JP2010097105A - 偏光板、液晶表示装置、及びips(インプレーンスイッチング)モード型液晶表示装置 - Google Patents

偏光板、液晶表示装置、及びips(インプレーンスイッチング)モード型液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、屋外使用のような熱がかかる条件や、バックライトから発生する熱により斜め方向から見た場合でも光漏れがない偏光板、及びそれを用いたIPS(インプレーンスイッチング)モード型液晶表示装置を提供することにある。
【解決手段】少なくとも第1の保護フィルムと、偏光膜と、第2の保護フィルムがこの順で積層された偏光板において、該第2の保護フィルムが少なくとも透明フィルム及び実質的に垂直配向した重合性液晶化合物を含む光学異方性層から構成され、かつ該第1の保護フィルムが少なくとも空隙率30%以上の空隙保持層を該偏光膜から遠い側に有することを特徴とする偏光板。
【選択図】なし

Description

本発明は偏光板、及びそれを用いた液晶表示装置に関し、より詳しくはIPS(インプレーンスイッチング)モード型液晶表示装置に適する偏光板に関する。
液晶表示装置の方式としては、通称TN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型(PVA型、MVA型)、IPS型等がよく知られているが、中でも IPS(インプレーンスイッチング)モード型液晶表示装置(以下、簡単にIPS型液晶表示装置ともいう)は、液晶層及び該液晶層を挟持する一対の基板とを有する液晶セルと、偏光膜と、保護膜とがこの順序で配置され、黒表示時に該液晶層の液晶分子が前記一対の基板の表面に対して平行に配向することにより黒表示性能に優れ、上下左右方向から画面を見るときは、十分なコントラストが得られる。
しかし、上下左右から外れた斜め方向から画面を見ると、透過光が複屈折を生じて光が洩れるために、十分な黒が得られず、コントラストが低下してしまう。
このために、例えば、IPS型液晶表示装置では、下記のような配置構成で液晶表示装置に光学補償手段を加えて、画面を斜め方向から見た際の黒表示の光漏れ防止やコントラスト低下に関する改善の試みがなされている。
例えば、偏光板の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸が直交または平行となるように積層した光学フィルムにおいて、位相差フィルムが、フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx、ny、nz、フィルムの厚さd(nm)とした場合に、Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz値が、0.4〜0.6を満足し、かつ面内位相差Re=(nx−ny)×dが、200〜350nmである光学フィルムが加持されている(例えば、特許文献1参照。)。
前記技術は、位相差フィルム(光学補償フィルム)として熱可塑性樹脂フィルム(ポリカーボネートフィルム)を用いる事で、斜め方向から見た際の黒表示の光漏れを防止し、視野角の向上及びコントラストの向上を図っている。
近年は、液晶表示装置の用途の拡大により、デジタルサイネージと呼ばれる公共の場で表示装置が用いられるようになっており、屋外での使用に耐えられる液晶表示装置が求められている。屋外で液晶表示装置を用いる場合は、激しい温度変化に加え、照度の高い(明るい)環境で十分な視認性を得る為、バックライトの出力も高める必要があり、更に過酷な環境下でも使用に耐え得ることが求められている。
しかしながら、前記した技術は、熱可塑性フィルムのみを用いて光学補償フィルムを製造している為、温度変化が激しい場合や、高熱に晒される場合、更には、高出力のバックライトが用いられた場合には、熱による収縮や変形により位相差のムラが大きくなり、結果として斜め方向から見た際の黒表示の光漏れを十分に防止できず、視野角やコントラストが低下する問題が発生する。特に、最近は液晶表示装置のバックライトとしてLEDが用いられる場合があり、LEDを用いた場合は、ON/OFFで発生する熱のムラ等の影響が更に大きく、斜め方向から見た際の黒表示の光漏れ防止やコントラスト低下の防止については、不十分であった。
また、IPS液晶表示装置の斜め方向から見た際の黒表示の光漏れによる視野角やコントラストの低下を防止する為の技術としては、二軸性の位相差フィルムに実質的に垂直配向した重合性液晶化合物を含有する層を積層する技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2に記載の技術は、垂直配向能を有する基材にホメオトロピック配向性の液晶組成物を二軸性フィルム上に塗布し、固化または硬化させることにより、該位相差フィルム上にポジティブCプレートを形成させる、ポジティブCプレートの製造方法である。
特許文献2に記載の技術によれば、特許文献1の技術に比べ、熱収縮や変形は低減できるものの、実質的に垂直配向した重合性液晶化合物は、僅かな硬化収縮の影響で、大きな配向の乱れが生じやすく位相差のムラが発現してしまう為、やはり斜め方向から見た際の黒表示の光漏れ防止やコントラスト低下は満足できるレベルではなかった。従って、屋外等の温度変化が激しく、高温に晒される場合や、高出力のバックライトが用いられる場合であっても、黒表示の光漏れによる視野角の低下やコントラストの低下を十分に抑制できる偏光板が求められている。
特開2004−4642号公報 特開2007−148099号公報
特許文献2に記載の技術によれば、特許文献1の技術に比べ、熱収縮や変形は低減できるものの、実質的に垂直配向した重合性液晶化合物は、僅かな硬化収縮の影響で、大きな配向の乱れが生じやすく位相差のムラが発現してしまう為、やはり斜め方向から見た際の黒表示の光漏れ防止やコントラスト低下は満足できるレベルではなかった。従って、屋外等の温度変化が激しく、高温に晒される場合や、高出力のバックライトが用いられる場合では、黒表示の光漏れによる視野角の低下やコントラストの低下を十分に抑制できる偏光板が求められている。
従って本発明の目的は、屋外使用のような熱がかかる条件や、バックライトから発生する熱により斜め方向から見た場合でも光漏れがない偏光板、及びそれを用いたIPS型液晶表示装置を提供することにある。
本発明者らは上記課題に対し鋭意検討した結果、光学補償機能を有する偏光板として、実質的に垂直配向した重合性液晶化合物を含有する光学異方性層を設けた偏光板とし、偏光板の前記光学異方性層が設けられた側とは反対側に、空隙を有する層を設けることで、温度変化が大きく、高温条件に晒される場合や、高出力のバックライトが用いられる場合であっても、黒表示の光漏れを防止することができ、十分に視野角の低下やコントラストの低下を抑制できる偏光板が得られることが明らかになった。
原理の詳細については明らかではないが、高温の加熱条件に曝された場合には、上述のように高温となる部分の光学異方性層の重合性液晶化合物の配向が乱れて光漏れが発生する。一方で、空隙を有する層(空隙保持層)は、偏光板の視認側のフィルム上に設けることで、反射防止層としての機能を果たしているが、高温の加熱条件に曝された場合は、空隙保持層を構成する樹脂が収縮することで、実質的に空隙保持層の空隙率が部分的に低下し屈折率が上昇する。これにより、空隙保持層の反射率が変化し部分的に上昇する。この部分的な反射率の上昇により、光学異方性層の位相差ムラの影響が判りにくくなる結果、光漏れが低減するものと推察している。
また、重合性液晶化合物を光学異方性層に用いるとカールが強く偏光板を作製する際に張り合わせのシワやムラが入りやすい問題があったが、最表面層に空隙を有する層を設けることで、カールのバランスが取れ、偏光板を作製する際に張り合わせのシワやムラといった問題も合わせて解決できることが判明した。
本発明の上記課題は以下の構成により達成される。
1.少なくとも第1の保護フィルムと、偏光膜と、第2の保護フィルムがこの順で積層された偏光板において、該第2の保護フィルムが少なくとも透明フィルム及び実質的に垂直配向した重合性液晶化合物を含む光学異方性層から構成され、かつ該第1の保護フィルムが少なくとも空隙率30%以上の空隙保持層を該偏光膜から遠い側に有することを特徴とする偏光板。
2.前記空隙保持層が微細凹凸構造体を有し、該微細凹凸構造体の頂部における周期Pmaxが、380nm以下であることを特徴とする前記1に記載の偏光板。
3.前記微細凹凸構造体の外周面が、頂部から底部に傾きを有する錐体形状からなることを特徴とする前記2に記載の偏光板。
4.前記錐体形状が、楕円錐形状または楕円錐台形状からなることを特徴とする前記3に記載の偏光板。
5.前記空隙保持層が、カチオン性重合化合物を含有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の偏光板。
6.前記1〜5のいずれか1項に記載の偏光板を液晶セルの少なくとも一方の面に用いたことを特徴とする液晶表示装置。
7.前記1〜5のいずれか1項に記載の偏光板を、IPS(インプレーンスイッチング)モード型液晶セルの少なくとも一方の面に用いたことを特徴とするIPS(インプレーンスイッチング)モード型液晶表示装置。
本発明によれば、屋外使用のような熱がかかる条件や、バックライトから発生する熱により斜め方向から見た場合でも光漏れがない偏光板、及びそれを用いたIPS液晶表示装置を提供することができる。
また、重合性液晶化合物を光学異方性層に用いた際にカールにより発生する偏光板作成時のシワやムラの発生のない偏光板を提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の偏光板は、少なくとも第1の保護フィルムと、偏光膜と、第2の保護フィルムがこの順で積層された偏光板において、該第2の保護フィルムが少なくとも透明フィルム及び実質的に垂直配向した重合性液晶化合物を含む光学異方性層から構成され、かつ該第1の保護フィルムが少なくとも空隙率30%以上の空隙保持層を該偏光膜から遠い側に有することを特徴とする。
<空隙率>
本発明の第1の保護フィルム上に設けられる空隙保持層の空隙率は30%以上であることを一つの特徴としている。空隙率が30%より小さいと本願発明の効果を十分に得ることが困難である。また、好ましい空隙率は、50%〜95%であり、該範囲において、より過酷な耐久性試験を実施した際、特に好ましい効果を発揮する。
本発明の空隙保持層とは層がその一部または全部に空気相を有している状態にあることを意味しており、該空気相の形成方法は特に限定されるものではないが、例えば、フィルム基材上に微細な凹凸形状を有する層を形成させ、凸部間の凹み部分に空気相を付与する方法、層内にミクロボイドを形成し空気相を付与する方法、中空もしくは気泡を内在する有機粒子や無機粒子を配合して空気相を付与する方法等が挙げられる。
また空隙率はミクロトームを用いて第1の保護フィルムの断面を切り出し、該第1の保護フィルムの空隙を有する層を電子顕微鏡(透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡)により観察し、観察した断面部分の粒子間の空隙面積、或いは/及び粒子の中空もしくは気泡部分の面積と膜厚面積の割合からの計算、空隙を有する層の凹み面積と膜厚面積の割合から求めることができる。
《第1の保護フィルム》
第1の保護フィルムは、以下空隙保持層を有するフィルムとも言う。先ずは本発明の特徴の一つである空隙保持層について説明する。
<空隙保持層>
本発明における空隙保持層とは、層内に空隙(空気相)を有することでフィルム基材の屈折率より低い層を形成し、該屈折率は23℃、波長550nm測定で、屈折率が1.30〜1.45の範囲であることが好ましい。
また、空隙保持層の膜厚は、特に限定されるものではないが、5nm〜0.5μmであることが好ましく、10nm〜0.3μmであることが更に好ましく、30nm〜0.2μmであることが最も好ましい。
以下、空隙の形成について具体的に説明する。
空隙の形成には例えば以下の方法が挙げられる。
(1)空隙保持層が微細凹凸構造体を有し、該微細凹凸構造体が可視光波長以下の大きさを有し、微細凹凸構造体の外周面が、頂部から底部に傾きを有する楕円錐形状または楕円錐台形状からなるように設計されることで、凸部間にある凹部に空気領域(空気相)を有することで空隙を形成する方法。
(2)空隙保持層内に、ミクロボイドを形成して空隙を形成する方法。
(3)空隙保持層内に、中空もしくは気泡を内在する有機粒子や無機粒子を配合して空隙を形成する方法。
以下、順次説明する。
〔微細凹凸構造体の形成〕
特開2004−205990号公報、特開2008−158013号公報、特開2008−176076号公報記載の原理、方法に従って空隙保持層に空隙を形成することができる。
図1は、本発明により形成される微細凹凸構造体の一例を模式的に示す斜視図である。本発明により形成される微細凹凸構造体は、微細凹凸の頂点における周期Pmaxが、可視光の波長帯域の最小波長λminである380nm以下の非常に微細な凹凸パターンを有する構造体であることが好ましい。
このような微細凹凸構造体を反射防止物品の表面に設けることによって、空気相との境界部における急激で不連続な屈折率変化を、連続的で漸次推移する屈折率変化に変えることが可能となるため、該物品の表面における光反射が減少する。
微細凹凸構造体1は、図1の如く、その最凸部1tにおける周期をPmaxとしたときに、このPmaxが、可視光の波長帯域の最小波長λminである380nm以下とすれば、微細凹凸構造体の形成面への到達光は、媒質(支持体及び空気)の屈折率に空間的な分布があっても、その分布が直接に光に作用せず、平均化されたものとして作用する。従って、平均化された後の屈折率(有効屈折率)を光が進行すると連続的に変化する分布となり、光の反射を低下できる。
なお、ここで、より厳密に言うと、物体中での光の波長は、真空中の波長をλ、物体の屈折率をnとしたときに、λ/nとなり、λよりは一般にある程度小となる。但し、物体が空気の場合の屈折率は、n≒1のため、本発明では、λ/n≒λと考えている。
微細凹凸構造体は、これを凹凸方向と直交する面(XY平面)で切断したと仮定したときに、断面内における微細凹凸構造体の材料部分の断面積占有率が、最凸部(頂上)から最凹部(谷底)に行くに従って漸次増加していく形状、すなわち凹凸の側面の少なくとも一部が、谷底に向かって広がる斜面形状、または最凸部(頂上)から最凹部(谷底)に行くに従って漸次減少していく形状、すなわち凹凸の側面の少なくとも一部が、谷底に向かって狭まる斜面形状、のどちらの形状でもよいが、微細凹凸構造体の外周面が、頂部から底部にある傾きを有する錐体形状が、成形しやすく、厚み方向の屈折率を連続的に変化させ、反射率の低減効果が得られやすい事から、好ましい。
錐体形状としては、四角推、三角推といった多角推、楕円錐形状または楕円錐台形状等が挙げられ、特に好ましくは楕円錐形状または楕円錐台形状であり、具体的には、水平断面の材料部分の断面積占有率が最凸部において0に収束し、最凹部において1に収束する形状とする例えば、図2の(A)、(C)、(E)及び(F)が挙げられる。また、特開2008−176076号公報図9〜11、図22の形状を有する微細凹凸構造体であることが好ましい。
微細凹凸構造体は、凹凸の高さが高いほど反射防止性能が高いとされており、照射光の波長と同一か又はそれ以上の高さであることが好ましい。そのため、狭く且つ/又は深い微細凹凸構造体を形成するために、周期及び高さの再現性が求められる。
微細凹凸構造体を再現性よく形成するには、例えば、フィルム基材上に固体状の硬化性樹脂組成物からなる凹凸構造形成層を設け、スタンパーを圧接してエンボス加工を行うことにより、微細凹凸構造を賦形することができる。
フィルム基材が連続フィルム状である場合には、ロールストック形態に巻き取り、必要に応じて保管、移動した後でフィルム基材を繰り出し、凹凸構造体形成層を設け、次いでエンボス工程に供給しながら連続的にエンボス加工を行うことでができるので、大量生産に非常に適している。
用いられるフィルム基材としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等のアクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィン系高分子(代表的にはノルボルネン系樹脂等があるが、例えば、日本ゼオン株式会社製の製品名「ゼオノア」、JSR株式会社製の「アートン」等がある)等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、或いは、ガラス(セラミックスを含む)等が挙げられるが、後述するセルロース系樹脂が透明性、光学的等方性、鹸化処理等の加工適性が優れるため好ましい。
硬化性樹脂組成物は、エンボス加工により形成した微細凹凸構造を固定すると共に、強度等の充分な被膜物性を得るために硬化性を必要とする。硬化性を発揮するための反応としては、例えば、光硬化性、熱硬化性等が挙げられる。光硬化性樹脂組成物は、エンボス加工のプロセス温度よりも低い温度で硬化させることができ、硬化工程でのパターン崩れを起こし難いので好ましい。
硬化性樹脂組成物は、バインダーポリマーに、必要に応じて光硬化性や熱硬化性等の硬化反応を引き起こし、促進し又は調節する成分及び他の成分を配合することにより調製される。
バインダーポリマーは、それ自体が硬化性を有しているもの及び有していないもののいずれを用いてもよく、また、2種類以上のバインダーポリマーを組み合わせて用いても良い。バインダーポリマーが硬化性を有しない場合には、硬化性を有するモノマー又はオリゴマーを1種以上使用することで、樹脂組成物に硬化性を付与することができる。
バインダーポリマーとしては、フィルム基材等の支持体上に塗布した時に微細凹凸構造を賦形するのに充分な厚さの皮膜とすることができる成膜性を有すると共に、硬化後において光学物品の用途に応じて、透明性、強度、耐擦傷性、耐熱性、耐水性、耐薬品性、基材に対する密着性、可とう性等の一般的性質を満足する微細凹凸の表面構造を形成し得るポリマーを用いる。
例えば、アクリル樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、スチロール樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、セルロース樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、スチレン−イソプレンゴム等が挙げられるが、これらに限定されない。
上記の中でも本発明の空隙保持層は、後述するカチオン性重合化合物、及びカチオン重合開始剤を少なくとも含有することが好ましい。
また、他の光重合開始剤、重合禁止剤等の光硬化系成分を配合し、さらに離型剤、有機金属カップリング剤等の他の成分を配合して調製することができる。
光重合開始剤は、光硬化性樹脂組成物の固形分全量に対して0.5〜10質量%の割合で配合するのが好ましい。光重合開始剤は1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化性樹脂組成物に離型剤を配合することにより、硬化性樹脂組成物の層に押し付けたスタンパーを取り外す時に樹脂の版取られを防止し、スタンパーを長期間連続して使用(反復エンボス性)することができるようになる。離型剤としては従来公知の離型剤、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス、弗素系、リン酸エステル系の界面活性剤、シリコーン等が何れも使用可能である。特に好ましいのはシリコーン系離型剤であり、ポリシロキサン、変性シリコーンオイル、トリメチルシロキシケイ酸を含有するポリシロキサン、シリコーン系アクリル樹脂等がある。
硬化性樹脂組成物には、微細凹凸構造体の耐熱性、強度、或いは、金属蒸着層との密着性を高めるために、有機金属カップリング剤を配合してもよい。また、有機金属カップリング剤は、熱硬化反応を促進させる効果も持つため有効である。有機金属カップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、スズカップリング剤等の各種カップリング剤を使用できる。
また、硬化性樹脂組成物には透明性、滑り性、屈折率の調整を目的に有機粒子、無機粒子を含有させることも好ましい。特に好ましくはサブミクロンオーダーの粒径を有するコロイダルシリカ(SiO)である。
硬化性樹脂組成物は、通常、希釈溶剤を用いて塗布液の状態に調製し、凹凸パターン形成層の形成に用いる。上記したような各材料を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール等、またはそれらの混合溶剤に溶解、分散することにより、塗布液を調製することができる。塗布液は、通常、固形分濃度が10〜50質量%程度となるように調節される。
上記硬化性樹脂組成物をフィルム基材等の支持体の表面に塗布し、必要に応じて乾燥させて微細凹凸構造体形成層を形成することにより、凹凸構造受容体が作製される。
微細凹凸構造体は光の波長以下の周期構造をもつ非常に微細な構造を有することから、微細凹凸構造体形成層の厚さは、通常0.3〜5μm程度で充分であり、0.5〜3μmの範囲であることが好ましい。
連続フィルム状の凹凸構造受容体を作製する一例を示すと、先ず、トリアセチルセルロース等の連続プラスチックからなるフィルム基材(支持体)をロールストックから繰り出す。繰り出したフィルム基材の上に、光硬化性樹脂組成物からなる微細凹凸構造体形成材料(例えば硬化性樹脂組成物)をグラビアコーターを用いて塗布し、次いで、組成物に含まれている有機溶剤が飛散する温度、例えば、100〜165℃に設定した加熱炉内に0.1〜1分間程度導いて乾燥させて微細凹凸構造体形成層を形成して凹凸構造受容体を作製する。上記グラビアコーター以外の塗工機としては、例えばロールコーター、カーテンコーター、フローコーター、リップコーター、ドクターブレードコーター等も使用できる。
スタンパーとしては、微細凹凸形状を最初に造形した原型は用いずに、該原型から1回、或いは2回以上の型取・反転による複製工程を経て作製した複製型を用いるのが好ましい。つまり、最初に一旦、原型(これを原版、或いはマザー版とも呼ぶ)を作製した後、この原型から複製型を作製する複製操作を1回又は2回以上行い、その結果、得られた複製型をスタンパーとして使用する。この様な複製型のスタンパーは原型から容易に再作製できるので、工業的生産性、コスト等に優れており、例えば、スタンパーが傷ついた場合の交換が容易である。
