JP2010103066A - 燃料電池システム、燃料電池の運転方法、および燃料電池自動車 - Google Patents

燃料電池システム、燃料電池の運転方法、および燃料電池自動車 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池スタックを構成する複数の燃料電池セルの中から、凍結している燃料電池セルを特定することができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】本発明の燃料電池システムは、燃料電池スタック10、選択手段20、判断手段80、および通電手段30を有する。燃料電池スタック10は、水素および酸素の供給を受けて電力を発生する燃料電池セル11が複数積層されてなる。選択手段20は、複数の燃料電池セル11の中から、少なくとも一つの燃料電池セル11を選択する。判断手段80は、選択された燃料電池セル11が凍結しているか否かを判断する。通電手段30は、燃料電池セル11が凍結していると判断される場合、燃料電池セル11に交流電流を印加することによって、燃料電池セル11を加熱する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システム、燃料電池の運転方法、および燃料電池自動車に関する。
近年、環境負荷の少ない電源として、燃料電池が注目されている。燃料電池は、水素と酸素の化学反応によって電力を発生するものである。燃料電池を搭載した電気自動車からは、水素と酸素の化学反応にともなって生成される水が排出される。
燃料電池に関連する技術としては、燃料電池で生成される水の凍結を解凍する見地から、下記の特許文献1に示すような燃料電池システムが知られている。特許文献1に開示される燃料電池システムは、燃料電池の交流インピーダンスを測定して燃料電池内の凍結部位が触媒層近傍であるかセパレータ近傍であるかを特定する特定部と、凍結部位に応じた周波数の交流電圧を燃料電池に印加する交流電圧印加部と、を有する。このような構成によれば、燃料電池の凍結部位に応じた周波数の交流電圧を印加することによって凍結部位を効率よく加熱し、凍結部位を解凍することができる。
特開2007−48506号公報
しかしながら、上記燃料電池システムでは、燃料電池セルが複数積層されてなる燃料電池スタックを加熱する場合、燃料電池スタックの両端の燃料電池セルに結線される負荷制御装置によって燃料電池スタックの交流インピーダンスが測定される。したがって、上記システムでは、燃料電池スタックを構成する複数の燃料電池セルの中から、凍結している燃料電池セルを特定することができないという問題がある。燃料電池セルが複数積層されてなる燃料電池スタックでは、たとえば、燃料電池スタックの端部に配置される燃料電池セルが凍結する一方で、中央部の燃料電池セルは凍結しない場合がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものである。したがって、本発明の目的は、燃料電池スタックを構成する複数の燃料電池セルの中から、凍結している燃料電池セルを特定することができる燃料電池システムおよび燃料電池の運転方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、上記燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
本発明の燃料電池システムは、燃料電池スタック、選択手段、判断手段、および通電手段を有する。前記燃料電池スタックは、水素および酸素の供給を受けて電力を発生する燃料電池セルが複数積層されてなる。前記選択手段は、前記複数の燃料電池セルの中から、少なくとも一つの燃料電池セルを選択する。前記判断手段は、前記選択された燃料電池セルが凍結しているか否かを判断する。前記通電手段は、前記燃料電池セルが凍結していると判断される場合、前記燃料電池セルに交流電流を印加することによって、前記燃料電池セルを加熱する。
本発明の燃料電池の運転方法は、選択段階、判断段階、および通電段階を有する。前記選択段階は、燃料電池スタックを構成する複数の燃料電池セルの中から、少なくとも一つの燃料電池セルを選択する。前記判断段階は、前記選択された燃料電池セルが凍結しているか否かを判断する。前記通電段階は、前記燃料電池セルが凍結していると判断される場合、前記燃料電池セルに交流電流を印加することによって、前記燃料電池セルを加熱する。
本発明の燃料電池自動車は、上記燃料電池システムを駆動用電源として搭載している。
本発明の燃料電池システムおよび燃料電池の運転方法によれば、少なくとも一つの燃料電池セル毎に凍結しているか否かが判断されるため、燃料電池スタックを構成する複数の燃料電池セルの中から、凍結している燃料電池セルを特定することができる。その結果、凍結している燃料電池セルを選択的に加熱することが可能となり、より効率的に燃料電池スタックを加熱することができる。
本発明の燃料電池自動車によれば、燃料電池スタックの凍結が効率的に解凍されるため、暖気運転に要する時間を短縮することができるとともに、解凍に必要なエネルギーを抑えることができる。
