JP2010098911A - 永久磁石同期モータの制御装置及びその制御方法 - Google Patents

永久磁石同期モータの制御装置及びその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】負荷トルクの大小に関わらず、永久磁石同期モータの誘起電圧係数を正確に同定して、モータを高精度に駆動制御する。
【解決手段】インバータ2に流れる電流値を検知する電流検知器4と、電流検知器4で検知された電流値を用いてモータ1に供給される電力値を推定する電力推定部9と、電流検知器4で検知された電流値を用いてモータ1のd軸電流値及びq軸電流値を推定する電流推定部11と、互いに異なる速度を示す複数の速度指令が出力されたそれぞれのときに、電力推定部9で推定され電力値、電流推定部11で推定されたd軸電流値及びq軸電流値を、予め定められた式に代入して、モータ1の誘起電圧係数を同定するKe同定演算部12bと、Ke同定演算部12bが同定した誘起電圧係数を用いて、インバータ2からモータ1に加える各相の電圧を求める出力電圧指令演算部15と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、永久磁石同期モータにインバータから電力を供給して、該永久磁石同期モータを駆動制御する技術に関する。
従来、永久磁石同期モータに位置センサやトルクセンサを設けずに、このモータを駆動制御する方法として、以下の特許文献1に開示されている方法がある。
この方法では、まず、インバータから永久磁石同期モータに流れる電流を検知し、この電流値からモータのd軸電流及びq軸電流を同定すると共に、モータの負荷トルクが小さいという前提の下、同定したd軸電流及びq軸電流を用いて、誘起電圧係数を同定している。そして、これらd軸電流、q軸電流及び誘起電圧係数の同定値を用いて、インバータからモータに加える各相の電圧を定めて、このモータを駆動制御している。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、モータの負荷トルクを実質的に無視できるように、モータの負荷トルクが小さいという前提の下で、誘起電圧係数を同定しているため、負荷トルクが大きい場合には、誘起電圧係数の同定精度が低下し、しいては、モータを高精度に駆動制御することができないという問題点がある。
本発明は、このような従来技術の問題点に着目し、モータに位置センサ等のセンサを設けずに、モータの誘起電圧係数を正確に同定して、モータを高精度に駆動制御することを目的とする。
前記問題点を解決するため、本発明では、
永久磁石同期モータの特性を表すモータ定数のうち、少なくとも誘起電圧係数を用いて、
インバータから該永久磁石同期モータに印加される電圧を求め、該電圧の指令値を該インバータに送信する出力電圧指令手段を備えている永久磁石同期モータの制御装置において、
前記永久磁石同期モータに供給される電流値を検知する電流検知手段と、
前記電流検知手段で検知された電流値を用いて、前記永久磁石同期モータに供給される電力値を推定する電力推定手段と、
前記電流検知手段で検知された電流値を用いて、前記永久磁石同期モータのd軸電流値及びq軸電流値を推定する電流推定手段と、
前記出力電圧指令手段が互いに異なる速度を示す複数の速度指令を受けたそれぞれのときに、前記電力推定手段で推定され電力値と、前記電流推定手段で推定されたd軸電流値及びq軸電流値とを、予め定められた式に代入して、前記永久磁石同期モータの誘起電圧係数を同定する係数同定手段と、
を備え、
前記出力電圧指令手段は、前記インバータから前記永久磁石同期モータに加える前記電圧を求める際に、前記係数同定手段が同定した前記誘起電圧係数を用いる、
ことを特徴とする。
本発明によれば、永久磁石同期モータの負荷トルクに相関性のあるモータへの供給電力を用いて、誘起電圧係数を同定しているので、モータに対する負荷トルクの大小に関わらず、正確に誘起電圧係数を同定することができる。このように、本発明では、正確に誘起電圧係数を同定しているので、この値を用いて定められる出力電圧指令も的確なものとなり、モータを高精度に駆動制御することができる。
以下、本発明に係る永久磁石同期モータの駆動制御装置の各種実施形態について、図面を用いて説明する。
「第一の実施形態」
図1〜図8を用いて、本発明に係る永久磁石同期モータの駆動制御装置の第一の実施形態について説明する。
本実施形態の駆動制御装置100は、図4に示すように、交流電源111からの交流電力を直流電力に変換する直流電源回路3と、この直流電源回路3の直流電圧を安定化させるためのコンデンサ18と、直流電源回路3からの直流電力を三相交流電力に変換して、永久磁石同期モータ1に供給するインバータ2と、インバータ2に流れる電流を検知する電流検知器4と、インバータ2が永久磁石同期モータ1に印加する各相の電圧値を示す信号を出力する制御ユニット17と、これらを搭載する基板19と、を備えている。
電流検知器4は、図3に示すように、直流電源回路3からインバータ2への直流電力電流経路中に設けられているシャント抵抗を有している。インバータ2と永久磁石同期モータ1とは、各相の交流電力が通る配線101で接続されている。
この永久磁石同期モータ(以下、単にモータとする)1は、永久磁石の磁束によるトルク成分と電機子巻線のインダクタンスによるトルク成分を合成したモータトルクを出力する。このモータ1の回転軸には、ファン102が取付けられ、このファン102の駆動により、このファン102から放熱フィン103へ送風される。本実施形態では、以上の駆動制御装置100と、モータ1と、ファン102と、放熱フィン103とを有して、熱交換器を構成している。なお、ここでは、モータ1及び駆動制御装置100は、熱交換器の構成要素であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の装置等の構成要素であってもよいことは言うまでもない。