賦形型の元となる原型としては、必要な微細凹凸が形成されているものであれば、その作製方法には基本的には特に限定はなく、生産性、コスト等を考慮して適宜なものを使用すれば良い。原型の作製は、微細凹凸を賦形する為の凹凸形状を最初に造形する工程であり、半導体分野等に於ける微細加工技術、すなわち、光(電子ビームを含む)をパターン形成に利用する所謂露光法を利用できる。但し、半導体の場合は、凹凸形状はその側面が通常垂直面で良く、本発明の如く斜面にする必要は特に無いため、本発明では、山側が谷側よりも尖った形状となる様な斜面が形成できる様にしてアレンジして微細加工する。
露光法に該当する微細加工技術としては、例えば、電子線描画法を利用できる。この方法による作製方法の一例を示せば、石英ガラス上にクロム膜(110nm厚)を成膜後、更にスピンコートにてレジストを400nm厚に塗布した後、電子線描画装置にて周期300nmのメッシュ状の描画データを用いて描画し、現像液を用い現像処理を施す。描画条件は5〜8μC/cmである。これにより、描画データの斜線領域に対応する領域が現像により開口する。次いで、レジストの開口から露出している金属クロム膜を、塩素系のガスを用いてドライエッチングして、これを開口する。尚、金属クロム膜のドライエッチングにはUnaxis社製ドライエッチング装置「VERSALOCK7000」が使用できる。次いで、レジストと金属クロム膜を耐エッチング層として、フッ素系のガスを用いて石英ガラスのドライエッチングを行えば、所望の微細凹凸形状が得られる。尚、加工用素材(石英ガラス)のドライエッチングには、日本真空株式会社製「MEPS−6025D」が使用できる。
また、レジスト膜へのパターン形成に際しては、電子線描画法の他の露光法として、レーザ描画法も利用できる。レーザ描画法では、ホログラム、回折格子等の作製等に利用されているレーザ干渉法が利用できる。回折格子の場合は、一次元的配置であるが、角度を変えて多重露光すれば、二次元配置も可能となる。
この方法による作製方法の一例を示せば、ガラス表面にレジスト(シプレイ社製のフォトレジスト「S1805」等)をスピンコートした後、2方向露光を角度を変えて2回行う。1回の露光量は80〜200mJである。これを20〜505%に希釈した現像液(例えば、シプレイ社製の「Developer CONC」等)で現像すれば、所望の微細凹凸形状が得られる。
尚、上記レーザ干渉法では、得られる微細凹凸は、通常規則的配置となるが、これに対して、前記電子線描画法では、予め所定の描画パターン情報を記憶装置にデジタルデータとして記憶しておき、該描画パターン情報により、走査する電子線のON、OFF、乃至は強弱を変調する。その為、規則配置の他にも、不規則配置も可能である。また、レーザ描画法及び電子線描画法には各々長所、短所が有る為、設計諸元、目的、生産性等を考慮の上、適宜な手法及び条件を選択する。
上記原型からスタンパーとして使用する複製型を作製する方法としては、公知の電鋳法や2P法等の公知の方法がある。
微細凹凸構造体の作製は、凹凸構造受容体の凹凸構造体形成層の表面にスタンパーを圧接して微細凹凸構造体を形成した後、凹凸構造体形成層を露光又は加熱等の適切な方法で硬化させることにより、微細凹凸構造体を作製することができる。
凹凸構造受容体がエンボスローラーの間を通過すると、凹凸構造体形成層の微細凹凸構造体が賦形された部分はスタンパーから引き剥がされ、硬化工程が行われる。凹凸構造体形成層が光硬化性樹脂からなる場合には光照射により、また、凹凸構造体形成層が熱硬化性樹脂からなる場合には加熱により硬化させる。
硬化に用いる光としては、高エネルギー電離放射線及び紫外線が挙げられる。高エネルギー電離放射線源としては、例えば、コッククロフト型加速器、ハンデグラーフ型加速器、リニヤーアクセレーター、ベータトロン、サイクロトロン等の加速器によって加速された電子線が工業的に最も便利且つ経済的に使用されるが、その他に放射性同位元素や原子炉等から放射されるγ線、X線、α線、中性子線、陽子線等の放射線も使用できる。紫外線源としては、例えば、紫外線螢光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯、太陽灯等が挙げられる。
〔ミクロボイドの形成〕
空隙保持層として、無機若しくは有機の微粒子を用い、微粒子間または微粒子内のミクロボイドとして形成した空隙を有する層を用いることも好ましい。微粒子の平均粒径は、0.5〜200nmであることが好ましく、1〜100nmであることがより好ましく、3〜70nmであることが更に好ましく、5〜40nmの範囲であることが最も好ましい。微粒子の粒径は、なるべく均一(単分散)であることが好ましい。
無機微粒子としては、非晶質であることが好ましい。無機微粒子は、金属の酸化物、窒化物、硫化物またはハロゲン化物からなることが好ましく、金属酸化物または金属ハロゲン化物からなることが更に好ましく、金属酸化物または金属フッ化物からなることが最も好ましい。金属原子としては、Na、K、Mg、Ca、Ba、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Ta、Ag、Si、B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、Pb及びNiが好ましく、Mg、Ca、B及びSiが更に好ましい。二種類の金属を含む無機化合物を用いてもよい。好ましい無機化合物の具体例としては、SiO、またはMgFであり、特に好ましくはSiOである。
無機微粒子内にミクロボイドを有する粒子は、例えば、粒子を形成するシリカの分子を架橋させることにより形成することができる。シリカの分子を架橋させると体積が縮小し、粒子が多孔質になる。ミクロボイドを有する(多孔質)無機微粒子は、ゾル−ゲル法(特開昭53−112732号、特公昭57−9051号に記載)または析出法(APPLIED OPTICS,27巻,3356頁(1988)記載)により、分散物として直接合成することができる。また、乾燥・沈澱法で得られた粉体を、機械的に粉砕して分散物を得ることもできる。市販の多孔質無機微粒子(例えば、SiOゾル)を用いてもよい。
これらの無機微粒子は、空隙保持層の形成のため、適当な媒体に分散した状態で使用することが好ましい。分散媒としては、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)及びケトン(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)が好ましい。
有機微粒子も非晶質であることが好ましい。有機微粒子は、モノマーの重合反応(例えば乳化重合法)により合成されるポリマー微粒子であることが好ましい。有機微粒子のポリマーはフッ素原子を含むことが好ましい。ポリマー中のフッ素原子の割合は、35〜80質量%であることが好ましく、45〜75質量%であることが更に好ましい。また、有機微粒子内に、例えば、粒子を形成するポリマーを架橋させ、体積を縮小させることによりミクロボイドを形成させることも好ましい。粒子を形成するポリマーを架橋させるためには、ポリマーを合成するためのモノマーの20モル%以上を多官能モノマーとすることが好ましい。多官能モノマーの割合は、30〜80モル%であることが更に好ましく、35〜50モル%であることが最も好ましい。上記有機微粒子の合成に用いられるモノマーとしては、含フッ素ポリマーを合成するために用いるフッ素原子を含むモノマーの例として、フルオロオレフィン類(例えば、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、アクリル酸またはメタクリル酸のフッ素化アルキルエステル類及びフッ素化ビニルエーテル類が挙げられる。フッ素原子を含むモノマーとフッ素原子を含まないモノマーとのコポリマーを用いてもよい。フッ素原子を含まないモノマーの例としては、オレフィン類(例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン)、アクリル酸エステル類(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル)、スチレン類(例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン)、ビニルエーテル類(例えば、メチルビニルエーテル)、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル)、アクリルアミド類(例えば、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド)、メタクリルアミド類及びアクリルニトリル類が挙げられる。多官能モノマーの例としては、ジエン類(例えば、ブタジエン、ペンタジエン)、多価アルコールとアクリル酸とのエステル(例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、多価アルコールとメタクリル酸とのエステル(例えば、エチレングリコールジメタクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート)、ジビニル化合物(例えば、ジビニルシクロヘキサン、1,4−ジビニルベンゼン)、ジビニルスルホン、ビスアクリルアミド類(例えば、メチレンビスアクリルアミド)及びビスメタクリルアミド類が挙げられる。
粒子間のミクロボイドは、微粒子を少なくとも2個以上積み重ねることにより形成することができる。尚、粒径が等しい(完全な単分散の)球状微粒子を最密充填すると、26体積%の空隙率の微粒子間ミクロボイドが形成される。粒径が等しい球状微粒子を単純立方充填すると、48体積%の空隙率の微粒子間ミクロボイドが形成される。実際の空隙保持層では、微粒子の粒径の分布や粒子内ミクロボイドが存在するため、空隙率は上記の理論値からかなり変動する。空隙率を増加させると、空隙保持層の屈折率が低下する。微粒子を積み重ねてミクロボイドを形成すると、微粒子の粒径を調整することで、粒子間ミクロボイドの大きさも適度の(光を散乱せず、空隙保持層の強度に問題が生じない)値に容易に調節できる。更に、微粒子の粒径を均一にすることで、粒子間ミクロボイドの大きさも均一である光学的に均一な空隙保持層を得ることができる。これにより、空隙保持層は微視的にはミクロボイド含有多孔質膜であるが、光学的或いは巨視的には均一な膜にすることができる。粒子間ミクロボイドは、微粒子及びポリマーによって空隙保持層内で閉じていることが好ましい。即ち、空隙が層内に分散していることが好ましい。
閉じている空隙には、空隙保持層表面に開かれた開口と比較して、空隙保持層表面での光の散乱が少ないとの利点もある。
ミクロボイドを形成することにより、空隙保持層の巨視的屈折率は、空隙保持層を構成する成分の屈折率の和よりも低い値になる。層の屈折率は、層の構成要素の体積当たりの屈折率の和になる。微粒子やポリマーのような空隙保持層の構成成分の屈折率は1よりも大きな値であるのに対して、空気の屈折率は1.00である。その為、ミクロボイドを形成することによって、屈折率が非常に低い空隙保持層を得ることができる。
〔中空もしくは気泡を有する粒子の配合〕
本発明の空隙保持層は中空もしくは気泡を有する粒子を含有することも好ましい。特に外殻層を有し内部が多孔質または空洞の粒子を少なくとも1種類以上含有することが好ましく、中でも該外殻層を有し内部が多孔質または空洞である粒子が、中空シリカ系微粒子が好ましい。
(中空シリカ系微粒子)
中空シリカ系微粒子は、(I)多孔質粒子と該多孔質粒子表面に設けられた被覆層とからなる複合粒子、または(II)内部に空洞を有し、且つ内容物が溶媒、気体または多孔質物質で充填された空洞粒子である。なお、空隙保持層には(I)複合粒子または(II)空洞粒子のいずれかが含まれていればよく、また双方が含まれていてもよい。
なお、空洞粒子は内部に空洞を有する粒子であり、空洞は被覆層(粒子壁ともいう。)で覆われている。空洞内には、調製時に使用した溶媒、気体または多孔質物質等の内容物で充填されている。このような中空微粒子の平均粒子径が5〜300nm、好ましくは10〜200nmの範囲にあることが望ましい。使用される中空微粒子の平均粒子径は、形成される空隙保持層の平均膜厚の3/2〜1/10好ましくは2/3〜1/10の範囲にあることが望ましい。これらの中空微粒子は、空隙保持層の形成のため、適当な媒体に分散した状態で使用することが好ましい。分散媒としては、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)及びケトン(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、ケトンアルコール(例えばジアセトンアルコール)、或いはこれらを含む混合溶媒が好ましい。
複合粒子の被覆層の厚さまたは空洞粒子の粒子壁の厚さは、1〜20nm、好ましくは2〜15nmの範囲にあることが望ましい。複合粒子の場合、被覆層の厚さが1nm未満の場合は、粒子を完全に被覆することができないことがあり、後述する塗布液成分である重合度の低いケイ酸モノマー、オリゴマー等が容易に複合粒子の内部の空隙部分に進入して粒子の屈折率を増加させ、低屈折率の効果が十分得られなくなることがある。また、被覆層の厚さが20nmを越えると、前記ケイ酸モノマー、オリゴマーが内部に進入することはないが、複合粒子の多孔性(細孔容積)が低下し低屈折率の効果が十分得られなくなることがある。また空洞粒子の場合、粒子壁の厚さが1nm未満の場合は、粒子形状を維持できないことがあり、また厚さが20nmを越えても、低屈折率の効果が十分に現れないことがある。
複合粒子の被覆層または空洞粒子の粒子壁は、シリカを主成分とすることが好ましい。また、シリカ以外の成分が含まれていてもよく、具体的には、Al、B、TiO、ZrO、SnO、CeO、P、Sb、MoO、ZnO、WO等が挙げられる。複合粒子を構成する多孔質粒子としては、シリカからなるもの、シリカとシリカ以外の無機化合物とからなるもの、CaF、NaF、NaAlF、MgF等からなるものが挙げられる。このうち特にシリカとシリカ以外の無機化合物との複合酸化物からなる多孔質粒子が好適である。シリカ以外の無機化合物としては、Al、B、TiO、ZrO、SnO、CeO、P、Sb、MoO、ZnO、WO等との1種または2種以上を挙げることができる。このような多孔質粒子では、シリカをSiOで表し、シリカ以外の無機化合物を酸化物換算(MO)で表したときのモル比MO/SiOが、0.0001〜1.0、好ましくは0.001〜0.3の範囲にあることが望ましい。多孔質粒子のモル比MO/SiOが0.0001未満のものは得ることが困難であり、得られたとしても細孔容積が小さく、屈折率の低い粒子が得られない。また、多孔質粒子のモル比MO/SiOが、1.0を越えると、シリカの比率が少なくなるので、細孔容積が大きくなり、更に屈折率が低いものを得ることが難しいことがある。
このような多孔質粒子の細孔容積は、0.1〜1.5ml/g、好ましくは0.2〜1.5ml/gの範囲であることが望ましい。細孔容積が0.1ml/g未満では、十分に屈折率の低下した粒子が得られず、1.5ml/gを越えると微粒子の強度が低下し、得られる被膜の強度が低下することがある。
なお、このような多孔質粒子の細孔容積は水銀圧入法によって求めることができる。また、空洞粒子の内容物としては、粒子調製時に使用した溶媒、気体、多孔質物質等が挙げられる。溶媒中には空洞粒子調製する際に使用される粒子前駆体の未反応物、使用した触媒等が含まれていてもよい。また多孔質物質としては、前記多孔質粒子で例示した化合物からなるものが挙げられる。これらの内容物は、単一の成分からなるものであってもよいが、複数成分の混合物であってもよい。
このような中空微粒子の製造方法としては、例えば特開平7−133105号公報の段落番号[0010]〜[0033]に開示された複合酸化物コロイド粒子の調製方法が好適に採用される。具体的に、複合粒子が、シリカ、シリカ以外の無機化合物とからなる場合、以下の第1〜第3工程から中空微粒子は製造される。
第1工程:多孔質粒子前駆体の調製
第1工程では、予め、シリカ原料とシリカ以外の無機化合物原料のアルカリ水溶液を個別に調製するか、または、シリカ原料とシリカ以外の無機化合物原料との混合水溶液を調製しておき、この水溶液を目的とする複合酸化物の複合割合に応じて、pH10以上のアルカリ水溶液中に攪拌しながら徐々に添加して多孔質粒子前駆体を調製する。
シリカ原料としては、アルカリ金属、アンモニウムまたは有機塩基のケイ酸塩を用いる。アルカリ金属のケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)やケイ酸カリウムが用いられる。有機塩基としては、テトラエチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類を挙げることができる。なお、アンモニウムのケイ酸塩または有機塩基のケイ酸塩には、ケイ酸液にアンモニア、第4級アンモニウム水酸化物、アミン化合物等を添加したアルカリ性溶液も含まれる。
また、シリカ以外の無機化合物の原料としては、アルカリ可溶の無機化合物が用いられる。具体的には、Al、B、Ti、Zr、Sn、Ce、P、Sb、Mo、Zn、W等から選ばれる元素のオキソ酸、該オキソ酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、第4級アンモニウム塩を挙げることができる。より具体的には、アルミン酸ナトリウム、四硼酸ナトリウム、炭酸ジルコニルアンモニウム、アンチモン酸カリウム、錫酸カリウム、アルミノケイ酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、硝酸セリウムアンモニウム、燐酸ナトリウムが適当である。
これらの水溶液の添加と同時に混合水溶液のpH値は変化するが、このpH値を所定の範囲に制御するような操作は特に必要ない。水溶液は、最終的に、無機酸化物の種類及びその混合割合によって定まるpH値となる。このときの水溶液の添加速度には特に制限はない。また、複合酸化物粒子の製造に際して、シード粒子の分散液を出発原料と使用することも可能である。当該シード粒子としては、特に制限はないが、SiO、Al、TiOまたはZrO等の無機酸化物またはこれらの複合酸化物の微粒子が用いられ、通常、これらのゾルを用いることができる。更に前記の製造方法によって得られた多孔質粒子前駆体分散液をシード粒子分散液としてもよい。シード粒子分散液を使用する場合、シード粒子分散液のpHを10以上に調整した後、該シード粒子分散液中に前記化合物の水溶液を、上記したアルカリ水溶液中に攪拌しながら添加する。この場合も、必ずしも分散液のpH制御を行う必要はない。このようにしてシード粒子を用いると、調製する多孔質粒子の粒径コントロールが容易であり、粒度の揃ったものを得ることができる。
上記したシリカ原料及び無機化合物原料はアルカリ側で高い溶解度を有する。しかしながら、この溶解度の大きいpH領域で両者を混合すると、ケイ酸イオン及びアルミン酸イオン等のオキソ酸イオンの溶解度が低下し、これらの複合物が析出して微粒子に成長したり、または、シード粒子上に析出して粒子成長が起る。従って、微粒子の析出、成長に際して、従来法のようなpH制御は必ずしも行う必要がない。
第1工程におけるシリカとシリカ以外の無機化合物との複合割合は、シリカに対する無機化合物を酸化物(MO)に換算し、MO/SiOのモル比が、0.05〜2.0、好ましくは0.2〜2.0の範囲内にあることが望ましい。この範囲内において、シリカの割合が少なくなる程、多孔質粒子の細孔容積が増大する。しかしながら、モル比が2.0を越えても、多孔質粒子の細孔の容積はほとんど増加しない。他方、モル比が0.05未満の場合は、細孔容積が小さくなる。空洞粒子を調製する場合、MO/SiOのモル比は、0.25〜2.0の範囲内にあることが望ましい。
第2工程:多孔質粒子からのシリカ以外の無機化合物の除去
第2工程では、前記第1工程で得られた多孔質粒子前駆体から、シリカ以外の無機化合物(珪素と酸素以外の元素)の少なくとも一部を選択的に除去する。具体的な除去方法としては、多孔質粒子前駆体中の無機化合物を鉱酸や有機酸を用いて溶解除去したり、または、陽イオン交換樹脂と接触させてイオン交換除去する。
なお、第1工程で得られる多孔質粒子前駆体は、珪素と無機化合物構成元素が酸素を介して結合した網目構造の粒子である。このように多孔質粒子前駆体から無機化合物(珪素と酸素以外の元素)を除去することにより、一層多孔質で細孔容積の大きい多孔質粒子が得られる。また、多孔質粒子前駆体から無機酸化物(珪素と酸素以外の元素)を除去する量を多くすれば、空洞粒子を調製することができる。
また、多孔質粒子前駆体からシリカ以外の無機化合物を除去するに先立って、第1工程で得られる多孔質粒子前駆体分散液に、シリカのアルカリ金属塩を脱アルカリして得られる、フッ素置換アルキル基含有シラン化合物を含有するケイ酸液または加水分解性の有機珪素化合物を添加してシリカ保護膜を形成することが好ましい。シリカ保護膜の厚さは0.5〜15nmの厚さであればよい。なおシリカ保護膜を形成しても、この工程での保護膜は多孔質であり厚さが薄いので、前記したシリカ以外の無機化合物を、多孔質粒子前駆体から除去することは可能である。
このようなシリカ保護膜を形成することによって、粒子形状を保持したまま、前記したシリカ以外の無機化合物を、多孔質粒子前駆体から除去することができる。また、後述するシリカ被覆層を形成する際に、多孔質粒子の細孔が被覆層によって閉塞されてしまうことがなく、このため細孔容積を低下させることなく後述するシリカ被覆層を形成することができる。なお、除去する無機化合物の量が少ない場合は粒子が壊れることがないので必ずしも保護膜を形成する必要はない。
また空洞粒子を調製する場合は、このシリカ保護膜を形成しておくことが望ましい。空洞粒子を調製する際には、無機化合物を除去すると、シリカ保護膜と、該シリカ保護膜内の溶媒、未溶解の多孔質固形分とからなる空洞粒子の前駆体が得られ、該空洞粒子の前駆体に後述の被覆層を形成すると、形成された被覆層が、粒子壁となり空洞粒子が形成される。
