JP2010102887A - 燃料電池 - Google Patents

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JP2010102887A JP2008271966A JP2008271966A JP2010102887A JP 2010102887 A JP2010102887 A JP 2010102887A JP 2008271966 A JP2008271966 A JP 2008271966A JP 2008271966 A JP2008271966 A JP 2008271966A JP 2010102887 A JP2010102887 A JP 2010102887A
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Abstract

【課題】膜電極接合体における電解質膜の湿潤確保の実効性を生成水に依存することなく高める。
【解決手段】燃料電池10は、積層したそれぞれの電池セル12において、セル内のアノードガス拡散流路形成材30の下端側に貯水部62を備える。アノードガス拡散流路形成材30には、加湿済みの水素ガスが流入ポート57を経て供給されるので、燃料電池の運転温度によって、アノードガス拡散流路形成材30において水蒸気が飽和して水滴が生じ、この水滴は、アノードガス拡散流路形成材30を下方側に流れ落ちて、貯水部62に貯留される。この貯留水は、水蒸気濃度勾配に応じて膜電極接合体20をカソードの側に通過して、空気の加湿と、加湿した空気による電解質膜湿潤に資される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解質膜の両面に触媒電極を接合した膜電極接合体の触媒電極に燃料ガスと酸素含有ガスを供給して発電する燃料電池に関する。
燃料ガスと酸化含有ガスとの電気化学反応によって発電する燃料電池には、プロトン伝導性を有する電解質膜の両面に触媒電極を接合した膜電極接合体が用いられている。こうした膜電極接合体における電解質膜は、湿潤状態にあってプロトン導電性を呈することから、燃料ガスを加湿して供給することが湿潤確保の上から簡便である。電気化学反応の進行に伴いカソード側では水が生成されるので、この生成水を湿潤確保のために利用することが提案されている(例えば、特許文献1等)。
特開平5−283094号公報 特開2005−78998号公報 特開2002−42844号公報
これら特許公報で提案された手法によれば、生成水が存在していることを前提としている都合上、次のような問題点が指摘されるに到った。カソードへは、通常、酸素含有ガスとしては空気が供給され、カソードで水が生成されていれば、この生成水により空気は加湿される。よって、空気の供給に際しては、特に加湿は必要はない。こうした空気供給の状況下で、例えば、生成水の蒸発を引き起こすような高温での燃料電池の運転が強いられると、加湿されないままの空気がセル内のガス拡散流路を流れるので、電解質膜の不用意な乾燥や、生成水による電解質膜の湿潤確保の実効性の低下が危惧される。
本発明は、上記した課題を踏まえ、膜電極接合体における電解質膜の湿潤確保の実効性を生成水に依存することなく高めることを目的とする。
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明では、以下の構成を採用した。
[適用:燃料電池]
燃料電池であって、
電解質膜と膜両面に接合した触媒電極とを含む膜電極接合体と、該膜電極接合体の両側に位置して燃料ガスおよび酸素含有ガスの各々を前記触媒電極に拡散供給するアノードガス拡散流路部およびカソードガス拡散流路部とを水平方向に接合した電池セルと、
前記アノードガス拡散流路部材の下端側に組み込まれて前記アノードガス拡散流路部材で生じる水を貯留し、該貯留した水を前記膜電極接合体の下端側に接触させるアノード側貯水部と、
前記電池セルにおける前記アノードガス拡散流路部への前記燃料ガスの流入を前記アノードガス拡散流路部材に上端側から実行すると共に、前記電池セルにおけるアノード側の余剰ガスの排出を前記アノード側貯水部の上部において実行する燃料ガス供給系と、
