JP2010100578A - Htlv−i関連脊髄症を治療または予防するための医薬、およびhtlv−i関連脊髄症の患者に対する抗体療法の効果を予測する方法 - Google Patents

Htlv−i関連脊髄症を治療または予防するための医薬、およびhtlv−i関連脊髄症の患者に対する抗体療法の効果を予測する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】HAMに対する抗体療法に用いられる医薬を提供すること。
【解決手段】本発明の医薬は、HAMを治療またはその発症を予防するための医薬であって、ヒトCCR4に特異的に結合する抗ヒトCCR4抗体またはその断片を含む。HAM患者のHTLV−I感染細胞はCCR4を発現しているため、本発明の医薬はHAMの治療に使用されうる。また、本発明の医薬は、体内のHTLV−I感染細胞の数を減少させることができるため、HAMなどのHTLV−I関連疾患の発病の予防薬としても使用されうる。
【選択図】図5

Description

本発明は、HTLV−I関連脊髄症を治療または予防するための医薬、およびHTLV−I関連脊髄症の患者に対する抗体療法の効果を予測する方法に関する。
現在、ヒトT細胞白血病ウイルスI型(human T-cell leukemia virus type-1;以下「HTLV−I」と略記する)の感染者は、日本に約120万人存在する。感染者の一部はHTLV−I関連脊髄症(HTLV-I associated myelopathy;以下「HAM」と略記する)を発症し、感染者の別の一部は成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia;以下「ATL」と略記する)を発症する。
HAMは、発症者の数が大変少ないため、病因解明および治療薬開発のための研究が進みにくい。現在、HAMに対する有効な治療法は確立されておらず、一刻も早い治療法の開発が切望されている。
HAMの病態の特徴として、末梢血および脳脊髄液中においてHTLV−I感染細胞の数が非常に多くなり、その量に比例して過剰な免疫応答が誘発されて、HTLV−I特異的細胞傷害性Tリンパ球(cytotoxic T lymphocyte)が異常に増加することが挙げられる。HAMの脊髄病変では、神経組織へのウイルス感染は観察されないが、HTLV−I感染CD4T細胞およびそれを取り囲むCD8細胞傷害性Tリンパ球の細胞浸潤、ならびに炎症性サイトカインの過剰産生が観察される。これらのことから、HAMの病態は、感染細胞に起因した過剰な免疫応答による神経組織障害であると考えられている。
これらの病態をふまえたHAMの治療戦略として、(1)HTLV−I感染細胞の排除、(2)過剰免疫応答(脊髄炎症)の沈静化、(3)損傷した脊髄の再生、が挙げられる。HAMを根治するためには、最終的には脊髄の再生治療が必要である。しかし、再生治療を成功させるためには、まず(1)および(2)を実現することが必要不可欠である。これまでのHAMの治療として、(2)過剰免疫応答の沈静化を実現するためにステロイドやインターフェロンなどが用いられてきた。しかし、これらの治療方法は、短期的な効果は発揮するものの長期的には副作用や治療効果の減弱が認められ、治療を継続しても病気が進行し、また病気の主原因である感染細胞の減少効果に乏しいという重大な問題点を抱えている。さらに、HTLV−Iはウイルス遺伝子の発現量が少ないため、逆転写酵素阻害剤またはプロテアーゼ阻害剤による治療効果も乏しい。これらの問題点を解決する治療法として、(1)HTLV−I感染細胞の排除のために感染細胞を特異的に攻撃して死滅させる抗体療法が考えられる。
本発明者は、これまでHTLV−I感染細胞に着目して研究を進めてきた。その結果、HAM患者において、HTLV−IはCD4CD25T細胞に選択的に感染しており、さらにこの感染細胞が免疫応答を過剰に刺激していることがわかった(非特許文献1参照)。CD4CD25T細胞は、自己免疫疾患の発症を抑制する制御性T細胞(regulatory T cell)を含むことが知られている。本発明者は、さらに研究を進めた結果、HAM患者のCD4CD25T細胞において制御性T細胞の量的および機能的減少が認められること、HTLV−Iのtax遺伝子の発現により制御性T細胞のマーカー転写因子であるFoxP3の発現が抑制されることを見出した(非特許文献2参照)。
