JP2010101350A - 油圧補正システムおよび油圧補正方法 - Google Patents

油圧補正システムおよび油圧補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】自動変速機の製造コストの削減などを図りつつ、各自動変速機の個体差に応じた電動ポンプの最適な吐出油圧容量を設定することができる油圧補正システムを提供する。
【解決手段】油圧補正システムは、クラッチC1を有する自動変速機3と、クラッチC1に作動油圧を供給する機械式オイルポンプ14と、エンジンが停止した場合にクラッチC1に作動油圧を供給する電動オイルポンプ15と、電動オイルポンプ15の駆動を制御値に基づき制御するエコランECU4と、電動オイルポンプ15の吐出油圧を検出するための油圧検出孔13dと、クラッチC1の作動油圧を検出するための油圧検出孔13bとが形成され、各オイルポンプ14、15のうちいずれか一方から供給される作動油圧を制御する油圧制御装置13と、油圧検出孔13d、13bにおいて検出された検出結果に基づいて、エコランECU4の制御値を補正する油圧補正装置62と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、アイドルストップ車両に搭載される電動オイルポンプの油圧補正システムおよび油圧補正方法に関する。
一般に、車両に搭載される自動変速機においては、エンジンまたはモータにより駆動される機械式オイルポンプを備え、この機械式オイルポンプによって発生される油圧が油圧制御装置を含む油圧制御回路によって選択的に制御されて、自動変速機が備える複数の摩擦係合要素としてのクラッチやブレーキなどの係合および解放を制御するようになっている。このように、上述の自動変速機においては、複数の摩擦係合要素の係合および解放を制御することで、車両の走行状況に応じた所望の変速段が形成されるようになっている。
一方、近年、上述のような自動変速機を備える車両においては、排気ガスの低減や燃費向上などの見地から、例えば赤信号により交差点などで車両が停止したとき、または所定の停止条件が成立したときに、エンジンの駆動を自動的に停止させる一方、このエンジンの自動停止後に運転者によるアクセルペダルまたはブレーキペダルの操作があると、エンジンの駆動を再始動するアイドルストップを行うアイドルストップシステム(エコノミーランニングシステムともいう)を採用した車両が開発されている。
このアイドルストップシステムを採用した車両(以下、アイドルストップ車両という)にあっては、エンジンが自動停止すると、エンジンによって駆動される機械式オイルポンプも停止することとなる。このため、自動変速機が備える複数の摩擦係合要素の作動油圧を機械式オイルポンプによって確保することができず、エンジン再始動時に確保されるべき前進クラッチなどの摩擦係合要素(以下、前進用摩擦係合要素という)の作動油圧が低下してしまう。このように、前進用摩擦係合要素の作動油圧が低下した状態で、エンジンが再始動すると、前進用摩擦係合要素を速やかに係合させることができず、エンジンが吹き上がった状態において前進用摩擦係合要素を係合させることとなり、自動変速機内において係合ショックが生じてしまう。
したがって、このようなアイドルストップ車両に搭載される自動変速機においては、機械式オイルポンプの自動停止時に、自動変速機が備える複数の摩擦係合要素の作動油圧を確保するため、電気的に駆動される電動オイルポンプを別に設けている。これにより、機械式オイルポンプの自動停止時においても前進用摩擦係合要素の作動油圧を確保することができる。
このため、前述のような電動オイルポンプを備える自動変速機においては、電動オイルポンプの吐出油圧に応じて機械式オイルポンプの自動停止時の前進用摩擦係合要素の作動油圧が定まるため、電動オイルポンプの吐出油圧を最適な油圧に設定することが特に重要である。
ところで、上述のように機械式オイルポンプの自動停止時の前進用摩擦係合要素の作動油圧を電動オイルポンプにより確保する自動変速機においては、電動オイルポンプを自動変速機に組み付ける際に、電動オイルポンプの吐出油圧を予め設定された吐出油圧容量に基づき設定するようになっている。
一方で、前述のように、電動オイルポンプを自動変速機に組み付ける際に、電動オイルポンプの吐出油圧を予め設定された吐出油圧容量に基づき設定するようにしても、実際には各電動オイルポンプが組み付けられる自動変速機ごとに個体差があるため、電動オイルポンプの吐出油圧を各自動変速機の特性に応じた吐出油圧容量とすることが望ましい。例えば自動変速機によっては、油圧制御回路において油もれなどの事態も生じ得ることから、電動オイルポンプを自動変速機に組み付ける際に、この油圧制御回路の油もれなどを考慮した電動オイルポンプの吐出油圧容量とすることが望ましい。
特開2006−9755号公報
しかしながら、上述のような従来の特許文献1に記載された電動オイルポンプを組み付けた自動変速機にあっては、電動オイルポンプが組み付けられる自動変速機ごとの個体差について何ら考慮されていない。そのため、例えばこの電動オイルポンプが組み付けられる自動変速機の油圧制御回路などに油もれなどが生じていた場合には、機械式オイルポンプの自動停止時に電動オイルポンプにより供給される摩擦係合要素の作動油圧を最適な作動油圧に維持することができないという問題があった。
また、このような従来の特許文献1に記載された電動オイルポンプを組み付けた自動変速機の油圧制御回路中に油圧センサを設けて、この油圧センサの検出結果に基づき、電動オイルポンプの吐出油圧容量を設定することも考えられる。しかしながら、このような場合にあっては、自動変速機の油圧制御回路中にセンサを設ける必要があるため、センサ取り付けにかかる製造コストの増大、自動変速機の重量増大や大型化を招来するというおそれがあるという問題があった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、自動変速機の製造コストの削減および自動変速機の軽量化や小型化を図りつつ、ユニットとして製造される各自動変速機の個体差に応じた電動オイルポンプの最適な吐出油圧容量を設定することができる油圧補正システムおよび油圧補正方法を提供することを目的とする。