前記電池セルにおける前記カソードガス拡散流路部への前記酸素含有ガスの流入を前記アノード側貯水部と前記膜電極接合体を挟んで向き合う前記カソードガス拡散流路部材の下端側から実行すると共に、前記電池セルにおけるカソード側の余剰ガスの排出を前記カソードガス拡散流路部材の上端側から実行する酸素含有ガス供給系とを備える
ことを要旨とする。
上記構成の燃料電池では、電池セルにおいて、セル内のアノード側貯水部に水を貯留する。このアノード側貯水部はアノードガス拡散流路部材の下端側に組み込まれていることから、アノードガス拡散流路部材を下方側に流れ落ちる水がこのアノード側貯水部に貯水される。アノードでは、カソード側における酸素含有ガスとしての空気の供給と異なり、通常、加湿状態で燃料ガスが供給される。よって、燃料電池の運転時における温度に応じて飽和した水がアノード側で余分となる事態が起きることから、アノード側貯水部に水が流れ落ちることも常態化し、アノード側貯水部では貯水状態が維持される。しかも、アノードにおける燃料ガス供給は、アノードガス拡散流路部材の上端側からの燃料ガス流入と、アノード側貯水部の上部においての余剰ガスの排出でなされ、このガスの流れとアノード側貯水部への水の流れとは方向が一致する。このため、飽和した水は、より確実にアノード側貯水部に貯め置かれる。また、燃料電池が高温度での運転状態にある場合でも、それ以前の運転状態において飽和した水がアノード側貯水部にて貯め置かれる。こうしてアノード側貯水部に貯め置かれた水は、膜電極接合体の下端側に接触することから、燃料電池が高温度での運転状態に推移した後において、次のようにして電解質膜の湿潤に資される。
膜電極接合体、詳しくは電解質膜は、アノードからカソードへのプロトン移動には水を随伴すると言う性質を有すること、および、電解質膜を挟んで水蒸気濃度に勾配があると、その濃度勾配に伴って水を通過させるという性質を有する。アノード側貯水部が組み込まれた膜電極接合体の下端側に着目すると、この膜電極接合体を挟んでアノードの側ではアノード側貯水部に貯留された水が膜電極接合体に接し、カソードの側では、アノード側貯水部と膜電極接合体を挟んで向き合うカソードガス拡散流路部材の下端側から酸素含有ガスを流入することになる。よって、アノード側貯水部が組み込まれた膜電極接合体の下端側では、上記した性質の内の水蒸気濃度勾配に伴う水の通過の性質により、アノード側貯水部で貯め置かれた水が膜電極接合体を通過してカソード側に到達する。そして、このカソード側に到達した水は、アノード側貯水部と膜電極接合体を挟んで向き合うカソードガス拡散流路部材の下端側から流入した酸素含有ガスに接触して当該ガスを加湿する機能を果たした後、酸素含有ガスに含有されてカソードガス拡散流路部を拡散しつつカソードガス拡散流路部材の上端側に流れる。アノード側貯水部への貯水とカソードの側への水の通過は、カソードの側での水の生成とは無関係であることから、カソード側に到達した水による酸素含有ガス加湿と、この加湿後の酸素含有ガスの拡散供給とにより、上記構成の燃料電池によれば、膜電極接合体における電解質膜の湿潤確保の実効性を生成水に依存しないで高めることができる。
上記した燃料電池は、次のような態様とすることができる。例えば、前記アノード側貯水部を前記アノードガス拡散流路部材の幅方向に分割して形成することができる。分割形成されたアノード側貯水部であれば、燃料電池が傾斜した場合であっても、個々の分割形成アノード側貯水部ではほぼ同じ量の水を貯留できるので、アノードガス拡散流路部材の幅方向、即ち膜電極接合体の幅方向においてほぼ均等にカソードの側に水を通過させることができる。よって、膜電極接合体における電解質膜をその全面に亘って高い実効性で湿潤化できる。換言すれば、上記態様の燃料電池は、傾斜することが多々ある車両等への搭載性が高まる。
また、前記燃料ガス供給系を、前記電池セルにおける前記燃料ガスの流入と前記余剰ガスの排出とを、前記アノードガス拡散流路部材の幅方向に亘るガス流路を経て行うようにできる。こうすれば、アノード側貯水部への水の落下は、アノードガス拡散流路部材の幅方向でほぼ均等となる。このため、アノード側貯水部をアノードガス拡散流路部材の幅方向に分割形成した場合においては、それぞれの分割形成アノード側貯水部における貯水量も均一化するので、既述したカソード側での酸素含有ガスの加湿とこの加湿した酸素含有ガスの拡散供給とによる電解質膜の湿潤確保の実効性がより高まる。
