JP2010098963A - 核酸増幅反応の検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、増幅反応に影響を与えるおそれのある新たな試薬類の添加や複雑な構成を有する特殊なセンサー電極を必要とせず、かつ試料核酸の配列に影響されない恒常的かつ正確な検出方法を提供することにある。
【解決手段】本発明は、還元剤分子、酸化還元分子、およびマグネシウムイオンを含む核酸増幅用バッファ中に試料核酸を添加し、増幅反応を行う工程と、前記試料核酸の増幅反応が前記バッファ中において進行した場合、前記試料核酸の増幅に伴い生成されるピロリン酸が前記マグネシウムイオンとピロリン酸マグネシウムを形成することにより、前記マグネシウムイオンの前記バッファ中における濃度が低下する条件下において、前記還元剤分子と前記酸化還元分子による還元反応によって生じる還元電流を測定する工程と、前記測定された還元電流の値から、前記試料核酸の増幅の有無を判定する工程と、を含む、核酸増幅反応の検出方法を提供する。
【選択図】図3

Description

本発明は、核酸増幅反応の検出方法、特に、酵素反応を利用した核酸の増幅反応において、核酸増幅の有無を電気化学的な手法を用いて検出する方法に関する。
近年の分子生物学分野の発展に伴い、多くの疾患遺伝子が同定され、遺伝子診断による疾患の特定が可能となっている。また、遺伝子診断の結果に基づいて各患者に最適な治療を提供するテーラーメイド医療も実現化しつつある。また、感染症の診断にもウィルスの遺伝子を検出する手法が開発されている。さらに、医療分野以外にも食検査や個人認証など、遺伝子検査の必要性が高まっている。
遺伝子診断を行うにあたっては、通常はサンプルの核酸濃度が低すぎるため、サンプル核酸を鋳型として、検出対象となる配列部分の核酸増幅反応を起こすためのプライマー核酸を用いて、核酸増幅反応を行う工程が必要となる。一般的にはPCRやLAMP、ICAN、SMAP法などである。しかし、サンプル核酸が検出対象となる配列をもたない場合は、核酸増幅反応が起こらないため、その後の遺伝子診断は不要となる。現在、核酸増幅反応後に電気泳動を行うことにより増幅反応が発生したかどうかを判別することができる。LAMP法では、増幅反応の副産物であるピロリン酸マグネシウムの沈殿を濁度として検出することにより、増幅反応が発生したかどうかを判別することができる。しかし、これらの手法は煩雑な工程や特殊な装置が必要であり、簡便な手法が求められている。一方、近年では、電気化学的な手法を用いて増幅反応が発生したかどうかを判別する手法がいくつか報告されている。現在報告されている電気化学的な手法には、例えば、増幅反応溶液中に金属イオンを添加して錯化合物を形成させ、該錯化合物の電気化学的特性を測定する方法(特許文献1)、試料核酸を構成するグアニン塩基の酸化により生じる電気化学的特性の変化を測定する方法(特許文献2)、および核酸増幅過程において生成されるピロリン酸の濃度を電気化学的に測定する方法(特許文献3)などがある。
特開2007-37483 特開2008-157733 特開2007-295811
特許文献1〜3に記載された方法では増幅産物中に含まれる化合物を電気化学的に酸化し、酸化電流を測定する方法である。しかしながら、核酸は耐酸化性に乏しく、酸化により試料溶液中の核酸が分解し、正確な測定が困難になる恐れがある。
また、特許文献1に記載された方法では、金属イオンを含む新たな試薬を添加する必要があるために検出プロセスが煩雑となる他、これらの金属イオンがポリメラーゼ活性を低下させ、増幅反応に悪影響を及ぼすおそれがある。また、特許文献2に記載された方法では、検出される電流値が試料核酸のグアニン含量によって大きく変化するため、増幅産物の配列によって検出精度が不安定になる他、酸化方向へ大きな電圧を印加する必要があるために性能が安定した信頼性の高い金電極を使用することができないといった問題が生じる。さらにまた、特許文献3に記載された方法では、ピロリン酸検知物質を塗布した特殊なピロリン酸センサー電極が必要となる。このセンサー電極は、感度向上のために電極形状を網状またはディスク状に成形し、電極全体の面積拡大を図る必要があり、装置の構成が複雑となって検出コストが増大するという問題が生じる。また、ピロリン酸検知物質のコーティングを行う必要があり、手間がかかってしまう。
本発明の目的は、これらの課題を解決することができる電気化学的な検出方法、すなわち、増幅反応に影響を与えるおそれのある試薬類の添加や複雑な構成を有する特殊なセンサー電極を必要とせず、かつ試料核酸の配列に影響されない恒常的かつ正確な検出方法を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究の結果、新たな化学種に着目し、この化学種の還元電流を測定することによって試料核酸の増幅の有無を判定できることを見出した。
