JP2010098530A - 電源重畳多重通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】通信信号のレベルの減衰を抑制し、且つノイズの影響を抑制することが可能な電源重畳多重通信システムを提供する。
【解決手段】送信側の通信装置14では、バッテリとECUを接続する制御用電源線L2aに通信信号(正転信号)を重畳し、バッテリと負荷26を接続する動力用電源線L2bに通信信号の位相を180°ずらした信号(反転信号)を重畳する。そして、受信側の通信装置14では、各電源線L2a,L2bを介して伝送された通信信号の差分信号を取得する。そして、各電源線L2a,L2bより得られる通信信号は、互いに位相が180°ずれているので、差分信号は正転信号を増幅した信号となる。また、第1インピーダンス素子22、及び第2インピーダンス素子23の回路定数を適宜調整することにより、各電源線L2a,L2bの位相遅れ時間の相違による位相ずれを補償し、各信号の位相差が180°となるように維持する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の制御ユニットに接続される電力供給用の電源線に通信装置を接続し、各通信装置間での通信を行う電源重畳多重通信システムに関する。
例えば、車両に搭載される各種のECU(Electronic Control Unit)は、電源線を介してバッテリ(直流電源)と接続されている。また、車両内には複数の通信装置が設けられており、各通信装置間で通信を行うための通信線を削減するために、電源線を用いて通信信号の送受信を行う電源重畳多重通信(いわゆるPLC)が提案され、実用に供されている。
図7は、従来における電源重畳多重通信システムの構成を示す回路図である。同図に示すように、バッテリ101のプラス側端子は、ヒューズFを介して電源線L11に接続され、該電源線L11は、複数のECU112(図では2個)、及び複数の通信装置114(図では3個)に接続されている。そして、バッテリ101より出力される電力は、電源線L11を介して各ECU112、及び各通信装置114に供給され、これらの電装品を駆動させることができる。
また、各通信装置114は、OFDM等の所定の変調方式でキャリア信号を変調して通信信号をキャリア信号に重畳し、更に、このキャリア信号を電源線L11に重畳することにより、他の通信装置114へ通信信号を送信することができる。
図8は、従来における通信装置114の構成を示すブロック図であり、同図に示すように、通信装置114は、PLC回路121と、インピーダンス素子122と、回路電源部123と、制御部124を備えている。そして、電源線L11を介して伝送された通信信号は、インピーダンス素子122で交流成分が除去されて電力信号のみが取り出され、回路電源部123に供給される。
更に、電源線L11を介して伝送された通信信号は、フィルタ部133で直流成分、即ち電力信号が除去され、通信信号の送受信に使用されるキャリア信号のみが受信部132にて受信される。その後、この受信信号が制御部124にて復調される。
他方、他の通信装置114へ通信信号を送信する場合には、制御部124で生成された通信信号を送信部131に供給し、所定の変調方式を用いてこの通信信号でキャリア信号を変調し、更に、このキャリア信号を電源線L11に重畳する。こうして、電源線L11を使用した各通信装置114間での通信信号の送受信が行われることになる。
ここで、上記した従来の電源重畳多重通信システムにおいて、電源線には各種の電装品が接続されているので、該電装品との接続点において通信信号が減衰するという欠点があり、特に、電源瞬断対策やノイズ低減のために電源線にコンデンサが接続されている場合には、通信信号の減衰がより顕著になるという問題が生じる。
また、車両に搭載されるECU112や各種負荷への電力伝送は、電源線とボディGNDを利用している場合がある。即ち、グランド接続用の電線を使用せずに、金属のボディ(車体)にグランド端子を接続することにより、車両のボディ自体をグランド線として使用し、電線量を削減している。このため、電源線とボディGNDとの間の距離が大きくなり、他線からの誘導ノイズ、放射ノイズの影響を受けてしまい、通信エラーが発生し易いという問題が生じる。