こうした電池セルをセパレータを介在させて水平方向に複数積層して備えるようにすることもできる。こうすれば、いわゆるスタック構造を備える燃料電池のそれぞれの電池セルにおいて上記した電解質膜の湿潤確保がなされるので、燃料電池全体としての性能向上に有益となる。
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。図1は本発明の実施例としての燃料電池10の概略構成を電池セル積層方向に沿って模式的に示す説明図、図2は燃料電池10が有する電池セル12におけるアノードガス拡散流路形成材30の概略構成を図1における2−2線に沿って破断して模式的に示す説明図である。
図示するように、燃料電池10は、電池セル12を水平方向に積層させたスタック構造を備え、水素ガス供給系80と、空気供給系70と、図示しない冷却系とを備える。電池セル12は、水素ガスと酸素含有ガス(空気)の供給を水素ガス供給系80と空気供給系70とから受け、水素と酸素との電気化学反応によって発電する。この電池セル12は、プロトン伝導性を有する電解質膜の両面にアノード側の触媒電極とカソード側の触媒電極を接合して備える膜電極接合体20と、その両側のアノードガス拡散流路形成材30とカソードガス拡散流路形成材40とを水平方向に積層して備え、セル両側のセパレータ50にて挟持され、スタック構造の燃料電池10を形成する。なお、上記したガス供給径からのそれぞれのガスは、積層されたそれぞれの電池セル12が形成する後述のセル内流路を経て、個々の電池セル12のアノード、カソードに供給される。
膜電極接合体20は、図1に模式的に示すように、プロトン伝導性を有する電解質膜21の一方の膜面にアノード触媒電極22を接合し、他方の膜面にカソード触媒電極23を接合して備え、両触媒電極層にアノード側ガス拡散層24とカソード側ガス拡散層25を接合して構成されている。本実施例では、電解質膜21として、プロトン伝導性を有する固体高分子型の電解質膜(例えば、フッ素系樹脂のパーフルオロスルホン酸ポリマー)を用いるものとした。電解質膜21として、他の電解質膜を用いるものとしてもよい。
アノード触媒電極22とカソード触媒電極23は、それぞれ、触媒とカーボンとアイオノマとを含んでいる。そして、これらは、触媒としての白金(Pt)を担持したカーボンと、アイオノマとしての電解質溶液であるパーフルオロスルホン酸ポリマー溶液と、アルコールと、水とを調合してなる触媒インクを塗布することによってそれぞれ形成され、ホットプレス等の手法により電解質膜21に接合される。アノード側ガス拡散層24とカソード側ガス拡散層25は、カーボンクロスやカーボンペーパ等を用いて形成され、それぞれの拡散層に供給されたガスを、接合対処たるアノード触媒電極22とカソード触媒電極23、延いては電解質膜21の膜面にガスを拡散供給する。本実施例では、膜電極接合体20をアノード側ガス拡散層24とカソード側ガス拡散層25とを有するものとしたが、電解質膜21の両面にアノード触媒電極22とカソード触媒電極23とを接合した構成とすることもできる。
アノードガス拡散流路形成材30とカソードガス拡散流路形成材40は、後述のセル内ガス流路から流れ込んだガスを、膜電極接合体20に対して、詳しくは当該接合体最外層のアノード側ガス拡散層24とカソード側ガス拡散層25に拡散供給する。これにより、膜電極接合体20の電解質膜21の両膜面には、水素ガスと酸素含有ガス(空気)とが拡散供給される。こうした拡散流路形成剤としては、種々のものを採用でき、エキスパンドメタルや多孔質体等を用いることができる。
セパレータ50は、ステンレス鋼板を3枚重ねたいわゆる積層セパレータであり、中央プレート51とアノード側・カソード側のサイドプレート52、53とを備える。中央プレート51は、図示しない冷却系からの冷媒流路59をサイドプレート間に形成し、当該流路を流れる冷媒により電池セル12を冷却する。カソード側のサイドプレート52は、空気供給系70からの空気の流入ポート54と余剰空気の排出ポート56とを備え、流入ポート54をセル下端側に排出ポート56をセル上端側に位置させる。よって、空気は、図1に矢印で示すように、セル下端側からカソードガス拡散流路形成材40に入り込み、電池反応で消費されなかった余剰の空気がカソードガス拡散流路形成材40の上端側から排出される。アノード側のサイドプレート53は、水素ガス供給系80からの水素ガスの流入ポート57と余剰の水素ガスの排出ポート58とを備え、流入ポート57をセル上端側に排出ポート58をセル下端側に位置させる。よって、水素ガスは、図1に矢印で示すように、セル上端側からアノードガス拡散流路形成材30に入り込み、電池反応で消費されなかった余剰の水素ガスがアノードガス拡散流路形成材30の下端側から排出される。