一方、同じHTLV−Iが引き起こすATLでは、HTLV−I感染細胞をとりまく獲得免疫系がHAMのそれとは全く異なっている。ATLでは、末梢血中のHTLV−I特異的CD8細胞傷害性Tリンパ球の数が非常に少ないことが報告されている。また、ATL患者でも、HTLV−IはCD4CD25T細胞に選択的に感染しているが、ATL患者のHTLV−I感染細胞(CD4CD25)はその多くがFoxP3陽性であることも報告されている。これらのことから、ATLでは、HTLV−I感染CD4CD25制御性T細胞が腫瘍性に増殖し、本来の制御性機能を発揮して宿主に低免疫応答状態を生じさせていると考えられる。
以上のことから、HTLV−I感染細胞の相違が、同一のウイルスによって引き起こされる二つの全く異なる疾患(自己免疫疾患(HAM)と白血病(ATL))の表現型を決定していると考えられる。
近年、CCケモカイン受容体4(C-C chemokinereceptor 4;以下「CCR4」と略記する)が、ATL患者のHTLV−I感染細胞で発現していることが報告されている。これに伴い、ATLに対する抗体療法に用いることができる抗CCR4抗体が開発されている(特許文献1〜4)。現在、ATLを対象として、ヒト化抗CCR4抗体を用いた第I相臨床試験が行われている。
CCR4は、健常者ではTヘルパータイプ2(以下「Th2」と略記する)細胞および制御性T細胞で発現することが知られている。このことから、制御性T細胞の減少が特徴的なHAM患者では、HTLV−I感染細胞はCCR4を発現しないと予想されていた。
国際公開第01/64754号パンフレット 国際公開第03/018635号パンフレット 国際公開第2005/035582号パンフレット 国際公開第2005/053741号パンフレット Yamano Y., Cohen C. J., Takenouchi N., YaoK., Tomaru U., Li H. C., Reiter Y., Jacobson S., "Increased Expression of Human T Lymphocyte Virus Type I (HTLV-I) Tax11-19 Peptide-Human Histocompatibility Leukocyte Antigen A*201 Complexes on CD4+ CD25+ T Cells Detected by Peptide-specific, Major HistocompatibilityComplex-restricted Antibodies in Patients with HTLV-I-associated Neurologic Disease", J Exp Med., 199(10), 1367-1377, 2004. Yamano Y., Takenouchi N., Li H. C., TomaruU., Yao K., Grant C. W., MaricD. A., Jacobson S., "Virus-induced dysfunction of CD4+CD25+ T cells in patients with HTLV-I-associated neuroimmunologicaldisease", J Clin Invest., 115(5), 1361-1368, 2005.
前述のとおり、HAMを効果的に治療するためには、HTLV−I感染細胞を排除しうる抗体療法を開発する必要があるが、HAMに対する抗体療法に使用可能な医薬はまだ開発されていない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、HAMに対する抗体療法に用いられうる医薬、およびその抗体療法の効果を予測する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を行ったところ、驚くべきことにHAM患者のHTLV−I感染細胞(病因細胞)がCCR4を発現することを見出し、さらに検討を加えて本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第一は、以下の医薬に関する。
[1]ヒトCCR4に特異的に結合する抗ヒトCCR4抗体または前記抗体の断片を含む、HTLV−I関連脊髄症を治療または予防するための医薬。
[2]前記抗体は、ヒトCCR4の細胞外領域に特異的に結合する、[1]に記載の医薬。
また、本発明の第二は、以下の予測方法に関する。
[3]HTLV−I関連脊髄症の患者に対する、抗ヒトCCR4抗体または前記抗体の断片を用いた抗体療法の効果を予測する方法であって、前記患者から採取された末梢血単核球細胞を準備するステップと、前記末梢血単核球細胞からヒトCCR4を発現している細胞を除去した細胞群を準備するステップと、前記末梢血単核球細胞の増殖活性および前記細胞群の増殖活性を測定するステップと、前記末梢血単核球細胞の増殖活性および前記細胞群の増殖活性を指標として、前記抗体療法の効果を予測するステップと、を有する予測方法。
