JP2010096807A - 撮影用光学装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズおよび撮像素子を搭載したレンズ駆動装置を揺動させる揺動駆動機構の制御を簡素化することが可能な撮影用光学装置を提供すること。
【解決手段】撮影用光学装置は、レンズと撮像素子とを搭載したレンズ駆動装置を有する可動モジュールと、可動モジュールを支持する支持体と、可動モジュールを揺動させる揺動駆動機構と、可動モジュールの揺動中心となる支点部と、可動モジュールを揺動可能に支持する板バネ17とを備えている。板バネ17は、レンズ駆動装置の光軸方向における支点部の近傍で可動モジュールを保持する保持部17aと、支持体に固定される固定部17bと、保持部17aの外周側に配置され保持部17aと固定部17bとを繋ぐ複数のバネ部17cとを備えている。複数のバネ部17cは、光軸方向から見たときに、支点部に対して略点対称に配置されている。
【選択図】図4
【解決手段】撮影用光学装置は、レンズと撮像素子とを搭載したレンズ駆動装置を有する可動モジュールと、可動モジュールを支持する支持体と、可動モジュールを揺動させる揺動駆動機構と、可動モジュールの揺動中心となる支点部と、可動モジュールを揺動可能に支持する板バネ17とを備えている。板バネ17は、レンズ駆動装置の光軸方向における支点部の近傍で可動モジュールを保持する保持部17aと、支持体に固定される固定部17bと、保持部17aの外周側に配置され保持部17aと固定部17bとを繋ぐ複数のバネ部17cとを備えている。複数のバネ部17cは、光軸方向から見たときに、支点部に対して略点対称に配置されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、レンズおよび撮像素子を搭載したレンズ駆動装置を揺動させて手振れを補正する手振れ補正機能を有する撮影用光学装置に関する。
近年、携帯電話等の携帯機器には、撮影用光学装置が搭載されている。携帯機器の場合、撮影時に手振れが発生しやすい。そこで、撮影時の手振れを補正することが可能な光学装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の光学装置は、レンズや撮像素子を搭載した可動部と、光学装置の基台に固定されるとともに可動部の底面に当接するピボット軸と、基台に固定されるとともに可動部を揺動可能に支持する板バネと、可動部を揺動させるための揺動機構とを備えている。この光学装置では、揺動機構は、駆動用コイルと駆動用磁石とによって構成されており、揺動機構の駆動力で、可動部がピボット軸を支点に揺動して、手振れが補正されている。
また、この光学装置では、板バネは、基台に固定される固定片と、X軸変形部を介して固定片に連結される外枠片と、Y軸変形部を介して外枠片に連結される可動部の支持片とを備えており、可動部の揺動時には、X軸変形部やY軸変形部が捩れる。なお、この光学装置では、可動部の底面にピボット軸の先端を確実に当接させるための与圧が発生するように、板バネは、撓んだ状態で基台に固定されている。
上述のように、特許文献1に記載の光学装置では、板バネは、固定片と外枠片と支持片とを備えており、固定片と外枠片とがX軸変形部を介して連結され、外枠片と支持片とがY軸変形部を介して連結されている。そのため、X軸回りに可動部が揺動すると、支持片、Y軸変形部および外枠片を介してX軸変形部に揺動時の負荷が伝達されてX軸変形部が捩れる。一方、Y軸回りに可動部が揺動すると、支持片を介してY軸変形部に揺動時の負荷が伝達されてY軸変形部が捩れる。
したがって、特許文献1に記載の光学装置では、たとえば、X軸回りの可動部の傾きとY軸回りの可動部の傾きとが等しい場合であっても、X軸変形部の捩れ量とY軸変形部の捩れ量とが異なり、X軸回りに可動部の傾いたときとY軸回りに可動部が傾いたときとで、板バネによる可動部の付勢力が異なるおそれがある。そのため、X軸回りの可動部の傾き量に応じた駆動機構の駆動力と、Y軸回りの可動部の傾き量に応じた駆動機構の駆動力とを個別に設定する必要が生じ、駆動機構の制御が複雑になるおそれがある。
そこで、本発明の課題は、レンズおよび撮像素子を搭載したレンズ駆動装置を揺動させる揺動駆動機構の制御を簡素化することが可能な撮影用光学装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の撮影用光学装置は、レンズと撮像素子とレンズを駆動するレンズ駆動機構とを搭載したレンズ駆動装置を有する可動モジュールと、可動モジュールを支持する支持体と、支持体に対して可動モジュールを揺動させて手振れを補正する手振れ補正機構とを備え、手振れ補正機構は、可動モジュールを揺動させる揺動駆動機構と、可動モジュールの揺動中心となる支点部と、可動モジュールを揺動可能に支持する板バネとを備え、板バネは、レンズ駆動装置の光軸方向における支点部の近傍で可動モジュールを保持する保持部と、支持体に固定される固定部と、保持部の外周側に配置され保持部と固定部とを繋ぐとともに可動モジュールの揺動動作を可能とする複数のバネ部とを備え、複数のバネ部は、光軸方向から見たときに、支点部に対して略点対称に配置されていることを特徴とする。
本発明の撮影用光学装置では、可動モジュールを揺動可能に支持する板バネを構成する複数のバネ部は、光軸方向から見たときに、可動モジュールの揺動中心となる支点部に対して略点対称に配置されている。そのため、たとえば、レンズ駆動装置の光軸方向に略直交するとともに互いに略直交する第1方向および第2方向を可動モジュールの揺動の軸方向とする場合、第1方向の軸回りの可動モジュールの傾きと第2方向の軸回りの可動モジュールの傾きとが等しければ、第1方向の軸回りに可動モジュールが傾いたときの可動モジュールに対する板バネの付勢力と、第2方向の軸回りに可動モジュールが傾いたときの可動モジュールに対する板バネの付勢力とをほぼ同じにすることが可能になる。したがって、本発明では、たとえば、第1方向の軸回りの可動モジュールの傾き量に応じた揺動駆動機構の駆動力と、第2方向の軸回りの可動モジュールの傾き量に応じた揺動駆動機構の駆動力とを同じように設定にすることが可能になり、揺動駆動機構の制御を簡素化することが可能になる。