流入ポート57と排出ポート58は、図2に示すようにアノードガス拡散流路形成材30に対してセル左右に延びるコモンレール状の流路とされているので、水素ガスは、アノードガス拡散流路形成材30において、上方から下方に向かって電極面を面流のようにして流れる。なお、流入ポート54と排出ポート56とについてもカソードガス拡散流路形成材40に対してセル左右に延びるコモンレール状の流路とされているので、空気は、カソードガス拡散流路形成材40において、下方から上方に向かって電極面を面流のようにして流れる。
空気供給系70は、図1に示すようにコンプレッサ71を備え、流入マニホールド72を経てカソードガス拡散流路形成材40におけるそれぞれの流入ポート54に空気を圧送する。こうして圧送された空気は、上記したように流入ポート54から上向きにカソードガス拡散流路形成材40を流れてその間に膜電極接合体20に拡散供給される。カソードガス拡散流路形成材40のそれぞれの排出ポート56からの余剰空気は、排出マニホールド73を経て大気放出される。なお、流入マニホールド72と排出マニホールド73とは、スタック構造の燃料電池10に設けられている。
水素ガス供給系80は、図2に示すように加湿済みの水素ガスを供給する水素ガス供給源81とその下流の流量調整バルブ82と流入マニホールド83とをガス供給側に備え、排出マニホールド84と循環ポンプ85と循環管路86とをガス循環側に備える。この水素ガス供給系80は、流量調整バルブ82にて流量調整済みの水素ガスを加湿状態で流入マニホールド83を経てアノードガス拡散流路形成材30におけるそれぞれの流入ポート57に送り込む。こうして送り込まれた加湿済み水素ガスは、上記したように流入ポート57から下向きにアノードガス拡散流路形成材30を流れてその間に膜電極接合体20に拡散供給される。アノードガス拡散流路形成材30のそれぞれの排出ポート58からの余剰の水素ガス(未消費水素ガス)は、排出マニホールド84を経て循環管路86に流れ込み、循環ポンプ85の運転状態で定まる量で流入マニホールド83に循環供給される。なお、流入マニホールド83と排出マニホールド84とは、スタック構造の燃料電池10に設けられている。
この他、燃料電池10は、それぞれの電池セル12において、アノードガス拡散流路形成材30の下端側に貯水部材60を備える。この貯水部材60は、図1に示すようにアノードガス拡散流路形成材30の下端側に組み込まれてコモン状の排出ポート58の下方側に位置し、図2に示すようにアノードガス拡散流路形成材30の幅方向に貯水部62を分割形成する。それぞれの貯水部62は、セパレータ50の側の側面とセル下端側の底面とで塞がれ、膜電極接合体20の側を開口させている。よって、貯水部材60をセル下端側に組み込んだ状態でセパレータ50を介在させて電池セル12を積層させた燃料電池10では、それぞれの貯水部62には、アノードガス拡散流路形成材30を下方側に流れ落ちる水が貯留されることになり、この貯留された水は、膜電極接合体20の下端側に接触することになる。そして、貯水部62がアノード側でセル下端側に位置すること、およびカソード側の流入ポート54もセル下端側に位置することから、この貯水部62は、図1に示すようにカソードガス拡散流路形成材40の排出ポート58と膜電極接合体20を挟んで向き合うことになる。
以上説明した本実施例の燃料電池10では、積層したそれぞれの電池セル12において、セル内のアノードガス拡散流路形成材30の下端側に貯水部62を備える。アノードガス拡散流路形成材30には、加湿済みの水素ガスが流入ポート57を経て供給されるので、燃料電池10、詳しくはそれぞれの電池セル12の運転状態で定まる温度(運転温度)の状況によって、アノードガス拡散流路形成材30において水蒸気が飽和して水滴が生じる。この水滴は、アノードガス拡散流路形成材30を下方側に流れ落ちて、貯水部62に貯留される。こうした水蒸気の飽和は運転温度に応じて常態化することから、貯水部62では貯水状態が維持される。