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の実施の形態では、本発明を燃料電池自動車の電源システムに適用した場合を例にとって説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態における燃料電池システムの概略構成を示す図である。本実施の形態の燃料電池システムは、燃料電池スタックを構成する複数の燃料電池セルの中から凍結している燃料電池セルを特定して、凍結している燃料電池セルを選択的に加熱するものである。
図1に示すとおり、本実施の形態の燃料電池システム100は、燃料電池スタック10、リード線選択部20、交流電流電源30、電圧検出部40、可変抵抗器50、燃料タンク60、コンプレッサ70、および制御部80を備える。
燃料電池スタック10は、電力を発生するものである。燃料電池スタック10は、水素および酸素の供給を受けて電力を発生する燃料電池セル11が複数直列に積層されてなる。燃料電池セル11は、電解質膜と該電解質膜を両側から挟み込むアノードおよびカソードとから構成される膜電極接合体の両面にセパレータが配置されてなる。燃料電池セル11には、電極触媒として白金が用いられており、白金はカーボン粉末によって担持されている。本実施の形態において、燃料電池スタック10を構成する複数の燃料電池セル11は、3個毎にグループ化されており、各燃料電池セルのグループ12の両端に位置する燃料電池セル11には、通電用のリード線13が接続されている。相互に隣接する燃料電池セルのグループ12は、リード線13を共有している。また、燃料電池スタック10の側部には、温度センサ81が設けられている。
リード線選択部20は、燃料電池スタック10に接続されている複数のリード線13の中から、少なくとも一対のリード線13を選択するものである。リード線選択部20は、選択手段として、燃料電池セルのグループ12の両端のリード線13を選択することにより、複数の燃料電池セルのグループ12の中から、燃料電池セルのグループ12を選択する。選択された燃料電池セルのグループ12は、その両端部のリード線13を通じて、交流電流電源30と電気的に並列に接続される。リード線選択部20は、複数のスイッチング素子(不図示)を含み、複数のスイッチング素子のオン/オフが制御されることにより、一または複数の燃料電池セルのグループ12が選択される。リード線選択部20は、制御部80と電気的に接続されており、リード線選択部20内部のスイッチング素子は、制御部80によって制御される。
交流電流電源30は、燃料電池スタック10に交流電流を印加するものである。交流電流電源30は、通電手段として、リード線選択部20により選択された燃料電池セルのグループ12に交流電流を印加する。また、交流電流電源30は、周波数可変型の交流電流電源であり、交流インピーダンスを測定するための交流電流を燃料電池セルのグループ12に印加する。本実施の形態の交流電流電源30は、燃料電池自動車に搭載されるリチウム二次電池およびキャパシタなどの電気エネルギー貯存装置と直流−交流変換器とから構成される。交流電流電源30は、制御部80に電気的に接続されており、制御部80によって制御される。
電圧検出部40は、燃料電池セル11のセル電圧を検出するものである。電圧検出部40は、リード線選択部20により選択された燃料電池セルのグループ12の電圧を検出する。電圧検出部40は、制御部80に電気的に接続されており、電圧検出部40からの信号は、制御部80に送信される。
可変抵抗器50は、燃料電池スタック10から直流電流を取り出すものである。可変抵抗器50は、交流電流電源30と電気的に並列に接続されており、可変抵抗器50と交流電流電源30との連結部には、スイッチ82が設けられている。可変抵抗器50は、電流取出手段として、リード線選択部20により選択された燃料電池セルのグループ12に電気的に並列に接続され、発電している燃料電池セルのグループ12から直流電流を取り出す。本実施の形態の可変抵抗器50には、コイル51が電気的に直列に接続されている。可変抵抗器50は、制御部80に電気的に接続されており、制御部80によって抵抗値が制御される。
燃料タンク60は、燃料電池スタック10に供給されるアノードガス(水素を含む燃料ガス)を貯蔵するものである。燃料タンク60は、燃料ガス供給手段として、アノードガス供給用配管を通じて燃料電池スタック10のアノードにアノードガスを供給する。アノードガス供給用配管には、ガス流量調整バルブ61が設けられている。ガス流量調整バルブ61は、制御部80に電気的に接続されており、制御部80よって制御される。
コンプレッサ70は、燃料電池スタック10にカソードガス(たとえば、空気)を供給するものである。コンプレッサ70は、酸化剤ガス供給手段として、カソードガス供給用配管を通じて燃料電池スタック10のカソードに接続されている。本実施の形態のコンプレッサ70は、制御部80に電気的に接続されており、制御部80によって制御される。
制御部80は、電圧検出部40および温度センサ81からの各信号を受信し、これらの信号に基づいて、リード線選択部20、交流電流電源30、可変抵抗器50、およびコンプレッサ70を制御するものである。また、制御部80は、燃料電池セルのグループ12が凍結しているか否かを判断する判断部(判断手段)として機能する。
以上のとおり構成される本実施の形態の燃料電池システム100によれば、燃料電池スタック10を構成する複数の燃料電池セル11の中から、凍結している燃料電池セルのグループ12が特定され、特定された燃料電池セルのグループ12が通電により加熱される。以下、図2〜図5を参照して、本実施の形態の燃料電池システム100における燃料電池の運転方法について説明する。