本発明において、揺動駆動機構は、レンズ駆動装置の光軸に略直交するとともに互いに略直交する第1方向および第2方向を揺動の軸方向として可動モジュールを揺動させるための複数の駆動用磁石と駆動用コイルとを備え、板バネは、第1方向に略平行な2本のバネ部と、第2方向に略平行な2本のバネ部とを備えることが好ましい。このように構成すると、第1方向の軸回りの可動モジュールの傾きと第2方向の軸回りの可動モジュールの傾きとが等しければ、第1方向の軸回りに可動モジュールが傾いたときの可動モジュールに対する板バネの付勢力と、第2方向の軸回りに可動モジュールが傾いたときの可動モジュールに対する板バネの付勢力とをほぼ同じにすることができる。また、第1方向に略平行な2本のバネ部によって第2方向の軸回りの可動モジュールの円滑な揺動が可能になり、かつ、第2方向に略平行な2本のバネ部によって第1方向の軸回りの可動モジュールの円滑な揺動が可能になる。
本発明において、板バネは、全体として略矩形状に形成され、固定部は、板バネの四隅に配置され、保持部は、その外形が略矩形状になるように形成され、バネ部は、保持部の四隅から固定部に向かって直線状に形成されていることが好ましい。このように構成すると、バネ部の長さを長くすることが可能になる。したがって、可動モジュールの傾き量を大きくすることが可能になる。また、バネ部にかかる応力を分散させることができるとともに安定したバネ性を得ることが可能になる。
本発明において、板バネは、板バネの周方向で隣接する固定部を板バネの外周側で繋ぐ連結部を備えることが好ましい。このように構成すると、バネ部の長さが比較的長くなる場合であっても、連結部の作用で板バネの形状が安定しやすくなるため、板バネの取り扱いが容易になるとともに、板バネの製造が容易になる。
本発明において、板バネの外周側の少なくとも一辺には、連結部が形成されずに切欠部が形成されていることが好ましい。このように構成すると、切欠部を利用して撮影用光学装置を構成する各種の部品等を配置することが可能になる。
本発明において、たとえば、可動モジュールは、レンズ駆動装置の傾きを検出するセンサを備え、センサに接続されるフレキシブルプリント基板は、切欠部を通過するように引き回されている。この場合には、フレキシブルプリント基板と板バネとの接触を防止することが可能となり、板バネとの接触に起因するフレキシブルプリント基板の損傷を防止することが可能になる。
本発明において、光軸方向から見たときの4本のバネ部の外周は、光軸方向から見たときの可動モジュールの外周の中に収まっていることが好ましい。このように構成すると、センサに接続されるフレキシブルプリント基板と板バネとの接触を効果的に防止することが可能になる。
本発明において、バネ部の厚さは、バネ部の幅以下となっていることが好ましい。このように構成すると、レンズ駆動装置の光軸方向における支点部の近傍で可動モジュールを保持する保持部が光軸に直交する方向へ移動するのを抑制することができる。すなわち、支点部に対して可動モジュールが光軸に直交する方向へ移動するのを抑制することができ、可動モジュールと支点部とのずれを抑制することができる。
本発明において、支点部は、支持体または可動モジュールのいずれか一方に形成される支点突起と、支持体または可動モジュールのいずれか他方に形成され支点突起に当接する平面状の当接面とから構成されていることが好ましい。このように構成すると、支点部に対して可動モジュールが光軸に直交する方向へ移動する場合であっても、支点部に過剰な負荷がかかるのを防止することができる。したがって、支点部を中心とする可動モジュールの揺動に伴って、可動モジュールが支点部に対して光軸に直交する方向へ移動しても良いように、板バネを配置し、あるいは、設計することが可能になる。したがって、板バネの取付位置や板バネの形状等の設計の自由度が増す。
本発明において、バネ部と保持部との連結部分は、光軸方向において支点部と略同じ位置に配置されていることが好ましい。このように構成すると、支点部を中心として可動モジュールが揺動しても、光軸に直交する方向における支点突起に対する当接面の相対移動量を小さくすることができ、支点突起および当接面の摩耗を抑制することができる。また、本発明において、支点突起は、略球面状に形成され、バネ部と保持部との連結部分は、光軸方向において支点突起の曲率中心と略同じ位置に配置されていることがより好ましい。このように構成すると、支点部を中心として可動モジュールが揺動しても、光軸に直交する方向における支点突起に対する当接面の相対移動をなくすことが可能となり、支点突起および当接面の摩耗を防止することが可能になる。
以上のように、本発明の撮影用光学装置では、レンズおよび撮像素子を搭載したレンズ駆動装置を揺動させる揺動駆動機構の制御を簡素化することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(撮影用光学装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる撮影用光学装置1の斜視図である。図2は、図1に示す撮影用光学装置1から支持体5を取り除いた状態を示す斜視図である。図3は、図1のE−E断面の断面図である。