制御ユニット17は、マイクロコンピュータで、各種演算を実行するCPUと、各種プログラムや固定データ等が予め記憶されているROMと、CPUのワークエリア等になるRAMと、外部との間で信号の入出力を行うインタフェースと、を有している。
この制御ユニット17は、機能的に、入力装置112からの指示に従って各種運転モードの指令を出力する運転モード発生部5と、この運転モード発生部5からの運転モード指令に応じて速度指令を出力する速度指令発生部6と、インバータ2の各相の電圧指令値を生成する電圧指令発生部7と、を有している。これらの各機能部5,6,7は、いずれも、CPUがROMに格納されているプログラムを実行することで機能する。なお、ここでは、制御ユニット15は、一つのマイクロコンピュータで構成されているが、複数のマイクロコンピュータで構成してもよい。
次に、図1を用いて、制御ユニット17の詳細な機能構成について説明する。
制御ユニット17の運転モード発生部5は、前述の入力装置112(図3)からの指示に応じて、「通常運転モード」あるいは「試運転モード」のいずれかの運転モード指令を出力する。速度指令発生部6は、運転モード発生部5からの運転モード指令に応じて、モータ1の速度の指令である速度指令ωr*を発生する。なお、「*」は、速度や電流等の状態に関するパラメータに付されている場合には、この状態の指令値を示し、抵抗等の不変値に付されている場合には、この不変値の設定値を示す。電圧指令発生部7は、電流検知器4で検出された直流電流IDCに基づいて、モータ1の回転速度ωを推定し、速度指令ωr*に追従するように、モータ1の各相の電圧を制御するためのPWM信号を出力する。
この電圧指令発生部7は、運転モードに応じた各種運転の形態を出力する運転形態発生部8と、インバータ2に供給される直流電力PDCを推定するPDC推定部9と、直流電力PDCに基づいてd軸電流Id及びq軸電流Iqを推定するIdc-DC / Iqc-DC推定部(第二電流推定手段)10と、インバータ2に供給される直流電流IDCの無効電流Irと有効電流Iaの成分に基づいてd軸電流Id及びq軸電流Iを推定するIdc-ar / Iqc-ar推定部(第一電流推定手段)11と、永久磁石同期モータ1の抵抗値Rと誘起電圧係数Keを同定する同定演算部12と、d軸電流指令Id*を定めるId*演算部13と、q軸電流指令Iq*を演算するIq*演算部14と、インバータ2の各相の出力電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を演算する出力電圧指令演算部15と、この出力電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に基づいてPWM信号(Pu,Pv,Pw)を発生するPWM信号発生部16と、を有している。
PDC推定部9は、インバータ2に供給される直流電流IDCを平均化するフィルタ9aと、このフィルタ9aからの出力である平均直流電流IDC-LFに基づいて直流電力PDCを求めるPDC演算部9bと、を有している。
Idc-DC / Iqc-DC推定部(第二電流推定手段)10は、運転形態発生部8からの運転形態に基づいて、PDC推定部9からの直流電力PDCの出力先を切替える切替部10cと、後述の通常運転のときの直流電力PDCを用いて、第2のq軸電流Iqc-DCを求めるIqc-DC演算部10aと、後述の直流位置決め運転のときの直流電力PDCを用いて、第2のd軸電流Idc-DCを求めるIdc-DC演算部10bと、を有している。
Idc-ar / Iqc-ar推定部11(第一電流推定手段)は、インバータ2に供給される直流電流IDCを用いて有効電流Ia及び無効電流Irを求めるIa,Ir演算部11aと、求められた有効電流Ia及び無効電流Irを用いて第1のd軸電流Idc-ar及び第1のq軸電流Iqc-arを求めるIdc-ar / Iqc-ar演算部11bと、を有している。
同定演算部12は、第2のd軸電流Idc-DCを用いて、モータ1の抵抗値Rを同定するR同定演算部12aと、直流電力PDCと第1のd軸電流Idc-arと第1のq軸電流Iqc-arとを用いて、モータ1の誘起電圧係数Keを同定するKe同定演算部12bとを有する。
出力電圧指令演算部15は、図2に示すように、モータ1の各軸の電圧指令値Vd*,V*を求めるdq軸電圧指令演算部15aと、実際のd軸と制御軸(設定d軸)との位相差である磁極位相誤差Δθcを求める軸誤差演算部15bと、実際のd軸の速度と制御軸との速度差である速度補正量Δωを求める速度補正量演算部15cと、制御軸の速度ω1を推定する速度推定部(加算部)15dと、制御軸の位相θdcを求める位相推定部(積分部)15eと、各軸の電圧指令値Vd*,V*を位相θdを用いて、モータ1の各相毎の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に変換する座標変換部15fとを有している。
なお、制御軸(設定d軸)の位相θdcは、図5に示すように、モータ1が駆動しても回転及び移動することがないα軸を基準にしたものである。また、磁極位相誤差Δθcは、前述したように、実際のd軸と制御軸(設定d軸)との位相差である。
次に、制御ユニット15の各部の動作について説明する。
運転モード発生部5は、前述したように、「試運転モード」を示す運転モード指令と「通常運転モード」を示す運転モード指令のいずれかを出力する。
「試運転モード」を示す運転モード指令が出力された場合、誘起電圧係数Keを同定するため、速度指令発生部6は、少なくとも2以上の異なる速度値を示す速度指令ωr*を順次出力する。例えば、速度指令ωr*1、速度指令ωr*2を順次出力する。
ここで、図6を用いて、「試運転モード」における経過時間に対する速度指令ωr*の変化について説明する。
速度指令ωr *は、例えば、時刻t10では速度指令値ωr*1であり、時刻t11から増加し、時刻t12では速度指令値ωr*2に変化する。このように、「試運転モード」では、少なくとも1回以上の加速または減速が行われ、2以上の異なる速度指令が出力される。