上記シリカ保護膜形成のために添加するシリカ源の量は、粒子形状を保持できる範囲で少ないことが好ましい。シリカ源の量が多過ぎると、シリカ保護膜が厚くなり過ぎるので、多孔質粒子前駆体からシリカ以外の無機化合物を除去することが困難となることがある。シリカ保護膜形成用に使用される加水分解性の有機珪素化合物としては、一般式RSi(OR′)4−n〔R、R′:アルキル基、アリール基、ビニル基、アクリル基等の炭化水素基、n=0、1、2または3〕で表されるアルコキシシランを用いることができる。特に、フッ素置換したテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン等のテトラアルコキシシランが好ましく用いられる。
添加方法としては、これらのアルコキシシラン、純水、及びアルコールの混合溶液に触媒としての少量のアルカリまたは酸を添加した溶液を、前記多孔質粒子の分散液に加え、アルコキシシランを加水分解して生成したケイ酸重合物を無機酸化物粒子の表面に沈着させる。このとき、アルコキシシラン、アルコール、触媒を同時に分散液中に添加してもよい。アルカリ触媒としては、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物、アミン類を用いることができる。また、酸触媒としては、各種の無機酸と有機酸を用いることができる。
多孔質粒子前駆体の分散媒が、水単独、または有機溶媒に対する水の比率が高い場合には、ケイ酸液を用いてシリカ保護膜を形成することも可能である。ケイ酸液を用いる場合には、分散液中にケイ酸液を所定量添加し、同時にアルカリを加えてケイ酸液を多孔質粒子表面に沈着させる。なお、ケイ酸液と上記アルコキシシランを併用してシリカ保護膜を作製してもよい。
第3工程:シリカ被覆層の形成
第3工程では、第2工程で調製した多孔質粒子分散液(空洞粒子の場合は空洞粒子前駆体分散液)に、フッ素置換アルキル基含有シラン化合物を含有する加水分解性の有機珪素化合物またはケイ酸液等を加えることにより、粒子の表面を加水分解性有機珪素化合物またはケイ酸液等の重合物で被覆してシリカ被覆層を形成する。
シリカ被覆層形成用に使用される加水分解性の有機珪素化合物としては、前記したような一般式RSi(OR′)4−n〔R、R′:アルキル基、アリール基、ビニル基、アクリル基等の炭化水素基、n=0、1、2または3〕で表されるアルコキシシランを用いることができる。特に、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン等のテトラアルコキシシランが好ましく用いられる。
添加方法としては、これらのアルコキシシラン、純水、及びアルコールの混合溶液に触媒としての少量のアルカリまたは酸を添加した溶液を、前記多孔質粒子(空洞粒子の場合は空洞粒子前駆体)分散液に加え、アルコキシシランを加水分解して生成したケイ酸重合物を多孔質粒子(空洞粒子の場合は空洞粒子前駆体)の表面に沈着させる。このとき、アルコキシシラン、アルコール、触媒を同時に分散液中に添加してもよい。アルカリ触媒としては、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物、アミン類を用いることができる。また、酸触媒としては、各種の無機酸と有機酸を用いることができる。
多孔質粒子(空洞粒子の場合は空洞粒子前駆体)の分散媒が水単独、または有機溶媒との混合溶媒であって、有機溶媒に対する水の比率が高い混合溶媒の場合には、ケイ酸液を用いて被覆層を形成してもよい。ケイ酸液とは、水ガラス等のアルカリ金属ケイ酸塩の水溶液をイオン交換処理して脱アルカリしたケイ酸の低重合物の水溶液である。
ケイ酸液は、多孔質粒子(空洞粒子の場合は空洞粒子前駆体)分散液中に添加され、同時にアルカリを加えてケイ酸低重合物を多孔質粒子(空洞粒子の場合は空洞粒子前駆体)表面に沈着させる。なお、ケイ酸液を上記アルコキシシランと併用して被覆層形成用に使用してもよい。被覆層形成用に使用される有機珪素化合物またはケイ酸液の添加量は、コロイド粒子の表面を十分被覆できる程度であればよく、最終的に得られるシリカ被覆層の厚さが1〜20nmとなるような量で、多孔質粒子(空洞粒子の場合は空洞粒子前駆体)分散液中で添加される。また前記シリカ保護膜を形成した場合はシリカ保護膜とシリカ被覆層の合計の厚さが1〜20nmの範囲となるような量で、有機珪素化合物またはケイ酸液は添加される。
次いで、被覆層が形成された粒子の分散液を加熱処理する。加熱処理によって、多孔質粒子の場合は、多孔質粒子表面を被覆したシリカ被覆層が緻密化し、多孔質粒子がシリカ被覆層によって被覆された複合粒子の分散液が得られる。また空洞粒子前駆体の場合、形成された被覆層が緻密化して空洞粒子壁となり、内部が溶媒、気体または多孔質固形分で充填された空洞を有する空洞粒子の分散液が得られる。
このときの加熱処理温度は、シリカ被覆層の微細孔を閉塞できる程度であれば特に制限はなく、80〜300℃の範囲が好ましい。加熱処理温度が80℃未満ではシリカ被覆層の微細孔を完全に閉塞して緻密化できないことがあり、また処理時間に長時間を要してしまうことがある。また加熱処理温度が300℃を越えて長時間処理すると緻密な粒子となることがあり、低屈折率の効果が得られないことがある。
このようにして得られた無機微粒子の屈折率は、1.42未満と低い。このような無機微粒子は、多孔質粒子内部の多孔性が保持されているか、内部が空洞であるので、屈折率が低くなるものと推察される。なお、中空シリカ系微粒子は触媒化成(株)から市販されているものも好ましく利用することができる。
外殻層を有し、内部が多孔質または空洞である中空シリカ系微粒子の空隙保持層中の含有量は、10〜50質量%であることが好ましい。低屈折率の効果を得る上で、15質量%以上が好ましく、50質量%を超えるとバインダー成分が少なくなり膜強度が不十分となる。特に好ましくは20〜50質量%である。
空隙保持層への添加方法としては、例えばテトラアルコキシシラン、純水、及びアルコールの混合溶液に触媒としての少量のアルカリまたは酸を添加した溶液を、前記中空シリカ系微粒子の分散液に加え、テトラアルコキシシランを加水分解して生成したケイ酸重合物を中空シリカ系微粒子の表面に沈着させる。このとき、テトラアルコキシシラン、アルコール、触媒を同時に分散液中に添加してもよい。アルカリ触媒としては、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物、アミン類を用いることができる。また、酸触媒としては、各種の無機酸と有機酸を用いることができる。また、シリカ系微粒子は、WO2007/099814号パンフレットに記載の製造法により作製されたものを用いてもよい。
(カチオン重合性化合物)
前記空隙保持層は、バインダーとして、カチオン重合性化合物を含有することが、本発明の目的効果をより良く発揮する点から好ましい。カチオン重合性化合物としては、エネルギー活性線照射や熱によってカチオン重合を起こして樹脂化するものであればいずれも使用できる。具体的には、エポキシ基、環状エーテル基、環状アセタール基、環状ラクトン基、環状チオエーテル基、スピロオルソエステル化合物、ビニルオキソ基等が挙げられる。中でもエポキシ基やビニルエーテル基などの官能基を有する化合物が本発明においては、好適に用いられる。エポキシ基またはビニルエーテル基を有するカチオン重合性化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、リモネンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等が挙げられる。また、エポキシ化合物としては、ポリマー化合物も使用することができ、例えば、特開平7−247313号公報に開示されている手法で合成することができる。
また、カチオン重合性化合物として、オキセタン化合物も挙げる事ができる。オキセタン化合物としては、分子中に少なくとも1個のオキセタン環を有する化合物であればよく、このようなオキセタン化合物としては、種々のものが使用できるが、好ましい化合物として、下記の一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)の化合物である。
Figure 2010097105
(式中、Rは、水素、フッ素、アルキル基、フルオロアルキル基、アリル基、アリール基またはフリル基を表し、mは1〜4の整数を表し、Zは酸素または硫黄を表し、Rはmの値に応じて1〜4価の有機基を表す。)
Figure 2010097105
(式中、R及びR10は各々独立して、水素、フッ素、アルキル基、フルオロアルキル基、アリル基、アリール基またはフリル基を表す。)
Figure 2010097105
(式中、R11は、水素、フッ素、アルキル基、フルオロアルキル基、アリル基、アリール基またはフリル基を表し、R12は水素または不活性な1価の有機基を表し、R13は加水分解可能な官能基を表し、nは1〜5の整数を表し、pは0〜2の整数を表す。)
上記一般式(I)〜(III)において、R、R、R10、R11がアルキル基の場合、その炭素数は1〜6程度であることができ、具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどが挙げられる。またフルオロアルキル基も、炭素数1〜6程度であることができる。更にアリール基は、典型的にはフェニルまたはナフチルであり、これらは他の基で置換されていてもよい。
また、上記一般式(I)においてRで表される有機基は、特に限定されないが、例えば、mが1の場合は、アルキル基、フェニル基などが、mが2の場合は、炭素数1〜12の直鎖または分枝状アルキレン基、直鎖または分枝状のポリ(アルキレンオキシ)基などが、mが3または4の場合は、類似の多価官能基が挙げられる。
上記一般式(II)においてR12で表される不活性な1価の有機基として、典型的には炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、またR13で表される加水分解可能な官能基としては、例えば、メトキシやエトキシなどを包含する炭素数1〜5のアルコキシ基、塩素原子や臭素原子のようなハロゲン原子などが挙げられる。
更に、必要に応じて水素結合形成基を有するモノマーを含む(共)重合体で、主鎖や側鎖にオキセタニル基を有する数平均分子量が2万以上の反応性ポリマーなども使用できる。
また、下記一般式で示されるような含フッ素のビニルエーテル化合物を用いてもよい。
CH=CH−O−(CH)a−O−(CH)b−Rf−(CH)b−O−(CH)a−O−CH=CH
(式中、Rfはフッ素含有アルキル基、aは1〜2、bは0〜3の整数を表す。Rfは直鎖或いは分枝のアルキル基のいずれであってもよい。)
具体的化合物としては次の通りである。
CH=CH−O−CH−O−(CF)k−O−CH−O−CH=CH
CH=CH−O−CH−O−CH−(CF)k−CH−O−CH−O−CH=CH
CH=CH−O−CH−O−(CH−(CF)k−(CH−O−CH−O−CH=CH
CH=CH−O−CH−O−(CH−(CF)k−(CH−O−CH−O−CH=CH
CH=CH−O−(CH−O−(CF)k−O−(CH−O−CH=CH
CH=CH−O−(CH−O−CH−(CF)k−CH−O−(CH−O−CH=CH
CH=CH−O−(CH−O−(CH−(CF)k−(CH−O−(CH−O−CH=CH
CH=CH−O−(CH−O−(CH−(CF)k−(CH−O−(CH−O−CH=CH
上記において、kは好ましくは2以上12以下の整数であり、更に好ましくは、kが4以上10以下である。上記含フッ素のビニルエーテル化合物は、含フッ素ジアルコール体とハロゲン基をもつビニルエーテルをアルカリ触媒下で反応させることによって製造することができる。また、含フッ素エポキシ化合物を含有してもよく、例えば特開平11−309830号公報の一般式(1)〜(4)に記載の化合物を用いることができる。具体的には以下に示す含フッ素エポキシ化合物1〜4の化合物を挙げる事ができるが、これらに限定されない。
含フッ素エポキシ化合物1
Figure 2010097105
含フッ素エポキシ化合物2
Figure 2010097105
含フッ素エポキシ化合物3
Figure 2010097105
含フッ素エポキシ化合物4
Figure 2010097105
その他、特開2007−254650号公報段落番号[116]〜[126]に記載の化合物を挙げることもできる。
上記したカチオン重合性化合物は、低屈折層塗布組成物中では固形分中の15質量%以上70質量%未満であることが、低屈折層塗布組成物の安定性の点から、好ましい。
(カチオン重合促進剤)
また、カチオン重合性化合物の重合を促進する化合物として、公知の酸や光酸発生剤を挙げる事ができる。光酸発生剤としては、カチオン重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、或いは、マイクロレジスト等に使用されている公知の化合物及びそれらの混合物等が挙げられる。具体的には、例えば、オニウム化合物、有機ハロゲン化合物、ジスルホン化合物が挙げられ、好ましくは、オニウム化合物である。オニウム化合物としては、以下の各式に示されるジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩などが好適に使用される。
ArN
(R)
(R)
式中、Arはアリール基を表し、Rはアリール基または炭素数1〜20のアルキル基を表し、一分子内にRが複数回現れる場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、Zは非塩基性でかつ非求核性の陰イオンを表す。
上記各式において、ArまたはRで表されるアリール基も、典型的にはフェニルやナフチルであり、これらは適当な基で置換されていてもよい。また、Zで表される陰イオンとして具体的には、テトラフルオロボレートイオン(BF )、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン(B(C )、ヘキサフルオロホスフェートイオン(PF )、ヘキサフルオロアーセネートイオン(AsF )、ヘキサフルオロアンチモネートイオン(SbF )、ヘキサクロロアンチモネートイオン(SbCl )、硫酸水素イオン(HSO )、過塩素酸イオン(ClO )などが挙げられる。
その他のオニウム化合物としては、アンモニウム塩、イミニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、セレノニウム塩、ホウ素塩等が挙げられ、例えば特開2002−29162号公報の段落番号[0058]〜[0059]に記載の化合物等が挙げられる。
中でも、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、イミニウム塩が、化合物の素材安定性等の点から好ましい。
好適に用いることのできるオニウム塩の具体例としては、例えば、特開平9−268205号公報の段落番号[0035]に記載のアミル化されたスルホニウム塩、特開2000−71366号公報の段落番号[0010]〜[0011]に記載のジアリールヨードニウム塩またはトリアリールスルホニウム塩、特開2001−288205号公報の段落番号[0017]に記載のチオ安息香酸S−フェニルエステルのスルホニウム塩、特開2001−133696号公報の段落番号[0030]〜[0033]に記載のオニウム塩等が挙げられる。
酸発生剤の他の例としては、特開2002−29162号公報の段落番号[0059]〜[0062]に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、光分解してスルホン酸を発生する化合物(イミノスルフォネート等)等の化合物が挙げられる。これら化合物の多くは市販されているので、そのような市販品を用いることができる。市販の開始剤としては、例えば、ダウケミカル日本(株)から販売されている“サイラキュアUVI−6990”(商品名)、各々(株)ADEKAから販売されている“アデカオプトマーSP−150”(商品名)、“アデカオプトマーSP−300”(商品名)、ローディアジャパン(株)から販売されている“RHODORSIL PHOTOINITIAOR2074”(商品名)などが挙げられる。
酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、または酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸等のブレンステッド酸、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラブトキシチタネート等のルイス酸が挙げられる。
ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、フタル酸、無水フタル酸などの芳香族多価カルボン酸またはその無水物やマレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、無水コハク酸などの脂肪族多価カルボン酸またはその無水物なども挙げられる。
酸としては、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの酸や光酸発生剤は、カチオン重合性化合物100質量部に対して、0.1〜20質量部の割合が好ましく、より好ましくは0.5〜15質量部の割合で添加することである。添加量が上記範囲において、硬化性組成物の安定性、重合反応性等から好ましい。
(ラジカル重合性化合物)
また、本発明の空隙保持層は、バインダーとしてラジカル重合性化合物を含有することもできる。
ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニルオキシ基、スチリル基、アリル基等のエチレン性不飽和基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。また、ラジカル重合性化合物としては、分子内に2個以上のラジカル重合性基を含有する多官能モノマーを含有することが好ましい。多官能アクリレートとしては、ペンタエリスリトール多官能アクリレート、ジペンタエリスリトール多官能アクリレート、ペンタエリスリトール多官能メタクリレート、及びジペンタエリスリトール多官能メタクリレートよりなる群から選ばれることが好ましい。多官能アクリレートのモノマーとしては、例えばエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、グリセリントリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ペンタグリセロールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセリントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、イソボロニルアクリレート等が好ましく挙げられる。これらの化合物は、それぞれ単独または2種以上を混合して用いられる。また、上記モノマーの2量体、3量体等のオリゴマーであってもよい。
市販品の多官能アクリレートとしては、アデカオプトマーKR・BYシリーズ:KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(旭電化(株)製);コーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(広栄化学(株)製);セイカビームPHC2210(S)、PHC X−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(大日精化工業(株)製);KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(ダイセル・ユーシービー(株)製);RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(大日本インキ化学工業(株)製);オーレックスNo.340クリヤ(中国塗料(株)製);サンラッドH−601、RC−750、RC−700、RC−600、RC−500、RC−611、RC−612(三洋化成工業(株)製);SP−1509、SP−1507(昭和高分子(株)製);RCC−15C(グレース・ジャパン(株)製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(東亞合成(株)製);B420(新中村化学工業(株)製)等を適宜選択して利用できる。
ラジカル重合性化合物の添加量は、低屈折層塗布組成物中では固形分中の15質量%以上70質量%未満であることが、低屈折層塗布組成物の安定性の点から、好ましい。
(ラジカル重合促進剤)
ラジカル重合性化合物の硬化促進のために、光重合開始剤をラジカル重合性化合物と併用して用いることが好ましい。光重合開始剤とラジカル重合性化合物とを併用して用いる場合には、光重合開始剤とラジカル重合性化合物とを質量比で20:100〜0.01:100含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
(珪素化合物)
空隙保持層には、下記一般式(A)で表される有機珪素化合物もしくはその加水分解物或いはその重縮合物を含有しても良い。
R2SiX24−m ・・・(A)
式中、R2はエポキシ基、X2は水酸基または加水分解可能な置換基であり、mは0〜3の整数である。
一般式(A)で示されるエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物のR2は特に制限はないが、例えば2−グリシドキシエチル基、3−グリシドキシプロピル基、3−グリシドキシブチル基等のグリシドキシC1〜C4アルキル基、好ましくはグリシドキシC1〜C3アルキル基、グリシジル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘプチル)エチル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ペンチル基等のオキシラン基を持ったC5〜C8のシクロアルキル基で置換されたC1〜C3アルキル基が挙げられる。これらの中で2−グリシドキシエチル基、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基が好ましい。これらの置換基R2を有する一般式(1)の化合物として用いることのできる化合物の好ましい具体例として、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4)−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上使用してもよい。
