JP2010096247A - 免震装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化された免震装置を提供する。
【解決手段】上部構造体と下部構造体との間に設けられた摩擦ダンパ及び該間に設けられ該上部構造体を免震支持するアイソレータを有する免震装置であって、前記摩擦ダンパは、前記上部構造体と前記下部構造体との間に形成され、摩擦面および該摩擦面に圧接しつつ滑動する滑動面からなる摩擦減衰力生成部と、該摩擦減衰力生成部と前記上部構造体及び前記下部構造体のうちの少なくともいずれか一方の構造体との間に設けられ、該摩擦減衰力生成部に圧接力を生じさせる弾発力を発生する皿バネと、前記上部構造体及び前記下部構造体の一方から他方へせん断力を伝達するための、前記皿バネを貫通するボルト部材と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、免震装置に関する。特に、上部構造体と下部構造体との間に設けられた摩擦ダンパ及び該間に設けられ該上部構造体を免震支持するアイソレータを有する免震装置に関する。
上部構造体と下部構造体との間に設けられた摩擦ダンパ及び該間に設けられ該上部構造体を免震支持するアイソレータを有する免震装置は既に知られている。かかる免震装置の中には、上部構造体と下部構造体との間に形成され、摩擦面および該摩擦面に圧接しつつ滑動する滑動面からなる摩擦減衰力生成部と、該摩擦減衰力生成部と上部構造体及び下部構造体のうちの少なくともいずれか一方の構造体との間に設けられ、該摩擦減衰力生成部に圧接力を生じさせる弾発力を発生する皿バネとが、摩擦ダンパに備えられているものがある。
特開平10−238164号公報
上記免震装置は大型化する傾向にあり、小型化の要請があった。また、免震装置が小型化されることにより生ずるメリット、例えば、免震装置の製作コストや製作の手間の軽減、免震装置の軽量化、免震装置の施工性の向上等、を享受したいという要請もあった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小型化された免震装置を提供することにある。
本発明の免震装置は、上部構造体と下部構造体との間に設けられた摩擦ダンパ及び該間に設けられ該上部構造体を免震支持するアイソレータを有する免震装置であって、前記摩擦ダンパは、前記上部構造体と前記下部構造体との間に形成され、摩擦面および該摩擦面に圧接しつつ滑動する滑動面からなる摩擦減衰力生成部と、該摩擦減衰力生成部と前記上部構造体及び前記下部構造体のうちの少なくともいずれか一方の構造体との間に設けられ、該摩擦減衰力生成部に圧接力を生じさせる弾発力を発生する皿バネと、前記上部構造体及び前記下部構造体の一方から他方へせん断力を伝達するための、前記皿バネを貫通するボルト部材と、を備えることを特徴とする。
このようにすれば、小型化された免震装置が提供される。
また、上記の免震装置において、前記摩擦ダンパは、前記いずれか一方の構造体と前記皿バネとの間及び前記摩擦減衰力生成部と前記皿バネとの間のうちの少なくともいずれか一方の間に設けられた、上側フランジ及び下側フランジからなるフランジとウェブとを備える開放型構台を有し、前記皿バネを貫通する前記ボルト部材は、前記フランジに連結されていることとしてもよい。
このようにすれば、免震装置の設置がより簡易なものとなる。
また、上記の免震装置において、前記摩擦ダンパは、前記皿バネとして、少なくとも二つの第一皿バネ及び第二皿バネを有し、前記ボルト部材として、少なくとも二つの第一ボルト部材及び第二ボルト部材を有し、前記開放型構台として、前記いずれか一方の構造体と前記皿バネとの間に設けられた第一H形鋼と前記摩擦減衰力生成部と前記皿バネとの間に設けられた第二H形鋼とを備え、前記第一皿バネを貫通する前記第一ボルト部材は、前記第一H形鋼のフランジ及び前記第二H形鋼のフランジに連結されており、前記第二皿バネを貫通する前記第二ボルト部材は、前記第一H形鋼及び前記第二H形鋼のウェブから見て前記第一ボルト部材とは水平方向反対側にて、前記第一H形鋼のフランジ及び前記第二H形鋼のフランジに連結されていることとしてもよい。