再び、図1に基づいて動作説明をする。
運転モード発生部5から「通常運転モード」を示す運転モード指令が出力された場合、速度指令発生部6は、実運転で必要となる所望の速度指令ωr*を出力する。「通常運転モード」の際に、速度指令発生部6が所望の速度指令ωr*を出力すると、運転形態発生部8は、速度指令ωr*に応じて、運転形態として、以下で説明する、直流位置決め運転、同期運転、通常運転(センサレス制御運転)のいずれかを選択する。
直流位置決め運転
ωr *=0の停止時に、モータ1にd軸電流Idを流し、モータ1の磁極位置を制御軸に引き付ける。
同期運転
ωr *=0から速度指令値ωr *を増加させ、モータ1の回転を加速させ、所定のd軸電流Idを流し(q軸電流は0)同期運転状態に移行する(低速領域の運転)。
通常運転(センサレス制御運転)
同期運転から、さらに、速度指令値ωr *を増加させると同時に、d軸電流Idを零に近づけ、代わりにq軸電流Iqを流して、通常運転に移行する(高速領域の運転)。
PDC推定部9では、運転モード、各運転モードでの運転形態に関わらず、インバータ2に供給される直流電流IDCから、このインバータ2に供給される直流電力PDCを推定する。
PDC推定部9のフィルタ9aでは、以下の(数1)に示す式を用いて、直流電流IDCを平均化して、平均直流電流IDC-LFを求める。
Figure 2010098911
ここで、Td-F:フィルタ時定数
PDC推定部9のPDC演算部9bでは、以下の(数2)に示す式に、平均直流電流IDC-LF及び直流電圧VDCを代入して、直流電力PDCを求める。
Figure 2010098911
なお、ここでは、PDC演算部9bは、直流電源回路3からインバータ2に供給される直流電力の直流電圧VDCを予め記憶している。但し、別途、直流電源回路3に、別途電圧計を設け、この電圧計からの出力値を直流電圧VDCとして用いてもよい。
Idc-DC / Iqc-DC推定部10は、運転形態に応じて、第2のq軸電流Iqc-DC又は第2のd軸電流Idc-DCを推定する。
Idc-DC / Iqc-DC推定部10の切替部10cは、運転形態発生部8が「直流位置決め運転」を選択した場合、PDC推定部9で推定された直流電力PDCをIdc-DC演算部10bへ送る。Idc-DC演算部10bは、以下に示す(数3)により、切替部10cから送られてきた直流電力PDCと、出力電圧指令演算部15のdq軸電圧指令演算部15aで求められたd軸の電圧指令値Vd*と用いて、第2のd軸電流Idc-DCを求める。
Figure 2010098911
また、切替部10cは、運転形態発生部8が「通常運転モード」で且つ「通常運転」を選択した場合、さらに、「試運転モード」を選択した場合、PDC推定部9で推定された直流電力PDCをIqc-DC演算部10aへ送る。Iqc-DC演算部10aは、以下に示す(数4)により、切替部10cから送られてきた直流電力PDCと、出力電圧指令演算部15のdq軸電圧指令演算部15aで求められたq軸の電圧指令値V*とを用いて第2のq軸電流Iqc-DCを求める。
Figure 2010098911
なお、以上で示した(数3)及び(数4)については、後ほど詳細に説明する。
Idc-ar / Iqc-ar推定部11は、フィルタ9aを通さない直流電流IDCを用いて有効電流Ia,無効電流Irを推定する。Idc-ar / Iqc-ar推定部11のIa,Ir演算部11aは、フィルタ9aを通さない直流電流IDCから、周知の方法で有効電流Ia及び無効電流Irを求める。Idc-ar / Iqc-ar演算部11bは、Ia,Ir演算部11aで求められた有効電流Ia及び無効電流Irを用いて、公知の方法で第1のd軸電流Idc-ar及び第1のq軸電流Iqc-arを求める。なお、これら第1のd軸電流Idc-ar及び第1のq軸電流Iqc-arは、後述するように、試運転モードの際に誘起電圧係数Keを同定するために使用するので、Idc-ar / Iqc-ar推定部11は、試運転モードのときのみ動作すればよい。
同定演算部12は、「通常運転モード」の「直流位置決め運転」の際にはモータ1の抵抗値Rを同定し、「試運転モード」の際にはモータ1の誘起電圧係数Keを同定する。
同定演算部12のR同定演算部12aは、以下に示す(数5)により、「通常運転モード」の「直流位置決め運転」の際にIdc-DC演算部10bで求められた第1のd軸電流Idc-DCと、予め自身が記憶していた抵抗の設定値R*と、Id*演算部13で定められたd軸電流指令Id*とを用いて、モータ1の抵抗の同定値R^を求める。なお、「^」は、同定値を示す。R同定演算部12aは、この同定値R^を新たな抵抗同定値として記憶更新する。R同定演算部12aが記憶した同定値R^は、出力電圧指令演算部15が出力電圧指令値を演算する際に用いられると共に、自身が次に抵抗同定値を求める際の抵抗の設定値R*としても用いられる。
Figure 2010098911
また、同定演算部12のKe同定演算部12bは、以下に示す(数6)により、「試運転モード」の際に、PDC推定部9で推定された速度指令ω1*,ω2*における直流電力PDC1,PDC2と、Idc-ar / Iqc-ar推定部11で推定された速度指令ω1*,ω2*における第2のd軸電流Idc1,Idc2及び第2のq軸電流Iqc1,Iqc2と、予め求められていた抵抗値又は抵抗の同定値Rとを用いて、誘起電圧係数の同定値Ke^を求める。
Figure 2010098911
なお、以上で示した(数5)及び(数6)については、後ほど詳細に説明する。
Id*演算部13は、運転モードおよび運転形態に応じて、d軸電流指令Id*を定める。
(1)「通常運転モード」で、「直流位置決め運転」又は「同期運転」の場合
モータ1の磁極位置を制御軸に引き付けるため、Id*演算部13は、d軸電流指令Id*を正の値に設定する。