アルコキシシラン化合物は、例えば、特開平10−324749号、特開平6−298940号公報に記載の方法で製造する事が出来る。特開2006−348061号に記載されているように塩基触媒下で、一般式(1)のアルコキシシラン化合物を(共)縮合させて得る事も出来る。その場合、(共)縮合を促進するため、必要に応じ水を添加することができる。水の添加量は、反応混合物全体のアルコキシ基1モルに対し、通常0.05〜1.5モル、好ましくは0.1〜1.2モルである。縮合反応に使用する触媒は塩基性であれば特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの無機塩基、アンモニア、トリエチルアミン、ジエチレントリアミン、n−ブチルアミン、ジメチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機塩基を使用する事が出来る。これらの中でも、特に生成物からの触媒除去が容易である点で無機塩基又はアンモニアが好ましい。触媒の添加量としては、アルコキシシラン化合物の量に対し、通常5×10−4〜7.5質量%、好ましくは1×10−3〜5質量%である。上記縮合反応は、無溶剤または溶剤中で行うことができる。溶剤を用いる場合の溶剤としては、アルコキシシラン化合物を溶解する溶剤であれば特に制限はない。このような溶剤としては、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの非極性溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられ、好ましくはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンである。
更に、下記一般式(OSi−2)で表されるフッ素置換アルキル基含有シラン化合物を含有しても良い。
Figure 2010097105
前記一般式(OSi−2)で表されるフッ素置換アルキル基含有シラン化合物について説明する。
式中、R〜Rは炭素数1〜16、好ましくは1〜4のアルキル基、炭素数1〜6、好ましくは1〜4のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜12、好ましくは6〜10のアリール基、炭素数7〜14、好ましくは7〜12のアルキルアリール基、アリールアルキル基、炭素数2〜8、好ましくは2〜6のアルケニル基、または炭素数1〜6、好ましくは1〜3のアルコキシ基、水素原子またはハロゲン原子を示す。
Rfは−(CaHbFc)−を表し、aは1〜12の整数、b+cは2aであり、bは0〜24の整数、cは0〜24の整数を示す。このようなRfとしては、フルオロアルキレン基とアルキレン基とを有する基が好ましい。具体的に、このような含フッ素シリコーン系化合物としては、(MeO)SiCSi(MeO)、(MeO)SiCSi(MeO)、(MeO)SiC12Si(MeO)、(HO)SiCSi(OC、(HO)SiC12Si(OCで表されるメトキシジシラン化合物等が挙げられる。
空隙保持層にはシランカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシジルオキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポシシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びβ−シアノエチルトリエトキシシランが挙げられる。
また、珪素に対して2置換のアルキル基を持つシランカップリング剤の例として、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルフェニルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン及びメチルビニルジエトキシシランが挙げられる。
これらのうち、分子内に二重結合を有するビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン及びγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、珪素に対して2置換のアルキル基を持つものとしてγ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン及びメチルビニルジエトキシシランが好ましく、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン及びγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン及びγ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシランが特に好ましい。
2種類以上のカップリング剤を併用してもよい。上記に示されるシランカップリング剤に加えて、他のシランカップリング剤を用いてもよい。他のシランカップリング剤には、オルトケイ酸のアルキルエステル(例えば、オルトケイ酸メチル、オルトケイ酸エチル、オルトケイ酸n−プロピル、オルトケイ酸i−プロピル、オルトケイ酸n−ブチル、オルトケイ酸sec−ブチル、オルトケイ酸t−ブチル)及びその加水分解物が挙げられる。
また、空隙保持層にはCF(CF)nCHCHSi(OR1)で表される珪素化合物を含有してもよい。(式中、R1は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表し、そしてnは、0〜12の整数を表す。)具体的化合物としては、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシランなどが挙げられ、これらは単独でまたは二種以上組み合わせて用いることができる。また、HNCONH(CH)mSi(OR2)で表される末端位にウレイド基(HNCONH−)を有する珪素化合物を含有してもよい。(式中、R2は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基を表し、mは、1〜5の整数を表す。)具体的化合物としては、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリプロポキシシランなどが挙げられる。これらの中でもγ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどが特に好ましい。
その他、空隙保持層はバインダーとして、例えば、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、フルオロアクリレート、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリエステル、アルキド樹脂等を用いることができる。
空隙保持層は、全体で5〜95質量%のバインダーを含むことが好ましい。バインダーは、空隙を含む空隙保持層の構造を維持する機能を有する。バインダーの使用量は、空隙を充填することなく空隙保持層の強度を維持できるように適宜調整する。
(溶媒)
空隙保持層を形成する場合は有機溶媒を含有することが好ましい。具体的な有機溶媒の例としては、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)が挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びブタノールが特に好ましい。
空隙保持層塗布組成物中の固形分濃度は1〜4質量%であることが好ましく、該固形分濃度が4質量%以下にすることによって、塗布ムラが生じにくくなり、1質量%以上にすることによって乾燥負荷が軽減される。
空隙保持層は、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、インクジェット法等公知の方法を用いて、空隙保持層を形成する上記塗布組成物を塗布し、塗布後、加熱乾燥し、必要に応じて硬化処理することで形成される。
塗布量は、ウェット膜厚として0.05〜100μmが適当で、好ましくは、0.1〜50μmである。また、ドライ膜厚が上記膜厚となるように塗布組成物の固形分濃度は調整される。
また、空隙保持層を形成後、温度50〜160℃で加熱処理を行う工程を含んでもよい。加熱処理の期間は、設定される温度によって適宜決定すればよく、例えば50℃であれば、好ましくは3日間以上30日未満の期間、160℃であれば10分以上1日以下の範囲が好ましい。硬化方法としては、加熱することによって熱硬化させる方法、紫外線等の光照射によって硬化させる方法などが挙げられる。熱硬化させる場合は、加熱温度は50〜300℃が好ましく、好ましくは60〜250℃、更に好ましくは80〜150℃である。光照射によって硬化させる場合は、照射光の露光量は10mJ/cm〜10J/cmであることが好ましく、100mJ/cm〜500mJ/cmがより好ましい。
ここで、照射される光の波長域としては特に限定されないが、紫外線領域の波長を有する光が好ましく用いられる。具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cm、好ましくは5〜150mJ/cmであるが、特に好ましくは20〜100mJ/cmである。
上述の空隙保持層とフィルム基材の間には、ハードコート層、高屈折率層、帯電防止層、また空隙保持層とはフィルム基材を挟んで反対の面にバックコート層を設けてもよい。
(ハードコート層)
ハードコート層は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の熱可塑性アクリル樹脂、空隙保持層に用いることのできるラジカル重合性化合物、ラジカル重合促進剤、カチオン重合性化合物、カチオン重合促進剤、その他公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂またはゼラチン等の親水性樹脂等のバインダーなどを、バインダーとして用いることが好ましい。
また、ハードコート層には耐傷性、滑り性や屈折率を調整するために無機化合物または有機化合物の微粒子を含んでもよい。
ハードコート層に使用される無機微粒子としては、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、ITO、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。特に、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等が好ましく用いられる。
また有機粒子としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリルスチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコン系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、またはポリ弗化エチレン系樹脂粉末等紫外線硬化性樹脂組成物を加えることができる。特に好ましくは、架橋ポリスチレン粒子(例えば、綜研化学製SX−130H、SX−200H、SX−350H)、ポリメチルメタクリレート系粒子(例えば、綜研化学製MX150、MX300)、フッ素含有アクリル樹脂微粒子が挙げられる。フッ素含有アクリル樹脂微粒子としては、例えば日本ペイント製:FS−701等の市販品が挙げられる。また、アクリル粒子として、例えば日本ペイント製:S−4000,アクリル−スチレン粒子として、例えば日本ペイント製:S−1200、MG−251等が挙げられる。
これらの微粒子粉末の平均粒径としては、0.01〜5μmが好ましく0.1〜5.0μm、更に、0.1〜4.0μmであることが特に好ましい。また、粒径の異なる2種以上の微粒子を含有することが好ましい。紫外線硬化性樹脂組成物と微粒子の割合は、樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜30質量部となるように配合することが望ましい。
ハードコート層の耐熱性を高めるために、光硬化反応を抑制しないような酸化防止剤を選んで用いることができる。例えば、ヒンダードフェノール誘導体、チオプロピオン酸誘導体、ホスファイト誘導体等を挙げることができる。
更にハードコート層には、シリコーン系界面活性剤或いはポリオキシエーテル化合物を含有させることが好ましい。シリコーン系界面活性剤としてはポリエーテル変性シリコーンが好ましく、具体的には、BYK−UV3500,BYK−UV3510、BYK−333、BYK−331、BYK−337(ビックケミ−ジャパン社製)、TSF4440、TSF4445、TSF4446、TSF4452、TSF4460(GE東芝シリコーン製)、KF−351、KF−351A、KF−352、KF−353、KF−354、KF−355、KF−615、KF−618、KF−945、KF−6004(ポリエーテル変性シリコーンオイル;信越化学工業社製)等が挙げられるがこれらに限定されない。
また、ポリオキシエーテル化合物の中では、好ましくはポリオキシエチレンオレイルエーテル化合物であり、一般的に一般式(α)で表される化合物である。
一般式(α) C1835−O(CO)nH
式中、nは2〜40を表す。
オレイル部分に対するエチレンオキシドの平均付加個数(n)は、2〜40であり、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜9、さらに好ましくは2〜8である。また一般式(α)の化合物はエチレンオキシドとオレイルアルコールとを反応させて得られる。
具体的商品としては、エマルゲン404(ポリオキシエチレン(4)オレイルエーテル)、エマルゲン408(ポリオキシエチレン(8)オレイルエーテル)、エマルゲン409P(ポリオキシエチレン(9)オレイルエーテル)、エマルゲン420(ポリオキシエチレン(13)オレイルエーテル)、エマルゲン430(ポリオキシエチレン(30)オレイルエーテル)以上花王社製、日本油脂製NOFABLEEAO−9905(ポリオキシエチレン(5)オレイルエーテル)等が挙げられる。
尚、( )がnの数字を表す。非イオン性のポリオキシエーテル化合物は単独或いは2種以上を併用しても良い。
これらは塗布性を高め、これらの成分は、塗布液中の固形分成分に対し、0.01〜3質量%の範囲で添加することが好ましい。
また、ハードコート層にはフッ素−シロキサングラフトポリマーを含有しても良い。
フッ素−シロキサングラフトポリマーとは、少なくともフッ素系樹脂に、シロキサン及び/またはオルガノシロキサン単体を含むポリシロキサン及び/またはオルガノポリシロキサンをグラフト化させて得られる共重合体のポリマーをいう。市販品としては、富士化成工業株式会社製のZX−022H、ZX−007C、ZX−049、ZX−047−D等を挙げることができる。またこれら化合物は混合して用いても良い。フッ素−シロキサングラフトポリマーは活性光線硬化型樹脂との含有質量比率をフッ素−シロキサングラフトポリマー:エネルギー活性線硬化樹脂=0.05:100〜5.00:100で用いることが塗布液中の安定性から好ましい。
また、ハードコート層は、2層以上の積層構造を有していてもよい。本発明においては、ハードコート層が積層体からなり、フィルム基材と隣接するハードコート層が熱可塑性アクリル樹脂を含有することは、より過酷な試験条件においても本発明の目的効果をより良く発揮される点から好ましい。
また、その中の1層、または全層とも、例えば導電性微粒子、π共役系導電性ポリマー、または、イオン性ポリマーを含有する所謂導電性層としてもよい。π共役系導電性ポリマーとしては、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−N−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等が挙げられる。これらはそれぞれ単独でも良いし、2種からなる共重合体でも好適に用いることができる。
ハードコート層塗布液の塗布方法としては、前述のものを用いることができる。塗布量はウェット膜厚として0.1〜40μmが適当で、好ましくは、0.5〜30μmである。また、ドライ膜厚としては1〜20μmの範囲であることが好ましい。
ハードコート層は、JIS B 0601で規定される中心線平均粗さ(Ra)が0.001〜0.1μmのクリアハードコート層、または微粒子等を添加しRaが0.1〜1μmに調整された防眩性ハードコート層であってもよい。中心線平均粗さ(Ra)は光干渉式の表面粗さ測定器で測定することが好ましく、例えばWYKO社製非接触表面微細形状計測装置WYKO NT−2000を用いて測定することができる。
(高屈折率層)
高屈折率層には、金属酸化物微粒子が含有されることが好ましい。金属酸化物微粒子の種類は特に限定されるものではなく、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P及びSから選択される少なくとも一種の元素を有する金属酸化物を用いることができ、これらの金属酸化物微粒子はAl、In、Sn、Sb、Nb、ハロゲン元素、Taなどの微量の原子をドープしてあってもよい。また、これらの混合物でもよい。本発明においては、中でも酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム−スズ(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、及びアンチモン酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物微粒子を主成分として用いることが特に好ましい。特にアンチモン酸亜鉛粒子を含有することが好ましい。
これら金属酸化物微粒子の一次粒子の平均粒子径は10nm〜200nmの範囲であり、10〜150nmであることが特に好ましい。金属酸化物微粒子の平均粒子径は、走査電子顕微鏡(SEM)等による電子顕微鏡写真から計測することができる。動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等によって計測してもよい。粒径が小さ過ぎると凝集しやすくなり、分散性が劣化する。粒径が大き過ぎるとヘイズが著しく上昇し好ましくない。金属酸化物微粒子の形状は、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状、針状或いは不定形状であることが好ましい。
高屈折率層の屈折率は、具体的には、支持体であるフィルムの屈折率より高く、23℃、波長550nm測定で、1.5〜2.2の範囲であることが好ましい。高屈折率層の屈折率を調整する手段は、金属酸化物微粒子の種類、添加量が支配的である為、金属酸化物微粒子の屈折率は1.80〜2.60であることが好ましく、1.85〜2.50であることが更に好ましい。
(帯電防止層)
帯電防止層は、アンチモン酸亜鉛ゾル、リン酸スズゾル、酸化スズゾル、π共役系導電性ポリマー、イオン性高分子化合物等を、紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂に含有することが好ましい。
帯電防止層は、支持体(樹脂フィルム等)の取扱の際に、フィルムが帯電するのを防ぐ機能を付与するものである。また、帯電防止層の表面比抵抗は1011Ω/□(25℃、55%RH)以下に調整されることが好ましく、更に好ましくは、1010Ω/□(25℃、55%RH)以下であり、特に好ましくは、10Ω/□(25℃、55%RH)以下である。
ここで、表面比抵抗値の測定の詳細は実施例に記載するが、試料を25℃、55%RHの条件にて24時間調湿し、川口電機株式会社製テラオームメーターモデルVE−30を用いて測定する。
導電性層上には、更にオーバーコート層を最表面層として設けるが、表面比抵抗値の測定は、導電性層が設けられている側の最表面層における表面比抵抗値を実質的に導電性層の表面比抵抗値として定義する。
(バックコート層)
バックコート層は、空隙保持層を設けることで生じるカールを矯正するために設けられる。すなわち、バックコート層を設けた面を内側にして丸まろうとする性質を持たせることにより、カールの度合いをバランスさせることができる。
なお、バックコート層は好ましくはブロッキング防止層を兼ねて塗設され、その場合、バックコート層塗布組成物には、ブロッキング防止機能を持たせるために無機化合物または有機化合物の粒子が添加されることが好ましい。無機化合物の例として、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、ITO、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。
これらの無機化合物は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
バックコート層の塗布に用いられる溶媒としては、例えば、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸メチル、酢酸エチル、トリクロロエチレン、メチレンクロライド、エチレンクロライド、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロホルム、水、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブタノール、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、または炭化水素類(トルエン、キシレン)等が挙げられ、適宜組み合わされて用いられる。
これらの塗布組成物をグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、またはスプレー塗布、インクジェット塗布等を用いてハードコートフィルムの表面にウェット膜厚1〜100μmで塗布するのが好ましいが、特に5〜30μmであることが好ましい。
