JP2010096637A - 化学的酸素要求量の測定方法 - Google Patents

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Abstract

【目的】検査水における過マンガン酸カリウムの消費量を検査水の吸光度に基づいて判定することで化学的酸素要求量を測定するに当り、検査水の濁りを抑えて測定精度を高める。
【構成】硫酸とリン酸との添加により検査水を酸性に設定するとともに、検査水に硝酸塩を存在させることで硝酸イオン濃度が少なくとも10g/リットルになるよう設定した調整検査水を調製し、この調整検査水に含まれる被酸化性物質を過マンガン酸カリウムを用いて酸化する。そして、調整検査水の510〜560nmの範囲での最大の吸光度を測定し、この吸光度から判定した過マンガン酸カリウムの消費量に基づいて化学的酸素要求量を判定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、化学的酸素要求量の測定方法、特に、検査水の化学的酸素要求量を光学的手法で測定するための方法に関する。
工場排水、海洋水、湖沼水およびボイラ関連水等の水質の指標である化学的酸素要求量の測定方法として、採取した検査水に含まれる被酸化性物質を過マンガン酸カリウムを用いて酸化する工程と、当該工程における過マンガン酸カリウムの消費量に基づいて化学的酸素要求量を算出する工程とを主に含む方法が知られている(非特許文献1)。しかし、この方法(以下、「JIS法」という場合がある)は、過マンガン酸カリウムの消費量を滴定により求めており、測定結果が分析技術者の技量により変動することが多いため、信頼性を欠く可能性がある。そこで、過マンガン酸カリウムの消費量を検査水の吸光度に基づいて判定する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
ところで、JIS法は、硫酸の添加により検査水を酸性に設定した状態で被酸化性物質を過マンガン酸カリウムで酸化しているため、その過程の副反応で二酸化マンガンが生成する。この二酸化マンガンは、検査水を濁らせる濁度成分であるため、検査水の吸光度に影響する。特許文献1に記載の方法は、この影響を抑えるために、検査水を硫酸で酸性に設定する際にリン酸を併用し、二酸化マンガンの生成を防止している。
ところが、検査水が高濃度の有機物やベンゼン環を含む化合物を被酸化性物質として含む場合、リン酸を併用すると過マンガン酸カリウムによる上述の酸化過程で検査水が黄色く濁り、それが検査水の吸光度に影響するため、化学的酸素要求量の測定精度が低下する可能性がある。黄色く濁った検査水は、ろ過処理により濁りを除去してから吸光度を測定すると、過マンガン酸カリウムの消費量の測定精度を高めることができるが、このようなろ過処理は煩雑であり、また、検査水の化学的酸素要求量の測定を機器により自動化する際の妨げになる。
2003年発行の日本工業規格 JIS K 0102 「工場排水試験方法」 446−448頁 特開2006−170897号公報
本発明の目的は、検査水における過マンガン酸カリウムの消費量を検査水の吸光度に基づいて判定することで化学的酸素要求量を測定するに当り、検査水の濁りを抑えて測定精度を高めることにある。
本発明は、検査水の化学的酸素要求量を測定するための方法に関するものであり、この測定方法は、硫酸とリン酸との添加により検査水を酸性に設定するとともに、検査水に硝酸塩を存在させることで硝酸イオン濃度が少なくとも10g/リットルになるよう設定した調整検査水を得る工程1と、過マンガン酸カリウムを用いて調整検査水に含まれる被酸化性物質を酸化する工程2と、工程2を経た調整検査水の510〜560nmの範囲での最大の吸光度Aを測定し、この吸光度Aに基づいて工程2での過マンガン酸カリウムの消費量を判定する工程3と、工程3で測定された過マンガン酸カリウムの消費量に基づいて化学的酸素要求量を判定する工程4とを含んでいる。
