JP2010098227A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリモールドタイプのパッケージにあって内部空間内に接着剤を付着させることなくパッケージ本体と蓋体とを接着して、半導体装置としての信頼性を高める。
【解決手段】リードフレーム5を複数個連結状態としたリードフレーム連続成形体を形成するフレーム形成工程と、リードフレーム連続成形体の各リードフレームに樹脂をモールドすることにより箱型のパッケージ本体7を形成するモールド工程と、各パッケージ本体の底板部51上に半導体チップ2,3をそれぞれ固定するチップ搭載工程と、各パッケージ本体に被せられる複数の蓋体8を連結状態とした蓋体連続成形体61を形成する蓋体形成工程と、蓋体連続成形体における各蓋体の周縁部を上方に向けた状態として、その上に導電性接着剤70を設け、パッケージ本体を裏返した状態として各蓋体に接着する接着工程と、これら接着状態のパッケージ本体及び蓋体を接続部から切断して個々の半導体装置とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リードフレームの少なくとも一部をモールド樹脂体に埋設してなるパッケージ本体に半導体チップを収納して蓋体により覆って構成される半導体装置の製造方法に関する。
シリコンマイクや圧力センサ等の半導体装置は、中空のパッケージの中にマイクロフォンチップ等の半導体チップが収納されている。
特許文献1に記載の半導体装置は、フラットの基板の上にマイクロフォンチップ等の半導体チップが搭載され、その上からキャップ状に絞り加工された蓋体が被せられ、その下端が基板の表面に固定されている。この場合、蓋体は金属等の導電性材料によって形成され、その下端が基板上の導体に導電性接着剤によって固定されており、半導体チップの電磁シールドがなされるようになっている。
一方、この種の半導体装置として、リードフレームに樹脂をモールドして一体化したプリモールドタイプのパッケージを用いることにより、材料コストの低減、生産性の向上を図ることができると考えられる。特許文献2から4に記載の半導体装置は、このようなプリモールドタイプのパッケージを用いたものであり、半導体チップに接続されるリードフレームの一部がモールド樹脂に埋設状態とされるとともに、この半導体チップの周りを囲むように周壁部がモールド樹脂に一体に形成され、その周壁部の上にフラットの蓋体が固定されている。
米国特許第6781231号明細書 特開2000−353759号公報 特開2005−5353号公+報 特開2005−26425号公報
ところで、このような半導体装置を製造する場合、パッケージ本体と蓋体とを別々に製作しておき、パッケージ本体に半導体チップを固定した後に、パッケージ本体の周囲に接着剤を塗布して蓋体を接着する作業となる。この場合、小型化の要請に伴い、接着剤を塗布する領域も小さくなってきており、このため、接着剤が塗布領域からはみ出して半導体チップ等に付着するおそれがある。その半導体装置が特許文献1記載の半導体装置のように半導体チップの周りを電磁シールドした構造とされる場合、接着剤として導電性接着剤が用いられ、これが半導体チップ等に付着すると、電気的特性を損なうという問題につながる。
一方、特許文献2〜4に記載されるようなプリモールドタイプの半導体装置は、蓋体をフラットに形成することができるとともに、パッケージ本体と蓋体とをそれぞれ複数個ずつマトリックス状に連結して形成し、これらを一括して接着することができるため、特許文献1記載のようなマイクロフォンパッケージ等に適用することにより、低コスト化を図ることができると考えられるが、その場合に、わずかな位置ずれ等が生じると、接着剤が周壁部の内側で半導体チップを収納している部分に流れ落ちてしまうおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、プリモールドタイプのパッケージにあって内部空間内に接着剤を付着させることなくパッケージ本体と蓋体とを接着して、半導体装置としての信頼性を高めることができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、第1の金属板を加工することにより、半導体チップの下方に配置されるステージ部と該ステージ部と間隔をあけて配置される端子部と前記ステージ部に接続状態の導通フレーム部とを有するリードフレームを接続部を介して複数個連結状態としたリードフレーム連続成形体を形成するフレーム形成工程と、前記リードフレーム連続成形体の各リードフレームに樹脂をモールドすることにより、前記ステージ部及び端子部を一部ずつ露出させた状態でこれらを埋設する底板部と前記導通フレーム部を上端面に露出させた周壁部とを一体に有する箱型のパッケージ本体を形成するモールド工程と、前記端子部に接続した状態で各パッケージ本体の前記底板部上に半導体チップをそれぞれ固定するチップ搭載工程と、第2の金属板を加工することにより、前記各パッケージ本体に被せられる複数の蓋体を接続部を介して前記リードフレームと同じピッチで連結状態とした蓋体連続成形体を形成する蓋体形成工程と、前記蓋体連続成形体における各蓋体の周縁部を上方に向けた状態として、該周縁部の上に導電性接着剤を設け、前記半導体チップを固定した状態の前記パッケージ本体を前記半導体チップの上に前記底板部が配置される裏返し状態として前記周壁部を前記導電性接着剤の上に載置することにより、各蓋体にパッケージ本体を接着する接着工程と、これら接着状態のパッケージ本体及び蓋体を前記接続部から切断して個々の半導体装置とする分離工程とを有することを特徴とする。
すなわち、接着剤をパッケージ本体に設けるのではなく、蓋体の上に設け、その上からパッケージ本体を裏返し状態で重ねて接着するのである。このため、接着剤は、蓋体の上に載せられた状態に維持され、裏返し状態とされるパッケージ本体の周壁部を伝って半導体チップが搭載されている内部空間内に流れ出ることはない。
本発明の半導体装置の製造方法において、各蓋体は矩形板状に形成されるとともに、前記蓋体連続成形体は、各蓋体の四隅を区画する切り抜き孔が形成されることにより、これら切り抜き孔の間の蓋体の辺に沿う幅で前記接続部が形成される構成としてもよい。
切り抜き孔の間で接続部が幅広に形成されることになるから、蓋体の周縁部に設けた接着剤に余剰分があると、その接続部に接着剤が広がることになり、接着剤がパッケージ本体の周壁部の内側へはみ出すことを抑制することができる。
本発明の半導体装置の製造方法において、前記モールド工程においては、前記リードフレーム連続成形体に各パッケージ本体を接続樹脂部を介して相互に連結状態としたモールド樹脂成形体を形成するとともに、該モールド樹脂成形体の接続樹脂部の表面に、前記蓋体連続成形体の前記切り抜き孔に嵌合可能な突出部を形成しておき、前記接着工程においては、前記蓋体連続成形体の各切り抜き孔に前記モールド樹脂成形体の突出部を嵌合した状態とするとよい。
蓋体連続成形体とリードフレーム連続成形体との全体的な位置合わせの他に、各蓋体と各パッケージ本体の四隅で各蓋体に備わる切り抜き孔と各パッケージ本体に備わる突出部とが嵌合することにより、各蓋体とパッケージ本体とが個々に位置決めされ、組み合わせ精度が向上する。
また、本発明の半導体装置の製造方法において、前記半導体チップがマイクロフォンチップであり、前記蓋体又は前記パッケージ本体のいずれかに、内部空間に連通する音響孔が形成されているものとすることができる。
そして、このマイクロフォンとしての半導体装置の製造方法の場合、前記分離工程においては、前記音響孔を塞ぐようにダイシングテープを貼付しておき、該ダイシングテープを貼付した面とは反対面からダイシング加工するとよい。
本発明の半導体装置の製造方法によれば、蓋体の上に接着剤を設けて、半導体チップの上に底板部が配置される状態に裏返しにしたパッケージ本体を接着するようにしたから、接着剤がパッケージ本体の周壁部を伝って半導体チップが搭載されている内部空間内に流れ出ることがなく、半導体チップ等への接着剤の付着を防止することができ、プリモールドタイプのパッケージにあって低コスト化を図るとともに、半導体装置としての信頼性を高めることができる。
以下、本発明に係る半導体装置の実施形態を図面を参照しながら説明する。
[1]第1実施形態
図1〜図13は、第1実施形態を示している。この第1実施形態の半導体装置1は、マイクロフォンパッケージであり、図3に全体の断面を示したように、半導体チップとしてマイクロフォンチップ2と制御回路チップ3との二つのチップが収納されている。また、そのパッケージ4は、リードフレーム5に箱型のモールド樹脂体6を一体成形してなるパッケージ本体7と、このパッケージ本体7の上方を閉塞する蓋体8とを備える構成とされている。図4は、蓋体8を省略して、両半導体チップ2,3を収納した状態のパッケージ本体7の平面を示しており、図5は、その裏面を示している。