バックコート層のバインダーとして用いられる樹脂としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分加水分解した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体または共重合体、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(好ましくはアセチル基置換度1.8〜2.3、プロピオニル基置換度0.1〜1.0)、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート樹脂等のセルロース誘導体、マレイン酸及び/またはアクリル酸の共重合体、アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
バインダーとしては、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロヒオネートなどのアセチル化セルロースとアクリル樹脂のブレンド物を用いることが好ましく、アクリル樹脂からなる微粒子を用いて、微粒子とバインダーとの屈折率差を0〜0.02未満とすることで透明性の高いバックコート層とすることができる。
上記各層を塗布する前に表面処理してもよい。表面処理方法としては、洗浄法、アルカリ処理法、フレームプラズマ処理法、高周波放電プラズマ法、電子ビーム法、イオンビーム法、スパッタリング法、酸処理、コロナ処理法、大気圧グロー放電プラズマ法等が挙げられる。
(反射率)
空隙保持層を有する第1の保護フィルムの反射率は、分光光度計、分光測色計により測定を行うことができる。その際、サンプルの測定側の裏面を粗面化処理した後に黒色スプレーでの光吸収処理や、黒色アクリル板の貼り付け等して光吸収処理を行ってから、可視光領域(400〜700nm)の反射光を測定する。
本発明の第1の保護フィルムは反射率は低いほど好ましいが、可視光領域の波長における平均値が2.0%以下であることが、LCD等の画像表示装置の最表面に用いた場合の外光反射防止機能が好適に得られる点から好ましい。最低反射率は0.8%以下であることが好ましい。
また、可視光の波長領域において平坦な形状の反射スペクトルを有することが好ましい。また、反射防止処理を施した表示装置表面の反射色相は、反射防止膜の設計上可視光領域において短波長域や長波長域の反射率が高くなることから赤や青に色づくことが多いが、反射光の色味は用途によって要望が異なり、薄型テレビ等の最表面に使用する場合にはニュートラルな色調が好まれる。この場合、一般に好まれる反射色相範囲は、XYZ表色系(CIE1931表色系)上で0.17≦x≦0.27、0.07≦y≦0.17である。また、xy平面上の(x、y)=(0.31、0.31)の距離Δxyが、0.05以下となる範囲がより色味がないニュートラルに近いため好ましく、0.03以下が更に好ましい。色調は、各層の屈折率より、反射率、反射光の色味を考慮して膜厚を常法に従って計算できる。
(表面硬度)
本発明における第1の保護フィルムの表面硬度としては、鉛筆硬度で表すことができ、2H〜8HであるとLCD等の表示装置の表面における使用や偏光板化工程において傷が付きにくいことから好ましい構成であり、より好ましくは3H〜8Hであり、更に好ましくは、4H〜8Hである。
鉛筆硬度は、作製した保護フィルム試料を温度23℃、相対湿度55%の条件で24時間以上調湿した後、JIS S 6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K 5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い測定した値である。
<フィルム基材>
本発明の第1の保護フィルムで用いられるフィルム基材としては、製造が容易であること、光学的に等方性であること、光学的に透明であること等が好ましい要件として挙げられる。
ここでいう透明とは、可視光の透過率60%以上であることをさし、好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
上記の性質を有していれば特に限定はないが、例えば、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム等のセルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム(アートン(JSR社製))、ゼオネックス、ゼオノア(以上、日本ゼオン社製)、ポリビニルアセタール、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルムまたはガラス板等を挙げることができる。
中でも、セルロースエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンを含む)系フィルム、シクロオレフィンポリマーフィルムが好ましい。
特に、フィルム基材としては、セルロースエステル系フィルム(以下セルロースエステルフィルムともいう)を用いることが好ましい。
セルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタタック、製品名KC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UCR3、KC8UCR4、KC8UCR5、KC8UY、KC4UY、KC4UE、KC12UR(以上、コニカミノルタオプト(株)製))は、製造上、コスト面、透明性、接着性等の観点から好ましく用いられる。
以下、好ましいフィルム基材であるセルロースエステルフィルムについて詳細に説明する。
セルロースエステルフィルムは、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
セルロースエステルとしては、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートが好ましく、中でもセルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられる。
特に、アセチル基の置換度をX、プロピオニル基またはブチリル基の置換度をYとした時、XとYが下記の範囲にあるセルロースエステルフィルムを用いるのが、好ましい。
2.3≦X+Y≦3.0
0.1≦Y≦2.0
特に、
2.5≦X+Y≦2.9
0.1≦Y≦1.2
であることが好ましい。
なお、アシル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96の規定に準じて測定することができる。
セルロースエステルの数平均分子量は、50000〜250000が、成型した場合の機械的強度が強く、且つ、適度なドープ粘度となり好ましく、更に好ましくは、80000〜150000である。
セルロースエステルの平均分子量及び分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用い測定できるので、これを用いて数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)を算出し、その比を計算することができる。
測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1,000,000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
セルロースエステルの原料セルロースは、木材パルプでも綿花リンターでもよく、木材パルプは針葉樹でも広葉樹でもよいが、針葉樹の方がより好ましい。製膜の際の剥離性の点からは綿花リンターが好ましく用いられる。これらから作られたセルロースエステルは適宜混合して、或いは単独で使用することができる。
例えば、綿花リンター由来セルロースエステル:木材パルプ(針葉樹)由来セルロースエステル:木材パルプ(広葉樹)由来セルロースエステルの比率が100:0:0、90:10:0、85:15:0、50:50:0、20:80:0、10:90:0、0:100:0、0:0:100、80:10:10、85:0:15、40:30:30で用いることができる。
また、セルロースエステルフィルムは、後述するアクリル樹脂を含有しても良い。
(アクリル樹脂)
アクリル樹脂としては、メタクリル樹脂も含まれる。樹脂としては特に制限されるものではないが、メチルメタクリレート単位50〜99質量%、及びこれと共重合可能な他の単量体単位1〜50質量%からなるものが好ましい。
共重合可能な他の単量体としては、アルキル数の炭素数が2〜18のアルキルメタクリレート、アルキル数の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和基含有二価カルボン酸、スチレン、α−メチルスチレン、核置換スチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のα,β−不飽和ニトリル、無水マレイン酸、マレイミド、N−置換マレイミド、グルタル酸無水物等が挙げられ、これらは単独で、或いは2種以上を併用して用いることができる。
これらの中でも、共重合体の耐熱分解性や流動性の観点から、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が好ましく、メチルアクリレートやn−ブチルアクリレートが特に好ましく用いられる。
アクリル樹脂は、フィルムとしての機械的強度、フィルムを生産する際の流動性の点から重量平均分子量(Mw)が80000〜1000000であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)は上記の高速液体クロマトグラフィーを用い測定できる。
アクリル樹脂(A)の製造方法としては、特に制限は無く、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、或いは溶液重合等の公知の方法のいずれを用いてもよい。ここで、重合開始剤としては、通常のパーオキサイド系及びアゾ系のものを用いることができ、また、レドックス系とすることもできる。重合温度については、懸濁または乳化重合では30〜100℃、塊状または溶液重合では80〜160℃で実施しうる。更に、生成共重合体の還元粘度を制御するために、アルキルメルカプタン等を連鎖移動剤として用いて重合を実施することもできる。この分子量とすることで、耐熱性と脆性の両立を図ることができる。アクリル樹脂としては、市販のものも使用することができる。例えば、デルペット60N、80N(旭化成ケミカルズ(株)製)、ダイヤナールBR52、BR80,BR83,BR85,BR88(三菱レイヨン(株)製)、KT75(電気化学工業(株)製)等が挙げられる。
更にアクリル粒子を含有することがフィルム基材の耐脆性や表面硬度の点から、好ましい。
次に、アクリル粒子について説明する。アクリル粒子は、例えば、作製したアクリル樹脂含有フィルムを所定量採取し、溶媒に溶解させて攪拌し、十分に溶解・分散させたところで、アクリル粒子の平均粒子径未満の孔径を有するPTFE製のメンブレンフィルターを用いて濾過し、濾過捕集された不溶物の重さが、アクリル樹脂含有フィルムに添加したアクリル粒子の90質量%以上あることが好ましい。
アクリル粒子は特に限定されるものではないが、2層以上の層構造を有するアクリル粒子であることが好ましく、特に下記多層構造アクリル系粒状複合体であることが好ましい。
多層構造アクリル系粒状複合体とは、中心部から外周部に向かって最内硬質層重合体、ゴム弾性を示す架橋軟質層重合体、及び最外硬質層重合体が、層状に重ね合わされてなる構造を有する粒子状のアクリル系重合体を言う。
アクリル粒子としては、市販のものも使用することができる。例えば、メタブレンW−341(C2)(三菱レイヨン(株)製)を、ケミスノーMR−2G(C3)、MS−300X(C4)(綜研化学(株)製)等を挙げることができる。
アクリル粒子はセルロースエステル樹脂とアクリル樹脂の総質量に対して、0.5〜45質量%のアクリル粒子を含有することが好ましい。
また、セルロースエステル樹脂とアクリル樹脂からなるフィルム(以下、セルロースエステル樹脂・アクリル樹脂フィルムとも言う)は、張力軟化点が105〜145℃で、且つ延性破壊が起らないフィルムが好ましい。延性破壊とは、ある材料が有する強度よりも、大きな応力が作用することで生じるものであり、最終破断までに材料の著しい伸びや絞りを伴う破壊と定義される。張力軟化点温度の具体的な測定方法としては、例えば、テンシロン試験機(ORIENTEC社製、RTC−1225A)を用いて、アクリル樹脂含有フィルムを120mm(縦)×10mm(幅)で切り出し、10Nの張力で引っ張りながら30℃/minの昇温速度で昇温を続け、9Nになった時点での温度を3回測定し、その平均値により求めることができる。
また、セルロースエステル樹脂とアクリル樹脂からなるフィルムは、ガラス転移温度(Tg)が110℃以上であることが好ましい。より好ましくは120℃以上である。特に好ましくは150℃以上である。
ガラス転移温度とは、示差走査熱量測定器(Perkin Elmer社製DSC−7型)を用いて、昇温速度20℃/分で測定し、JIS K7121(1987)に従い求めた中間点ガラス転移温度(Tmg)である。
セルロースエステル樹脂とアクリル樹脂からなるフィルムは、JIS−K7127−1999に準拠した測定において、少なくとも一方向の破断伸度が、10%以上であることが好ましく、より好ましくは20%以上である。破断伸度の上限は特に限定されるものではないが、現実的には250%程度である。破断伸度を大きくするには異物や発泡に起因するフィルム中の欠点を抑制することが有効である。セルロースエステル樹脂とアクリル樹脂からなるフィルムの厚みは、20μm以上であることが好ましい。
より好ましくは30μm以上である。厚みの上限は特に限定される物ではないが、溶液製膜法でフィルム化する場合は、塗布性、発泡、溶媒乾燥などの観点から、上限は250μm程度である。なお、フィルムの厚みは用途により適宜選定することができる。
セルロースエステル樹脂とアクリル樹脂からなるフィルムは、加工性及び耐熱性の両立の点から、アクリル樹脂とセルロースエステル樹脂を95:5〜30:70の質量比で含有することが好ましく、またセルロースエステル樹脂のアシル基の総置換度(T)が2.00〜3.00、アセチル基置換度(ac)が0〜1.89、アセチル基以外のアシル基の炭素数が3〜7であり、重量平均分子量(Mw)が75000〜280000であることが好ましい。また、アクリル樹脂とセルロースエステル樹脂の総質量は、アクリル樹脂含有フィルムの55〜100質量%であり、好ましくは60〜99質量%である。
セルロースエステル樹脂とアクリル樹脂からなるフィルムは、その他のアクリル樹脂を含有して構成されていてもよい。
セルロースエステルフィルムやセルロースエステル樹脂とアクリル樹脂からなるフィルムは、溶液流延法で製造されたものでも、溶融流延法で製造されたものでもよいが、例えば、セルロースエステルをフィルム基材として用いる場合には、セルロースエステルは溶解に用いた溶媒が残留しやすい。この残留した溶媒の影響で、フィルムの弾性率は低下し、塑性変形が起こりやすくなるため、溶融流延製膜法で作製することが好ましい。溶融流延によって形成される方法は、溶融押出成形法、プレス成形法、インフレーション法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法などに分類できる。これらの中で、機械的強度及び表面精度などに優れるフィルムが得られる、溶融押出し法が好ましい。
また、本発明では、フィルム形成材料が加熱されて、その流動性を発現させた後、ドラム上またはエンドレスベルト上に押し出し製膜する方法も溶融流延製膜法として含まれる。
また、フィルム基材の製膜において、少なくとも幅手方向に延伸するのが好ましく、特に溶液流延工程では、剥離残溶量が3〜40質量%である時に幅手方向に1.01〜1.5倍に延伸するのが好ましい。より好ましくは幅手方向と長手方向に2軸延伸することであり、剥離残溶量が3〜40質量%である時に幅手方向及び長手方向に、各々1.01〜1.5倍に延伸することである。
特にリターデーションを調整するのに上記延伸操作を用いることが好ましい。
フィルム基材の膜厚は、特に限定はされないが10〜200μmの範囲のものが用いられる。特に膜厚は10〜100μmであることが特に好ましい。更に好ましくは20〜80μmである。
また、フィルム基材の長さは100m〜5000m、幅は1.2m以上が好ましく、更に好ましくは1.4〜4mである。フィルム基材の長さ及び幅を前記範囲とすることで、取り扱い性や生産性に優れる。フィルム基材は、光透過率が90%以上、より好ましくは93%以上の透明支持体であることが好ましい。
(可塑剤)
フィルム基材には、下記のような可塑剤を含有することが好ましい。可塑剤としては、例えば、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、多価アルコールエステル系可塑剤等を好ましく用いることができる。
リン酸エステル系可塑剤では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系可塑剤では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジフェニルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等、トリメリット酸系可塑剤では、トリブチルトリメリテート、トリフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート等、ピロメリット酸エステル系可塑剤では、テトラブチルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テトラエチルピロメリテート等、グリコレート系可塑剤では、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等、クエン酸エステル系可塑剤では、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等を好ましく用いることができる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。
ポリエステル系可塑剤として脂肪族二塩基酸、脂環式二塩基酸、芳香族二塩基酸等の二塩基酸とグリコールの共重合ポリマーを用いることができる。脂肪族二塩基酸としては特に限定されないが、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸等を用いることができる。グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール等を用いることができる。これらの二塩基酸及びグリコールはそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。
多価アルコールエステル系可塑剤は2価以上の脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸のエステルよりなる。好ましい多価アルコールの例としては、例えば以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール、等を挙げることができる。特に、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトール、であることが好ましい。多価アルコールエステルに用いられるモノカルボン酸としては特に制限はなく公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸などを用いることができる。脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸を用いると透湿性、保留性を向上させる点で好ましい。好ましいモノカルボン酸の例としては以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。脂肪族モノカルボン酸としては炭素数1〜32の直鎖または側鎖を持った脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数1〜20であることが更に好ましく、炭素数1〜10であることが特に好ましい。酢酸を含有させるとセルロースエステルとの相溶性が増すため好ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いることも好ましい。好ましい脂肪族モノカルボン酸としては酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸などの飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸などを挙げることができる。好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸などの安息香酸のベンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸などのベンゼン環を2個以上もつ芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。特に安息香酸であることが好ましい。多価アルコールエステルの分子量は特に制限はないが、分子量300〜1500の範囲であることが好ましく、350〜750の範囲であることが更に好ましい。保留性向上の点では大きい方が好ましく、透湿性、セルロースエステルとの相溶性の点では小さい方が好ましい。
多価アルコールエステルに用いられるカルボン酸は一種類でもよいし、二種以上の混合であってもよい。また、多価アルコール中のOH基はカルボン酸で全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。これらの可塑剤は単独または併用するのが好ましい。これらの可塑剤の使用量は、フィルム性能、加工性等の点で、セルロースエステルに対して1〜20質量%が好ましく、特に好ましくは、3〜13質量%である。
(紫外線吸収剤)