図1は、本発明の実施の形態にかかる撮影用光学装置1の斜視図である。図2は、図1に示す撮影用光学装置1から支持体5を取り除いた状態を示す斜視図である。図3は、図1のE−E断面の断面図である。
なお、以下の説明では、図1に示すように、互いに直交する3方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とする。また、図1のX1方向側を「右」側、X2方向側を「左」側、Y1方向側を「前」側、Y2方向側を「後(後ろ)」側、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。本形態では、Z方向(上下方向)は、揺動していないときの撮影用光学装置1の光軸Lの方向(光軸方向)と一致するが、撮影用光学装置1の最大揺動角度はわずか(たとえば、2°程度)であるため、撮影用光学装置1が揺動している場合であっても、上下方向と光軸方向とはほぼ一致する。
本形態の撮影用光学装置1は、携帯電話等の携帯機器に搭載される小型かつ薄型のカメラであり、全体として略直方体状に形成されている。この撮影用光学装置1は、図1〜図3に示すように、図示を省略するレンズおよび撮像素子を搭載したレンズ駆動装置2と、レンズ駆動装置2の傾きを検出するセンサ4と、レンズ駆動装置2を支持する支持体5と、レンズ駆動装置2を揺動させる揺動駆動機構6とを備えている。
レンズ駆動装置2には、上述のように、レンズおよび撮像素子が搭載されている。具体的には、レンズ駆動装置2の上端側にレンズが搭載され、レンズ駆動装置2の下端に撮像素子が搭載されている。また、レンズ駆動装置2には、レンズを光軸方向に駆動するためのレンズ駆動機構が搭載されている。このレンズ駆動機構は、たとえば、駆動用のコイルと駆動用の磁石とによって構成されている。
レンズ駆動装置2は、全体として略直方体状に形成されている。このレンズ駆動装置2の前後および左右の側面は、下端が開口する底付きの略四角筒状に形成されたカバー部材9に覆われている。カバー部材9は、磁性材料で形成されている。上端側に配置されるカバー部材9の底部には、円形の貫通孔9aが形成されている。また、カバー部材9の下端には、前後方向の外側および左右方向の外側に向かって広がる鍔部9bが形成されている。カバー部材9の前後および左右の側面のそれぞれには、揺動駆動機構6を構成する後述の駆動用磁石21が固定されている。
センサ4は、ジャイロセンサ(角速度センサ)であり、レンズ駆動装置2の下側に配置されている。このセンサ4には、フレキシブルプリント基板(FPC)10が接続されている。このFPC10は、レンズ駆動装置2に搭載されている撮像素子にも接続されている。FPC10は、撮影用光学装置1の下端側で引き回されて、たとえば、撮影用光学装置1の左側面から引き出されている。
また、センサ4は、上端が開口する底付きで扁平な略四角筒状に形成されたセンサカバー部材11の内部に配置されている。センサカバー部材11は、下端側に配置される底部11dの中心を光軸Lが通過するように配置されている。底部11dには、光軸Lを中心とする円環状の凹部11cが下方向へ窪むように形成されている。凹部11cの内側には、後述の支点突起15bが当接する当接面11aが平面状に形成されている。具体的には、凹部11cよりも内周側の底部11dの下面が当接面11aとなっている。本形態では、凹部11cよりも内周側の底部11dの上面に当接するように、センサ4がセンサカバー部材11の内部に配置されている。
センサカバー部材11の上端には、カバー部材9の鍔部9bに下側から当接する鍔部11bが前後方向の外側および左右方向の外側に向かって広がるように形成されている。本形態では、鍔部9bと鍔部11bとが互いに固定されている。すなわち、センサカバー部材11は、カバー部材9の下端に固定されている。
本形態では、レンズ駆動装置2とセンサ4とカバー部材9とセンサカバー部材11とが、支持体5に揺動可能に支持されている。すなわち、レンズ駆動装置2、センサ4、カバー部材9およびセンサカバー部材11によって、支持体5に対して揺動可能な可動モジュール12が構成されている。
支持体5は、撮影用光学装置1の下面を構成するベース体15と、撮影用光学装置1の前後および左右の外周面を構成するケース体16とを備えている。ケース体16には、可動モジュール12を揺動可能に支持する板バネ17と、可動モジュール12の揺動範囲を規制するためのストッパ部材18が固定されている。
ベース体15は、略矩形状に形成されている。このベース体15の略中心には、上側に向かって突出する突出部15aが形成されている。また、突出部15aの上面には、可動モジュール12の揺動の支点となる支点突起15bが形成されている。すなわち、本形態では、可動モジュール12の下側に可動モジュール12の揺動の支点が配置されている。この支点突起15bは、たとえば、半球面状に形成されており、センサカバー部材11の当接面11aに当接している。
本形態では、支点突起15bと当接面11aとによって、可動モジュール12の揺動中心(レンズ駆動装置2の揺動中心)となる支点部19が構成されている。この支点部19は、レンズ駆動装置2の光軸Lが通過する位置に配置されている。また、レンズ駆動装置2の光軸Lは、可動モジュール12の中心に配置されている。なお、当接面11aには、支点突起15bおよび当接面11aの摩耗を抑制するための潤滑剤が塗布されていることが好ましい。
上述のように、センサ4は、凹部11cよりも内周側の底部11dの上面に当接するように、センサカバー部材11の内部に配置されている。すなわち、本形態では、センサ4は、支点部19の近傍に配置されている。
ケース体16は、上端および下端が開口する略四角筒状に形成されている。このケース体16の下端側には、ベース体15が固定されている。本形態のケース体16は、非磁性の金属材料で形成されている。