リードフレーム5は、銅材等の導電性材料からなる帯状の金属板(本発明の第1の金属板)を加工することにより、複数個が並べられた状態で形成され、後述のように加工され、半導体装置として組み立てられた後に図3に示すように個々に分離されるものである。
図6はリードフレーム5を一定のピッチで並べて形成したリードフレーム連続成形体11を示している。この明細書中では、1個単位のものをリードフレームと称しており、以下では図6の上下方向を縦方向、左右方向を横方向というものとする。また、図6中、符号12,13は、リードフレーム5と外枠部14との間、又は隣接するリードフレーム5相互の間を接続状態とする接続部を示しており、この接続部12,13により複数のリードフレーム5が縦横に整列状態に形成されている。また、符号15は、後述するように蓋体8を取り付ける際に金型のガイドピンを挿入するためのガイド孔を示しており、外枠部14の両側部に一定のピッチで並んで配置されている(図には一方の側部におけるガイド孔のみ示している)。
このリードフレーム5は、図6に示す例では全体として横長の矩形に形成され、マイクロフォンチップ2及び制御回路チップ3を並べて搭載できる面積を有する平板状のステージ部21と、該ステージ部21の周囲に配置された例えば電源用、出力用、ゲイン用の3個の端子部22〜24とが相互に間隔をあけて配置され、そのステージ部21の3箇所から突出片部25が外方に突出して形成された構成とされている。
ステージ部21は、矩形の両側部のうち、一方の側部が2箇所、他方の側部が1箇所それぞれ矩形状に切り欠かれた形状とされ、これら切欠部26内に各端子部22〜24が配置されている。
各端子部22〜24は、ステージ部21の各切欠部26よりも若干小さい矩形状に形成されることにより、該切欠部26内に、ステージ部21との間に一定の間隔をあけて配置されている。
一方、突出片25は、ステージ部21の両端部、図6に示す例では横方向の両端部における中央位置と、1箇所の切欠部26を有する前記他方の側部(図6で上側の側部)における切欠部26を除いた部分の中央位置とにそれぞれ設けられている。各突出片25は、ステージ部21の外方に向かって延びる短尺のアーム部27の先端に、その長さ方向と直交する方向に延びる短冊状の導通フレーム部28が一体に形成され、平面視では全体としてT字状をなしている。そして、そのアーム部27の両端部が屈曲されることにより、ステージ部21に対してアーム部27が立ち上げられ、図3に示すように先端の導通フレーム部28がステージ部21よりも高い位置にステージ部21と平行に配置されている。
また、リードフレーム連続成形体11において、隣接する各リードフレーム5は、その横方向には、突出片25の外側位置に配置された2本の直線状の接続部12により、ステージ部21の両端部の隅部が相互に接続状態とされ、縦方向には、ステージ部21の両端部の相互間を縦方向に接続状態とする2本の連結バー31と、これら連結バー31どうしを横方向に接続状態とする1本の共通バー32と、該共通バー32の途中位置から突出して各端子部22〜24及びステージ部21の側部の中央位置を接続状態とする4本の支持バー33とから構成された接続部13によって接続されている。この場合、各支持バー33は、共通バー32の片側(図6では上側)に3本、反対側に1本設けられており、隣接するリードフレーム5において、その一方の対向側部に対しては、該対向側部に配置されている2個の端子部23,24との間、及びこれら端子部23,24の間に配置されているステージ部21の中間部分との間をそれぞれ接続状態とし、他方の対向側部に対しては、該対向側部に配置されている1個の端子部22との間を接続状態としている。なお、外周位置のリードフレーム5と外枠部14との間では、各接続部12,13が半分までの大きさとされ、縦方向に連結する接続部13においては、外枠14により共通バーは省略される。
また、このリードフレーム5の裏面においては、図7にハッチングした領域が板厚の半分程度までハーフエッチングされた凹状部34とされ、この凹状部34を除く部分が突出した状態とされている。具体的には、外枠部14、各端子部22〜24の中央部分、ステージ部21上においてこれら3個の端子部22〜24に対応する部分、各突出片25及びそのアーム部27のステージ部21における接続部分、ステージ部21に接続状態とされた支持バー33のステージ部21側の接続部分が、それぞれ元板厚の状態とされ、これらを除く接続フレーム部12,13、端子部22〜24の周縁部分及びステージ部21の大部分がハーフエッチングされている。
そして、このハーフエッチングされた凹状部34により突出状態となった端子部22〜24の裏面側の中央部分及び該端子部22〜24に対応する位置のステージ部21の裏面側の4箇所が外部接続面35〜38とされ、その反対側の表面がそれぞれ内部接続面39〜42とされている。また、ステージ部21における各突出片25の接続部分及び支持バー33の接続部分も、外部接続面35〜38と同じ高さの平面に形成され、後述するようにモールド樹脂体6を形成するときに金型に接触する支持面43とされている。
このように加工されたリードフレーム5に対してモールド樹脂体を一体に形成した状態を示すのが図8であり、この状態では、隣接するリードフレーム5に対して接続部12,13も含めて相互に連結された一体構造のモールド樹脂成形体45が形成される。このモールド樹脂成形体45は、各パッケージ本体7のモールド樹脂体6を構成する部分(図8に二点鎖線で囲った部分)の間が、一定の高さで連結状態とされており、その接続樹脂部46の上面に、各モールド樹脂体6の四隅に配置されるように突出部47〜49が一体に形成されている。これら突出部47〜49は、後述する蓋体連続成形体の切り抜き孔に嵌合される大きさに設定されており、蓋体の切り抜き孔が3種類形成されていることから、突出部47〜49も3種類形成されるが、その詳細は蓋体連続成形体の構成とともにあらためて説明する。
また、図9及び図10は、そのモールド樹脂成形体45に半導体チップ2,3を搭載した状態を示しており、このモールド樹脂成形体45が個々に分割されることにより、各リードフレーム5にモールド樹脂体6を一体化したパッケージ本体7が構成される。
その1個ずつに分割したパッケージ本体7について構造を説明すると、図3〜図5に示すように、このパッケージ本体7のモールド樹脂体6は、マイクロフォンチップ2と制御回路チップ3とを並べることができる長さの矩形板状に形成された底板部51と、この底板部51の周縁部から立設した周壁部52とを備える構成とされている。
この底板部51は、その裏面に、リードフレーム5における各端子部22〜24及びステージ部21の外部接続面35〜38を露出させた状態で、これら端子部22〜24及びステージ部21の残りの部分を埋設している。また、この底板部51は、ステージ部21及び端子部22〜24の表面側にも、これらを覆うように形成されているが、各端子部22〜24及びステージ部21の内部接続面39〜42をそれぞれ露出させる4個の開口部53が形成されている。
そして、この底板部51の上に、マイクロフォンチップ2と制御回路チップ3とがダイボンド材54によってそれぞれ固定され、モールド樹脂体6の底板部51の開口部53に臨ませられている端子部22〜24及びステージ部21の各内部接続面39〜42にボンディングワイヤ55によって接続されている。マイクロフォンチップ2は、音響等の圧力変動に応じて振動するダイヤフラム電極と固定電極とが対向配置され、ダイヤフラム電極の振動に伴う静電容量変化を検出するものである。また、制御回路チップ3は、マイクロフォンチップ2への電源の供給回路、マイクロフォンチップ2からの出力信号の増幅器等を備える構成とされている。
一方、周壁部52は、全体としては角筒状に形成され、リードフレーム5のステージ部21を埋設している底板部51の周縁部から上方に向けて立設されている。そして、周壁部52の中にリードフレーム5のアーム部27が埋設されており、このアーム部27の先端の導通フレーム部28が周壁部52の上端面に露出している。
このように構成したパッケージ本体7に被せられる蓋体8も、リードフレーム5と同様に、銅材等の導電性金属材料からなる帯状金属板(本発明の第2の金属板)を加工することにより、複数個並べられた状態で形成され、後述するようにパッケージ本体7に組み合わせた後に、個々に分離されるものである。図11に蓋体8を一定のピッチで並べて形成した蓋体連続成形体61を示している。
個々の蓋体8は、図11に二点鎖線で示したように、パッケージ本体7の周壁部52の上端面の外形とほぼ同じ大きさの矩形の平板状に形成され、その中央部を貫通するように音響孔68が形成されている。
