JP7273261B2 - 銅の価数分別定量方法および銅の価数分別定量システム - Google Patents

銅の価数分別定量方法および銅の価数分別定量システム Download PDF

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Description

本発明は、銅の価数分別定量方法および銅の価数分別定量システムに関する。
例えば、銅の湿式製錬においては、その中間工程で採取される溶液(銅浸出液)に1価および2価の銅がどの程度溶存しているか、定量的に把握することが重要である。
溶存する銅の定量方法としては、ICP発光分光分析法などで代表される分光分析、電解重量法、もしくは、銅の溶存形態を高価数に誘導した後に容量法を適用するなどが考えられる。
銅の中でも2価の銅を分別して定量する方法としては、酸化処理を省いた容量法を用いたり、銅に水分子が配位したときに溶液が特徴的な呈色を示すことから吸光度法を用いたりすることがある。例えば、硫酸銅の溶液に含まれる銅を吸光度により定量する方法が開示されている(例えば、非特許文献1を参照)。
一方、溶液に含まれる1価の銅を定量する方法としては、クプロイン系化合物もしくはポルフィリン系化合物によって溶液を選択的に呈色させた後に、吸光度測定する方法が知られている(例えば、非特許文献2を参照)。
阿部暁、三朝元勝「MEMOIRS OF SHONAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY Vol.31,No.1,1997」 野間弘昭、他5名「表面技術Vol.63(2012)No.2」
しかしながら、上述した1価の銅を定量する方法では、溶液に1価の銅が多量に溶存する場合、銅の錯体が疎水性を示して凝集してしまうので、精度よく定量できないことがある。例えば、クプロイン系化合物を使用する場合、1価の銅の濃度は数mg/Lが上限と考えられ、溶液の濃度条件が限定されてしまう。そのため、定量する前に溶液を希釈する必要があり、所望の定量精度を確保しにくい。
また、1価および2価の銅を価数ごとに定量する場合、上述した方法により1価の銅を定量した後に、2価の銅を別の方法により定量する必要があり、操作が煩雑となる。そればかりか、溶液の組成によっては、測定までの間に1価の銅が酸化されて価数が変化することがあるため、銅を価数ごとに精度よく定量できないことがあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡便な操作により、溶液に含まれる銅を、幅広い濃度範囲にわたって、価数ごとに分別して定量する技術を提供することを目的とする。
溶液に溶存する銅の価数は、溶質の形態と溶媒の酸化還元雰囲気によって変動することがあり、一般に、1価の銅は酸化を受けて2価の状態で安定することが知られている。また、銅は、溶液中で様々な配位子を結合することで錯体を形成して溶存している。例えば、硫酸銅などの水可溶性銅化合物は溶液中で水分子を配位子とした錯体を形成し、塩化物を配位子とする銅化合物は、塩化物イオンや水分子の両方を配位子とした錯体を形成している。
このように、溶液中に溶存する銅は、1価または2価の形態で、水分子や塩化物イオンを配位させて錯体を形成している。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討を行ったところ、1価の銅の塩化物錯体は光を吸収しないのに対して、2価の銅の塩化物錯体は特定波長の光を吸収できることを見出した。このことから、溶液に溶存する異なる価数の銅については、それぞれ価数に応じた塩化物錯体に形成したうえで吸光光度測定を行えば、価数ごとに分別定量できることに想到した。具体的には、1価および2価の銅の塩化物錯体を含む溶液の吸光度の値と、その溶液に酸化剤を添加して、溶存する銅をすべて2価の形態とするとともに塩化物錯体とした溶液の吸光度の値とから、溶存する銅を価数ごとに分別して定量できることに想到した。
しかも、1価および2価の銅を塩化物錯体の形態で溶液中に溶存させることで、これらの溶液中での安定性を向上させて、価数の変動を抑制することができる。また、2価の銅の塩化物錯体は、禁制遷移が抑制されることでモル吸光係数が高いことから、溶液の吸光度から、溶存する銅の濃度を精度よく定量できる。