また、電源線は車両に搭載される電装品への電力供給が主目的であるため、電源線の固有インピーダンスと、リレーボックス、ジャンクションボックス、ヒューズ等の固有インピーダンスとが整合されていないことが多い。このため、各電装品の接続点にて、通信信号の反射が起こり、元々の通信信号と反射信号とが合成されてしまい、高精度な通信ができないという問題が生じる。更に、電源線に接続された各種電装品にて発生するノイズが通信信号に重畳されるため、通信エラーが発生し易いという問題がある。
このような問題を解決するため、例えば特開2004−64405号公報(特許文献1)に記載されているように、複数の電源線に通信信号を重畳し、各電源線に重畳されている通信信号のうち、最も通信感度の高い通信信号を選択して受信する選択型ダイバーシチ受信方式、或いは各電源線に重畳した通信信号を合成して受信信号とする合成型ダイバーシチ受信方式を用いて、信号減衰やノイズの影響を回避する方法が提案されている。
特開2004−64405号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示された従来例は、複数の電源線に重畳した通信信号の中から、常に良い状態の通信信号を選択することにより、受信信号の改善効果を得ようとするものであり、1本の電源線を用いて通信を行った場合の、通信が成立しない確率をαとした場合に、この確率がα/N(Nは電源線の数)となるだけであるので、電源線の条件が悪い場合には、安定した通信を行うことができないという問題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、より安定した通信信号の送受信が可能な電源重畳多重通信システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、直流電源と制御ユニットを接続する制御用電源線、及び前記直流電源と負荷を接続する動力用電源線に複数の通信装置を接続し、前記各電源線を用いて各通信装置間での通信信号の送受信を行う電源重畳多重通信システムにおいて、前記制御用電源線と前記動力用電源線の分岐点に、前記通信信号のキャリア周波数帯域で高インピーダンスとなる素子を設け、前記各通信装置は、前記制御用電源線、及び前記動力用電源線の双方に接続され、更に、前記各電源線を介して伝送される信号からそれぞれ通信信号を取り出すフィルタと、前記フィルタで取り出された各電源線の通信信号の差分を演算し、この差分を受信信号とする差動受信手段と、通信信号を送信する際に、前記各電源線のうち一方の電源線に通信信号を重畳し、且つ、他方の電源線に、前記通信信号の位相を180°ずらして重畳する差動送信手段と、前記制御用電源線に接続され、該制御用電源線を介して伝送される信号から電力信号を取り出して回路電源に供給する第1インピーダンス素子と、前記動力用電源線に接続され、該動力用電源線を介して伝送される信号から電力信号を取り出して負荷に供給する第2インピーダンス素子と、を備え、前記動力用電源線を介して受信される通信信号と、前記制御用電力線を介して受信される通信信号との位相差が180°を維持するように、前記第1インピーダンス素子、及び前記第2インピーダンス素子の回路定数を選定することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記第1インピーダンス素子、及び第2インピーダンス素子は、それぞれ抵抗、コイル、コンデンサを備え、前記抵抗、コイル、コンデンサの値を変化させることにより、前記回路定数を選定することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記高インピーダンスとなる素子は、制御用電源線及び動力用電源線の端部に設けられるコイルであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記高インピーダンスとなる素子は、制御用電源線及び動力用電源線の端部に設けられるコイルとコンデンサの並列接続回路であることを特徴とする。