この測定方法で用いる硝酸塩は、通常、硝酸のアルカリ金属塩である。また、吸光度Aは、例えば、工程2を経た調整検査水の510〜560nmの範囲での最大の吸光度から工程2を経た調整検査水の600〜900nmの範囲における任意の波長の吸光度Bを差し引くことで補正したものである。
この測定方法の好ましい形態では、工程1において検査水にアルカリ金属硫酸塩およびアルカリ土類金属硫酸塩のうちの少なくとも一つの硫酸塩をさらに存在させ、調整検査水における硫酸塩の反応時の重量濃度が1.0%より大きくなるよう設定する。
本発明に係る化学的酸素要求量の測定方法は、上述の工程を含むため、吸光度の測定に影響する検査水の濁りを抑制することができ、化学的酸素要求量の測定結果の信頼性を高めることができる。
本発明に係る化学的酸素要求量(以下、「COD」という場合がある)の測定方法では、先ず、CODの測定が必要な水から検査水を採取する。ここで、本発明の測定方法の対象となる水は特に限定されるものではなく、例えば、工場排水、海洋水、河川水、湖沼水、地下水、浄水、上水、下水およびボイラ関連水(ボイラ給水、ボイラ水および復水等)などである。この水は、主として有機物である被酸化性物質を含む場合において、その酸化分解のために必要な酸素量、すなわちCODが観測される。
次に、適量の検査水から調整検査水を調製する(工程1)。ここで調製する調整検査水は、硫酸とリン酸との添加により酸性に設定するとともに、硝酸イオン濃度が少なくとも10g/リットル、好ましくは少なくとも15g/リットル、より好ましくは少なくとも20g/リットルになるよう設定したものである。
ここで、検査水に対する硫酸の添加量は、通常、検査水における硫酸濃度が1.5〜3.5mol/リットルになるよう設定するのが好ましい。一方、検査水に対するリン酸の添加量は、通常、検査水におけるリン酸濃度が0.6〜1.0mol/リットルになるよう設定するのが好ましい。ここでのリン酸濃度は、本工程1において検査水に対して全ての試薬等を添加した後に存在するリン酸のモル濃度を意味し、工程1において検査水へ添加する試薬等の種類と量とに基づく計算により求めることができる。
硫酸およびリン酸は、水溶液の状態で検査水へ添加することもできる。
この工程において、検査水について設定する硝酸イオン濃度は、反応時の硝酸イオン濃度を意味する。反応時の硝酸イオン濃度とは、工程1において検査水に全ての試薬等を添加した後に存在する硝酸イオンの濃度を意味し、工程1において検査水へ添加する試薬の種類と量とに基づく計算により求めることができる。
調整検査水における硝酸イオン濃度が10g/リットル未満の場合は、後述する工程2において調整検査水が濁り、後述する工程3において過マンガン酸カリウムの消費量を判定するための吸光度の測定結果が不正確になる。調整検査水における硝酸イオン濃度の上限は、特に制限されるものではないが、通常は、50g/リットルに設定するのが好ましい。
検査水の硝酸イオン濃度は、通常、検査水に対して硝酸塩を添加することで調整することができる。ここで利用可能な硝酸塩は、通常、硝酸塩のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、より具体的には硝酸ナトリウム、硝酸リチウム、硝酸カリウムおよび硝酸マグネシウム等である。硝酸塩は、二種類以上のものを併用することもできる。
なお、JIS法は、塩化物イオンを含む検査水のCOD測定において測定値が塩化物イオンの影響を受けるのを排除するために、検査水に対して硝酸銀を添加するよう規定している。しかし、硝酸銀は検査水中の塩化物イオンと反応して水に溶解しにくい塩化銀を生成し、この塩化銀が後述する吸光度の測定に影響を与える可能性があるため、本発明では検査水の硝酸イオン濃度を調整するための硝酸塩として用いない。因みに、JIS法において硝酸銀を添加した検査水の反応時の硝酸イオン濃度は、2.8g/リットルであり、本発明での下限値よりも小さい。
