JP2010103030A - 燃料電池発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的簡単な構造をなすと共に、加湿後に生じるミストを確実に取り除いて、電解質膜への悪影響を排除できる、燃料電池発電装置を提供する。
【解決手段】固体高分子電解質膜12を有する燃料電池セルスタック10と、水素含有ガス及び/又は酸素含有ガスを加湿処理する加湿器20と、加湿器20を通過した水素含有ガス及び/又は酸素含有ガス中に含まれるミストを除去するミスト除去器30とを備え、ミスト除去器30は、加湿後の水素含有ガス及び/又は酸素含有ガスを壁に衝突させつつ、流速を落とさせて通過させる減速室R1と、この減速室R1の下流側に設けられた、ミスト捕捉材45が充填されたミスト捕捉室R2とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】固体高分子電解質膜12を有する燃料電池セルスタック10と、水素含有ガス及び/又は酸素含有ガスを加湿処理する加湿器20と、加湿器20を通過した水素含有ガス及び/又は酸素含有ガス中に含まれるミストを除去するミスト除去器30とを備え、ミスト除去器30は、加湿後の水素含有ガス及び/又は酸素含有ガスを壁に衝突させつつ、流速を落とさせて通過させる減速室R1と、この減速室R1の下流側に設けられた、ミスト捕捉材45が充填されたミスト捕捉室R2とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池スタックへのミストの混入を防止した燃料電池発電装置に関する。
固体高分子形燃料電池は、電解質膜として固体分子を用いる燃料電池であって、作動温度が低く取り扱い性に優れ、出力密度が高く、電池寿命が長いなどの特徴を有している。固体高分子形燃料電池に用いられる電解質膜は、プロトン導電性のある高分子膜であり、水を含んだ湿潤状態にて高いイオン伝導性を示す。
ところで、固体高分子形燃料電池発電装置では、発電がなされると、燃料極で解離された水素イオンが、電解質膜を通り空気極に移動する時に水も一緒に移動するため、燃料極側の電解質膜が乾燥する傾向である。また、各電極に供給されるガスの含水率が少ないと、各電極のガス入り口付近で電解質膜が乾燥する傾向にある。そして、燃料電池セルスタック内にて一箇所でも乾燥している状態が長く継続すると、その部分のガスリーク量が増加し、電池性能が損なわれる恐れがある。
このため、固体高分子形燃料電池発電装置には、各電極に供給するガスを加湿する加湿器が備え付けられており、加湿器にて各電極に供給されるガスを加湿した後、各電極に供給して電極反応を行っている。
このように、各電極に供給するガスを加湿することにより、電解質膜の乾きを防いで、電池本来の性能を維持することができるが、これらのガスを過剰に加湿すると、電極内部で結露水が発生する恐れがあり、結露水によってガスの流通が阻害されて、電池特性が損なわれる問題があった。
上記のようなガスの過剰の加湿を防止するにあたり、下記特許文献1には、水素ガスを水蒸気の混在状態で生成する改質手段と、生成された水素ガスを水蒸気とともに燃料電池に供給する供給手段と、供給される水素ガスの経路において水蒸気を除去し、燃料電池に供給される水素ガス中の水蒸気混在量を調節する水蒸気混在量調節手段とを備える燃料電池の燃料供給装置が開示されている。また、前記水蒸気混在量調節手段は、バッファータンクと、該バッファータンクの内部温度を制御する温度制御部とを有し、バッファータンク内に流入した高温の水素ガスは、冷却媒体により冷却されることにより、その温度が調整されるようになっている。そして、水素ガス中の水蒸気が多い場合には、冷却媒体の流量が増大して、水素ガス中の水蒸気の多くを凝結させて水滴化し、水素ガス中の水蒸気量を減少させ、一方、水素ガス中の水蒸気が少ない場合には、冷却媒体の流量が減少して、水素ガス中の水蒸気の凝結量を抑えて、水素ガス中の水蒸気量を一定に保つようになっている。なお、上記温度制御部を含む燃料供給装置は、所定のルーチンによって、制御されている。
特開平7−226224号公報
上記従来の燃料電池セルスタックの上流側に加湿器を備えた燃料電池発電装置の場合、加湿器によって加湿されたガスは、その下流側に配置された燃料電池セルスタックに供給される。