本発明は、上記知見に基づいて成されたものである。
すなわち、本発明の第1の態様は、
溶液に含まれる銅を価数ごとに分別して定量する方法であって、
1価および2価の銅を含む試料溶液から一定量を採取した分液に塩化物を添加し、かつpHを酸性範囲に調整することで、前記1価および2価の銅をそれぞれ、価数に応じた塩化物錯体に形成し、1価および2価の銅の塩化物錯体を含む第1の測定溶液を調製する第1調製工程と、
1価および2価の銅を含む試料溶液から一定量を採取した分液に塩化物および酸化剤を添加し、かつpHを酸性範囲に調整することで、前記1価の銅を2価に酸化させて前記分液に含まれる銅をすべて2価の形態とするとともに、当該2価の銅を塩化物錯体に形成し、2価の銅の塩化物錯体を含む第2の測定溶液を調製する第2調製工程と、
前記第1および第2の測定溶液の吸光度を測定する測定工程と、
前記第1の測定溶液の吸光度から前記2価の銅を定量し、前記第2の測定溶液の吸光度から前記第1の測定溶液の吸光度を引いた値から前記1価の銅を定量する分析工程と、を有する銅の価数分別定量方法が提供される。
本発明の第2の態様は、第1の態様の銅の価数分別定量方法において、
前記第1調製工程および前記第2調製工程では、各測定溶液における塩化物濃度がそれぞれ4mol/L以上となるように前記塩化物を添加する。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様の銅の価数分別定量方法において、
前記第1調製工程および前記第2調製工程では、各測定溶液におけるpHを4.0以下に調整する。
本発明の第4の態様は、第1~第3の態様のいずれかの銅の価数分別定量方法において、
前記測定工程では、前記第1の測定溶液を対照試料として、前記第2の測定溶液の吸光度を測定する。
本発明の第5の態様は、第1~第4の態様のいずれかの銅の価数分別定量方法において、
前記酸化剤は、前記1価の銅を酸化可能であって、前記2価の銅とは異なる光の吸収波長域を有する。
本発明の第6の態様は、第5の態様の銅の価数分別定量方法において、
前記酸化剤は、前記光の吸収波長域が前記2価の銅とは異なる金属を含む金属塩酸化剤である。
本発明の第7の態様は、第6の態様の銅の価数分別定量方法において、
前記金属塩酸化剤は、二クロム酸カリウムおよび塩化鉄(III)の少なくとも1つである。
本発明の第8の態様は、第1~第7の態様のいずれかの銅の価数分別定量方法において、
前記塩化物は、前記分液中で塩化物イオンを生成させる化合物であって、前記2価の銅とは異なる光の吸収波長域を有する、
本発明の第9の態様は、第8の態様の銅の価数分別定量方法において、
前記塩化物は、塩酸、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムの少なくとも1つである。
本発明の第10の態様は、
溶液に含まれる銅を価数ごとに分別して定量するシステムであって、
1価および2価の銅を含む試料溶液の分液に塩化物を添加し、かつpHを酸性範囲に調整することで、前記1価および2価の銅をそれぞれ、価数に応じた塩化物錯体に形成し、1価および2価の銅の塩化物錯体を含む第1の測定溶液を調製する第1調製部と、
1価および2価の銅を含む試料溶液の分液に塩化物および酸化剤を添加し、かつpHを酸性範囲に調整することで、前記1価の銅を2価に酸化させて前記分液に含まれる銅のすべてを2価の形態とするとともに、当該2価の銅を塩化物錯体に形成し、2価の銅の塩化物錯体を含む第2の測定溶液を調製する第2調製部と、
前記第1および第2の測定溶液の吸光度を測定する測定部と、
前記測定部の結果に基づいて、前記第1の測定溶液の吸光度から前記2価の銅を定量し、前記第2の測定溶液の吸光度から前記第1の測定溶液の吸光度を引いた値から前記1価の銅を定量する分析部と、を備える、銅の価数分別定量システムが提供される。
本発明の第11の態様は、第10の態様の銅の価数分別定量システムにおいて、
前記測定部は、前記第1の測定溶液を対照試料として、前記第2の測定溶液の吸光度を測定するように構成される。