そして、蓋体連続成形体61では、外枠部62に囲まれた領域内に各蓋体8(二点鎖線で囲った部分)がリードフレーム5と同じピッチでマトリクス状に配置されるが、各蓋体8の四隅を区画する部分に切り抜き孔63〜65が形成され、これら切り抜き孔63〜65の間の蓋体8の辺に沿う広い幅の部分が接続部66とされ、該接続部66を介して各蓋体8が連結状態とされている。そして、この広幅の接続部66が蓋体8と面一に形成されていることにより、蓋体連続成形体61としては、広い平板に一定のピッチで切り抜き孔63〜65が形成された如き形状とされている。この切り抜き孔63〜65は、最外周位置の蓋体8においては、外枠部62の隅部との間ではL字のアングル状の切り抜き孔63、外枠部62の辺部分との間では隣接する二つの蓋体8との間に配置されるT字状の切り抜き孔64、最外周位置を除く中央部分では、相互に隣接する四つの蓋体8の間に配置されるように十字状の切り抜き孔65とされている。そして、この切り抜き孔63〜65が3種類形成されていることにより、これら切り抜き孔63〜65に嵌合するモールド樹脂成形体45の突出部47〜49も、図8に示すように、各切り抜き孔63〜65に対応して、平面視で、L字のアングル状をなす突出部47、T字状の突出部48、十字状の突出部49の3種類形成される。
また、図6等のリードフレーム連続成形体11の場合と同様に、蓋体連続成形体61にも、ガイドピンが挿入されるガイド孔15が外枠部62の両側部にリードフレーム連続成形体11と同じピッチで配列されている。
そして、この蓋体8をパッケージ本体7に重ねると、その周縁部がパッケージ本体7の周壁部52の上端面に当接し、パッケージ本体7の底板部51と蓋体8とが対向し、パッケージ本体7の底板部51、周壁部52及び蓋体8により囲まれた内部空間69が半導体チップ収納空間とされ、その内部空間69が蓋体8の音響孔68によって外部に連通した状態とされる構成である(図3参照)。
これらパッケージ本体7と蓋体8とは、パッケージ本体7の周壁部52の上端面に蓋体8の周縁部の下面が導電性接着剤70によって固着されるようになっており、パッケージ本体7の周壁部52の上端面に露出しているリードフレーム5の導通フレーム部28が導電性接着剤70を介して蓋体8と電気的接続状態とされる。したがって、これらパッケージ本体7に蓋体8を固着してなるパッケージ4は、蓋体8からリードフレーム5のステージ部21の間が電気的接続状態となって内部空間69内の半導体チップ2,3を囲った状態とするのである。
次に、このように構成される半導体装置1の製造方法について説明する。以下では、リードフレーム連続成形体11を形成するフレーム成形工程、そのリードフレーム連続成形体11に樹脂をモールドするモールド工程、樹脂をモールドして形成された個々のパッケージ本体7に半導体チップ2,3をそれぞれ固定するチップ搭載工程、蓋体連続成形体61を形成する蓋体形成工程、パッケージ本体7と蓋体8とを接着する接着工程、接着後のパッケージ4を個々に分離する分離工程を順を追って説明する。
(フレーム形成工程)
まず、リードフレーム5となる帯状金属板(第1の金属板)の必要な個所にマスキングをしてエッチング処理することにより、図7に示す裏面側のハッチング領域を板厚の半分程度までハーフエッチングする。そして、エッチング加工によって外形を成形し、接続部12,13により外枠部14に接続状態とされた平フレーム部材を形成する。図6の一部に、突出片25のアーム部27を屈曲させる前の状態を二点鎖線で示している。このエッチング加工時に外枠部14のガイド孔15も成形しておく。
この後、突出片25のアーム部27をプレスによって曲げ変形させることにより、ステージ部21に対して突出片25の導通フレーム部28を持ち上げた状態とする。このプレス加工は、図12にプレス金型を示したように、リードフレーム連続成形体11においてリードフレーム5の裏面を上方に向けた状態とし、傾斜面75a,76aを有する上型75と下型76とによって挟みながら突出片25の導通フレーム部28を上方から下方に押し下げることにより、アーム部27を曲げ変形させることになる。この場合、アーム部27が金型表面で円滑に変形できるように、上型75の曲げ部に対応する部分に若干の突出部77が形成され、これら突出部77の間の傾斜面75aの中間部分ではアーム部27と上型75との間に隙間ができるように形成されている。
なお、端子部22〜24及びその支持バー33は、ステージ部21と同一平面上に配置した状態に維持される。
このようにしてエッチング加工及びプレス加工により外形の成形、曲げ加工等が施された状態が図6及び図7に示す状態であり、リードフレーム5が一定のピッチで縦横に並べられた状態に形成される。
(モールド工程)
次いで、このように成形したリードフレーム連続成形体11を射出成形金型内に配置し、各リードフレーム5を埋設するように樹脂を射出成形してモールド樹脂体6を成形する。
図13はプレス成形した後の1個のリードフレーム5を射出成形金型内に配置した状態を示しており、上型81と下型82との間にモールド樹脂が注入されるキャビティ83が形成されている。この場合、前述したように、連続成形体11における隣接する各リードフレーム5の全体を連結した状態にモールド樹脂成形体45(図8〜図10参照)が成形されるようになっており、射出成形金型は、その上型81と下型82とにより連続成形体11の外枠部14を隙間なく挟持し、その内側の各リードフレーム5全体を一括して覆うように広いキャビティ83が形成される。
また、この射出成形金型内にリードフレーム5を配置して型締めした状態においては、ステージ部21及び各端子部22〜24の4個の外部接続面35〜38、ステージ部21の各支持面43が下型82のキャビティ面に接触し、ステージ部21の表面側の各内部接続面39〜42、及び突出片25の導通フレーム部28の上面がそれぞれ上型81のキャビティ面に接触した状態とされる。この場合、ステージ部21及び各端子部22〜24の外部接続面35〜38及び内部接続面39〜42の両面に金型81,82が接触することにより、これらステージ部21及び端子部22〜24が両金型81,82の間で挟持された状態に保持され、また、突出片25においては、その基端部の支持面43と先端の導通フレーム部28の上面との間で金型81,82に挟持され、アーム部27がわずかに撓ませられることにより、その弾性力によって支持面43及び導通フレーム部28の上面が両金型81,82に押圧接触した状態とされる。
このようにして各リードフレーム5を射出成形金型内に配置して樹脂をモールドすると、図8に示すように、周壁部52の部分を接続樹脂部46によって接続状態としたモールド樹脂成形体45が各リードフレーム5に一体に成形された状態となる。この場合、接続樹脂部46は周壁部52の高さと同じ高さで連続しており、その接続樹脂部46の上面に突出部47〜49が一体に形成されている。
(チップ搭載工程)
図9及び図10に示すように、モールド樹脂成形体45の底板部51の上に半導体チップ2,3をダイボンド材54により固着し、底板部51の開口部53に露出している端子部22〜24及びステージ部21の各内部接続面39〜42にボンディングワイヤ55によって接続状態とする。
(蓋体形成工程)
一方、蓋体8についても、帯状金属板(第2の金属板)にエッチング加工等を施すことにより、切り抜き孔63〜65及び音響孔68を成形し、図11に示すように、外枠部62の中で接続部66により蓋体8を相互に接続状態とした蓋体連続成形体61を形成しておく。また、このときのエッチング加工によって外枠部62のガイド孔15も成形される。このガイド孔15はリードフレーム連続成形体11のガイド孔15と同じ位置に、同じピッチで形成される。
(接着工程)
このようにしてモールド樹脂成形体45を一体化させたリードフレーム連続成形体11、及び蓋体連続成形体61をそれぞれ製作した後、蓋体連続成形体61の表面の全面にダイシングテープ85を貼付することにより、音響孔68をダイシングテープ85で塞いだ状態とする。そして、図1に示すように、このダイシングテープ85とは反対側の裏面を上方に向けた状態として定盤(図示略)等の上に蓋体連続成形体61を水平に配置し、各蓋体8の周縁部の上に導電性接着剤70を塗布する。次いで、その上から矢印で示すように、モールド樹脂成形体45を裏返した状態、つまり半導体チップ2,3の上に底板部51が配置される状態として載せ、蓋体8の導電性接着剤70の上にモールド樹脂成形体45の周壁部52の上端面を重ねて接着する。このとき、リードフレーム連続成形体11及び蓋体連続成形体61の各外枠部14,62のガイド孔15にピンを挿入した状態とするとともに、蓋体連続成形体61の各切り抜き孔63〜65に、モールド樹脂成形体45の対応する各突出部47〜49を嵌合することにより、各蓋体8とパッケージ本体7とを位置合わせする。この状態では、各リードフレーム5は、隣接するリードフレームに接続部12,13を介して連結状態とされているとともに、これらを一括してモールド樹脂成形体45が覆っていることにより、パッケージ本体7としては接続樹脂部46を介して複数個が縦横に連なった状態となっており、蓋体8も接続部66を介してリードフレーム5と同じピッチで複数個が連結状態とされている。また、蓋体連続成形体61が平板状に形成され、モールド樹脂成形体45も接続樹脂部46が周壁部52と同じ高さに形成されて表裏面とも面一に形成されていることから、これらの接合体も表裏面がフラットに形成される。