検査水の硝酸イオン濃度は、検査水に対して硝酸を添加することで調整することもできるが、この場合は検査水のpHを大幅に低下させることになり、過マンガン酸カリウムの消費量が大きくなって吸光度の測定結果が不正確になる可能性がある。
但し、検査水に対し、硝酸と、硝酸と塩を形成可能なアルカリ化合物とを同時に添加することで検査水中に硝酸塩を生成させ、これによって検査水の硝酸イオン濃度を上述の所定値に設定することは可能である。この場合、硝酸による検査水のpH低下を抑えながら検査水の硝酸イオン濃度を既述の範囲に調整することができる。この際に用いられるアルカリ化合物は、通常、アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物のうちの少なくとも一つであり、検査水の塩化物イオン濃度を高めることになる塩化物以外のものである。具体的には、アルカリ金属化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどの水酸化物、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどの炭酸塩並びに炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムなどの炭酸水素塩を挙げることができる。また、アルカリ土類金属化合物としては、水酸化マグネシウムなどの水酸化物および炭酸マグネシウムなどの炭酸塩を挙げることができる。
検査水が塩化物イオンを含む場合、本工程で調製する調整検査水は、硫酸塩がさらに存在するよう設定するのが好ましい。この場合、検査水に塩化物イオンが含まれていても塩化物イオンにより後述する酸化剤(過マンガン酸カリウム)が消費されるのが抑制されるので、酸化剤の消費量が塩化物イオンの影響を受けるのを抑制することができ、JIS法で規定された既述の硝酸銀を用いずにCODの測定精度を高めることができる。
ここで用いられる硫酸塩は、水への溶解度の高いアルカリ金属やアルカリ土類金属の硫酸塩、好ましくは無水硫酸塩である。硫酸塩を形成するアルカリ金属としては、通常、リチウム、ナトリウムおよびカリウムを用いるのが好ましい。一方、硫酸塩を形成するアルカリ土類金属としては、通常、マグネシウムを用いるのが好ましい。硫酸塩としては、このようなアルカリ金属硫酸塩およびアルカリ土類金属硫酸塩のうちから一つを選択して用いてもよいし、二種以上のものを併用してもよい。
水への溶解度の高い硫酸塩としては、周期律表の第四周期の遷移金属の硫酸塩、例えば、硫酸鉄(II)、硫酸亜鉛および硫酸コバルトなどを挙げることもでき、本発明においてはこのような硫酸塩も用いることができる。また、これらの遷移金属硫酸塩は、アルカリ金属硫酸塩やアルカリ土類金属硫酸塩と併用することもできる。
なお、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の硫酸塩並びに遷移金属の硫酸塩以外の硫酸塩は、水への溶解度が低いことから低温下で析出しやすいため、CODの正確な測定を阻害する可能性があり、また、本発明の測定方法を自動化するための装置を開発した場合において、当該装置の配管等を閉塞させる可能性がある。
硫酸塩を含む調整検査水は、通常、次の二通りの方法により調製することができる。
(方法1)
検査水に硫酸塩を加えて十分に攪拌する。硫酸塩は、それ自体を検査水に対して添加してもよいし、水溶液として検査水へ添加してもよい。検査水への硫酸塩の添加は、検査水へ硫酸およびリン酸を添加して酸性にするとともに検査水に硝酸イオンを存在させた後でもよいし、その前であってもよい。