このようにすれば、ボルト部材(皿バネ)を摩擦ダンパに複数に分けて設ける場合であっても、ボルト部材へのアクセスが簡易に実現されることとなり、免震装置の設置がより簡易なものとなる。
本発明により、小型化された免震装置を提供することができる。
===本実施の形態に係る免震装置の構成例について===
先ず、本実施の形態に係る免震装置の構成例について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る免震装置に適用される摩擦ダンパの断面模式図を示したものである。図1の上右図には摩擦ダンパの正面図が、上左図には摩擦ダンパの側面図が、中央図には上右図のB矢視図及びC矢視図が、下図には上右図のA−A矢視図が、それぞれ表されている。
本実施の形態において、上部構造体とは、免震装置上に支持されて免震が施されるべき対象(免震対象物)であり、基礎上方に構築される構造物のみならず、当該構造物を上層部分と下層部分とに上下に分離した場合における下層部分(例えば、1階の柱頭など)に対する上層部分や、二重床構造における免震床などをも含むものである。そしてまた、下部構造体とは、免震装置の下方にあって、上部構造体に対し振動を伝播し入力する側であり、上述した基礎のみならず、上記上層部分に対する下層部分や免震床下方の床スラブなどをも含むものである。
本実施の形態は、基本的には、前記上部構造体の一例としての梁10と前記下部構造体の一例としての床12との間に設けられた摩擦ダンパ14及び該間に設けられ梁10を免震支持するアイソレータを有する免震装置であって、摩擦ダンパ14は、図1に示すように、梁10と床12との間に形成され、摩擦材16(摩擦面に相当)および該摩擦材16に圧接しつつ滑動する滑り板18(滑動面に相当)からなる摩擦減衰力生成部20と、摩擦減衰力生成部20と梁10及び床12のうちの少なくともいずれか一方の構造体(本実施の形態において、当該構造体は梁10である)との間に設けられ、摩擦減衰力生成部20に圧接力を生じさせる弾発力を発生する皿バネ22と、梁10及び床12の一方から他方へせん断力を伝達するための、皿バネ22を貫通するボルト部材(以下、単に、ボルト24という)と、を備える構成を有している。また、前記いずれか一方の構造体(梁10)と皿バネ22との間及び摩擦減衰力生成部20と皿バネ22との間のうちの少なくともいずれか一方(本実施の形態においては、双方)に設けられた開放型構台の一例としてのH形鋼(以下、単に、H鋼30という)を備え、皿バネ22を貫通するボルト24がH鋼30のフランジに連結されている構成を有している。
図示しないアイソレータの側方には、図1に示すように、床12の上面と梁10の下面との間の上下方向隙間δに摩擦ダンパ14が併設される。この摩擦ダンパ14は、主に、床12の上面に設けられたプレート状の滑り板18およびこの滑り板18上に前後左右方向へ滑動自在に配置される摩擦材16とから構成される摩擦減衰力生成部20と、摩擦減衰力生成部20(より具体的には、摩擦材16)と梁10との間に設けられた2つのH鋼30(すなわち、梁10と皿バネ22との間に設けられた第一H形鋼の一例としての上部側H鋼32と摩擦減衰力生成部20と皿バネ22との間に設けられた第二H形鋼の一例としての下部側H鋼34)と、当該2つのH鋼30の間に位置する皿バネ22、ボルト24、及び、後述するブッシュ40を有している。なお、後述する説明で明らにするが、前記摩擦材16、2つのH鋼30、皿バネ22、ボルト24、及び、ブッシュ40は一体的に構成されており、当該一体物(以下、便宜上、一体部材60とも呼ぶ)を一体的に梁10と床12との間に挿入したり当該間から取り出したりすることが可能となっている。