板バネ17は、全体として略正方形状に形成されている。板バネ17の四隅はケース体16に固定され、板バネ17の中心部には可動モジュール12(具体的にはセンサカバー部材11)が固定されている。この板バネ17の詳細な構成については後述する。なお、本形態の板バネ17は、具体的には、ストッパ部材18を介してケース体16に固定されている。すなわち、ケース体16の内周面に固定されたストッパ部材18に板バネ17の四隅が固定されている。
ストッパ部材18は、ケース体16の内周面に固定されている。具体的には、カバー部材9の鍔部9bの上面に当接可能な位置およびセンサカバー部材11の鍔部11bの下面に当接可能な位置のそれぞれで、2個のストッパ部材18がケース体16の内周面に固定されており、ストッパ部材18と鍔部9b、11bとによって、可動モジュール12の揺動範囲が規制されている。
揺動駆動機構6は、駆動用磁石21と、駆動用磁石21に対向配置される駆動用コイル23とを備えている。本形態の揺動駆動機構6は、4個の駆動用磁石21と4個の駆動用コイル23とを備えている。
駆動用磁石21は、略矩形の板状に形成されている。また、駆動用磁石21は、第1磁石片21aと第2磁石片21bとの2個の磁石片によって構成されている。具体的には、第1磁石片21aの下面と第2磁石片21bの上面とが当接した状態で、第1磁石片21aと第2磁石片21bとが接着固定されて駆動用磁石21が形成されている。
駆動用磁石21は、カバー部材9の前後の側面および左右の側面のそれぞれに1個ずつ固定されており、ケース体16の内部に配置されている。また、駆動用磁石21は、レンズ駆動装置2とともに揺動する。上述のように、カバー部材9は、磁性材料で形成されており、カバー部材9は、駆動用磁石21のバックヨークの機能を果たしている。
本形態では、カバー部材9の左右の側面に固定される駆動用磁石21は、駆動用磁石21の右面に形成される磁極と左面に形成される磁極とが異なるように着磁されている。また、カバー部材9の左右の側面に固定される駆動用磁石21は、左右方向における第1磁石片21aの外側面に形成される磁極と第2磁石片21bの外側面に形成される磁極とが異なるように(すなわち、左右方向における第1磁石片21aの内側面に形成される磁極と第2磁石片21bの内側面に形成される磁極とが異なるように)着磁されている。
同様に、カバー部材9の前後の側面に固定される駆動用磁石21は、駆動用磁石21の前面に形成される磁極と後面に形成される磁極とが異なるように着磁されている。また、カバー部材9の前後の側面に固定される駆動用磁石21は、前後方向における第1磁石片21aの外側面に形成される磁極と第2磁石片21bの外側面に形成される磁極とが異なるように着磁されている。
たとえば、カバー部材9の右側面に固定される駆動用磁石21の第1磁石片21aの右側面はS極、左側面はN極に着磁され、この駆動用磁石21の第2磁石片21bの右側面はN極、左側面はS極に着磁されている。同様に、カバー部材9の左側面に固定される駆動用磁石21の第1磁石片21aの左側面はS極、右側面はN極に着磁され、この駆動用磁石21の第2磁石片21bの左側面はN極、右側面はS極に着磁されている。
また、たとえば、カバー部材9の後側面に固定される駆動用磁石21の第1磁石片21aの後側面はN極、前側面はS極に着磁され、この駆動用磁石21の第2磁石片21bの後側面はS極、前側面はN極に着磁されている。同様に、カバー部材9の前側面に固定される駆動用磁石21の第1磁石片21aの前側面はN極、後側面はS極に着磁され、この駆動用磁石21の第2磁石片21bの前側面はS極、後側面はN極に着磁されている。
駆動用コイル23は、導線の周りを被覆する絶縁被膜と、絶縁被膜の周りをさらに被覆する融着被膜とを備える融着線が空芯状に巻回された(すなわち、ボビン等の巻芯を備えていない)空芯コイルである。この駆動用コイル23は、融着線が略長方形状に巻回されて形成されている。また、駆動用コイル23は、絶縁性のフィルムを介してケース体16の前後の側面および左右の側面のそれぞれに1個ずつ固定されている。
図3に示すように、駆動用磁石21と駆動用コイル23とは所定の隙間をあけた状態で対向配置されている。具体的には、支点部19を支点として可動モジュール12が揺動しても、駆動用磁石21と駆動用コイル23とが接触しないように、駆動用磁石21と駆動用コイル23とが所定の隙間をあけた状態で対向配置されている。
本形態では、駆動用コイル23に電流が供給されていないときには、図3に示すように、可動モジュール12は、支持体5に対して傾いていない中立位置にある。また、本形態では、カバー部材9の左右の側面に固定される駆動用磁石21の左右方向の外側面は、可動モジュール12が中立位置にあるときに、下方向に向かうにしたがって左右方向の外側へ緩やかに広がるように傾斜しており、この駆動用磁石21は、前後方向から見たときの断面形状が略台形状になるように形成されている。同様に、カバー部材9の前後の側面に固定される駆動用磁石21の前後方向の外側面は、可動モジュール12が中立位置にあるときに、下方向に向かうにしたがって前後方向の外側へ緩やかに広がるように傾斜しており、この駆動用磁石21は、左右方向から見たときの断面形状が略台形状になるように形成されている。
また、本形態では、図3に示すように、上下方向における駆動用コイル23の中心位置が第1磁石片21aと第2磁石片21bとの当接面よりも上側に配置されるように、駆動用磁石21と駆動用コイル23とが対向配置されている。
