JP2010101642A - 物理量センサおよび物理量計測方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】物理量センサは、物体10にレーザ光を放射する半導体レーザ1と、発振波長が増加する第1の発振期間と発振波長が減少する第2の発振期間のうち少なくとも一方が繰り返し存在するように半導体レーザ1を動作させるレーザドライバ4と、半導体レーザ1から放射されたレーザ光と物体10からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形を含む電気信号を検出するフォトダイオード2および電流−電圧変換増幅部5と、電流−電圧変換増幅部5の出力信号に含まれる干渉波形の周期を計測する信号抽出部7と、信号抽出部7の計測結果を基準周期と比較することにより補正し、補正した個々の周期に基づいて物体10の変位と速度のうち少なくとも一方を算出する演算部8とを備える。
【選択図】 図1
Description
また、本発明の物理量センサの1構成例において、前記算出手段は、前記干渉波形の周期を計測するサンプリングクロックの周波数と、前記基準周期と、前記半導体レーザの平均波長と、前記周期補正手段で補正された周期の前記基準周期に対する変化量とから、前記測定対象の変位と速度のうち少なくとも一方を算出することを特徴とするものである。
また、本発明の物理量センサの1構成例において、前記周期補正手段は、前記信号抽出手段によって計測された干渉波形の周期が前記基準周期の所定数k倍未満の場合は(kは1未満の正の値)、この干渉波形の周期と次に計測された干渉波形の周期とを合わせた周期を補正後の干渉波形の周期とし、周期を合わせた波形を1つの波形とし、前記信号抽出手段によって計測された干渉波形の周期が前記基準周期の(m−k)倍以上で且つ前記基準周期の(m+k)倍未満の場合は(mは2以上の自然数)、この干渉波形の周期をm等分した周期をそれぞれ補正後の周期とし、補正後の周期の波形がm個あるものとすることを特徴とするものである。
また、本発明の物理量センサの1構成例において、前記所定数kは、0.5である。
また、本発明の物理量センサの1構成例は、さらに、前記検出手段の出力信号に含まれる前記干渉波形の数を、前記第1の発振期間と前記第2の発振期間の各々について数える計数手段と、この計数手段によって干渉波形の数を数える期間における最小発振波長と最大発振波長と前記計数手段の計数結果とから前記測定対象との距離を算出する距離算出手段と、この距離算出手段が算出した距離から前記干渉波形の周期を求める周期算出手段とを備え、前記周期補正手段は、前記周期算出手段が求めた周期を前記基準周期とすることを特徴とするものである。
また、本発明の物理量センサの1構成例は、さらに、前記検出手段の出力信号に含まれる前記干渉波形の数を、前記第1の発振期間と前記第2の発振期間の各々について数える計数手段と、前記干渉波形の数の平均値を算出することにより前記半導体レーザと前記測定対象との平均距離に比例した干渉波形の数である距離比例個数を求める距離比例個数算出手段と、前記距離比例個数から前記干渉波形の周期を算出する周期算出手段とを備え、前記周期補正手段は、前記周期算出手段が求めた周期を前記基準周期とすることを特徴とするものである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る物理量センサの構成を示すブロック図である。
図1の物理量センサは、測定対象の物体10にレーザ光を放射する半導体レーザ1と、半導体レーザ1の光出力を電気信号に変換するフォトダイオード2と、半導体レーザ1からの光を集光して放射すると共に、物体10からの戻り光を集光して半導体レーザ1に入射させるレンズ3と、半導体レーザ1を駆動する発振波長変調手段となるレーザドライバ4と、フォトダイオード2の出力電流を電圧に変換して増幅する電流−電圧変換増幅部5と、電流−電圧変換増幅部5の出力電圧から搬送波を除去するフィルタ部6と、フィルタ部6の出力電圧に含まれる自己結合信号であるモードホップパルス(以下、MHPとする)の周期を計測する信号抽出部7と、信号抽出部7が計測した個々の周期に基づいて物体10の変位や速度を算出する演算部8と、演算部8の算出結果を表示する表示部9とを有する。
L=qλ/2 ・・・(1)
式(1)において、qは整数である。この現象は、物体10からの散乱光が極めて微弱であっても、半導体レーザ1の共振器内の見かけの反射率が増加することにより、増幅作用が生じ、十分観測できる。