滑り板18はステンレス板や、その表面にステンレス板が設けられたクラッド鋼等で形成されている。またこの滑り板18の表面で滑動される摩擦材16としては、ステンレス板との摩擦係数μが小さくてほぼ一定となる素材、例えば四フッ化エチレンや超高分子量ポリエチレン(例えば、ソマライト(商品名))が用いられている。そして、この摩擦材16は、下部側H鋼34の下側フランジ34bの底面に図示しないビスなどで取り付けられている。
摩擦減衰力生成部20と梁10との間には、下部側H鋼34と上部側H鋼32が設けられているが、下部側H鋼34には、前述したとおり、摩擦材16が取り付けられ、上部側H鋼32(の上側フランジ32a)は、ボルト42を介して梁10の下面に着脱自在に取り付けられている。なお、当該上側フランジ32aと梁10との間には、当該間に生じる間隙を塞ぐための不図示のスペーサが着脱自在に設けられている。
また、上部側H鋼32と下部側H鋼34との間には、皿バネ22が双方のH鋼30により(より具体的には、上部側H鋼32の下側フランジ32bと下部側H鋼34の上側フランジ34aとにより)挟まれるように設けられている。そして、当該皿バネ22が、その弾発力により、摩擦減衰力生成部20に圧接力を生じさせるようになっている(つまり、皿バネ22が、下部側H鋼34を介して摩擦材16を押すことにより、摩擦材16を滑り板18に対して圧接させる)。
また、ボルト24が、皿バネ22を貫通するように設けられている。すなわち、皿バネ22の中心には穴部22aが設けられており、当該ボルト24は当該穴部22aを貫通している。また、皿バネ22を貫通するボルト24は、上部側H鋼32の下側フランジ32b及び下部側H鋼34の上側フランジ34aに連結されている。そして、このように設置されたボルト24は、梁10及び床12の一方から他方へせん断力を伝達する機能を発揮する。すなわち、当該ボルト24が、地震により発生する水平せん断力を負担する役割を果たす。
なお、図1においては、ボルト24の下部にナット26が取り付けられている様子が示されているが、当該摩擦ダンパ14の機能を発揮させる際(換言すれば、摩擦減衰力生成部20に圧接力を生じさせるために、皿バネ22に弾発力を発生させる際)には、当該ナット26は取り外される(または、取り外されている状態と等価な状態になるまで緩められる)必要がある。すなわち、図1は、梁10、床12間に設置されたものの、未だ、その機能が発揮できる状態となっていない摩擦ダンパ14の様子を(便宜上)表したものであり、最終的には、当該機能を発揮させるためにナット26が取り外される(又は、緩められる)こととなる。なお、摩擦ダンパ14の具体的な設置手順については、後に詳述する。
また、図1の中央図に示すように、皿バネ22(ボルト24)の径方向において、該皿バネ22とボルト24との間には、金属製のブッシュ40が設けられている。このブッシュ40は、皿バネ22の位置ずれを防止する機能を備えている。
また、本実施の形態における摩擦ダンパ14は、皿バネ22として少なくとも二つの(二以上の)皿バネを、ボルト24として少なくとも二つの(二以上の)ボルトを有している。そして、図1の上右図において左側の皿バネ22及びボルト24を第一皿バネ及び第一ボルト、右側の皿バネ22及びボルト24を第二皿バネ及び第二ボルトとしたときに、第一皿バネを貫通する第一ボルトと第二皿バネを貫通する第二ボルトは、上部側H鋼32及び下部側H鋼34のウェブ32c、34cの両側(左側と右側)に備えられている。すなわち、第一皿バネを貫通する第一ボルトは、上部側H鋼32の下側フランジ32b及び下部側H鋼34の上側フランジ34aに連結され、第二皿バネを貫通する第二ボルトは、前記ウェブ32c、34cから見て第一ボルトとは水平方向反対側にて、前記下側フランジ32b及び上側フランジ34aに連結されていることとなる。なお、図1の中央図により理解されるように、本実施の形態に係る摩擦ダンパ14は、4組の皿バネ22及びボルト24を有している。
次に、摩擦ダンパ14の設置手順の一例について説明する。