しかも、アノードガス拡散流路形成材30に対しては、その上端側からの水素ガス供給と、貯水部62の上部の排出ポート58からの余剰の燃料ガスの排出がなされるので、アノードガス拡散流路形成材30における水素ガスの流れと貯水部62への水の流れとをその方向において一致させている。このため、本実施例の燃料電池10では、アノードガス拡散流路形成材30において飽和した水をより確実に貯水部62に貯め置くことができる。そして、燃料電池10の運転温度が高温度である場合でも、それ以前の運転状態において飽和した水を貯水部62にて貯め置くこともできる。こうして貯水部62に貯め置かれた水は、膜電極接合体20の下端側に接触することから、燃料電池10が高温度での運転状態に推移した後において、次のようにして電解質膜21の湿潤に資される。
膜電極接合体20の電解質膜21は、プロトン導電性を有するが故に、アノードからカソードへのプロトン移動には水を随伴すると言う性質を有し、電解質膜21を挟んで水蒸気濃度に勾配があると、その濃度勾配に伴って水を通過させる。貯水部62が組み込まれた膜電極接合体20の下端側に着目すると、この膜電極接合体20を挟んでアノードの側では貯水部62に貯留された水が膜電極接合体20に接触し、カソードの側では、貯水部62と膜電極接合体20を挟んで向き合う流入ポート54から空気がカソードガス拡散流路形成材40に流入する。よって、貯水部62が組み込まれた膜電極接合体20の下端側では、上記した性質の内の水蒸気濃度勾配に伴う水の通過の性質により、貯水部62で貯め置かれた水が膜電極接合体20を通過してカソード側のカソードガス拡散流路形成材40に到達する。特に、運転温度が高い場合には、加湿済みの水素ガスが供給されるアノード側の水蒸気濃度はカソード側の水蒸気濃度に比して顕著に高くなるので、カソードガス拡散流路形成材40への水の到達も活発となる。そして、このカソードガス拡散流路形成材40に到達した水は、貯水部62と膜電極接合体20を挟んで向き合う流入ポート54から流入した空気に接触してこれを加湿する機能を果たした後、空気に含有されてカソードガス拡散流路形成材40を拡散しつつカソードガス拡散流路形成材40の上端側に流れる。貯水部62への貯水とカソードの側への水の通過は、電池反応に伴うカソード側での水の生成とは無関係である。この結果、カソード側に到達した水による空気の加湿と、この加湿後の空気の拡散供給とにより、上記構成の本実施例の燃料電池10によれば、膜電極接合体20における電解質膜21の湿潤確保の実効性を生成水に依存しないで高めることができる。
こうしたカソードガス拡散流路形成材40の側への水の到達は、燃料電池10の運転温度が高い場合のみならず、通常の運転温度であっても貯水部62に水が貯水されていれば起きる。よって、上記したカソード側に到達した水による空気の加湿とこの加湿後の空気の拡散供給とによる電解質膜21の湿潤確保は、貯水部62に水が貯水されて状況下において高い実効性でなされると言える。
上記した本実施例の燃料電池10では、図2に示すように、貯水部62をアノードガス拡散流路形成材30の幅方向に分割形成したので、この分割形成済みの貯水部62のそれぞれに貯水できる。このため、燃料電池10が図2において左右に傾斜した場合であっても、個々の貯水部62ではほぼ同じ量の水を貯留できるので、アノードガス拡散流路形成材30の幅方向、即ち膜電極接合体20の幅方向においてほぼ均等にカソードの側に水を通過させることができる。よって、燃料電池10の傾斜が予想される場合であっても、膜電極接合体20における電解質膜21をその全面に亘って高い実効性で湿潤化できる。このことは、傾斜することが多々ある車両等への搭載性が高まることを意味する。なお、本実施例では、図2に示すように、貯水部62を6個に分割形成したが、電池セル12のサイズに応じて適宜分割数を規定すればよい。
また、本実施例では、アノードガス拡散流路形成材30への燃料ガス供給と余剰の水素ガス排出を行う流入ポート57と排出ポート58とを、アノードガス拡散流路形成材30の幅方向に亘るコモンレール状の流路とした。このため、貯水部62への水の落下をアノードガス拡散流路形成材30の幅方向でほぼ均等として、上記のようにアノードガス拡散流路形成材30の幅方向に分割形成したそれぞれの貯水部62における貯水量を均一化できる。このことからも、貯水部62の貯め置いた水による既述したカソード側での空気加湿とこの加湿した空気の拡散供給とによる電解質膜の湿潤確保の実効性をより高めることができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記した実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。例えば、燃料電池10を電池セル12を積層させたスタック構造のものとして説明したが、単一の電池セル12のみを有する形態とすることもできる。また、貯水部材60は、貯水部62を分割形成する構成としたが、単一の貯水部62を備える形態とすることもできる。更には、次のような変形も可能である。