本発明によれば、簡便な操作により、溶液に含まれる銅を、幅広い濃度範囲にわたって、価数ごとに分別して定量することができる。
図1は、本発明の一実施形態にかかる価数分別定量方法のフローチャートである。 図2は、実施例において試料溶液に溶存する2価の銅の濃度を定量する場合を説明するフローチャートである。 図3は、実施例において試料溶液に溶存する銅の総濃度を定量する場合を説明するフローチャートである。
<銅の価数分別定量方法>
以下、本発明の一実施形態にかかる銅の価数分別定量方法について説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる価数分別定量方法のフローチャートである。
(準備工程)
まず、試料溶液を準備する。試料溶液としては、異なる価数の銅が溶存する溶液であれば特に限定されず、例えば、銅の湿式製錬における中間工程で採取される銅抽出液、もしくは銅のめっき液などを用いることができる。これらの溶液は、銅を含む試料を水を含む溶媒に溶解させたものである。試料溶液では、1価および2価の銅が水分子や塩化物イオンを配位させて各種錯体を形成している。なお、試料溶液における1価および2価の銅濃度は、特に限定されない。また、溶媒に使用する水としては、銅の酸化を抑制する観点からは、溶存酸素が除去された純水を使用するとよい。
(第1調製工程)
続いて、試料溶液に溶存する1価および2価の銅のうち、2価の銅の濃度を定量するための測定溶液(第1の測定溶液)を調製する。試料溶液では、1価および2価の銅が水分子や塩化物イオンを配位させて錯体を形成しているが、1価の銅は不安定であり、酸化により2価の形態となりやすい。そこで、本実施形態では、試料溶液に含まれる溶存銅を安定させて価数を固定すべく、溶存銅を塩化物錯体に形成する。
具体的には、図1に示すように、試料溶液から一定量を採取した分液(分液1)に塩化物を添加し、かつpHを酸性範囲に調整する。つまり、試料溶液における塩化物濃度を高くしつつ、そのpHを酸性条件とする。これにより、試料溶液に溶存する、水分子が配位する銅の水錯体において、配位子を水分子から塩化物イオンに置換し、1価および2価の銅の塩化物錯体に形成することができる。具体的には、試料溶液では、1価や2価の銅は水分子が配位して[Cu(HO)や[Cu(HO)2+の形態で溶存しているが、上記の調製により、[CuCl3-や[CuCl2-の塩化物錯体の形態で溶存することになる。
塩化物錯体に形成した後、分液1を定容し、第1の測定溶液を調製する。第1の測定溶液には、1価および2価の銅の塩化物錯体が含まれている。
塩化物としては、分液中で塩化物イオンを生成させて塩化物濃度を高くするといったように、塩化物イオン源として作用する化合物であれば特に限定されない。例えば、塩酸または塩化物塩などを用いることができる。塩化物塩としては、光の吸収波長の範囲が2価の銅と重複せず、かつ1価の銅を酸化させないような金属を含む金属塩化物塩を用いることができる。金属塩化物塩の中でも、取り扱い性の観点からは、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムの少なくとも1つを用いることが好ましい。
測定溶液を調製する際、塩化物錯体をより安定的に形成する観点からは、塩化物濃度が4mol/L以上となるように、塩化物を添加することが好ましい。本発明者の検討によると、測定溶液では、その塩化物濃度によって塩化物錯体(テトラクロロ銅イオン)が水分子を配位する錯体(テトラアクア銅イオン)に変化し、それにともなって吸光度が変化してしまうことが確認された。この点、測定溶液における塩化物濃度を高くするほど、水分子を配位する錯体をより確実に塩化物錯体に保持することができるので、測定溶液の吸光度を測定するときに、そのモル吸光係数を最大化させることができる。これにより、測定溶液の吸光度と2価の銅濃度との相関性を高めて、定量精度をより向上させることができる。定量精度の向上の観点からは、塩化物濃度が4mol/L以上であることが好ましく、6mol/L以上であることがより好ましい。なお、塩化物濃度の上限値は、特に限定されないが、測定溶液の液温にて、測定溶液に含まれる金属イオンによって形成される塩化物塩などの溶解度を超えない程度である。