すなわち、本発明は、還元剤分子、酸化還元分子、およびマグネシウムイオンを含む核酸増幅用バッファ中に試料核酸を添加し、増幅反応を行う工程と、前記試料核酸の増幅反応が前記バッファ中において進行した場合、前記試料核酸の増幅に伴い生成されるピロリン酸が前記マグネシウムイオンとピロリン酸マグネシウムを形成することにより、前記マグネシウムイオンの前記バッファ中における濃度が低下する条件下において、前記還元剤分子と前記酸化還元分子による還元反応によって生じる還元電流を測定する工程と、前記測定された還元電流の値から、前記試料核酸の増幅の有無を判定する工程と、を含む、核酸増幅反応の検出方法を提供する。
本発明の核酸増幅反応の検出方法は、増幅バッファ中に存在する還元剤分子と酸化還元分子による還元反応によって生じる還元電流を測定し、さらに印加する電圧も比較的小さい電圧であるため、耐酸化性に乏しい核酸の酸化電流による分解が生じることはなく、また、正確な測定を実現することができる。また、該方法は、反応検出のため増幅反応自体に悪影響を与える試薬類を添加する必要がなく、増幅反応自体に悪影響を与えない簡易な測定を実現することができる。また、該方法では、増幅産物の配列に検出精度が依存しない。さらにまた、該方法は、酸化方向へ強く電圧を印加する必要がないので、使用する電極の種類が限られることなく、例えば最も信頼性の高い金電極を使用することができる。そして、該方法は、溶液中の反応であるため、電極面積を拡大する必要がなく、網状またはディスク状といった特殊なセンサー電極を必要としないので、簡易な装置構成での実施が可能となり、検出コストを抑制することができる。
以下、本発明の実施態様について説明する。なお、以下に示す実施態様は、本発明の構成を詳細に説明するために例示的に示したものに過ぎない。従って、本発明は、以下の実施態様に記載された説明に基づいて限定解釈されるべきではない。本発明の範囲には、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内にある限り、以下の実施態様の種々の変形、改良形態を含む全ての実施態様が含まれる。
<第1の実施態様>
(1)核酸増幅用バッファの調製
先ず、核酸増幅用バッファを調製する。前記バッファは増幅用バッファであり、前記バッファ中にポリメラーゼ、プライマーおよびNTP基質の他、還元剤分子、酸化還元物質、およびマグネシウムイオンが含まれる。前三物質は核酸を増幅するための物質であり、後三物質は増幅反応中の核酸を安定化させるための物質である。その他、任意の成分が前記バッファ中に適宜含まれる。
第1の実施態様における増幅反応は、ポリメラーゼおよびNTP基質を用いた増幅反応であれば特に限定されることなく、例えば、PCR、LAMP、ICANおよびSMAP法からなる群から選択される。したがって、前記バッファ中には、実行する増幅反応に適合したポリメラーゼが含まれる。例えば、PCR法により増幅反応を行う場合は、耐熱性ポリメラーゼを使用し、LAMP法により増幅反応を行う場合は、鎖置換型ポリメラーゼを使用する。また、プライマーは、実行する増幅反応および増幅対象となる核酸に応じて適宜設計される。
第1の実施態様において使用される還元剤分子は、特に限定されないが、例えばジチオスレイトール、β-メルカプトエタノール、SO2、およびH2Sからなる群から選択され、好ましくはジチオスレイトールまたはβ-メルカプトエタノールである。これらの還元剤分子には、増幅反応中のポリメラーゼの活性を維持する働きがあり、核酸増幅用バッファ中に通常含まれる成分である。還元剤分子の濃度は、添加する分子の種類によって異なるが、例えば、ジチオスレイトールの場合、好ましくは1pM〜100mM、さらに好ましくは5pM〜10mMである。
第1の実施態様において使用される酸化還元分子は、その性質として前記還元剤分子の存在下のみで還元される分子である必要がある。これは反応の特異性を確保するためである。また、第1の実施態様において使用される酸化還元分子は、非共有電子対をもつ分子である必要がある。これは前記還元剤分子との電子の授受を可能にし、還元反応を進行させるためである。より具体的には、第1の実施態様において使用される酸化還元分子は、特に限定されないが、例えばアンモニウムイオン、キノン基、アミド基、カルボキシル基またはヒドロキシル基をもつ分子、金属錯体、および非共有電子対をもつ分子からなる群から選択され、好ましくはアンモニウムイオンである。酸化還元分子としてアンモニウムイオンを使用する場合、アンモニウムイオンは、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、ハロゲン化アンモニウムなどの塩の形態で適宜添加される。これらの酸化還元物質には、増幅反応中の二本鎖をほどいて安定性を高める働きがあり、核酸増幅用バッファ中に通常含まれる成分である。酸化還元分子の濃度は、添加する分子の種類によって異なるが、例えば、アンモニウムイオンの場合、好ましくは10pM〜1M、さらに好ましくは100pM〜500mMである。