摩擦ダンパ14を設置する際には、先ず、床12の上面にプレート状の滑り板18を設置する(以上、第一ステップ)。
次に、ボルト24に対してナット26を締め込んで前記一体部材60を適切に縮めた状態で、該一体部材60を梁10の下の滑り板18上に設置する。すなわち、当該一体部材60には皿バネ22が設けられているため、ボルト24に対してナット26を締めたり緩めたりすると、当該一体部材60は上下方向において縮んだり伸びたりする(換言すれば、ナット26の締緩による皿バネ22の伸縮により、上部側H鋼32と下部側H鋼34とが近づいたり遠ざかったりして、一体部材60の上端から下端までの距離が長くなったり短くなったりする)。そこで、一体部材60を梁10、床12間に設置する際には、梁10や床12に対して十分なクリアランスを一体部材60に持たせるために(梁10や床12に一体部材60が余裕を持って干渉しないようにするために)、ナット26を締め込んで一体部材60を適切に縮めた状態で、一体部材60を滑り板18上に設置する(以上、第二ステップ)。
次に、滑り板18上に設置された一体部材60に対して、皿バネ22のたわみ量が所定のたわみ量となるように、ナット26の緩め作業を行う。すなわち、摩擦減衰力生成部20において発生する摩擦減衰力については、必要な(所望の)当該摩擦減衰力の大きさは予め定められており、この大きさから摩擦減衰力生成部20に生じさせるべき圧接力、当該圧接力を生じさせるために必要な皿バネ22の弾発力、当該弾発力を生じさせるのに必要な皿バネ22のたわみ量、を順次求めることができる。そして、当該ナット26の緩め作業においては、皿バネ22のたわみ量が、当該必要な(所望の)摩擦減衰力の大きさに対応した(大きさに基づいて求められた)たわみ量となるまで、ナット26を緩めて当該たわみ量を減少させる(以上、第三ステップ)。
次に、皿バネ22のたわみ量が所定のたわみ量となった際に、上部側H鋼32の上側フランジ32aと梁10との間に間隙が存在する場合には、当該間隙にスペーサを介装する。そして、ボルト42により、当該上側フランジ32aを、スペーサを介して梁10に固定する(このことにより、摩擦ダンパ14は、図1に示した状態となる。以上、第四ステップ)。
以上の作業により、摩擦ダンパ14の設置が終了するが、摩擦ダンパ14は、未だ、その機能が発揮できる状態となっていない。そこで、次に、摩擦ダンパ14の機能を発揮させるために、ナット26の取り外し(又は、ナット26を十分に緩めること)を行う。そして、このことにより、皿バネ22に弾発力が発生し、必要な(所望の)摩擦減衰力が摩擦減衰力生成部20において生ずることとなる(以上、第五ステップ)。
ところで、ボルト24が梁10及び床12の一方から他方へせん断力を伝達する機能を有することについては既に説明したが、当該ボルト24は、ナット26と協働することにより、もう一つの機能、すなわち、皿バネ22のたわみ量を所定量に保持する機能を備える。すなわち、前述したとおり、ボルト24は、一体部材60が梁10、床12間に設置される際に梁10や床12に対して十分なクリアランスを一体部材60に持たせるために、皿バネ22のたわみ量を所定量(大きな量)に保持する。また、ボルト24は、間隙にスペーサが介装されて上部側H鋼32が梁10に固定される際に当該作業が円滑に進むように、皿バネ22のたわみ量を所定量(必要な(所望の)摩擦減衰力の大きさに対応したたわみ量)に保持する。このように、ボルト24は、摩擦ダンパ14の設置作業中には、皿バネ22のたわみ量を所定量に保持する機能を発揮し、摩擦ダンパ14が設置されて、その機能が発揮できる状態となった際には、梁10及び床12の一方から他方へせん断力を伝達する機能を発揮することとなる。
なお、上記においては、既に存在する梁10及び床12の間に摩擦ダンパ14を挿入する設置手順について説明したが、設置手順はこれに限定されるものではない。例えば、先ず、床12を構築し、その後、前記第一ステップ及び前記第二ステップを行い、次に、梁10を構築し、その後、前記第三ステップから前記第五ステップを行うというような設定手順であってもよい。