(2)「通常運転モード」で、「通常運転(センサレス制御運転)」の場合
Id*演算部13は、d軸電流指令Id*を正の所定値から0に変化させる。
(3)「試運転モード」の場合
Id*演算部13は、d軸電流指令Id*を0に設定する。
Iq*演算部14は、第1のq軸電流Iqc-DCを用いて、運転形態に応じたq軸電流指令Iq*を定める。
(1)「通常運転モード」で、「直流位置決め運転」又は「同期運転」の場合
Iq*演算部14は、q軸電流指令Iq*を0に設定する。つまり、以下の(数7)で示す指令値に設定する。
Figure 2010098911
(2)「通常運転モード」で、「通常運転(センサレス制御運転)」の場合,または「試運転モード」の場合
Iq*演算部14は、以下の(数8)により、自身が予め記憶しているq軸電流指令作成用のフィルタ時定数Tdと第2のq軸電流Iqc-DCとを用いて、q軸電流指令Iq*を定める。
Figure 2010098911
出力電圧指令演算部15は、前述したように、出力電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を求める。
まず、出力電圧指令演算部15のdq軸電圧指令演算部15aは、以下に示す(数9)により、R同定演算部12aで同定された抵抗の設定値R*と、Ke同定演算部12bで同定された誘起電圧係数の設定値Ke*と、Id*演算部13で定められたd軸電流指令I*と、Iq*演算部14で定められたq軸電流指令Iq*と、速度指令発生部6からの速度指令ωr*と、自身が予め保持していたd軸インダクタンスの設定値Ld*及びq軸インダクタンスの設定値Lq*と、を用いて、モータ1の各軸の電圧指令Vd*,V*を求める。
Figure 2010098911
出力電圧指令演算部15の軸誤差演算部15bは、以下に示す(数10)により、R同定演算部12aで同定された抵抗の設定値R*と、Ke同定演算部12bで同定された誘起電圧係数の設定値Ke*と、Id*演算部13で定められたd軸電流指令I*と、Iq*演算部14で定められたq軸電流指令Iq*と、Idc-DC / Iqc-DC推定部10で推定された第2のq軸電流Iqc-DCと、後述の速度推定部15dで推定された制御軸の速度ω1と、自身が予め保持していたd軸インダクタンスの設定値Ld*及びq軸インダクタンスの設定値Lq*と、電圧指令演算部15aで定められた電圧指令Vd*,V*とを用いて、実際のd軸と制御軸(設定d軸)との位相差である磁極位相誤差Δθcを求める。
Figure 2010098911
速度補正量演算部15cは、以下に示す(数11)により、軸誤差演算部15bで求められた磁極位相誤差Δθcと、自身が予め保持していたPLLゲインKPLLとを用いて、実際のd軸の速度と制御軸との速度差である速度補正量Δωを求める。
Figure 2010098911
速度推定部(加算部)15dは、以下の(数12)に示すように、速度指令発生部6からの速度指令ωr*に、速度補正量(−Δω)を加算して、制御軸の推定速度ω1を求める。
Figure 2010098911
位相推定部(積分部)15eは、d軸の推定速度ω1を用いて、以下に示す(数13)により、制御軸の推定位相θdcを求める。
Figure 2010098911
座標変換部15fは、まず、位相推定部15eで求められた制御軸の推定位相θdcを用いて、dq軸電圧指令演算部15aで求められた電圧指令Vd*,V*を、モータ1が駆動しても回転及び移動することがないα,β軸を基準にした電圧指令Vα*,Vβ*に変換する。続いて、以下に示す(数14)により、電圧指令Vα*,Vβ*を各相毎の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*へ座標変換する。
Figure 2010098911
PWM信号発生部16は、出力電圧指令演算部15からの出力電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に基づいて、PWM信号(Pu,Pv,Pw)を発生し、このPWM信号をインバータ2に送る。
インバータ2は、以上で説明した制御ユニット15からのPWM信号(Pu,Pv,Pw)に従って、直流電源回路3からの直流電力を三相交流電力に変換し、永久磁石同期モータ1に供給する。
次に、本実施形態におけるモータ1の抵抗値Rの同定原理、及び誘起電圧係数Keの同定原理について説明する。
まず、抵抗値Rの同定原理について説明する。
モータ1の負荷トルクに対する応答に関して、モータ1の抵抗の設定値R*に誤差が含まれない場合と誤差が含まれる場合(抵抗の設定値R*が実際の抵抗値Rの半分の場合)について図7に示す。図7では、速度指令ωr*通りに駆動しているモータ1に対して、時刻t20にて、負荷トルクを加えている。これによってモータの回転速度ωは振動を生じる(図7の領域A)。このとき、抵抗の設定値R*に誤差が含まれない場合、時間と経過ともに回転速度ωの振動は収まり、モータ1は再び速度指令ωr*通りに駆動される(図7の領域B)。しかし、抵抗誤差が含まれる場合、回転速度ωの振動は増幅し、モータ1は脱調する(図7の領域C)。このように、実際の抵抗値Rとその設定値R*が異なる場合、制御性能が劣化することが知られている。そこで、モータを高精度に駆動するためには、抵抗値Rの同定が必要となる。
本実施形態で提案する抵抗同定は、運転モード発生部5が「通常運転モード」を出力し、且つ運転形態発生部8が「直流位置決め運転」を出力した場合に行われる。
ここで、図8を用いて、「直流位置決め運転」におけるd軸電流Idおよびd軸電流指令Id*の変化について説明する。同図において、d軸電流指令Id*は、時間区間T0では零であり、時間区間T1で増加し、時間区間T2〜T5では一定値に収束している。このとき、時間区間T1において、d軸電流指令Id*が増加するのに伴い、モータ1にd軸電流Idが流れ始める。そして、d軸電流Idが流れる時刻t1以降において、モータ1の磁極位置が制御軸に引きつけられ、直流位置決めが行われる。なお、時間区間T1におけるd軸電流指令Id*の増加方法は、必ずしも、同図に示すように時間に比例させる必要はない。d軸電流指令Id*の増加によってd軸電流Idが流れ始め、モータ1の磁極位置が制御軸へ引き付けられれば、直流位置決めが行われるので、d軸電流指令Id*を例えば二次関数的に増加させてもよい。