ところで、加湿器では、加湿器の内壁に、ガス中の水分が凝結(結露、露結ともいう)して付着していく。加湿器の内壁に付着した水滴には、金属イオン(Fe2+、Ca2+、Cu2+、K2+など)などの加湿器内部の汚染物質を含んでいる。これらの金属イオンは、電解質膜の重合鎖(リンク)を破壊する過酸化水素の生成を促進することが知られている。
このため、加湿器の内壁に水滴が付着したまま、加湿器を作動すると、金属イオンなどを含んだ水滴がミストとなり、加湿器に流入するガスと共に燃料電池セルスタックに流入するので、電解質膜が劣化して電池特性が低下する恐れがあった。
また、上記特許文献1の燃料供給装置の場合、水素ガス中の水蒸気を適宜凝結させて水滴化し、水素ガス中の水蒸気量を所定量に調整しているが、一旦、ミストとなったものを取り除く手段は講じられておらず、燃料電池セルスタックへの影響が懸念される。また、バッファータンク内の温度制御等の一連の運転動作は、複雑なルーチンによって制御されており、装置の製造コストやランニングコスト等に支障を生じる。
したがって、本発明の目的は、比較的簡単な構造でもって、加湿後に生じるミストを確実に取り除いて、電解質膜への悪影響を排除することができる、燃料電池発電装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の燃料電池発電装置は、固体高分子電解質膜の両面に、燃料極及び空気極が配置された電池単セルを複数個積層してなる燃料電池セルスタックと、前記燃料電池セルスタックに供給する水素含有ガス及び/又は酸素含有ガスを加湿処理する加湿器と、前記加湿器を通過した水素含有ガス及び/又は酸素含有ガス中に含まれるミストを除去するミスト除去器とを備え、前記ミスト除去器は、加湿後の水素含有ガス及び/又は酸素含有ガスを壁に衝突させつつ、流速を落とさせて通過させる減速室と、この減速室の下流側に設けられた、ミスト捕捉材が充填されたミスト捕捉室とを有することを特徴とする。
上記発明によれば、加湿後の水素含有ガスや酸素含有ガスを減速室に導入して、流速を低下させることにより、加湿後の上記ガス中に含まれるミストを、ガス流から分離し易くできる。そして、その後にミスト捕捉室に導入することにより、ミスト捕捉材によってミストを効果的に捕捉できるので、燃料電池セルスタックへのミストの混入を防止して、固体高分子電解質膜の劣化を抑制でき、長期にわたって、優れた発電効率が得られる。また、ミスト除去器は、減速室及びミスト捕捉室からなる比較的簡単な構造が採用されると共に、ミストを減速室及びミスト捕捉室を通過させることにより、機械的に除去することができるので、装置の製造コスト及びランニングコストを低減することができる。
本発明の燃料電池発電装置においては、前記ミスト捕捉材が、イオン交換樹脂粒、ガラスフィルタ、ガラスビーズ、ガラスウール、ウールから選ばれる一種以上であることが好ましい。これによれば、ミスト捕捉材により、ミストに含まれる、Fe2+、Ca2+、Cu2+、K2+などの金属イオンを、効率よく捕捉することができるので、金属イオンによる固体高分子電解質膜の損傷を効果的に防止できる。
本発明の燃料電池発電装置においては、前記ミスト除去器は、中央に仕切板が設けられ、この仕切板の両側に側板が設けられ、仕切板と側板との間には、いずれか一方の板に形成された溝によって、加湿後の水素含有ガス及び/又は酸素含有ガスを通過させる曲折した通路が形成されており、加湿後の水素含有ガス及び/又は酸素含有ガスは、前記仕切板と一方の側板との間に形成された第1通路を通過した後、前記仕切板と他方の側板との間に形成された第2通路を通過して、前記燃料電池セルスタックに導入されるように構成されており、前記第1通路が前記減速室をなし、前記第2通路が前記ミスト捕捉室をなしていることが好ましい。これによれば、前記ミスト除去器が、燃料電池セルスタックと同様な層構成からなるので、燃料電池セルスタックに連設し易い。また、減速室及びミスト捕捉室を曲折した長い通路で構成できるので、加湿後の水素含有ガスや酸素含有ガスの流速を減速して、ミスト捕捉材にミストを効果的に捕捉させることができる。