[4]前記細胞群の増殖活性が、前記末梢血単核球細胞の増殖活性よりも低いときに、前記抗体療法が前記患者に対して有効であると予測する、[3]に記載の予測方法。
本発明の医薬によれば、HAM患者のHTLV−I感染細胞(病因細胞)を効率的に排除することができるため、HAMを効果的に治療することができる。また、本発明の医薬によれば、HTLV−I感染未発病者の体内のHTLV−I感染細胞の数を減少させることができるため、HAMなどのHTLV−I関連疾患の発病を予防することができる。
さらに、本発明の予測方法によれば、抗体療法を行う前にその患者に対して抗体療法が有効であるか否かを予測することができるため、抗体療法が有効な患者のみに抗体療法を行うことができる。
1.本発明の医薬
本発明の医薬は、HAMを治療またはその発症を予防するための医薬であって、ヒトCCR4に特異的に結合する抗ヒトCCR4抗体またはその断片を含むことを特徴とする。
本発明者は、様々な細胞表面分子についてHAM患者のHTLV−I感染細胞(病因細胞)のマーカーとなりうるか否かを検討したところ、驚くべきことに、CCR4が感染細胞の有用なマーカーとなりうることを見出した。実施例(後述)に示すように、HAM患者の末梢血単核球細胞(peripheral blood mononuclear cells;以下「PBMCs」と略記する)中のCCR4陽性(CCR4)細胞のHTLV−I感染率は、CCR4陰性(CCR4)細胞のHTLV−I感染率よりも極めて高い。このことから、本発明者は、抗CCR4抗体を用いた抗体療法がHAMの治療法となりうる可能性があると考えた。
健常者のPBMCsは、刺激が無ければ試験管内で自発的に増殖することはほとんど無いが、HAM患者のPBMCsは、刺激が無くても試験管内で自発的に増殖することが知られている。この自発的な増殖は、HTLV−I感染細胞(病因細胞)の増殖と、HTLV−I感染細胞により引き起こされた過剰免疫応答を反映しているものと考えられている。本発明者は、抗ヒトCCR4抗体を用いてHAM患者のPBMCsからCCR4細胞を除去したところ、この試験管内における自発的増殖が抑制されることを証明した(実施例参照)。このことから、本発明者は、抗CCR4抗体を用いた抗体療法がHAMの治療法となりうると判断した。
抗CCR4抗体を用いた抗体療法がHAMの治療法となりうるか否かを検討する上で最も重要な点は、副作用をもたらす可能性の有無である。この点について検討するためには、HAMの病態におけるCCR4細胞の役割を明らかにする必要がある。
HAM患者のCD4CD25CCR4T細胞のHTLV−I感染率は極めて高い(実施例参照)。前述のとおり、CCR4は、健常者ではTh2細胞および制御性T細胞で発現することが報告されている。本発明者は、CD4CD25CCR4T細胞におけるFoxP3(制御性T細胞のマーカー分子)の発現について調べた。その結果、ATL患者のCD4CD25CCR4T細胞では、FoxP3の強い発現が見られたが、HAM患者のCD4CD25CCR4T細胞では、FoxP3の発現がほとんど見られなかった。このことから、HAM患者のCD4CD25CCR4T細胞は、制御性T細胞をほとんど含んでいないと考えられる。
また、本発明者は、CD4CD25CCR4T細胞が産生するサイトカイン(インターフェロン−γやインターロイキン2、インターロイキン17など)について調べた。その結果、ATL患者のCD4CD25CCR4T細胞では、炎症性サイトカインであるインターフェロン−γの産生はほとんど見られなかったが、HAM患者のCD4CD25CCR4T細胞では、インターフェロン−γの過剰産生が見られた。このことから、HAM患者のCD4CD25CCR4T細胞は、Th2細胞や制御性T細胞などの抑制性のT細胞の機能を発揮しておらず、むしろ機能異常をきたしていると考えられる。
以上のことから、HAM患者から機能異常のCCR4細胞を除去しても有害性は低いことが予想され、抗CCR4抗体を用いた抗体療法について、現時点では大きな副作用がある可能性は低いと考えられる。
本発明の医薬に含まれる抗ヒトCCR4抗体またはその断片は、ヒトCCR4を発現する細胞(以下「ヒトCCR4発現細胞」という)に特異的に結合しうる抗体またはその断片であれば特に限定されないが、ヒトCCR4発現細胞に対して細胞障害活性を有する抗体またはその断片が好ましい。抗体の細胞障害活性により、HAMの病因細胞を含むヒトCCR4発現細胞を除去することができるからである。また、本発明の医薬に含まれる抗ヒトCCR4抗体またはその断片は、ヒトCCR4発現細胞に特異的に結合するという観点から、ヒトCCR4の細胞外領域に特異的に結合しうる抗体であることが好ましい。