さて、同図に示す時間区間T1において、d軸電流Idは、d軸電流指令Id*を追従するように増加する。しかし、抵抗の設定値R*が実際の抵抗値Rと等しくない場合、d軸電流Idは、d軸電流指令Id*と異なる値へと収束する(時間区間T2,T3)。なお、同図の時間区間T2,T3では,d軸電流Idがd軸電流指令Id*よりも小さくなる場合を示しているが、抵抗の設定値R*と真の抵抗値Rの大小関係によっては、その逆の場合も考えられる。しかし、いずれの場合においても、本実施形態は適用可能である。以下では、d軸電流Idが定常状態になる時間区間T3にて、抵抗同定値を算出し、d軸電流Idをd軸電流指令Id*に収束させる方法について示す。
運転形態が「直流位置決め運転」であるとき、Idc-DC / Iqc-DC推定部10の切換部10cによって、PDC推定部9で推定された直流電力PDCは、Idc-DC演算部10bに送られ、ここで、前述したように、(数3)により、d軸電流Idc-DC が推定される。この(数3)は、以下の考えにより導かれる。
永久磁石同期モータでは、直流電力に関して、(数15)が成り立つことが知られている。
Figure 2010098911
ここで、Vd:d軸電圧,Vq:q軸電圧
また、「直流位置決め運転」時において、モータ1に対するトルク負荷が前述したように零であるとすると、(数16)に示す式が成り立つ。
Figure 2010098911
さらに、直流位置決めにより、磁極位相差が零になるため、(数17)も成り立つ。
Figure 2010098911
以上の(数16)及び(数17)を(数15)に代入し、整理することにより、前述の(数3)が得られる。
Idc-DC演算部10bは、この(数3)を用いて、前述したように、第2のd軸電流Idc-DCを推定する。R同定演算部12aは、前述したように、この第2のd軸電流Idc-DC等を(数5)に代入して、Rの同定値R^を演算する。この(数5)は、以下の考えにより導かれる。
定常状態における永久磁石同期モータのモデルでは、以下の(数18)が成り立つ。
Figure 2010098911
ここで、Ld:d軸インダクタンス,Lq:q軸インダクタンス
そして、この(数18)に(数16)を代入し、前述の(数9)に同じく前述の(数7)を代入して、d軸電圧Vd及びd軸電圧指令Vd*に着目すると、以下の(数19)が得られる。
Figure 2010098911
この(数19)を前述の(数17)に代入すると、以下の(数20)が得られる。
Figure 2010098911
この(数20)において、d軸電流Idの代わりに、(数3)で示される第2のd軸電流Idc-DCを用いると、(数5)が導かれる。
R同定演算部12aは、この(数5)を用いて、図8における時間区間T3にて抵抗の同定値R^を演算し、時刻t4にて抵抗の設定値R*を更新する。すると、時間区間T4にてd軸電流Idはd軸電流指令Id*に追従し、両者は時刻t5以降(時間区間T5)に等しくなる。
すなわち、本実施形態では、「直流位置決め運転」時の特定の状態を利用して、(数3)により、d軸電流Idc-DCを推定する。そして、このd軸電流Idc-DCを用いて、同じく「直流位置決め運転」時の特定の状態を利用して、(数5)により、モータ1の抵抗値Rを同定している。
ここで,時間区間T3内の異なる時刻において、抵抗の同定値R^をそれぞれ算出し、それらの平均値を用いて、抵抗の設定値R*を更新することにより、抵抗同定の精度を向上させることも可能である。また、時間区間T3内で連続的に抵抗の同定値R^を算出し続け、その積分値より平均値を求める方式や、フィルタと併用する方式を採用してもよい。
また、以上では、d軸電流Idが定常的になる時間区間T3にて抵抗同定する場合について述べたが、抵抗同定の精度よりも駆動時間の短縮化を重視したい場合には、時間区間T3の代わりに時間区間T1あるいはT2において,抵抗同定を行うことも可能である。
この抵抗同定は、直流位置決めにおいて必ずしも毎回実行する必要はなく、同定値を記憶することにより、適宜省略してもよいことは言うまでもない。
なお、本実施形態では、Idc-ar / Iqc-ar推定部11でも、d軸電流を推定するが、このIdc-ar / Iqc-ar推定部11での推定方法は、モータ1の変調率に推定値が影響を受けるため、抵抗同定を実行する際には、モータ1の変調率に推定値が影響を受けないIdc-DC演算部10bで推定されたd軸電流Idc-DC、言いかえると、「直流位置決め運転」時に推定されたd軸電流を用いる。
次に、誘起電圧係数Keの同定原理について説明する。
誘起電圧係数Keは、抵抗値Rと同様に、その設定値Ke*が異なる場合,制御性能が劣化することが知られている。ゆえに、永久磁石同期モータを高精度に駆動するためには、誘起電圧係数Keの同定が必要である。
本実施形態で提案する誘起電圧係数Keの同定は、「試運転モード」において実行される。
この「試運転モード」時、Idc-DC / Iqc-DC推定部10の切換部10cにより、PDC推定部9で推定された直流電力PDCは、Iqc-DC演算部10aに送られ、ここで、前述したように、(数4)により、q軸電流Iqc-DCが推定される。この電圧指令発生部7は、このq軸電流Iqc-DCに基づいてベクトル制御を実行する。
「試運転モード」では、図3を用いて前述したように、時間区間T10では速度指令ωr*1が与えられ、時間区間T12〜T14では速度指令ωr*2が与えられている。このとき、ベクトル制御によって、モータ1の回転速度ωは、時間区間T10では速度指令ωr*1と等しくなり、時間区間T11では速度指令と共に増加し、時間区間T12では速度指令ωr*2に収束する方向に向い、時間区間T13では速度指令ω*2と等しくなる。