第1の実施態様において使用されるマグネシウムイオンは、特に限定されないが、例えば硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ハロゲン化マグネシウムなどの塩の形態で適宜添加される。マグネシウムイオンは、増幅反応中の酵素の活性を維持し、かつ増幅反応中の二本鎖の安定性を高める働きがあり、核酸増幅バッファ中に通常含まれる成分である。マグネシウムイオンの濃度は、好ましくは10pM〜1M、さらに好ましくは100pM〜500mMである。
(2)試料核酸の増幅
次に、調製した増幅用バッファ中に試料核酸を添加し、増幅反応を行う。試料核酸は増幅反応に適合した形態に予め調製されていることが望ましい。
第1の実施態様において検査対象となる試料核酸は、特に限定されないが、例えば、血液、血清、白血球、尿、便、精液、唾液、組織、培養細胞、喀痰、食品、土壌、排水、廃水、空気などの試料から抽出したものが対象となる。
「増幅反応を行う」とは、試料核酸の添加後に増幅用バッファを所定の温度に加熱することを意味する。加熱制御の条件は、選択された増幅反応によって異なり、各増幅反応に適合した加熱制御を行う。例えば、PCR法を用いて増幅反応を行う場合、熱変性温度(約98℃)と鎖伸長反応温度(約65℃)を交互に繰り返し、LAMP法を用いて増幅反応を行う場合、約63℃で温度を一定に維持する。
第1の実施態様における増幅反応は、前記増幅反応が進行した場合、試料核酸の増幅に伴い生成されるピロリン酸が、反応溶液中のマグネシウムイオンと結合してピロリン酸マグネシウムを形成することにより、前記マグネシウムイオンの前記溶液中における濃度が低下する条件下において行われる。前記条件は、増幅反応がポリメラーゼおよびNTP基質を用いたものであり、かつ増幅バッファ中にマグネシウムイオンが含まれることによって実現される。
(3)還元電流の測定
(3−1)還元電流の測定原理
続いて、前記還元剤分子と前記酸化還元分子による還元反応によって生じる還元電流を測定する。
図1
図1は、還元剤分子と酸化還元分子による還元反応によって生じる還元電流の測定結果を示すグラフである。横軸は掃引した電位量を表わし、縦軸は還元電流の測定値を表わす。還元電流の測定は、電解質溶液(Tris-HCl)が入った金電極を備える容器内に還元剤分子と酸化還元分子とを含むバッファAを添加し、金電極のサイクリックボルタンメトリーを測定することにより行われる。ここで、還元剤分子としてはジチオスレイトール(DTT)を使用し、酸化還元分子としてはアンモニウムイオン(硫酸アンモニウム)を使用した。図1で得られた測定結果は、電位をいったん1.2Vまで掃引した後(図中の分岐した電流値の上側)、電位をマイナス方向に掃引して得た結果である。酸化還元分子であるアンモニウムイオンが酸化する方向に電位を掃引してアンモニウムイオンを十分に酸化させた後に還元する方向に電位を掃引することによって、還元反応の平衡状態をアンモニウムイオンが還元される方向に最大限にシフトさせることができ、その結果としてより大きな還元電流を得ることができる。図1のグラフをみると、電位を−1.3V付近まで掃引したときに5.6μAの電流がピーク値Pとして得られているのが分かる。
図2
図2は、マグネシウムイオンを加えた場合の還元剤分子と酸化還元分子による還元反応によって生じる還元電流の測定結果を示すグラフである。図1のグラフと同様、底軸は掃引した電位量を表わし、縦軸は還元電流の測定値を表わす。還元電流の測定は、電解質溶液(Tris-HCl)が入った金電極を備える容器内に、還元剤分子および酸化還元分子に加えて硫酸マグネシウムを含むバッファBを添加し、金電極のサイクリックボルタンメトリーを測定することにより行われる。使用した還元剤分子および酸化還元分子、ならびに電位の掃引方法はいずれも図1のグラフと同じ条件とした。図2のグラフをみると、同じく電位を−1.3V付近まで掃引したときに電流のピーク値が得られているものの、そのピーク値Qは3.6μAであり、図1のグラフで得られたピーク値Pと比較して著しく低い。この測定結果は、バッファB中に含まれる硫酸マグネシウムが電解質溶液中で溶解し、遊離したMgイオンが前記還元反応を阻害したものと考えられる。より具体的には、電解質溶液中で2価のイオンとして存在するMgイオンが、アンモニウム分子のイオン化を阻害し、前記還元反応において還元対象である遊離アンモニウムイオンの分子数が減少し、その結果として前記還元反応によって生じる還元電流が小さくなる。