図6(A)〜図6(D)は信号抽出部7の動作を説明するための図であり、図6(A)はフィルタ部6の出力電圧の波形、すなわちMHPの波形を模式的に示す図、図6(B)は図6(A)に対応する2値化部70の出力を示す図、図6(C)は信号抽出部7に入力されるサンプリングクロックCLKを示す図、図6(D)は図6(B)に対応する周期測定部71の測定結果を示す図である。
また、周期補正部81は、図8(C)に示すように信号抽出部7によって計測されたMHPの周期Tが1.5T0以上2.5T0未満の場合、図8(D)に示すようにMHPの周期Tを2等分した周期をそれぞれ補正後の周期T1’,T2’とする。
本来、MHPの周期は物体10との距離によって異なるが、物体10との距離が不変であれば、MHPは同じ周期で出現する。しかし、ノイズのために、MHPの波形には欠落が生じたり、信号として数えるべきでない波形が生じたりして、MHPの周期に誤差が生じる。
D=n×λ/(2×T0) ・・・(2)
V=n×λ/(2×T0)×fad/(T0+n) ・・・(3)
表示部9は、演算部8の算出結果を表示する。
また、本実施の形態では、物体10の変位と速度の両方を計測しているが、どちらか一方だけを計測してもよいことは言うまでもない。
N’=N+j[%]=N+Nw ・・・(4)
N=(N’−2Nw)+(Nw−Nw’)+2Nw’=N’−Nw+Nw’
・・・(5)
N−0.5Nw’+(0.5Nw’+(Nw−Nw’))
=(N−Nw+Nw’)+(0.5Nw’+(Nw−Nw’))
=N’ ・・・(6)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図14は本発明の第2の実施の形態に係る演算部8の構成例を示すブロック図である。演算部8は、記憶部80と、周期補正部81と、物理量算出部82と、計数部83と、距離算出部84と、周期算出部85とから構成される。物理量センサの全体の構成は第1の形態と同じでよいが、半導体レーザ1の発振波長の変化速度が一定で、かつ発振波長の最大値λbおよび発振波長の最小値λaがそれぞれ一定で、それらの差λb−λaも一定である必要がある。
Lα(t)=λa×λb×(MHP(t−1)+MHP(t))
/{4×(λb−λa)} ・・・(7)
Lβ(t)=λa×λb×(|MHP(t−1)−MHP(t)|)
/{4×(λb−λa)} ・・・(8)
Vα(t)=(MHP(t−1)−MHP(t))×λb/4 ・・・(9)
Vβ(t)=(MHP(t−1)+MHP(t))×λb/4 ・・・(10)
Vcalα(t)=Lα(t)−Lα(t−1) ・・・(11)
Vcalβ(t)=Lβ(t)−Lβ(t−1) ・・・(12)
次に、距離算出部84は、式(7)〜式(12)の算出結果を用いて、物体10の状態を判定する。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図15は本発明の第3の実施の形態に係る演算部8の構成例を示すブロック図である。演算部8は、記憶部80と、周期補正部81と、物理量算出部82と、フィルタ部6の出力電圧に含まれるMHPの数を数える計数部86と、計数部86の計数結果等を記憶する記憶部87と、計数部86の計数結果の平均値を算出することにより、半導体レーザ1と物体10との平均距離に比例したMHPの数(以下、距離比例個数とする)NLを求める距離比例個数算出部88と、計数部86の1回前の計数結果とこの計数結果よりも過去の計数結果を用いて算出された距離比例個数NLの2倍数との大小関係に応じて計数部86の最新の計数結果に正負の符号を付与する符号付与部89と、距離比例個数NLからMHPの周期を算出する周期算出部90とから構成される。物理量センサの全体の構成は第1の実施の形態と同じでよい。
NL={N(t−2)+N(t−3)}/2 ・・・(13)
NL={N(t−2m−1)+N(t−2m)+・・・+N(t−2)}/2m
・・・(14)
NL={N’(t−2)+N’(t−3)}/2 ・・・(15)
N’(t−2)は2回前の計数結果N(t−2)に後述する符号付与処理を施した後の符号付き計数結果、N’(t−3)は3回前の計数結果N(t−3)に符号付与処理を施した後の符号付き計数結果である。式(15)が使用されるのは、現時刻tの計数結果N(t)がMHPの数の計測開始から7回目の計数結果になったとき以降である。
NL={N’(t−2m−1)+N’(t−2m)+・・・+N’(t−2)}/2m
・・・(16)
式(16)が使用されるのは、現時刻tの計数結果N(t)がMHPの数の計測開始から(2m×2+3)回目の計数結果になったとき以降である。
なお、距離比例個数NLの算出に用いる計数結果が十分に多いときは、奇数回分の計数結果で距離比例個数NLを算出してもよい。
If N(t−1)≧2NL Then N’(t)→−N(t) ・・・(17)