本発明に係る油圧補正システムは、上記目的達成のため、(1)エンジンの運転状態が自動停止条件を満たすとエンジンを停止するとともに、自動再始動条件を満たすと前記停止したエンジンを再始動するシステムを採用する車両に搭載され、複数の摩擦係合要素を有し変速を実現する自動変速機構と、前記各摩擦係合要素に作動油圧を供給する機械式オイルポンプと、前記自動停止条件が成立して前記エンジンが停止した場合に前記各摩擦係合要素に作動油圧を供給する電動オイルポンプと、を備えた自動変速機の油圧補正システムであって、前記電動オイルポンプの駆動を制御値に基づき制御する駆動制御手段と、前記電動オイルポンプの吐出油圧を検出するための第1の油圧検出孔と、前記第1の油圧検出孔よりも下流側で前記複数の摩擦係合要素のうち任意の前記摩擦係合要素の作動油圧を検出するための第2の油圧検出孔とが形成され、前記機械式オイルポンプおよび前記電動オイルポンプのうちいずれか一方から供給される前記作動油圧を制御する油圧制御手段と、前記第1の油圧検出孔および前記第2の油圧検出孔において検出された検出結果に基づいて、前記駆動制御手段の制御値を補正する油圧補正制御手段と、を備えている。
この構成により、油圧補正制御手段が、第1の油圧検出孔および第2の油圧検出孔において検出された検出結果に基づいて駆動制御手段の制御値を補正するので、第1の油圧検出孔が形成された位置から第2の油圧検出孔が形成された位置の間で作動油の漏れを考慮した電動オイルポンプの最適な吐出油圧容量を設定することができる。この結果、ユニットとして製造される各自動変速機の個体差に応じたその最適な吐出油圧容量を設定することができるので、ユニット毎に電動オイルポンプの最適な運転を実現して摩擦係合要素に供給される油圧を最適にすることができる。
また、第1の油圧検出孔および第2の油圧検出孔において検出された検出結果に基づいて駆動制御手段の制御値を補正するので、自動変速機内に予め油圧センサを組み込み、これら油圧センサの値に基づき駆動制御手段の制御値を補正する場合と比較して自動変速機の製造コストの削減および自動変速機の軽量化や小型化を図ることができる。
本発明に係る油圧補正システムは、上記(1)に記載の油圧補正システムにおいて、(2)前記油圧補正制御手段は、前記第1の油圧検出孔および前記第2の油圧検出孔において検出された検出結果に基づいて、前記任意の摩擦係合要素に供給される作動油圧の補正油圧値を算出し、前記算出した補正油圧値に応じて前記駆動制御手段の制御値を設定するよう構成する。
この構成により、任意の摩擦係合要素に供給される作動油圧の補正油圧値を算出し、算出した補正油圧値に応じて駆動制御手段の制御値を設定することができるので、任意の摩擦係合要素に供給される作動油圧を最適にするための電動オイルポンプの最適な吐出油圧容量を設定することができる。
また、本発明に係る油圧補正システムは、上記(1)または(2)に記載の油圧補正システムにおいて、(3)前記任意の摩擦係合要素は、車両の発進時に係合する発進用摩擦係合要素であるよう構成する。
この構成により、車両の発進時に係合する発進用摩擦係合要素に供給される作動油圧を検出することができるので、ドライバビリティに影響を与える発進用摩擦係合要素に供給される作動油圧を最適にすることができる。
また、本発明に係る油圧補正方法は、(4)エンジンの運転状態が自動停止条件を満たすとエンジンを停止するとともに、自動再始動条件を満たすと前記停止したエンジンを再始動するシステムを採用する車両に搭載され、複数の摩擦係合要素を有し変速を実現する自動変速機構と、前記各摩擦係合要素に作動油圧を供給する機械式オイルポンプと、前記自動停止条件が成立して前記エンジンが停止した場合に前記各摩擦係合要素に作動油圧を供給する電動オイルポンプと、前記電動オイルポンプの駆動を制御値に基づき制御する駆動制御手段と、前記電動オイルポンプの吐出油圧を検出するための第1の油圧検出孔と、前記第1の油圧検出孔よりも下流側で前記複数の摩擦係合要素のうち任意の前記摩擦係合要素の作動油圧を検出するための第2の油圧検出孔とが形成され、前記機械式オイルポンプおよび前記電動オイルポンプのうちいずれか一方から供給される前記作動油圧を制御する油圧制御手段と、を備えた自動変速機の油圧補正方法において、前記電動オイルポンプを作動させる作動工程と、前記第1の油圧検出孔および前記第2の油圧検出孔に設置される各油圧センサから油圧を検出する検出工程と、前記各油圧センサからそれぞれ検出された油圧検出結果に基づいて、前記駆動制御手段の制御値を補正する補正工程と、を備えている。
この構成により、自動変速機に組み付けた電動オイルポンプを作動させた後に、各油圧センサから検出された油圧検出結果に基づいて、駆動制御手段の制御値を補正するので、第1の油圧検出孔が形成された位置から第2の油圧検出孔が形成された位置の間で作動油の漏れを考慮した電動オイルポンプの最適な吐出油圧容量を設定することができる。この結果、ユニットとして製造される各自動変速機の個体差に応じたその最適な吐出油圧容量を設定することができるので、ユニット毎に電動オイルポンプの最適な運転を実現して摩擦係合要素に供給される油圧を最適にすることができる。
また、各油圧センサから検出された油圧検出結果に基づいて駆動制御手段の制御値を補正するので、自動変速機内にそれぞれ油圧センサを設けて駆動制御手段の制御値を補正する場合と比較して自動変速機の製造コストの削減および自動変速機の軽量化や小型化を図ることができる。
本発明によれば、自動変速機の製造コストの削減および自動変速機の軽量化や小型化を図りつつ、ユニットとして製造される各自動変速機の個体差に応じた電動オイルポンプの最適な吐出油圧容量を設定することができる油圧補正システムおよび油圧補正方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るアイドルストップ車両の概略構成を示すブロック図である。
まず、構成について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るアイドルストップ車両は、車両の駆動源としてエンジン1およびモータジェネレータ2と、このエンジン1およびモータジェネレータ2からの動力を車輪側に伝達する変速可能な動力伝達装置としての自動変速機3と、エコラン用電子制御ユニット4(以下、エコランECU4という)と、バッテリ5とを搭載しており、自動変速機3は、トルクコンバータ11と、自動変速機構12と、油圧制御装置13と、機械式オイルポンプ14と、電動オイルポンプ15とにより構成されている。ここで、本実施の形態に係るアイドルストップ車両は、エンジン1の運転状態が自動停止条件を満たすアイドルストップ時にエンジン1を停止するとともに、自動再始動条件を満たすアクセル操作時に停止したエンジン1を再始動するシステムを採用している。