図2は、本実施の形態の燃料電池システムにおいて、燃料電池スタックを構成している複数の燃料電池セルの中から、凍結している燃料電池セルを特定するための処理を説明するためのフローチャートである。
図2に示すとおり、本実施の形態における燃料電池セルの特定処理では、まず、燃料電池スタック10の温度が検出される(ステップS101)。本実施の形態では、燃料電池スタック10に設けられた温度センサ81によって、燃料電池スタック10の温度が検出される。
次に、燃料電池スタック10の温度が、凍結温度未満か否かが判断される(ステップS102)。ここで、凍結温度は、たとえば、0℃であり、燃料電池スタック10を構成する燃料電池セル11が凍結している可能性があるか否かを判断するための温度として設定される。
燃料電池スタック10の温度が凍結温度以上の場合(ステップS102:NO)、燃料電池スタック10を構成する燃料電池セル11は凍結していないとして、処理が終了される。一方、燃料電池スタック10の温度が凍結温度未満の場合(ステップS102:YES)、燃料電池スタック10を構成している複数の燃料電池セルのグループ12の中から、一の燃料電池セルのグループ12が選択される(ステップS103)。本実施の形態では、燃料電池スタック10を構成している燃料電池セルのグループ12が順次に選択されるように、複数の燃料電池セルのグループ12の中から一の燃料電池セルのグループ12が選択される。具体的には、リード線選択部20内部のスイッチング素子が制御され、相互に隣接する一対のリード線13が選択されることにより、一の燃料電池セルのグループ12が選択される。
次に、選択された燃料電池セルのグループ12の交流インピーダンスが測定される(ステップS104)。本実施の形態では、ステップS103に示す処理で選択された燃料電池セルのグループ12に交流電流電源30から交流電流を印加しつつ周波数が変更される。そして、電圧検出部40によって燃料電池セルのグループ12の電圧を検出することにより、燃料電池セルのグループ12の交流インピーダンスが測定される。
次に、交流インピーダンスの測定結果が解析され、燃料電池セルのグループ12が凍結しているか否かが判断される(ステップS105,S106)。本実施の形態では、まず、燃料電池セルのグループ12の交流インピーダンスが解析されて、カソードにおける反応抵抗およびガス拡散抵抗が算出される。そして、反応抵抗およびガス拡散抵抗が基準値と比較されることによって、凍結している燃料電池セル11の凍結部位が触媒層近傍であるかセパレータ近傍であるかが特定される。しかしながら、本実施の形態とは異なり、燃料電池セルの凍結部位を特定することなく、燃料電池セルのグループの交流インピーダンスから、燃料電池セルのグループが凍結しているか否かだけが判断されてもよい。なお、燃料電池セル内の凍結部位を特定する技術自体は、公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
そして、本実施の形態によれば、燃料電池スタックの両端の燃料電池セルに結線されるリード線に通電して燃料電池スタックの交流インピーダンスを測定する場合と比較して、燃料電池セル11内の凍結部位を精度よく特定することができる。燃料電池スタックの両端の燃料電池セルに結線されるリード線に通電して燃料電池スタックの交流インピーダンスを測定する方法は、燃料電池スタックを構成する複数の燃料電池セルが均一に凍結される場合、燃料電池セルの凍結部位を精度よく特定することができる。しかしながら、燃料電池セルが不均一に凍結される場合、凍結部位の判断精度が落ち、誤った判断がなされるおそれがある。実際、燃料電池スタックの各燃料電池セルが均一に凍結されることは少なく、場所と運転条件によって燃料電池セル間の凍結具合が異なる。たとえば、運転終了後、燃料電池スタックの端部に配置される燃料電池セルの温度低下速度は中央部の燃料電池セルよりも速いため、生成水が残りやすく、燃料電池スタックの端部に配置される燃料電池セルは、中央部の燃料電池セルよりも高い頻度で凍結する。
燃料電池セルのグループ12が凍結していないと判断される場合(ステップS106:NO)、ステップS108に示す処理に以降する。一方、燃料電池セルのグループ12が凍結していると判断される場合(ステップS106:YES)、燃料電池セルのグループ12が記憶される(ステップS107)。
そして、すべての燃料電池セルのグループ12に対して、交流インピーダンスが測定されたか否かが判断される(ステップS108)。すべての燃料電池セルのグループ12に対して交流インピーダンスが測定されていない場合(ステップS108:NO)、すべての燃料電池セルのグループ12の交流インピーダンスが測定されるまで、ステップS103以下の処理が繰り返される。一方、すべての燃料電池セルのグループ12に対して交流インピーダンスが測定された場合(ステップS108:YES)、処理が終了される。
以上のとおり、図2に示すフローチャートの処理によれば、燃料電池スタック10を構成する燃料電池セルのグループ12毎に交流インピーダンスが測定され、燃料電池セルのグループ12が凍結しているか否かが判断される。したがって、燃料電池スタック10を構成する複数の燃料電池セル11の中から、凍結している燃料電池セルのグループ12を特定することができる。