If N(t−1)<2NL Then N’(t)→+N(t) ・・・(18)
なお、式(17)の成立条件をN(t−1)>2NLにして、式(18)の成立条件をN(t−1)≦2NLにしてもよい。
T=C/(2×f×NL) ・・・(19)
ここで、fは三角波の周波数、Cは光速である。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。第1〜第3の実施の形態では、半導体レーザ1を三角波状に発振させていたが、これに限るものではなく、第1、第3の実施の形態において図18に示すように半導体レーザ1を鋸波状に発振させてもよい。すなわち、本実施の形態では、第1の発振期間P1または第2の発振期間P2のいずれか一方が繰り返し存在するように半導体レーザ1を動作させればよい。ただし、第2の実施の形態については、半導体レーザ1を三角波状に発振させる必要がある。
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。第1〜第4の実施の形態では、MHP波形を含む電気信号を検出する検出手段としてフォトダイオード2と電流−電圧変換増幅部5とを用いたが、フォトダイオードを使用することなくMHP波形を抽出することも可能である。図19は本発明の第5の実施の形態に係る物理量センサの構成を示すブロック図であり、図1と同様の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態の物理量センサは、第1の実施の形態のフォトダイオード2と電流−電圧変換増幅部5の代わりに、検出手段として電圧検出部12を用いるものである。
こうして、本実施の形態では、フォトダイオードを使用することなくMHP波形を抽出することができ、第1の実施の形態と比較して物理量センサの部品を削減することができ、物理量センサのコストを低減することができる。また、本実施の形態では、フォトダイオードを使用しないので、外乱光による影響を除去することができる。
Claims (14)
- 測定対象にレーザ光を放射する半導体レーザと、
発振波長が連続的に単調増加する第1の発振期間と発振波長が連続的に単調減少する第2の発振期間のうち少なくとも一方が繰り返し存在するように前記半導体レーザを動作させる発振波長変調手段と、
前記半導体レーザから放射されたレーザ光と前記測定対象からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形を含む電気信号を検出する検出手段と、
この検出手段の出力信号に含まれる前記干渉波形の周期を干渉波形が入力される度に計測する信号抽出手段と、
この信号抽出手段の計測結果を基準周期と比較することにより前記計測結果を補正する周期補正手段と、
この周期補正手段で補正された個々の周期に基づいて前記測定対象の変位と速度のうち少なくとも一方を算出する算出手段とを備えることを特徴とする物理量センサ。 - 請求項1記載の物理量センサにおいて、
前記算出手段は、前記干渉波形の周期を計測するサンプリングクロックの周波数と、前記基準周期と、前記半導体レーザの平均波長と、前記周期補正手段で補正された周期の前記基準周期に対する変化量とから、前記測定対象の変位と速度のうち少なくとも一方を算出することを特徴とする物理量センサ。 - 請求項1または2記載の物理量センサにおいて、
前記周期補正手段は、前記信号抽出手段によって計測された干渉波形の周期が前記基準周期の所定数k倍未満の場合は(kは1未満の正の値)、この干渉波形の周期と次に計測された干渉波形の周期とを合わせた周期を補正後の干渉波形の周期とし、周期を合わせた波形を1つの波形とし、前記信号抽出手段によって計測された干渉波形の周期が前記基準周期の(m−k)倍以上で且つ前記基準周期の(m+k)倍未満の場合は(mは2以上の自然数)、この干渉波形の周期をm等分した周期をそれぞれ補正後の周期とし、補正後の周期の波形がm個あるものとすることを特徴とする物理量センサ。 - 請求項3記載の物理量センサにおいて、
前記所定数kは、0.5であることを特徴とする物理量センサ。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の物理量センサにおいて、
前記周期補正手段は、前記測定対象が静止しているときの前記干渉波形の周期または前記補正の直前に計測された所定数の干渉波形の周期の平均を前記基準周期とすることを特徴とする物理量センサ。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の物理量センサにおいて、
さらに、前記検出手段の出力信号に含まれる前記干渉波形の数を、前記第1の発振期間と前記第2の発振期間の各々について数える計数手段と、