エンジン1は、モータジェネレータ2および機械式オイルポンプ14と機械的に連結され、モータジェネレータ2により始動されるようになっている。また、エンジン1は、ガソリンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する公知の動力装置により構成されており、運転者が操作するアクセルペダルの踏み込み量に応じた駆動力を出力するようになっている。
一方、モータジェネレータ2は、エンジン1および機械式オイルポンプ14と機械的に連結され、運転者により例えばイグニッションスイッチがオンにされることで始動されるようになっている。また、モータジェネレータ2は、上述の通り、エンジン1を始動するとともに、エンジン1の駆動力とともに車両を駆動する駆動力を出力するようになっている。さらに、モータジェネレータ2は、同期電動発電機として構成されており、バッテリ5から供給される電力により駆動し、この駆動による駆動力を出力するとともに、自動変速機側から駆動力が入力される場合には発電して、この発電電力をバッテリ5に充電する回生制動を行うようになっている。
また、エンジン1およびモータジェネレータ2は、トルクコンバータ11と連結され、その駆動力をトルクコンバータ11に出力するとともに、トルクコンバータ11を介して機械式オイルポンプ14に駆動力を出力するようになっている。
トルクコンバータ11は、周知の流体式のトルクコンバータで構成されており、循環するオイルの作用によりエンジン1およびモータジェネレータ2によって出力された回転トルクを増大させて自動変速機構12に伝達するようになっている。また、トルクコンバータ11には、機械式オイルポンプ14が連結されている。
自動変速機構12は、複数の摩擦係合要素としてのクラッチやブレーキなどを有しており、車両の走行状況に応じて複数のクラッチやブレーキなどの係合および解放が切り換えられることで、所望の変速段を形成して変速を実現するようになっている。また、自動変速機構12は、入力軸12aを介してトルクコンバータ11と連結されており、前述の入力軸12aを介して入力されたトルクコンバータ11で増大された回転トルクを上述の変速段に応じた変速比で出力するようになっている。なお、自動変速機構12の詳細については、後述する。
油圧制御装置13は、例えばマニュアルシフトバルブやソレノイドバルブなどの各種バルブを有する油圧制御回路13aによって構成されており、運転者のシフト操作に応じてマニュアルシフトバルブが切り替えられ、各摩擦係合要素に供給される作動油圧が制御される。さらに、油圧制御装置13は、運転者によってドライブレンジにシフト操作された際に、予め記憶された車速とアクセル開度によって定義された変速線図に基づいて変速段が形成されるようソレノイドバルブを制御する。このようにして、油圧制御装置13は、所望の変速段に対応したクラッチやブレーキの摩擦係合要素の係合および解放を行う作動油圧を制御するようになっている。
また、油圧制御装置13は、機械式オイルポンプ14および電動オイルポンプ15に接続しており、機械式オイルポンプ14および電動オイルポンプ15のいずれかから作動油が供給されるようになっている。なお、本実施の形態における油圧制御装置13は、本発明の油圧制御手段を構成している。
油圧制御装置13は、後述するクラッチC1に作動油を供給する油圧制御回路13a上に、クラッチC1に供給される作動油の油圧を検出するために用いられる油圧検出孔13bが形成されている。ここで、本実施の形態における油圧検出孔13bは、本発明の第2の油圧検出孔を構成している。
機械式オイルポンプ14は、例えばギヤポンプなどの油を吸入し吐出するポンプからなり、エンジン1およびモータジェネレータ2の駆動力によって駆動されることで、前述の油圧制御装置13に一定の油圧で作動油を供給するとともに、この油圧制御装置13を介して自動変速機構12が有するクラッチやブレーキ等の各摩擦係合要素に作動油圧を供給するようになっている。
また、電動オイルポンプ15は、駆動手段として回転数制御可能なモータ16を備えており、このモータ16の回転数を変化させることで電動オイルポンプ15の吐出油圧容量を調整することができるようになっている。また、電動オイルポンプ15は、モータ16の駆動により機械式オイルポンプ14の駆動停止時においては、クラッチC1に一定の油圧で作動油を供給するようになっている。ここで、モータ16の回転数は、モータ16の制御値としての電流値によって変化させることができる。
ここで、上述の機械式オイルポンプ14により供給される作動油の油圧(元圧)は、油圧制御回路13aに設けられた例えば図示しないプライマリレギュレータバルブによってライン圧に調圧されるようになっている。
また、モータ16は、電力源であるバッテリ5からの供給電力により駆動されるようになっており、上述の機械式オイルポンプ14が停止している場合にあっても、バッテリ5から供給される供給電力により電動オイルポンプ15を駆動させることができるようになっている。これにより、エンジン自動停止時(アイドルストップ時)においても電動オイルポンプ15を駆動させることができ、前進用摩擦係合要素としてのクラッチC1の作動油圧を最適な作動油圧に維持することによって、エンジン再始動時に最適なその係合状態を維持することができる。
さらに、電動オイルポンプ15と油圧制御装置13との間の油圧回路上で、電動オイルポンプ15の下流に設けられた後述する逆止弁を作動油が通過した直後の位置に、電動オイルポンプ15の吐出油圧を検知するための油圧検出孔13dが形成されている。ここで、本実施の形態における油圧検出孔13dは、本発明の第1の油圧検出孔を構成している。
次いで、エコランECU4は、CPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムなどを記憶するROMや不揮発性のEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read only Memory)、一時的にデータを記憶するRAM、A/D変換器などを含む入力インターフェース回路および出力インターフェース回路を有している。このエコランECU4は、エンジン1の運転状態が自動停止条件を満たすときにエンジン1を停止するよう制御し、その後、自動再始動条件を満たすときにモータジェネレータ2を駆動するよう制御するようになっている。したがって、アイドルストップ車両は、エンジン1の運転状態が自動停止条件を満たすとエンジン1を停止するとともに、自動再始動条件を満たすと停止したエンジン1を再始動するシステムを採用している。