硫酸塩の添加量は、通常、検査水における硫酸塩の反応時の重量濃度が1.0%よりも大きくなるよう設定するのが好ましく、少なくとも3.0%になるよう設定するのが特に好ましい。ここで、硫酸塩の反応時の重量濃度とは、工程1において検査水に対して全ての試薬等を添加した後に存在する硫酸塩の濃度を意味し、工程1において検査水へ添加する試薬の種類と量とに基づく計算により求めることができる。検査水における硫酸塩の反応時の重量濃度が1.0%以下の場合は、検査水に含まれる塩化物イオンの影響によりCODの測定結果が真値よりも大きく異なる可能性がある。なお、検査水における硫酸塩の反応時の重量濃度の上限は、特に規制されるものではないが、10%よりも多いと、後述する工程2における酸化反応自体が阻害されてしまう可能性がある。
(方法2)
検査水に対し、硫酸と、硫酸と所定の塩を形成可能なアルカリ化合物とを添加して十分に攪拌する。これにより、検査水において所定の硫酸塩が生成し、所定の硫酸塩を含む調整検査水が得られる。
ここで用いられるアルカリ化合物は、アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物のうちの少なくとも一つであり、検査水の塩化物イオン濃度を高めることになる塩化物以外のものである。具体的には、アルカリ金属化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどの水酸化物、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどの炭酸塩並びに炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムなどの炭酸水素塩を挙げることができる。また、アルカリ土類金属化合物としては、水酸化マグネシウムなどの水酸化物および炭酸マグネシウムなどの炭酸塩を挙げることができる。
検査水に対する硫酸およびアルカリ化合物の添加量は、両者の間で形成される硫酸塩の反応時の重量濃度が検査水において1.0%より大きくなるように設定するのが好ましく、少なくとも3.0%になるよう設定するのが特に好ましい。硫酸塩の濃度が1.0%以下の場合は、検査水に含まれる塩化物イオンの影響によりCODの測定結果が真値よりも大きく異なる可能性がある。なお、検査水における硫酸塩の反応時の重量濃度の上限は、方法1の場合と同様である。
この方法による硫酸塩の調製は、検査水へ硫酸およびリン酸を添加して酸性にするとともに検査水に所定濃度の硝酸イオンを存在させた後であってもよいし、その前であってもよい。前者の場合、検査水を酸性にするための硫酸を過剰に添加し、その一部をアルカリ化合物との反応による硫酸塩の生成のために用いることができる。一方、後者の場合、硫酸を過剰に添加し、アルカリ化合物との反応による硫酸塩の生成のために用いられない硫酸を検査水を酸性にするための硫酸として利用することもできる。
次に、調製した調整検査水へ過マンガン酸カリウムを添加し、調整検査水に含まれる被酸化性物質を酸化する(工程2)。過マンガン酸カリウムの添加量は、検査水に含まれる被酸化性物質の性質にもよるが、通常、検査水に含まれると想定される被酸化性物質の約2〜5重量倍になるよう設定する。
この工程では、通常、過マンガン酸カリウムを添加した調整検査水を加熱し、過マンガン酸カリウムによる被酸化性物質の酸化分解を促進する。加熱温度は、通常、80〜100℃に設定するのが好ましい。
次に、工程2が適用された調整検査水の吸光度を測定し、その結果に基づいて工程2での過マンガン酸カリウムの消費量を測定する(工程3)。具体的には、調整検査水について、過マンガン酸カリウムによる吸収波長領域である510〜560nmの範囲での最大の吸光度(以下、「吸光度A」という)を測定する。ここで、510〜560nmの範囲での最大の吸光度は、通常、525nmにおいて観測されるため、525nmでの吸光度を吸光度Aと見なすこともできる。そして、予め設定しておいた検量線に基づいて、調整検査水に残留している過マンガン酸カリウム量を吸光度Aから求め、調整検査水の調製時に検査水へ添加した過マンガン酸カリウム量から残留している過マンガン酸カリウム量を差し引くことで工程2での過マンガン酸カリウムの消費量を求める。