この「試運転モード」では、以下に示す方法によって,誘起電圧係数Keの同定が行われる。
Ke同定演算部12bは、定常状態である時間区間T10,T13における直流電力PDC、第2のd軸電流Idc-ar、第2のq軸電流Iqc-arについて記憶する。記憶する情報としては,同定の精度を重視する場合、各時間区間T10,T13における電流値の積分を時間で除した平均値が望ましいが、同定手法の簡潔性を重視するならば、ある時刻での瞬間値でもよい。
Ke同定演算部12bは、前述したように、記憶された情報と(数6)を用いて、誘起電圧係数Keの同定を行う。この(数6)は、以下の考えにより導かれる。
「試運転モード」の際の時間区間T10における定常状態では、以下の(数21)が成り立つ。
Figure 2010098911
同様に、時間区間T13における定常状態では、以下の(数22)が成り立つ。
Figure 2010098911
ここで、前述の(数18)を(数15)に代入することによって、以下の(数23)が得られる。
Figure 2010098911
さらに、(数21)及び(数22)を(数23)に代入すると、(数24)が得られる。
Figure 2010098911
この(数24)を整理することにより、以下の(数25)が得られる。
Figure 2010098911
この(数25)の第一行を抽出することにより、前述の(数6)が得られる。
なお、本発明では、少なくとも2種類以上の速度指令ωr*(ωr*1,ωr*2,…)を与え、それぞれの速度指令(ωr*1,ωr*2,…)に応じた定常状態に達すれば、誘起電圧係数Keの同定は可能であり、速度指令ωr*の加速・減速に関する制限はない。3種類以上の速度指令ωr*を与えた場合には、(数6)による同定演算を繰り返し用いることにより、同定の精度を向上させることが可能である。また,抵抗同定と同様に,同定値の記憶による同定の省略が可能である。
以上のように、本実施形態では、フィルタ9aを利用して、平均直流電流IDC-LFに基づいてインバータのd軸電流Idc-DCを推定しているので、モータ1の変調率に推定値が影響を受けることがない。その上で、本実施形態では、このd軸電流Idc-DCを用いて、「直流位置決め運転」時の特定の状態を利用して、モータ1の抵抗値Rを同定しているので、抵抗値Rを正確に同定することができる。
また、本実施形態では、モータ1の負荷トルクに相関性のあるモータ1への供給電力を用いて、誘起電圧係数Keの同定しているので、モータ1に対する負荷トルクの大小に関わらず、正確に誘起電圧係数Keを同定することができる。
このように、本実施形態では、正確に、モータ1の抵抗値R及び誘起電圧係数Keを同定しているので、これらの値を用いて定められる出力電圧指令も的確なものとなり、モータ1を高精度に駆動制御することができる。
「第二の実施形態」
図9及び図10を用いて、本発明に係る永久磁石同期モータの駆動制御装置の第二の実施形態について説明する。
本実施形態の駆動制御装置は、図9に示すように、第一の実施形態に対して、PDC推定部9’が異なっており、その他の構成は第一の実施形態と同様である。
本実施形態のPDC推定部9’は、インバータ2に供給される直流電流IDCを平均化するフィルタ9’aと、このフィルタ9’aからの出力である平均直流電流IDC-LFに基づいて直流電力PDCを求めるPDC演算部9bと、運転形態発生部8で選択された運転形態に応じて、フィルタ9’aの時定数Td-Fを変更する定数変更部9cと、を有している。すなわち、本実施形態のPDC推定部9’は、第一の実施形態の本実施形態のPDC推定部9に、定数変更部9cを追加したものである。
この定数変更部9cは、運転形態発生部8で選択された運転形態が「直流位置決め運転」で、モータ速度が低速域である場合にはフィルタ時定数Td-Fを大きくし、「通常運転(センサレス制御)」で、モータ速度が高速域である場合にはフィルタ時定数Td-Fを小さくする。この処理により、本実施形態では、以下に示す原理によって、直流位置決め運転時の(数3)によるd軸電流Idの推定精度を向上できることから、モータ1の抵抗の同定値の精度を向上させることができる上に、通常運転時の制御性能の劣化を防止できる。
まず、直流位置決め運転時において、フィルタ時定数Td-Fを大きくすることによって、(数3)によるd軸電流Idの推定精度を向上できることについて説明する。
(数2)(数3)に示されるように、d軸電流Idを正確に推定するには、直流電力PDCを正確に推定する必要があり、それには平均直流電流IDC-LFの平均値IDC-LF0を正しく検出する必要がある。
図10は、平均直流電流IDC-LFの挙動を示しており、IDC-LOW(点線),IDC-HIGH(実線)は、それぞれフィルタ時定数Td-Fが大きい場合および小さい場合の平均直流電流を示している。同図に示すように、平均直流電流IDC-HIGHに比べて平均直流電流IDC-LOWの方が振動が少ない。これは、後者の方が、フィルタ9'aによって、直流電流IDCが元々有していた振動成分をより大きく取り除かれているからである。また、平均直流電流IDC-LOWおよびIDC-HIGHの平均値は、フィルタ時定数Td-Fに依存しないから、いずれもIDC-LF0で表わされる。IDC-LF0を検出するには,インバータのスイッチングにより決定される所定の時刻t20にて、平均直流電流IDC-LOWまたはIDC-HIGHをサンプリングすればよい。しかし、現実には、サンプリングされる時刻と所定の時刻t20は必ずしも一致せず、これに由来してサンプリングによる検出値と平均値IDC-LF0には差が生じる。このとき、サンプリングする波形が振動的であるほど、その差が大きくなることは明らかである。逆に言えば、平均直流電流IDC-HIGHに比べて振動が抑えられた平均直流電流IDC-LOWをサンプリングする方が、正確な検出値であるIDC-LF0を得られやすいことが分かる。ゆえに、フィルタ時定数Td-Fを大きくすれば、平均直流電流IDC-LFの平均値IDC-LF0をより正確に検出でき、その結果、(数3)によるd軸電流Idの推定精度は向上する。