ここで、アイドルストップ制御における自動停止条件とは、例えば、車両の停車時にアクセルペダルが踏み込まれていないアクセルOFFの状態であって、ブレーキペダルが踏み込まれたブレーキONの状態でエンジン1の回転数Neが所定回転数Nref以下であることが条件であり、自動再始動条件とは、ブレーキOFF状態となったか、アクセルON状態となったことが条件である。なお、これらの条件は単なる一例であってこれに限らない。
一方、エコランECU4は、このアイドルストップ制御において、エンジン1の自動停止時にあっては機械式オイルポンプ14もその駆動が停止されるため、この機械式オイルポンプ14の駆動停止時に電動オイルポンプ15を駆動させるべくモータ16を駆動制御するようになっている。ここで、エコランECU4には、電動オイルポンプ15の吐出油圧容量を最適な吐出油圧容量とするためのモータ16の回転数を定める制御値としての電流値が予めEEPROMに記憶されており、エコランECU4は、この電流値に基づきモータ16を駆動する駆動信号を出力するようになっている。したがって、エコランECU4は、電動オイルポンプの駆動を制御値としての電流値に基づいて制御するので、本発明に係る駆動制御手段を構成する。
また、エコランECU4は、図示しないエンジンECUなどの各種ECUと通信可能になっており、アイドルストップ制御に関する各種データや制御信号の入出力を行うようになっている。
バッテリ5は、エコランECU4に接続され、エコランECU4を介してモータジェネレータ2および電動オイルポンプ15などの電力源として、これらに電力を供給するとともに、例えば車両の減速時などにおいては、モータジェネレータ2の回生制動によって得られた発電電力を充電するようになっている。
次に、自動変速機構12の詳細について、図2を参照して説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係るアイドルストップ車両に搭載される自動変速機が備える自動変速機構の概略を示すスケルトン図である。
図2に示すように、自動変速機構12の入力軸12aは、トルクコンバータ11に接続されている。したがって、自動変速機構12の入力軸12aは、トルクコンバータ11の出力軸としても機能する。なお、トルクコンバータ11のドライブ側には、上述の機械式オイルポンプ14が接続されている。
自動変速機構12は、主変速機構20と、副変速機構30と、ギアケース40とから構成されており、主変速機構20は、エンジン1の出力軸に整列して配置された第1軸としての入力軸12aに配置されている。この入力軸12aには、ロックアップクラッチ11aを有するトルクコンバータ11が連結され、エンジン1およびモータジェネレータ2側から、トルクコンバータ11、自動変速機構12の順に配置されている。また、入力軸12aにはエンジン1およびモータジェネレータ2のそれぞれの駆動力がトルクコンバータ11を介して伝達されるようになっている。
また、主変速機構20は、プラネタリギアユニット部21と、ブレーキ部22と、クラッチ部23と、カウンタドライブギア24とから構成されており、さらにプラネタリギアユニット部21は、シングルピニオンプラネタリギア25と、ダブルピニオンプラネタリギア26とを備えている。また、プラネタリギアユニット部21には、入力軸12aに対して回転自在に支持された中空軸27、28が設けられている。
シングルピニオンプラネタリギア25は、サンギアS1と、リングギアR1と、これらサンギアS1およびリングギアR1に係合するピニオンP1を回転自在に支持するキャリアCRとから構成されている。
一方、ダブルピニオンプラネタリギア26は、サンギアS2と、リングギアR2と、サンギアS2に係合するピニオンP2aおよびリングギアR2に係合するピニオンP2bのそれぞれを回転自在に支持するキャリアCRとから構成されており、さらにピニオンP2aとピニオンP2bとは互いに係合するようになっている。
また、上述の各中空軸27、28は、サンギアS1およびサンギアS2をそれぞれ入力軸12aに対して相対回転可能に支持するようになっている。
また、キャリアCRは、上述のシングルピニオンプラネタリギア25およびダブルピニオンプラネタリギア26に対して共通である。さらに、上述のピニオンP1とピニオンP2aとは、ともに一体回転可能に連結されている。
ブレーキ部22は、ワンウェイクラッチF1と、ワンウェイクラッチF2と、ブレーキB1と、ブレーキB2と、ブレーキB3とを備えている。
ワンウェイクラッチF1は、ブレーキB2と中空軸28との間に設けられており、一方、ワンウェイクラッチF2は、リングギアR2とギアケース40との間に設けられている。
ブレーキB1は、中空軸28とギアケース40との間に設けられ、前述の中空軸28を選択的にギアケース40に固定してサンギアS2の回転を規制するようになっている。
ブレーキB2は、ワンウェイクラッチF1のアウタレースF1a側とギアケース40との間に設けられ、前述のアウタレースF1a側を選択的にギアケース40に固定してワンウェイクラッチF1のアウタレースF1a側の回転を規制するようになっている。
ブレーキB3は、リングギアR2とギアケース40との間に設けられ、リングギアR2を選択的にギアケース40に固定してリングギアR2の回転を規制するようになっている。
また、クラッチ部23は、クラッチC1と、クラッチC2とを備えている。
クラッチC1は、リングギアR1の外周側と入力軸12aとの間に設けられ、リングギアR1と入力軸12aとを選択的に連結するようになっている。
クラッチC2は、中空軸27と入力軸12aとの間に設けられ、中空軸27と入力軸12aとを選択的に連結するようになっている。
ここで、上述のクラッチC1は、車両の発進時に係合される発進用摩擦係合要素を構成する。
さらに、カウンタドライブギア24は、上述のキャリアCRと一体回転可能にこのキャリアCRに連結されており、これにより主変速機構20の出力部として構成されている。