この際、調整検査水に残留している過マンガン酸カリウム量を正確に測定するために、本工程では、工程2を経た調整検査水の510〜560nmの範囲での最大の吸光度から工程2を経た調整検査水において吸収ピークが観測されない波長領域における任意の波長での吸光度(「吸光度B」という)を差し引いて補正した吸光度を吸光度Aとするのが好ましい。吸光度Bとしては、通常、600〜900nmの範囲の任意の波長での吸光度を採用するのが好ましいが、660nmでの吸光度を採用するのが特に好ましい。
次に、工程3で測定された過マンガン酸カリウムの消費量に基づいて化学的酸素要求量を判定する(工程4)。ここでは、通常、予め設定しておいた検量線に基づいて、残留過マンガン酸カリウムの消費量から化学的酸素要求量を算出する。
本発明の測定方法は、工程1において検査水から所定の調整検査水を調製しているため、検査水が高濃度の有機物やベンゼン環を含む化合物を被酸化性物質として含む場合であっても、工程2において検査水が黄色く濁るのを抑えることができる。この結果、工程2を経た検査水は、工程3において、ろ過処理をせずに所要の吸光度を安定にかつ正確に測定することができるようになり、工程4でのCODの測定精度を高めることができる。したがって、本発明の測定方法は、検査水の化学的酸素要求量の測定を機器により自動化する場合に有効である。
[実験例]
以下の実験例において用いた検査水および試薬は次のとおりである。
<検査水>
検査水A
蒸留水にD(+)グルコース(和光純薬工業株式会社の試薬特級)を溶解し、グルコース濃度を25.14ミリグラム/リットル(CODが略15.0mg/リットルO相当)に調整したもの。
検査水B
蒸留水100ミリリットルにフミン酸(和光純薬工業株式会社の化学用)1gを添加し、超音波洗浄器(ヤマト科学株式会社の「BRANSON yamato 2510」)を用いて30分間処理した。次に、得られたフミン酸溶液をろ紙(アドバンテック株式会社の「No.5C」)でろ過し、さらにポアサイズが0.20μmのフイルター(アドバンテック株式会社の「ディスポーサブルフイルター DISMIC13HP020AN」)でろ過した。ろ過後の溶液のTOC(Total Organic Carbon:全有機炭素)を測定し、蒸留水で10ミリグラム/リットル[TOC]になるよう希釈したものを検査水Bとした。
ここで、TOCは、燃焼酸化法により測定した。
検査水C
蒸留水100ミリリットルにL−トリプトファン(和光純薬工業株式会社の試薬特級)1gを添加し、蒸留水で7ミリグラム/リットル[TOC]になるよう希釈したものを検査水Cとした。
<試薬等>
過マンガン酸カリウム溶液
和光純薬工業株式会社の容量分析用過マンガン酸カリウム溶液(濃度:0.005mol/リットル)。
硫酸
和光純薬工業株式会社の特級試薬。
リン酸
和光純薬工業株式会社の特級試薬。
硝酸ナトリウム
和光純薬工業株式会社の特級試薬。

JIS K 0557に規定のA4の水
<実験例I>
実験例I−1
検査水A5ミリリットルに対して硫酸100マイクロリットルを加えて攪拌した後、リン酸200マイクロリットルをさらに加えて攪拌した。この検査水に過マンガン酸カリウム溶液1ミリリットルを加えて振り混ぜ、これをドライブロックバス(アズワン株式会社の商品名「THB−2」)を用いて100℃で30分間加熱した後、室温まで水冷した。そして、このように処理された検査水を二分し、その一方をポアサイズが0.20μmのフイルター(アドバンテック株式会社の「ディスポーサブルフイルター DISMIC13HP020AN」)でろ過した。これにより、ろ過試料と非ろ過試料とを得た。
実験例I−2