ヒトCCR4発現細胞の例には、CD4CD25CCR4T細胞が含まれる。細胞障害活性の例には、補体依存性細胞障害活性(complement-dependent cytotoxicity;以下「CDC」と略記する)および抗体依存性細胞障害活性(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity;以下「ADCC」と略記する)が含まれる。
本発明の医薬に含まれる抗ヒトCCR4抗体の例には、ヒト型キメラ抗体、ヒト型CDR移植抗体およびヒト抗体が含まれる。
ヒト型キメラ抗体は、ヒト以外の動物の抗体の重鎖可変領域(以下「VH」と略記する)および軽鎖可変領域(以下「VL」と略記する)と、ヒト抗体の重鎖定常領域(以下「CH」と略記する)および軽鎖定常領域(以下「CL」と略記する)とからなる抗体である。可変領域についての動物の種類は、マウスやラット、ハムスター、ウサギなどのハイブリドーマを作製しうる動物であれば特に限定されない。ヒト型キメラ抗体は、ヒトCCR4に特異的に結合するヒト以外の動物の抗体のVHおよびVLをコードするcDNAを取得し、ヒト抗体のCHおよびCLをコードする遺伝子を有する発現ベクターにそれぞれ挿入してヒト型キメラ抗体発現ベクターを構築し、動物細胞へ導入して発現させることで作製されうる。ヒト型キメラ抗体のCHは、ヒトイムノグロブリン(以下「hIg」と略記する)であれば特に限定されないが、hIgGクラスのものが好ましい。ヒト型キメラ抗体のCLは、hIgに属すれば特に限定されない。
ヒト型CDR移植抗体は、ヒト以外の動物の抗体のVHおよびVLの相補性決定領域(以下「CDR」と略記する)をヒト抗体のVHおよびVLの適切な位置に移植した抗体である。ヒト型CDR移植抗体は、CCR4に特異的に結合するヒト以外の動物の抗体のVHおよびVLのCDRを任意のヒト抗体のVHおよびVLのフレームワーク(以下「FR」と略記する)に移植したV領域をコードするcDNAを構築し、ヒト抗体のCHおよびCLをコードするDNAを有する発現ベクターにそれぞれ挿入してヒト型CDR移植抗体発現ベクターを構築し、動物細胞へ導入して発現させることで、作製されうる。ヒト抗体のVHおよびVLのFRのアミノ酸配列は、ヒト抗体由来のアミノ酸配列であれば特に限定されない。ヒト型CDR移植抗体のCHは、hIgであれば特に限定されないが、hIgGクラスのものが好ましい。ヒト型CDR移植抗体のCLは、hIgに属すれば特に限定されない。
本発明の医薬に含まれる抗ヒトCCR4抗体の断片の例には、上記各抗体の断片が含まれる。抗体の断片の種類は特に限定されず、例えばFab、Fab’、F(ab’)、scFv、diabody、dsFv、CDRを含むペプチドなどである。
Fabは、IgGをパパイン(タンパク質分解酵素)で処理して得られる断片のうち、分子量約5万の抗原結合活性を有する抗体断片である。抗ヒトCCR4抗体のFabは、抗ヒトCCR4抗体をパパインで処理するか、前記抗体のFabをコードするDNAを発現ベクターに挿入し、このベクターを原核生物あるいは真核生物へ導入して発現させることで、作製されうる。
F(ab’)は、IgGをペプシン(タンパク質分解酵素)で処理して得られる断片のうち、分子量約10万の抗原結合活性を有する抗体断片である。抗ヒトCCR4抗体のF(ab’)は、抗ヒトCCR4抗体をペプシンで処理するか、Fab’(後述)をチオエーテル結合またはジスルフィド結合で結合させることで、作製されうる。
Fab’は、F(ab’)のヒンジ領域のジスルフィド結合を切断した分子量約5万の抗原結合活性を有する抗体断片である。抗ヒトCCR4抗体のFab’は、抗ヒトCCR4抗体のF(ab’)をジチオスレイトールで処理するか、前記抗体のFab’をコードするDNAを発現ベクターに挿入し、このベクターを原核生物または真核生物へ導入して発現させることで、作製されうる。
scFvは、1本のVHと1本のVLとを適当なペプチドリンカーを用いて連結した抗原結合活性を有する抗体断片である。抗ヒトCCR4抗体のscFvは、抗ヒトCCR4抗体のVHおよびVLをコードするcDNAを取得し、scFvをコードするDNAを構築し、このDNAを発現ベクターに挿入し、この発現ベクターを原核生物または真核生物へ導入して発現させることで、作製されうる。
diabodyは、scFvが二量体化した抗体断片で、二価の抗原結合活性を有する抗体断片である。抗ヒトCCR4抗体のdiabodyは、抗ヒトCCR4抗体のVHおよびVLをコードするcDNAを取得し、diabodyをコードするDNAを構築し、このDNAを発現ベクターに挿入し、この発現ベクターを原核生物または真核生物へ導入して発現させることで、作製されうる。
