、上記非特許文献1に開示された半導体発光素子は、図3に示すように、一表面が(0001)面であるサファイア基板1と、サファイア基板1の上記一表面側に形成されたLED薄膜部2と、LED薄膜部2に結合され六角錘台状に加工されたn形ZnO基板からなる酸化物半導体基板3’とを備えており、酸化物半導体基板3’の材料であるZnOの透明性が高く且つ屈折率がサファイアの屈折率よりもLED薄膜部2の窒化物半導体材料の屈折率に近い(つまり、LED薄膜部2との屈折率差が小さい)、酸化物半導体基板3’を六角錘台状の形状としてあることで外部に放出される放射光の放射角が広くなる、などの理由により、光取り出し効率を高めることができ、発光効率を高めることができる。
ここにおいて、図3に示した構成の半導体発光素子は、LED薄膜部2が、サファイア基板1の上記一表面側に形成されたバッファ層21と、バッファ層21上に積層されたn形GaN層からなるn形窒化物半導体層22と、当該n形窒化物半導体層22上に積層されたInGaN層からなる発光層23と、当該発光層23上に積層されたp形AlGaN層24aと当該p形AlGaN層24a上に積層されたp形GaN層24bとからなるp形窒化物半導体層24とで構成されている。また、図3に示した構成の半導体発光素子は、六角錘台状の酸化物半導体基板3’の上面32’に、Ti膜とAu膜との積層膜からなるアノード電極4が形成され、LED薄膜部2の周部をp形窒化物半導体層24の表面側からn形窒化物半導体層22の途中までエッチングすることにより露出せたn形窒化物半導体層22の表面に、平面視において酸化物半導体基板3’を全周に亘って囲む形でTi膜とAl膜とNi膜とAu膜との積層膜からなるカソード電極5が形成されている。
しかしながら、図3に示した構成の半導体発光素子は、アノード電極4へのワイヤボンディングができるように、六角錘台状の酸化物半導体基板3’の上面32’のサイズを規定してあり、ボンディングパッドとして機能するアノード電極4がTi膜とAu膜との積層膜により構成されており、発光層23から放射された光の一部がアノード電極4で反射されてしまうので、アノード電極4が光取り出し効率の低下の原因となってしまう。また、図3に示した構成の半導体発光素子では、実装基板などに実装して用いる場合に、LED薄膜部2と実装基板との間に熱伝導率の低いサファイア基板1が介在することとなるので、LED薄膜部2から上記実装基板までの熱抵抗が大きくなってしまい、LED薄膜部2のジャンクション温度が最大ジャンクション温度を超えないように入力電流を制限する必要があり、入力電流の大電流化による光出力の高出力化が難しかった。
これに対して、上記非特許文献2に開示された半導体発光素子は、図4に示すように、LED薄膜部2と、LED薄膜部2に結合され六角錘状に加工されたn形ZnO基板からなる酸化物半導体基板3”とを備え、酸化物半導体基板3”の下面31”にアノード電極4が形成されるとともに、LED薄膜部2のn形窒化物半導体層22における酸化物半導体基板3”側とは反対側にカソード電極5が形成されている。しかして、図4に示した構成の半導体発光素子では、酸化物半導体基板3”の下面31”側にアノード電極4およびカソード電極5が配置されているので、ボンディングワイヤを用いることなくワイヤレスで実装基板に実装することができる。
Akihiko MURAI,et al,「Light-Emitting Diode Based on ZnOand GaN Direct Wafer Bonding」,Japanese Journal ofApplied Physics,Vol.45,NO.39,2006,p.L1045-L1047 「松下電工とUCSBの新型LED,外部量子効率80%を目指す」,日経エレクトロニクス,日経BP社,2008年2月11日,p.16−17
ところで、図4に示した構成の半導体発光素子において、大電流の通電を可能として光出力の高出力化を図る手段として発光層23の面積を大きくして電流密度の増大を緩和することが考えられる。