検査水A5ミリリットルに対して硫酸100マイクロリットルを加えて攪拌した後、リン酸200マイクロリットルをさらに加えて攪拌した。これに硝酸ナトリウム水溶液700マイクロリットル(硝酸ナトリウム濃度:69g/リットル)をさらに添加して攪拌し、反応時の硝酸イオン濃度が5.0g/リットルの調整検査水を調製した。この調整検査水に過マンガン酸カリウム溶液1ミリリットルを加えて振り混ぜ、これをドライブロックバス(アズワン株式会社の商品名「THB−2」)を用いて100℃で30分間加熱した後、室温まで水冷した。そして、このように処理された調整検査水を二分し、その一方をポアサイズが0.20μmのフイルター(アドバンテック株式会社の「ディスポーサブルフイルター DISMIC13HP020AN」)でろ過した。これにより、ろ過試料と非ろ過試料とを得た。非ろ過試料は、本発明の工程2を経た調整検査水に該当するものである。
実験例I−3
硝酸ナトリウム水溶液700マイクロリットル(硝酸ナトリウム濃度:138g/リットル)を用いて反応時の硝酸イオン濃度が10.0g/リットルの調整検査水を調製した点を除いて実験例I−2と同様に操作した。
実験例I−4
硝酸ナトリウム水溶液700マイクロリットル(硝酸ナトリウム濃度:207g/リットル)を用いて反応時の硝酸イオン濃度が15.0g/リットルの調整検査水を調製した点を除いて実験例I−2と同様に操作した。
実験例I−5
硝酸ナトリウム水溶液700マイクロリットル(硝酸ナトリウム濃度:276g/リットル)を用いて反応時の硝酸イオン濃度が20.0g/リットルの調整検査水を調製した点を除いて実験例I−2と同様に操作した。
実験例I−6
硝酸ナトリウム水溶液700マイクロリットル(硝酸ナトリウム濃度:345g/リットル)を用いて反応時の硝酸イオン濃度が25.0g/リットルの調整検査水を調製した点を除いて実験例I−2と同様に操作した。
<実験例II>
実験例II−1
検査水Aを検査水Bに変更した点を除き、実験例I−1と同様に操作した。
実験例II−2
検査水Aを検査水Bに変更した点を除き、実験例I−2と同様に操作した。
実験例II−3
検査水Aを検査水Bに変更した点を除き、実験例I−3と同様に操作した。
実験例II−4
検査水Aを検査水Bに変更した点を除き、実験例I−4と同様に操作した。
実験例II−5
検査水Aを検査水Bに変更した点を除き、実験例I−5と同様に操作した。
実験例II−6
検査水Aを検査水Bに変更した点を除き、実験例I−6と同様に操作した。
<実験例III>
実験例III−1
検査水Aを検査水Cに変更した点を除き、実験例I−1と同様に操作した。
実験例III−2
検査水Aを検査水Cに変更した点を除き、実験例I−2と同様に操作した。
実験例III−3
検査水Aを検査水Cに変更した点を除き、実験例I−3と同様に操作した。
実験例III−4
検査水Aを検査水Cに変更した点を除き、実験例I−4と同様に操作した。
実験例III−5
検査水Aを検査水Cに変更した点を除き、実験例I−5と同様に操作した。
実験例III−6
検査水Aを検査水Cに変更した点を除き、実験例I−6と同様に操作した。
評価
実験例I−1〜実験例I−6で得られたろ過試料および非ろ過試料のそれぞれについて、分光光度計(株式会社島津製作所の「UV−1600PC」)を用いて400〜700nmの範囲の吸光度を測定した。この際、光路長が10mmのセルを使用した。ろ過試料についての測定結果を図1に示し、非ろ過試料の測定結果を図2に示す。また、ろ過試料および非ろ過試料のそれぞれについて、図1と図2とに基づいて作成した、525nmでの吸光度から660nmの吸光度を差し引いた補正吸光度と検査水における硝酸イオン濃度との関係(補正吸光度対硝酸イオン濃度関係)のグラフを図3に示す。
実験例II−1〜実験例II−6で得られたろ過試料および非ろ過試料のそれぞれについて、同様の測定結果を図4(ろ過試料)および図5(非ろ過試料)に示し、また、補正吸光度対硝酸イオン濃度関係のグラフを図6に示す。