また、本形態では、駆動用磁石21と駆動用コイル23とは、左右方向または前後方向で対向配置されており、左右方向で対向配置される駆動用磁石21と駆動用コイル23とによって、前後方向を揺動の軸方向として可動モジュール12を揺動させる(すなわち、Y軸回りに可動モジュール12を揺動させる)駆動力が発生する。また、前後方向で対向配置される駆動用磁石21と駆動用コイル23によって、左右方向を揺動の軸方向として可動モジュール12を揺動させる(すなわち、X軸回りに可動モジュール12を揺動させる)駆動力が発生する。なお、本形態では、左右方向(X方向)は、光軸方向に略直交する第1方向であり、前後方向(Y方向)は、第1方向である左右方向および光軸方向に略直交する第2方向である。
以上のように構成された撮影用光学装置1では、センサ4で手振れが検出されると、センサ4での検出結果に基づいて、駆動用コイル23に電流が供給され、可動モジュール12が支点部19を中心に揺動して、手振れが補正される。なお、本形態では、当接面11aと支点突起15bとからなる支点部19と、揺動駆動機構6と、板バネ17とによって、センサ4での検出結果に基づいて支持体5に対して可動モジュール12を揺動させて(すなわち、レンズ駆動装置2を揺動させて)手振れを補正する手振れ補正機構が構成されている。
(板バネの構成)
図4は、図3に示す板バネ17の平面図である。図5は、図4のF−F断面の断面図である。図6は、図3に示す板バネ17とFPC10との位置関係を説明するための斜視図である。図7は、図3に示す板バネ17と支点部19との光軸方向における位置関係を説明するための図である。
図4は、図3に示す板バネ17の平面図である。図5は、図4のF−F断面の断面図である。図6は、図3に示す板バネ17とFPC10との位置関係を説明するための斜視図である。図7は、図3に示す板バネ17と支点部19との光軸方向における位置関係を説明するための図である。
板バネ17は、図4に示すように、可動モジュール12を保持する保持部17aと、ケース体16に固定される4個の固定部17bと、保持部17aと固定部17bとを繋ぐ4本のバネ部17cとを備えている。本形態では、固定部17bに対してバネ部17cが撓むことで、保持部17aに保持された可動モジュール12の揺動動作が可能となっている。なお、本形態の板バネ17はたとえばエッチングで形成されているが、板バネ17はプレス加工で形成されても良い。
保持部17aは、略正方形状に形成されている。この保持部17aの中心には、円形の貫通孔17dが形成されている。この貫通孔17dは、その中心を光軸Lが通過するように形成されている。保持部17aには、可動モジュール12が固定されている。具体的には、図3に示すように、貫通孔17dの内周側に凹部11cが配置された状態で、保持部17aの上面にセンサカバー部材11の底部11dの下面が固定されている。すなわち、保持部17aは、光軸方向において、支点部19の近傍で可動モジュール12を保持している。
固定部17bは、略正方形状に形成され、板バネ17の四隅に配置されている。固定部17bには、ストッパ部材18へ板バネ17を固定するための円形の固定孔17eが形成されている。
バネ部17cは、図5に示すように、その厚さtがその幅w以下となるように形成されている。このバネ部17cの厚さtと幅wとを所定の値に設定することで、たとえば、光軸Lが水平になったときの可動モジュール12の傾きが0.5°以下となるように、板バネ17の剛性が調整されている。たとえば、バネ部17cの厚さtが0.15mmで、幅wが0.6mmとなっている。また、バネ部17cは、保持部17aの外周側に配置されている。具体的には、4本のバネ部17cのうちの2本のバネ部17cは、前後方向と略平行に配置され、残りの2本のバネ部17cは、左右方向と略平行に配置されている。
また、バネ部17cは、保持部17aの四隅から固定部17bに向かって直線状に形成されている。具体的には、保持部17aの左前端から板バネ17の右前端に配置される固定部17bに向かって1本目のバネ部17cが形成され、保持部17aの右前端から板バネ17の右後端に配置される固定部17bに向かって2本目のバネ部17cが形成され、保持部17aの右後端から板バネ17の左後端に配置される固定部17bに向かって3本目のバネ部17cが形成され、保持部17aの左後端から板バネ17の左前端に配置される固定部17bに向かって4本目のバネ部17cが形成されている。すなわち、本形態では、保持部17aの中心を通過する光軸Lに対して、4本のバネ部17cが略点対称に配置されている。換言すると、光軸方向から見たときに、4本のバネ部17cは、光軸Lが通過する支点部19に対して略点対称に配置されている。
本形態では、光軸方向から見たときの4本のバネ部17cの外周(すなわち、4本のバネ部17cの左右方向または前後方向の端部)は、図4に示すように、光軸方向から見たときの可動モジュール12の外周の中に収まっている。すなわち、4本のバネ部17cは、可動モジュール12の下方に配置され、可動モジュール12の下方から左右方向あるいは前後方向へ突出していない。具体的には、4本のバネ部17cは、光軸方向から見たとき、鍔部11bを除くセンサカバー部材11の側面の内側に収まっている。
図4に示すように、4個の固定部17bは、左右方向において、連結部17fで連結されている。具体的には、板バネ17の前後端に配置される直線状の連結部17fによって、後ろ側に配置される2個の固定部17bが互いに連結されるとともに、前側に配置される2個の固定部17bが互いに連結されている。一方、4個の固定部17bは、前後方向では連結されていない。すなわち、板バネ17の外周側の左右の両辺には、左右方向の内側に向かって窪むように切欠部17gが形成されている。すなわち、前後方向を長手方向として配置されるバネ部17cの左右方向の外側には、切欠部17gが形成されている。