フィルタ時定数Td-Fを大きくすると、直流電流IDCに対する平均直流電流IDC-LFの遅れは大きくなる。しかし、(数3)による電流推定が行われているときの運転形態が直流位置決めであり、永久磁石同期モータ1は定常状態にある。ゆえに、フィルタ時定数Td-Fの増加によって生じる平均直流電流IDC-LFの遅れによるデメリットは生じない。
次に、通常運転時(センサレス制御時)に、フィルタ時定数を小さくすることによって、通常運転時の制御性能の劣化を防止できることについて説明する。
(数1)(数2)(数4)に示されるように、フィルタ時定数Td-Fが大きい場合、直流電流IDCに対する平均直流電流IDC-LFの遅れは大きくなり、その結果、第2のq軸電流Iqc-DCも実際のq軸電流Iqに対して大きな遅れ持つことになる。これが原因となり、通常運転が行われる高速度域では、特に速度指令あるいは負荷トルクなどが変動している過渡状態において、制御性能の劣化を生じる。そこで、センサレス制御時においては、フィルタ時定数Td-Fを小さくし、q軸電流Iqに対する第2のq軸電流Iqc-DCの遅れを小さくすることにより、制御性能の劣化を防止することが有効となる。
なお、本実施形態では、定数変更部9cは、運転形態発生部8で選択された運転形態に応じてフィルタ時定数Td-Fの大きさを変えているが、速度指令発生部6からの速度指令に応じてフィルタ時定数Td-Fの大きさを変えるようにしてもよい。この場合、定数変更部9cは、直流位置決め運転のようにモータ速度が低速域である場合にはフィルタ時定数Td-Fを大きくし、通常運転(センサレス制御)のようにモータ速度が高速域である場合にはフィルタ時定数Td-Fを小さくする。
本発明に係る第一の実施形態における永久磁石同期モータの制御装置の構成図である。 図1中の出力電圧指令演算部15の詳細構成を示す構成図である。 本発明に係る第一の実施形態における永久磁石同期モータの駆動制御装置の構成図である。 本発明に係る第一の実施形態における永久磁石同期モータ及びその駆動制御装置の斜視図である。 本発明に係る第一の実施形態における各種演算に用いられる各種軸の相互関係を示す説明図である。 本発明に係る第一の実施形態において、試運転モードにおいて与えられる速度指令パターンと、そのときの実際の速度とを示すグラフである。 永久磁石同期モータに負荷トルクを加えた場合の回転速度ωの挙動を示すグラフである。 本発明に係る第一の実施形態において、直流位置決め運転で与えられるd軸電流指令Id*パターンと、そのときの実際のd軸電流値とを示すグラフである。 本発明に係る第二の実施形態における永久磁石同期モータの制御装置の構成図である。 平均直流電流の挙動の一例を示すグラフである。
符号の説明
1…永久磁石同期モータ、2…インバータ、3…直流電源、4…直流検出器、5…運転モード発生部、6…速度指令発生部、7…電圧指令発生部、8…運転形態発生部、9,9’…PDC推定部、9a,9’a…フィルタ、9b…PDC演算部、9c…定数変更部、10…Idc-DC / Iqc-DC推定部、10a…Iqc-DC演算部、10b…Idc-DC演算部、11…Idc-ar / Iqc-ar推定部、12…同定演算部、12a…R同定演算部、12b…Ke同定演算部、13…Id*演算部、14…Iq*演算部、15…出力電圧指令演算部、17…制御ユニット、100…駆動制御装置、102…ファン、103…放熱フィン、111…交流電源、112…入力装置

Claims (13)

  1. 永久磁石同期モータの特性を表すモータ定数のうち、少なくとも誘起電圧係数を用いて、インバータから該永久磁石同期モータに印加される電圧を求め、該電圧の指令値を該インバータに送信する出力電圧指令手段を備えている永久磁石同期モータの制御装置において、
    前記永久磁石同期モータに流れる電流値を検知する電流検知手段と、
    前記電流検知手段で検知された電流値を用いて、前記永久磁石同期モータに供給される電力値を推定する電力推定手段と、
    前記電流検知手段で検知された電流値を用いて、前記永久磁石同期モータのd軸電流値及びq軸電流値を推定する電流推定手段と、
    前記出力電圧指令手段が互いに異なる速度を示す複数の速度指令を受けたそれぞれのときに、前記電力推定手段で推定された電力値と、前記電流推定手段で推定されたd軸電流値及びq軸電流値とを、予め定められた式に代入して、前記永久磁石同期モータの誘起電圧係数を同定する係数同定手段と、
    を備え、
    前記出力電圧指令手段は、前記インバータから前記永久磁石同期モータに印加される前記電圧を求める際に、前記係数同定手段が同定した前記誘起電圧係数を用いる、
    ことを特徴とする永久磁石同期モータの制御装置。
  2. 請求項1に記載の永久磁石同期モータの制御装置において、
    前記電流検知手段は、前記インバータのシャント抵抗に流れる電流値を検知する手段である、
    ことを特徴とする永久磁石同期モータの制御装置。
  3. 請求項1及び2のいずれか一項に記載の永久磁石同期モータの制御装置において、
    前記互いに異なる速度を示す複数の速度指令として、少なくとも二つの速度指令ωr*1,ωr*2を受けたそれぞれのとき、
    前記電力推定手段で推定され電力値をPDC1,PDC2とし、
    前記電流推定手段で推定されたd軸電流値をIdc1,Idcとし、
    前記電流推定手段で推定されたq軸電流値をIqc1,Iqc2とし、
    予め定められていた前記永久磁石同期モータの抵抗値又は抵抗の同定値Rとすると、
    前記予め定められた式は、以下の(数1)である、
