JP2010017130A - 自己免疫疾患の病因細胞の分離方法および自己免疫疾患の診断補助方法 - Google Patents

自己免疫疾患の病因細胞の分離方法および自己免疫疾患の診断補助方法 Download PDF

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Abstract

【課題】自己免疫疾患の病因細胞の分離方法および自己免疫疾患の診断補助方法ならびにHAMの病因細胞の分離方法および診断補助方法を提供すること。
【解決手段】自己免疫疾患の病因細胞の分離方法であって、被験者から採取された生体試料から、CD4、CD25、CCR4およびFoxP3lowの細胞を分離するステップを含む。本方法によって分離された細胞を用いれば、自己免疫疾患の診断補助、重症度の判定、治療効果の評価などを迅速かつ容易におこなうことができる。また、本方法によって分離された細胞を用いれば、自己免疫疾患の根本的治療方法を開発することも可能である。
【選択図】図2

Description

本発明は、自己免疫疾患の病因細胞の分離方法および自己免疫疾患の診断補助方法に関する。
自己免疫疾患の病態は「過剰な免疫応答」であるが、その過剰免疫応答の主原因となっている細胞はまだ不明である。自己免疫疾患の根本的な治療法を開発するためには、その病因細胞を明らかにすることが必要であるが、自己免疫疾患の病因細胞を特定することはこれまで困難であった。
また、自己免疫疾患は「自己免疫寛容」が低い状態で発症する。自己免疫寛容には、T細胞の一種であり、CD4、CD25およびFoxP3を指標として特定される「制御性T細胞」が寄与しているとの報告がなされている。さらに、実験動物から制御性T細胞を除去すると、各種の臓器で自己免疫疾患が発症することが報告されている(非特許文献1参照)。
一方、自己免疫疾患の一つとしてHTLV−I関連脊髄症(以下、「HAM」とも呼ぶ)が知られている。HAMは、末梢血HTLV−I感染CD4陽性T細胞が脊髄の中に浸潤することによって惹起される慢性脊髄炎の病理像を呈する難治性神経疾患である(非特許文献2参照)。この疾患の原因となるウイルスは、HTLV−Iというレトロウイルスであり、垂直感染(特に、授乳感染)、血液感染、性感染などによって感染する。HAMの症状は、胸髄の側索を走行する錐体路が侵されることによる、歩行障害、排尿障害などである。
Mitchell Kronenberg and Alexander Rudensky, "Regulation of immunity by self-reactive T cells," Nature, 2 June 2005, 435, p.598-604. Shibayama K. et al., "Interferon-alpha treatment in HTLV-I-associated myelopathy: Studies of clinical and immunological aspects," J Neurol Sci, 1991, 106, p.186-192.
これまでの報告からHTLV−IはCD4、CD25およびCCR4のT細胞に選択的に感染することが知られている。しかし、CD4、CD25およびCCR4のT細胞集団のうち、どの細胞がHAMの病因細胞となっているかは明らかになっていなかった。
またHAMも自己免疫疾患であることから、HAMの病因細胞と自己免疫疾患の病因細胞とは共通のグループに属する可能性がある。したがって、HAMの病因細胞を特定することで、自己免疫疾患全般の病因細胞を特定できる可能性がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、自己免疫疾患の病因細胞の分離方法および自己免疫疾患の診断補助方法、特にHAMの病因細胞の分離方法および診断補助方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、HAMを自己免疫疾患のモデルとして研究することで、HTLV−I感染細胞(CD4、CD25およびCCR4)のうちFoxP3lowの細胞が自己免疫疾患の病因細胞であることを見出し、さらに検討を加えて本発明を完成させた。
本発明の第1は、以下に示す自己免疫疾患の病因細胞の分離方法である。
[1] 被験者から採取された生体試料から、CD4、CD25およびCCR4の細胞であって、FoxP3lowまたはCD127の細胞を分離するステップを含む、自己免疫疾患の病因細胞の分離方法。
[2] 前記細胞は、CD4、CD25およびCCR4の細胞であって、FoxP3lowまたはCD127の細胞のうち、サイトカインを産生する細胞である、[1]に記載の自己免疫疾患の病因細胞の分離方法。
[3] 前記サイトカインはインターフェロンγであり、前記自己免疫疾患はHTLV−I関連脊髄症である、[2]に記載の自己免疫疾患の病因細胞の分離方法。
[4] 前記生体試料は末梢血単核球である、[1]〜[3]のいずれかに記載の自己免疫疾患の病因細胞の分離方法。