実験例III−1〜実験例III−6で得られたろ過試料および非ろ過試料のそれぞれについて、同様の測定結果を図7(ろ過試料)および図8(非ろ過試料)に示し、また、補正吸光度対硝酸イオン濃度関係のグラフを図9に示す。
なお、図1、図4および図7では、各実験例の吸収スペクトルが近接しているため、各実験例の吸収スペクトルが重なって表示されている。
図2、5および8によると、非ろ過試料は、硝酸イオン濃度が高まるに従って黄色の変色が抑制されていること、すなわち、黄色の補色の波長範囲に当る400〜450nmの吸光度が低下していることがわかる。また、図3、6および9によると非ろ過試料の補正吸光度は、硝酸イオン濃度が高まるに従ってろ過試料の補正吸光度に近接している。以上の結果に照らすと、非ろ過試料は、硝酸イオン濃度が10g/リットル以上の場合において、黄色の濁りによる影響を受けにくく、CODの測定結果がろ過試料での測定結果と一致しやすいことがわかる。
実験例I−1〜実験例I−6で得られたろ過試料についての吸光度の測定結果を示す図。 実験例I−1〜実験例I−6で得られた非ろ過試料についての吸光度の測定結果を示す図。 実験例I−1〜実験例I−6で得られたろ過試料および非ろ過試料のそれぞれについて、525nmでの吸光度から660nmの吸光度を差し引いた補正吸光度と検査水における硝酸イオン濃度との関係を示すグラフ。 実験例II−1〜実験例II−6で得られたろ過試料についての吸光度の測定結果を示す図。 実験例II−1〜実験例II−6で得られた非ろ過試料についての吸光度の測定結果を示す図。 実験例II−1〜実験例II−6で得られたろ過試料および非ろ過試料のそれぞれについて、525nmでの吸光度から660nmの吸光度を差し引いた補正吸光度と検査水における硝酸イオン濃度との関係を示すグラフ。 実験例III−1〜実験例III−6で得られたろ過試料についての吸光度の測定結果を示す図。 実験例III−1〜実験例III−6で得られた非ろ過試料についての吸光度の測定結果を示す図。 実験例III−1〜実験例III−6で得られたろ過試料および非ろ過試料のそれぞれについて、525nmでの吸光度から660nmの吸光度を差し引いた補正吸光度と検査水における硝酸イオン濃度との関係を示すグラフ。

Claims (4)

  1. 検査水の化学的酸素要求量を測定するための方法であって、
    硫酸とリン酸との添加により前記検査水を酸性に設定するとともに、前記検査水に硝酸塩を存在させることで硝酸イオン濃度が少なくとも10g/リットルになるよう設定した調整検査水を得る工程1と、
    過マンガン酸カリウムを用いて前記調整検査水に含まれる被酸化性物質を酸化する工程2と、
    工程2を経た前記調整検査水の510〜560nmの範囲での最大の吸光度Aを測定し、この吸光度Aに基づいて工程2での前記過マンガン酸カリウムの消費量を判定する工程3と、
    工程3で測定された前記過マンガン酸カリウムの消費量に基づいて化学的酸素要求量を判定する工程4と、
    を含む化学的酸素要求量の測定方法。
  2. 前記硝酸塩が硝酸のアルカリ金属塩である、請求項1に記載の化学的酸素要求量の測定方法。
  3. 吸光度Aは、工程2を経た前記調整検査水の510〜560nmの範囲での最大の吸光度から工程2を経た前記調整検査水の600〜900nmの範囲における任意の波長の吸光度Bを差し引くことで補正したものである、請求項1または2に記載の化学的酸素要求量の測定方法。
  4. 工程1において、前記検査水にアルカリ金属硫酸塩およびアルカリ土類金属硫酸塩のうちの少なくとも一つの硫酸塩をさらに存在させ、前記調整検査水における前記硫酸塩の反応時の重量濃度が1.0%より大きくなるよう設定する、請求項1から3のいずれかに記載の化学的酸素要求量の測定方法。
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