次いで、副変速機構30は、入力軸12aで構成される第1軸と平行に配置された第2軸31に配置されており、2つのシングルピニオンプラネタリギア32、33と、ブレーキB4と、ブレーキB5と、クラッチC3と、カウンタドリブンギア34とを備えている。
シングルピニオンプラネタリギア32は、サンギアS3と、リングギアR3と、これらサンギアS3およびリングギアR3に係合するピニオンP3を回転自在に支持するキャリアCR3とから構成されている。
また、シングルピニオンプラネタリギア33は、サンギアS4と、リングギアR4と、これらサンギアS4およびリングギアR4に係合するピニオンP4を回転自在に支持するキャリアCR4とから構成されている。
また、上述のサンギアS3およびサンギアS4は、一体に連結されており、この一体に連結されたサンギアS3およびサンギアS4は、第2軸31に対して相対回転可能に支持されている。したがって、副変速機構30においては、シンプソンタイプのギア列が構成されている。
また、キャリアCR3は、第2軸31に連結されており、さらには前述の第2軸31を介してリングギアR4に連結されている。
ブレーキB4は、サンギアS3およびサンギアS4とギアケース40との間に設けられ、前述のサンギアS3およびサンギアS4を選択的にギアケース40に固定して、サンギアS3およびサンギアS4の回転を規制するようになっている。
ブレーキB5は、キャリアCR4とギアケース40との間に設けられ、前述のキャリアCR4を選択的にギアケース40に固定して、キャリアCR4の回転を規制するようになっている。
クラッチC3は、サンギアS3およびサンギアS4とキャリアCR3との間に設けられ、前述のサンギアS3およびサンギアS4とキャリアCR3とを選択的に連結するようになっている。
なお、上述のように構成された副変速機構30においては、前進3速の変速段が形成されるようになっている。
カウンタドリブンギア34は、上述のリングギアR3と一体回転可能にこのリングギアR3に連結されており、上述のカウンタドライブギア24に係合するようになっている。これにより、カウンタドリブンギア34は、副変速機構30の入力部として構成されている。
また、上述のキャリアCR3およびリングギアR4が連結された第2軸31には、減速ギア35が連結されており、副変速機構30の出力部として構成されるようになっている。すなわち、減速ギア35は、副変速機構30から伝達される駆動力を後述するデファレンシャル装置50に伝達するようになっている。
デファレンシャル装置50は、上述の入力軸12aからなる第1軸および第2軸31と平行に配置される車軸51L、51Rと、デフケース52と、このデフケース52に固定された入力ギア53と、デフケース52内部に回転自在に支持されたデフギア54と、このデフギア54にそれぞれ係合するとともに、デフケース52内部に回転自在に支持された左右のサイドギア55、56とから構成されており、車軸51L、51Rは、それぞれ左右のサイドギア55、56と連結している。
これにより、デファレンシャル装置50は、入力ギア53からの回転駆動力がデフギア54を介して左右のサイドギア55、56に伝達され、この左右のサイドギア55、56を介して負荷トルクに対応して分岐され、左右の車軸51L、51Rにそれぞれ伝達されるようになっている。
なお、上述の入力軸12aからなる第1軸、第2軸31、および車軸51L、51Rは、側面から見て三角形状に配置されている。
図3は、本発明の実施の形態に係るアイドルストップ車両に搭載される自動変速機における変速段に応じた摩擦係合要素の係合状態を示す作動表を示す図である。
図3において、「○」は係合を表している。「△」はエンジンブレーキ時のみの係合を表している。「○」や「△」のないものは解放を表している。この作動表に示された組み合わせで、油圧制御装置13(図1参照)による油圧制御によって各ブレーキおよび各クラッチを作動させることで、1速〜5速の前進変速段と、後進変速段とが形成される。
図3に示すように、車両の発進時において形成される1速(1st)の変速段においては、作動表に示されているように、クラッチC1、ワンウェイクラッチF2およびブレーキB5がそれぞれ係合される。したがって、本実施の形態におけるクラッチC1は、前進クラッチとして機能し、本発明において発進用摩擦係合要素を構成している。
次に、本実施の形態に係るアイドルストップ車両の自動変速機に設けられた電動オイルポンプの吐出油圧を設定する油圧補正システムについて、図4を参照して説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係るアイドルストップ車両の自動変速機に設けられた電動オイルポンプの吐出油圧を設定する油圧補正システムの概略を示すブロック図である。
まず、この油圧補正システムの構成について説明する。
図4に示すように、油圧補正システム100は、車両に搭載される前の自動変速機3と、油圧補正制御部60と、エコランECU4とから構成されており、車両に搭載される前の自動変速機3に電動オイルポンプ15を組み付けた後、各自動変速機ユニットに設けられた電動オイルポンプごとに、電動オイルポンプの吐出油圧が最適な油圧になるよう電動オイルポンプを駆動するモータの電流値を補正して、この電流値をエコランECU4に設定するようになっている。なお、エコランECU4のEEPROMには、予め初期目標油圧値に対応した制御値としての電流値が記憶されている。
自動変速機3は、上述の説明の通り、クラッチC1を含む複数のクラッチやブレーキなどの摩擦係合要素を有する自動変速機構12(図2参照)と、前述のクラッチC1を含む複数のクラッチやブレーキなどの摩擦係合要素に供給される作動油を制御する油圧制御装置13と、機械式オイルポンプ14と、モータ16を有する電動オイルポンプ15と、機械式オイルポンプ14および電動オイルポンプ15に作動油を供給するオイルパン70とを含んで構成されている。
油圧制御装置13のクラッチC1近傍の油圧制御回路13a上であって、クラッチC1に作動油を供給する油路には、油圧検出孔13bが形成されており、後述する油圧センサがこの油圧検出孔13bを介して、前述のクラッチC1に供給される作動油の油圧を検出することができるようになっている。この油圧検出孔13bは、クラッチC1の油圧を検出することができる最適な位置に設けるのが好ましい。