図3
図3は、第1の実施態様における還元反応によって生じる還元電流の測定結果を示すグラフである。図1および2と同様、底軸は掃引した電位量を表わし、縦軸は還元電流の測定値を表わす。還元電流の測定は、電解質溶液(Tris-HCl)が入った金電極を備える容器内に、還元剤分子、酸化還元分子、および硫酸マグネシウムを含む核酸増幅バッファ中に試料核酸を添加し、金電極のサイクリックボルタンメトリーを測定することにより行われる。使用した還元剤分子および酸化還元分子、ならびに電位の掃引方法はいずれも図1および2のグラフと同じ条件とした。なお、試料核酸の増幅の有無については、電気泳動法を用いて、バンドの有無から別途確認している。図3のグラフをみると、試料核酸の増幅反応が行われた場合、電位を−1.3V付近まで掃引したときに3.6μAの電流がピーク値Rとして得られている(実線)。一方、試料核酸の増幅反応が行われていない場合、電位を−1.3V付近まで掃引したときの電流のピーク値Sは3.1μAである(破線)。この測定結果は、試料核酸の増幅反応が進行することによって、前記還元反応において還元対象である遊離アンモニウムイオンの分子数が増加したことを意味する。これは、試料核酸の増幅反応の進行とともに生成されるピロリン酸イオンが溶液中のMgイオンを消費するためである。
図4
図4は、第1の実施態様における還元反応の一連の化学反応式を示した表である。
核酸の増幅反応では、ポリメラーゼによってNTP基質が対応する相補鎖に次々と結合される。このとき、NTP基質が内包する高エネルギーリン酸結合が利用されるが、エネルギーの消費とともに副生成物としてピロリン酸イオン(P2O7H2 2-)が生成され、反応溶液中に放出される(化学反応式1)。反応溶液中に放出されたピロリン酸イオンはMgイオンと結合してピロリン酸マグネシウム(P2O7H2Mg)を生成するため、反応溶液中のMgイオン濃度が低下する(化学反応式2)。一方、反応溶液中の硫酸アンモニウムは遊離アンモニウムイオンとの間で一定の平衡状態にある(化学反応式3)。反応溶液中のMgイオン濃度の低下は、前記平衡状態を遊離アンモニウムイオン側にシフトさせ(化学反応式3の右側)、溶液中の遊離アンモニウムイオン濃度が増加する。アンモニウムイオンは、反応溶液中の還元剤分子であるジチオスレイトール(C4H6(OH)2(SH)2)によって還元され(化学反応式4)、このとき流れた還元電流が電極によって検出される。還元剤分子であるジチオスレイトールは反応溶液中に十分量存在しているので、反応溶液中のアンモニウムイオン濃度が増加すればするほど、流れる還元電流値は大きくなる。
すなわち、核酸増幅反応が起こる前は、反応溶液中に高濃度で存在するMgイオンがアンモニア分子のイオン化を阻害するため、得られる還元電流は小さいが、核酸増幅反応が進行すると、反応溶液中のMgイオン濃度が減少し、アンモニア分子のイオン化が促進されるため、得られる還元電流は大きくなる。したがって、得られた還元電流の大きさに基づいて、核酸増幅反応の有無を判定することができる。
なお、上述したように、酸化還元分子であるアンモニウムイオンが酸化する方向に電位をいったん掃引してアンモニウムイオンを十分に酸化させた後に還元する方向に電位を掃引することによって、還元反応の平衡状態をアンモニウムイオンが還元される方向に最大限にシフトさせることができ、その結果としてより大きな還元電流を得ることができる。このとき、前記還元する方向への電位の掃印は、好ましくは−2〜0Vである。
(3−2)還元電流の測定装置
第1の実施態様における電気化学的な測定は、ポテンシオスタットを用いて行うことができる。電気化学的な測定法には、例えば、CV、LSV、DPVなどのパルス手法、CC、CA、インピーダンス測定などがある。これらの手法において電気化学的な測定が可能であれば、測定装置、測定を行う容器および電極の配置などに特に制限はない。以下、第1の実施態様において使用される測定装置の例を示す。実際には、これらの種々の変形、改良形態を含む全ての測定装置が、本発明の方法において使用可能である。
図5
図5は、第1の実施態様において使用する第1の測定装置20を模式的に示した図である。第1の測定装置20は、試料核酸の増幅反応と、還元反応による還元電流の測定とを、電極を具備する同一の容器(増幅反応用チューブ10)内において行うことを特徴とする。増幅反応と還元電流の測定とを同一容器内で行うことができるので、装置構成が単純であり、簡易な検出を実現することができる。