しかしながら、図4に示した構成の半導体発光素子では、六角錘状の酸化物半導体基板3”の高さが酸化物半導体基板3”の基礎となる酸化物半導体ウェハたるZnOウェハの厚さと同じであり、ZnOウェハの厚さと当該ZnOウェハにおけるLED薄膜部2側とは反対側の表面の面方位とで一義的に決まる六角錘状の酸化物半導体基板3”の下面31”の面積よりも発光層23の面積を大きくすることができない。言い換えれば、図4に示した構成の半導体発光素子では、ZnOウェハの厚さにより酸化物半導体基板3”の下面31”の大面積化が制限され、発光層23の面積の設計自由度が低かった。例えば、厚さが500μmのZnOウェハを用いた場合、酸化物半導体基板3”の高さが500μmで、LED薄膜部2および発光層23の面積が0.3mm程度であり、発光層23の面積を大きくするにはZnOウェハの厚さを大きくしなければならず、ZnOウェハの大面積化に伴って製造設備のコストが増加して半導体発光素子のコストが高くなってしまう。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、光取り出し効率の低下を抑制しつつ低コストで光出力の高出力化を図れる半導体発光素子を提供することにある。
請求項1の発明は、窒化物半導体材料により形成されたLED薄膜部と、LED薄膜部の厚み方向の一面側に結合された酸化物半導体基板とを備え、酸化物半導体基板がLED薄膜部側を下面、LED薄膜部側とは反対側を上面とする六角錘台状の形状に結晶異方性エッチングにより加工されるとともに、酸化物半導体基板の下面側にアノード電極およびカソード電極が形成され、酸化物半導体基板の上面に前記結晶異方性エッチングを行うときにマスクとして用いるTi薄膜からなる透光性薄膜が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、酸化物半導体基板がLED薄膜部側を下面、LED薄膜部側とは反対側を上面とする六角錘台状の形状に結晶異方性エッチングにより加工され、且つ、酸化物半導体基板の下面側にアノード電極およびカソード電極を備え、酸化物半導体基板の上面に前記結晶異方性エッチングを行うときにマスクとして用いるTi薄膜からなる透光性薄膜が形成されているので、Ti薄膜からなる透光性薄膜の平面サイズと六角錘台状の酸化物半導体基板の基礎となる酸化物半導体ウェハの厚さとで酸化物半導体基板の下面の面積が決まるから、酸化物半導体ウェハの厚さを変更することなしに透光性薄膜の平面サイズを大きくすることにより酸化物半導体基板の下面の面積を大きくすることができ、しかも、LED薄膜部から放射された光が酸化物半導体基板の上面側で反射されるのを抑制することができるから、光取り出し効率の低下を抑制しつつ低コストで光出力の高出力化を図れる。
請求項2の発明は、窒化物半導体材料により形成されたLED薄膜部と、LED薄膜部の厚み方向の一面側に結合された酸化物半導体基板とを備え、酸化物半導体基板がLED薄膜部側を下面、LED薄膜部側とは反対側を上面とする六角錘台状の形状に結晶異方性エッチングにより加工されるとともに、酸化物半導体基板の下面側にアノード電極およびカソード電極が形成され、酸化物半導体基板の上面に前記結晶異方性エッチングを行うときにマスクとして用いるITO膜もしくはシリコン酸化膜もしくはシリコン酸窒化膜からなる透光性薄膜が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、酸化物半導体基板がLED薄膜部側を下面、LED薄膜部側とは反対側を上面とする六角錘台状の形状に結晶異方性エッチングにより加工され、且つ、酸化物半導体基板の下面側にアノード電極およびカソード電極を備え、酸化物半導体基板の上面に前記結晶異方性エッチングを行うときにマスクとして用いるITO膜もしくはシリコン酸化膜もしくはシリコン酸窒化膜からなる透光性薄膜が形成されているので、透光性薄膜の平面サイズと六角錘台状の酸化物半導体基板の基礎となる酸化物半導体ウェハの厚さとで酸化物半導体基板の下面の面積が決まるから、酸化物半導体ウェハの厚さを変更することなしに透光性薄膜の平面サイズを大きくすることにより酸化物半導体基板の下面の面積を大きくすることができ、しかも、LED薄膜部から放射された光が酸化物半導体基板の上面側で反射されるのを抑制することができるから、光取り出し効率の低下を抑制しつつ低コストで光出力の高出力化を図れる。また、この発明によれば、透光性薄膜がITO膜もしくはシリコン酸化膜もしくはシリコン酸窒化膜により構成されているので、請求項1の発明に比べて透光性薄膜の膜厚設定の自由度が高くなる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記酸化物半導体基板は、単結晶のn形ZnO基板からなることを特徴とする。