次に、図3を参照して、凍結している燃料電池セルのグループ12を通電により加熱する処理について説明する。図3は、本実施の形態の燃料電池システムにおいて、凍結していると判断された燃料電池セルを通電により加熱する処理を説明するためのフローチャートである。
図3に示すとおり、本実施の形態における燃料電池セルの通電処理では、まず、通電対象の燃料電池セルのグループ12が選択される(ステップS201)。本実施の形態では、リード線選択部20によって複数のリード線13の中から、対応するリード線13が選択されることにより、図2のステップS107に示す処理で記憶された燃料電池セルのグループ12が選択される。選択された燃料電池セルのグループ12は、リード線13を通じて、交流電流電源30と電気的に並列に接続される。
次に、燃料電池セルのグループ12から直流電流が取り出される(ステップS202)。本実施の形態では、まず、ガス流量調整バルブ61およびコンプレッサ70が制御され、燃料電池スタック10にアノードガスおよびカソードガスが供給される。そして、スイッチ82が切り替えられることにより、燃料電池セルのグループ12に対して、可変抵抗器50が電気的に並列に接続され、燃料電池セルのグループ12から直流電流が取り出される。直流電流が取り出されることにより、燃料電池セル11のセル電圧は、開回路電圧(約1.2V)から低下する。なお、燃料電池スタック10の周囲の温度が低いほど、直流電流を取り出した際のセル電圧の低下度合いは大きくなる。
次に、燃料電池セルのグループ12に交流電流が印加される(ステップS203)。本実施の形態では、ステップS201に示す処理で選択されたリード線13に交流電流電源30によって交流電流が印加されることにより、燃料電池セルのグループ12に交流電流が印加される。燃料電池セルのグループ12に含まれる燃料電池セル11に交流電流が印加されることによって、燃料電池セル11が抵抗損失により発熱する。燃料電池セル11が発熱することにより、燃料電池セル11の凍結が解凍される。なお、交流電流の周波数は、10Hz〜10kHzであり、燃料電池セル内の凍結部位に応じて設定される。具体的には、燃料電池セルの凍結部位が触媒層近傍である場合、交流電流の周波数は、燃料電池スタックの等価回路におけるカソードの反応抵抗と該反応抵抗と並列して存在する電気二重層容量との積の逆数よりも低い周波数に設定される。一方、燃料電池セルの凍結部位がセパレータ近傍である場合、交流電流の周波数は、上記逆数よりも高い周波数に設定される。しかしながら、本実施の形態とは異なり、交流電流の周波数は、燃料電池セル内の凍結部位とは無関係に一定値に設定されてもよい。
次に、燃料電池セル11のセル電圧が検出される(ステップS204)。本実施の形態では、電圧検出部40が燃料電池セルのグループ12の電圧を検出することにより、燃料電池セル11のセル電圧が検出される。検出されるセル電圧は、直流電流が取り出されることによって決定される電圧を中心電圧(DC成分)として、交流電流によって決定される振幅(AC成分)で周期的に変動している。
次に、検出された燃料電池セル11のセル電圧が所定の変動範囲内であるか否かが判断される(ステップS205)。本実施の形態では、ステップS204に示す処理で検出されたセル電圧の上限値および下限値が、所定の変動範囲内にあるか否かが判断される。ここで、所定の変動範囲とは、0.3〜0.8Vの範囲内または0.8〜0.95Vの範囲内であり、0.8Vを跨がないように設定されることが好ましい。セル電圧の変動範囲についての詳細な説明は後述する。
燃料電池セル11のセル電圧が所定の変動範囲内にある場合(ステップS205:YES)、ステップS207以下の処理に移行する。一方、燃料電池セル11のセル電圧が所定の変動範囲から外れている場合(ステップS205:NO)、セル電圧が調整される(ステップS206)。本実施の形態では、燃料電池セル11から取り出す直流電流の大きさを変更することにより、セル電圧の変動範囲が調整される。直流電流の大きさは、可変抵抗器50の抵抗値が制御されることによって変更される。加えて、本実施の形態では、燃料電池セル11に供給されるカソードガスの流量を調整することによって、セル電圧の変動範囲を制御する。なお、セル電圧を下げる方向に制御する場合、たとえば、SR(Stoichiometric Ratio)=1.5の流量で供給されるカソードガスをSR=1.2の流量まで低下させる。
次に、燃料電池スタック10の温度が検出され、燃料電池スタック10の温度が凍結温度以上か否かが判断される(ステップS207,S208)。本実施の形態では、燃料電池スタック10に設けられた温度センサ81により、燃料電池スタック10の温度が検出され、凍結温度以上か否かが判断される。
燃料電池スタック10の温度が凍結温度未満の場合(ステップS208:NO)、凍結している燃料電池セル11が解凍されていないとして、燃料電池スタック10の温度が凍結温度以上になるまで、ステップS204以下の処理が繰り返される。一方、燃料電池スタック10の温度が凍結温度以上の場合(ステップS208:YES)、凍結している燃料電池セル11が解凍されたとして、交流電流の印加が停止される(ステップS209)。そして、直流電流の取り出しが停止され(ステップS210)、処理が終了される。通電処理後の燃料電池スタック10は、出力が制限された状態で発電され、標準作動温度(たとえば、80℃)まで暖められる。それから、燃料電池スタック10は、燃料電池自動車の駆動用電源として稼動される。