このようにして蓋体連続成形体61の上に、図2に示すようにリードフレーム連続成形体11に一体のモールド樹脂成形体45を導電性接着剤70によって接着し、この図2に示す姿勢で加熱してそのまま導電性接着剤70を硬化させる。
(分離工程)
次に、これらリードフレーム連続成形体11に一体のモールド樹脂成形体45、及び蓋体連続成形体61をモールド樹脂成形体45の接続樹脂部46の中央部分からダイシング刃86によって同時に切断しながら、個々に切り離していくと、図3に示す半導体装置1として完成される。このダイシング加工は、リードフレーム連続成形体11においては、このリードフレーム5で横方向に延びる接続部12の中間位置が切断され、縦方向に並ぶリードフレーム5間では、その接続部13の共通バー32の部分でその長さ方向に切断されることになる。また、同時に蓋体8も接続部66を分断するように切断される。この場合、蓋体連続成形体61には切り抜き孔63〜65が形成されており、図11に示すように切り抜き孔63〜65の幅の方が接続部66の幅よりも大きく形成されていることにより、ダイシング刃86は切り抜き孔63〜65の幅の範囲で切断することになる。言い換えれば、複数の切り抜き孔63〜65の間を通るように切断することになり、切断に伴うバリ等の発生が防止される。
このダイシング加工により、リードフレーム5及び蓋体8の接続部12,13,66が切断されるとともに、モールド樹脂体6の周壁部52の外縁が形成される。
このようにして製造した半導体装置1は、その裏面に露出している各端子部22〜24及びステージ部21の外部接続面35〜38を基板にはんだ付けすることにより実装される。この場合、半導体装置1は、図9に示すように、底板部51内に埋設されているステージ部21が半導体チップ2,3の下方に配置され、このステージ部21の内部接続面42に半導体チップ2,3が接続され、図3に示すように、ステージ部21と一体の突出片25の導通フレーム部28が周壁部52の上端面で導電性接着剤70を介して蓋体8に接続され、その蓋体8が半導体チップ2,3の上方を覆った状態としている。したがって、半導体チップ2,3は、その周囲をステージ部21及び蓋体8によって囲まれた状態となり、このステージ部21の外部接続面38が基板を介して接地状態とされることにより、半導体チップ2,3を外部磁界からシールドすることができる。
そして、この半導体装置1において、パッケージ本体7と蓋体8との接着作業が、水平にした蓋体8の上に導電性接着剤70を塗布しておき、その上からパッケージ本体7を被せるようにして固着し、その姿勢のまま硬化させていることから、導電性接着剤70がパッケージ本体7の周壁部52の内側空間内に入り込むことがない。また、この場合に、モールド樹脂成形体45には、周壁部52と同じ高さで接続樹脂部46が形成され、蓋体連続成形体61は、蓋体8と接続部66とが一枚の平板状に連続して形成されているから、蓋体8の周縁部に塗布した導電性接着剤70にわずかな余剰部分があった場合でも、蓋体連続成形体61の接続部66とモールド樹脂成形体45の接続樹脂部46との間に導電性接着剤70が延ばされることになり、内部空間69側へはみ出すことが抑制される。したがって、半導体チップ2,3等に導電性接着剤70が付着することが確実に防止され、その信頼性を高めることができる。
また、このようにして蓋体連続成形体61の接続部66とモールド樹脂成形体45の接続樹脂部46との間に導電性接着剤70が延ばされることにより、これら接続部66と接続樹脂部46とが一体に固着され、ダイシング加工を容易にして、切断精度を高めることができる。
また、前述したように蓋体連続成形体61とモールド樹脂成形体45とが切り抜き孔63〜65と突出部47〜49とを嵌合させた状態で固着されるから、蓋体8とパッケージ本体7とが正確に位置決めされ、切断精度の向上と相まって、寸法精度の高いパッケージとすることができる。
[2]第2実施形態
図14〜図30は、本発明の第2実施形態を示している。この第2実施形態の半導体装置101も、第1実施形態と同様、マイクロフォンパッケージであり、図16に全体の断面を示したように、半導体チップとしてマイクロフォンチップ2と制御回路チップ3との二つのチップが収納されている。また、そのパッケージ104は、リードフレーム105に箱型のモールド樹脂体106を一体成形してなるパッケージ本体107と、このパッケージ本体107の上方を閉塞する蓋体108とを備える構成とされている。図17は、蓋体108を省略して、両半導体チップ2,3を収納した状態のパッケージ本体107の平面を示しており、図18は、その裏面を示している。
リードフレーム105は、銅材等の導電性材料からなる帯状の金属板(第1の金属板)を加工することにより、複数個が並べられた状態で形成され、後述のように加工され、半導体装置として組み立てられた後に図16に示すように個々に分離されるものである。
図19は外枠部111の中にリードフレーム105を一定のピッチで並べて形成したリードフレーム連続成形体112の展開状態を示しており、図20は、その裏面を示している。また、図19中、符号113は、後述するように蓋体108を取り付ける際に金型のガイドピンを挿入するためのガイド孔を示しており、図示例では、外枠部111の上下方向の両端部に一定のピッチで並んで配置されている(図には一方の端部におけるガイド孔のみ示している)。
各リードフレーム105は、図21及び図22に1個のリードフレームを示したように、マイクロフォンチップ2及び制御回路チップ3の下方に配置される平板状のステージ部121と、該ステージ部121の周囲に配置された例えば電源用、出力用、ゲイン用の3個の端子部122〜124とが相互に間隔をあけて配置され、そのステージ部121に連結フレーム部125を介して一体の導通フレーム部126がステージ部121の一方の端部と平行に形成されており、これら導通フレーム部126、ステージ部121、各端子部122〜124が全体として縦長の矩形状をなすように配置されている。
ステージ部121は、矩形状の両端部のうち、一方の端部が1箇所、他方の端部が2箇所それぞれ矩形状に切り欠かれた形状とされ、これら切欠部127内に各端子部122〜124が配置されている。
各端子部122〜124は、ステージ部121の各切欠部127よりも小さい矩形状に形成されることにより、該切欠部127内に、ステージ部121との間に一定の間隔をあけて配置されている。
導通フレーム部126は、ステージ部121の一方の端部と間隔をあけてこの端部の辺に沿って配置されている。この場合、導通フレーム部126は、ステージ部121のこの一方の端部における切欠部127を除く部分の長さの範囲で設けられており、切欠部127に対向する部分には、導通フレーム部126から外方に屈曲状態に張り出してなる屈曲部128が導通フレーム部126の一端部に連続して形成されている。そして、この屈曲部128の端部及び導通フレーム部126の他方の端部に、ステージ部121の両側部と平行にそれぞれ連結フレーム部125が形成され、各連結フレーム部125の先端部がステージ部121の両側部のほぼ中央位置に接続されている。また、隣接するリードフレーム105においては、導通フレーム部126から延びる連結フレーム部(図21の左側部に配置されている連結フレーム部)125と、屈曲部128から延びる連結フレーム部(図21の右側部に配置されている連結フレーム部)125との長さ方向の途中位置どうしが図示例では2本の短尺のブリッジ部(接続部)129によって連結状態とされている。
このように導通フレーム部126に屈曲部128が連続し、これら導通フレーム部126及び屈曲部128から延びる両連結フレーム部125が隣接状態の両リードフレーム105間で相互に連結状態とされていることにより、図19に示すように、各リードフレーム105の一端部側に配置される導通フレーム部126、屈曲部128、連結フレーム部125が一列に連なった状態とされ、その両端が外枠部111に接続されている。そして、これら連結状態の導通フレーム部126、屈曲部128、連結フレーム部125により、各リードフレーム105の一端部側を列に沿って連結状態として外枠部111に支持する支持フレーム部131が構成される。具体的には、この支持フレーム部131には、その片側に、各リードフレーム105のステージ部121が連結フレーム部125を介して接続されるとともに、このリードフレーム105に属する1個の端子部124がアーム部32を介して接続され、反対側に、隣接する他の列のリードフレーム105に属する2個の端子部122,123がそれぞれ補助アーム部133を介して接続されている。
この場合、この2個の端子部122,123は、そのうちの1個(端子部122)は導通フレーム部126に、他の1個(端子部123)は屈曲部128にそれぞれ接続されている。したがって、支持フレーム部131の導通フレーム部126には、他の列のリードフレーム105に属する1個の端子部122が接続され、屈曲部128においては、その両側に、自身のリードフレーム105に属する端子部124と他の列のリードフレーム105に属する端子部123とが1個ずつ接続されることになる。