この発明によれば、前記LED薄膜部から放射された光が前記酸化物半導体基板で吸収されるのを抑制することができる。
請求項1,2の発明では、光取り出し効率の低下を抑制しつつ低コストで光出力の高出力化を図れるという効果がある。
以下、図1に基づいて本実施形態の半導体発光素子Aについて説明する。
本実施形態の半導体発光素子Aは、青色光を放射するGaN系の青色LEDチップであり、窒化物半導体材料により形成されたLED薄膜部2と、LED薄膜部2の厚み方向の一面側に結合されたn形ZnO基板からなる酸化物半導体基板3とを備え、酸化物半導体基板3がLED薄膜部2側を下面31、LED薄膜部2側とは反対側を上面32とする六角錘台状の形状に結晶異方性エッチングにより加工されるとともに、酸化物半導体基板3の下面31側にアノード電極4およびカソード電極5が形成され、酸化物半導体基板3の上面32に上記結晶異方性エッチングを行うときにマスクとして用いるTi薄膜からなる透光性薄膜6が形成されている。
ここにおいて、本実施形態の半導体発光素子Aは、LED薄膜部2が、n形窒化物半導体層22と発光層23とp形窒化物半導体層24との積層構造を有しており、LED薄膜部2の平面視形状を酸化物半導体基板3の下面31よりもやや小さな正六角形状の形状に形成してあり、酸化物半導体基板3の下面31の露出した部位にアノード電極4を形成し、LED薄膜部2のn形窒化物半導体層22における発光層23側とは反対側の表面の中央部にカソード電極5を形成してある。しかして、本実施形態の半導体発光素子Aは、n形窒化物半導体層22と発光層23とp形窒化物半導体層24との平面サイズを同じにすることができる。ただし、n形窒化物半導体層22上のカソード電極5の形状、サイズ、個数および配置は特に限定するものではない。なお、LED薄膜部2は、後述のように当該LED薄膜部2に酸化物半導体基板3の基礎となる酸化物半導体ウェハを結合する前に、一表面が(0001)面であるサファイアウェハの上記一表面側に有機金属気相成長法(MOVPE法)のようなエピタキシャル成長技術を利用して成膜している。ここで、LED薄膜部2のエピタキシャル成長方法は、MOVPE法に限定するものではなく、例えば、ハイドライド気相成長法(HVPE法)や、分子線エピタキシー法(MBE法)などを採用してもよい。
上述のn形窒化物半導体層22は、n形GaN層により構成されているが、単層構造に限らず、多層構造でもよい。
また、発光層23は、GaN層からなる障壁層によりInGaN層からなる井戸層が挟まれた量子井戸構造を有しており、当該発光層23の発光ピーク波長が450nmとなるようにInGaN層の組成を設定してあるが、発光波長(発光ピーク波長)は特に限定するものではない。なお、発光層23の量子井戸構造は単一量子井戸構造に限らず、多重量子井戸構造でもよい。また、発光層23は、必ずしも量子井戸構造を有している必要はなく、単層構造でもよい。また、発光層23の材料も窒化物半導体材料であればよく、所望の発光波長に応じて、例えば、AlInGaN、AlInN、AlGaNなどを適宜採用してもよい。
また、p形窒化物半導体層24は、発光層23上に形成されたp形GaN層で構成してあるが、単層構造に限らず、多層構造でもよく、例えば、p形AlGaN層からなる第1のp形半導体層と、第1のp形半導体層上に形成されたp形GaN層からなる第2のp形半導体層とで構成してもよい。