上述のように、FPC10は、撮影用光学装置1の下端側で引き回されている。本形態では、図6に示すように、板バネ17の切欠部17gを通過するようにFPC10が引き回されている。具体的には、FPC10は、左右方向に折り返されており、FPC10の折り返し部分が切欠部17gに配置されている。
板バネ17は、センサカバー部材11の当接面11aとベース体15の支点突起15bとを確実に当接させるための与圧が発生するように(すなわち、可動モジュール12を下方向へ付勢する付勢力が発生するように)、撓んだ状態でケース体16に(具体的には、ストッパ部材18を介してケース体16に)固定されている(図3参照)。すなわち、保持部17aよりも固定部17bが下側に下がった状態で、固定部17bがストッパ部材18に固定されている。
また、板バネ17によって可動モジュール12に生じる下方向への付勢力は、たとえば、撮影用光学装置1が携帯電話に搭載される場合であれば、携帯電話のバイブレーション機能に基づいて撮影用光学装置1が振動しても、支点突起15bと当接面11aとが離れることがない大きさに設定されている。たとえば、可動モジュール12と駆動用磁石21との合計質量をM、携帯電話のバイブレーションの振動加速度をαとすると、板バネ17によって可動モジュール12に生じる下方向への付勢力Fは、以下の式(1)を満たすように設定されている。
F>α×M・・・式(1)
なお、振動加速度αは、たとえば、4G以上である。
F>α×M・・・式(1)
なお、振動加速度αは、たとえば、4G以上である。
本形態では、図7に示すように、保持部17aとバネ部17cとの連結部分は、光軸方向において、支点部19と略同じ位置に配置されている。具体的には、保持部17aの上面とバネ部17cの上面との連結部分が、光軸方向において、当接面11aと同じ位置に配置されている。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、光軸方向から見たときに、4本のバネ部17cは、光軸Lが通過する支点部19に対して略点対称に配置されている。具体的には、2本のバネ部17cが前後方向と略平行に配置され、残りの2本のバネ部17cが左右方向と略平行に配置されている。そのため、X軸回りの可動モジュール12の傾きとY軸回りの可動モジュール12の傾きとが等しければ、X軸回りに可動モジュール12が傾いたときの可動モジュール12に対する板バネ17の付勢力と、Y軸回りに可動モジュール12が傾いたときの可動モジュール12に対する板バネ17の付勢力とがほぼ同じになる。したがって、本形態では、X軸回りの可動モジュール12の傾き量に応じた揺動駆動機構6の駆動力と、Y軸回りの可動モジュール12の傾き量に応じた揺動駆動機構6の駆動力とを同じように設定にすることができ、揺動駆動機構6の制御を簡素化することが可能になる。
以上説明したように、本形態では、光軸方向から見たときに、4本のバネ部17cは、光軸Lが通過する支点部19に対して略点対称に配置されている。具体的には、2本のバネ部17cが前後方向と略平行に配置され、残りの2本のバネ部17cが左右方向と略平行に配置されている。そのため、X軸回りの可動モジュール12の傾きとY軸回りの可動モジュール12の傾きとが等しければ、X軸回りに可動モジュール12が傾いたときの可動モジュール12に対する板バネ17の付勢力と、Y軸回りに可動モジュール12が傾いたときの可動モジュール12に対する板バネ17の付勢力とがほぼ同じになる。したがって、本形態では、X軸回りの可動モジュール12の傾き量に応じた揺動駆動機構6の駆動力と、Y軸回りの可動モジュール12の傾き量に応じた揺動駆動機構6の駆動力とを同じように設定にすることができ、揺動駆動機構6の制御を簡素化することが可能になる。
また、本形態では、2本のバネ部17cが前後方向と略平行に配置され、残りの2本のバネ部17cが左右方向と略平行に配置されているため、前後方向に略平行な2本のバネ部17cによってX軸回りの可動モジュール12の円滑な揺動が可能になり、かつ、左右方向に略平行な2本のバネ部17cによってY軸回りの可動モジュール12の円滑な揺動が可能になる。
本形態では、バネ部17cは、保持部17aの四隅から固定部17bに向かって直線状に形成されている。そのため、バネ部17cの長さを長くすることができる。したがって、可動モジュール12の傾き量を大きくすることが可能になる。また、バネ部17cにかかる応力を分散させることができるとともに安定したバネ性を得ることが可能になる。
本形態では、4個の固定部17bは、左右方向において、連結部17fで連結されている。そのため、バネ部17cの長さが長くなる場合であっても、連結部17fの作用で板バネ17の形状が安定しやすくなる。したがって、板バネ17の取り扱いが容易になるとともに、板バネ17の製造が容易になる。
本形態では、板バネ17の外周側の左右の両辺には、切欠部17gが形成されている。そのため、たとえば、本形態のように、切欠部17gを利用して、FPC10を引き回すことができる。すなわち、FPC10と板バネ17とを接触させることなく、FPC10を引き回すことが可能になる。したがって、板バネ17との接触に起因するFPC10の損傷を防止することが可能になる。特に本形態では、光軸方向から見たときの4本のバネ部17cの外周が、光軸方向から見たときの可動モジュール12の外周の中に収まっているため、FPC10と板バネ17との接触を効果的に防止することが可能になる。
本形態では、バネ部17cの厚さtは、バネ部17cの幅w以下となっている。そのため、保持部17aが左右方向や前後方向へ移動するのを抑制することができる。すなわち、支点部19に対して可動モジュール12が左右方向や前後方向へ移動するのを抑制することができる。したがって、左右方向および前後方向における可動モジュール12と支点部19とのずれを抑制することができ、支点突起15bと当接面11aとによって支点部19を構成することが可能になる。その結果、支点部19の構成を簡素化することができる。