なお、図19及び図21にハッチングした領域は、リードフレーム105の表面側で局部的にハーフエッチングした領域を示しており、屈曲部128に接続されているアーム部132及び補助アーム部133における屈曲部128への接続部付近、及び支持フレーム部131とは反対側の端部におけるステージ部121の両切欠部127に配置される両端子部122,123の内側側部がそれぞれ板厚の半分程度にハーフエッチングされることにより、他の表面よりも低い凹状部134,135とされている。
一方、このリードフレーム連続成形体112の裏面は、図20及び図22にハッチングでハーフエッチング領域を示したように、ステージ部121の大部分がハーフエッチングされている。すなわち、3個の端子部122〜124に対応するステージ部121の隅部が矩形状に残された状態で、他の部分が板厚の半分程度までハーフエッチングされた凹状部136とされ、その残された隅部が3個の端子部122〜124とほぼ同じ形状の矩形状とされ、これら端子部122〜124及びステージ部121の隅部の表面が外部接続面137〜140とされ、これら4個の外部接続面137〜140がリードフレーム105全体の四隅付近に配置されるようになっている。なお、各端子部122〜124の表面(支持フレーム部131とは反対側端部におけるステージ部121の両切欠部127に配置される両端子部122,123においてはその内側側部の凹状部135を除く表面)及びこれら端子部122〜124の配置に対応するステージ部121の隅部表面が、マイクロフォンチップ2又は制御回路チップ3に接続される内部接続面141〜144とされている。
そして、このリードフレーム連続成形体112は、図23に示すように、連結フレーム部125及びアーム部132、補助アーム部133が、その両端部で折り曲げ変形され、支持フレーム部131は外枠部111と同一平面上に配置されるが、連結フレーム部125及びアーム部132、補助アーム部133は、それぞれ先端に向けて下り勾配に傾斜して配置され、これらの先端に接続状態のステージ部121と各端子部122〜124とは、支持フレーム部131よりも低い位置で同一平面上に配置される。
このように加工されたリードフレーム連続成形体112に対してモールド樹脂体106を相互に連結状態とした一体構造のモールド樹脂成形体150が形成される。その状態を示すのが図24ある。
このモールド樹脂成形体150は、各パッケージ本体107のモールド樹脂体106を構成する部分(図19に二点鎖線で囲った部分)の間が、一定の高さで連結状態とされており、その接続樹脂部146の上面に、後述の蓋体連続成形体の切り抜き孔に嵌合される二種類の突出部147,148が各モールド樹脂体106の四隅に配置されるように一体に形成されている。
このモールド樹脂成形体150にマイクロフォンチップ2及び制御回路チップ3が搭載され、その上に蓋体108が固定されて、個々に分割されることにより、各リードフレーム105にモールド樹脂体106を一体化したパッケージ本体107と蓋体108とによりマイクロフォンチップ2及び制御回路チップ3を収納した半導体装置101が構成される。本発明では、このリードフレーム連続成形体112にモールド樹脂成形体150が一体に形成された状態のものをパッケージ本体連続成形体151と称しており、複数のパッケージ本体107が相互に連結状態に形成される。
その1個ずつに分割したパッケージ本体107について構造を図25〜図27により説明すると、このパッケージ本体107のモールド樹脂体106は、マイクロフォンチップ2と制御回路チップ3とを並べることができる長さの矩形板状に形成された底板部152と、この底板部152の周縁部から立設した周壁部153とを備える構成とされている。
この底板部152は、その裏面では、リードフレーム105における各端子部122〜124及びステージ部121の各外部接続面137〜140を露出させた状態で、これら端子部122〜124及びステージ部121の残りの部分を埋設している(図18参照)。また、この底板部152の表面側には、その一側部を他の部分と区画するように若干の高さの立ち上げ壁154が縦方向に沿うリブ状に形成され、その立ち上げ壁154よりも右側側部においては、上下両端部の端子部123,124の内部接続面142,143とステージ部121の一部が露出状態とされ、また、立ち上げ壁154より左側表面では、縦方向の中央部から上半分では、ステージ部121の内部接続面144を除き、他の部分は埋設状態とされているが、中央部から下半分では、端子部122の内部接続面141とステージ部121の下半分とが露出された状態とされ、これら露出状態の内部接続面141とステージ部121の表面との間を区画するように若干の高さの立ち上げ壁155が形成されている。これら立ち上げ壁154,55の高さは、マイクロフォンチップ2及び制御回路チップ3の高さよりは低いが、後述するダイボンド材の塗布厚さよりも大きく、マイクロフォンチップ2及び制御回路チップ3の下方からダイボンド材がはみ出しても乗り越えられない程度の高さに設定される。また、ステージ部121の下半分の露出部分の側方位置には、立ち上げ壁155よりも高い棚部156が立ち上げ壁155に連続しかつ周壁部153の内側面と一体に形成されている。
そして、この底板部152の上半分のステージ部121の大部分が樹脂に埋設されている領域がマイクロフォンチップ2を搭載する領域とされ、下半分のステージ部121の一部が露出している領域が制御回路チップ3を搭載する領域とされている。したがって、マイクロフォンチップ2を搭載する領域は全面的に樹脂がモールドされているが、制御回路チップ3を搭載する領域は、ステージ部121の一部が露出しており、この露出したステージ部121の上に制御回路チップ3が固定されるようになっている。また、この制御回路チップ3が搭載される領域に接近して形成される棚部156は、底板部152の一部を隆起させ、周壁部153に囲まれた内部空間の容積を小さくするように機能している。
そして、この底板部152の上に、マイクロフォンチップ2と制御回路チップ3とがダイボンド材157,158によってそれぞれ固定され、底板部152の四隅に露出状態とされている端子部122〜124及びステージ部121の各内部接続面141〜144にボンディングワイヤ159によって接続されている(図16及び図17参照)。この場合、マイクロフォンチップ2を固定するダイボンド材157は絶縁性樹脂によって構成されるが、制御回路チップ3を固定するダイボンド材158は導電性樹脂によって構成される。
一方、周壁部153は、全体としては角筒状に形成され、リードフレーム105のステージ部121を埋設している底板部152の周縁部から上方に向けて立設されている。そして、周壁部153の中に、両端部で折り曲げられて傾斜した状態の連結フレーム部125及び各端子部122〜124のアーム部132及び補助アーム部133がそれぞれ埋設されており、導通フレーム部126の表面が周壁部153の上端面に露出している。
なお、モールド樹脂成形体150としては、導通フレーム部126に連続する屈曲部128の表面も周壁部153の外側で露出しているが、後述するようにダイシング加工によって切断される。
このように構成したパッケージ本体107に被せられる蓋体108も、リードフレーム105と同様に、銅材等の導電性金属材料からなる帯状金属板(第2の金属板)を加工することにより、複数個並べられた状態で形成され、後述するようにパッケージ本体107に組み合わせた後に、個々に分離されるものである。図28に蓋体108を一定のピッチで並べて形成した蓋体連続成形体161を示している。この蓋体連続成形体161は、各蓋体108がリードフレーム105と同じピッチで縦横に並べられ、また、図19等のリードフレーム連続成形体112の場合と同様に、ガイドピンが挿入されるガイド孔113が外枠部162の両側部にリードフレーム連続成形体112と同じピッチで配列されている。個々の蓋体108は、パッケージ本体107の周壁部153の上端面を覆う矩形の平板状に形成されており、そのほぼ中央位置に音響孔164が貫通状態に形成されている。この蓋体108をパッケージ本体107に重ねると、その周縁部がパッケージ本体107の周壁部153の上端面に当接して、パッケージ本体107の底板部152と蓋体108とが対向し、これらパッケージ本体107の底板部152、周壁部153及び蓋体108により囲まれた内部空間165が半導体チップ収納空間とされ、その内部空間165が蓋体108の音響孔164によって外部に連通させた状態とされる構成である。