ところで、GaNおよびZnOはウルツ鉱型の結晶構造でc軸方向に極性を有する有極性半導体であり、LED薄膜部2は、n形GaN層からなるn形窒化物半導体層22における発光層23側とは反対側の表面がN極性面である(000−1)面により構成され、p形GaN層からなるp形窒化物半導体層24における発光層23側とは反対側の表面がGa極性面である(0001)面により構成されており、酸化物半導体基板3は、LED薄膜部2側の表面である下面31がZn極性面である(0001)面により構成され、LED薄膜部2側とは反対側の表面である上面32がO極性面である(000−1)面により構成されている。要するに、LED薄膜部2と酸化物半導体基板3とは、酸化物半導体基板3のZn極性面とp形窒化物半導体層24のGa極性面とが結合されている。
また、上述のアノード電極4は、Ti膜とAu膜との積層膜により構成され、カソード電極5は、Ti膜とAl膜とNi膜とAu膜との積層膜により構成してあり、アノード電極4およびカソード電極5のいずれも最表面側がAu膜により構成されている。なお、アノード電極4およびカソード電極5は、電子ビーム蒸着法(EB蒸着法)により形成している。
また、本実施形態では、透光性薄膜6を構成するTi薄膜の膜厚を1nmに設定してあるが、この膜厚に限定するものではない。ここで、透光性薄膜6は、酸化物半導体基板3の基礎となるZnOウェハの(000−1)面からなる一表面側に透光性薄膜6の形成予定領域が開口されたレジスト層をフォトリソグラフィ技術により形成し、その後、ZnOウェハの上記一表面側にTi薄膜を電子ビーム蒸着法により成膜し、続いて、レジスト層および当該レジスト層上に形成されている不要なTi薄膜を除去することにより形成してある。ここにおいて、Ti薄膜からなる透光性薄膜6の膜厚と当該透光性薄膜6の波長450nmの光に対する光透過率との関係についてシミュレーションしたところ、透光性薄膜6の膜厚が小さいほど当該透光性薄膜6の光透過率が高く、透光性薄膜6をTi薄膜により構成する場合、透光性薄膜6の膜厚が1nmになると、光透過率が95%程度となり、透光性薄膜6の膜厚が0.1nm未満になると結晶異方性エッチングを行う際のマスクとしての機能が損なわれてしまう可能性が高くなるので、透光性薄膜6の膜厚は0.1nm〜1nm程度の範囲で設定することが好ましい。
また、本実施形態では、透光性薄膜6をTi薄膜により構成してあるが、透光性薄膜6は、Ti薄膜に限らず、酸化物半導体基板3を結晶異方性エッチングする際のエッチング液に対して耐性を有してマスクとして利用可能であり、且つ、透光性を有していればよく、例えば、ITO膜もしくはシリコン酸化膜もしくはシリコン酸窒化膜により構成してもよい。ここにおいて、透光性薄膜6をITO薄膜により構成する場合、当該透光性薄膜6の形成にあたっては、Oガスアシストの電子ビーム蒸着法により成膜した後、NガスとOガスとの混合ガス中でアニールするようにすればよく、このような形成方法を採用することにより、透光性薄膜6の消衰係数を0.001程度とすることができる。しかして、透光性薄膜6をITO膜もしくはシリコン酸化膜もしくはシリコン酸窒化膜により構成すれば、Ti薄膜により構成する場合に比べて、膜厚設定の自由度が高くなる。なお、透光性薄膜6の形成方法および形成条件は上述の例に限らないが、消衰係数kが0.003以下となるように形成方法および形成条件を設定することが好ましい。
本実施形態の半導体発光素子Aでは、アノード電極4とカソード電極5との間に順方向バイアス電圧を印加することにより、トンネル電流注入によりアノード電極4からp形窒化物半導体層24へホールが注入されるとともに、カソード電極5からn形窒化物半導体層22へ電子が注入され、発光層23に注入された電子とホールとが再結合することで発光し、酸化物半導体基板3の各側面33および透光性薄膜6における酸化物半導体基板3の上面32側とは反対側の表面から光が放射される。なお、波長が450nmの光に対するZnOの屈折率は2.1、GaNの屈折率は2.4である。
以下、本実施形態の半導体発光素子Aの製造方法について説明する。