また、バネ部17cの厚さtが幅w以下となっているため、板バネ17をエッチングで形成する場合には、バネ部17cを精度良く形成することができる。
本形態では、保持部17aとバネ部17cとの連結部分は、光軸方向において支点部19と略同じ位置に配置されている。そのため、支点部19を中心として可動モジュール12が揺動しても、左右方向や前後方向における支点突起15bに対する当接面11aの相対移動量を小さくすることができる。したがって、支点突起15bおよび当接面11aの摩耗を抑制することができる。
なお、本形態では、支点部19は、支点突起15bと当接面11aとによって構成されているため、支点部19に対して、可動モジュール12が左右方向や前後方向へ移動しても、支点部19に過剰な負荷がかかるのを防止することができる。したがって、支点部19を中心とする可動モジュール12の揺動に伴って、可動モジュール12が支点部19に対して左右方向や前後方向へ移動しても良いように、板バネ17を配置し、あるいは、設計することが可能になる。したがって、板バネ17の取付位置や板バネの形状等の設計の自由度が増す。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態では、板バネ17は、全体として略正方形状に形成されている。この他にもたとえば、板バネ17は長方形状に形成されても良い。また、板バネ17は、円形状、楕円形状あるいは四角形状以外の多角形状に形成されても良い。また、上述した形態では、板バネ17は、前後方向と略平行に配置される2本のバネ部17cと、左右方向と略平行に配置される2本のバネ部17cとを備えている。この他にもたとえば、板バネ17は、光軸Lに対して略点対称に配置される渦巻き状の複数のバネ部17cを備えていても良い。
上述した形態では、4個の固定部17bは、左右方向において、連結部17fで連結されているが、4個の固定部17bは左右方向で連結されていなくても良い。また、4個の固定部17bが左右方向および前後方向の両方向で連結部17fによって連結されていても良い。また、上述した形態では、板バネ17の外周側の左右の両辺に切欠部17gが形成されているが、板バネ17の外周側の左辺または右辺のみに切欠部17gが形成されても良いし、板バネ17の外周側の左右の両辺に加え、板バネ17の外周側の前側辺または後側辺のいずれかに切欠部17gが形成されても良い。
上述した形態では、バネ部17cは、保持部17aの四隅から固定部17bに向かって直線状に形成されている。この他にもたとえば、保持部17aの左右方向または前後方向の中間位置から固定部17bに向かってバネ部17cが形成されても良い。また、バネ部17cは、保持部17aの四隅から固定部17bに向かって曲線状に形成されても良い。
上述した形態では、保持部17aとバネ部17cとの連結部分は、光軸方向において、支点部19と略同じ位置に配置されている。この他にもたとえば、図8に示すように、保持部17aとバネ部17cとの連結部分が、光軸方向において、支点突起15bの曲率中心Oと略同じ位置に配置されても良い。この場合には、支点部19を中心として可動モジュール12が揺動しても、左右方向や前後方向における支点突起15bに対する当接面11aの相対移動量を理論上なくすことができ、支点突起15bおよび当接面11aの摩耗を防止することが可能になる。
上述した形態では、ベース体15に支点突起15bが形成され、センサカバー部材11に支点突起15bが当接する当接面11aが形成されている。この他にもたとえば、センサカバー部材11に支点突起が形成され、この支点突起が当接する当接面がベース体15に形成されても良い。なお、ベース体15に支点突起15bを形成し、センサカバー部材11に支点突起15bが係合する凹部を形成すること、あるいは、センサカバー部材11に支点突起に形成し、この支点突起が係合する凹部をベース体15に形成することも可能である。
上述した形態では、駆動用磁石21は、第1磁石片21aと第2磁石片21bとの2個の磁石片によって構成されている。この他にもたとえば、駆動用磁石21は、1個の磁石片によって構成されても良い。この場合には、駆動用磁石21の両面のそれぞれにおいて、光軸方向で重なる2極の磁極が形成されるように、1個の磁石片が着磁される。
ここで、たとえば、図9に示すように、レンズ駆動装置2の光軸Lが水平方向を向いた状態で、撮影用光学装置1が使用される場合、可動モジュール12は、重力によって下方向へ傾く。可動モジュール12の重心が支点部19から遠いと、鉛直方向に対して光軸Lが傾いたときの支点部19を中心とする可動モジュール12の回転モーメントが大きくなり、傾き量も増える。
上述した形態では、センサカバー部材11の当接面11aとベース体15の支点突起15bとを確実に当接させるための与圧が発生するように、板バネ17が撓んだ状態でケース体16に固定されているため、撮影用光学装置1では、かかる傾きを抑制することは可能である。また、上述した形態では、上下方向における駆動用コイル23の中心位置が第1磁石片21aと第2磁石片21bとの当接面よりも上側に配置されるように、駆動用磁石21と駆動用コイル23とが対向配置されており、重量の大きな駆動用磁石21が支点部19に近づくように配置されている。そのため、可動モジュール12自体の重心を支点部19に近づけることができ、これにより光軸Lが水平となったときの可動モジュール12の回転モーメントを小さくし、可動モジュール12の傾き量を抑制することが可能である。