また、油圧制御装置13の油圧制御回路13a上であって、電動オイルポンプ15の下流直近には、逆止弁13cが設けられ、この逆止弁13cは、機械式オイルポンプ14側の作動油が電動オイルポンプ15側に逆流しないように作動油の流入を阻止するようになっている。ここで、下流とはオイルが摩擦係合要素に供給される方向を基準に表している。
次いで、油圧制御装置13の油圧制御回路13a上であって、前述の逆止弁13cの下流側の油路には、油圧検出孔13dが形成されており、後述する油圧センサがこの油圧検出孔13dを介して、逆止弁13cを通過後の電動オイルポンプ15の吐出油圧を検出することができるようになっている。この油圧検出孔13dは、電動オイルポンプ15の吐出油圧を検出することができる最適な位置に設けるのが好ましい。
また、機械式オイルポンプ14および電動オイルポンプ15は、その構成は上述の説明の通りであり、ストレーナ71を介してオイルパン70から作動油を吸い上げるようになっている。なお、上述の油圧制御回路13aは、このオイルパン70と各摩擦係合要素との間で形成される。
油圧補正制御部60は、検出ユニット61と、油圧補正装置62とを含んで構成されている。
検出ユニット61は、例えば圧電子素子に代表されるエレメントを内蔵した圧力センサなどの油圧センサを含んで構成されており、この油圧センサは、ハーネスを介して検出ユニット61本体に電気的に接続されるようになっている。さらに、この油圧センサは、上述の油圧検出孔13bおよび油圧検出孔13dに取り付けることによって、クラッチC1油圧および電動オイルポンプ吐出油圧を検出するとともに、各油圧検出孔13b、13dにて検出された各油圧の検出結果を電気信号に置き換えて検出ユニット61本体に出力するようになっている。
したがって、検出ユニット61は、データロガーとしての機能を有し、具体的には各油圧検出孔13b、13dにて油圧センサにより検出されたクラッチC1油圧および電動オイルポンプ吐出油圧それぞれの検出結果が入力されるとともに、この入力された各油圧の検出結果をハーネスで電気的に接続された油圧補正装置62に出力するようになっている。ここで、データロガーの機能を用いて検出結果を保持しておいてもよいし、検出結果をQRコード(登録商標)などの2次元コードに表してもよい。この場合、後述する検出工程と補正工程とを異なる場所で実現することもでき、車両の生産性を向上することができる。
油圧補正装置62は、CPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムなどを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM、入力インターフェース回路および出力インターフェース回路を有しており、検出ユニット61とハーネスなどを介して電気的に接続されている。また、油圧補正装置62のROMには、クラッチC1に供給される実際の油圧が目標油圧値に近づけるため、油圧検出孔13bにおいて検出された油圧(A)と油圧検出孔13dにおいて検出された油圧(B)との差圧値(A−B)に目標油圧値(C)を加算した補正油圧値((C)+(A−B))となるよう補正電流値を求める補正算出式を保持している。この補正算出式としては、例えば前述の補正油圧値によって定まる補正電流値をI(A)として、I(A)←I(C+(A−B))と補正する算出式等が用いられる。
なお、予めこの補正油圧値に対応した補正電流値を示す補正マップを予め実験で定めておき油圧補正装置62のROMに記憶しておいてもよい。ここで、電動オイルポンプ吐出油圧値、クラッチC1油圧値、機械式オイルポンプ14の停止時の最適なクラッチC1の目標油圧値については、便宜上、それぞれA、B、Cと記載している。
また、油圧補正装置62は、前述した目標油圧値(C)に対応した電流値に基づいて駆動された電動オイルポンプ15から作動油が供給されている状態で、各油圧検出孔13b、13dにて油圧センサにより検出されたクラッチC1油圧および電動オイルポンプ吐出油圧それぞれの検出結果が検出ユニット61から入力されるようになっている。
また、油圧補正装置62は、入力された各油圧の検出結果に基づいて、エコランECU4の電流値を補正するようになっている。具体的には、油圧補正装置62は、各油圧検出孔13b、13dにおいて検出された検出結果に基づいて、前進用摩擦係合要素に供給される作動油圧の補正油圧値を算出し、算出した補正油圧値に応じてエコランECU4の電流値を補正するようになっている。
より詳細には、油圧補正装置62のCPUは、検出ユニット61から入力されたクラッチC1油圧と電動オイルポンプ吐出油圧とを比較し、両油圧の差圧値すなわち圧低量(電動オイルポンプ吐出油圧−クラッチC1油圧)を算出するようになっている。そして、油圧補正装置62のCPUは、クラッチC1における実際の油圧値が目標油圧値に近づくように、油圧検出孔13dにおける油圧が((C)+(A−B))となる補正電流値を算出し、エコランECU4に予め記憶された目標油圧値に対応した電流値を補正電流値によって補正するようになっている。この際、油圧補正装置62は、エコランECU4のEEPROMに補正電流値を書き込むようになっている。なお、本実施の形態における油圧補正装置62は、本発明の油圧補正制御手段を構成している。
次に、上述の油圧補正システムにおいて、実行される油圧補正制御について、図5を参照して説明する。
図5は、本発明の実施の形態に係る油圧補正システムの油圧補正装置において実行される油圧補正制御を示すフロー図である。
図5に示すように、油圧補正装置62は、まず電動オイルポンプ15が組み込まれた自動変速機3において電動オイルポンプ15が作動中か否かを判定する(ステップS1)。
次に、油圧補正装置62は、電動オイルポンプ15が作動中と判定した場合には、油圧検出孔13bおよび油圧検出孔13dにおいてそれぞれの油圧(A)、(B)が検出されたか否かを判定する(ステップS2)。そして、油圧補正装置62は、それぞれ油圧(A)、(B)が検出されたと判定した場合には、油圧検出孔13bにおいて検出された油圧(B)と油圧検出孔13dにおいて検出された油圧(A)との差圧値(A−B)を算出する(ステップS3)。すなわち、油圧補正装置62は、検出ユニット61から入力された電動オイルポンプ吐出油圧(A)とクラッチC1油圧(B)とを比較し、両油圧の差圧値すなわち圧低量(A−B)を算出する。