上述の半導体発光素子Aは、上記一表面が(0001)面のサファイアウェハの上記一表面側にn形窒化物半導体層22と発光層23とp形窒化物半導体層24との積層構造を有するLED薄膜部2をMOVPE法などにより成長する結晶成長工程を行い、その後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してLED薄膜部2を正六角形状の形状にパターニングするパターニング工程を行い、次に、サファイアウェハの上記一表面側のLED薄膜部2と酸化物半導体基板3の基礎となるn形のZnOウェハとを接合する接合工程を行ってから、ZnOウェハにおけるLED薄膜部2側とは反対側に所定形状にパターニングされた透光性薄膜6を形成する透光性薄膜形成工程を行い、その後、サファイアウェハを除去するウェハリフトオフ工程を行い、続いて、アノード電極4およびカソード電極5を形成する電極形成工程を行ってから、塩酸系のエッチング液(例えば、塩酸水溶液など)を用いてエッチング速度の結晶方位依存性を利用した結晶異方性エッチングを行うことによりZnOウェハの一部からなる六角錘台状の酸化物半導体基板3を形成する加工工程を行うようにしている。なお、ZnOウェハとしては、転位欠陥密度が10cm−2以下で結晶性の優れた単結晶ZnOウェハであり、量産に適した水熱合成法を利用して製造されものを用いている。また、上述の接合工程では、LED薄膜部2とZnOウェハとの互いの接合表面を清浄化した後、LED薄膜部2におけるサファイアウェハ側とは反対側にZnOウェハを重ね合わせ、所定圧力(例えば、2MPa)を印加しながら、熱処理を行うことにより、LED薄膜部2とZnOウェハとを接合する。ここで、上述の所定圧力の値は特に限定するものではなく、また、ZnOウェハのウェハサイズに応じて適宜変更すればよい。また、熱処理の条件としては、雰囲気を窒素ガス雰囲気として熱処理温度を800℃としているが、これらの条件は一例であって、特に限定するものではない。
六角錘台状の酸化物半導体基板3の高さ(厚さ)は、ZnOウェハの厚さで規定することができ、本実施形態では、ZnOウェハとして厚さが500μmのものを用いているので、酸化物半導体基板3の高さは500μmとなっているが、ZnOウェハの厚さは特に限定するものではない。また、酸化物半導体基板3の下面31に対する各側面33それぞれの傾斜角は、ZnOウェハの結晶軸方向で規定される。本実施形態では、LED薄膜部2側がZn極性面である(0001)面、LED薄膜部2側とは反対側がO極性面である(000−1)面のZnOウェハに対して上述の結晶異方性エッチングを行うことにより酸化物半導体基板3を形成しているので、酸化物半導体基板3の各側面33は、{10−1−1}面により構成されており、再現性良く傾斜角が60°の側面33を形成することができる。しかも、本実施形態では、平面視形状が正六角形状の透光性薄膜6をマスクとしてZnOウェハの結晶異方性エッチングを行うので、透光性薄膜6の平面サイズにより酸化物半導体基板3の上面32の面積を規定することができ、透光性薄膜6の平面サイズとZnOウェハの厚さとで酸化物半導体基板3の下面31の面積を規定することができるから、ZnOウェハの厚さを変更することなしに透光性薄膜6の平面サイズを大きくすることにより酸化物半導体基板3の下面31の面積を大きくすることができる。
しかして、ZnOウェハとして従来と同様に厚さが500μmのものを用いた場合でも、透光性薄膜6を1辺が475μmの正六角形状の形状にパターニングすれば、六角錘台状の酸化物半導体基板3の高さを500μm、下面31を1辺が808μmの正六角形状の形状とすることができるから、n形窒化物半導体層22および発光層23の面積を1.2mmとすることができ、発光層23の面積を従来の略4倍とすることができる。
以上説明した本実施形態の半導体発光素子Aによれば、酸化物半導体基板3がLED薄膜部2側を下面31、LED薄膜部2側とは反対側を上面32とする六角錘台状の形状に結晶異方性エッチングにより加工され、且つ、酸化物半導体基板3の下面31側にアノード電極4およびカソード電極5を備え、酸化物半導体基板3の上面32に上述の結晶異方性エッチングを行うときにマスクとして用いる透光性薄膜6が形成されているので、透光性薄膜6の平面サイズと六角錘台状の酸化物半導体基板3の基礎となる酸化物半導体ウェハたるZnOウェハの厚さとで酸化物半導体基板3の下面31の面積が決まるから、ZnOウェハの厚さを変更することなしに透光性薄膜6の平面サイズを大きくすることにより酸化物半導体基板3の下面31の面積を大きくすることができ、しかも、LED薄膜部2から放射された光が酸化物半導体基板3の上面32側で反射されるのを抑制することができるから、光取り出し効率の低下を抑制しつつ低コストで光出力の高出力化を図れる。