JP2010095135A - 車輪振動抽出装置及び路面状態推定装置 - Google Patents

車輪振動抽出装置及び路面状態推定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010095135A
JP2010095135A JP2008267388A JP2008267388A JP2010095135A JP 2010095135 A JP2010095135 A JP 2010095135A JP 2008267388 A JP2008267388 A JP 2008267388A JP 2008267388 A JP2008267388 A JP 2008267388A JP 2010095135 A JP2010095135 A JP 2010095135A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
road surface
wheel
surface state
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008267388A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5130181B2 (ja
Inventor
Kazuya Okumura
和也 奥村
Yoshihiro Suda
義大 須田
Kimihiko Nakano
公彦 中野
Shigeyuki Yamabe
茂之 山邉
Ryuzo Hayashi
隆三 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Tokyo NUC
Toyota Motor Corp
Original Assignee
University of Tokyo NUC
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Tokyo NUC, Toyota Motor Corp filed Critical University of Tokyo NUC
Priority to JP2008267388A priority Critical patent/JP5130181B2/ja
Publication of JP2010095135A publication Critical patent/JP2010095135A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5130181B2 publication Critical patent/JP5130181B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

【課題】重なり合った観測信号から信号源ごとの信号を抽出し、またその抽出した振動信号に基づいて路面状態を精度良く推定する。
【解決手段】車両が走行する路面の状態に応じて、その車両の車輪に生じる振動を抽出する車輪振動抽出装置において、前記車両に取り付けられた複数の振動検出器と、それらの振動検出器で得られた観測信号を振動源に応じて複数に分離する振動分離手段10と、複数に分離された前記複数の観測信号から車輪の振動に基づく観測信号を特定する車輪振動特定手段11とを備えている。また、この車輪振動特定手段11で特定された観測信号と基準振動スペクトルと比較して路面状態を推定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両が走行した場合に路面の状態に応じて生じる車輪の振動を抽出する装置、およびその車輪振動に基づいて路面の状態を推定する装置に関するものである。
車両を走行させる推進力や停止させる制動力さらには旋回力は、車輪(タイヤ)と路面との間の摩擦力によって生じ、また路面の凹凸によって車両の上下振動が生じる。このように路面の状態は車両の挙動に大きく影響するから、従来、走行路面の状態を検出して車両の制御に生かすことが行われている。その路面状態の検出は、制御を行うべき車両において行う必要があり、そのため走行中の車両の挙動の変化から路面状態を検出もしくは推定している。
例えば特許文献1には、タイヤもしくはホイールに取り付けたセンサで振動を検出し、その検出した振動をスペクトル分析して振動レベルを検出し、その検出結果に基づいて路面摩擦係数を推定するように構成された装置が記載されている。なお、車両の挙動の変化を検出する装置として、特許文献2には、車体の適宜の位置に取り付けたセンサで音を取り込むとともに、取り込んだ信号を独立成分分析(ICA)によって音源ごとの信号に分離し、それらの分離した信号に基づいて音源の位置を特定することにより、異常を診断するように構成した装置が記載されている。
特開2003−182476号公報 特開2006−208075号公報