この計数手段によって干渉波形の数を数える期間における最小発振波長と最大発振波長と前記計数手段の計数結果とから前記測定対象との距離を算出する距離算出手段と、
この距離算出手段が算出した距離から前記干渉波形の周期を求める周期算出手段とを備え、
前記周期補正手段は、前記周期算出手段が求めた周期を前記基準周期とすることを特徴とする物理量センサ。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の物理量センサにおいて、
さらに、前記検出手段の出力信号に含まれる前記干渉波形の数を、前記第1の発振期間と前記第2の発振期間の各々について数える計数手段と、
前記干渉波形の数の平均値を算出することにより前記半導体レーザと前記測定対象との平均距離に比例した干渉波形の数である距離比例個数を求める距離比例個数算出手段と、
前記距離比例個数から前記干渉波形の周期を算出する周期算出手段とを備え、
前記周期補正手段は、前記周期算出手段が求めた周期を前記基準周期とすることを特徴とする物理量センサ。 - 発振波長が連続的に単調増加する第1の発振期間と発振波長が連続的に単調減少する第2の発振期間のうち少なくとも一方が繰り返し存在するように半導体レーザを動作させる発振手順と、
前記半導体レーザから放射されたレーザ光と測定対象からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形を含む電気信号を検出する検出手順と、
この検出手順で得られた出力信号に含まれる前記干渉波形の周期を干渉波形が入力される度に計測する信号抽出手順と、
この信号抽出手順の計測結果を基準周期と比較することにより前記計測結果を補正する周期補正手順と、
この周期補正手順で補正された個々の周期に基づいて前記測定対象の変位と速度のうち少なくとも一方を算出する算出手順とを備えることを特徴とする物理量計測方法。 - 請求項8記載の物理量計測方法において、
前記算出手順は、前記干渉波形の周期を計測するサンプリングクロックの周波数と、前記基準周期と、前記半導体レーザの平均波長と、前記周期補正手順で補正された周期の前記基準周期に対する変化量とから、前記測定対象の変位と速度のうち少なくとも一方を算出することを特徴とする物理量計測方法。 - 請求項8または9記載の物理量計測方法において、
前記周期補正手順は、前記信号抽出手順で計測された干渉波形の周期が前記基準周期の所定数k倍未満の場合は(kは1未満の正の値)、この干渉波形の周期と次に計測された干渉波形の周期とを合わせた周期を補正後の干渉波形の周期とし、周期を合わせた波形を1つの波形とし、前記信号抽出手順で計測された干渉波形の周期が前記基準周期の(m−k)倍以上で且つ前記基準周期の(m+k)倍未満の場合は(mは2以上の自然数)、この干渉波形の周期をm等分した周期をそれぞれ補正後の周期とし、、補正後の周期の波形がm個あるものとすることを特徴とする物理量計測方法。 - 請求項10記載の物理量計測方法において、
前記所定数kは、0.5であることを特徴とする物理量計測方法。 - 請求項8乃至11のいずれか1項に記載の物理量計測方法において、
前記周期補正手順は、前記測定対象が静止しているときの前記干渉波形の周期または前記補正の直前に計測された所定数の干渉波形の周期の平均を前記基準周期とすることを特徴とする物理量計測方法。 - 請求項8乃至11のいずれか1項に記載の物理量計測方法において、
さらに、前記検出手順で得られた出力信号に含まれる前記干渉波形の数を、前記第1の発振期間と前記第2の発振期間の各々について数える計数手順と、
この計数手順によって干渉波形の数を数える期間における最小発振波長と最大発振波長と前記計数手順の計数結果とから前記測定対象との距離を算出する距離算出手順と、
この距離算出手順で算出した距離から前記干渉波形の周期を求める周期算出手順とを備え、
前記周期補正手順は、前記周期算出手順で求めた周期を前記基準周期とすることを特徴とする物理量計測方法。 - 請求項8乃至11のいずれか1項に記載の物理量計測方法において、
さらに、前記検出手順で得られた出力信号に含まれる前記干渉波形の数を、前記第1の発振期間と前記第2の発振期間の各々について数える計数手順と、
前記干渉波形の数の平均値を算出することにより前記半導体レーザと前記測定対象との平均距離に比例した干渉波形の数である距離比例個数を求める距離比例個数算出手順と、
前記距離比例個数から前記干渉波形の周期を算出する周期算出手順とを備え、
前記周期補正手順は、前記周期算出手順で求めた周期を前記基準周期とすることを特徴とする物理量計測方法。
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