dsFvは、VHおよびVL中のそれぞれ1アミノ酸残基をシステイン残基に置換したポリペプチドを、システイン残基間のジスルフィド結合を介して結合させた抗体断片である。抗ヒトCCR4抗体のdsFvは、抗ヒトCCR4抗体のVHおよびVLをコードするcDNAを取得し、dsFvをコードするDNAを構築し、このDNAを発現ベクターに挿入し、この発現ベクターを原核生物または真核生物へ導入して発現させることで、作製されうる。
CDRを含むペプチドは、VHまたはVLのCDRの少なくとも1領域以上を含むペプチドである。抗ヒトCCR4抗体のCDRを含むペプチドは、抗ヒトCCR4抗体のVHおよびVLのCDRをコードするDNAを構築し、このDNAを発現ベクターに挿入し、この発現ベクターを原核生物または真核生物へ導入して発現させることで、作製されうる。また、抗ヒトCCR4抗体のCDRを含むペプチドは、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t−ブチルオキシカルボニル法)などの化学合成法によっても作製することができる。
前述のとおり、本発明の医薬に含まれる抗ヒトCCR4抗体またはその断片は、ヒトCCR4発現細胞に対して細胞障害活性を有する抗体またはその断片が好ましい。ヒトCCR4発現細胞に対して細胞障害活性を有する抗体の例には、N−グリコシド結合複合型糖鎖をFc領域に有する抗ヒトCCR4抗体であって、前記N−グリコシド結合複合型糖鎖の還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない抗ヒトCCR4抗体が含まれる。このように還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していないN−グリコシド結合複合型糖鎖を有する抗体は、強いADCC活性を有することが知られている(特許文献3参照)。また、ヒトCCR4発現細胞に対して細胞障害活性を有する抗体の断片の例には、N−グリコシド結合複合型糖鎖を含む抗体Fc領域を有する抗ヒトCCR4抗体の断片であって、前記N−グリコシド結合複合型糖鎖の還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない抗ヒトCCR4抗体の断片が含まれる。
本発明の医薬に含まれる抗ヒトCCR4抗体またはその断片は、例えば、前述の特許文献1〜4に記載された抗ヒトCCR4抗体またはその断片である。
本発明の抗ヒトCCR4抗体またはその断片を含む医薬は、HAM治療薬として単独でも投与されうるが、通常は薬理学的に許容される1または2以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られる任意の方法により製造した医薬製剤として提供されるのが好ましい。
投与経路は、特に限定されず、HAMの治療に最も効果的なものを適宜選択することができる。投与経路の例には、経口投与、ならびに口腔内投与や気道内投与、直腸内投与、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与などの非経口投与が含まれる。通常は、静脈内投与が好ましい。
投与形態も、特に限定されず、投与経路などに応じて適宜選択することができる。投与形態の例には、注射剤や噴霧剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、シロップ剤、座剤、軟膏、テープ剤などが含まれる。経口投与に適当な製剤としては、乳剤、シロップ剤、カプセル剤、錠剤、散剤、顆粒剤などが挙げられる。非経口投与に適当な製剤としては、注射剤、座剤、噴霧剤などが挙げられる。通常は、注射剤が好ましい。
注射剤は、塩溶液またはブドウ糖溶液あるいは両者の混合物からなる担体などを用いて調製されうる。また、粉末注射剤は、抗ヒトCCR4抗体またはその断片を常法に従って凍結乾燥し、これに塩化ナトリウムを加えることにより製造されうる。
投与量および投与回数は、目的とする治療効果、投与方法、治療期間、年齢、体重などにより異なるが、有効成分の量として通常成人1日あたり10μg/kg〜20mg/kg程度である。
本発明の医薬は、HAM患者体内のHTLV−I感染細胞(病因細胞)を除去して過剰な免疫応答を抑制しうるので、HAMに対する抗CCR4抗体を用いた抗体療法に使用されうる。すなわち、本発明の医薬は、HAMの治療薬として使用されうる。
また、本発明の医薬は、HTLV−I感染未発病者に対する発症予防薬としても使用されうる。HTLV−I感染未発病者において、ウイルス感染細胞数の多い集団は、HTLV−I関連疾患の発病リスクが高いことが知られている。したがって、ウイルス感染細胞数を減らすことは、発症の予防に有効である。本発明の医薬は、体内のHTLV−I感染細胞の数を減少させることができるため、HAMなどのHTLV−I関連疾患の発病の予防薬としても使用されうる。