車両は、多様な可動部分を備えていてそれらの各部分が振動の発生源となったり、共振を起こす。そのため、車輪は、路面の状態に応じて振動するだけでなく、他の可動部分から伝達される起振力で振動する。したがって、特許文献1に記載されているようにタイヤもしくはホイールに取り付けられたセンサで検出された振動には、路面状態に応じた振動以外の多様な振動が含まれているから、これをスペクトル分析したのでは、路面以外の要因による振動をも含んだ分析を行うことになってしまい、路面状態もしくはその摩擦係数を正確に推定できない可能性がある。また、特許文献1に記載された構成では、センサがタイヤと共に回転することになるので、そのセンサから信号を受信するための構成が複雑になったり、その耐久性が低下したりする可能性がある。しかもタイヤごとにセンサを設けなければならないうえに、タイヤごとの個体差が検出精度に影響を及ぼし、路面摩擦係数の推定誤差が大きくなる可能性がある。なお、特許文献2に記載された装置は、音源の位置を特定するためのものであり、路面状態を検出もしくは推定することができない。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、走行に伴う車輪の振動を正確に検出することができ、またその検出した信号に基づいて路面の状態を正確に推定することのできる車輪振動抽出装置及び路面状態推定装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、車両が走行する路面の状態に応じて、その車両の車輪に生じる振動を抽出する車輪振動抽出装置において、前記車両に取り付けられた複数の振動検出器と、それらの振動検出器で得られた観測信号を振動源に応じて複数に分離する振動分離手段と、複数に分離された前記複数の観測信号から車輪の振動に基づく観測信号を特定する車輪振動特定手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載された車輪振動抽出装置を用いた路面状態推定装置であって、前記車輪振動特定手段で特定された車輪振動に基づいて前記路面の状態を推定する路面状態推定手段を更に備えていることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記振動分離手段は、前記複数の振動検出器で検出された複数の観測信号を独立成分分析して前記振動源に対応させて複数の観測信号に分離する手段を含むことを特徴とする車輪振動抽出装置または路面状態推定装置である。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記複数の振動検出器は、前記車両の車体を支えるサスペンションにおけるバネ下に配置されていることを特徴とする車輪振動抽出装置または路面状態推定装置である。
請求項5の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記車両は、前記車輪と車体とを連結するサスペンションシステムを備え、前記複数の振動検出器は、前記サスペンションシステムのいずれかの構成部材に取り付けられ、前記車輪の振動を前記振動検出器に伝達する前記サスペンションシステムの振動伝達特性と前記車輪振動特定手段によって特定された前記車輪の振動に基づく観測信号とから前記車輪の振動を算出する振動算出手段を更に備えていることを特徴とする車輪振動抽出装置または路面状態推定装置である。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記複数の振動検出器は、前記車両の非駆動輪の振動を検出する箇所に取り付けられていることを特徴とする車輪振動抽出装置または路面状態推定装置である。
請求項7の発明は、請求項1ないし6いずれかの発明において、前記車輪振動特定手段は、路面の凹凸を含む路面の情報を予め備え、その路面の情報に基づいて前記車輪の振動に基づく観測信号を特定する手段を含むことを特徴とする車輪振動抽出装置または路面状態推定装置である。
請求項8の発明は、請求項2ないし7のいずれかの発明において、前記路面状態推定手段は、路面状態に対応させて予め設定した基準周波数スペクトルを備えるとともに、前記車輪振動特定手段によって特定された車輪の振動に基づく観測信号と前記基準周波数スペクトルとを比較して路面状態を推定する手段を含むことを特徴とする路面状態推定装置である。
請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記路面の凹凸を含む路面の情報に基づいて前記基準周波数スペクトルを補正する基準値補正手段を更に備えていることを特徴とする路面状態推定装置である。
請求項10の発明は、請求項7ないし9のいずれかの発明において、前記路面状態推定手段で推定された路面の状態に基づいて前記予め備えられた路面の情報を補正する路面情報補正手段を更に備えていることを特徴とする路面状態推定装置である。