増幅反応用チューブ10には、その壁面に電極11が埋め込まれており、チューブ内の溶液の還元電流を測定することができる。図5では電極を3電極式の電極11として表わした。増幅反応用チューブ10が増幅装置15にセッティングされたとき、3電極式の各電極11が増幅装置15に内蔵された各端子12と接触するので、チューブ10内の溶液の電流を測定することができる。各端子12はそれぞれリード線13を介して還元電流の測定装置に接続されている。
なお、電極11は3電極式が好ましいが、2電極式、4電極式でもよい。第1の実施態様に係る方法は微弱な還元電流を測定するため、電極材質に特に制限はなく、導電性の高い任意の材質、例えば金、白金、銀、銅、アルミ、ニッケル、鉄、カーボンなどを使用することができる。特に、金電極は安定的に信頼性の高いものを大量に供給することができ、臨床試験および医療現場における使用に適している。また、電極表面に分子修飾を施すことによってより感度を向上させることができる。前記分子修飾の具体例としては、例えば、メルカプトエタノール、メルカプトヘキサノール、メルカプトヘプタノール、メルカプトエチレングリコール、メルカプトオリゴエチレングリコール、メルカプトポリエチレングリコール、炭素鎖が30〜50のアルカンチオールなどのメルカプタン、ステアリルアミンなどの脂質、界面活性剤、アルブミン、核酸などがある。
測定の手順として、先ず、増幅反応用容器10内に核酸増幅用バッファを注入し、試料核酸を添加する。核酸増幅用バッファおよび試料核酸の入った増幅反応用容器10の蓋14を閉じて密閉した後、容器10を増幅装置20にセッティングする。このとき、容器10内の溶液の還元電流を測定し、増幅前の試料核酸の基準電流値を決定してもよい。続いて、増幅装置20によって容器10内の溶液の加熱操作を行う。加熱操作は増幅方法および反応条件等に応じて適宜変更する。加熱操作後、容器10内の溶液の還元電流を測定する。
図6
図6は、第1の実施態様において使用する第2の測定装置50を模式的に示した図である。第2の測定装置50は、複数の前記試料核酸の増幅反応を、マイクロタイタープレートにおいて同時に行い、前記マイクロタイタープレートの各ウェルに対応した複数の測定用電極を備えた測定基板によって前記複数の試料核酸の還元電流を同時に測定することを特徴とする。第2の測定装置50は、マイクロタイタープレート型の増幅反応容器およびこれに対応する測定基板を用いることによって複数の検体を同時に検出できるので、臨床試験および医療現場において極めて有用である。
図6は、マイクロタイタープレート30の任意の1レーンの断面を模式的に示している。マイクロタイタープレート30の各ウェル35に試料核酸および核酸増幅用バッファを注入し、検査を開始する。増幅反応後、各ウェル35内の溶液の還元電流を測定する。還元電流の測定は、マイクロタイタープレート30の各ウェル35に対応した測定用電極45を備えた測定基板40を用いて行われる。測定基板40をマイクロタイタープレート30の上に載せることによって、測定基板40に備えつけられた測定用電極45が、マイクロタイタープレート30の各ウェル35内の溶液に浸漬される。測定用電極45は、各ウェル35内の溶液に確実に浸漬されるよう、細径の電極支持体46の先端部付近に固定するとよい。図中では、測定用電極45を3電極式のものとして表わしたが、上述したようにこれに限定されない。測定基板40は、還元電流の測定装置に接続され、各ウェル35内の溶液の還元電流を同時に測定することができ、その結果、複数の試料核酸の増幅の有無を同時に判定することができる。
図7
図7は、第1の実施態様において使用する第3の測定装置100を模式的に示した図である。第3の測定装置100は、試料核酸の増幅処理を核酸増幅用の第1の容器(増幅用チャンバ60)内において行い、試料核酸の増幅処理後、試料核酸を電極を具備する第2の容器(検出用チャンバ70)内に移動し、還元反応による還元電流の測定を第2の容器内において行うことを特徴とする。一般に、増幅に適したチャンバの形状と、検出に適したチャンバの形状とは異なる。増幅用チャンバ60と検出用チャンバ60とが別体となっているため、装置構成のバリエーションが豊富であり、増幅反応および検出反応それぞれに最適な検出系を容易に提供することができる。特に、検出用チャンバ70は底浅の扁平容器とすることによって溶液全体の還元電流を確実かつ正確に検出することができる。検出用チャンバは電極が必要なため、比較的高価であるため、増幅チャンバのみ使い捨てで使用し、検出用チャンバ70は繰り返し使用することができるため、検出コストを抑制することができる。