また、蓋体連続成形体161には、各蓋体108の四隅を区画する部分に切り抜き孔166〜168が形成され、これら切り抜き孔166〜168の間の蓋体108の辺に沿う広い幅の部分が接続部169とされ、該接続部169を介して蓋体108が連結状態とされている。また、この広幅の接続部169が蓋体108と面一に形成されていることにより、蓋体連続成形体161としては、広い平板に一定のピッチで切り抜き孔166〜168が形成された如き形状とされている。この切り抜き孔166〜168は、最外周位置の蓋体108においては、外枠部162の隅部との間ではL字のアングル状の切り抜き孔166、外枠部162の辺部分との間では隣接する二つの蓋体108との間に配置されるT字状の切り抜き孔167、最外周位置を除く中央部分では、相互に隣接する四つの蓋体108の間に配置されるように十字状の切り抜き孔168とされている。一方、この蓋体連続成形体161が被せられるモールド樹脂成形体150の突出部147,148は、平面視で、L字のアングル状をなす突出部147と、T字状の突出部148との2種類とされているとともに、いずれの突出部147,148も蓋体連続成形体161の切り抜き孔166〜168よりも小さく形成されているが、蓋体連続成形体161とモールド樹脂成形体150とを重ね合わせたときに、モールド樹脂成形体150の各突出部147,148が対応する蓋体連続成形体161の切り抜き孔166〜168に嵌合し、各突出部147,148と切り抜き孔166〜168とが部分的に接触状態となることにより、全体の位置合わせがなされるようになっている。
この場合、モールド樹脂成形体150と蓋体連続成形体161とは、モールド樹脂成形体150におけるパッケージ本体107の周壁部153の上端面に各蓋体108の下面が導電性接着剤170によって固着されるようになっており、パッケージ本体107の周壁部153の上端面に露出しているリードフレーム105の導通フレーム部126が導電性接着剤170を介して蓋体108と電気的接続状態とされる。したがって、これらパッケージ本体107に蓋体108を固着してなるパッケージ104は、蓋体108からリードフレーム105のステージ部121の間が電気的接続状態となって内部空間165内のマイクロフォンチップ2及び制御回路チップ3を囲った状態とするのである。
次に、このように構成される半導体装置101の製造方法について説明する。
(フレーム形成工程)
まず、リードフレーム連続成形体112となる帯状金属板(第1の金属板)の必要な個所にマスキングをしてエッチング処理することにより、図19に示す表面側のハッチング領域及び図20に示す裏面側のハッチング領域をそれぞれ板厚の半分程度までハーフエッチングする。そして、エッチング加工によって外形を成形し、外枠部111の内側に展開状態のリードフレーム105を形成する。この状態では、図19及び図20に示すように、外枠部111の内側に、導通フレーム部126、屈曲部128、連結フレーム部125が連続した支持フレーム部131が横一列状態に形成され、この支持フレーム部131により一端部が支持された状態に展開状態のリードフレーム105が形成される。また、このエッチング加工時に外枠部111のガイド孔113も成形しておく。
この後、連結フレーム部125及び各端子部122〜124のアーム部132及び補助アーム部133をプレスによって曲げ変形させることにより、支持フレーム部131に対してステージ部121及び端子部122〜124を押し下げた状態とする。このプレス加工は図29に示すようなプレス金型を使用して行われる。この図29には、右半分に連結フレーム部125の折り曲げ部、左半分に補助アーム部133の折り曲げ部を示している。すなわち、上型171と下型172に、それぞれ傾斜面171a,171b,172a,172bを形成しておき、これら傾斜面によって連結フレーム部125又は補助アーム部133を挟みながら両端部を折り曲げる。この場合、連結フレーム部125や補助アーム部133が金型表面で円滑に変形できるように、上型171の曲げ部に対応する部分に若干の突出部173が形成され、これら突出部173の間の傾斜面171a,172aの中間部分では連結フレーム部125や補助アーム部133と上型171との間に隙間ができるように形成されている。アーム部132の場合も同様に上型171と下型172とにより挟みながら折り曲げる。
これら連結フレーム部125及びアーム部132、補助アーム部133のプレス加工は曲げ加工であり、これらの先端位置が、平面状に展開されている状態から曲げ変形後には基端部方向にそれぞれスライドするので、連結フレーム部125の先端のステージ部121及びアーム部132又は補助アーム部133の先端の端子部122〜124は、金型面上でスライドできるように支持される。
このようにしてエッチング加工及びプレス加工により外形の成形、曲げ加工等が施された状態が図21及び図22に示す状態であり、この状態で各リードフレーム105が一定のピッチで縦横に並べられた状態に形成される。
(モールド工程)
次いで、このように成形したリードフレーム105の連続成形体112を射出成形金型内に配置し、各リードフレーム105を埋設するように樹脂を射出成形してモールド樹脂体106を成形する。
図30はプレス成形した後の1個のリードフレーム105を射出成形金型内に配置した状態を示しており、上型181と下型182との間にモールド樹脂が注入されるキャビティ183が形成されている。この場合、図24に示すように、連続成形体112における隣接する各リードフレーム105の全体を連結した状態にモールド樹脂成形体150が成形されるようになっており、射出成形金型は、その上型181と下型182とによりリードフレーム連続成形体112の外枠部111を隙間なく挟持し、その内側の各リードフレーム105全体を一括して覆うように広いキャビティ183が形成される。
また、この射出成形金型内にリードフレーム105を配置して型締めした状態においては、ステージ部121及び各端子部122〜124の4個の外部接続面137〜140が下型182のキャビティ面に接触し、ステージ部121の表面側の各内部接続面141〜144、ステージ部121の露出部分、及び支持フレーム部131における導通フレーム部126及び屈曲部128の上面がそれぞれ上型181のキャビティ面に接触した状態とされる。この場合、ステージ部121及び各端子部122〜124の外部接続面137〜140及び内部接続面141〜144の両面に金型181,182が接触することにより、これらステージ部121及び端子部122〜124が両金型181,182の間で挟持された状態に保持され、また、これらステージ部121及び端子部122〜124の外部接続面137〜140と、導通フレーム部126及び屈曲部128の上面とが金型に押圧接触するように、連結フレーム部125及びアーム部132、補助アーム部133がわずかに撓ませられた状態に配置される。
このようにして各リードフレーム105を射出成形金型内に配置して樹脂をモールドすると、周壁部153の部分を接続樹脂部146によって連続状態としたモールド樹脂成形体150が各リードフレーム105に一体に成形された状態となる(図24参照)。
(チップ搭載工程)
その後、モールド樹脂成形体150の各底板部152の上にマイクロフォンチップ2及び制御回路チップ3をダイボンド材157,158により固着し、底板部152四隅に露出している端子部122〜124及びステージ部121の各内部接続面141〜144にボンディングワイヤ159によって接続状態とする。
(蓋体形成工程)
一方、蓋体108についても、帯状金属板(第2の金属板)をエッチング加工して切り抜き孔166,167及び音響孔164を成形することにより、図28に示すように、外枠部162の中で接続部169により相互に接続状態とされた蓋体108の連続成形体161を形成しておく。また、このときのエッチング加工によって外枠部162のガイド孔113も成形される。このガイド孔113はリードフレーム105のガイド孔113と同じ位置に、同じピッチで形成される。
(接着工程)
このようにしてリードフレーム105にモールド樹脂成形体150を一体化させたパッケージ本体連続成形体151及び蓋体連続成形体161をそれぞれ製作した後、蓋体連続成形体161の表面の全面にダイシングテープ85を貼付することにより、音響孔164をダイシングテープ85で塞いだ状態とする。そして、図14に示すように、このダイシングテープ85とは反対側の裏面を上方に向けた状態として定盤(図示略)等の上に蓋体連続成形体161を水平に配置し、各蓋体108の周縁部の上に導電性接着剤170を塗布する。次いで、その上から矢印で示すように、モールド樹脂成形体150を半導体チップ2,3の上に底板部152が配置される裏返し状態で載せ、蓋体108の導電性接着剤170の上にモールド樹脂成形体150の周壁部153の上端面を重ねて接着する。このとき、蓋体連続成形体161及びリードフレーム連続成形体112の各外枠部111,162のガイド孔113にピンを挿入した状態とするとともに、蓋体連続成形体161の各切り抜き孔166〜168に、モールド樹脂成形体150の対応する各突出部147,148を嵌合することにより、各蓋体108とパッケージ本体107とを位置合わせする。この状態では、各リードフレーム105は、隣接するリードフレーム105に支持フレーム部131によって列毎に連結状態とされているとともに、これらを一括してモールド樹脂成形体150が覆っていることにより、パッケージ本体107としては複数個が縦横に連なった状態となっており、蓋体108もリードフレーム105と同様に接続フレーム部163によりリードフレーム105と同じピッチで複数個が連結状態とされている。また、蓋体連続成形体161が平板状に形成され、モールド樹脂成形体150も接続樹脂部146が周壁部153と同じ高さに形成されて表裏面とも面一に形成されていることから、これらの接合体も表裏面がフラットに形成される。