本発明の第2は、以下に示す自己免疫疾患の診断補助方法である。
[5] 被験者から採取された生体試料を準備するステップ、前記生体試料内における、CD4、CD25およびCCR4の細胞であって、FoxP3lowまたはCD127の細胞の割合を測定するステップ、および前記細胞の割合を指標として、前記被験者が自己免疫疾患を発病している可能性を判断するステップ、を含む自己免疫疾患の診断補助方法。
[6] 前記細胞は、生体試料内における、CD4、CD25およびCCR4の細胞であって、FoxP3lowまたはCD127の細胞のうち、サイトカインを産生する細胞である、[5]に記載の自己免疫疾患の診断補助方法。
[7] 前記サイトカインはインターフェロンγであり、前記自己免疫疾患はHTLV−I関連脊髄症である、[6]に記載の自己免疫疾患の診断補助方法。
本発明の第3は、以下に示す自己免疫疾患の重症度の判断方法である。
[8] 自己免疫疾患患者から採取された生体試料を準備するステップ、前記生体試料内における、CD4、CD25およびCCR4の細胞であって、FoxP3lowまたはCD127の細胞の割合を測定するステップ、および前記細胞の割合を指標として、自己免疫疾患の重症度を判断するステップ、を含む自己免疫疾患の重症度を判断する方法。
[9] 前記細胞は、生体試料内における、CD4、CD25およびCCR4の細胞であって、FoxP3lowまたはCD127の細胞のうち、サイトカインを産生する細胞である、[8]に記載の自己免疫疾患の重症度を判断する方法。
[10] 前記サイトカインはインターフェロンγであり、前記自己免疫疾患はHTLV−I関連脊髄症である、[9]に記載の自己免疫疾患の重症度を判断する方法。
本発明の第4は、以下に示す自己免疫疾患の治療薬のスクリーニング方法である。
[11] 自己免疫疾患患者から採取された生体試料を培養するステップ、前記培養された生体試料に自己免疫疾患の治療薬候補物質を投与するステップ、前記生体試料内における、CD4、CD25およびCCR4の細胞であって、FoxP3lowまたはCD127の細胞の割合を指標として、前記治療薬候補物質を評価するステップを含む、自己免疫疾患の治療薬のスクリーニング方法。
[12] 前記細胞は、生体試料内における、CD4、CD25およびCCR4の細胞であって、FoxP3lowまたはCD127の細胞のうち、サイトカインを産生する細胞である、[11]に記載の自己免疫疾患の治療薬のスクリーニング方法。
[13] 前記サイトカインはインターフェロンγであり、前記自己免疫疾患はHTLV−I関連脊髄症である、[12]に記載の自己免疫疾患の治療薬のスクリーニング方法。
本発明の第5は、以下に示す自己免疫疾患の治療薬のスクリーニング用キットである。
[14] 自己免疫疾患患者から採取された生体試料から分離されたCD4、CD25およびCCR4の細胞であって、FoxP3lowまたはCD127の細胞を含む、自己免疫疾患の治療薬のスクリーニング用キット。
本発明によれば、自己免疫疾患、特にHAMの診断補助、重症度の判定、治療効果の評価などを迅速かつ容易におこなうことができる。したがって、本発明によれば、HAMの診断および治療をより早期に行うことが可能となり、患者のQOLを向上させることができる。
1.本発明の自己免疫疾患の病因細胞の分離方法
本発明の自己免疫疾患の病因細胞の分離方法は、被験者から採取された生体試料からCD4、CD25、CCR4およびFoxP3lowの細胞(以下、「病因細胞」という)を分離するステップを含むことを特徴とする。
生体試料は、少なくともT細胞集団を含む試料である。このような生体試料の例には、被験者から採取した血液や、血液に含まれる血球、末梢血単核球などが含まれる。好ましい生体試料は、末梢血単核球である。末梢血単核球を分離する方法は、当業者に公知の技術(例えば比重法など)を用いることができる。
準備した生体試料から病因細胞を分離する。生体試料から病因細胞を分離する方法は、当業者にとって公知の方法を用いることができる。細胞を分離する方法の例には、ソーテイング機能を有したフローサイトメーターを用いた分離方法や、磁気ビーズを用いた分離方法などが含まれる。
また、病因細胞を生体試料から分離するステップの数は、1であってもよいし2以上であってもよい。つまり、生体試料から、CD4、CD25、CCR4およびFoxP3lowの細胞を1ステップで分離してもよいし、生体試料から、まずCD4およびCD25の細胞集団を分離し、CD4およびCD25の細胞集団のなかからCCR4およびFoxP3lowの細胞を分離することで、病因細胞を分離してもよい。
CD4とは、例えば、末梢血単核球におけるCD4の発現量をフローサイトメトリーで解析したときに確認される、CD4の発現量が高い細胞集団と同程度のCD4の発現量を有することを意味する。
CD25とは、例えば末梢血単核球におけるCD25の発現量をフローサイトメトリーで解析したときに確認される、CD25の発現量が高い細胞集団と同程度のCD25の発現量を有することを意味する。