増幅用チャンバ60は注入口61を備え、注入口61から注入された試料核酸および核酸増幅用バッファは、増幅用チャンバ60内において増幅処理される。増幅用チャンバ60は、検出用チャンバ70と流路62を介して接続されているので、増幅処理後、増幅反応溶液は流路62を通して検出用チャンバ70内に送液される。検出用チャンバ70には測定用電極71が設置されており、検出用チャンバ70内の溶液の還元電流を測定することができる。なお、図中では、測定用電極71を3電極式のものとして表わしたが、上述したようにこれに限定されない。検出用チャンバ70は流路72を介して取出口80に接続されている。従って、検出用チャンバ70の還元電流の測定の結果、核酸試料が増幅されたことが確認された場合、この増幅された試料核酸は流路72を介して取出口80から回収される。
なお、第3の測定装置100の変形例として、検出用チャンバ70の上流に少なくとも2以上の増幅用チャンバ60を接続してもよい。2以上の増幅用チャンバ60を接続することによって複数の試料核酸を1つの検出用チャンバ70で連続的に検出することができる。
(4)核酸増幅反応の有無の判定
還元電流値の大きさは、核酸増幅反応の有無を正確に反映している。したがって、同一反応条件下における増幅反応後に流れる還元電流の閾値を予め決定しておくことによって、この閾値以上の還元電流が検出された場合には増幅反応が十分に起こったという判定をすることができ、逆に、この閾値以上の還元電流が検出されなかった場合には増幅反応が全く起こらなかった、あるいは十分に起こらなかったという判定をすることができる。
また、増幅反応前に還元電流の測定を行い、増幅反応前の還元電流値を得てもよい。このとき、増幅反応前の還元電流値と比較して増幅反応後の還元電流値が大きく増加していた場合には増幅反応が十分に起こったという判定をすることができ、逆に、増幅反応後の還元電流値がほとんど変化しない場合、あるいは十分に大きな値が得られなかった場合には増幅反応が全く起こらなかった、あるいは十分に起こらなかったという判定をすることができる。この場合においても、あらかじめ閾値を決定しておくことで、正確かつ迅速な判定をすることができる。なお、増幅反応前の還元電流値がおおよそ既知である場合は、増幅反応前の還元電流値の測定を省略することもできる。
第1の実施態様における方法は、例えば、核酸増幅の後に増幅核酸産物の配列を検出するための核酸検出工程を行うことを想定している場合に特に有効である。すなわち、試料核酸の増幅処理後に還元電流値を測定し、その測定結果から試料核酸の増幅が十分に起こらなかったという判定がなされた場合、検出すべき核酸増幅産物が十分量存在しないことになるため、核酸検出工程が不要となる。したがって、例えば、ウィルスの存在の有無を検出する場合などには、不要な手間や検査時間を大きく省くことができる。
実施例1
1.使用材料等
(1)核酸増幅用バッファ
核酸増幅用バッファには、以下に示すモデル遺伝子A増幅用のプライマーセット、LAMP増幅用の酵素、バッファを用いた。鋳型には配列の不明なサンプル核酸Vを用いた。
モデル遺伝子A:マウス2C39
モデル遺伝子A増幅用プライマーセット
TCAAAACGATCCTGGAAAATAATGGACATTCATTCTGAGCTGTGC
GGAAAAACTAAATGAGAATGTCAAGGAGAAAAAACATTCTTGACTTC
TTCAGGCTCACCTTGTGA
CTGTGGCAATAAAGCACC
AGCAGATGACATTGCATGGA
(2)電極
電気化学測定用電極として、作用極、対極、参照極ともに金電極を用いた。
2.実験手順
先ず、増幅反応液の調製を行った。モデル遺伝子A増幅用のプライマーセットとLAMP増幅用の酵素、バッファを混合し、鋳型としてサンプル核酸Vを添加した。
次に、増幅開始前に電気化学的測定を行った。測定法にはサイクリックボルタンメトリー法を用いた。いったん酸化方向に0Vから1.2Vまで掃引し、その後に還元方向に-1.6Vまで掃引した。掃引速度は0.3V/secとした。
その後、増幅温度63℃で、60分増幅反応を行った。
増幅後に再び電気化学測定を行った。測定条件は増幅前と同じとした。
3.実験結果
図8は、増幅前後に得られた還元電流のピーク電流値を表わしたグラフである。増幅工程前のピーク電流値は1.08μAであり、増幅工程後のピーク電流値は2.31μAであった。いずれもバックグラウンド電流部分を差し引いた値である(以下同様)。増幅工程後には、閾値である1.20μAよりも大きな電流値が得られたことから、サンプル核酸Vについて十分な増幅が起こっており、サンプル核酸V中にモデル遺伝子Aの配列が含まれていることがわかった。なお、増幅後のサンプルについて別途行なった分析によると、電気泳動法においてバンドが確認され、確実に増幅が起こっていることが確認された。
実施例2
1.使用材料等
(1)核酸増幅用バッファ
核酸増幅用バッファには、以下に示すモデル遺伝子A、B増幅用のプライマーセット、LAMP
増幅用の酵素、バッファを用いた。鋳型には配列の不明なサンプル核酸X、Yを用いた。
モデル遺伝子A:マウス2C39