以上のとおり、図3に示すフローチャートの処理によれば、図2に示すフローチャートの処理で特定された燃料電池セルのグループ12に交流電流が印加され、燃料電池セルのグループ12が加熱される。このとき、燃料電池セルのグループ12から直流電流を取り出すことにより、燃料電池セル11のセル電圧の変動範囲が調整される。
次に、図4および図5を参照して、交流電流が印加される燃料電池セルのセル電圧の変動範囲について詳細に説明する。
図4は、直流電流が取り出される一方で交流電流が印加される燃料電池セルのセル電圧を示す図である。
図4の縦軸はセル電圧であり、横軸は時間である。また、図4の実線は、セル電圧が0.8V以下の範囲で変動している場合を示し、破線は、セル電圧が0.8〜0.95Vの範囲で変動している場合を示す。
交流電流が印加されている燃料電池セルにアノードガスおよびカソードガスが供給される場合、セル電圧は、開回路電圧を中心電圧として、所定の振幅で周期的に変動する。上述したとおり、本実施の形態では、燃料電池セルから直流電流を取り出すことによって、セル電圧の中心電圧を開回路電圧から低下させ、セル電圧の変動範囲を調整する。なお、セル電圧の振幅は交流電流によって決定され、0.1〜0.3Vの範囲に設定される。燃料電池セル11の発熱量を大きくする見地から、セル電圧の振幅は大きい方が好ましい。
図4に示すとおり、交流電流が印加される燃料電池セルのセル電圧は、0.3〜0.8Vの範囲または0.8〜0.95Vの範囲に調整される。セル電圧が0.95Vを超える場合には、燃料電池触媒の担体であるカーボンの腐食が促進されてしまう。また、セル電圧が0.3V未満の場合には、燃料電池セルから取り出される直流電流が大きくなるため、発電にともなって生成される水の量が増加し、低温起動時における燃料電池セルの新たな凍結を引き起こすおそれがある。
図5は、燃料電池セルを流れる電流とカソード電位との関係を示す図である。図5に示すサイクリックボルタモグラムは、セル温度が室温の環境下で、アノードに水素ガスかつカソードに窒素ガスを供給しつつ、50mV/sの電圧変化速度で0.05〜0.9Vvs.RHE(可逆水素電極、ここでは純水素を供給されたアノード側の電位である)の範囲でカソード電位を変化させて得られたものである。図5の縦軸は、電流密度であり、横軸は、カソード電位である。
図5に示すとおり、燃料電池セルのカソード電位が上昇する過程で、電極触媒として用いられる白金の酸化が進行し、特に、0.8Vvs.RHE以上の領域では、白金の表面は酸化物で覆われる。一方、カソード電位を降下する過程で、特に、0.8Vvs.RHE以下の領域では、白金の還元が進行する。交流電流が印加される燃料電池セルのセル電圧が0.8Vを跨いで変動する場合、燃料電池セルが、白金の酸化領域と還元領域とを行き来することになる。したがって、交流電流が印加される燃料電池セルのセル電圧が0.8Vを跨いで変動する場合、白金の酸化と還元とが繰り返されて白金が溶出し、電極触媒の有効反応面積の減少が促進されてしまう。このような白金の溶出を防止して燃料電池セルの耐久性を向上させる見地から、セル電圧の変動範囲は、0.8Vを跨がないように調整されることが好ましい。
以上のとおり、本実施の形態の燃料電池システムおよび燃料電池の運転方法によれば、燃料電池セルから取り出す直流電流の大きさを変更することにより、交流電流が印加される燃料電池セルのセル電圧の変動範囲が調整される。したがって、カーボンの腐食および白金の溶出が抑制され、燃料電池セルの耐久性を向上することができる。
また、本実施の形態の燃料電池システムおよび燃料電池の運転方法によれば、燃料電池スタックを構成する複数の燃料電池セルの中から、凍結している燃料電池セルのグループが特定されて選択的に加熱される。したがって、凍結している燃料電池セルのグループを効率よく加熱することができる。
次に、図6を参照して、本実施の形態における燃料電池システム100を搭載した燃料電池自動車について説明する。
図6は、本実施の形態における燃料電池システムが搭載された燃料電池自動車を説明する図である。本実施の形態における燃料電池自動車200は、燃料電池システム100を駆動用電源として搭載している。燃料電池スタック10で発生される電力により自動車200のモータが駆動され、自動車200が走行する。
上述したとおり、本実施の形態の燃料電池システム100では、凍結している燃料電池セルのグループが効率よく加熱されるため、燃料電池スタック10の起動時間が短縮される。したがって、本実施の形態の燃料電池自動車200によれば、冬場の暖気運転に要する時間が短縮される。また、凍結している燃料電池セルのグループが選択的に加熱されるため、燃料電池セルの加熱に用いられるエネルギーが最小化され、燃料電池自動車200の燃費が向上する。さらに、本実施の形態の燃料電池自動車200によれば、燃料電池セルの耐久性が向上されるため、自動車200の信頼性が向上する。
以上のとおり、説明した本実施の形態は、以下の効果を奏する。