フィルム基材には紫外線吸収剤を含有させてもよい。次に紫外線吸収剤について説明する。
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、且つ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。
具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては以下の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
UV−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−5:2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−6:2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)
UV−7:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−8:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール(TINUVIN171、チバ・ジャパン社製)
UV−9:オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物(TINUVIN109、チバ・ジャパン社製)
また、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては以下の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
UV−10:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
UV−11:2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
UV−12:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
UV−13:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
上記紫外線吸収剤としては、透明性が高く、偏光板や液晶の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。
また、特願平11−295209号に記載されている分配係数が9.2以上の紫外線吸収剤を用いることができ、特に分配係数が10.1以上の紫外線吸収剤がフィルム基材の面品質を良好に維持できる点から好ましい。
また、特開平6−148430号の一般式(1)または一般式(2)、特願2000−156039号の一般式(3)、(6)、(7)記載の高分子紫外線吸収剤(または紫外線吸収性ポリマー)も好ましく用いられる。高分子紫外線吸収剤としては、PUVA−30M(大塚化学(株)製)等が市販されている。
また、フィルム基材には、内部ヘーズを付与させてもよい。
(粒子)
内部ヘーズは、例えばフィルム基材にフィルム基材と屈折率の異なる粒子を添加し、添加量や粒子の粒径等をコントロールすることで、内部散乱によるヘーズを発生させ、これを調整することで達成できる。粒子としては、無機粒子と有機粒子に区別される。無機粒子としては特に限定されず、例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウム等が挙げられる。また、有機粒子としては特に限定されず、例えば、フッ素化アクリル樹脂粉末、ポリスチレン樹脂粉末、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、シリコーン系樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、更にポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリ弗化エチレン樹脂粉末等が挙げられる。これらの無機粒子及び有機粒子は、種類、平均粒子径が異なる2種以上を併用してもよく、粒子の表面を有機物により表面処理したものも好ましく用いられる。
特に好ましい無機粒子は、これらの中でも二酸化珪素である。二酸化珪素の具体例としては、アエロジル200V、アエロジルR972V、アエロジルR972、R974、R812、200、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)、シーホスターKEP−10、シーホスターKEP−30、シーホスターKEP−50(以上、株式会社日本触媒製)、サイロホービック100(富士シリシア製)、ニップシールE220A(日本シリカ工業製)、アドマファインSO(アドマテックス製)等の商品名を有する市販品などが好ましく使用できる。粒子の形状としては、不定形、針状、扁平、球状等特に制限なく使用できるが、特に球状の粒子を用いるとヘーズを調整するのが容易であり好ましい。
支持体に添加する粒子の平均粒子径は0.3〜1μmが好ましく、0.4〜0.7μmが更に好ましい。
上記平均粒子径は、500個の粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)等により得られる二次電子放出のイメージ写真からの目視やイメージ写真を画像処理することにより、または動的光散乱法、静的光散乱法等を利用する粒度分布計等により計測することができる。ここでいう平均粒子径は、個数平均粒子径をさす。なお、平均粒子径は、粒子が1次粒子の凝集体の場合は凝集体の平均粒子径を意味する。また、粒子が球状でない場合は、その投影面積に相当する円の直径を意味する。
また、粒子の屈折率は、1.45〜1.70であることが好ましく、より好ましくは1.45〜1.65である。なお、粒子の屈折率は、屈折率の異なる2種類の溶媒の混合比を変化させて屈折率を変化させた溶媒中に粒子を等量分散して濁度を測定し、濁度が極小になった時の溶媒の屈折率をアッベ屈折計で測定することで測定できる。
また、支持体に用いる樹脂と該粒子の屈折率差は、0.02以上0.20以下であることが光散乱効果を利用して内部ヘーズを高める上で好ましい。屈折率差のより好ましい範囲は、0.05以上0.15以下である。
上記無機または有機粒子の含有量は、フィルム基材の作製用の樹脂100質量部に対して、1質量部〜30質量部が好ましく、内部ヘーズを得る上でより好ましくは5質量部〜25質量部である。
前記粒子は、フィルム基材を作製する組成物(ドープ)の調製時にセルロースエステル、他の添加剤及び有機溶媒とともに含有させて分散させてもよく、また、単独で溶液中に分散させてもよい。粒子の分散方法としては、前もって有機溶媒に浸してから高剪断力を有する分散機(高圧分散装置)で細分散させておくのが好ましい。
ドープ調製方法としては、多量の有機溶媒に粒子を分散しておき、セルロースエステル溶液と合流させ、インラインミキサーで混合してドープにすることが好ましい。この場合、粒子分散液に紫外線吸収剤を加え紫外線吸収剤液としてもよい。
また、上記の可塑剤、紫外線吸収剤は、セルロースエステルやセルロースエステル樹脂とアクリル樹脂からなる溶液の調製の際に、セルロースエステル、セルロースエステル樹脂とアクリル樹脂は溶媒と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
(有機溶媒)
セルロースエステルフィルムを溶液流延法によって作製する場合、ドープには製膜性や生産性の点から、有機溶媒を含有することが好ましい。有機溶媒としては、セルロースエステル、その他の添加剤を同時に溶解するものであれば制限なく用いることができる。例えば、塩化メチレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等を挙げることができる。これら有機溶媒の中でも塩化メチレン、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトンが好ましく用いられる。
ドープには、上記有機溶媒の他に、1〜40質量%の炭素原子数1〜4のアルコールを含有させることが好ましい。ドープ中のアルコールの比率が高くなるとウェブがゲル化し、金属支持体からの剥離が容易になり、また、アルコールの割合が少ない時は非塩素系有機溶媒系でのセルロースエステルの溶解を促進する役割もある。炭素原子数1〜4のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールを挙げることができる。これらの内ドープの安定性、沸点も比較的低く、乾燥性もよく、且つ毒性がないこと等からエタノールが好ましい。ドープ中のセルロースエステルの濃度は15〜40質量%、ドープ粘度は10〜50Pa・sの範囲に調整されることが良好なフィルム面品質を得る上で好ましい。
《第2の保護フィルム》
次に第2の保護フィルムについて説明する。以下、位相差フィルムとも言う。
本発明の第2の保護フィルムは偏光膜に対して第1の保護フィルムと対向して配置される保護フィルムであり、少なくとも透明フィルム及び実質的に垂直配向した重合性液晶化合物を含む光学異方性層から構成される。特に重合性液晶化合物は棒状の液晶化合物であることがIPS型液晶表示装置には好適に用いられる。
本発明の第2の保護フィルムは、膜厚が20〜80μmが好ましく、リターデーション値として下記の特性を有することが好ましい。
0nm≦Ro≦330nm
−150nm≦Rt≦150nm
このRo、Rtは、透明フィルム、棒状の液晶を垂直に配向させて配向を固定した光学異方性層および場合によってはその他の中間層のRo、Rtの総和となる。
なお、リターデーション値は、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器)を用いて、波長590nm、23℃55%RHに調湿して測定した。
本発明の第2の保護フィルムを得るためには、少なくとも以下に記載の透明フィルム、及び垂直配向液晶層で構成されていることが好ましい。
本発明の透明フィルムは、下記の特性を有することが好ましい。
透過率:80%以上
膜厚 :20〜80μm
0nm≦Ro≦330nm
−100nm≦Rt≦340nm
なお、Ro=(nx−ny)×d
Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、nxは透明フィルムの面内の遅相軸方向の屈折率を、nyは面内で遅相軸に直交する方向の屈折率を、nzは厚み方向の屈折率を、dは透明フィルムの厚み(nm)をそれぞれ表す。屈折率の測定波長は590nmである。)
上記屈折率は、例えばKOBRA−21ADH(王子計測機器(株))を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmで求めることができる。
第2の保護フィルム用は、第1の保護フィルムに記載した基材フィルムを用いる事ができ、その中でも特にセルロースエステルフィルムを用いることが好ましい。
以下、セルロースエステルフィルムを透明フィルムとして用いた場合について説明する。
<棒状の液晶を垂直に配向させて配向を固定した光学異方性層>
光学異方性層は、下記特性を有することが好ましい。
0≦Ro≦10
−500≦Rt≦−100
ここで、Roは面内リターデーション、Rtは厚み方向リターデーション(Rt)であり、光学異方性層の主屈折率をnx(遅相軸)、主屈折率に直交する方向の屈折率をny(進相軸)とし、該層の厚さ方向の屈折率をnzとし、該層の厚さをd(nm)とした際に、Ro=(nx−ny)×d、Rt=((nx+ny)/2−nz)×dで示される値である。
本発明の光学異方性層は、液晶材料もしくは液晶の溶液を前記セルロースエステルフィルム上に直接または中間層上に塗布し、乾燥と熱処理(配向処理ともいう)を行い紫外線硬化もしくは熱重合などで液晶配向の固定化を行い、垂直方向に配向した棒状液晶による位相差層であることが好ましい(以下、光学異方性層を位相差層ともいう)。
ここで垂直方向に配向するとは、棒状液晶が支持体となるフィルム面に対して70〜90°(垂直方向を90°とする)の範囲内にあることをいう。
棒状液晶は、斜め配向しても、配向角を徐々に変化していてもよい。好ましくは80〜90°の範囲である。
本発明の光学異方性層はRoが0〜10nm、Rtが−500〜−100nmの範囲にある垂直方向に配向した棒状液晶による位相差層である。さらにRoは0〜5nmの範囲がより好ましい。これらの支持体上の液晶配向を固定化した層の位相差測定は、株式会社オプトサイエンス社製AxoScanを用いて測定することができる。
棒状液晶を配向させて位相差層を形成する際には、中間層として、いわゆる液晶材料が垂直方向に配列するような垂直配向剤を塗布した配向膜を用い、液晶材料を垂直配向したのち固定する方法をとることができる。
液晶材料自身が空気界面で垂直方向に配向する場合には、その配向規制力が空気界面と反対の界面までおよび、該配向膜は特に必要ではなく、構成が簡素化できる観点からもその方が好ましい。
液晶材料を垂直に配向する具体的な方法としては、特開2005−148473号公報などに記載されている(メタ)アクリル系ブロックポリマーを含有するブロックポリマー組成物の架橋体からなる配向膜等を用いる方法、同2005−265889号公報に記載されている垂直配向膜を使用する方法、空気界面垂直配向剤を使用する方法等公知の方法を使用することができる。
位相差層を上記範囲とするためには、棒状液晶層の配向、膜厚制御、紫外線硬化時の温度、チルト角制御、および支持体と空気界面でのプレチルト角の制御を行うことが好ましい。
位相差層は、所定の温度で液晶相となり得る液晶材料が、所定の液晶規則性を有して硬化することにより形成されたものである。液晶相を示す温度の上限は、例えば基材のセルロースエステルフィルムがダメージを受けない温度であれば特に限定されるものはない。
具体的には、プロセス温度のコントロールの容易性と寸法精度維持の観点から120℃以下が好ましく、より好ましくは100℃以下の温度で液晶相となる液晶材料が好適に用いられる。一方、液晶相を示す温度の下限は、偏光板として用いる際に、液晶材料が配向状態を保持し得る温度であるといえる。
位相差層に用いられる液晶材料としては、重合性液晶材料を用いることが好ましい。重合性液晶材料は、所定の活性放射線を照射することにより重合させて用いることができ、重合させた状態では垂直の配向状態は固定化される。
重合性液晶化合物としては、重合性液晶モノマー、重合性液晶オリゴマー、もしくは重合性液晶ポリマーのいずれかを用いることができ、相互に混合して用いることもできる。
重合性液晶化合物としては、上記のうちでも、配向に際しての感度が高く垂直に配向させることが容易であることから重合性液晶モノマーが好適に用いられる。
具体的な重合性液晶モノマーとしては、下記の一般式(1)で表される棒状液晶性化合物(I)、および下記の一般式(2)で表される棒状液晶性化合物(II)を挙げることができる。化合物(I)としては、一般式(1)に包含される化合物の2種以上を混合して使用することもでき、同様に、化合物(II)としては、一般式(2)に包含される化合物の2種以上を混合して使用することもできる。また、化合物(I)を1種以上と化合物(II)を1種以上を混合して使用することもできる。
Figure 2010097105
Figure 2010097105
化合物(I)を表す一般式(1)において、RおよびRはそれぞれ水素またはメチル基を示すが、液晶相を示す温度範囲の広さからRおよびRは共に水素であることが好ましい。
Xは水素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基、もしくはニトロ基のいずれであっても差し支えないが、塩素またはメチル基であることが好ましい。
また、化合物(I)の分子鎖両端の(メタ)アクリロイロキシ基と、芳香環とのスペーサであるアルキレン基の鎖長を示すaおよびbは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数を取り得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。
以上の他、本発明においては、重合性液晶オリゴマーや重合性液晶ポリマーとして、従来提案されている公知の材料を適宜選択して用いることが可能である。
例えば、重合性棒状液晶化合物としては、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開第95/22586号パンフレット、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、特開2001−328973号公報、特開2004−240188号公報、特開2005−99236号公報、特開2005−99237号公報、特開2005−121827号公報、特開2002−30042号公報などに記載の化合物を用いることができる。
市販の化合物としてはUCL−018(大日本インキ化学工業(株)製)、パリオカラーLC242(BASF(株)製)等を使用することができる。
本発明においては、重合性液晶化合物に加え、必要に応じて光重合開始剤を使用する。電子線照射により重合性液晶化合物を重合させる際には、光重合開始剤が不要な場合があるが、一般的に用いられている例えば紫外線(UV)照射による硬化の場合においては、通常光重合開始剤が重合促進のために用いられる。
光重合開始剤としては、ベンジル(ビベンゾイルとも言う)、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、もしくは1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができる。
光重合開始剤の添加量としては、一般的には0.01%〜20%が好ましく、より好ましくは0.1%〜10%であり、もっと好ましくは0.5%〜5%の範囲で、本発明の重合性液晶材料に添加することができる。
尚、光重合開始剤の他に、本発明の目的が損なわれない範囲で増感剤を添加することも可能である。
本発明における光学異方性層の膜厚は0.1μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、0.2〜5μmの範囲内であることがより好ましい。
重合性液晶化合物は、必要に応じて光重合開始剤、増感剤等を配合して光学異方性層形成用組成物を調製して用い、基材上に塗工し、光学異方性層形成用層を形成する。
液晶の配向を固定した層を形成する方法としては、例えばドライフィルム等をあらかじめ形成してこれを液晶の配向を固定した層としたものを基材上に積層する方法や、液晶組成物を溶解あるいは融解させて基材上に塗工する方法等をとることも可能であるが、本発明においては、液晶組成物としては溶媒を加えて、その他の成分を溶解した塗工用組成物を用いて基材上に塗工し、溶媒を除去することにより液晶の配向を固定した層を形成することが好ましい。これは、他の方法と比較して工程上簡便である。
溶媒としては、上述した重合性液晶材料等を溶解することが可能な溶媒であり、かつ透明樹脂フィルムの性状を低下させない溶媒であれば特に限定されるものではなく、具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素類;メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、もしくは2,4−ペンタンジオン等のケトン類;酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、もしくはγ−ブチロラクトン等のエステル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、もしくはジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、もしくはオルソジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、もしくはブチルセルソルブ等のアルコール類;フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類等の1種または2種以上が使用可能である。
単一種の溶媒を使用しただけでは、重合性液晶材料等の溶解性が不充分であったり、上述したように基材が侵食される場合がある。しかし2種以上の溶媒を混合使用することにより、この不都合を回避することができる。
上記した溶媒のなかにあって、単独溶媒として好ましいものは、炭化水素系溶媒とグリコールモノエーテルアセテート系溶媒であり、混合溶媒として好ましいのは、エーテル類またはケトン類と、グリコール類との混合系である。
溶液の濃度は、重合性液晶材料等の溶解性や製造しようとする光学異方性層の膜厚に依存するため一概には規定できないが、通常は1%〜60%が好ましく、より好ましくは3%〜40%の範囲で調整される。
本発明に用いられる光学異方性層形成用組成物には、本発明の目的を損なわない範囲内で、上記以外の化合物を添加することができる。
添加できる化合物としては、例えば、多価アルコールと1塩基酸または多塩基酸を縮合して得られるポリエステルプレポリマーに、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート;ポリオール基と2個のイソシアネート基を持つ化合物を互いに反応させた後、その反応生成物に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエーテル、脂肪族もしくは脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート等の光重合性化合物、またはアクリル基もしくはメタクリル基を有する光重合性の液晶性化合物、特開2007−45993号公報に記載のオニウム塩、フッ化アクリレートポリマー等が挙げられる。
本発明の光学異方性層形成用組成物に対するこれら化合物の添加量は、本発明の目的が損なわれない範囲で選択され、一般的には、本発明の光学異方性層形成用組成物の40%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以下である。
これらの化合物の添加により、本発明における液晶材料の硬化性が向上し、得られる光学異方性層の機械強度が増大し、またその安定性が改善される。