<<<本実施の形態に係る皿バネ22の特性について>>>
上述したとおり、皿バネ22は、当該皿バネ22のたわみ量が前記所定のたわみ量(つまり、必要な(所望の)摩擦減衰力の大きさに対応したたわみ量)になっている状態で使用される必要があり、皿バネ22を当該状態で使用できるように摩擦ダンパ14が設置される。
ところで、経時変化や地震時におけるアイソレータの変形等によって床12の上面と梁10の下面との間の上下方向隙間δの寸法が変動することがある。より具体的には、免震積層ゴムなどのアイソレータが外気温の温度変化によって伸縮すること、長年にわたって構造物重量を支持し続けることに伴ってクリープ現象を生じること、地震発生時に水平方向に変形したアイソレータの沈み込み、長年の使用によって摩擦材16と滑り板18との間に生ずる摩滅、ならびにこれら摩擦材16や滑り板18自体のクリープ現象等によって、前記寸法が変動し得る。そして、このような変動が顕著に生じると、皿バネ22のたわみ量が大きく変わってしまうため、皿バネ22の弾発力(換言すれば、摩擦減衰力生成部20において生ずる圧接力)も大きく変化し、必要な(所望の)摩擦減衰力を得ることができなくなる。
このことに鑑みて、本実施の形態においては、前記所定のたわみ量が大きく変わっても、前記弾発力(前記圧接力)があまり変わらない特性を有する皿バネ22が用いられる。
図2には、本実施の形態に係る皿バネ22の荷重−変位曲線のグラフの一実測例が示されている。縦軸には皿バネ22の弾発力が示され、横軸には皿バネ22のたわみ量が示されている。当該皿バネ22では、前記所定のたわみ量(約40mm)において、荷重−変位関係が非線形となる領域Rに達している。ここで非線形領域Rとは、梁10と床12との間の上下方向隙間δの寸法の見込み変化量に対して弾発力の変動が小さい領域をいう。そして、梁10と床12との間の上下方向隙間δの寸法が10mm減少して皿バネ22のたわみ量が30mmになっても、弾発力の変動を7t程度に抑えることができる。
===本実施の形態に係る免震装置の有効性について===
上述したとおり、本実施の形態に係る免震装置は、梁10と床12との間に設けられた摩擦ダンパ14及び該間に設けられ梁10を免震支持するアイソレータを有し、摩擦ダンパ14は、梁10と床12との間に形成され、摩擦材16および該摩擦材16に圧接しつつ滑動する滑り板18からなる摩擦減衰力生成部20と、該摩擦減衰力生成部20と梁10及び床12のうちの少なくともいずれか一方の構造体との間に設けられ、摩擦減衰力生成部20に圧接力を生じさせる弾発力を発生する皿バネ22と、梁10及び床12の一方から他方へせん断力を伝達するための、皿バネ22を貫通するボルト24と、を備えている。このことにより、免震装置(摩擦ダンパ14)の小型化が可能となる。
上記につき、本実施の形態に係る免震装置(摩擦ダンパ14)と従来例に係る(すなわち、特許文献1の)免震装置(摩擦ダンパ114)とを比較しながら、図3を用いて説明する。図3は、従来例に係る免震装置に適用される摩擦ダンパの断面模式図を示したものである。
図3に示された従来例に係る摩擦ダンパ114は、本実施の形態に係る摩擦ダンパ14と同様、上部構造体110と下部構造体112との間に設けられている。また、上部構造体110と下部構造体112との間に形成され、摩擦材116および該摩擦材116に圧接しつつ滑動する滑り板118からなる摩擦減衰力生成部120と、該摩擦減衰力生成部120と上部構造体110及び下部構造体112のうちの少なくともいずれか一方の構造体(従来例において、当該構造体は上部構造体110である)との間に設けられ、摩擦減衰力生成部120に圧接力を生じさせる弾発力を発生する皿バネ122と、を備えている点についても本実施の形態と同様である。