本発明では、送信側の通信装置では、制御用電源線及び動力用電源線の2本の電源線のうち一方の電源線に通信信号を重畳し、他方の電源線に位相を180°ずらした通信信号を重畳する。受信側の通信装置では、第1インピーダンス素子及び第2インピーダンス素子の回路定数を適宜選定することにより、各電源線に重畳された通信信号の位相ずれ時間を調整し、各通信信号の位相差が180°となるように維持し、各電源線に重畳された通信信号の差分を求める。従って、各電源線間に生じるインダクタンス成分による信号減衰や反射信号との合成によって生じた通信信号の位相ずれ時間による受信信号の電圧低下を抑制することができる。その結果、信頼性の高い高精度な通信信号の送受信が可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電源重畳多重通信システムの構成を示すブロック図である。同図に示す電源重畳多重通信システムは、車両に搭載されるバッテリ11とECU(Electronic Control Unit)12とを接続する電源線(制御用電源線)、及びバッテリ11と負荷を接続する電源線(動力用電源線)を使用して、各通信装置14(14a,14b,14c)間で通信信号の送受信を行う場合を例に挙げている。
図1に示すように、本実施形態に係る電源重畳多重通信システムは、バッテリ(直流電源)11と、車両内の適所に設けられて車両内の各電装品(パワーウインド、パワーシート等)を制御するECU(制御ユニット)12と、複数(図では3個)の通信装置14(14a,14b,14c)を備えている。また、後述するように、通信装置14(14a,14b,14c)には、モータ、ランプ等の負荷26(図2参照)が接続されている。
バッテリ11とECU12との間にはヒューズF1,F2が設けられ、ヒューズF1とバッテリ11との間には、バッテリ11のプラス端子に接続された電源線L1を制御用電源線L2aと動力用電源線L2bの2本の電源線に分岐する電源線分岐部13が設けられている。
そして、制御用電源線L2aは、ECU12と接続され、該ECU12に駆動用の電力を供給する。また、動力用電源線L2bは通信装置14(14a,14b,14c)を介して負荷26に接続され、該負荷26に駆動用の電力を供給する。
各通信装置14(14a,14b,14c)は、制御用電源線L2a、及び動力用電源線L2bの双方に接続されている。
図2は、各通信装置14(14a,14b,14c)の構成を示すブロック図である。同図に示すように通信装置14は、制御用電源線L2a及び動力用電源線L2bに通信信号を重畳して他の通信装置14に送信すると共に、各電源線L2a,L2bを介して他の通信装置14より送信された通信信号を受信するPLC(Power Line Communications)回路21と、制御用電源線L2aに重畳している交流信号成分(キャリア信号)を取り除いて電力成分のみを取り出す第1インピーダンス素子22と、動力用電源線L2bに重畳している交流信号成分(キャリア信号)を取り除いて電力成分のみを取り出す第2インピーダンス素子23を備えている。
更に、第1インピーダンス素子22を介して得られる電力を該通信装置14駆動用の電力として供給する回路電源部24と、第2インピーダンス素子23を介して得られる電力を、負荷駆動用の電力として供給する負荷電源部25を備えており、該負荷電源部25は、負荷26に接続されている。
制御部27は、他の通信装置へ送信するための通信信号を生成し、生成した通信信号をPLC回路21に出力する。また、PLC回路21で受信され、復調された通信信号を取得する。
PLC回路21は、差動送信部31と、差動受信部32と、制御用電源線L2aに接続されたフィルタ部33と、制御用電源線L2bに接続されたフィルタ部34を備えている。
差動送信部31は、OFDM等の変調方式を用いて、制御部27より供給される通信信号でキャリア信号を変調し(以下、これを「正転信号」という)、この正転信号をフィルタ部33を介して制御用電源線L2aに重畳する。更に、正転信号の位相を180°ずらした通信信号でキャリア信号を変調し(以下、これを「反転信号」という)、この反転信号をフィルタ部34を介して動力用電源線L2bに重畳する。従って、制御用電源線L2a、及び動力用電源線L2bには、互いに位相が180°異なるキャリア信号が重畳されることになる。
差動受信部32は、制御用電源線L2aを介して送信され、更にフィルタ部33にて直流成分が除去された信号(即ち、通信に用いられるキャリア信号)を受信し、受信したキャリア信号を復調して送信元となる通信装置14より送信された通信信号を取得する。
更に、動力用電源線L2bを介して送信され、更にフィルタ部34にて直流成分が除去された信号を受信し、受信したキャリア信号を復調して送信元となる通信装置より送信された通信信号を取得する。そして、各電源線L2a、L2bを介して取得した通信信号の差分を求めて制御部27に出力する。