このようにして蓋体連続成形体161の上に、図15に示すようにリードフレーム連続成形体112に一体のモールド樹脂成形体160を導電性接着剤170によって接着し、この図15に示す姿勢で加熱してそのまま導電性接着剤170を硬化させる。
(分離工程)
次に、これらリードフレーム連続成形体112、モールド樹脂成形体150、及び蓋体連続成形体161をモールド樹脂成形体150の接続樹脂部146の中央部分からダイシング刃86によって同時に切断しながら、個々に切り離していくと、図16に示す半導体装置101として完成される。
このダイシング加工は、リードフレーム105の列に沿う方法においては、横一列に配置される支持フレーム部131における導通フレーム部126の外側、具体的には導通フレーム部126と屈曲部128との連結部分を列に沿って切断することになる。この切断により、導通フレーム部126に接続されていた隣接する列のリードフレーム105に属する補助アーム部133の基端部が切り離され、また、屈曲部128と導通フレーム部126とが分離されて、該屈曲部128に一体のアーム部132も切断され、このアーム部132に接続状態の端子部124が導通フレーム部126から分離して独立状態とされる。
この場合、アーム部132における屈曲部128への接続部付近の表面がハーフエッチングされて凹状部134とされているから、その凹状部134に樹脂が充填されており、この接続部に接近した位置でダイシング加工したとしても、アーム部132の切断エッジは確実にモールド樹脂体106内に埋設した状態とすることができる。
この凹状部134がない場合には、屈曲部128の内側のアーム部132の折り曲げ部を切断することになり、その切断位置が屈曲部128に接近するほど、アーム部132の切断エッジがモールド樹脂体106の表面に露出し易く、わずかな寸法誤差でバリ状に露出するおそれがある。これを避けるには、屈曲部128を導通フレーム部126からさらに離間させることによりアーム部132を長くして、そのアーム部132の途中位置を切断すればよいが、その分、スペースに無駄が生じ、材料ロスが増えることになる。この実施形態のリードフレーム105においては、凹状部134を形成したことにより、例えば図27(c)に矢印でダイシング位置を示したように、屈曲部128に接近した位置でアーム部132を切断することが可能になり、材料の無駄を少なくすることができる。
一方、リードフレーム105の列に直交する方向のダイシング加工においては、隣接するリードフレーム105で連結状態となっている両連結フレーム部125の間で切断され、これら連結フレーム部125が分離されて、個々のパッケージ104に形成される。
そして、この列方向及びその直交方向に沿う両ダイシング加工により、パッケージ104の周壁部153の外縁が形成され、平面視矩形状のパッケージ104を得ることができる。
このようにして製造した半導体装置101は、その裏面に露出している各端子部122〜124及びステージ部121の外部接続面137〜140を基板にはんだ付けすることにより実装される。この場合、半導体装置101は、図16及び図17に示すように、底板部152内に埋設されているステージ部121がマイクロフォンチップ2及び制御回路チップ3の下方に配置され、このステージ部121の内部接続面144にマイクロフォンチップ2が接続され、ステージ部121に連結フレーム部125を介して一体の導通フレーム部126が周壁部153の上端面で導電性接着剤166を介して蓋体108に接続され、その蓋体108がマイクロフォンチップ2及び制御回路チップ3の上方を覆った状態としている。したがって、マイクロフォンチップ2及び制御回路チップ3は、その周囲をステージ部121及び蓋体108によって囲まれた状態となり、このステージ部121の外部接続面140が基板を介して接地状態とされることにより、マイクロフォンチップ2及び制御回路チップ3を外部磁界からシールドすることができる。
この半導体装置101において、周壁部153の上端面に露出される導通フレーム部126とステージ部121とを連結状態としている連結フレーム部125は、折り曲げ形成されるため、連結フレーム部125を折り曲げる前の展開した状態では、導通フレーム部126とステージ部121との距離は連結フレーム部125の展開長さに相当する寸法に広げられた状態となっており、連結フレーム部125を折り曲げ形成することにより、ステージ部121は平面的には導通フレーム部126に接近することになる。この半導体装置101では、その導通フレーム部126がパッケージ本体107の一端部にのみ設けられ、他方の端部には形成されていないため、この他方の端部においては、そのような展開長さを見込んでおく必要がなく、その分、ステージ部121を隣接する列の支持フレーム131の近くまで広く形成しておくことが可能であり、この広いステージ部121によりシールド効果を高めるとともに、リードフレーム連続成形体112全体の面積に比べて大きいパッケージサイズのものを形成することができる。
また、前述したようにアーム部132における屈曲部128への接続部付近に凹状部134を形成して、ダイシング加工位置を屈曲部128に接近して配置し、さらに、連結フレーム部125を隣接するリードフレーム105で連結状態としてピッチを小さくしたことからも、材料の使用効率を高くすることができる。
すなわち、この半導体装置101は、リードフレーム連続成形体112全体の面積に無駄が少なく、材料の使用効率が高いため、コストの低減を図ることができるものである。
[3]その他の変形例
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、実施形態では蓋体とパッケージ本体とを導電性接着剤によって接着したが、この導電性接着剤としては、ペースト状のもの、フィルム状のもののいずれでもよい。フィルム状のものとしては、半硬化状態の導電性粘着フィルムに剥離テープを積層したものを蓋体の上に貼り付け、剥離テープを剥がして、その上からパッケージ本体を裏返して接着した後、加熱して粘着フィルムを硬化させる方法としてもよい。この導電性粘着フィルムとしては、タツタシステム・エレクトロニクス株式会社の熱硬化型導電性ボンディングフィルム「CBF−300」を用いることができ、例えば160〜180℃で15〜60分間、2〜4MPaで加圧して接着し、150℃×60分間で硬化させることができる。蓋体の上に粘着フィルムを貼り付けて接着するので、粘着フィルムが内部空間に垂れ下がって半導体チップ等に接触することを防止することができる。したがって、この導電性粘着フィルムを使用する場合は、流動性がないことから、接着時及び硬化時のパッケージの姿勢は問われず、蓋体がパッケージ本体の上に配置される姿勢としてもよい。なお、蓋体に音響孔を設ける場合は、粘着フィルムにも孔を形成しておき、その孔を音響孔と位置決めして貼り付けるようにする。
また、上記実施形態では半導体装置としてマイクロフォンパッケージに適用した例を示したが、マイクロフォン以外にも、圧力センサ、加速度センサ、磁気センサ、流量センサ、風圧センサ等にも適用することが可能である。この場合、上記実施形態のマイクロフォンにおいては、音響孔のような内部空間と外部とを連通させる連通孔が必要であったが、センサの種類によっては連通孔が不要になる場合や、流量センサのように二つの連通孔が必要になる場合がある。
また、マイクロフォンパッケージに適用する場合でも、各パッケージとも同じ仕様にして一つずつ分割したが、例えば隣接する4個のパッケージ本体について、内部に収納するマイクロフォンチップの感度を異なるものとし、これら4個を連結状態として一つのユニットとして分割形成することにより、指向性を有するマイクロフォンとすることもできる。
さらに、音響孔等の連通孔を形成する場合、実施形態では蓋体に形成したが、パッケージ本体の底板部に貫通状態に形成するようにしてもよく、その場合、モールド樹脂によって連通孔の周囲を囲むように筒状に壁を設けることにより、ダイボンド材が連通孔に流れ込まないようにするとよい。また、このパッケージ本体に音響孔を形成する場合、その音響孔を塞ぐようにパッケージ本体にダイシングテープを貼付するとよく、蓋体を下にして裏返し状態のパッケージ本体を接着した後、表裏反対にし、ダイシングテープを下方に配置して切断すればよい。