(a)本実施の形態の燃料電池システムは、燃料電池スタック、リード線選択部、制御部、および交流電流電源を有する。燃料電池スタックは、水素および酸素の供給を受けて電力を発生する燃料電池セルが複数積層されてなる。リード線選択部は、複数の燃料電池セルの中から、燃料電池セルのグループを選択する。制御部は、選択された燃料電池セルのグループが凍結しているか否かを判断する。交流電流電源は、燃料電池セルのグループが凍結していると判断される場合、燃料電池セルのグループに交流電流を印加することによって、燃料電池セルのグループを加熱する。したがって、燃料電池セルのグループ毎に凍結しているか否かが判断されるため、燃料電池スタックを構成する複数の燃料電池セルの中から、凍結している燃料電池セルのグループを特定することができる。その結果、凍結している燃料電池セルのグループを選択的に加熱することが可能となり、より効率的に燃料電池スタックを加熱することができる。また、燃料電池スタックの起動時間が短縮される。
(b)本実施の形態の燃料電池システムでは、交流電流が印加されている燃料電池セルのセル電圧の変動範囲が調整される。したがって、カーボンの腐食および白金の溶出を抑制することができる。その結果、燃料電池セルの耐久性が向上する。
(c)本実施の形態の燃料電池システムでは、セル電圧が0.8V以下の範囲に調整される。したがって、セル電圧の上限値を0.8V以下に維持することにより白金の溶出を抑制することができる。また、セル電圧の交流成分の振幅を最大化して、燃料電池セルを効果的に発熱させることができる。
(d)本実施の形態の燃料電池システムでは、セル電圧が0.8〜0.95Vの範囲に調整される。したがって、セル電圧の上限値を0.95V未満に維持することによりカーボンの腐食を抑制するとともに、セル電圧の下限値を0.8V以上に維持することにより白金の溶出を抑制することができる。
(e)本実施の形態の燃料電池システムは、アノードガスおよびカソードガスが供給される燃料電池セルから直流電流を取り出す可変抵抗器をさらに有する。制御部は、可変抵抗器を制御して直流電流の大きさを変更することにより、セル電圧の変動範囲を調整する。したがって、精度よくセル電圧の変動範囲を調整することができる。
(f)本実施の形態の燃料電池システムは、電流取出手段に電気的に直列に接続され、燃料電池スタックよりも低い直流抵抗を有し、かつ燃料電池スタックよりも高い交流抵抗を有するコイルをさらに有する。したがって、直流電流に対してはコイルが導線として機能する一方で、交流電流に対してはコイルが抵抗器として機能するため、交流電流(加熱用の交流エネルギー)を効果的に燃料電池セルに作用させることができる。
(g)本実施の形態の燃料電池システムは、さらに、燃料電池セルに供給されるカソードガスの供給量を制御することにより、セル電圧の変動範囲を補助的に調整する。したがって、拡散過電圧を変化させてセル電圧を調整することができるため、直流電流を取り出す際に生成される水の量を低減することができる。
(h)本実施の形態の燃料電池自動車は、上記燃料電池システムを駆動用電源として搭載している。したがって、燃料電池スタックの凍結が効率的に解凍されるため、暖気運転に要する時間を短縮することができるとともに、解凍に必要なエネルギーを抑えることができる。また、燃料電池セルの耐久性が向上されるため、燃料電池自動車の信頼性が向上する。
(i)本実施の形態の燃料電池の運転方法は、選択段階、判断段階、および通電段階を有する。選択段階は、燃料電池スタックを構成する複数の燃料電池セルの中から燃料電池セルのグループを選択する。判断段階は、選択された燃料電池セルのグループが凍結しているか否かを判断する。通電段階は、燃料電池セルのグループが凍結していると判断される場合、燃料電池セルのグループに交流電流を印加することによって、燃料電池セルのグループを加熱する。したがって、燃料電池セルのグループ毎に凍結しているか否かが判断されるため、燃料電池スタックを構成する複数の燃料電池セルの中から、凍結している燃料電池セルのグループを特定することができる。その結果、凍結している燃料電池セルのグループを選択的に加熱することが可能となり、より効率的に燃料電池スタックを加熱することができる。また、燃料電池スタックの起動時間が短縮される。
(第2の実施の形態)
次に、図7を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、燃料電池スタック内部のガスの組成を変更することによって、燃料電池セルのセル電圧の変動範囲を調整する実施の形態である。
図7は、本発明の第2の実施の形態における燃料電池システムの概略構成を示す図である。図7に示すとおり、本実施の形態の燃料電池システム100は、燃料電池スタック10、リード線選択部20、交流電流電源30、電圧検出部40、燃料タンク60、コンプレッサ70、および制御部80を備える。燃料電池スタック10のアノードガス排気用配管には、燃料電池スタック10から排出されるアノードガスの流量を制御するためのアノードガス排気用バルブ62が設けられている。燃料電池スタック10のカソードガス排気用配管には、燃料電池スタック10から排出されるカソードガスの流量を制御するためのカソードガス排気用バルブ71が設けられている。なお、燃料電池スタックに供給するガスの組成を変更することによりセル電圧の変動範囲を調整する点を除いては、本実施の形態の燃料電池システムの構成は、第1の実施の形態における構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、凍結している燃料電池セルのグループ12に交流電流を印加するのに先立って、まず、アノードガス排気用バルブ62およびカソードガス排気用バルブ71が閉じられる。次に、ガス流量調整バルブ61が開かれて、燃料電池スタック10にアノードガスが供給される。一方、コンプレッサ70は稼動されず、燃料電池スタック10にはカソードガスは供給されない。