なお、本実施形態の半導体発光素子Aでは、酸化物半導体基板3としてZnO基板を採用しているが、ZnOの構成元素であるZnおよびOは豊富な資源であり且つ無毒なので、今後、低コスト化および安定供給の点で有望であると考えられる。また、本実施形態の半導体発光素子Aでは、図4に示した構成の半導体発光素子と同様、酸化物半導体基板3の下面31側にアノード電極4およびカソード電極5が形成されており、酸化物半導体基板3の下面31に対する各側面33の傾斜角が60°となっているので、出射光の広がり角を大きくすることができる。ここにおいて、単位立体角当たりの放射光強度が最大値に対して50%以上となる角度範囲を光出射角(出射光の広がり角)と定義すると、本実施形態の半導体発光素子Aの光出射角は120°以上となる。
以下、上述の半導体発光素子Aを実装基板などに実装する際に用いる吸着コレット8について図2に基づいて説明する。
吸着コレット8は、半導体発光素子Aを吸着するためのチップ吸着用凹所81が角柱状(ここでは、四角柱状)のコレット本体80aの先端部(図2における下端部)に形成され、コレット本体80aに、チップ吸着用凹所81に連通する真空吸着孔82が形成されている。ここで、チップ吸着用凹所81は、コレット本体80aの先端面側(下面側)が開放されており、真空吸着孔82は、チップ吸着用凹所81と中心線が一致するようにチップ吸着用凹所81の上方に形成されている。なお、コレット本体80aの形状は四角柱状に限らず、例えば、六角柱状の形状でもよい。
吸着コレット8は、超硬合金(WC、TiC、TaCなどの遷移元素系列の硬質金属炭化物粉末をCo、Niなどの鉄族金属を結合剤として圧縮成形したのち、高温で焼結したもの)により形成してあるが、超硬合金に限らず、例えば、セラミック(例えば、窒化アルミニウム、アルミナ、酸化チタン、シリカなど)により形成してもよい。
ところで、吸着コレット8のチップ吸着用凹所81は、六角形状に開口され六角錘台状の酸化物半導体基板3の平坦な上面32に面接触可能な平坦面81bおよび各側面33それぞれに面接触可能な6つの傾斜面81aで囲まれた六角錘台状の凹所により構成されている。要するに、吸着コレット8のチップ吸着用凹所81は、半導体発光素子Aの酸化物半導体基板3に整合する形状に設計されている。また、吸着コレット8の真空吸着孔82は、円形状に開口されており、吸着コレット8は、真空吸着孔82の内周面とチップ吸着用凹所81の平坦面81bとが連続して形成されている。ここにおいて、吸着コレット8は、コレット本体80aの中心線に対する各傾斜面81aの傾斜角を30°に設定し、中心線に直交する仮想平面(ここでは、コレット本体80aの先端面を含む平面)に対する各傾斜面81aの傾斜角を60°に設定してある。なお、真空吸着孔82の中心線およびチップ吸着用凹所81の中心線はコレット本体80aの中心線上に位置している。
また、吸着コレット8は、吸着対象の半導体発光素子Aを吸着した状態において当該半導体発光素子Aの酸化物半導体基板3の下面31がコレット本体8aの先端面を含む平面よりも突出するように、チップ吸着用凹所81の深さ寸法を、吸着対象の半導体発光素子Aの酸化物半導体基板3の高さ寸法よりも小さく設定してある。
次に、上述の吸着コレット8を利用した実装方法について説明する。
本実施形態における実装方法では、配線パターンの適宜部位上にバンプ(例えば、Auバンプなど)を設けた実装基板20をダイボンド装置(図示せず)のステージの表面側に載置して保持し、上記ダイボンド装置の駆動部により上記ダイボンド装置のヘッド(ボンディングヘッド)に設けた吸着コレット8を移動させて吸着コレット8の真空吸着孔82を通して真空吸引することで吸着コレット8により半導体発光素子Aを真空吸着させて保持し、その後、上記駆動部により吸着コレット8を移動させて半導体発光素子Aのアノード電極4およびカソード電極5と上記ステージの上記表面側に保持された実装基板の配線パターン上の各バンプとを接触させ、半導体発光素子A、各バンプおよび実装基板を規定の接合温度(例えば、150°)に加熱した状態で、上記ヘッド側から吸着コレット8に適宜の圧力を印加して半導体発光素子Aを鉛直下方へ押し付け且つ同時に上記ダイボンド装置の超音波発生装置から吸着コレット8に対して超音波を水平方向に印加することにより半導体発光素子Aのアノード電極4およびカソード電極5それぞれと実装基板の対応する各配線パターンとをそれぞれバンプを介して接合する。