しかしながら、可動モジュール12の重量が大きくなると、板バネ17のバネ力を大きくしなければならず、板バネ17が厚く、大きくなるおそれがある。そこで、図9に示すように、可動モジュール12の重心が支点部19に近づくように、可動モジュール12に錘40を固定しても良い。すなわち、可動モジュール12における支点部19の近傍あるいは支点部19よりも下側(図9の左側)に錘40を固定しても良い。たとえば、センサカバー部材11の凹部11cに錘40を配置しても良い。なお、可動モジュール12の重心と支点部19との間で、錘40を可動モジュール12に固定しても良い。また、センサカバー部材11の重量を重くしてセンサカバー部材11に錘40の機能を持たせても良い。
このようにすると、板バネ17を薄型化、小型化しつつ、レンズ駆動装置2の光軸Lが鉛直方向に対して傾いたときの可動モジュール12の傾き量を小さくすることができる。また、撮影用光学装置1の姿勢差による可動モジュール12の傾き量のばらつきを考慮して板バネ17を設計する必要が軽減されるため、板バネ17の設計の自由度が増す。なお、カバー部材11の凹部11cに錘40が配置される場合には、錘40は、円環状の凹部11cの形状に合った円環状に形成されていることが好ましい。錘40が円環状に形成されている場合には、可動モジュール12がいかなる方向に傾いたとしても可動モジュール12の回転モーメントを小さくして傾き量を小さくすることができる。
1 撮影用光学装置
2 レンズ駆動装置
4 センサ
5 支持体
6 揺動駆動機構
10 FPC(フレキシブルプリント基板)
11a 当接面
12 可動モジュール
15b 支点突起
17 板バネ
17a 保持部
17b 固定部
17c バネ部
17f 連結部
17g 切欠部
19 支点部
21 駆動用磁石
23 駆動用コイル
L 光軸
O 曲率中心
t バネ部の厚さ
w バネ部の幅
X 第1方向
Y 第2方向
2 レンズ駆動装置
4 センサ
5 支持体
6 揺動駆動機構
10 FPC(フレキシブルプリント基板)
11a 当接面
12 可動モジュール
15b 支点突起
17 板バネ
17a 保持部
17b 固定部
17c バネ部
17f 連結部
17g 切欠部
19 支点部
21 駆動用磁石
23 駆動用コイル
L 光軸
O 曲率中心
t バネ部の厚さ
w バネ部の幅
X 第1方向
Y 第2方向
Claims (11)
- レンズと撮像素子と前記レンズを駆動するレンズ駆動機構とを搭載したレンズ駆動装置を有する可動モジュールと、前記可動モジュールを支持する支持体と、前記支持体に対して前記可動モジュールを揺動させて手振れを補正する手振れ補正機構とを備え、
前記手振れ補正機構は、前記可動モジュールを揺動させる揺動駆動機構と、前記可動モジュールの揺動中心となる支点部と、前記可動モジュールを揺動可能に支持する板バネとを備え、
前記板バネは、前記レンズ駆動装置の光軸方向における前記支点部の近傍で前記可動モジュールを保持する保持部と、前記支持体に固定される固定部と、前記保持部の外周側に配置され前記保持部と前記固定部とを繋ぐとともに前記可動モジュールの揺動動作を可能とする複数のバネ部とを備え、
複数の前記バネ部は、前記光軸方向から見たときに、前記支点部に対して略点対称に配置されていることを特徴とする撮影用光学装置。 - 前記揺動駆動機構は、前記レンズ駆動装置の光軸に略直交するとともに互いに略直交する第1方向および第2方向を揺動の軸方向として前記可動モジュールを揺動させるための複数の駆動用磁石と駆動用コイルとを備え、
前記板バネは、前記第1方向に略平行な2本の前記バネ部と、前記第2方向に略平行な2本の前記バネ部とを備えることを特徴とする請求項1記載の撮影用光学装置。 - 前記板バネは、全体として略矩形状に形成され、
前記固定部は、前記板バネの四隅に配置され、
前記保持部は、その外形が略矩形状になるように形成され、
前記バネ部は、前記保持部の四隅から前記固定部に向かって直線状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の撮影用光学装置。 - 前記板バネは、前記板バネの周方向で隣接する前記固定部を前記板バネの外周側で繋ぐ連結部を備えることを特徴とする請求項3記載の撮影用光学装置。
- 前記板バネの外周側の少なくとも一辺には、前記連結部が形成されずに切欠部が形成されていることを特徴とする請求項4記載の撮影用光学装置。
- 前記可動モジュールは、前記レンズ駆動装置の傾きを検出するセンサを備え、
前記センサに接続されるフレキシブルプリント基板は、前記切欠部を通過するように引き回されていることを特徴とする請求項5記載の撮影用光学装置。 - 前記光軸方向から見たときの4本の前記バネ部の外周は、前記光軸方向から見たときの前記可動モジュールの外周の中に収まっていることを特徴とする請求項6記載の撮影用光学装置。
- 前記バネ部の厚さは、前記バネ部の幅以下となっていることを特徴とする請求項1から7いずれかに記載の撮影用光学装置。
- 前記支点部は、前記支持体または前記可動モジュールのいずれか一方に形成される支点突起と、前記支持体または前記可動モジュールのいずれか他方に形成され前記支点突起に当接する平面状の当接面とから構成されていることを特徴とする請求項8記載の撮影用光学装置。
- 前記バネ部と前記保持部との連結部分は、前記光軸方向において前記支点部と略同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項9記載の撮影用光学装置。
- 前記支点突起は、略球面状に形成され、
前記バネ部と前記保持部との連結部分は、前記光軸方向において前記支点突起の曲率中心と略同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項9記載の撮影用光学装置。
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