請求項11の発明は、請求項1ないし10の発明において、前記車両が制動状態にある場合に振動検出器による振動の検出と、前記振動分離手段による前記観測信号の分離と、前記車輪振動特定手段による前記車輪の振動に基づく観測信号の特定と、前記路面状態推定手段による路面の状態の推定との少なくともいずれかを禁止する禁止手段を更に備えていることを特徴とする車輪振動抽出装置または路面状態推定装置である。
請求項1の発明によれば、複数の振動検出器によって得られた観測信号を分離してそれらの分離された観測信号から車輪の信号に基づく観測信号が得られる。その振動検出器の数は複数であればよいが、好ましくは車輪や動力源などの振動発生源の数以上の振動検出器を用いる。このように複数の検出器によって得られた観測信号から車輪振動に基づく観測信号を分離するので、正確に車輪振動を特定し、あるいは検出することができる。
請求項2の発明によれば、上記のようにして得られた車輪振動に基づいて路面状態を推定するので、車輪振動が正確に検出されていることが要因となって路面状態を正確に推定することが可能になる。
請求項3の発明によれば、複数の振動検出器によって得られた観測信号の分離のために独立成分分析を行うので、車輪振動をより精度良く検出でき、また路面状態の推定精度を向上させることができる。
請求項4の発明によれば、サスペンションのバネ下の振動を検出することになるので、車輪振動をより精度良く検出でき、また路面状態の推定精度を向上させることができる。
請求項5の発明によれば、車輪の振動がサスペンションシステムによって減衰され、あるいは一部が増幅されるなどのことがあっても、このような振動の変換を生じさせるサスペンションシステムの特性を考慮して車輪の振動が算出されるから、得られる車輪の振動は、車輪から直接検出した振動に近いものとなる。すなわち、より正確に車輪の振動を求めることができる。また、検出した信号を送受信するための構成が簡素化され、さらに車輪交換の都度、振動検出器を交換するなどの不都合を未然に解消できる。
請求項6の発明によれば、振動検出器は車両における非駆動輪の振動を検出するように機能し、その非駆動輪には車両の動力源からのトルクが伝達されないので、いわゆる外乱要因が少なく、路面の状態をより良く反映した振動を検出でき、ひいては路面状態の推定精度が向上する。
請求項7の発明によれば、車輪は路面の凹凸によって振動させられるので、その凹凸を含む路面情報に基づいて車輪振動を特定することにより、車輪振動の特定の誤りを未然に防止でき、あるいは車輪振動の特定精度を向上させることができる。
請求項8の発明によれば、路面の状態に対応して基準周波数スペクトルと車輪の振動に基づく観測信号とを対比して路面状態を推定するので、路面状態の推定精度を向上させることができる。
請求項9の発明によれば、路面に関する情報はいわゆるインフラ情報などとして入手できることにより、これを利用して基準周波数スペクトルを補正するから、路面状態の推定を行うためのいわゆる基準が路面の状態をより良く反映したものとなり、それに伴って路面状態の推定精度を向上させることができる。
請求項10の発明によれば、路面状態が推定された場合、その推定の結果に基づいて、推定の基準となる路面情報が補正されるので、路面状態の推定を行うためのいわゆる基準が更新されて路面の状態をより良く反映したものとなり、その結果、路面状態の推定精度を向上させることができる。
請求項11の発明によれば、車輪に制動力が作用している場合、路面状態の推定が禁止されるので、制動に伴ういわゆる外乱を取り込んだ路面状態の推定を行うことがなく、その結果、路面状態の誤推定を防止もしくは回避することができる。
つぎにこの発明をより具体的に説明する。この発明は、車両における車輪(タイヤ)の振動を他の振動から分離して検出し、またその検出した振動に基づいて路面の状態を推定するように構成された装置であり、その車両としては、四輪の自動車がもっとも一般的であるが、これに限らず、二輪車や鉄道車両などであってもよい。
その振動を検出するための検出器(センサ)が車体の適当な位置に取り付けられている。その振動検出器は従来知られているものであってよく、加速度センサ、変位センサ、歪みゲージなどを用いることができる。この発明に係る装置では、振動検出器は、車輪に取り付けられずに、車体の適宜の位置に取り付けられている。また、振動検出器は複数個、用いられている。好ましくは振動源の数、もしくはそれ以上の数の振動検出器が用いられる。例えば、サスペンションが四輪独立懸架の場合には、車輪からの入力と車体からの入力とを分離するために一輪について二つ以上の振動検出器を設けることが好ましい。また、サスペンションが車軸式懸架の場合には、左右二つの車輪からの入力と車体からの入力とを分離するために、一つの車軸に対して三つ以上の振動検出器を設けることが好ましい。さらに、インホイールモータなどのサスペンションに振動発生源が設けられている場合には、その数に応じて振動検出器の数を多くすることが好ましい。