次に、油圧補正装置62は、油圧検出孔13bにおいて検出された油圧(B)と油圧検出孔13dにおいて検出された油圧(A)との差圧値(A−B)が0であるか否かを判定する(ステップS4)。ここで、差圧値(A−B)が所定の閾値未満か否かを判定するようにし、閾値を超えた場合に補正するようにしてもよい。
次に、油圧補正装置62は、差圧値(A−B)が0でない場合には、クラッチC1における実際の油圧値が目標油圧値に近づくように、上述した補正算出式もしくは補正マップに基づいて、油圧検出孔13dにおける油圧が((C)+(A−B))となる電動オイルポンプ15の電流値を補正する補正電流値を算出する(ステップS5)。
一方、前述の差圧値(A−B)が0である場合には、初期目標油圧値が補正されず、そのまま適用される。
次に、油圧補正装置62は、補正電流値をエコランECU4のEEPROMに書き込んで、記憶させる(ステップS6)。
このように、アイドルストップ制御によって、エンジン1が自動停止された場合に、機械式オイルポンプ14による作動油圧としてのATFの加圧を行うことができなくなった場合であっても、次回の発進のためのクラッチC1の油圧を保持することができる。この結果、エンジン停止時においても発進用のクラッチC1の油圧を最適に保持して、次回の発進時においてエンジン1からの動力がクラッチC1を介して車輪に伝達させることができ、エンジン回転数が吹き上がることを防止して、良好な発進を行うことができる。
次に、上述の油圧補正システムを用いて実行される油圧補正方法について、図6を参照して説明する。
図6は、本発明の実施の形態に係る油圧補正システムを用いて実行される油圧補正方法を示すフロー図である。
図6に示すように、まず電動オイルポンプ15が組み付けられた状態の車両に搭載される前の自動変速機3と、各油圧センサを含む検出ユニット61と、油圧補正装置62と、エコランECU4と、各種ハーネスやその他必要な装置等が準備され、これらがそれぞれ接続される(ステップS11)。なお、上述の通り、検出工程と補正工程とを別の場所で行う場合には、各場所において必要となる上述の部材や装置等が準備される。また、この準備工程においては、自動変速機3のオイルパン70には、作動油が充填されている。
次いで、自動変速機3に組み付けられた電動オイルポンプ15が作動させられる(ステップS12)。具体的には、電動オイルポンプ15のモータ16が予め用意された電力源に接続されるとともに、例えば油圧補正装置62からの駆動信号によりエコランECU4を介して電動オイルポンプ15が作動する。これに伴い、電動オイルポンプ15は、油圧制御装置13を介して各摩擦係合要素に作動油を供給する。ここで、本実施の形態におけるステップS12が本発明の作動工程を構成している。
なお、本実施の形態においては、油圧補正装置62からの駆動信号によりエコランECU4を介して電動オイルポンプ15が作動するようにしたが、これに限らず、例えば試験用の装置等からの駆動信号により直接電動オイルポンプ15を作動させてもよい。
次に、油圧補正装置62が、例えば作業者等により油圧検出孔13b、13dにそれぞれ取り付けられた油圧センサから、電動オイルポンプ吐出油圧(A)およびクラッチC1油圧(B)の各油圧の検出結果を検出ユニット61を介して検出する(ステップS13)。ここで、本実施の形態におけるステップS13が本発明の検出工程を構成している。なお、前述の各油圧の検出が行われた後、油圧検出孔13b、13dは、例えばボルト等により封止される。
その後、油圧補正装置62が、油圧検出孔13bにおいて検出された油圧(B)と油圧検出孔dにおいて検出された油圧(A)との差圧値(A−B)を算出する。すなわち、油圧補正装置62は、検出ユニット61から入力された電動オイルポンプ吐出油圧(A)とクラッチC1油圧(B)とを比較し、両油圧の差圧分すなわち圧低量(A−B)を算出する。次いで、油圧補正装置62は、前述の差圧値(A−B)が0でない場合には、クラッチC1における実際の油圧値が目標油圧値に近づくように、上述した補正算出式もしくは補正マップに基づいて、油圧検出孔13dにおける油圧が((C)+(A−B))となる電動オイルポンプ15の電流値を補正する補正電流値を算出する(ステップS14)。一方、前述の差圧値(A−B)が0である場合には、初期目標油圧値が補正されず、そのまま適用される。
次いで、油圧補正装置62が、前述の算出した補正電流値をエコランECU4のEEPROMに書き込んで記憶させる(ステップS15)。ここで、本実施の形態におけるステップS14およびステップS15が本発明の補正工程を構成している。
これにより、エコランECU4によって制御される電動オイルポンプ15は、前述の補正電流値に基づきモータ16を駆動することで電動オイルポンプ吐出油圧を最適な電動オイルポンプ吐出油圧とすることができ、クラッチC1油圧を最適な油圧で維持することができる。なお、油圧補正装置62は、補正工程を別の場所で行う場合には、予め検出しておいた各油圧の検出結果を例えばQRコード(登録商標)などの2次元コードから読み取って、この読み取った各油圧の検出結果に基づき上述の補正工程を行うようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態に係る油圧補正システムは、油圧補正装置62が、油圧検出孔13dおよび油圧検出孔13bにおいて検出された検出結果に基づいてエコランECU4の制御値を補正するので、油圧検出孔13dが形成された位置から油圧検出孔13bが形成された位置の間で作動油の漏れを考慮した電動オイルポンプ15の最適な吐出油圧容量を設定することができる。この結果、ユニットとして製造される各自動変速機3の個体差に応じたその最適な吐出油圧容量を設定することができるので、ユニット毎に電動オイルポンプ15の最適な運転を実現して摩擦係合要素に供給される油圧を最適にすることができる。
また、本実施の形態に係る油圧補正システムは、油圧検出孔13dおよび油圧検出孔13bにおいて検出された検出結果に基づいてエコランECU4の制御値を補正するので、自動変速機内にそれぞれ油圧センサを設けてエコランECUの制御値を補正する場合と比較して自動変速機の製造コストの削減および自動変速機の軽量化や小型化を図ることができる。
また、本実施の形態に係る油圧補正システムは、クラッチC1に供給される作動油圧の補正油圧値(C+(A−B))を算出し、算出した補正油圧値(C+(A−B))に応じてエコランECU4の制御値を設定することができるので、クラッチC1に供給される作動油圧を最適にするための電動オイルポンプ15の最適な吐出油圧容量を設定することができる。