また、分液のpHを酸性範囲に調整するには、例えば、分液に酸性溶液を添加するとよい。酸性範囲とは、pHが7未満を示す。酸性溶液としては、pHを酸性範囲に調整できれば特に限定されないが、試料溶液における塩化物イオンの濃度も向上できることから、塩化水素を用いることが好ましい。また、pHは、酸性範囲であれば特に限定されないが、塩化物錯体をより安定に形成する観点からは4.0以下とすることが好ましい。なお、試料溶液に共存する金属種によっては、水酸化物などが形成されることがあるため、水酸化物の形成を抑制する観点からは、共存する金属種に応じて、試料溶液のpHを低く調整するとよい。また、pHの下限値は、特に限定されないが、共存する金属種の水酸化物の形成を抑制し、かつpH調整のしやすさからは、1、もしくは1未満の強酸酸性とするとよい。
なお、第1の測定溶液の調製において、塩化物および酸性溶液を添加する順序は、特に限定されない。図1に示すように塩化物、酸性溶液の順でもよく、酸性溶液、塩化物の順としてもよい。
(第2調製工程)
続いて、1価および2価の銅の合計濃度を定量するための測定溶液(第2測定溶液)を調製する。第2調製工程では、試料溶液に溶存する1価の銅を2価に酸化させて、溶存する銅をすべて2価の形態にするとともに、塩化物錯体に形成する。具体的には、図1に示すように、試料溶液から一定量を採取した分液(分液2)に塩化物および酸化剤を添加し、かつpHを酸性範囲に調整する。これにより、1価の銅を2価の形態に酸化させて、分液に溶存する銅をすべて2価の形態にするとともに、これらすべての2価の銅を塩化物錯体に形成する。
酸化剤としては、特に限定されないが、1価の銅を酸化可能であって、かつ2価の銅とは異なる光の吸収波長域を有する化合物を用いることが好ましい。このような化合物としては、例えば塩素、塩素酸、塩酸、金属塩酸化物などを用いることができる。この中でも取り扱い性の観点からは金属塩酸化物がより好ましい。金属塩酸化物としては、1価の銅を酸化可能であって、光の吸収波長域が2価の銅とは異なる金属を含む金属塩を用いることができる。具体的には、二クロム酸カリウムや塩化鉄(III)などを用いることができる。なお、酸化剤の添加量は、溶存する銅が1価の形態で残存しない範囲で適宜変更するとよい。また、塩酸は酸化剤だけでなく塩化物としても作用するので、第2調製工程では塩酸のみを使用して第2の測定溶液を調製してもよい。
塩化物やpH調整のための酸性溶液は、第1調製工程と同様のものを用いることができる。
塩化物錯体に形成した後、分液2を定容し、第2の測定溶液を調製する。第2の測定溶液には、2価の銅の塩化物錯体が含まれている。なお、塩化物や塩化物濃度、pHについては上述した第1調製工程と同様にすることができる。
なお、第2の測定溶液の調製において、塩化物、酸化剤および酸性溶液の添加順序は、酸化剤の後に酸性溶液を添加すれば特に限定されない。例えば、酸化剤および酸性溶液を添加した後に塩化物を添加するようにしてもよい。
(測定工程)
続いて、図1に示すように、調製した第1および第2の測定溶液について吸光度法により吸光度を測定する。具体的には、ブランク試料を対照試料として、第1および第2の測定溶液についてそれぞれの吸光度を測定する。吸光度法では、1価の銅は光を吸収せず、2価の銅が所定波長の光を吸収するため、吸収スペクトルにおいて、所定波長において吸光度のピークが検出され、その吸光度は2価の銅の濃度に応じた数値となる。
測定工程で照射する光の波長は、特に限定されず、2価の銅が吸収するような範囲を含む連続する波長域を選択するとよい。例えば、波長範囲を550nm~1200nmとするとよい。
(分析工程)
続いて、第1および第2の測定溶液の吸光度から、試料溶液に含まれている第1および第2の銅の濃度を定量する。具体的には、第1および第2の測定溶液の吸光度を、予め作成した2価の銅の濃度と吸光度との相関を示す検量線を照らし合わせる。第1の測定溶液の吸光度によれば、試料溶液に溶存していた銅のうち、2価の銅の濃度を求めることができる。一方、第2の測定溶液の吸光度によれば、試料溶液に溶存していた1価および2価の銅の合計濃度を定量することができる。そして、第2の測定溶液の吸光度から第1の測定溶液の吸光度を差し引いた値によれば、試料溶液に溶存していた1価の銅の濃度を求めることができる。