これらの振動検出器を取り付ける好ましい位置はサスペンションであり、特にサスペンションと車体との間に設けられているスプリングより下側のバネ下部分である。更に言えば、路面の影響を受ける車輪の振動を検出するのであるから、振動の主成分が車輪からの振動になり、エンジンからの振動や他の適宜の共振部分からの振動の成分が少ない箇所に振動検出器を取り付けることが好ましい。
図3は、自動車の非駆動輪を支えるサスペンションシステムに振動検出器を取り付けた例を示しており、ここに示すサスペンションは従来知られている構成のものであって、左右のホイールハブ1,2がトレーリングアーム3,4に取り付けられ、そのトレーリングアーム3,4はホイールハブ1,2を取り付けた部分が上下方向に回動するように車体(図示せず)に取り付けられている。また、トレーリングアーム3,4のうち前記ホイールハブ1,2を取り付けた部分に近い箇所と車体との間にショックアブソーバ5が配置され、そのショックアブソーバ5の上端部はアッパーサポート6を介して車体に連結されている。さらに、ショックアブソーバ5の外周側にコイルスプリング7が設けられている。そして、左右のトレーリングアーム3,4はアクスルビーム8によって連結されている。
そして、振動検出器の一例である加速度センサ9が、トレーリングアーム3,4のうちホイールハブ1,2に近い位置と、アクスルビーム8の中央部との三箇所に設けられている。これは、振動源が車輪(図示せず)と、車両の動力源であるエンジンと、サスペンションとの三つであることを考慮したものである。
上記のNo.1〜No.3の三つの加速度センサ9で検出された振動(観測信号)から車輪の振動信号を抽出(復元もしくは分離)し、さらにその車輪の振動信号から路面状態を推定するシステムを図1に示してある。各加速度センサ9によって得られた振動信号に基づいて独立成分分析する手段(独立成分分析手段)10が設けられている。ここで独立成分分析(ICA:Independent Component Analysis)とは、複数ある信号源からの重なり合ったデータを多点で計測し、その元となる信号を分離・抽出する信号解析方法であり、特開2006−208075号公報や特開2007−270552号公報などに記載されているように従来知られている方法である。より具体的には、独立成分分析では、信号源sj(t)と観測信号xj(t)との間に(1)式で表すことのできる関係があることが仮定される。
Figure 2010095135
ここで、Aは(2)式で表される。
Figure 2010095135
したがって、複数の信号が加減法的に混合された観測信号から、上記のA行列を推定することにより独立な成分を取り出すことができる。上記の独立成分分析手段10は、車両ごと、もしくは車輪ごとに上記のA行列を実験もしくはシミュレーションなどに基づいて予め求めておき、これをマクロコンピュータで実行するプログラムに組み込んでおくことにより構成することができる。なお、この独立成分分析手段10がこの発明の振動分離手段に相当する。
図1に示す例では、信号源が三つであることを想定しており、したがって独立成分分析により三つの振動信号(観測信号)が得られる。これらの振動信号を基準となる振動信号と比較する比較手段11が設けられている。この比較手段11は、この発明における車輪振動特定手段に相当するものであって、前記分離された振動信号から車輪の振動信号(タイヤ振動信号)12を特定するための比較を行うように構成されている。その基準となる振動信号は、実験などによって予め求められている車輪ごとの振動特徴データ(タイヤ振動特徴データ)13であり、前記比較手段11はそのタイヤ振動特徴データを読み込み、あるいは予め記憶しており、そのタイヤ振動特徴データと前記独立成分分析手段10から入力された振動信号とを比較してタイヤ振動信号を特定するように構成されている。なお、その特定の仕方は、基準データと一致することにより特定する方法と、一致しないものを排除し、残ったものを特定する方法とのいずれであってもよい。
以上述べた構成がこの発明に係る車輪振動抽出装置の具体的な一例であり、この発明に係る路面状態推定装置は上記のタイヤ振動信号12を使用して路面状態を推定するように構成されている。先ず、上記の分離されかつ特定されたタイヤ振動信号12を解析する周波数解析手段14が設けられている。この周波数解析手段14は、高速フーリエ変換(FFT)器もしくは高速フーリエ変換(FFT)を行う演算器がその例であり、より具体的にはタイヤ振動信号を周波数スペクトル解析するように構成されている。
上記のタイヤ振動信号は、車輪の振動を直接検出して得たものではなく、サスペンションを介して検出した観測信号から抽出したものであるから、サスペンションの振動特性の影響を受けたものとなっている。例えば、特定の周波数の振動が減衰していたり、あるいはサスペンションの共振により特定の周波数の振動レベルが大きくなっていたりする。そこで、このようないわゆる外乱要因による振動を補正するようになっている。その補正の一例は、車輪とサスペンションとの周波数スペクトル比15によってタイヤ振動信号の周波数スペクトルを補正するものであり、図1に示す例ではそのような補正を行う補正手段16が設けられている。