本発明の燃料電池発電装置においては、前記ミスト除去器に加熱ヒータが配置され、該加熱ヒータによって、前記加湿器内の温度よりもミスト除去器内の温度が2〜5℃高くなるように制御されていることが好ましい。これによれば、ミスト除去器に導入されたミストが加熱されて気化するので、ミストのまま燃料電池セルスタックに導入されることをより効果的に防止できる。
本発明の燃料電池発電装置においては、前記加湿器に加湿水引抜き手段が配置され、燃料電池発電装置の停止時に、前記加湿水引抜き手段により、前記加湿器から加湿水を除去するように構成されていることが好ましい。これによれば、燃料電池発電装置の停止時に、加湿水引抜き手段により、加湿器から加湿水を除去することにより、運転開始時に加湿水の凝縮水が燃料電池セルスタックに導入されるのを防止でき、凝縮水によるガス流路の閉塞を防止できる。
本発明の燃料電池発電装置においては、前記ミスト除去器が、前記燃料電池セルスタックの水素含有ガス及び/又は酸素含有ガスの導入側に連設されていることが好ましい。これによれば、燃料電池セルスタックとミスト除去器とを一体化することで、電池発電装置をよりコンパクトにできる。
本発明の燃料電池発電装置においては、前記加湿器が、水透過膜を介して対向させた被加湿ガス室及び加湿水室を有し、前記被加湿ガス室に水素含有ガス又は酸素含有ガスを導入させ、前記加湿水室に加湿水を導入して、水素含有ガス及び/又は酸素含有ガスを加湿するよう構成されていることが好ましい。これによれば、燃料電池セルスタックと、ミスト除去器と、加湿器とを一体化し易くなり、燃料電池発電装置をよりコンパクト化できる。
本発明の燃料電池発電装置によれば、加湿後の水素含有ガス及び/又は酸素含有ガスを減速室に導入して、流速を低下させることにより、ミストをガス流から分離しやすくし、その後にミスト捕捉室に導入することにより、ミスト捕捉材によってミストを効果的に捕捉できるので、燃料電池セルスタックへのミストの混入を防止して、固体高分子電解質膜の劣化を抑制でき、長期にわたって、優れた発電効率が得られる。
以下、図1〜5を参照して、本発明の燃料電池発電装置の一実施形態について説明する。図1には、本発明の燃料電池発電装置1(以下、「発電装置1」という)の分解斜視図が示されており、図2には、同発電装置1の概略構成図が示されている。図1,2に示すように、この発電装置1は、反応ガスの流動経路に沿って配設された複数の装置からなり、下流側に配設された燃料電池セルスタック10(以下、「セルスタック10」という)と、その上流側に配設され、前記セルスタック10に加湿したガスを供給するための加湿器20と、前記セルスタック10及び前記加湿器20の間に配置されて、加湿器20から排出された反応ガス(水素含有ガスや酸素含有ガス等)中に含まれるミストを除去するためのミスト除去器30とを備えた構造をなしている。
なお、本発明において、ミストとは、Fe2+、Ca2+、Cu2+、K2+などの金属イオンを含む水蒸気を意味する。
まず、図3を併せて参照して、セルスタック10について説明する。このセルスタック10は、図3に示す構造をなす電池単セル11が複数個積層されて構成されている。図3に示すように、各電池単セル11は、例えば、パーフルオロスルホン酸ポリマーなどからなる固体高分子電解質膜12と、この両面に配設された燃料極13及び空気極14とを有し、これらが多孔質のガス拡散層15,15を介して一対のセパレータ16,16によって挟持された構造をなしている。各セパレータ16,16の対向する内面には、所定深さの溝からなるガス流路16aが形成され、燃料極13側に水素含有ガスが供給される共に、空気極14側に酸素含有ガスが供給されるようになっている。
図1に示すように、セルスタック10の所定箇所(この実施形態では、ミスト除去器30側の壁面の幅方向一側部の上方位置)には、ミスト除去器30から吐出される水素含有ガスや酸素含有ガス等の反応ガスを、セルスタック10内に導入するためのミスト除去ガス導入口17が設けられている。そして、図2に示すように、このミスト除去ガス導入口17を介して、セルスタック10の各電池単セル11に反応ガスが供給されてガス流路16aに沿って流動し(この実施形態では、上方から下方に向かって流動する)、電池単セル11の発電がなされるようになっている。なお、セルスタック10の所定箇所には、図示しないガス排出口が設けられており、電池単セル11による発電後に不要となった排ガスが外部へ排出されるようになっている。