なお、半導体発光素子Aの加熱は、上記ヘッドに設けたヒータにより行えばよく、実装基板の加熱は、上記ステージに設けたヒータにより行えばよい。
以上説明した吸着コレット8を用いれば、チップ吸着用凹所81が、六角形状に開口され六角錘台状の酸化物半導体基板3の上面32に面接触可能な平坦面81bおよび各側面33それぞれに面接触可能な6つの傾斜面31aで囲まれた六角錘台状の凹所からなるので、六角錘台状の酸化物半導体基板3を有する半導体発光素子Aを傾きなく安定して保持することができ、しかも、微小なパーティクルが半導体発光素子Aに付着している場合でも、当該半導体発光素子Aに超音波を安定かつ効率的に伝播させることができる。その結果、実装工程の再現性を高めることができて生産性の向上を図れる。また、上述の接合温度の低温化を図れ、半導体発光素子Aへの残留応力の発生や半導体発光素子Aへの熱ダメージの発生を防止することができる。
なお、上述の実施形態では、半導体発光素子Aから放射される光が青色光となるように発光層23を設計してあるが、半導体発光素子Aから放射される光は青色光に限らず、例えば、赤色光、緑色光、紫色光、紫外光などでもよい。また、本実施形態の半導体発光素子Aと、当該半導体発光素子Aから放射される光によって励起されて半導体発光素子Aよりも長波長の光を放射する波長変換材料である蛍光体とを組み合わせて半導体発光素子Aの発光色とは異なる色合いの混色光(例えば、白色光など)を出す発光装置を構成してもよい。
実施形態の半導体発光素子を示し、(a)は概略断面図、(b)は概略上面図、(c)は概略下面図である。 同上の半導体発光素子の実装に用いる吸着コレットの説明図である。 従来例を示す半導体発光素子の概略断面図である。 他の従来例を示す半導体発光素子の概略断面図である。
符号の説明
A 半導体発光素子
2 LED薄膜部
3 酸化物半導体基板
4 アノード電極
5 カソード電極
6 透光性薄膜
22 n形窒化物半導体層
23 発光層
24 p形窒化物半導体層
31 下面
32 上面
33 側面

Claims (3)

  1. 窒化物半導体材料により形成されたLED薄膜部と、LED薄膜部の厚み方向の一面側に結合された酸化物半導体基板とを備え、酸化物半導体基板がLED薄膜部側を下面、LED薄膜部側とは反対側を上面とする六角錘台状の形状に結晶異方性エッチングにより加工されるとともに、酸化物半導体基板の下面側にアノード電極およびカソード電極が形成され、酸化物半導体基板の上面に前記結晶異方性エッチングを行うときにマスクとして用いるTi薄膜からなる透光性薄膜が形成されてなることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 窒化物半導体材料により形成されたLED薄膜部と、LED薄膜部の厚み方向の一面側に結合された酸化物半導体基板とを備え、酸化物半導体基板がLED薄膜部側を下面、LED薄膜部側とは反対側を上面とする六角錘台状の形状に結晶異方性エッチングにより加工されるとともに、酸化物半導体基板の下面側にアノード電極およびカソード電極が形成され、酸化物半導体基板の上面に前記結晶異方性エッチングを行うときにマスクとして用いるITO膜もしくはシリコン酸化膜もしくはシリコン酸窒化膜からなる透光性薄膜が形成されてなることを特徴とする半導体発光素子。
  3. 前記酸化物半導体基板は、単結晶のn形ZnO基板からなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の半導体発光素子。
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