CCR4とは、例えば、末梢血単核球におけるCCR4の発現量をフローサイトメトリーで解析したときに確認される、CCR4の発現量が高い細胞集団と同程度のCCR4の発現量を有することを意味する。
一方、FoxP3lowとは、転写制御因子であるFoxP3は発現しているがその発現量が少ないことを意味する。FoxP3の発現量が少ないとは、FoxP3の発現量が、末梢血単核球におけるCD4、CD25およびCD45ROの細胞のFoxP3の発現量と同程度であることを意味する(実施例1、図1A参照)。すなわち本発明の病因細胞のFoxP3の発現量は、CD4、CD25およびCD45ROの細胞のFoxP3の発現量と同程度である。
また、CD45ROとは、例えば、末梢血単核球におけるCD45ROの発現量をフローサイトメトリーで解析したときに確認される、CD45ROの発現量が低い細胞集団と同程度のCD45ROの発現量を有することを意味する。
本発明ではFoxP3lowに代えてFoxP3と発現量が反比例するCD127を指標として用いることができる。すなわちCD4、CD25、CCR4およびCD127を指標として分離した細胞も「病因細胞」である。
また、FoxP3は細胞内タンパク質であるのに対し、CD127は、細胞表面抗原であることからCD4、CD25、CCR4およびCD127を指標として細胞を分離することで、病因細胞を生きたままで分離することができる。
本発明の分離方法によって分離した細胞は、自己免疫疾患の病因細胞を含むことから(実施例2参照)、自己免疫疾患の指標となりうる。例えば、被験者から採取した生体試料(例えば末梢血単核球)内における病因細胞の割合を測定することで、被験者が自己免疫疾患を発病している可能性を判定できる。また、自己免疫疾患患者から本発明によって分離された病因細胞を用いて自己免疫疾患の治療薬をスクリーニングすることもできる。
さらに、本発明によって分離された病因細胞はサイトカインを産生する。また、病因細胞が産生するサイトカインの種類は自己免疫疾患の種類によって異なる。したがって、病因細胞が産生するサイトカインの種類に基づいて自己免疫疾患の種類を特定することもできる。例えば、病因細胞が産生するサイトカインの種類がインターフェロンγである場合、発病しているおそれまたは発病するおそれがある自己免疫疾患はHTLV−I関連脊髄症(HAM)である。
一方、病因細胞が産生するサイトカインの種類がインターロイキン17である場合、発病しているおそれまたは発病するおそれがある自己免疫疾患は多発性硬化症である。
このように本発明の分離方法によって分離された病因細胞を用いれば、自己免疫疾患の診断を補助することができる。また、本発明の分離方法によって分離された病因細胞を用いれば、自己免疫疾患の根本的治療方法を研究することができる。
2.自己免疫疾患の診断補助方法
本発明のHAMの診断補助方法は、1)被験者から採取された生体試料を準備する第1ステップ、2)生体試料内における、CD4、CD25、CCR4およびFoxP3low、の細胞(病因細胞)の割合を測定する第2ステップ、3)生体試料内における病因細胞の割合を指標に、被験者が自己免疫疾患を発病している可能性を判断する第3ステップ、を含む。
1)第1ステップでは、被験者から採取された生体試料を準備する。準備する生体試料とは、例えば被験者の血液から分離した末梢血単核球である。
2)第2ステップでは、生体試料内における病因細胞の割合を測定する。生体試料内における病因細胞の割合を測定するには、例えばフローサイトメトリーを用いてもよい。またFoxP3lowに代えてCD127を指標とし、病因細胞の割合を測定してもよい。
3)第3ステップでは、生体試料内における病因細胞の割合を指標として、被験者が自己免疫疾患を発病している可能性を判断する。具体的には、第2ステップにおいて測定した病因細胞の生体試料内における割合が健常者のそれと比較して高いまたは低いとき、被験者が自己免疫疾患を発病している可能性が高いと判断する。
上述のように病因細胞は自己免疫疾患の種類ごとに異なるサイトカインを産生する。したがって、第2ステップにおいて病因細胞の指標に特定のサイトカインを加えることで、特定の種類の自己免疫疾患の診断を補助することができる。
例えば第2ステップでCD4、CD25、CCR4、インターフェロンγおよびFoxP3low(以下「HAM病因細胞」という)の細胞の割合を測定することで、本発明の方法によってHAMの診断を補助することができる。ここで、インターフェロンγとはインターフェロンγを産生していることを意味する。
図4Aは、生体試料(末梢血単核球)内におけるHAM病因細胞の割合をプロットしたグラフである。図4Aに示されるように、HAM患者から採取された生体試料内のHAM病因細胞の割合は健常者および成人T細胞白血病(ATL)患者のそれと比較して特異的に高い。したがって、生体試料内におけるHAM病因細胞の割合を測定することで、HAMの診断を補助することができる。具体的には、生体試料内におけるHAM病因細胞の割合が1%以上であったとき、被験者はHAMを発病している可能性が高いと判断される。