貯水部62に保水性を有する多孔体、例えば発泡スポンジ等を充填させることができる。こうすれば、多孔体にて貯水部62の貯留水が保水されるので、貯水部62への水分落下と貯留が一時的に滞っても、保水済みの水を膜電極接合体20を経てカソードガス拡散流路形成材40の側の空気に受け渡すことができるので、空気の加湿と電解質膜の湿潤確保に寄与できる。
コモンレール状としたアノードガス拡散流路形成材30の側の流入ポート57や排出ポート58を、親水性や吸水性を有するものとできる。こうすることで、流入ポート57や排出ポート58からにおいても、積極的にアノードガス拡散流路形成材30に水を落下させたり、貯水部62に貯水させることができる。よって、貯水部62での貯水の実効性が高まるので、貯水部62の水による空気加湿や電解質膜の湿潤確保を図ることができる。
本発明の実施例としての燃料電池10の概略構成を電池セル積層方向に沿って模式的に示す説明図である。 燃料電池10が有する電池セル12におけるアノードガス拡散流路形成材30の概略構成を図1における2−2線に沿って破断して模式的に示す説明図である。
符号の説明
10…燃料電池
12…電池セル
20…膜電極接合体
21…電解質膜
22…アノード触媒電極
23…カソード触媒電極
24…アノード側ガス拡散層
25…カソード側ガス拡散層
30…アノードガス拡散流路形成材
40…カソードガス拡散流路形成材
50…セパレータ
51…中央プレート
52…サイドプレート
53…サイドプレート
54…流入ポート
56…排出ポート
57…流入ポート
58…排出ポート
59…冷媒流路
60…貯水部材
62…貯水部
70…空気供給系
71…コンプレッサ
72…流入マニホールド
73…排出マニホールド
80…水素ガス供給系
81…水素ガス供給源
82…流量調整バルブ
83…流入マニホールド
84…排出マニホールド
85…循環ポンプ
86…循環管路

Claims (4)

  1. 燃料電池であって、
    電解質膜と膜両面に接合した触媒電極とを含む膜電極接合体と、該膜電極接合体の両側に位置して燃料ガスおよび酸素含有ガスの各々を前記触媒電極に拡散供給するアノードガス拡散流路部およびカソードガス拡散流路部とを水平方向に接合した電池セルと、
    前記アノードガス拡散流路部材の下端側に組み込まれて前記アノードガス拡散流路部材で生じる水を貯留し、該貯留した水を前記膜電極接合体の下端側に接触させるアノード側貯水部と、
    前記電池セルにおける前記アノードガス拡散流路部への前記燃料ガスの流入を前記アノードガス拡散流路部材に上端側から実行すると共に、前記電池セルにおけるアノード側の余剰ガスの排出を前記アノード側貯水部の上部において実行する燃料ガス供給系と、
    前記電池セルにおける前記カソードガス拡散流路部への前記酸素含有ガスの流入を前記アノード側貯水部と前記膜電極接合体を挟んで向き合う前記カソードガス拡散流路部材の下端側から実行すると共に、前記電池セルにおけるカソード側の余剰ガスの排出を前記カソードガス拡散流路部材の上端側から実行する酸素含有ガス供給系とを備える
    燃料電池。
  2. 前記アノード側貯水部は、前記アノードガス拡散流路部材の幅方向に分割して形成されている請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記燃料ガス供給系は、前記電池セルにおける前記燃料ガスの流入と前記余剰ガスの排出とを、前記アノードガス拡散流路部材の幅方向に亘るガス流路を経て行う請求項1または請求項2に記載の燃料電池。
  4. 前記電池セルをセパレータを介在させて水平方向に複数積層して備える請求項1ないし請求項3いずれかに記載の燃料電池。
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