なお、検量線は、2価の銅の濃度が異なる複数の溶液について吸光度をそれぞれ測定し、濃度に対して吸光度の相関を求めることにより作成するとよい。例えば、銅濃度の異なる複数の硫酸銅水溶液を用いて検量線を作成するとよい。
以上により、試料溶液に含まれる第1および第2の銅を価数ごとに分別して定量することができる。本実施形態では、試料溶液に溶存する1価および2価の銅をそれぞれ塩化物錯体として安定化させて、価数の変動を抑制している。そのため、測定工程で得られる吸光度から、各価数の銅濃度を精度よく定量することができる。
しかも、溶存する銅を塩化物錯体とすることでモル吸光係数を最大化できるので、吸光度と銅濃度との相関性をより高めて定量精度をより向上させることができる。
また、1価の銅の塩化物錯体は、光を照射しても吸光しないため、吸光度法により直接定量することはできないが、本実施形態では、1価の銅を2価に酸化させた後に2価の銅を塩化物錯体とすることで、1価および2価の銅の合計濃度を求めて、この合計濃度から2価の銅の濃度を差し引くことにより、1価の銅の濃度を間接的に求めている。このように、本実施形態では、1価の銅と2価の銅を別々の測定方法により定量することなく、吸光度測定を用いて、簡便な操作により、溶存する銅を価数ごとに分別して定量することができる。
また、銅の価数ごとの濃度を吸光度から求めることができるので、試料溶液に溶存する銅の濃度は限定されず、幅広い濃度範囲にわたって定量することが可能である。例えば、銅濃度が数nmg/Lから数g/Lの範囲であっても定量することが可能である。
また、塩化物として、2価の銅とは異なる光の吸収波長域を有し、分液中で塩化物イオンを生成させる化合物を用いることが好ましい。また、酸化剤として、1価の銅を酸化可能であって、2価の銅とは異なる光の吸収波長域を有する化合物を用いることが好ましい。このような化合物を用いることにより、第1および第2の測定溶液の吸光度を測定するときに、2価の銅についての吸光度をより正確に測定することができる。
<銅の価数分別定量システム>
次に、本発明の一実施形態にかかる銅の価数分別定量システムについて説明する。
本実施形態の銅の価数分別定量システムは、例えば、銅の湿式製錬においてインラインで設けられ、中間工程で採取される溶液(銅浸出液)に溶存する1価および2価の銅の濃度を連続的に定量するシステムである。本実施形態のシステムは、採取部、第1調製部、第2調製部、測定部および分析部を備えて構成される。
採取部は、中間工程での溶液から試料溶液として一部を採取するものであり、例えば、溶液を一定量採取できるように制御されたポンプなどで構成することができる。
第1調製部は、反応槽と、採取部で採取された試料溶液の分液を反応槽に供給する試料溶液供給部と、反応槽に塩化物を供給する塩化物供給部と、試料溶液のpHを調整するpH調整部とを備えて構成されている。塩化物供給部は、反応槽に塩化物を添加するものであり、反応槽中の溶液の塩化物濃度に応じて塩化物の添加量を調節するように制御されている。例えば、溶液の塩化物濃度が4mol/L以上となるように塩化物の添加量が調節される。また、pH調整部は、反応槽中の溶液のpHが酸性範囲となるように、酸性溶液を添加する。第1調製部によれば、1価および2価の銅の塩化物錯体を含む第1の測定溶液が調製される。
第2調製部は、酸化剤を供給する酸化剤供給部をさらに備える以外は、第1調製部と同様に構成されている。酸化剤供給部は、反応槽中の溶液に溶存する1価の銅を2価の形態に酸化させるように酸化剤を供給する。第2調製部によれば、試料溶液に溶存していた銅が全て2価に酸化されるとともに塩化物錯体に形成されており、2価の銅の塩化物錯体を含む第2の測定溶液が調製される。
測定部は、対照試料を収容する対照側セルと、試験試料を収容する試験側セルと、各セルに対して所定の波長域を有する光を照射する光源部と、各セルを透過した光を検出する検出部とを備えて構成される。測定部では、例えば、試験側セルに第1の測定溶液や第2の測定溶液が収容され、対照側セルにブランク試料が収容されて、対照側セルで測定された吸光度をバックグラウンドとして、試料側セルに収容された試験試料の吸光度が測定される。