一方、例えば第2ステップでCD4、CD25、CCR4、FoxP3lowおよびインターロイキン17の細胞(以下「多発性硬化症病因細胞」という)の割合を測定することで、本発明の方法によって多発性硬化症の診断を補助することができる。ここで、インターロイキン17とはインターロイキン17を産生していることを意味する。
このように、本発明の診断補助方法によれば、従来は判別が困難であった、初期段階におけるHAMと多発性硬化症とを容易に判別することができる。
3.自己免疫疾患の重症度の判断方法
生体試料における病因細胞の割合と、自己免疫疾患の臨床的重症度(運動障害)との間には相関があることから(図4B参照)、病因細胞の割合を測定することで、自己免疫疾患の免疫学的重症度を判断または疾患の予後を予測することができる。
本発明の自己免疫疾患の重症度の判断方法は、1)自己免疫疾患患者から採取された生体試料を準備する第1ステップ、2)生体試料内におけるCD4、CD25、CCR4およびFoxP3low、の細胞(病因細胞)の割合を測定する第2ステップ、3)病因細胞の割合を指標として自己免疫疾患の免疫学的重症度を判断する第3ステップ、を含む。
第1ステップおよび第2ステップは、上述した自己免疫疾患の診断補助方法における第1ステップおよび第2ステップと同じであってよい。
第3ステップでは、病因細胞の割合を指標として自己免疫疾患の免疫学的重症度を判断する。また、予め作成された検量線を用いて、病因細胞の割合から自己免疫疾患の臨床的重症度を求めることもできる。
また治療前と治療後との生体試料内における病因細胞の割合を比較することで、自己免疫疾患の治療効果を評価することもできる。例えば、治療後の病因細胞の割合が治療前の病因細胞の割合よりも低い場合、治療は効果的と評価され、一方、治療後のHAM病因細胞の割合が治療前のHAM病因細胞の割合と同じまたはそれよりも高い場合、治療効果は十分でないと評価される。
上述のように病因細胞は自己免疫疾患の種類ごとに異なるサイトカインを産生する。したがって、第2ステップにおいて病因細胞の指標に特定のサイトカインを加えることで、特定の種類の自己免疫疾患の重症度を測定することができる。
例えば、第1ステップでHAM患者から採取した生体試料を準備し、第2ステップでCD4、CD25、CCR4およびFoxP3low、インターフェロンγの細胞(HAM病因細胞)の割合を測定することで、本発明の方法によってHAMの重症度を測定することができる(実施例4参照)。
また、例えば第1ステップで多発性硬化症患者から採取した生体試料を準備し、第2ステップでCD4、CD25、CCR4、FoxP3lowおよびインターロイキン17の細胞(多発性硬化症病因細胞)の割合を測定することで、本発明の方法によって多発性硬化症の免疫学的重症度を判断することもできる。
このように本発明の免疫学的重症度の判断方法によれば、自己免疫疾患の予後の予測および治療効果の評価を容易に行うことができる。
4.自己免疫疾患の治療薬のスクリーニング方法
本発明のHAMの治療薬のスクリーニング方法は、1)自己免疫疾患患者から採取された生体試料を準備するステップ、2)生体試料に自己免疫疾患の治療薬候補物質を投与する第2ステップ、3)生体試料を指標として、自己免疫疾患の治療薬をスクリーニングする第3ステップを含む。
1)第1ステップでは、自己免疫疾患患者から採取された生体試料を準備する。準備される生体試料は、例えば自己免疫疾患患者の血液から分離した末梢血単核球である。準備された末梢血単核球は培養されてもよい。培養はプレート(シャーレ)上で当業者に公知の方法によって行えばよい。また末梢血単核球は免疫不全動物(例えば、ヌードマウスやスキッドマウスなど)内で培養されてもよい。
また、自己免疫疾患の治療薬候補物質の投与前に、予め生体試料内における病因細胞の割合を測定してもよい。治療薬候補物質の投与後の病因細胞の割合と治療薬候補物質の投与前の病因細胞の割合とを比較することで、自己免疫疾患の治療薬候補物質の評価をすることができる。
2)第2ステップでは、準備した生体試料に自己免疫疾患の治療薬候補物質を投与する。生体試料に自己免疫疾患の治療薬候補物質を投与する方法は当業者に公知の方法を用いればよい。例えば、細胞がプレート上で培養されている場合、治療薬候補物質を当該プレート上に滴下することで、治療薬候補物質を投与してもよい。また、例えば細胞が免疫不全動物内で培養されている場合、治療薬候補物質を当該動物に注射することで、治療薬候補物質を投与してもよい。
3)第3ステップでは生体試料を指標として、治療薬候補物質を評価する。生体試料を指標とするとは、例えば、生体試料(末梢血単核球)内における病因細胞の割合を指標とすることを意味する。この場合、自己免疫疾患の治療薬候補物質を投与した後、所定の時間経過後の病因細胞の割合を測定し、投与後の値と投与前の値とを比較する。投与後の値が投与前の値よりも低かった場合、治療薬候補物質は自己免疫疾患の治療薬として効果的であると評価される。