モデル遺伝子A増幅用プライマーセット
TCAAAACGATCCTGGAAAATAATGGACATTCATTCTGAGCTGTGC
GGAAAAACTAAATGAGAATGTCAAGGAGAAAAAACATTCTTGACTTC
TTCAGGCTCACCTTGTGA
CTGTGGCAATAAAGCACC
AGCAGATGACATTGCATGGA
モデル遺伝子B:マウス481
モデル遺伝子B増幅用プライマーセット
ATTTGGAACATACTGCTCTCTTCTGCTGCCATCTTCCTTTTGACA
AACTCAGACCTCCTTGAAAAGAACACAAAATCCTCGATAACTCGG
ATCTGGGAAGGATCAGCC
TGTCTGAAGATAGCTATTCACA
(2)電極
電気化学測定用電極として、作用極、対極、参照極ともに金電極を用いた。
2.実験手順
先ず、増幅反応液の調製を行った。増幅反応液1として、モデル遺伝子A増幅用のプライマーセットとLAMP増幅用の酵素、バッファを混合し、鋳型としてサンプル核酸Xを添加した。増幅反応液2として、モデル遺伝子A増幅用のプライマーセットとLAMP増幅用の酵素、バッファを混合し、鋳型としてサンプル核酸Yを添加した。増幅反応液3として、モデル遺伝子B増幅用のプライマーセットとLAMP増幅用の酵素、バッファを混合し、鋳型としてサンプル核酸Xを添加した。増幅反応液4として、モデル遺伝子B増幅用のプライマーセットとLAMP増幅用の酵素、バッファを混合し、鋳型としてサンプル核酸Yを添加した。
その後、増幅温度63℃で、60分増幅反応を行った。
増幅後に各増幅反応液1〜4において、電気化学測定を行った。測定条件は実施例1と同じとした。
3.実験結果
図9は、各増幅反応液1〜4において得られた還元電流のピーク電流値を表わしたグラフである。各増幅反応液1〜4において得られた電流値はそれぞれ、1.48μA、1.02μA、1.05μA、および1.44μAであった。増幅反応液1および4からは、閾値である1.20μAよりも大きな電流値が得られていることから、増幅反応液1および4では十分な増幅が起こっており、核酸サンプルXはモデル遺伝子A、核酸サンプルYはモデル遺伝子Bの配列を持つことがわかった。また、別途電気泳動法において増幅反応液1〜4を観察したところ、増幅反応液1、4はバンドが確認され、2、3はバンドが確認されなかったことから、増幅反応液1、4のみで十分な増幅が起こっていることが確認された。
実施例3
1.使用材料等
(1)核酸増幅用バッファ
核酸増幅用バッファには、以下に示すモデル遺伝子C、D増幅用のプライマーセット、PCR増幅用の酵素、バッファを用いた。鋳型には配列の不明なサンプル核酸Zを用いた。
モデル遺伝子C:NAT481
モデル遺伝子C増幅用プライマーセット
CTATTTTTGATCACATTGTAAGAAG
GCTCTCTCCTGATTTGGT
モデル遺伝子D:NAT590
モデル遺伝子D増幅用プライマーセット
ATACTTATTTACGCTTGAACCTC
GTTCCTTATTCTAAATAGTAAGGGAT
(2)電極
電気化学測定用電極として、作用極、対極、参照極ともに金電極を用いた。
2.実験手順
先ず、増幅反応液の調製を行った。増幅反応液5として、モデル遺伝子C増幅用のプライマーセットとPCR増幅用の酵素、バッファを混合し、鋳型としてサンプル核酸Zを添加した。増幅反応液6として、モデル遺伝子D増幅用のプライマーセットとPCR増幅用の酵素、バッファを混合し、鋳型としてサンプル核酸Zを添加した。
その後、以下に示す温度条件にて、増幅反応を行った。
(i)ステップ1:95℃ 5min
(ii)ステップ2:98℃ 10sec
(iii)ステップ3:65℃ 30sec
(iv)ステップ4:ステップ2および3を40cycle繰り返す
(v)ステップ5:72℃ 1min
増幅後に増幅反応液5および6において、電気化学測定を行った。測定条件は実施例1と同じとした。
3.実験結果
図10は、増幅反応液5および6において得られた還元電流のピーク電流値を表わしたグラフである。増幅反応液5および6において得られた電流値はそれぞれ0.89μAおよび1.43μAであった。増幅反応液6からは、閾値である1.20μAよりも大きな電流値が得られていることから、十分な増幅が起こっており、サンプル核酸Zにモデル遺伝子Dの配列が含まれていることがわかった。また、別途電気泳動法において、増幅反応液5はバンドが確認されず、増幅反応液6はバンドが確認されたことから、増幅反応液6でのみ増幅反応が起こっていることが確認された。