次に、上記セルスタック10の上流側に配設され、セルスタック10に供給する反応ガス(水素含有ガス、酸素含有ガス)を加湿処理する加湿器20について説明する。この加湿器は、図4に示す構造の加湿単セル21が複数個積層されて構成されている。図4に示すように、各加湿単セル21は、例えば、パーフルオロスルホン酸ポリマーなどからなる水透過膜22と、該水透過膜22の両面に配設された多孔質カーボンからなる支持部材23,23とを有し、これらが一対のセパレータ24,24’により挟持されて構成されている。各セパレータ24,24’の対向する内面には、所定深さの溝からなる流路24a,24’aがそれぞれ形成されている。また、水透過膜22と、その両側に配置された一対のセパレータ24,24’とによって、水透過膜22を介して対向した位置に被加湿ガス室25及び加湿水室26が画成され、被加湿ガス室25側に水素含有ガス又は酸素含有ガスが供給され、加湿水室26側に加湿用の水が供給されるようになっている。そして、加湿器20の所定箇所に設けられた図示しない加湿水導入口から加湿水室26に導入された加湿水は、水透過膜22を通過して被加湿ガス室25側に移行し、同じく図示しない被加湿ガス導入口から被加湿ガス室25に導入された反応ガスを加湿する。
また、図1に示すように、加湿器20の所定箇所(この実施形態では、ミスト除去器30側の壁面の幅方向一側部の上方位置)には、加湿ガス排出口27が設けられており、上記のように加湿された反応ガスを後述するミスト除去器30へ供給するようになっている。
なお、図1では、加湿器20は1体しか配置していないが、水素含有ガス及び酸素含有ガスの両方を加湿する場合には、特に図示しないが、水素含有ガス用加湿器と酸素含有ガス用加湿器とをセルスタック10の上流側にそれぞれ配設する。
そして、この発明においては、セルスタック10及び加湿器20の間、すなわち、セルスタック10の上流側であって、かつ、加湿器20の下流側に、加湿器20を通過した反応ガス中に含まれるミストを除去する、ミスト除去器30が配置されおり、これによりセルスタック10にミストが除去された反応ガスを供給できるように構成されている。
このミスト除去器30は、加湿後の反応ガスを壁に衝突させつつ、流速を落とさせて通過させる減速室R1と、この減速室R1の下流側に設けられ、ミスト捕捉材45が充填されたミスト捕捉室R2とを有している。図1及び図5を併せて参照すると、この実施形態におけるミスト除去器30は、カーボン材よりなる複数の板状部材が積層されて構成されており、具体的には、上下方向にやや長く伸びる縦長の仕切板31と、この仕切板31の両側に対向して配設された、前記仕切板31と同じく上下方向にやや長く伸びる縦長の一対の側板35,35’とを有し、中央の仕切板31を一対の側板35,35’によって挟持された構造をなしている。仕切板31と、一対の側板35,35’との間には、図示しないゴム等により形成されたシール部材を配設して、減速室R1及びミスト捕捉室R2の密閉性を高めるようにしてもよい。
なお、図1では、ミスト除去器30は1体しか配置していないが、加湿された水素含有ガス及び酸素含有ガスの両方から、ミストを除去する場合には、セルスタック10と水素含有ガス用加湿器との間に水素含有ガス用ミスト除去器を配設し、セルスタック10と酸素含有ガス用加湿器との間に酸素含有ガス用ミスト除去器を配設する。
上記構造をなすミスト除去器30は、セルスタック10の水素含有ガス又は酸素含有ガスの導入側に連設されている。具体的には、ミスト除去器30の下流側の側板35’が、前記セルスタック10のミスト除去ガス導入口17が形成された壁面に、接着剤やボルト等の締め付け固定手段によって固着されていて、セルスタック10とミスト除去器30が一体化されており、発電装置1のコンパクト化が図られている。
前記仕切板31は、内部に空間を設けた枠状をなし、前記空間内には加熱ヒータ32が収容配置されており、仕切板31の両側に設けられた減速室R1及びミスト捕捉室R2の内部を加熱できるようになっている。なお、このときの加熱ヒータ32による減速室R1及びミスト捕捉室R2の各温度は、前記加湿器20内の温度よりも2〜5℃高くなるように制御されていることが好ましい。また、仕切板31の下方であって、後述する第1,第2通路37,39の下方側の横溝37b,39bに整合する位置に、横長の連通孔33が貫通して形成されており、減速室R1及びミスト捕捉室R2にそれぞれ連通している。