また生体試料を指標とするとは、培養している生体試料の増殖を指標とすることを意味してもよい。この場合、自己免疫疾患の治療薬候補物質を投与した後、生体試料(末梢血単核球)の増殖率を計測し、投与後の増殖率と投与前の増殖率とを比較する。投与後の増殖率が投与前の増殖率よりも減少した場合、治療薬候補物質は自己免疫疾患の治療薬として効果的であると評価される。
上述のように病因細胞は自己免疫疾患の種類ごとに異なるサイトカインを産生する。したがって、第2ステップにおいて病因細胞の指標に特定のサイトカインを加えることで、特定の種類の自己免疫疾患の治療薬をスクリーニングすることができる。
例えば第1ステップでHAM患者から採取された生体試料を準備し、第2ステップで当該生体試料を指標とすることで、本発明のスクリーニング方法によってHAMの治療薬をスクリーニングすることができる。
また、第1ステップで多発性硬化症患者から採取された生体試料を準備し、第2ステップで当該生体試料を指標とすることで、本発明のスクリーニング方法によって多発性硬化症の治療薬をスクリーニングすることができる。
このように本発明のスクリーニング方法を用いれば自己免疫疾患の病因細胞を指標として治療薬をスクリーニングすることができるので、自己免疫疾患の根本的治療薬をスクリーニングすることができる。
5.本発明の自己免疫疾患の治療薬のスクリーニング用キット
本発明のスクリーニング用キットは、自己免疫疾患患者から本発明の分離方法によって分離された病因細胞を有することを特徴とする。前述の治療薬のスクリーニング方法は、本発明のスクリーニング用キットを用いて実施することができる。
本発明のスクリーニング用キットは、病因細胞以外の細胞を含んでいてもよい。具体的には、自己免疫疾患患者の末梢血単核球を含んでいてもよい。
病因細胞はプレート上に培養されていてもよく、免疫不全動物内で培養されていてもよい。すなわち本発明のスクリーニング用キットは病因細胞が培養されたプレートを有していてもよく、病因細胞を含む免疫不全動物を有していてもよい。
また、病因細胞をHAM病因細胞に置き換えることで、本発明のスクリーニング用キットを用いてHAMの治療薬をスクリーニングすることができる。また、病因細胞を多発性硬化症病因細胞に置き換えることで、本発明のスクリーニング用キットを用いて多発性硬化症の治療薬をスクリーニングすることができる。
以下、本発明を実施例を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
[実施例1]
本実施例では、FoxP3の発現量(negative(−)、low、high)によって細胞集団の種類が異なること示すため、末梢血単核球由来のCD4およびCD25の細胞集団におけるFoxP3の発現パターンを解析した。
1.生体試料の調製
HAM患者の血液からフィコール(Ficol)遠心比重法により末梢血単核球(生体試料)を分離した。また比較例として、健常者の血液から同様に末梢血単核球を分離した。
HAM患者および健常者それぞれから採取した末梢血単核球からCD4の細胞集団を磁気ビーズを含むキット(CD4T CellアイソレーションキットII;ミルテニーバイオテク社製)を用いて分離した。そして、CD4細胞集団中のCD25の細胞集団をフローサイトメーター(FACS Calibur;ベクトン・ディッキンソン社製)を用いて分離した。抗CD25抗体にはAPC標識マウス抗ヒトCD25抗体(ベクトン・ディッキンソン社製)を用いた。
2.CD4およびCD25の細胞におけるFoxP3の発現パターンの解析
準備されたCD4、CD25細胞におけるCD45ROおよびFoxP3の発現パターンをフローサイトメーターを用いて解析した。抗CD45RO抗体にはFITC標識マウス抗ヒトCD45RO抗体(ベクトン・ディッキンソン社製)を、抗FoxP3抗体にはPE標識ラット抗ヒトFoxP3抗体(eバイオサイエンス社製)を用いた。解析結果を図1Aに示す。縦軸はFoxP3の発現量を示し、横軸はCD45ROの発現量を示す。
図1AはHAM患者および健常者のCD4およびCD25細胞集団におけるCD45ROおよびFoxP3の発現パターンを示した2パラメータドットプロットである。
図1Aが示すようにCD45ROの細胞集団6では、FoxP3の発現量の分布は、CD45ROの細胞集団の発現量の分布よりも狭い。また、CD45RO細胞集団6のFoxP3の発現量は、CD45ROおよびFoxP3の発現量の高い(high)細胞集団4のそれよりも低く、CD45ROおよびFoxP3のnegative(−)細胞集団5のそれよりも高い。すなわちCD4、CD25およびCD45ROの細胞集団6ではFoxP3はnegative(−)ではないが、発現量は低い(low)。
このようにFoxP3の発現量はhigh(図1におけるグループ1)、low(図1におけるグループ2)、negative(−)(図1におけるグループ3)の3つのグループに分けられることがわかる。そして、上述したように、本発明ではCD45ROの細胞集団6のFoxP3の発現量と同程度のFoxP3の発現量をFoxP3lowとして定義する。