    Figure 2010098911
    ことを特徴とする永久磁石同期モータの制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の永久磁石同期モータの制御装置において、
    第一電流推定手段としての前記電流推定手段で推定されたd軸電流、又は別途も設けられた第二電流推定手段で推定されたd軸電流を、予め定められた式に代入して、前記永久磁石同期モータの抵抗値を同定する抵抗同定手段を備え、
    前記出力電圧指令手段は、前記抵抗同定手段で同定された前記抵抗値をさらに用いて、前記インバータから前記永久磁石同期モータに加える電圧を求める、
    ことを特徴とする永久磁石同期モータの制御装置。
  5. 請求項4に記載の永久磁石同期モータの制御装置において、
    前記第一電流推定手段又は前記第二電流推定手段で推定されたd軸電流Idcとし、
    d軸の電流指令値をId*とし、
    予め定められていた前記永久磁石同期モータの抵抗値をR*とすると、
    前記抵抗値を同定する際に用いる前記予め定められた式は、以下の(数2)である、
    Figure 2010098911
    であることを特徴とする永久磁石同期モータの制御装置。
  6. 請求項4及び5のいずれか一項に記載の永久磁石同期モータの制御装置において、
    前記第二電流推定手段を備え、
    前記第二電流推定手段は、前記出力電圧指令手段が直流位置決め用の速度の速度指令を受けたときに前記電力推定手段が推定して前記電力値を用いて、d軸電流値を推定し、
    前記抵抗同定手段は、前記第二電流推定手段が推定したd軸電流値を用いて、前記抵抗値を同定する、
    ことを特徴とする永久磁石同期モータの制御装置。
  7. 請求項1から3のいずれか一項に記載の永久磁石同期モータの制御装置において、
    外部から指示に従って、試運転モードか通常運転モードかの指示を出力するモード発生手段と、
    前記モード発生手段から前記試運転モードである旨の指示を受け付けると、前記誘起電圧係数の同定のために、前記出力電圧指令出力手段に、互いに異なる速度を示す前記複数の速度指令を異なる時刻に出力し、前記モード発生手段から前記通常運転モードである旨の指示を受けると、該出力電圧指令手段に、該通常運転モードで要求される速度を示す速度指令を出力する速度指令発生手段と、
    を備えていることを特徴とする永久磁石同期モータの制御装置。
  8. 請求項6に記載の永久磁石同期モータの制御装置において、
    外部から指示に従って、試運転モードか通常運転モードかの指示を出力するモード発生手段と、
    前記モード発生手段から前記試運転モードである旨の指示を受け付けると、前記誘起電圧係数の同定のために、前記出力電圧指令出力手段に、互いに異なる速度を示す前記複数の速度指令を異なる時刻に出力し、前記モード発生手段から前記通常運転モードである旨の指示を受けると、該出力電圧指令手段に、該通常運転モードで要求される速度を示す速度指令を出力する速度指令発生手段と、
    を備え、
    前記速度指令発生手段は、前記通常運転モードで要求される速度の一つとして前記直流位置決め用の速度の速度指令を出力する、
    ことを特徴とする永久磁石同期モータの制御装置。
  9. 請求項1から7のいずれか一項に記載の永久磁石同期モータの制御装置において、
    前記電力推定手段は、
    前記電流検知手段で検知された電流値を平均化するローパスフィルタと、
    前記インバータに加える直流電圧の値と、前記ローパスフィルタから出力された平均電流値とを乗算して、前記電力値を求める乗算器と、
    を有することを特徴とする永久磁石同期モータの制御装置。
  10. 請求項8に記載の永久磁石同期モータの制御装置において、
    前記電力推定手段は、運転形態又は速度指令に応じて、前記ローパスフィルタの時定数を変える定数変更手段、
    を有することを特徴とする永久磁石同期モータの制御装置。
  11. 請求項9に記載の永久磁石同期モータの制御装置において、
    前記定数変更手段は、速度指令値が高速度を示す通常運転の運転形態のときの前記ローパスフィルタの時定数に対して、速度指令値が低速度を示す直流位置決め運転の運転形態のときの前記ローパスフィルタの時定数を大きくする、
    ことを特徴とする永久磁石同期モータの制御装置。
  12. 請求項1から10のいずれか一項に記載の永久磁石同期モータの制御装置と、
    前記インバータとしてのインバータICと、
    を備えていることを特徴とする永久磁石同期モータの駆動制御装置。
  13. 永久磁石同期モータの特性を表すモータ定数のうち、少なくとも誘起電圧係数を用いて、インバータから該永久磁石同期モータに印加される電圧を求め、該電圧の指令値を該インバータに送信する永久磁石同期モータの制御方法において、
    前記永久磁石同期モータに流れる電流値を検知する電流検知工程と、
    前記電流検知工程で検知された電流値を用いて、前記永久磁石同期モータに供給される電力値を推定する電力推定工程と、
    前記電流検知工程で検知された電流値を用いて、前記永久磁石同期モータのd軸電流値及びq軸電流値を推定する電流推定工程と、
    互いに異なる速度を示す複数の速度指令を受けたそれぞれのときに、前記電力推定工程で推定され電力値と、前記電流推定工程で推定されたd軸電流値及びq軸電流値とを、予め定められた式に代入して、前記永久磁石同期モータの誘起電圧係数を同定する係数同定工程と、
    を含み、
    前記インバータから前記永久磁石同期モータに加える前記電圧を求める際には、前記係数同定手段が同定した前記誘起電圧係数を用いる、
    ことを特徴とする永久磁石同期モータの制御方法。
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