図3(a)〜(d)は、電源線分岐部13の具体的な構成を示す回路図である。電源線分岐部13は、コイル、コンデンサ、抵抗からなる各種のインピーダンス素子を用いて構成され、交流成分を遮断する機能を備える。即ち、通信信号のキャリア周波数帯域で高いインピーダンスとなる特性を有する。
図3(a)は、各電源線L2a,L2bの端部にコイルを設け、該コイルのインダクタンスにより、交流成分を遮断する。従って、制御用電源線L2aに重畳されたキャリア信号は、電源線L1及び動力用電源線L2bに伝達されることは無く、動力用電源線L2bに重畳されたキャリア信号は、電源線L1及び制御用電源線L2aに伝達されることは無い。このため、各電源線L2a,L2bに重畳されるキャリア信号が干渉し合うことを防止できる。
図3(b)は、各電源線L2a,L2bの端部にコイルを設け、更に、各電源線L2a,L2bの接続点とグランドとの間にコンデンサを設け、コイルとコンデンサのインピーダンスにより、交流成分を遮断する。
図3(c)は、各電源線L2a,L2bの端部にコイルとコンデンサの並列回路を設け、この並列回路のインピーダンスにより、交流成分を遮断する。
図3(d)は、各電源線L2a,L2bの端部にコイルとコンデンサの並列回路を設け、更に、各電源線L2a,L2bの接続点とグランドとの間にコンデンサを設け、これらのインピーダンスにより、交流成分を遮断する。
そして、図3(a)〜(d)に示した如くの回路で電源線分岐部13を構成することにより、キャリア信号の干渉を防止する。
図4は、図2に示した第1インピーダンス素子22、及び第2インピーダンス素子23の具体的な回路図であり、抵抗R、コイルL、及びコンデンサCが接続されて構成されている。そして、これらの素子の値を適宜調整することにより、インピーダンスを任意の値に設定することができる。
次に、本実施形態に係る電源重畳多重通信システムの動作について説明する。図1に示すバッテリ11より出力される電力は、電源線分岐部13及びヒューズF1,F2を介して制御用電源線L2a、及び動力用電源線L2bに伝達される。そして、この電力は制御用電源線L2aに接続されたECU12に供給される。
また、一例として通信装置14aから、通信装置14bに通信信号を送信する場合には、通信装置14aの制御部27(図2参照)で生成した通信信号がPLC回路21に供給される。PLC回路21の差動送信部31では、例えばOFDM等の変調方式を用い、供給された通信信号でキャリア信号を変調する。このキャリア信号(正転信号)はフィルタ部33を介して制御用電源線L2aに重畳される。更に、供給された通信信号の位相を180°ずらした信号を生成し、この信号でキャリア信号を変調する。このキャリア信号(反転信号)はフィルタ部34を介して動力用電源線L2bに重畳される。
その結果、図5(a)に示す如くの正転信号が制御用電源線L2aに重畳され、同図(b)に示す如くの反転信号が動力用電源線L2bに重畳されることになる。
そして、受信側となる通信装置14bでは、制御用電源線L2aを介して伝達される信号がフィルタ部33に供給され、且つ第1インピーダンス素子22に供給される。また、動力用電源線L2bを介して伝達される信号がフィルタ部34に供給され、且つ第2インピーダンス素子23に供給される。
第1インピーダンス素子22では、伝達された信号から交流成分が除去されるので、直流成分、即ち、制御用電源線L2aを経由して送信された電力成分のみが取り出され、回路電源部24に供給される。そして、該回路電源部24に供給された電力により、通信装置14b全体を駆動させる。
また、第2インピーダンス素子23では、伝達された信号から交流成分が除去されるので、直流成分、即ち、動力用電源線L2bを経由して送信された電力成分のみが取り出され、負荷電源部25に供給される。そして、該負荷電源部25に供給された電力が、負荷26に供給され、該負荷26を駆動させることができる。
他方、フィルタ部33では、制御用電源線L2aを介して伝達される信号から直流成分が取り除かれ、交流成分のみが取り出されて差動受信部32に供給される。また、フィルタ部34では、動力用電源線L2bを介して伝達される信号から直流成分が取り除かれ、交流成分のみが取り出されて差動受信部32に供給される。従って、差動受信部32には制御用電源線L2aを介して伝達されたキャリア信号、及び動力用電源線L2bを介して伝達されたキャリア信号が受信されることになる。