そして、仕切板31と側板35との間、及び、仕切板31と側板35’との間には、それぞれ溝が形成されていて、これらの溝が減速室R1及びミスト捕捉室R2をなしている。この実施形態では、仕切板31を挟んで対向して配置された、側板35,35’の内面側(仕切板31側)に、所定深さの溝がそれぞれ形成されている。
上記溝について具体的に説明すると、仕切板31よりも上流側に配置される一方の側板35には、その内面側に、側板35よりも一回り小さい形状とされた凹溝36が所定深さで形成されている。この凹溝36の底面からは、凹溝36の上下長さよりも短かい長さとされた帯状の隔壁36aが複数立設しており、その高さは前記側板35の端面と同一高さとなっている(図5参照)。
このように凹溝36とその内部に立設した複数の隔壁36aとによって、凹溝36の上下方向に沿った複数の縦溝37aが形成されると共に、凹溝36の上下方向両端に、前記複数の縦溝37aに直交して横方向に伸びる一対の横溝37b,37bが形成され、これらの溝37a,37bにより曲折された第1通路37が画成される。また、凹溝36の幅方向一側部の上方位置には、縦長の加湿ガス導入口38が貫通して設けられており、ここから前記加湿器20により加湿された反応ガスが第1通路37内に導入され、同反応ガスを凹溝36の内壁及び隔壁36aに衝突させつつ流速を落として通過させるようになっている(図1及び図5の矢印参照)。すなわち、この実施形態においては、第1通路37が減速室R1をなしている。
なお、第1通路37は、導入されるガスの流速を低減させることができれば、どのような形状でもよく、例えば、凹溝36内に横長の隔壁36aを上下に複数配設して複数の横溝を有する通路としたり、或いは、一つの隔壁36aを、幅方向一側部から他側部へ伸ばすと共にこれを再び一側部へ折り返し、このような形状を連続して設けて、略ジグザグ状に屈曲した通路としたりしてもよい。また、上記第1通路37の表面積は、前記加湿器20に形成された流路24aの表面積よりも、2〜4倍となるように形成されることが好ましく、このように第1通路37の表面積を大きくすることにより、反応ガスの衝突量を増大させることができ、減速効果の向上を図ることができる。
前記仕切板31よりも、下流側に配置される側板35’は、側板35と基本的には同一の構造をなしている。すなわち、側板35’の内面には、所定深さの凹溝36’が形成され、複数の隔壁36’aにより、縦溝39a及び横溝39bからなる第2通路39が形成されており、更に、凹溝36’の幅方向一側部の上方位置には、縦長の加湿ガス排出口40が形成されている。この実施形態においては、前記第2通路39がミスト捕捉室R2をなしており、更にこのミスト捕捉室R2は、ミストを捕捉するための、ミスト捕捉材45が充填されている。具体的には、凹溝36’内の空隙部分である縦溝39a及び横溝39bを埋めるようにして、ミスト捕捉材45が充填されている。
ところで、ミストは、Fe2+、Ca2+、Cu2+、K2+などの金属イオンを含む不純物を核として生成されるものと考えられている。したがって、ミスト捕捉材45としては、上記金属イオンを捕捉可能な帯電性のある材料が好ましく、具体的には、イオン交換樹脂粒、ガラスフィルタ、ガラスビーズ、ガラスウール、ウールから選ばれる一種以上が好ましく採用される。これらをミスト捕捉材として用いることで、ミストに含まれる、Fe2+、Ca2+、Cu2+、K2+などの金属イオンを、効率よく捕捉することができるので、固体高分子電解質膜12の損傷を効果的に防止できる。
そして、図1及び図5に示すように、前記減速室R1により十分に減速された反応ガスが、仕切板31の連通孔33を通ってミスト捕捉室R2に導入され、反応ガスが第2通路39を通過する際に、ミスト捕捉材45によりミストが捕捉されて、加湿ガス排出口40からセルスタック10にミストが除去された反応ガスが供給されるようになっている。
次に、上記構成からなる発電装置1の動作について、図1〜5を参照して説明する。