また、CD45ROの細胞集団には制御性T細胞はほとんど(基本的に)含まれないことが知られている。したがって、図1Aに示されたCD45ROおよびFoxP3lowの細胞集団6は制御性T細胞以外の細胞集団であることが考えられる。
次に、CD4、CD25およびCCR4の細胞集団におけるサイトカインおよびFoxP3の発現パターンを解析した。CD4、CD25およびCCR4を指標として用いたのは、HTVL−IウイルスがCD4、CD25およびCCR4の細胞に特異的に感染すると知られているからである。その結果、CD4、CD25、CCR4およびFoxP3lowの細胞集団2がインターフェロンγ(IFNγ)やインターロイキン2(IL2)などのサイトカインを産生することが示された。一方、CD4、CD25、CCR4およびFoxP3highの細胞集団1ならびにCD4、CD25、CCR4およびFoxP3の細胞集団3ではサイトカインを産生する細胞はきわめて少なかった(図1Bおよび図1C参照)。
これらの結果は、FoxP3lowの細胞集団内にはFoxP3highの細胞集団とは異なる性質の細胞集団が存在することを示す。
[実施例2]
本実施例では、CD4、CD25、CCR4およびFoxP3lowの細胞集団に自己免疫疾患の病因細胞が含まれることを示すため、自己免疫疾患患者から採取した、CD4およびCD25の細胞集団におけるCCR4およびFoxP3の発現パターンを、健常者および成人T細胞白血病(ATL)患者から採取したCD4およびCD25の細胞集団におけるCCR4およびFoxP3の発現パターンと比較した。
ATLとは、HTLV−Iウイルスによって引き起こされる白血病である。つまりHAMとATLとでは病因ウイルスが同一であるが症状が異なる。
また、CD4、CD25およびCCR4を指標として用いたのは、上述のようにHTVL−IウイルスがCD4、CD25およびCCR4の細胞に特異的に感染することが知られているからである。
1.生体試料の調製
HAM患者の血液からフィコール遠心比重法により末梢血単核球(生体試料)を分離した。また比較例として、健常者およびATL患者の血液から同様に末梢血単核球を分離した。
HAM患者、健常者およびATL患者のそれぞれから採取した末梢血単核球からCD4、CD25の細胞をフローサイトメーターを用いて分離した。抗CD4抗体にはFITC標識マウス抗ヒトCD4抗体(eバイオサイエンス社製)を用いた。抗CD25抗体には、実施例1と同じ抗体を用いた。
2.CD4およびCD25の細胞集団におけるCCR4およびFoxP3の発現パターンの解析
準備されたCD4およびCD25細胞集団におけるCCR4およびFoxP3の発現パターンをフローサイトメーターを用いて解析した。抗CCR4抗体にはPE−Cy7標識マウス抗ヒトCCR4抗体(ベクトン・ディッキンソン社製)を用いた。抗FoxP3抗体には、実施例1と同じ抗体を用いた。解析結果を図2に示す。縦軸はFoxP3の発現量を示し、横軸はCCR4の発現量を示す。
図2には健常者におけるCD4およびCD25の細胞集団のCCR4およびFoxP3の発現量の分布を示す2パターンドットプロット(図2A)、HAM患者におけるCD4およびCD25の細胞集団のCCR4およびFoxP3の発現量の分布を示す2パターンドットプロット(図2B)、そしてATL患者におけるCD4およびCD25の細胞集団のCCR4およびFoxP3の発現量の分布を示す2パターンドットプロット(図2C)が示される。
また図2に示された2パターンドットプロットでは、CD4およびCD25細胞集団をCCR4およびFoxP3lowの細胞集団7と、CCR4およびFoxP3highの細胞集団8と、CCR4およびFoxP3lowの細胞集団9とに分けた。
図2に示されるように、HAM患者のCCR4およびFoxP3lowの細胞集団7は、健常者およびHAM患者のCCR4およびFoxP3lowの細胞集団7よりも増加している。一方、HAM患者のCCR4およびFoxP3lowの細胞集団9ならびにCCR4およびFoxP3highの細胞集団8は、健常者およびHAM患者のCCR4およびFoxP3lowの細胞集団9ならびにCCR4およびFoxP3highの細胞集団8と比較して減少している。
このようにHAM患者では、健常者と比較してCCR4およびFoxP3lowの細胞集団の割合が増加していることが示された。また、HAMとATLとは同じHTLV−Iウイルスによって引き起こされるにもかかわらず、HAM患者ではATLの患者と比較しても、CCR4およびFoxP3lowの細胞の割合が増加した。
したがって、CD4、CD25、CCR4およびFoxP3lowの細胞にはHAMの病因細胞が含まれると考えられる。また、HAMの病因細胞と自己免疫疾患の病因細胞は同じグループに属する可能性が高いと考えられることから、CD4、CD25、CCR4およびFoxP3lowの細胞には自己免疫疾患の病因細胞が含まれると考えられる。
[実施例3]