2.本発明の予測方法
本発明の予測方法は、HAM患者(被験者)に対する、抗ヒトCCR4抗体またはその断片を用いた抗体療法の効果を予測する方法である。
本発明の予測方法は、(1)HAM患者から採取されたPBMCsを準備する第1のステップと、(2)第1のステップで準備したPBMCsからヒトCCR4を発現している細胞を除去した細胞群を準備する第2のステップと、(3)第1のステップで準備したPBMCsの増殖活性および第2のステップで準備した細胞群の増殖活性を測定する第3のステップと、(4)第3のステップで測定したPBMCsの増殖活性および前記細胞群の増殖活性を指標として、前記抗体療法の効果を予測する第4のステップとを含む。
第1のステップでは、HAM患者から採取されたPBMCsを準備する。このPBMCsには、HTLV−I感染細胞(病因細胞)が含まれている(実施例参照)。PBMCsを準備する方法は、特に限定されない。例えば、患者の血液から常法により末梢血単核球細胞を分離すればよい。
第2のステップでは、第1のステップで準備したPBMCsからヒトCCR4を発現している細胞を除去した細胞群を準備する。この工程は、抗体療法における抗CCR4抗体の作用を模したものである。
前述のとおり、HTLV−I感染細胞(病因細胞)の多くはCCR4を発現している。したがって、この工程により、PBMCsからHTLV−I感染細胞の多くを除去することができると考えられる。PBMCsからCCR4を発現している細胞を除去する方法は特に限定されず、抗CCR4抗体を用いた磁気ビーズ法やカラム法などの当業者に公知の方法から適宜選択すればよい。
第3のステップでは、第1のステップで準備したPBMCsの増殖活性および第2のステップで準備した細胞群の増殖活性を測定する。
細胞の増殖活性を測定する方法は特に限定されず、H−チミジン取り込み法などの当業者に公知の方法から適宜選択すればよい。HTLV−I感染細胞(病因細胞)では、培養開始後6〜7日目に増殖活性が最も高くなる。したがって、本発明の予測方法では、培養開始後6〜7日目における細胞の増殖活性を測定することが好ましい。細胞の培養方法は、当業者に公知の方法から適宜選択すればよい。
第4のステップでは、第3のステップで測定したPBMCsの増殖活性および前記細胞群の増殖活性を指標として、前記抗体療法の効果を予測する。
前述のとおり、健常者の末梢血単核球細胞は、刺激が無ければ試験管内で自発的に増殖することはほとんど無いが、HAM患者の末梢血単核球細胞は、刺激が無くても試験管内で自発的に増殖することが知られている。この自発的な増殖は、HTLV−I感染細胞(病因細胞)の増殖と、HTLV−I感染細胞により引き起こされた過剰免疫応答を反映しているものと考えられている。したがって、患者ごとに個人差はあるものの、第1のステップで準備したPBMCsの増殖活性は通常高い。一方、この自発的増殖がHTLV−I感染細胞により引き起こされたものであるならば、第2のステップで準備した細胞群の増殖活性は、第1のステップで準備したPBMCsの増殖活性よりも低いはずである。したがって、第2のステップで準備した細胞群の増殖活性が、第1のステップで準備した末梢血単核球細胞の増殖活性よりも低いときに、前記抗体療法が前記患者に対して有効であると予測する。
本発明の予測方法は、抗体療法を行う前にその患者に対して抗体療法が有効であるか否かを予測することができる。
以下、本発明を実施例を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
[実施例1]
本実施例では、HAMに抗CCR4抗体を用いた抗体療法が適用可能であることを示すため、HAM患者のPBMCsに含まれるHTLV−I感染細胞の多くがCCR4を発現していることを示す。
1.PBMCsの調製と細胞の分離
HAM患者の血液からフィコール遠心比重法によりPBMCsを分離した。得られたPBMCsからCD4CD25の細胞およびCD4CD25の細胞をフローサイトメーター(FACSCalibur;ベクトン・ディッキンソン社)を用いて分離した。抗CD4抗体には、FITC標識マウス抗ヒトCD4抗体(eバイオサイエンス社)を用いた。抗CD25抗体には、APC標識マウス抗ヒトCD25抗体(ベクトン・ディッキンソン社製)を用いた。
図1(A)は、HAM患者のPBMCsにおけるCD4およびCD25の発現パターンを示す2パラメータドットプロットである。図中「B」で示す領域に含まれる細胞をCD4CD25の細胞として分離し、「C」で示す領域に含まれる細胞をCD4CD25の細胞として分離した。