まず、改質装置などから水素含有ガスが、水素含有ガス用加湿器の被加湿ガス導入口から、被加湿ガス室25に導入される。同様にブロワー等によって空気などの酸素含有ガスが、酸素含有ガス用加湿器の被加湿ガス導入口から、被加湿ガス室25に導入される。それと共に、加湿水導入口から、加湿水が各加湿器の加湿水室26内に導入される。その結果、図4に示すように、それぞれの加湿器において、加湿水が水透過膜22を通って、被加湿ガス室25に移動して、被加湿ガス室25を流動する反応ガス(水素含有ガス、酸素含有ガス)が加湿される。そして、加湿された反応ガスは、水素含有ガス用ミスト除去器、及び、酸素含有ガス用ミスト除去器にそれぞれ供給される。
図1及び図5に示すように、各ミスト除去器30に供給された反応ガスは、加湿ガス導入口38を通って減速室R1内に導入されて、そこで凹溝36の内壁や隔壁36aに衝突しつつ、第1通路37を流動することにより、その流速が減速される。この実施形態では、加湿ガス導入口38から導入された反応ガスは、上方の横溝37bを通り、複数の縦溝37aに枝分かれして上下方向に沿って流れて、下方の横溝37bへと送り込まれるようになっている。
上記のように減速された反応ガスは、更に仕切板31の連通孔33を通って、ミスト捕捉室R2内に導入されて第2通路39を流れていき、この第2通路39に充填されたミスト捕捉材45によって、反応ガス中のミストが捕捉されることによって、反応ガスからミストが除去される。
各ミスト除去器30によりミストが除去された反応ガスは、加湿ガス排出口40から排出される。そして、ミスト除去ガス導入口17を通って、セルスタック10に供給され、発電がなされる。
以上説明したように、この発電装置1においては、加湿後の水素含有ガス及び/又は酸素含有ガスを減速室R1に導入して、流速を低下させることにより、ミストをガス流から分離しやすくし、その後にミスト捕捉室R2に導入することにより、ミスト捕捉材45によってミストを効果的に捕捉できる。このため、セルスタック10へのミストの混入を防止して、固体高分子電解質膜12の劣化を抑制でき、長期にわたって、優れた発電効率が得られる。また、ミスト除去器30は、減速室R1及びミスト捕捉室R2からなる比較的簡単な構造が採用されると共に、ミストを減速室R1及びミスト捕捉室R2により機械的に除去することができるので、装置の製造コスト及びランニングコストを低減することができる。
また、この実施形態においては、加湿器20及びミスト除去器30を、セルスタック10と同様に、複数の複数の板状体を積層してなる積層体構造を採用したので、加湿器20及びミスト除去器30を、セルスタック10に連設させやすくすることができ、発電装置1のコンパクト化を図ることができる。
また、この実施形態のミスト除去器30は、減速室R1及びミスト捕捉室R2をなす各通路が、各板体に設けた溝よりなるので、各板体の厚さを低減することにより、ミスト除去器30を肉薄に形成しやすくすることができ、発電装置1のコンパクト化をより図ることができる。また、凹溝36に複数の隔壁36aを設けて、これを第1通路37、第2通路39とすることにより、減速室R1及びミスト捕捉室R2を曲折した長い通路で構成できるので、加湿後の水素含有ガスや酸素含有ガスの流速を効果的に低下させ、ミスト捕捉材にミストを効果的に捕捉させることができる。更に、仕切板31に設けた加熱ヒータ32によって、減速室R1及びミスト捕捉室R2が加熱されて、同減速室R1及びミスト捕捉室R2の各温度が、前記加湿器20内の温度よりも2〜5℃高くなるように制御されているので、ミスト除去器30に導入されたミストが確実に加熱気化されて、ミスト捕捉材45にミストを効果的に捕捉でき、セルスタック10へのミストの混入をより効果的に防止できる。
なお、この実施形態では、加湿器20として、水透過膜22を介して被加湿ガス室25及び加湿水室26とが対向してなる構成をなす水透過膜方式の加湿器を用いたが、これらに限定されず、バブリング方式の加湿器や、スチーム供給方式の加湿器も好ましく採用できる。
図6には、本発明の燃料電池発電装置の他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付して、その説明を省略する。