分析部は、予め作成された検量線に基づいて、測定部で得られた第1および第2の測定溶液についての吸光度から、1価および2価の銅の濃度を分別して定量するように構成されている。
本実施形態のシステムによれば、インラインにて、1価および2価の銅の塩化物錯体を含む第1の測定溶液と、2価の銅の塩化物錯体を含む第2の測定溶液とを、調製し、これらの測定溶液の吸光度から、試料溶液に溶存する銅を価数ごとに定量することが可能である。
また、本実施形態のシステムは、溶液に溶存する銅を連続的に定量することが可能であり、価数の異なる銅のそれぞれについて、濃度の経時変化をモニタリングすることができる。
<他の実施形態>
本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
上述の実施形態では、測定工程にて、ブランク試料を対照試料として、第1および第2の測定溶液の吸光度をそれぞれ測定する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明では、例えば、1価および2価の銅を含む第1の測定溶液を対照試料として、酸化により溶存銅が全て2価の銅である第2の測定溶液の吸光度を測定してもよい。得られる吸光度の数値は、1価の銅の濃度を反映することになる。この場合、1回の測定により第1および第2の銅の濃度を定量することが可能となり、測定効率を向上させることができる。
また、上述の実施形態では、銅の分別定量システムが銅の湿式製錬にてインラインで設けられる場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、銅のめっき処理において銅めっき液に溶存する銅を価数ごとに分別して定量するように、めっき処理においてインラインで設けてもよい。また、本実施形態のシステムは、インラインではなく、オフラインとして構成してもよく、連続ではなくバッチ式で定量を行うように構成してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
(実施例1)
本実施例では、サンプルとして、1価および2価の銅の濃度がそれぞれ既知の試料溶液を準備し、上述した方法により価数ごとの濃度を定量して、その定量精度を評価した。
具体的には、まず、サンプルとして、1価の銅の濃度が20.0g/L、2価の銅の濃度が10.0g/L、溶存する銅の合計濃度が30.0g/LのCuCl試料溶液を準備した。また、試料溶液の塩化物濃度を増やし、かつpHを酸性範囲に調整するための溶液として、濃塩酸に金属塩化物塩である塩化ナトリウムを溶解させて、塩化物塩溶液(HCl/NaCl溶液)を調製した。また、試料溶液に溶存する1価の銅を酸化させるための溶液として、濃塩酸に金属塩酸化剤である塩化鉄(III)を溶解させて、金属塩酸化剤溶液(Fe・HCl溶液)を調製した。
続いて、図2に示すように、試料溶液から一定量(1mL)を採取した分液に、HCl/NaCl溶液を5mL混合した後、脱酸素水(HO)を4mL添加して、定容した。これにより、1価および2価の銅が塩化物錯体として溶存する第1の測定溶液を調製した。なお、本実施例では、塩化物濃度が6mol/Lとなるように第1の測定溶液を調製した。
続いて、図3に示すように、試料溶液から一定量(1mL)を採取した分液に、HCl/NaCl溶液を5mL、Fe・HCl溶液を4mL混合し、脱酸素水で定容した。これにより、溶存する銅が2価の形態で塩化物錯体として溶存する第2の測定溶液を調製した。なお、本実施例では、3価の鉄(Fe(III))の濃度が10g/Lとなるように第2の測定溶液を調製した。
続いて、第1の測定溶液を対照試料として、第2の測定溶液の吸光度を測定した。そして、予め作成した検量線から、銅の価数ごとの濃度を算出したところ、溶存する銅の合計濃度が30.1g/L、1価の銅の濃度が20.4g/L、2価の銅の濃度が9.8g/Lであることが確認された。このことから、簡便な操作により、価数ごとの銅濃度を精度よく定量できることが確認された。

Claims (9)

  1. 溶液に含まれる銅を価数ごとに分別して定量する方法であって、