本実施例では、HAM患者の生体試料から採取したCD4、CD25、CCR4およびFoxP3lowの細胞が特異的にインターフェロンγを産生することを示すため、HAM患者の生体試料から採取したCD4、CD25、CCR4およびFoxP3lowの細胞集団のうちインターフェロンγを産生する細胞の割合を測定し、健常者およびATL患者から採取したCD4、CD25、CCR4およびFoxP3lowの細胞集団のうちインターフェロンγを産生する細胞の割合と比較した。
1.生体試料の調製
HAM患者の血液からフィコール遠心比重法により末梢血単核球(生体試料)を分離した。また比較例として、健常者およびATL患者の血液から同様に末梢血単核球を分離した。
HAM患者、健常者およびATL患者のそれぞれから採取した末梢血単核球からCD4の細胞集団を磁気ビーズを含むキット(CD4T CellアイソレーションキットII;ミルテニーバイオテク社製)を用いて分離した。さらに分離したCD4の細胞集団からCD25およびCCR4の細胞をフローサイトメーターを用いて分離した。抗CD25抗体および抗CCR4抗体には、実施例2と同じ抗体を用いた。
2.CD4、CD25、CCR4およびFoxP3lowの細胞集団におけるインターフェロンγ(HAM病因細胞)の発現パターンの解析
準備されたCD4、CD25、CCR4およびFoxP3lowの細胞集団のFoxP3およびインターフェロンγの発現パターンをフローサイトメトリーを用いて解析した。抗FoxP3抗体には実施例1と同じ抗体を用いた。抗インターフェロンγ抗体にはFITC標識マウス抗ヒトインターフェロンγ抗体(ベクトン・ディッキンソン社製)を用いた。解析結果を図3に示す。縦軸はFoxP3の発現量を示し、横軸はインターフェロンγの発現量を示す。
図3Aは健常者から採取したCD4、CD25およびCCR4細胞集団のFoxP3およびインターフェロンγの発現パターンを示す2パターンドットプロットである。図3BはHAM患者から採取したCD4、CD25およびCCR4細胞集団のFoxP3およびインターフェロンγの発現パターンを示す2パターンドットプロットであり、そして図3CはATL患者から採取したCD4、CD25およびCCR4細胞集団のFoxP3およびインターフェロンγの発現パターンを示す2パターンドットプロットである。
図3に示されるようにHAM患者のCD4、CD25およびCCR4の細胞集団ではインターフェロンγを産生する細胞の割合は、32.18%であった。これは健常者の値2.52%およびATL患者の値0.82%と比較して、顕著に高い。またHAM患者ではCD4、CD25およびCCR4の細胞集団のうちインターフェロンγを産生する細胞集団のほとんどはFoxP3lowの細胞集団であった。
このようにHAM患者ではCD4、CD25、CCR4およびFoxP3lowの細胞集団内にインターフェロンγの産生する細胞が特異的に観察された。したがってCD4、CD25、CCR4、FoxP3lowおよびインターフェロンγの細胞がHAMの病因細胞であることが示された。
このように、病因細胞中におけるインターフェロンγを産生する細胞(HAM病因細胞)の割合を測定することで、HAMを発病している可能性を判断することができる。これにより従来は困難であった、初期段階における多発性硬化症とHAMとを区別することが容易になる。
[実施例4]
本実施例では、生体試料内におけるHAM病因細胞の割合と、HAMの重症度との間に相関があることを示すため、HAM患者の重症度と生体試料内におけるHAM病因細胞の割合との関係を求めた。
1.HAM病因細胞の割合の測定
HAM患者の血液からフィコール遠心比重法により末梢血単核球(生体試料)を分離した。次に、HAM患者の末梢血単核球におけるCD4、CD25、CCR4およびインターフェロンγを指標としてHAM病因細胞の割合をフローサイトメトリーを用いて測定した。
インターフェロンγはFoxP3lowの細胞が特異的に産生することから、インターフェロンγを指標とした場合、FoxP3lowを指標とする必要がなくなる。したがって本実施例ではFoxP3を指標から省いた(図3B参照)。
2.HAMの臨床的重症度の測定
HAM患者の臨床的重症度(運動障害)は、Osame's Motor Disability Score (OMDS)によって判別した。OMDSによるHAM患者の運動障害の程度を判別する方法は、例えば以下の文献を参照すればよい。
Izumo S, Goto I, Itoyama Y, Okajima T, Watanabe S, Kuroda Y, Araki S, Mori M, Nagataki S, Matsukura S, et al., "Interferon-alpha is effective in HTLV-I-associated myelopathy: a multicenter, randomized, double-blind, controlled trial," Neurology, 1996, 46, p.1016-1021.