また、溶剤を配合した光学異方性層形成用組成物には、塗工を容易にするために界面活性剤等を加えることができる。
添加可能な界面活性剤を例示すると、イミダゾリン、第四級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体等の陽イオン系界面活性剤;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、第一級あるいは第二級アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、ポリエチレングリコールおよびそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族あるいは芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物等の陰イオン系界面活性剤;ラウリルアミドプロピルベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン等の両性系界面活性剤;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の非イオン系界面活性剤;パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基・親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル・親油基含有オリゴマーパーフルオロアルキル基含有ウレタン等のフッ素系界面活性剤などが挙げられる。
界面活性剤の添加量は、界面活性剤の種類、液晶材料の種類、溶媒の種類、さらには溶液を塗工する配向膜の種類にもよるが、通常は溶液に含まれる重合性液晶材料の10ppm〜10%が好ましく、より好ましくは100ppm〜5%であり、もっとも好ましくは0.1〜1%の範囲である。
光学異方性層形成用組成物を塗工する方法としては、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、ブレードコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、リバースコート法、もしくは押し出しコート法等が挙げられる。
光学異方性層形成用組成物を塗工した後、溶媒を除去する方法としては、例えば、風乾、加熱除去、もしくは減圧除去、さらにはこれらを組み合わせる方法等により行われる。溶媒が除去されることにより、液晶の配向を固定した層が形成される。
重合性液晶材料を硬化させる工程では、重合性液晶材料を硬化させるためのエネルギーが与えられ、熱エネルギーでもよいが、通常は、重合を起こさせる能力がある電離放射線の照射によって行う。
必要であれば重合性液晶材料内に重合開始剤が含まれていてもよい。電離放射線としては、重合性液晶材料を重合させることが可能な放射線であれば特に限定されるものではないが、通常は装置の容易性等の観点から紫外光または可視光線が使用され、波長が150〜500nmの光が好ましく、より好ましくは250〜450nmであり、より好ましくは300〜400nmの波長の紫外線である。
本発明においては、紫外線(UV)を活性放射線として照射し、紫外線で重合開始剤からラジカルを発生させ、ラジカル重合を行わせる方法が好ましい。活性放射線としてUVを用いる方法は、既に確立された技術であることから、用いる重合開始剤を含めて、本発明への応用が容易である。
この紫外線を照射するための光源としては、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、もしくはショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)等を挙げることができる。
なかでもメタルハライドランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプ灯等の使用が推奨される。照射強度は、液晶の配向を固定した層の形成に用いられる重合性液晶材料の組成や光重合開始剤の多寡によって適宜に調整すればよい。
活性放射線の照射による配向固定化工程は、上述した光学異方性層形成用層を形成する工程における処理温度、すなわち重合性液晶材料が液晶相となる温度条件で行ってもよく、また液晶相となる温度より低い温度で行ってもよい。
(中間層)
透明フィルムと棒状の液晶を垂直に配向させて配向を固定した光学異方性層の間には中間層を設けても良い。
中間層は、透明樹脂で構成されることが好ましい。透明樹脂は、飽和炭化水素鎖またはポリエーテル鎖を主鎖として有するバインダーポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素鎖を主鎖として有するバインダーポリマーであることがさらに好ましい。
特に好ましくは、紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂、あるいは架橋剤と反応部位を有する樹脂との混合組成物である。
硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等の紫外線硬化型アクリレート系樹脂が好ましく用いられる。
紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、またはプレポリマーを反応させて得られた生成物をさらに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。
例えば、特開昭59−151110号号公報に記載のものを用いることができる。例えば、紫光UV−7510B(日本合成化学(株)製)、ユニディック17−806(大日本インキ(株)製)100部とコロネートL(日本ポリウレタン(株)製)1部との混合物等が好ましく用いられる。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させると容易に形成されるものを挙げることができ、特開昭59−151112号公報に記載のものを用いることができる。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光重合開始剤を添加し、反応させて生成するものを挙げることができ、特開平1−105738号公報に記載のものを用いることができる。
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
これら硬化性樹脂の光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾインおよびその誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等およびこれらの誘導体を挙げることができる。光増感剤と共に使用してもよい。
また、エポキシアクリレート系の光重合開始剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることができる。
硬化性樹脂組成物に用いられる光重合開始剤また光増感剤は該組成物100質量部に対して0.1〜25質量部であり、好ましくは1〜15質量部である。
本発明の架橋剤と反応部位を有する樹脂の混合組成物としては、例えばポリビニルアルコールとグリオキザール、ゼラチンとグリオキザール等が挙げられる。
また、中間層には、フッ素−アクリル共重合体樹脂を含有しても良い。フッ素−アクリル共重合体樹脂とは、フッ素単量体とアクリル単量体とからなる共重合体樹脂で、特にフッ素単量体セグメントとアクリル単量体セグメントとから成るブロック共重合体が好ましい。
また、中間層は、2層以上であってもよい。
〈中間層の製造方法〉
中間層はグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、インクジェット法等公知の方法を用いて、本発明のリターデーション上昇剤を含有する中間層を形成する塗布組成物を塗布し、支持体上に塗布後、加熱乾燥し、UV硬化処理することが好ましい。
塗布量はウェット膜厚として0.1〜40μmが適当で、好ましくは、0.5〜30μmである。
また、ドライ膜厚としては平均膜厚0.01〜1μm、好ましくは0.02〜0.7μmである。
上記UV硬化処理の光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cm、好ましくは5〜150mJ/cmである。
また、活性線を照射する際には、フィルムの搬送方向に張力を付与しながら行うことが好ましく、さらに好ましくは幅方向にも張力を付与しながら行うことである。付与する張力は30〜300N/mが好ましい。
張力を付与する方法は特に限定されず、バックロール上で搬送方向に張力を付与してもよく、テンターにて幅方向、または2軸方向に張力を付与してもよい。これによってさらに平面性優れたフィルムを得ることができる。
中間層を形成する塗布組成物には溶媒が含まれていてもよい。塗布組成物に含有される有機溶媒としては、例えば、炭化水素類(トルエン、キシレン、)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル)、グリコールエーテル類、その他の有機溶媒からも適宜選択し、またはこれらを混合し利用できる。
有機溶媒としては、プロピレングリコールモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素原子数として1〜4)またはプロピレングリコールモノアルキルエーテル酢酸エステル(アルキル基の炭素原子数として1〜4)等が好ましい。また、有機溶媒の含有量としては塗布組成物中、5〜80質量%が好ましい。
《偏光板》
本発明の第1の保護フィルム、第2の保護フィルムを用いた偏光板について述べる。
偏光板は、一般的な方法で作製することができる。本発明の第1、及び第2の保護フィルムの裏面側をアルカリ鹸化処理し、処理した保護フィルムを、ヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の少なくとも一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。その際第1の保護フィルムでは空隙保持層が偏光膜から遠い側に、また第2の保護フィルムでは、光学異方性層が偏光膜から遠い側に貼合されることが好ましい。
偏光板の主たる構成要素である偏光膜とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光膜は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがあるがこれのみに限定されるものではない。
偏光膜は、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。
偏光膜の膜厚は5〜30μm、好ましくは8〜15μmの偏光膜が好ましく用いられる。該偏光膜の面上に、本発明の保護フィルムの片面を貼り合わせて偏光板を形成する。好ましくは完全鹸化ポリビニルアルコール等を主成分とする水系の接着剤によって貼り合わせる。
《液晶表示装置》
本発明の偏光板を液晶表示装置の鑑賞面側に組み込むことによって、種々の視認性に優れた本発明の液晶表示装置を作製することができる。
液晶表示装置としては、反射型、透過型、半透過型LCDまたはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型(PVA型、MVA型)、IPS型等の各種駆動方式のLCDで好ましく用いられるが、特にIPS型液晶表意装置で好適に用いられる。
図3は本発明に係るIPSモード型液晶表示装置の模式図である。
下方よりバックライトL−13に隣接して導光板、プリズムシート(不図示)、バックライト側偏光板L−12を配置する。バックライト側偏光板L−12の偏光膜L−8は、偏光板保護フィルムL−7、偏光板保護フィルムL−9によって挟持されている。次いで、電極側セルガラス基板L−6−2、IPS型液晶セルL−6−3、非電極型セルガラス基板L−6−1の構成のIPS型液晶セルL−6があり、視認側偏光板L−10を構成する偏光膜L−2、本発明の第1の保護フィルムL−1、第2の保護フィルムL−11がある。
他の偏光板保護フィルムL−7、L−9としては、特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリシクロオレフィンフィルム、セロファン、セルロースアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートフタレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルローストリアセテート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体からなるフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム(例えば、ARTON(JSR社製)、ゼオネックス、ゼオノア(日本ゼオン社製))、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、アクリルフィルム或いはポリアクリレート系フィルム等を挙げることができる。
セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルローストリアセテートフィルム(TACフィルム)等のセルロースエステルフィルムは市販のフィルム、例えば、コニカミノルタオプト(株)製のコニカミノルタタック KC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UCR3、KC8UCR4、KC8UCR5、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC16UR、KC4UE、KC8UE、KC4FR−1、KC4FR−2等が好ましく用いられる。他にシクロオレフィンポリマーフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエステルフィルムまたはポリアクリルフィルムも透明性、機械的性質、光学的異方性がない点等で好ましく使用できる。これらの樹脂フィルムは溶融流延法または溶液流延法で製膜されたフィルムであってもよい。
また、IPSモード型液晶表示装置の場合、偏光板保護フィルム7、9が、リターデーション値Rt値が−20〜20nmの範囲、より好ましくは−10〜10nmであり、Ro値が0〜10nmの範囲のフィルムを用いることも好ましい。
〈IPS横電界スイッチングモード型液晶表示装置〉
上記本発明の偏光板保護フィルムを用いた偏光板を市販のIPS(In Plane Switching)モード型液晶表示装置に組み込むことによって、視認性に優れ、優れたカラーシフト、コーナームラ、正面コントラスト特性を有する本発明の液晶表示装置を作製することができる。
本発明のIPSモードとは、フリンジ電場スイッチング(FFS:Fringe−Field Switching)モードも本発明に含み、IPSモードと同様に本発明の偏光板を組み込むことができ、同様の効果をもつ本発明の液晶表示装置を作製することができる。
(IPSモード型液晶セル)
IPSモード型液晶表示装置における液晶パネルの液晶層は、初期状態で基板面と平行なホモジニアス配向で、且つ基板と平行な平面で液晶層のダイレクターは電圧無印加時で電極配線方向と平行または幾分角度を有し、電圧印加時で液晶層のダイレクターの向きが電圧の印加に伴い電極配線方向と垂直な方向に移行し、液晶層のダイレクター方向が電圧無印加時のダイレクター方向に比べて45°電極配線方向に傾斜したとき、当該電圧印加時の液晶層は、まるで1/2波長板のように偏光の方位角を90°回転させ、出射側偏向板の透過軸と偏光の方位角が一致して白表示となる。
一般に、液晶層の厚みは一定であるが、横電界駆動であるため、液晶層の厚みに若干凹凸を設ける方がスイッチングに対する応答速度を上げることができるとも考えられるが、本発明においては、液晶層の厚みが一定でない場合であっても、その効果を最大限生かすことができるものである。
本発明においては、液晶層の厚みの変化に対し影響が少ない。本発明における効果を大きく発揮できる液晶層の厚みは、2〜6μmであって、好ましくは3〜5.5μmである。
本発明の液晶表示装置は、大型の液晶テレビに用いられる。画面サイズとしては、17型以上に用いることができ、好ましくは26型以上100型程度まで用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(第2の保護フィルムの透明フィルムであるセルロースエステルフィルム2の作製)
<セルロースエステルの合成>
特表平6−501040号公報の例Bを参考にして、プロピオン酸、酢酸の添加量を調整して、アセチル基置換度1.6、プロピオニル基置換度0.9のセルロースエステルAを合成した。
得られたセルロースエステルの置換度は、ASTM−D817−96に基づいて算出した。
<溶融法によるセルロースエステルフィルム2の作製>
(アクリル系重合体X1の合成)
特開2000−344823号公報に記載の重合方法により塊状重合を行った。すなわち、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計、投入口及び環流冷却管を備えたフラスコに下記メチルアクリレートとルテノセンを導入しながら内容物を70℃に加熱した。
次いで、充分に窒素ガス置換した下記β−メルカプトプロピオン酸の半分を攪拌下フラスコ内に添加した。β−メルカプトプロピオン酸添加後、攪拌中のフラスコ内の内容物を70℃に維持し2時間重合を行った。
更に、窒素ガス置換したβ−メルカプトプロピオン酸の残りの半分を追加添加後、更に攪拌中の内容物の温度が70℃に維持し重合を4時間行った。反応物の温度を室温に戻し、反応物に5質量%ベンゾキノンのテトラヒドロフラン溶液を20質量部添加して重合を停止させた。
重合物をエバポレーターで減圧下80℃まで徐々に加熱しながらテトラヒドロフラン、残存モノマー及び残存チオール化合物を除去してアクリル系重合体X1を得た。重量平均分子量Mwは1000であった。
メチルアクリレート 100質量部
ルテノセン(金属触媒) 0.05質量部
β−メルカプトプロピオン酸 12質量部
80℃で6時間乾燥済み(水分率200ppm)のセルロースエステルA 100質量部、モノペットSB(糖エステル化合物:第一工業製薬社製)9質量部、アクリル系重合体X1 3質量部、紫外線吸収剤LA−31((株)ADEKA製)1.05質量部、Irganox1010(チバ・ジャパン(株)製)0.5質量部、アデカスタブPEP−36((株)ADEKA製)0.08質量部、SumilizerGS(住友化学(株)製)0.2質量部、シーホスターKEP−30(日本触媒(株)製)0.1質量部を真空ナウターミキサーで80℃、1Torrで3時間混合しながらさらに乾燥した。
得られた混合物を、二軸式押出機を用いて235℃で溶融混合しペレット化した。セルロースエステルフィルムの製膜は図4に示す製造装置で行った。ペレット(水分率50ppm)を、1軸押出機を用いてTダイから表面温度が100℃の第1冷却ロール上に溶融温度245℃でフィルム状に溶融押し出し、初期膜厚128μm、幅1.0mのキャストフィルムを毎分35mの長さで得た。
この際第1冷却ロール上でフィルムを2mm厚の金属表面を有する弾性タッチロールで押圧した。
得られたフィルムを、まずロール周速差を利用した延伸機によって195℃で製膜方向に60%で延伸速度1000%/minで延伸し、膜厚40μmのセルロースエステルフィルム2を得た。
このとき幅手方向の延伸は、製膜方向に延伸したあと、予熱ゾーン、延伸ゾーン、保持ゾーン、冷却ゾーン(各ゾーン間には各ゾーン間の断熱を確実にするためのニュートラルゾーンも有する)を有するテンターにて延伸ゾーンにおいて165℃で行い、その後30℃まで冷却し、クリップから開放し、クリップ把持部を裁ち落としてセルロースエステルフィルム2を得た。セルロースエステルフィルム2のリターデーションはRo=71nm、Rt=190nmであった。リターデーションは、23℃55%RHに調湿後、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器)を用いて、波長590nmの測定した値である。また、実施例に記載したリターデーション結果は、前記条件で測定した値である。
(位相差フィルム1の作製)
上記作製したセルロースエステルフィルム2を800mm幅にカットして、ナーリング加工を施したのち、下記手順により中間層を設け、次いで中間層上に光学異方性層を設け、位相差フィルム1を作製した。
800mm幅にカットしたセルロースエステルフィルム2に、両端部に幅1cm、平均高さ10μmのナーリング加工を施し、再び巻き取った。このセルロースエステルフィル上に、下記中間層塗布液を、コロナ放電後、ダイコートで塗布し、80℃で30秒乾燥後、紫外線を120mJ/cm、照度200mW/cmで照射して硬化した。硬化後の中間層の膜厚は、1.5μmであった。
次いで、この中間層上に下記の光学異方性層塗布液をダイコートでウェット8μmの厚みで塗布した。
塗布後、100℃で2分間過熱し、棒状液晶化合物を配向させた。次に、棒状液晶化合物を配向させたフィルムを酸素濃度0.2%、温度28℃にて250mJ/cm、照度300mW/cmで照射して硬化させ、位相差フィルム1を得た。光学異方性層の厚みは、1.2μmであった。この位相差フィルム1の全体としてのリターデーションはRoは71nm、Rtは−11nmであった。
(中間層塗布液)
ポリエステルアクリレート 25質量部
(ラロマーLR8800 BASFジャパン(株)製)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 290質量部
イソプロピルアルコール 685質量部
光重合開始剤(イルガキュア184 チバ・ジャパン(株)製) 0.05質量部
(光学異方性層塗布液)
紫外線重合性液晶材料 20質量部
(UCL−018 大日本インキ化学工業(株)製)
プロピレングリコールモノメチルエーテル 80質量部
ヒンダードアミン(LS−765、三共ライフテック(株)製) 0.02質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.10質量部