そして、前述したように、制御用電源線L2aには通信装置14aより送信された正転信号が重畳され、動力用電源線L2bには反転信号が重畳されているので、理想的には図6(c)、(d)に示すように互いに位相が180°ずれた信号が受信されることになる。ところが、制御用電源線L2aと動力用電源線L2bは、その配索経路が同一ではなく、また接続される電装品等が相違するので、伝送路のインピーダンスが相違し、その結果、通信信号の位相遅れ時間が異なる。このため、制御用電源線L2aに重畳された正転信号と、動力用電源線L2bに重畳された反転信号との位相差が180°になるとは限らず、例えば、図5(c)、(d)に示すように位相差がゼロに近づく場合がある。このような場合には差分を演算すると、図5(e)に示すように、正転信号と反転信号が互いに打ち消し合うことになり、差分信号のレベルがほぼゼロになってしまい、通信装置14aより送信された通信信号を受信できなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、図2に示す第1インピーダンス素子22、及び第2インピーダンス素子23を構成する回路素子の定数を適宜変更して、各インピーダンス素子22,23のインピーダンスを調整し、制御用電源線L2aに重畳された通信信号の位相遅れ時間と、動力用電源線L2bに重畳された通信信号の位相遅れ時間がほぼ等しくなるように設定する。
その結果、制御用電源線L2aを介して受信される正転信号を、図6(c)に示す如くの信号とすることができ、且つ、動力用電源線L2bを介して受信される反転信号を図6(d)に示す如くの、正転信号と位相がほぼ180°ずれた信号とすることができるので、図6(e)に示すように差分信号は、図6(a)に示す如くの通信信号をほぼ忠実に再現する信号とすることができる。よって、通信装置14bでは、通信装置14aより送信された通信信号を忠実に再現して受信することができることになる。
このようにして、本実施形態に係る電源重畳多重通信システムでは、送信側となる通信装置14aでは、ECU12等の制御機器に電力を供給する制御用電源線L2aに正転信号を重畳し、ランプ、モータ等の負荷26に電力を供給する動力用電源線L2bに正転信号とは位相が180°ずれた反転信号を重畳する。
そして、受信側の通信装置14bでは、制御用電源線に重畳された正転信号、及び動力用電源線L2bに重畳された反転信号を受信し、これらの差分信号を復調して通信信号を取得することができる。従って、各通信装置14間において信号の減衰を著しく抑制でき、また、ノイズの影響を著しく低減することができるので、極めて高精度な通信信号の送受信を行うことができる。
また、制御用電源線L2aと動力用電源線L2bの配索経路の相違、及び接続される電装品の相違に起因して、位相遅れ時間が変化した場合であっても、第1インピーダンス素子22、及び第2インピーダンス素子23を構成する回路素子の値を適宜変更することにより、正転信号と反転信号の間の位相差を180°に維持することができるので、両者の差分信号は送信された通信信号を忠実に再現した信号となり、高精度な通信信号の送受信が可能となる。
また、図1、図3に示したように、1本の電源線L1をそれぞれ制御用電源線L2a及び動力用電源線L2bに分岐する電源線分岐部13にインピーダンス素子を設けているので、制御用電源線L2aに重畳された通信信号と、動力用電源線L2bに重畳された通信信号が干渉することはなく、高精度な通信信号の送受信が可能となる。
更に、電源重畳多重通信の信頼性を向上させることができるので、通信適用部位を増やすことができ、車両軽量化を図ることができる。その結果、燃費の向上が可能となり、省エネルギー、省資源化に寄与することができる。
以上、本発明の電源重畳多重通信システムを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
例えば、上述した実施形態では、ECUと通信装置を別の構成としたが、ECU自身が通信装置を備える構成とすることもできる。また、上記した実施形態では、制御用電源線L2aに正転信号を重畳し、動力用電源線L2bに反転信号を重畳する例について説明したが、これらを反対としても良い。即ち、動力用電源線L2bに正転信号を重畳し、制御用電源線L2aに反転信号を重畳しても良い。
更に、上記した実施形態では車両に搭載される制御用電源線L2a、及び動力用電源線L2bに通信信号を重畳する例について説明したが、本発明は車両に限定されるものではなく、電車、船舶等の直流電源と制御ユニット間に設けられる電源線に通信信号を重畳する場合にも適用することが可能である。