この実施形態の発電装置1aは、前記実施形態に比べてミスト除去器30の構造が異なっている。すなわち、前記実施形態の発電装置1は、側板35,35’の内面側に、各通路37,39が形成されていたのに対し、この実施形態の発電装置1aにおいては、仕切板31を挟んで対向して配置された、側板35,35’の外面側(セルスタック10、加湿器20に面する側)に、所定深さの溝をそれぞれ設けて第1通路37、第2通路39を形成し、これらの各通路37,39が減速室R1及びミスト捕捉室R2をなしている。
この実施形態においても、前記実施形態と同様に、加湿された反応ガスを減速室R1にて減速状態とすると共に、ミスト捕捉室R2にミストを除去して、セルスタック10へ供給できるようになっている。
図7には、本発明の燃料電池発電装置の更に他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付して、その説明を省略する。
この実施形態の発電装置1bは、加湿器20に加湿水引抜き手段が設けられている点が、図1〜6に示す実施形態と異なっている。より具体的に説明すると加湿水引抜き手段は、加湿器20を構成する加湿単セル21の加湿水室26に、外部から加湿水を供給するための加湿水供給ラインLと、該ラインLの途中に配置されて、流路を切り替え可能な水抜弁50と、該水抜弁50に配管を介して接続された図示しない水分回収タンクとから構成されている。更に、前記水抜弁50は、発電装置1bが動作中は、加湿水供給ラインLを開くと共に水分回収タンク側の配管を閉じ、一方、発電装置1bが停止した時には、加湿水供給ラインLを閉じると共に水分回収タンク側の配管を開くように制御されるようになっている。
この実施形態によれば、発電装置1bの停止時に、前記水抜弁50のタンク側の配管を開いて、加湿単セル21の加湿水室26から加湿水を除去することにより、運転開始時に加湿水の凝縮水がセルスタック10に導入されるのをより効果的に防止でき、凝縮水によるガス流路の閉塞を防止できる。
1,1a,1b:燃料電池発電装置(発電装置)
10:燃料電池セルスタック(セルスタック)
11:電池単セル
12:固体高分子電解質膜
13:燃料極
14:空気極
15:ガス拡散層
16:セパレータ
16a:ガス流路
17:ミスト除去ガス導入口
20:加湿器
21:加湿単セル
22:水透過膜
23:支持部材
24,24’:セパレータ
24a,24’a:流路
25:被加湿ガス室
26:加湿水室
27:加湿ガス排出口
30:ミスト除去器
31:仕切板
32:加熱ヒータ
33:連通孔
35,35’:側板
36:凹溝
36a:隔壁
37:第1通路
37a:縦溝
37b:横溝
38:加湿ガス導入口
39:第1通路
39a:縦溝
39b:横溝
40:加湿ガス排出口
45:ミスト捕捉材
50:水抜弁
L:加湿水供給ライン
R1:減速室
R2:ミスト捕捉室
10:燃料電池セルスタック(セルスタック)
11:電池単セル
12:固体高分子電解質膜
13:燃料極
14:空気極
15:ガス拡散層
16:セパレータ
16a:ガス流路
17:ミスト除去ガス導入口
20:加湿器
21:加湿単セル
22:水透過膜
23:支持部材
24,24’:セパレータ
24a,24’a:流路
25:被加湿ガス室
26:加湿水室
27:加湿ガス排出口
30:ミスト除去器
31:仕切板
32:加熱ヒータ
33:連通孔
35,35’:側板
36:凹溝
36a:隔壁
37:第1通路
37a:縦溝
37b:横溝
38:加湿ガス導入口
39:第1通路
39a:縦溝
39b:横溝
40:加湿ガス排出口
45:ミスト捕捉材
50:水抜弁
L:加湿水供給ライン
R1:減速室
R2:ミスト捕捉室
Claims (7)
- 固体高分子電解質膜の両面に、燃料極及び空気極が配置された電池単セルを複数個積層してなる燃料電池セルスタックと、
前記燃料電池セルスタックに供給する水素含有ガス及び/又は酸素含有ガスを加湿処理する加湿器と、
前記加湿器を通過した水素含有ガス及び/又は酸素含有ガス中に含まれるミストを除去するミスト除去器とを備え、
前記ミスト除去器は、加湿後の水素含有ガス及び/又は酸素含有ガスを壁に衝突させつつ、流速を落とさせて通過させる減速室と、この減速室の下流側に設けられた、ミスト捕捉材が充填されたミスト捕捉室とを有することを特徴とする燃料電池発電装置。 - 前記ミスト捕捉材が、イオン交換樹脂粒、ガラスフィルタ、ガラスビーズ、ガラスウール、ウールから選ばれる一種以上である、請求項1に記載の燃料電池発電装置。