図4Aは、HAM患者から採取した生体試料内のHAM病因細胞の割合と、健常者およびATL患者のそれとを比較したグラフである。図4Aに示すように、健常者およびATL患者ではHAM病因細胞はほとんど確認されないのに対し、HAM患者ではHAM病因細胞の割合が高かった。
図4Bは患者の臨床的重症度と生体試料内のHAM病因細胞の割合との関係を示したグラフである。縦軸はHAM病因細胞の割合を%で示し、横軸は、HAM患者の臨床的重症度を示す。図4Bに示すように、HAM患者の臨床的重症度とHAM病因細胞との割合との間には正の相関が確認された。
このように、HAM患者の生体試料(末梢血単核球)内のHAM病因細胞(CD4、CD25、CCR4、FoxP3lowおよびインターフェロンγ細胞)の割合を求めることで、HAM患者の重症度を判断したり、HAM患者の予後を予測したりすることができる。
本発明によれば、自己免疫疾患(特にHAM)の病因細胞の分離方法、診断補助、重症度の判断方法、治療効果の評価などを迅速かつ容易におこなうことができる。したがって、本発明によれば、自己免疫疾患の診断および治療をより早期に行うことが可能となり、患者のQOLを向上させることができる。
本発明の実施例1の結果を示す2パラメータドットプロット。 本発明の実施例2の結果を示す2パラメータドットプロット。 本発明の実施例3の結果を示す2パラメータドットプロット。 本発明の実施例4の結果を示すグラフ。
符号の説明
1 CD4およびCD25の細胞集団におけるFoxP3highの細胞集団
2 CD4およびCD25の細胞集団におけるFoxP3lowの細胞集団
3 CD4およびCD25の細胞集団のおけるFoxP3の細胞集団
4 CD45ROおよびFoxP3highの細胞集団
5 CD45ROおよびFoxP3の細胞集団
6 CD45ROおよびFoxP3lowの細胞集団
7 CCR4およびFoxP3lowの細胞集団
8 CCR4およびFoxP3highの細胞集団
9 CCR4およびFoxP3lowの細胞集団

Claims (14)

  1. 被験者から採取された生体試料から、CD4、CD25およびCCR4の細胞であって、FoxP3lowまたはCD127の細胞を分離するステップを含む、自己免疫疾患の病因細胞の分離方法。
  2. 前記細胞は、CD4、CD25およびCCR4の細胞であって、FoxP3lowまたはCD127の細胞のうち、サイトカインを産生する細胞である、請求項1に記載の自己免疫疾患の病因細胞の分離方法。
  3. 前記サイトカインはインターフェロンγであり、
    前記自己免疫疾患はHTLV−I関連脊髄症である、
    請求項2に記載の自己免疫疾患の病因細胞の分離方法。
  4. 前記生体試料は末梢血単核球である、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の自己免疫疾患の病因細胞の分離方法。
  5. 被験者から採取された生体試料を準備するステップ、
    前記生体試料内における、CD4、CD25およびCCR4の細胞であって、FoxP3lowまたはCD127の細胞の割合を測定するステップ、および
    前記細胞の割合を指標として、前記被験者が自己免疫疾患を発病している可能性を判断するステップ、を含む自己免疫疾患の診断補助方法。
  6. 前記細胞は、生体試料内における、CD4、CD25およびCCR4の細胞であって、FoxP3lowまたはCD127の細胞のうち、サイトカインを産生する細胞である、請求項5に記載の自己免疫疾患の診断補助方法。
  7. 前記サイトカインはインターフェロンγであり、
    前記自己免疫疾患はHTLV−I関連脊髄症である、
    請求項6に記載の自己免疫疾患の診断補助方法。
  8. 自己免疫疾患患者から採取された生体試料を準備するステップ、
    前記生体試料内における、CD4、CD25およびCCR4の細胞であって、FoxP3lowまたはCD127の細胞の割合を測定するステップ、および
    前記細胞の割合を指標として、自己免疫疾患の重症度を判断するステップ、を含む自己免疫疾患の重症度を判断する方法。
  9. 前記細胞は、生体試料内における、CD4、CD25およびCCR4の細胞であって、FoxP3lowまたはCD127の細胞のうち、サイトカインを産生する細胞である、請求項8に記載の自己免疫疾患の重症度を判断する方法。
  10. 前記サイトカインはインターフェロンγであり、
    前記自己免疫疾患はHTLV−I関連脊髄症である、
    請求項9に記載の自己免疫疾患の重症度を判断する方法。
  11. 自己免疫疾患患者から採取された生体試料を培養するステップ、
    前記培養された生体試料に自己免疫疾患の治療薬候補物質を投与するステップ、
    前記生体試料内における、CD4、CD25およびCCR4の細胞であって、FoxP3lowまたはCD127の細胞の割合を指標として、前記治療薬候補物質を評価するステップを含む、自己免疫疾患の治療薬のスクリーニング方法。
  12. 前記細胞は、生体試料内における、CD4、CD25およびCCR4の細胞であって、FoxP3lowまたはCD127の細胞のうち、サイトカインを産生する細胞である、請求項11に記載の自己免疫疾患の治療薬のスクリーニング方法。
  13. 前記サイトカインはインターフェロンγであり、
    前記自己免疫疾患はHTLV−I関連脊髄症である、
    請求項12に記載の自己免疫疾患の治療薬のスクリーニング方法。
  14. 自己免疫疾患患者から採取された生体試料から分離されたCD4、CD25およびCCR4の細胞であって、FoxP3lowまたはCD127を含む、自己免疫疾患の治療薬のスクリーニング用キット。

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