信号レベルの減衰を抑制し、且つノイズの影響を受けにくい高精度な通信信号の送受信を行う上で極めて有用である。
本発明の一実施形態に係る電源重畳多重通信システムの構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る電源重畳多重通信システムに用いられる通信装置の構成を示すブロックである。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る電源重畳多重通信システムに用いられる電源線分岐部の構成例を示す回路図である。 本発明の一実施形態に係る電源重畳多重通信システムに用いられる第1インピーダンス素子、及び第2インピーダンス素子の具体的な回路構成を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る電源重畳多重通信システムの、送信信号と受信信号、及び差分信号を示す特性図であり、各電源線の位相遅れ時間が異なる場合を示す。 本発明の一実施形態に係る電源重畳多重通信システムの、送信信号と受信信号、及び差分信号を示す特性図であり、各電源線のインピーダンスを調整した場合を示す。 従来における電源重畳多重通信システムの構成を示すブロック図である。 従来における電源重畳多重通信システムに設けられる通信装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
11 バッテリ
12 ECU
13 電源線分岐部
L1 電源線
L2a 制御用電源線
L2b 動力用電源線
14(14a〜14c) 通信装置
21 PLC回路
22 第1インピーダンス素子
23 第2インピーダンス素子
24 回路電源部
25 負荷電源部
26 負荷
27 制御部
31 差動送信部
32 差動受信部
33 フィルタ部
34 フィルタ部

Claims (4)

  1. 直流電源と制御ユニットを接続する制御用電源線、及び前記直流電源と負荷を接続する動力用電源線に複数の通信装置を接続し、前記各電源線を用いて各通信装置間での通信信号の送受信を行う電源重畳多重通信システムにおいて、
    前記制御用電源線と前記動力用電源線の分岐点に、前記通信信号のキャリア周波数帯域で高インピーダンスとなる素子を設け、
    前記各通信装置は、
    前記制御用電源線、及び前記動力用電源線の双方に接続され、更に、
    前記各電源線を介して伝送される信号からそれぞれ通信信号を取り出すフィルタと、
    前記フィルタで取り出された各電源線の通信信号の差分を演算し、この差分を受信信号とする差動受信手段と、
    通信信号を送信する際に、前記各電源線のうち一方の電源線に通信信号を重畳し、且つ、他方の電源線に、前記通信信号の位相を180°ずらして重畳する差動送信手段と、
    前記制御用電源線に接続され、該制御用電源線を介して伝送される信号から電力信号を取り出して回路電源に供給する第1インピーダンス素子と、
    前記動力用電源線に接続され、該動力用電源線を介して伝送される信号から電力信号を取り出して負荷に供給する第2インピーダンス素子と、を備え、
    前記動力用電源線を介して受信される通信信号と、前記制御用電力線を介して受信される通信信号との位相差が180°を維持するように、前記第1インピーダンス素子、及び前記第2インピーダンス素子の回路定数を選定することを特徴とする電源重畳多重通信システム。
  2. 前記第1インピーダンス素子、及び第2インピーダンス素子は、それぞれ抵抗、コイル、コンデンサを備え、前記抵抗、コイル、コンデンサの値を変化させることにより、前記回路定数を選定することを特徴とする請求項1に記載の電源重畳多重通信システム。
  3. 前記高インピーダンスとなる素子は、制御用電源線及び動力用電源線の端部に設けられるコイルであることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の電源重畳多重通信システム。
  4. 前記高インピーダンスとなる素子は、制御用電源線及び動力用電源線の端部に設けられるコイルとコンデンサの並列接続回路であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の電源重畳多重通信システム。
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