また、本実施の形態に係る油圧補正システムは、車両の発進時に係合する発進用摩擦係合要素としてのクラッチC1に供給される作動油圧を検出することができるので、ドライバビリティに影響を与える発進用摩擦係合要素に供給される作動油圧を最適にすることができる。
なお、本実施の形態に係る油圧補正システムにおいては、発進用クラッチとしてクラッチC1を用いて説明しているが、これに限らず、異なるギヤトレーンに適用される場合には、発進用クラッチを構成するものであればよい。
また、本実施の形態に係る油圧補正システムにおいては、自動変速機として複数の摩擦係合要素を有する有段式の自動変速機構を備えた自動変速機に適用した例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば自動変速機としてベルト式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)に適用するようにしてもよい。この場合、CVTを構成する自動変速機の前進クラッチの作動油圧を制御するため、電動オイルポンプの電流値を上述したような構成で補正するようにしてもよい。このように、電流値を補正することによって、車両停止時に機械式オイルポンプの作動が停止されても再始動時に自動変速機を構成するプライマリプーリに入力されるべく動力を最適に伝達することができる。
以上説明したように、本発明に係る油圧補正システムは、自動変速機の製造コストの削減および自動変速機の軽量化や小型化を図りつつ、ユニットとして製造される各自動変速機の個体差に応じた電動オイルポンプの最適な吐出油圧容量を設定することができ、アイドルストップ車両に搭載される電動オイルポンプの油圧補正システムおよび油圧補正方法に有用である。
本発明の実施の形態に係るアイドルストップ車両の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係るアイドルストップ車両に搭載される自動変速機が備える自動変速機構の概略を示すスケルトン図である。 本発明の実施の形態に係るアイドルストップ車両に搭載される自動変速機における変速段に応じた摩擦係合要素の係合状態を示す作動表を示す図である。 本発明の実施の形態に係るアイドルストップ車両の自動変速機に設けられた電動オイルポンプの吐出油圧を設定する油圧補正システムの概略を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る油圧補正システムの油圧補正装置において実行される油圧補正制御を示すフロー図である。 本発明の実施の形態に係る油圧補正システムを用いて実行される油圧補正方法を示すフロー図である。
符号の説明
1 エンジン
2 モータジェネレータ
3 自動変速機
4 エコランECU(駆動制御手段)
12 自動変速機構
13 油圧制御装置(油圧制御手段)
13b 油圧検出孔(第2の油圧検出孔)
13d 油圧検出孔(第1の油圧検出孔)
14 機械式オイルポンプ
15 電動オイルポンプ
16 モータ(駆動手段)
62 油圧補正装置(油圧補正制御手段)
C1 クラッチC1(発進用摩擦係合要素)

Claims (4)

  1. エンジンの運転状態が自動停止条件を満たすとエンジンを停止するとともに、自動再始動条件を満たすと前記停止したエンジンを再始動するシステムを採用する車両に搭載され、複数の摩擦係合要素を有し変速を実現する自動変速機構と、前記各摩擦係合要素に作動油圧を供給する機械式オイルポンプと、前記自動停止条件が成立して前記エンジンが停止した場合に前記各摩擦係合要素に作動油圧を供給する電動オイルポンプと、を備えた自動変速機の油圧補正システムであって、
    前記電動オイルポンプの駆動を制御値に基づき制御する駆動制御手段と、
    前記電動オイルポンプの吐出油圧を検出するための第1の油圧検出孔と、前記第1の油圧検出孔よりも下流側で前記複数の摩擦係合要素のうち任意の前記摩擦係合要素の作動油圧を検出するための第2の油圧検出孔とが形成され、前記機械式オイルポンプおよび前記電動オイルポンプのうちいずれか一方から供給される前記作動油圧を制御する油圧制御手段と、
    前記第1の油圧検出孔および前記第2の油圧検出孔において検出された検出結果に基づいて、前記駆動制御手段の制御値を補正する油圧補正制御手段と、を備えたことを特徴とする油圧補正システム。
  2. 前記油圧補正制御手段は、前記第1の油圧検出孔および前記第2の油圧検出孔において検出された検出結果に基づいて、前記任意の摩擦係合要素に供給される作動油圧の補正油圧値を算出し、前記算出した補正油圧値に応じて前記駆動制御手段の制御値を設定することを特徴とする請求項1に記載の油圧補正システム。
  3. 前記任意の摩擦係合要素は、車両の発進時に係合する発進用摩擦係合要素であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の油圧補正システム。
  4. エンジンの運転状態が自動停止条件を満たすとエンジンを停止するとともに、自動再始動条件を満たすと前記停止したエンジンを再始動するシステムを採用する車両に搭載され、複数の摩擦係合要素を有し変速を実現する自動変速機構と、前記各摩擦係合要素に作動油圧を供給する機械式オイルポンプと、前記自動停止条件が成立して前記エンジンが停止した場合に前記各摩擦係合要素に作動油圧を供給する電動オイルポンプと、前記電動オイルポンプの駆動を制御値に基づき制御する駆動制御手段と、前記電動オイルポンプの吐出油圧を検出するための第1の油圧検出孔と、前記第1の油圧検出孔よりも下流側で前記複数の摩擦係合要素のうち任意の前記摩擦係合要素の作動油圧を検出するための第2の油圧検出孔とが形成され、前記機械式オイルポンプおよび前記電動オイルポンプのうちいずれか一方から供給される前記作動油圧を制御する油圧制御手段と、を備えた自動変速機の油圧補正方法において、
    前記電動オイルポンプを作動させる作動工程と、
    前記第1の油圧検出孔および前記第2の油圧検出孔に設置される各油圧センサから油圧を検出する検出工程と、
    前記各油圧センサからそれぞれ検出された油圧検出結果に基づいて、前記駆動制御手段の制御値を補正する補正工程と、を備えたことを特徴とする油圧補正方法。
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