また、リードフレームの外形の成形をエッチング加工によって行うようにしているが、プレスによって打ち抜き成形してもよい。また、ステージ部21の内部接続面を内部に露出させる開口部を図に示すように他の端子部と均等に配置しているが、ステージ部上であれば、図に示す位置でなくてもよい。
また、前記ステージ部及び各端子部の外部接続面は、各実施形態では4端子の構成とし、例えば電源用、出力用、ゲイン用、接地用にそれぞれ供されるようにしたが、少なくとも電源用、出力用、接地用の接続面があればよい。その場合、接地用の接続面を2個設けるようにしてもよい。また、内部に収納される半導体チップによっては端子数が実施形態のものより増えることもある。半導体チップの数も必ずしも2個に限らない。
本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法において、蓋体連続成形体にモールド樹脂成形体を接着する工程を示す断面図である。 図1に示す状態から両者を接着した後にダイシング刃によって個々に分離する状態を示す断面図である。 図2に示す状態から個々に分離した後の半導体装置を示す縦断面図である。 図2における蓋体を取り外した状態のパッケージ本体を示す平面図である。 図4のパッケージ本体の裏面図である。 図3の半導体装置に使用されるリードフレームの連続成形体の表面を示す平面図である。 図6のリードフレームの連続成形体の裏面図である。 図6のリードフレーム連続成形体にモールド樹脂を一体成形した状態を示す平面図である。 図8のモールド樹脂成形体に半導体チップを搭載した状態を示す平面図である。 図9のA−A線に沿う矢視断面図である。 図3の半導体装置に使用される蓋体の連続成形体を示す平面図である。 図6のリードフレーム連続成形体を曲げ加工するためのプレス金型を示す縦断面図である。 図6のリードフレーム連続成形体を射出成形金型内に配置した状態を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法において、蓋体連続成形体にモールド樹脂成形体を接着する工程を示す断面図である。 図14に示す状態から両者を接着した後にダイシング刃によって個々に分離する状態を示す断面図である。 図15に示す状態から個々に分離した後の半導体装置を示す縦断面図であり、図17のB−B線に沿う断面に相当する。 図16における半導体装置の蓋体を取り外した状態のパッケージ本体を示す平面図である。 図16のパッケージ本体の裏面図である。 図16の半導体装置に使用されるリードフレームの連続成形体を展開して示す平面図である。 図19における展開したリードフレーム連続成形体の裏面図である。 1個のリードフレームを示す平面図である。 図21のリードフレームの裏面図である。 図21の23A−23A線に沿う側面図である。 図21のリードフレーム連続成形体を成形後にモールド樹脂を一体成形したパッケージ本体連続成形体を示す平面図である。 図24のパッケージ本体連続成形体のうちの1個のパッケージ本体を示す平面図である。 図25の縦断面を示しており、(a)が26A−26A線、(b)が26B−26B線、(c)が26C−26C線に沿う縦断面図である。 図25の縦断面を示しており、(a)が27A−27A線、(b)が27B−27B線、(c)が27C−27C線に沿う横断面図である。 蓋体連続成形体を示す平面図である。 図19のリードフレーム連続成形体を曲げ加工するためのプレス金型を示す縦断面図であり、右半分が連結フレーム部の折り曲げ部、左半分が補助アーム部の折り曲げ部を示している。 図19のリードフレーム連続成形体を成形後に射出成形金型内に配置した状態を示す縦断面図であり、図25の27A−27A線に沿う断面に相当する。
符号の説明
1…半導体装置、2…マイクロフォンチップ、3…制御回路チップ、4…パッケージ、5…リードフレーム、6…モールド樹脂体、7…パッケージ本体、8…蓋体、11…リードフレーム連続成形体、12,13…接続部、14…外枠部、15…ガイド孔、21…ステージ部、22〜24…端子部、25…突出片、26…切欠部、27…アーム部、28…導通フレーム部、34…凹状部、35〜38…外部接続面、39〜42…内部接続面、43…支持面、45…モールド樹脂成形体、46…接続樹脂部、47〜49…突出部、51…底板部、52…周壁部、53…開口部、54…ダイボンド材、55…ボンディングワイヤ、61…蓋体連続成形体、62…外枠部、63〜65…切り抜き孔、66…接続部、68…音響孔、69…内部空間、70…導電性接着剤、85…ダイシングテープ、86…ダイシング刃、101…半導体装置、2…マイクロフォンチップ(半導体チップ)、3…制御回路チップ(半導体チップ)、104…パッケージ、105…リードフレーム、106…モールド樹脂体、107…パッケージ本体、108…蓋体、111…外枠部、112…リードフレーム連続成形体、113…ガイド孔、121…ステージ部、122〜124…端子部、125…連結フレーム部、126…導通フレーム部、128…屈曲部、129…ブリッジ部(接続部)、131…支持フレーム部、132…アーム部、133…補助アーム部、134〜136…凹状部、137〜140…外部接続面、141〜144…内部接続面、146…樹脂接続部、147,148…突出部、150…モールド樹脂成形体、151…パッケージ本体連続成形体、152…底板部、153…周壁部、154,155…立ち上げ壁、156…棚部、157,158…ダイボンド材、159…ボンディングワイヤ、161…蓋体連続成形体、162…外枠部、163…接続フレーム部、164…音響孔、165…内部空間、166〜168…切り抜き孔、169…接続部、170…導電性接着剤

Claims (5)

  1. 第1の金属板を加工することにより、半導体チップの下方に配置されるステージ部と該ステージ部と間隔をあけて配置される端子部と前記ステージ部に接続状態の導通フレーム部とを有するリードフレームを接続部を介して複数個連結状態としたリードフレーム連続成形体を形成するフレーム形成工程と、
    前記リードフレーム連続成形体の各リードフレームに樹脂をモールドすることにより、前記ステージ部及び端子部を一部ずつ露出させた状態でこれらを埋設する底板部と前記導通フレーム部を上端面に露出させた周壁部とを有するモールド樹脂体が前記リードフレームと一体とされた箱型のパッケージ本体を形成するモールド工程と、
    前記端子部に接続した状態で各パッケージ本体の前記底板部上に半導体チップをそれぞれ固定するチップ搭載工程と、
    第2の金属板を加工することにより、前記各パッケージ本体に被せられる複数の蓋体を接続部を介して前記リードフレームと同じピッチで連結状態とした蓋体連続成形体を形成する蓋体形成工程と、
    前記蓋体連続成形体における各蓋体の周縁部を上方に向けた状態として、該周縁部の上に導電性接着剤を設け、前記半導体チップを固定した前記パッケージ本体を前記半導体チップの上に前記底板部が配置される裏返し状態として前記周壁部を前記導電性接着剤の上に載置することにより、各蓋体にパッケージ本体を接着する接着工程と、
    これら接着状態のパッケージ本体及び蓋体を前記接続部の位置で切断して個々の半導体装置とする分離工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 各蓋体は矩形板状に形成されるとともに、前記蓋体連続成形体は、各蓋体の四隅を区画する切り抜き孔が形成されることにより、これら切り抜き孔の間の蓋体の辺に沿う幅で前記接続部が形成されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記モールド工程においては、前記リードフレーム連続成形体に各モールド樹脂体を前記周壁部と同じ高さの接続樹脂部を介して相互に連結状態としたモールド樹脂成形体を形成するとともに、該モールド樹脂成形体の接続樹脂部の表面に、前記蓋体連続成形体の前記切り抜き孔に嵌合可能な突出部を形成しておき、
    前記接着工程においては、前記蓋体連続成形体の各切り抜き孔に前記モールド樹脂成形体の突出部を嵌合した状態とすることを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記半導体チップがマイクロフォンチップであり、前記蓋体又は前記パッケージ本体のいずれかに、内部空間に連通する音響孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記分離工程においては、前記音響孔を塞ぐようにダイシングテープを貼付しておき、該ダイシングテープを貼付した面とは反対面からダイシング加工することを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
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