しかしながら、従来例に係る摩擦ダンパ114には、上部構造体110及び下部構造体112の一方から他方へせん断力を伝達するための、皿バネ122を貫通するボルトは備えられていない。すなわち、従来例に係る摩擦ダンパ114には、皿バネ122を収容するための、上部筒体132及び下部筒体130からなるバネケーシング126が設けられており、図3から明らかなように、当該バネケーシング126の、皿バネ122よりも水平方向外側に位置する側部126aが、上部構造体110及び下部構造体112の一方から他方へせん断力を伝達するようになっている(つまり、バネケーシング126の側部126aが、地震により発生する水平せん断力を負担する役割を果たす)。また、ボルト142は、従来例に係る摩擦ダンパ114にも設けられており、当該ボルト142が、(摩擦ダンパ114の設置作業中に、)皿バネ22のたわみ量を所定量に保持する機能を発揮する。しかしながら、このボルト142は、皿バネ122よりも水平方向外側(前記側部126aよりもさらに水平方向外側)に設けられており、皿バネ122を貫通していない。
このように、本実施の形態に係るボルト24が有する二つの機能(せん断力伝達機能及びたわみ量保持機能)については、従来例においては、バネケーシング126の側部126a及びボルト142が当該機能を備えるが、いずれの部材も、皿バネ122よりも水平方向外側に位置している。このことに起因して、従来例に係る摩擦ダンパ114は大型化してしまっていることとなる。
これに対し、本実施の形態においては、前記二つの機能を有するボルト24を、皿バネ22を貫通するように設けている。すなわち、皿バネ22を貫通するボルト24に前記二つの機能を持たせている。このことにより、皿バネ122よりも水平方向外側に位置する前述した2つの部材(バネケーシング126の側部126a及びボルト142)を省略する(取り去る)ことが可能となり、摩擦ダンパ14(延いては、免震装置)を小型化することができる。そして、摩擦ダンパ14が小型化されることにより、摩擦ダンパ14(免震装置)の製作コストや製作の手間が軽減される。また、当該小型化により、摩擦ダンパ14(免震装置)の軽量化が実現され、摩擦ダンパ14(免震装置)の設置が簡易なものとなり、また、設置のための大掛かりな機器が必要なくなる(つまり、施工性が向上する)。
また、本実施の形態において、摩擦ダンパ14は、梁10と皿バネ22との間及び摩擦減衰力生成部20と皿バネ22との間のうちの少なくともいずれか一方(本実施の形態においては、双方)の間に設けられたH鋼30を備え、皿バネ22を貫通するボルト24がH鋼30のフランジに連結されていることとした。このように、皿バネ22を貫通するボルト24が連結される部材としてH鋼30を用いることとしたため、H鋼30に設けられた空間(つまり、上側フランジ、ウェブ、下側フランジにより囲まれた空間)を利用することにより、ボルト24へのアクセスが簡易に実現されることとなる。そのため、摩擦ダンパ14(免震装置)の設置がより簡易なものとなる(シャーレンチ等の簡単な工具さえあれば設置ができる)。
また、本実施の形態において、第一皿バネを貫通する第一ボルトは、上部側H鋼32の下側フランジ32b及び下部側H鋼34の上側フランジ34aに連結され、第二皿バネを貫通する第二ボルトは、前記ウェブ32c、34cから見て第一ボルトとは水平方向反対側にて、前記下側フランジ32b及び上側フランジ34aに連結されていることとした。そして、第一ボルト、第二ボルト、第一皿バネ、第二皿バネをこのような配置としたので、(1個当たりの)ボルト24(皿バネ22)をさらに小型化、軽量化する目的等のためにボルト24(皿バネ22)を摩擦ダンパ14に複数に分けて設ける場合であっても、ボルト24へのアクセスが簡易に実現されることとなり、摩擦ダンパ14(免震装置)の設置がより簡易なものとなる。
===その他の実施形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る免震装置を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