- 前記ミスト除去器は、中央に仕切板が設けられ、この仕切板の両側に側板が設けられ、仕切板と側板との間には、いずれか一方の板に形成された溝によって、加湿後の水素含有ガス及び/又は酸素含有ガスを通過させる曲折した通路が形成されており、加湿後の水素含有ガス及び/又は酸素含有ガスは、前記仕切板と一方の側板との間に形成された第1通路を通過した後、前記仕切板と他方の側板との間に形成された第2通路を通過して、前記燃料電池セルスタックに導入されるように構成されており、前記第1通路が前記減速室をなし、前記第2通路が前記ミスト捕捉室をなしている請求項1又は2に記載の燃料電池発電装置。
- 前記ミスト除去器に加熱ヒータが配置され、該加熱ヒータによって、前記加湿器内の温度よりもミスト除去器内の温度が2〜5℃高くなるように制御されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料電池発電装置。
- 前記加湿器に加湿水引抜き手段が配置され、燃料電池発電装置の停止時に、前記加湿水引抜き手段により、前記加湿器から加湿水を除去するように構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料電池発電装置。
- 前記ミスト除去器が、前記燃料電池セルスタックの水素含有ガス及び/又は酸素含有ガスの導入側に連設されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料電池発電装置。
- 前記加湿器が、水透過膜を介して対向させた被加湿ガス室及び加湿水室を有し、前記被加湿ガス室に水素含有ガス又は酸素含有ガスを導入させ、前記加湿水室に加湿水を導入して、水素含有ガス及び/又は酸素含有ガスを加湿するよう構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池発電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008275291A JP2010103030A (ja) | 2008-10-27 | 2008-10-27 | 燃料電池発電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008275291A JP2010103030A (ja) | 2008-10-27 | 2008-10-27 | 燃料電池発電装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010103030A true JP2010103030A (ja) | 2010-05-06 |
Family
ID=42293500
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008275291A Pending JP2010103030A (ja) | 2008-10-27 | 2008-10-27 | 燃料電池発電装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010103030A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016523436A (ja) * | 2013-06-27 | 2016-08-08 | デーナ、カナダ、コーパレイシャン | 燃料電池システムのための統合されたガス管理デバイス |
-
2008
- 2008-10-27 JP JP2008275291A patent/JP2010103030A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016523436A (ja) * | 2013-06-27 | 2016-08-08 | デーナ、カナダ、コーパレイシャン | 燃料電池システムのための統合されたガス管理デバイス |
US11031611B2 (en) | 2013-06-27 | 2021-06-08 | Dana Canada Corporation | Integrated gas management device for a fuel cell system |
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