このような構成によれば、アノードガスが燃料電池セル11の電解質膜を通過してカソードに供給されるクロスオーバー現象により、カソード側の酸素濃度が低下する。その結果、燃料電池セル11のセル電圧が開回路電圧から低下して、所定の変動範囲内に調整される。なお、燃料電池スタックを負荷に接続して少量の直流電流を取り出し、酸素を消費することにより、セル電圧(カソード電位)の降下時間を短縮することができる。
したがって、本実施の形態の燃料電池システムおよび燃料電池の運転方法によれば、水をほとんど生成させることなく、燃料電池セルのセル電圧の変動範囲を調整することができる。
なお、本実施の形態とは異なり、たとえば、カソードガス排気用配管から排出される酸素濃度の低いカソードガスを循環させてカソードに供給することにより、セル電圧を低下させてもよい。あるいは、カソードに窒素ガスを供給することによって、セル電圧を低下させてもよい。
以上のとおり、説明した本実施の形態は、第1の実施の形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(J)本実施の形態の燃料電池システムでは、燃料電池セル内部のガスの組成を変更することにより、セル電圧の変動範囲が調整される。したがって、水をほとんど生成させることなく、燃料電池セルのセル電圧の変動範囲を調整することができる。その結果、低温起動時の生成水の凍結を考慮する必要がなく、より低い温度で燃料電池スタックを起動させることが可能となる。
以上のとおり、説明した第1および第2の実施の形態において、本発明の燃料電池システム、燃料電池の運転方法、および燃料電池自動車を説明した。しかしながら、本発明は、その技術思想の範囲内において当業者が適宜に追加、変形、および省略することができることはいうまでもない。
たとえば、上述した実施の形態では、燃料電池セルの交流インピーダンスを測定することによって、燃料電池セルのグループが凍結しているか否かを判断した。しかしながら、燃料電池セルのグループの凍結を判断する方法は、上記実施の形態に限定されず、たとえば、燃料電池セルの温度に基づいて判断してもよい。この場合、燃料電池セルのグループ毎に温度センサを設け、制御部が、複数の温度センサの中から一の温度センサを選択し、燃料電池セルのグループの温度が凍結温度以下の場合、燃料電池セルのグループが凍結していると判断することができる。
また、上述した実施の形態では、燃料電池スタックを構成する複数の燃料電池セルを複数個単位でグループ化して、燃料電池セルのグループ毎に燃料電池セルが凍結しているか否かを判断した。しかしながら、すべての燃料電池セルにリード線を取り付けて、一の燃料電池セル毎に燃料電池セルが凍結しているか否かを判断してもよい。
また、上述した実施の形態では、すべての燃料電池セルのグループに対して、交流インピーダンスを測定したのち、凍結していると判断された燃料電池セルのグループに通電した。しかしながら、一の燃料電池セルのグループの交流インピーダンスを測定したのち、その燃料電池セルのグループが凍結していると判断されるのであれば、測定を中止して、直ちに燃料電池セルのグループに通電してもよい。この場合、燃料電池スタックの端部の燃料電池セルが凍結している可能性が高いので、燃料電池スタックの端部に位置する燃料電池セルのグループから内側のグループに向かって順次に交流インピーダンスが測定されることが好ましい。
また、上述した実施の形態では、凍結していると判断された燃料電池セルが選択的に通電されて加熱された。しかしながら、燃料電池スタックの両端の燃料電池セルに交流電流を印加して、すべての燃料電池セルを加熱してもよい。あるいは、燃料電池セル間の温度のバラツキを抑制する見地から、先に、凍結量が多い燃料電池セルを選択的に加熱し、それから、すべての燃料電池セルを加熱してもよい。なお、加熱時の熱損失を抑制する見地から、集電板としてのセパレータは、電気伝導率および熱伝導率の高い材料から形成されることが好ましい。
以下、実施例を用いて本発明の実施の形態をより詳細に説明する。しかしながら、本発明は、本実施例によって何ら限定されるものではない。
本実施例では、本発明による燃料電池セルの耐久性向上効果を調べるために、燃料電池セルのセル電圧を所定の変動範囲で繰り返し変化させた後、燃料電池セルの触媒層の有効反応面積(Electro−Chemical Area)を測定した。
(実験1)
実験1では、セル電圧の上限値を一定(0.95V)に維持しつつ、セル電圧の下限値(Lower Potential)を変更して4回の実験を実施し、有効反応面積を測定した。セル電圧の変化を15000サイクル繰り返した後の有効反応面積の減少量(ECA Loss)を表1に示す。
Figure 2010103066
表1に示すとおり、セル電圧の上限値が0.95Vに維持される場合、セル電圧の下限値が高いほど、有効反応面積の減少が抑制される傾向を示すことが分かる。また、セル電圧を、0.8〜0.95Vの範囲内で変動させた場合、有効反応面積の減少が最も抑制されることが分かる。
したがって、燃料電池セルのセル電圧を、0.8〜0.95Vの範囲で変動させることにより、白金の溶出を抑制しつつ、燃料電池セルを加熱できることが確認された。
(実験2)