下記空気界面側垂直配向剤1 0.01質量部
Figure 2010097105
<セルロースエステルフィルム3の作製>
(ドープ組成物A)
・トリアセチルセルロース(酢化度61.0%) 85質量部
・2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベゾトリアゾール
1.5質量部
・メチルメタクリレート−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体 8質量部
(80/20(質量比)) Mw;8000
・メチルアクリレート重合体(*) Mw;1000 5質量部
・メチレンクロライド 475質量部
・エタノール 50質量部
(*)特開2000−128911号公報の実施例3記載の重合方法でメチルアクリレートモノマーを重合し、Mw1000、Mn700のポリマーを得た。この反応物の水酸基価(OHV;mg/g KOH)は、50であった。
(マット剤溶液組成)
・平均粒径16nmのシリカ粒子分散液 11.0質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 76.1質量部
・エタノール(第2溶媒) 3.5質量部
・アセチルプロピオニルセルロース(アセチル置換度2.06、プロピオニル置換度0.79) 1.9質量部
(マット剤溶液の調製)
平均粒径16nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)を20質量部、メタノール80質量部を30分間よく攪拌混合してシリカ粒子分散液とした。この分散液を下記の組成物とともに分散機に投入し、さらに30分以上攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液を調製した。
上記処方のドープ組成物Aを密封容器に投入し、70℃まで加熱し、撹拌しながら、セルローストリアセテート(TAC)を完全に溶解しドープを得た。溶解に要した時間は4時間であった。ドープ組成物Aを濾過した後、マット剤溶液6.5質量部を混合し、その混合液をベルト流延装置を用い、ドープ温度35℃で22℃のステンレスバンド支持体上に均一に流延した。ステンレスバンド支持体の温度は20℃であった。
その後、剥離可能な範囲まで乾燥させた後、ステンレスバンド支持体上からドープを剥離した。このときのドープの残留溶媒量は25質量%であった。ドープ流延から剥離までに要した時間は3分であった。ステンレスバンド支持体から10kg/mの張力で剥離させ、140℃下にてテンターで幅方向に2%延伸させた後、多数のロールで搬送させながら120℃、135℃の乾燥ゾーンで乾燥を終了させ、フィルム両端に幅10mm、高さ10μmのナーリング加工を施して、膜厚40μmのセルロースエステルフィルム3を巻き取った。巻き取り張力は、初期張力10kg/m、最終巻張力8kg/mとした。また、フィルム幅は1500mm、巻き取り長は500mとした。
リターデーションは、Ro=0.5nm、Rt=−1nmであった。
(位相差フィルム2の作製)
特開2004−4642号公報の実施例を参考にして位相差フィルム2を作製した。
ポリカーボネートフィルムを延伸することにより、厚さ65μm、面内位相差Rが260nm、Nz=0.5の位相差フィルム2を作製した。
<第1の保護フィルムである空隙保持層を有するフィルム1の作製>
(石英マスタの型の作製)
特開2008−176076号公報の実施例を参考に型を作製した。
石英基板上に、レジスト層を厚さ150nmとなるように塗布し、このレジスト層に、特開2008−176076号公報図5に示した露光装置を用いて準六方格子パターンの潜像を形成した。レーザ光の波長は266nm、レーザパワーは0.50mJ/mとした。なお、レーザ光は、電気光学変調器において、振幅が非周期的に±10%程度変動するサイン波形に変調した後、変調光学系に導いた。また、レジスト層に対するレーザ光の照射周期を1トラック毎に変化させた。その後、レジスト層を現像処理して、準六方格子状のレジストパターンを作製した。現像液としては、アルカリ現像液を用いた。
次に、酸素アッシングによりレジストパターンを除去して開口径を広げるプロセスと、フッ素系ガス雰囲気でのプラズマエッチングで石英基板をエッチングするプロセスとを繰り返し行い、特開2008−176076号公報図4Cに模式的に示した凹凸を有する石英マスタの型を作製した。アッシングおよびエッチングは、(1)酸素アッシング4秒、フッ素系ガスエッチング2分、(2)酸素アッシング4秒、フッ素系ガスエッチング2分、(3)酸素アッシング4秒、フッ素系ガスエッチング2分、(4)4.酸素アッシング4秒、フッ素系ガスエッチング2分、(5)酸素アッシング4秒、フッ素系ガスエッチング4分、(6)酸素アッシング4秒、フッ素系ガスエッチング6分のプロセスを、プロセス(1)〜(6)の順序で順次行った。また、石英マスタの型のRaは、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて測定し、250nmであった。
<第1の保護フィルムの基材フィルムであるセルロースエステルフィルム1の作製>
(ドープ液組成1)
下記の材料を、順次密閉容器中に投入し、容器内温度を20℃から80℃まで昇温した後、温度を80℃に保ったままで3時間攪拌を行って、セルロースエステルを完全に溶解した。酸化ケイ素微粒子は予め添加する溶媒と少量のセルロースエステルの溶液中に分散して添加した。このドープを濾紙(安積濾紙株式会社製、安積濾紙No.244)を使用して濾過し、ドープ液組成1を得た。
セルローストリアセテート(アセチル基置換度2.95) 100質量部
トリメチロールプロパントリベンゾエート 5質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 5質量部
酸化ケイ素微粒子 0.2質量部
(アエロジルR972V、日本アエロジル株式会社製)
チヌビン109(チバ・ジャパン社製) 1質量部
チヌビン171(チバ・ジャパン社製) 1質量部
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 40質量部
ブタノール 5質量部
次に、得られたドープ液組成1を、温度35℃に保温した流延ダイを通より、ステンレス鋼製エンドレスベルトよりなる温度35℃の支持体上に流延して、ウェブを形成した。次いで、ウェブを支持体上で乾燥させ、ウェブの残留溶媒量が80質量%になった段階で、剥離ロールによりウェブを支持体から剥離した。
剥離後のウェブを、上下に複数配置したロールによる搬送乾燥工程で90℃の乾燥風にて乾燥させながら搬送し、続いてテンターでウェブ両端部を把持した後、温度130℃で幅方向に延伸前の1.1倍となるように延伸した。テンターでの延伸の後、ウェブを上下に複数配置したロールによる搬送乾燥工程で、温度135℃の乾燥風にて乾燥させた。乾燥工程の雰囲気置換率15(回/時間)とした雰囲気内で15分間熱処理した後、室温まで冷却して幅1.5m、膜厚40μm、長さ3000m、屈折率1.49の長尺のセルロースエステルフィルム1を作製した。またフィルムは、両端部に幅2cm、平均高さ20μmのナーリング加工を施して巻き取った。ステンレスバンド支持体の回転速度とテンターの運転速度から算出される剥離直後のウェブ搬送方向の延伸倍率は、1.2倍であった。
〈雰囲気置換率〉
上記雰囲気置換率とは、熱処理室の雰囲気容量をV(m)、Fresh−air送風量をFA(m/hr)とした場合、下式によって求められる単位時間あたり熱処理室の雰囲気をFresh−airで置換する回数である。Fresh−airは熱処理室に送風される風のうち、循環再利用している風ではなく、揮発した溶媒もしくは可塑剤などを含まない、もしくはそれらが除去された新鮮な風のことを意味している。
雰囲気置換率=FA/V(回/時間)
(空隙保持層を有するフィルム1の作製)
上記作製したセルロースエステルフィルム1を800mm幅にカットして、ナーリング加工を施したのち、下記手順によりハードコート層上に空隙保持層を設け、空隙保持層を有するフィルム1を作製した。
800mm幅にカットしたセルロースエステルフィルム1に、両端部に幅1cm、平均高さ18μmのナーリング加工を施し、再び巻き取った。このセルロースエステルフィル1上に、下記のハードコート層組成物1を、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、ハードコート層塗布液を調製し、マイクログラビアコーターを用いて塗布し、温度80℃・60秒条件で乾燥した。次に、乾燥後の未硬化状態のハードコート層に、上記作製した表面に凹凸を有する石英マスタ型の凹凸面と、ハードコート層を密着させ、板側となるようにロールで押し付けた。この状態でセルロースエステルフィルム1側から、紫外線ランプを用い照射部の照度が300mW/cmで、照射量を0.3J/cmとして塗布層を硬化させ、更に凹凸を有する型を外し、ハードコート層側から、紫外線ランプを用い照射部の照度が300mW/cmで、照射量を0.3J/cmで照射して、ドライ膜厚8μmの空隙保持層を有するフィルム1を作製した。
・空隙率の測定
空隙保持層をAFM(原子間力顕微鏡)を用いて測定した結果、Raは330nmであった。また、ミクロトームを用いて空隙保持層の断面を切り出し、透過電子顕微鏡(TEM)により観察し、AFMから求めたRaからの凹部分の面積とTEMにより求めた層の断面籍の割合から、空隙率を測定した。結果、空隙保持層の空隙率は36%であった。
微細凹凸構造体の頂部における周期Pmaxは250nmであり、Pmax≦380nmの関係にあった。
(ハードコート層組成物1)
下記材料を攪拌、混合しハードコート層組成物1とした。
ラジカル重合性化合物:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業株式会社製) 180質量部
イルガキュア184(光重合開始剤、チバ・ジャパン株式会社製) 9質量部
シーホスターKEP−50(日本触媒社製) 9質量部
ポリエーテル変性シリコーン化合物(商品名;KF−355A、信越化学工業株式会社製) 9質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 10質量部
酢酸エチル 80質量部
メチルエチルケトン 100質量部
(空隙保持層を有するフィルム2〜7の作製)
先ず、空隙保持層を有するフィルムの空隙率が表1となるように、酸素アッシングとフッ素系ガスエッチングの条件を変更して、凹み深さが異なる凹凸を有する石英マスタ型をそれぞれ作製した。次に前記作製した石英マスタの型を用いた以外は、空隙保持層を有するフィルム1の作製と同様にして、空隙保持層を有するフィルム2〜7を作製した。
(空隙保持層を有するフィルム8の作製)
先ずは、特開2004−4642号公報の実施例を参考にして透明保護フィルム1を作製した。
(透明保護フィルム1の作製)
イソブテンおよびN−メチルマレイミドからなる共重合体(N−メチルマレイミド含有量50モル%)75質量部と、アクリロニトリルの含有量が28質量%であるアクリロニトリル−スチレン共重合体25質量部とを塩化メチレンに溶解し、固形分濃度15質量%の溶液を得た。この溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム上に流延し、室温で60分放置した後、当該フィルムから剥がした。100℃で10分間乾燥後に、140℃で10分間、さらに160℃で30分間乾燥して、厚さ100μmの透明保護フィルム1を得た。リターデーションは、Ro=4nm、Rt=4nmであった。
上記作製した透明保護フィルム1を800mm幅にカットして、ハードコート層上に空隙保持層を設け、空隙保持層を有するフィルム8を作製した。800mm幅にカットした透明保護フィルム1上に、上記のハードコート層組成物1を塗布・乾燥し、次いで空隙保持層を有するフィルム3の作製で用いた凹凸を有する石英マスタの型を使用して、空隙保持層を設け、空隙保持層を有するフィルム3と同様にして硬化させ、ドライ膜厚8μmの空隙保持層を有するフィルム8を作製した。なお、空隙率は空隙保持層を有するフィルム1と同様の方法で測定した結果、78%であった。
<偏光板101の作製>
(アルカリ鹸化処理)
光学異方性層に剥離性の保護フィルム(PET製)を張り付けた位相差フィルム1と空隙層に剥離性の保護フィルム(PET製)を張り付けて保護した空隙保持層を有するフィルム1を下記に記載する条件でアルカリ鹸化処理を実施した。また、アルカリ鹸化処理後に位相差フィルム1と空隙保持層を有するフィルム1の保護フィルムを剥がし、下記のように偏光膜と貼り合せて偏光板101を作製した。
ケン化工程 2.5M−NaOH 50℃ 90秒
水洗工程 水 30℃ 45秒
中和工程 10質量部HCl 30℃ 45秒
水洗工程 水 30℃ 45秒
ケン化処理後、水洗、中和、水洗の順に行い、次いで80℃で乾燥。
〈偏光膜の作製と貼り合わせ〉
厚さ120μmの長尺ロールポリビニルアルコールフィルムを沃素1質量部、ホウ酸4質量部を含む水溶液100質量部に浸漬し、50℃で6倍に製膜方向に延伸して偏光膜L−2を作製した。
次に、ポリビニルアルコール系の接着剤を用いて、偏光膜L−2の透過軸とフィルムの面内遅相軸が平行になるように偏光膜の片面に鹸化処理した空隙保持層を有するフィルム1の空隙層とは対側の面と、位相差フィルム1を図3に示す組み合わせとなるように貼り合わせ偏光板101を作製した。
<偏光板102〜107の作製>
偏光板101の作製において、空隙保持層を有するフィルム1を、空隙保持層を有するフィルム2〜7に変更した以外は、同様にして偏光板102〜107を作製した。
<偏光板108の作製>
偏光板101で作製した偏光膜L−2の透過軸とフィルムの面内遅相軸が平行になるように偏光膜の片面に、粘着剤を用いて空隙保持層を有するフィルム8の空隙層とは対側の面とを貼り合せた。次いで、位相差フィルム2も粘着剤を用いて図3に示す組み合わせとなるように貼り合わせ、偏光板108を作製した。
<液晶表示装置501の作製>
松下電器製26インチ液晶テレビ、TH−26LX60の液晶パネルの偏光板を剥がし、視認側の偏光板(L−10)に上記作製した偏光板101を図3のように光学異方性層と厚さ5μmの粘着剤を用いて液晶セルガラスL−6−1とを貼合した。また、バックライト側には、上記手順と同様にアルカリ鹸化処理したセルロースエステルフィルム3及びセルロースエステルフィルム1と偏光膜L−8を図3のような構成で貼合した偏光板101を厚さ5μmの粘着剤を用いて液晶セルガラスL−6−2と貼合して、液晶パネル401を作製した。
次に液晶パネル401を温度90℃の高温サーモにて、500時間保存し、熱処理を実施し、この熱処理した液晶パネル401を液晶テレビにセットし、液晶表示装置501を作製した。
<液晶表示装置502〜508の作製>
液晶表示装置501の視認側の偏光板(L−10)を偏光板102〜108に変更した以外は同様にして、液晶パネル402〜408を作製した。この液晶パネル402〜408も同様に熱処理を実施し、液晶テレビにセットし、液晶表示装置502〜508を作製した。
次に上記作製した液晶表示装置501〜508について下記の評価を行った。
液晶表示装置501〜508のバックライトを点灯して、黒表示状態で500時間放置し、放置後のムラの発生強度、及びを光漏れについて、以下の基準で評価した。
[ムラ評価]
ムラの発生強度を目視観察し、以下の基準で評価した。
状況 評価
ムラの発生ナシ ◎
弱い雲状ムラが発生 ○
四隅に強いムラが発生 △
四隅に強いムラと全面に雲状ムラが発生 ×
[光漏れ評価]
斜め方向70°から観察して光漏れを評価した。
状況 評価
光漏れは非常に少なかった ◎
僅かな光漏れがあるものの実害上問題なし ○
多少の光漏れが認められる △
全面に光漏れが認められる ×
得られた結果を表1に示した。
Figure 2010097105
表1の結果から判るように光学異方性層に実質的に垂直配向した重合性液晶化合物を有する層を設け、かつ第1の保護フィルムの空隙保持層を有するフィルムの空隙率が30%以上であれば、耐熱性試験後のムラ及び斜め方向からの光漏れに対して優れた効果を発揮する事が判る。中でも空隙保持層を有するフィルムの空隙率が50%以上、90%以下の条件ではムラ及び斜め方向からの光漏れに対して特に優れた効果を発揮する。
実施例2
(空隙保持層を有するフィルム9の作製)
空隙保持層を有するフィルム3の作製において、ハードコート層組成物1をハードコート層組成物2に変更した以外は同様にして、空隙保持層を有するフィルム9を作製した。
下記材料を攪拌、混合しハードコート層組成物2とした。
(ハードコート組成物2)
カチオン重合性化合物:〔1−(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテル
170質量部
カチオン重合性化合物:含フッ素エポキシ化合物1 10質量部
(光カチオン重合開始剤)
4−メチルフェニル[4−(1−メチルエチル)フェニル]ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート 6質量部
(ロードシル2074、ローディアジャパン株式会社製)
シーホスターKEP−50(日本触媒社製) 9質量部
ポリエーテル変性シリコーン化合物(商品名;KF−355A、信越化学工業株式会社製) 9質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 10質量部
酢酸エチル 80質量部
メチルエチルケトン 100質量部
〈含フッ素エポキシ化合物1の調製〉
1,3−ジヒドロキシヘキサフルオロイソプロピルベンゼン81.03gとエピクロロヒドリン185gを混合し、水酸化ナトリウム16.27gと水40mlを加え、撹拌下で加熱還流させた。
130℃で3時間反応後、自然冷却し、生成した塩化ナトリウムを吸引濾過により除去した。得られた濾液をクロロホルム−水により抽出し、有機層を乾燥、濾過、濃縮することにより、含フッ素エポキシ化合物1を95.7g得た。
<液晶表示装置509及び510の作製>
(偏光板109の作製)
空隙保持層を有するフィルム9を用いた以外は偏光板101と同様にして偏光板109を作製した。
(液晶パネル409の作製)
液晶パネル401の作製において視認側の偏光板(L−10)に上記作製した偏光板109を用いた以外は同様にして、液晶パネル409を作製した。
次に、液晶パネル409と実施例1で作製した液晶パネル403を温度90℃の高温サーモにて、750時間保存し、熱処理を実施した。この熱処理済み液晶パネル409と403をそれぞれ液晶テレビにセットした。
(液晶表示装置509及び510の作製)
熱処理を750時間行った液晶パネル409を用いた液晶表示装置を509、熱処理を750時間行った液晶パネル403を用いた液晶表示装置を510とした。次に上記作製した液晶表示装置509及び510について下記の評価を行った。
[ムラ・光漏れ評価]
上記作製した液晶表示装置509及び510について、放置時間を750時間に変更した以外は、実施例1と同様に評価した。得られた結果を表2に示した。
Figure 2010097105
表2の結果から判るように、より過酷な耐久性試験後では、第1の保護フィルムの空隙保持層をカチオン重合性化合物で形成することで、特に優れたムラ及び斜め方向からの光漏れに対する効果を発揮することが判る。
本発明により作製される微細凹凸構造体の一例を模式的に示す斜視図である。 微細凹凸構造体の形状の例である。 本発明の好ましい実施形態による液晶表示装置の概略図である。 本発明に係る保護フィルムの製造方法を実施する装置の1つの実施形態を示す概略フローシートである。
符号の説明
L−1 第1の保護フィルム(空隙層を有するフィルム)
L−2、L−8 偏光膜
L−3 透明フィルム(セルロースエステルフィルム2)
L−4 中間層
L−5 棒状の液晶を垂直に配向させて配向を固定した光学異方性層
L−6 IPS型液晶セル
L−6−1 非電極側セルガラス基板
L−6−2 電極側セルガラス基板
L−6−3 IPS型液晶セル
L−7 偏光板保護フィルム(セルロースエステルフィルム3)
L−9 偏光板保護フィルム(セルロースエステルフィルム1)
L−10 第1の偏光板(視認側偏光板)
L−11 第2の保護フィルム(位相差フィルム)
L−12 第2の偏光板(バックライト側偏光板)
L−13 バックライト
1 押出し機
2 フィルター
3 スタチックミキサー
4 流延ダイ
5 回転支持体(第1冷却ロール)
6 挟圧回転体(タッチロール)
7 回転支持体(第2冷却ロール)
8 回転支持体(第3冷却ロール)
9、11、13、14、15 搬送ロール
10 セルロースエステルフィルム
16 巻取り装置

Claims (7)

  1. 少なくとも第1の保護フィルムと、偏光膜と、第2の保護フィルムがこの順で積層された偏光板において、該第2の保護フィルムが少なくとも透明フィルム及び実質的に垂直配向した重合性液晶化合物を含む光学異方性層から構成され、かつ該第1の保護フィルムが少なくとも空隙率30%以上の空隙保持層を該偏光膜から遠い側に有することを特徴とする偏光板。
  2. 前記空隙保持層が微細凹凸構造体を有し、該微細凹凸構造体の頂部における周期Pmaxが、380nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記微細凹凸構造体の外周面が、頂部から底部に傾きを有する錐体形状からなることを特徴とする請求項2に記載の偏光板。
  4. 前記錐体形状が、楕円錐形状または楕円錐台形状からなることを特徴とする請求項3に記載の偏光板。
  5. 前記空隙保持層が、カチオン性重合化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板を液晶セルの少なくとも一方の面に用いたことを特徴とする液晶表示装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板を、IPS(インプレーンスイッチング)モード型液晶セルの少なくとも一方の面に用いたことを特徴とするIPS(インプレーンスイッチング)モード型液晶表示装置。
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