次いで、CD4CD25の細胞集団からCCR4の細胞およびCCR4の細胞をフローサイトメーター(JSAN;ベイバイオサイエンス社)を用いて分離した。同様に、CD4CD25の細胞集団からCCR4の細胞およびCCR4の細胞を分離した。抗CCR4抗体には、PE−Cy7標識マウス抗ヒトCCR4抗体(1G1;ベクトン・ディッキンソン社)を用いた。結果として、HAM患者のPBMCsから、(1)CD4CD25CCR4、(2)CD4CD25CCR4、(3)CD4CD25CCR4、(4)CD4CD25CCR4の4つの細胞集団を得た。
図1(B)は、CD4CD25の細胞集団(図1(A)の「B」で示す領域に含まれる細胞)におけるCCR4の発現パターンを示すヒストグラムである。図中破線の左側の領域に含まれる細胞を(1)CD4CD25CCR4細胞として分離し、破線の右側の領域に含まれる細胞を(2)CD4CD25CCR4細胞として分離した。
図1(C)は、CD4CD25の細胞集団(図1(A)の「C」で示す領域に含まれる細胞)におけるCCR4の発現パターンを示すヒストグラムである。図中破線の左側の領域に含まれる細胞を(3)CD4CD25CCR4細胞として分離し、破線の右側の領域に含まれる細胞を(4)CD4CD25CCR4細胞として分離した。
2.HTLV−Iウイルス量の測定
上記(1)〜(4)の各細胞集団について、リアルタイムPCR法により100細胞あたりのプロウイルスのコピー数を測定した。
図2は、各細胞集団についてのプロウイルスのコピー数を測定した結果を示すグラフ(n=8)である。このグラフに示されるように、(4)CD4CD25CCR4T細胞に感染しているHTLV−Iの数は、(3)CD4CD25CCR4T細胞に感染しているHTLV−Iの数に比べて有意に多かった。また、(2)CD4CD25CCR4T細胞に感染しているHTLV−Iの数も、(1)CD4CD25CCR4T細胞に感染しているHTLV−Iの数に比べて有意に多かった。
以上の結果から、HAM患者のPBMCs中のHTLV−I感染細胞では、CCR4が発現していることがわかる。このことから、HAMに抗CCR4抗体を用いた抗体療法が適用可能であると考えられる。
[実施例2]
本実施例では、HAMに抗CCR4抗体を用いた抗体療法が適用可能であることを示すため、抗CCR4抗体を用いてCCR4細胞を除去することで、PBMCs中のHTLV−I感染細胞の数を減少させうることを示す。
1.PBMCsの調製と細胞の分離
HAM患者の血液からフィコール遠心比重法によりPBMCsを分離した。得られたPBMCsからCCR4の細胞集団およびCCR4の細胞集団を磁気ビーズを含むキット(Rat Anti-Mouse IgG1 MicroBeads;ミルテニーバイオテク社)を用いて分離した。抗CCR4抗体には、マウス抗ヒトCCR4抗体(KM2160;協和発酵キリン株式会社)を用いた。以下、KM2160抗体に結合した細胞集団(CCR4の細胞集団)をKM2160(+)と略記し、KM2160抗体に結合しなかった細胞集団(CCR4の細胞集団)をKM2160(−)と略記する。
2.細胞の培養
丸底の96ウェルマイクロプレートの各ウェルにRPMI培地(5%ヒト血清、1%ペニシリン、1%ストレプトマイシンを添加)を分注した。RPMI培地を分注したウェルに5×10個のKM2160(−)を播き、37℃、5%CO雰囲気下で7日間培養した。対照として、RPMI培地を分注したウェルに5×10個のPBMCsを播き、37℃、5%CO雰囲気下で7日間培養した。
3.HTLV−Iウイルス量の測定
PBMCsから分離した直後のKM2160(+)およびKM2160(−)について、リアルタイムPCR法により100細胞あたりのプロウイルスのコピー数を測定した。
また、7日間の培養後のKM2160(−)およびPBMCsについても、リアルタイムPCR法により100細胞あたりのプロウイルスのコピー数を測定した。
図3は、PBMCsから分離した直後のKM2160(+)およびKM2160(−)についてのプロウイルスのコピー数を測定した結果を示すグラフである。このグラフに示されるように、KM2160(−)に感染しているHTLV−Iの数は、KM2160(+)に感染しているHTLV−Iの数に比べて有意に少なかった。このことは、抗ヒトCCR4抗体がHTLV−I感染細胞にある程度特異的に結合していること、および抗ヒトCCR4抗体を用いて体内のHTLV−I感染細胞を減少させうることを示唆する。
図4は、培養後のKM2160(−)およびPBMCsについてのプロウイルスのコピー数を測定した結果を示すグラフである。このグラフに示されるように、KM2160(−)に感染しているHTLV−Iの数は、7日間の培養後もPBMCsに感染しているHTLV−Iの数に比べて有意に少なかった。このことは、抗ヒトCCR4抗体を用いて体内のHTLV−I感染細胞を減少させることで、ある程度の期間はHTLV−I感染細胞の数が少ない状態を維持しうることを示唆する。