実験2では、セル電圧の下限値を一定(0.6V)に維持しつつ、セル電圧の上限値(Upper Potential)を変更して4回の実験を実施し、有効反応面積を測定した。セル電圧の変化を15000サイクル繰り返した後の有効反応面積の減少量(ECA Loss)を表2に示す。
Figure 2010103066
表2に示すとおり、セル電圧の下限値が0.6Vに維持される場合、セル電圧の上限値が低いほど、有効反応面積の減少が抑制される傾向を示すことが分かる。また、セル電圧を、0.6〜0.80Vの範囲内で変動させた場合、有効反応面積の減少が最も抑制されることが分かる。
したがって、燃料電池セルのセル電圧を、0.8V以下の範囲で変動させることにより、白金の溶出を抑制しつつ、燃料電池セルを加熱できることが確認された。
本発明の第1の実施の形態における燃料電池システムの概略構成を示す図である。 図1に示す燃料電池システムにおいて、燃料電池スタックを構成している複数の燃料電池セルの中から、凍結している燃料電池セルを特定するための処理を説明するためのフローチャートである。 図1に示す燃料電池システムにおいて、凍結していると判断された燃料電池セルを通電により加熱する処理を説明するためのフローチャートである。 直流電流が取り出される一方で交流電流が印加される燃料電池セルのセル電圧を示す図である。 燃料電池セルを流れる電流とカソード電位との関係を示す図である。 図1に示す燃料電池システムが搭載された燃料電池自動車を説明する図である。 本発明の第2の実施の形態における燃料電池システムの概略構成を示す図である。
符号の説明
10 燃料電池スタック、
11 燃料電池セル、
12 燃料電池セルのグループ、
13 リード線、
20 リード線選択部(選択手段)、
30 交流電流電源(通電手段)、
40 電圧検出部、
50 可変抵抗器(電流取出手段)、
51 コイル(抵抗手段)、
60 燃料タンク(燃料ガス供給手段)、
70 コンプレッサ(酸化剤ガス供給手段)、
80 制御部(判断手段、制御手段)、
100 燃料電池システム、
200 燃料電池自動車。

Claims (10)

  1. 水素および酸素の供給を受けて電力を発生する燃料電池セルが複数積層されてなる燃料電池スタックと、
    前記複数の燃料電池セルの中から、少なくとも一つの燃料電池セルを選択する選択手段と、
    前記選択された燃料電池セルが凍結しているか否かを判断する判断手段と、
    前記燃料電池セルが凍結していると判断される場合、前記燃料電池セルに交流電流を印加することによって、前記燃料電池セルを加熱する通電手段と、を有することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記交流電流が印加されている前記燃料電池セルのセル電圧の変動範囲を調整する電圧調整手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記電圧調整手段は、前記セル電圧を0.8V以下の範囲に調整することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記電圧調整手段は、前記セル電圧を0.8〜0.95Vの範囲に調整することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池セルに水素を含む燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、
    前記燃料電池セルに酸素を含む酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、をさらに有し、
    前記電圧調整手段は、
    前記燃料ガスおよび酸化剤ガスが供給される前記燃料電池セルから直流電流を取り出す電流取出手段と、
    前記電流取出手段を制御して前記直流電流の大きさを変更することにより、前記セル電圧の変動範囲を調整する制御手段と、を有することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  6. 前記電流取出手段に電気的に直列に接続され、前記燃料電池スタックよりも低い直流抵抗を有し、かつ前記燃料電池スタックよりも高い交流抵抗を有する抵抗手段をさらに有することを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. さらに、前記燃料電池セルに供給される前記酸化剤ガスの供給量を制御することにより、前記セル電圧の変動範囲を補助的に調整することを特徴とする請求項5または6に記載の燃料電池システム。
  8. 前記電圧調整手段は、前記燃料電池セル内部のガスの組成を変更することにより、前記セル電圧の変動範囲を調整することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の燃料電池システムを駆動用電源として搭載したことを特徴とする燃料電池自動車。
  10. 燃料電池スタックを構成する複数の燃料電池セルの中から、少なくとも一つの燃料電池セルを選択する段階と、
    前記選択された燃料電池セルが凍結しているか否かを判断する段階と、
    前記燃料電池セルが凍結していると判断される場合、前記燃料電池セルに交流電流を印加することによって、前記燃料電池セルを加熱する段階と、を有することを特徴とする燃料電池の運転方法。
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