還元剤分子と酸化還元分子による還元反応によって生じる還元電流の測定結果を示すグラフ マグネシウムイオンを加えた場合の還元剤分子と酸化還元分子による還元反応によって生じる還元電流の測定結果を示すグラフ 第1の実施態様における還元反応によって生じる還元電流の測定結果を示すグラフ 第1の実施態様における還元反応の一連の化学反応式を示した表 第1の実施態様において使用する第1の測定装置20を模式的に示した図 第1の実施態様において使用する第2の測定装置50を模式的に示した図 第1の実施態様において使用する第3の測定装置100を模式的に示した図 実施例1における増幅前後に得られた還元電流のピーク電流値を表わしたグラフ 実施例2における増幅反応液1〜4において得られた還元電流のピーク電流値を表わしたグラフ 実施例3における増幅反応液5および6において得られた還元電流のピーク電流値を表わしたグラフ
符号の説明
10・・・増幅反応用容器、11・・・電極、12・・・端子、13・・・リード線、14・・・蓋、15・・・増幅装置、20・・・第1の測定装置、30・・・マイクロタイタープレート、35・・・ウェル、40・・・測定基板、45・・・測定電極、46・・・電極支持体、50・・・第2の測定装置、60・・・増幅用チャンバ、61・・・注入口、62・・・流路、70・・・検出用チャンバ、71・・・測定用電極、72・・・流路、80・・・取出口、100・・・第3の測定装置。

Claims (12)

  1. 還元剤分子、酸化還元分子、およびマグネシウムイオンを含む核酸増幅用バッファ中に試料核酸を添加し、増幅反応を行う工程と、
    前記試料核酸の増幅反応が前記バッファ中において進行した場合、前記試料核酸の増幅に伴い生成されるピロリン酸が前記マグネシウムイオンとピロリン酸マグネシウムを形成することにより、前記マグネシウムイオンの前記バッファ中における濃度が低下する条件下において、前記還元剤分子と前記酸化還元分子による還元反応によって生じる還元電流を測定する工程と、
    前記測定された還元電流の値から、前記試料核酸の増幅の有無を判定する工程と、
    を含む、核酸増幅反応の検出方法。
  2. 前記還元電流を測定する工程が、前記還元剤分子と前記酸化還元分子による還元反応が誘導されるように、前記酸化還元分子が酸化する方向に電位を掃印後、還元する方向に電位を掃印する工程と、前記還元する方向に電位を掃引したときに発生する前記還元反応による還元電流を測定する工程と、を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記還元する方向への電位の掃印が、−2〜0Vであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 前記還元剤分子が、ジチオスレイトール(DTT)またはβ-メルカプトエタノールであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記酸化還元分子が、前記還元剤分子の存在下のみで還元される分子であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記酸化還元分子が、非共有電子対をもつ分子であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記酸化還元分子が、アンモニウムイオンであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記増幅反応が、PCR法、LAMP法、ICAN法、およびSMAP法からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記還元電流を測定する工程が、ポテンシオスタットを用いた検出であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記試料核酸の増幅反応と、前記還元反応による還元電流の測定とを、電極を具備する同一の容器内において行うことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 複数の前記試料核酸の増幅反応を、マイクロタイタープレートにおいて同時に行い、前記マイクロタイタープレートの各ウェルに対応した複数の測定用電極を備えた測定基板によって前記複数の試料核酸の還元電流を同時に測定することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記試料核酸の増幅処理を、核酸増幅用の第1の容器内において行い、前記試料核酸の増幅処理後、試料核酸を電極を具備する第2の容器内に移動し、前記還元反応による還元電流の測定を第2の容器内において行うことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
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