以上の結果から、HAM患者のPBMCs中のHTLV−I感染細胞の数を抗ヒトCCR4抗体を用いて減少させうることがわかる。このことから、HAMに抗CCR4抗体を用いた抗体療法が適用可能であると考えられる。
[実施例3]
本実施例では、本発明の予測方法により抗ヒトCCR4抗体を用いた抗体療法がHAM患者に効果があるかどうかを予測した例を示す。
1.PBMCsの調製と細胞の分離
HAM患者(n=3)の血液からフィコール遠心比重法によりPBMCsを分離した。実施例2と同様の手順により、得られたPBMCsからKM2160(+)およびKM2160(−)を分離した。
2.細胞の培養
丸底の96ウェルマイクロプレートの各ウェルにRPMI培地(5%ヒト血清、1%ペニシリン、1%ストレプトマイシンを添加)を分注した。PBMCs、KM2160(+)およびKM2160(−)を、RPMI培地を分注したウェルにそれぞれ5×10個播き、37℃、5%CO雰囲気下で6日間培養した。
3.細胞増殖活性の測定
培養後のPBMCs、KM2160(+)およびKM2160(−)について、H−チミジンを16時間取り込ませて細胞増殖活性を測定した。
図5は、PBMCsおよびKM2160(−)の細胞増殖活性を患者ごとに示したグラフである。図6は、3名のHAM患者の結果をまとめた結果を示すグラフである。これらのグラフに示されるように、すべてのHAM患者においてKM2160(−)の増殖活性はPBMCsの増殖活性に比べて有意に減少していたが、増殖活性の減少度は患者ごとに異なっていた。このことは、HAM患者ごとに、抗ヒトCCR4抗体を用いた抗体医療の効果が異なることを示唆する。今回の場合、HAM1およびHAM3の患者は、HAM2の患者よりも抗体医療がより有効であると予測される。
なお、図5および図6において、KM2160(−)においても細胞増殖活性が見られるのは、KM2160抗体でHTLV−I感染細胞を完全には除去できていないこと、およびKM2160抗体で除去されない細胞群なども増殖活性を有することによるものと考えられる。また、ここでは結果を示さないが、HAM患者のKM2160(+)の増殖活性は、健常者のKM2160(+)の増殖活性よりも有意に高かった。
以上の結果から、本発明の予測方法により抗ヒトCCR4抗体を用いた抗体療法がHAM患者に効果があるかどうかを予測可能であると考えられる。
本発明の医薬は、例えば、HAMの治療薬として有用である。また、本発明の予測方法は、例えば、HAM患者に対して抗体療法を行う前の治療効果予測試験として有用である。
(A)はHAM患者のPBMCsにおけるCD4およびCD25の発現パターンを示す2パラメータドットプロットである。(B)はCD4CD25の細胞集団におけるCCR4の発現パターンを示すヒストグラムである。(C)はCD4CD25の細胞集団におけるCCR4の発現パターンを示すヒストグラムである。 5つの細胞集団におけるプロウイルスのコピー数を測定した結果を示すグラフである。 分離直後のKM2160(+)およびKM2160(−)におけるプロウイルスのコピー数を測定した結果を示すグラフである。 培養後のKM2160(−)およびPBMCsにおけるプロウイルスのコピー数を示すグラフである。 PBMCsおよびKM2160(−)の細胞増殖活性を示すグラフである。 PBMCsおよびKM2160(−)の細胞増殖活性を示すグラフである。

Claims (4)

  1. ヒトCCR4に特異的に結合する抗ヒトCCR4抗体または前記抗体の断片を含む、HTLV−I関連脊髄症を治療または予防するための医薬。
  2. 前記抗体は、ヒトCCR4の細胞外領域に特異的に結合する、請求項1に記載の医薬。
  3. HTLV−I関連脊髄症の患者に対する、抗ヒトCCR4抗体または前記抗体の断片を用いた抗体療法の効果を予測する方法であって、
    前記患者から採取された末梢血単核球細胞を準備するステップと、
    前記末梢血単核球細胞からヒトCCR4を発現している細胞を除去した細胞群を準備するステップと、
    前記末梢血単核球細胞の増殖活性および前記細胞群の増殖活性を測定するステップと、
    前記末梢血単核球細胞の増殖活性および前記細胞群の増殖活性を指標として、前記抗体療法の効果を予測するステップと、
    を有する予測方法。
  4. 前記細胞群の増殖活性が、前記末梢血単核球細胞の増殖活性よりも低いときに、前記抗体療法が前記患者に対して有効であると予測する、請求項3に記載の予測方法。
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