    1価および2価の銅を含む試料溶液から一定量を採取した分液に塩化物を添加し、かつpHを酸性範囲に調整することで、前記1価および2価の銅をそれぞれ、価数に応じた塩化物錯体に形成し、1価および2価の銅の塩化物錯体を含む第1の測定溶液を調製する第1調製工程と、
    1価および2価の銅を含む試料溶液から一定量を採取した分液に塩化物および酸化剤を添加し、かつpHを酸性範囲に調整することで、前記1価の銅を2価に酸化させて前記分液に含まれる銅をすべて2価の形態とするとともに、当該2価の銅を塩化物錯体に形成し、2価の銅の塩化物錯体を含む第2の測定溶液を調製する第2調製工程と、
    前記第1および第2の測定溶液の吸光度を測定する測定工程と、
    前記第1の測定溶液の吸光度から前記2価の銅を定量し、前記第2の測定溶液の吸光度から前記第1の測定溶液の吸光度を引いた値から前記1価の銅を定量する分析工程と、を有し、
    前記酸化剤は、前記1価の銅を酸化可能であって、前記2価の銅とは異なる光の吸収波長域を有し、
    前記塩化物は、前記分液中で塩化物イオンを生成させる化合物であって、前記2価の銅とは異なる光の吸収波長域を有する、
    銅の価数分別定量方法。
  2. 前記第1調製工程および前記第2調製工程では、各測定溶液における塩化物濃度がそれぞれ4mol/L以上となるように前記塩化物を添加する、
    請求項1に記載の銅の価数分別定量方法。
  3. 前記第1調製工程および前記第2調製工程では、各測定溶液におけるpHを4.0以下に調整する、
    請求項1又は2に記載の銅の価数分別定量方法。
  4. 前記測定工程では、前記第1の測定溶液を対照試料として、前記第2の測定溶液の吸光度を測定する、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の銅の価数分別定量方法。
  5. 前記酸化剤は、前記光の吸収波長域が前記2価の銅とは異なる金属を含む金属塩酸化剤である、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の銅の価数分別定量方法。
  6. 前記金属塩酸化剤は、二クロム酸カリウムおよび塩化鉄(III)の少なくとも1つである、
    請求項に記載の銅の価数分別定量方法。
  7. 前記塩化物は、塩酸、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムの少なくとも1つである、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の銅の価数分別定量方法。
  8. 溶液に含まれる銅を価数ごとに分別して定量するシステムであって、
    1価および2価の銅を含む試料溶液の分液に塩化物を添加し、かつpHを酸性範囲に調整することで、前記1価および2価の銅をそれぞれ、価数に応じた塩化物錯体に形成し、1価および2価の銅の塩化物錯体を含む第1の測定溶液を調製する第1調製部と、
    1価および2価の銅を含む試料溶液の分液に塩化物および酸化剤を添加し、かつpHを酸性範囲に調整することで、前記1価の銅を2価に酸化させて前記分液に含まれる銅のすべてを2価の形態とするとともに、当該2価の銅を塩化物錯体に形成し、2価の銅の塩化物錯体を含む第2の測定溶液を調製する第2調製部と、
    前記第1および第2の測定溶液の吸光度を測定する測定部と、
    前記測定部の結果に基づいて、前記第1の測定溶液の吸光度から前記2価の銅を定量し、前記第2の測定溶液の吸光度から前記第1の測定溶液の吸光度を引いた値から前記1価の銅を定量する分析部と、を備え、
    前記酸化剤は、前記1価の銅を酸化可能であって、前記2価の銅とは異なる光の吸収波長域を有し、
    前記塩化物は、前記分液中で塩化物イオンを生成させる化合物であって、前記2価の銅とは異なる光の吸収波長域を有する、
    銅の価数分別定量システム。
  9. 前記測定部は、前記第1の測定溶液を対照試料として、前記第2の測定溶液の吸光度を測定するように構成される、
    請求項8に記載の銅の価数分別定量システム。
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