また、上記実施の形態においては、ウェブ32c、34cの両側(左側と右側)に備えられている皿バネ22及び当該皿バネ22を貫通するボルト24は一組ずつであったが、これに限定されるものではなく、図4に示すように、複数個ずつであってもよい。
また、上記実施の形態においては、図1の下図に示されるように、摩擦材16は一つであったが、図4に示すように、複数あってもよい。
なお、図4は、他の実施形態に係る免震装置に適用される摩擦ダンパの断面模式図を示したものである。
また、上記実施の形態においては、前記開放型構台として、H型鋼を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、C型鋼であってもよい。
本実施の形態に係る免震装置に適用される摩擦ダンパの断面模式図を示したものである。 本実施の形態に係る皿バネ22の荷重−変位曲線のグラフの一実測例を示した図である。 従来例に係る免震装置に適用される摩擦ダンパの断面模式図を示したものである。 他の実施形態に係る免震装置に適用される摩擦ダンパの断面模式図を示したものである。
符号の説明
10 梁、12 床、14 摩擦ダンパ、16 摩擦材、18 滑り板、
20 摩擦減衰力生成部、22 皿バネ、22a 穴部、
24 ボルト、26 ナット、30 H鋼、
32 上部側H鋼、32a 上側フランジ、32b 下側フランジ、32c ウェブ、
34 下部側H鋼、34a 上側フランジ、34b 下側フランジ、34c ウェブ、
40 ブッシュ、42 ボルト、60 一体部材、
110 上部構造体、112 下部構造体、114 摩擦ダンパ、116 摩擦材、
118 滑り板、120 摩擦減衰力生成部、122 皿バネ、
126 バネケーシング、126a 側部、
130 下部筒体、132 上部筒体、142 ボルト

Claims (3)

  1. 上部構造体と下部構造体との間に設けられた摩擦ダンパ及び該間に設けられ該上部構造体を免震支持するアイソレータを有する免震装置であって、
    前記摩擦ダンパは、
    前記上部構造体と前記下部構造体との間に形成され、摩擦面および該摩擦面に圧接しつつ滑動する滑動面からなる摩擦減衰力生成部と、
    該摩擦減衰力生成部と前記上部構造体及び前記下部構造体のうちの少なくともいずれか一方の構造体との間に設けられ、該摩擦減衰力生成部に圧接力を生じさせる弾発力を発生する皿バネと、
    前記上部構造体及び前記下部構造体の一方から他方へせん断力を伝達するための、前記皿バネを貫通するボルト部材と、を備えることを特徴とする免震装置。
  2. 請求項1に記載の免震装置において、
    前記摩擦ダンパは、
    前記いずれか一方の構造体と前記皿バネとの間及び前記摩擦減衰力生成部と前記皿バネとの間のうちの少なくともいずれか一方の間に設けられた、上側フランジ及び下側フランジからなるフランジとウェブとを備える開放型構台を有し、
    前記皿バネを貫通する前記ボルト部材は、前記フランジに連結されていることを特徴とする免震装置。
  3. 請求項2に記載の免震装置において、
    前記摩擦ダンパは、
    前記皿バネとして、少なくとも二つの第一皿バネ及び第二皿バネを有し、
    前記ボルト部材として、少なくとも二つの第一ボルト部材及び第二ボルト部材を有し、
    前記開放型構台として、前記いずれか一方の構造体と前記皿バネとの間に設けられた第一H形鋼と前記摩擦減衰力生成部と前記皿バネとの間に設けられた第二H形鋼とを備え、
    前記第一皿バネを貫通する前記第一ボルト部材は、前記第一H形鋼のフランジ及び前記第二H形鋼のフランジに連結されており、
    前記第二皿バネを貫通する前記第二ボルト部材は、前記第一H形鋼及び前記第二H形鋼のウェブから見て前記第一ボルト部材とは水平方向反対側にて、前記第一H形鋼のフランジ及び前記第二H形鋼のフランジに連結されていることを特徴とする免震装置。
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