車輪とサスペンションとの周波数スペクトル比15は、車輪に与えた振動の周波数スペクトルと、その振動に起因してサスペンションで検出された振動の周波数スペクトルとの比率であり、実際の車両におけるサスペンションおよび車輪を用いて、もしくはこれと同等のモデルを用いて予め測定して求めておくことができる。そして、補正手段16は、その周波数スペクトル比15によってタイヤ振動信号の周波数スペクトルを補正するように構成されている。例えば、補正手段16は、タイヤ振動信号の周波数スペクトルに、予め用意されている周波数スペクトル比15を乗算し、あるいは除算することにより、サスペンションなどの振動の伝達経路による影響を除去もしくは低減したタイヤ振動信号を求めるように構成されている。したがって、この補正手段16がこの発明の振動算出手段に相当している。
さらに、路面状態推定手段17が設けられている。この路面状態推定手段17は、所定の振動信号に基づいて、その振動を生じさせた路面の状態(例えば凹凸の状態)を推定するように構成されている。その一例を説明すると、路面の状態と車輪に生じる振動とは相互に関係しているから、路面の状態と車輪の振動とをマップ化することが可能である。なお、車輪に生じる振動は、タイヤの弾性係数や減衰特性などによって異なるから、上記のマップは車輪ごとに設けることになる。また、車輪に生じる振動は車速もしくは車輪の回転数によって異なるから、上記のマップは車速をもパラメータとした三次元マップとしてもよい。路面状態推定手段17は、このようなマップと、前記補正手段16で補正されたタイヤ振動信号とを使用して、そのタイヤ振動信号に相当する路面状態をマップから求める。
図1に示す構成のシステムによる作用すなわちこの発明に係る装置による車輪振動の抽出および路面状態の推定の制御について次に説明する。図2はその制御例を説明するためのフローチャートであって、先ず、各加速度センサ9によって振動信号が検出される(ステップS1)。それら複数の振動信号について独立成分分析が行われ(ステップS2)、複数の振動信号が分離・抽出される。その独立成分分析は前述したとおりである。
図4は、前述した図3に示すサスペンションを備えている車両の車輪に振動を入力し、その振動を加速度センサ9で検出した信号、および独立成分分析して抽出・分離した信号の一例を示している。テストベンチに載せた車両のエンジン(図示せず)を動作させておき、その状態で測定対象として選んだ車輪もしくはその車輪が載っている箇所を打撃するなどのことによって、図4の(a)に示す波形の振動を与えると、三つの加速度センサ9によって図4の(b)に示す振動信号がそれぞれ検出される。これらの検出信号は、車輪からの振動、およびエンジンからの振動、ならびにサスペンションもしくは車体の共振による振動のそれぞれに対応した信号を含んだものである。これら三つの振動信号について独立成分分析を行うと、図4の(c)に示す三つの信号が分離・抽出される。
それら複数の分離・抽出された振動信号からタイヤ振動信号が特定される(ステップS3)。これは、前述した比較手段11によって実行される制御であり、基準となるタイヤ振動特徴データと前記複数の振動信号とを比較することにより、タイヤ振動信号が特定される。これは、基準となるデータと一致するものをタイヤ振動信号とすることにより行ってもよく、あるいは一致しない振動信号を順に排除し、残った振動信号をタイヤ振動信号とすることにより行ってもよい。
このようにして特定されたタイヤ振動信号について周波数解析が行われる(ステップS4)。これは、前述した周波数解析手段14によって行われる制御であり、ステップS3で特定されたタイヤ振動信号についてFFTなどによって周波数スペクトル解析される。このようにして得られる周波数スペクトルは、サスペンションの影響を受けたものであるから、前述した周波数スペクトル比によって補正し、タイヤ振動信号を算出する(ステップS5)。その補正もしくは算出は、前述したとおりであり、こうして求められたタイヤ振動信号に基づいて路面状態が推定される(ステップS6)。その路面状態の推定は、前述したように、予め用意したマップを利用して行うことができる。
したがってこの発明に係る車輪振動抽出装置によれば、複数の観測信号を使用して正確に車輪の振動を抽出もしくは復元することができる。特に、その抽出もしくは分離あるいは復元を独立成分分析の手法によって行うことにより、タイヤ振動を更に正確に得ることができる。また、車輪に振動検出器を取り付けずに車輪以外の複数箇所(特にバネ下の部分)の振動を検出することにより、車輪の振動信号を正確に得ることができるので、振動検出器を含む検出システムの構成を簡素化でき、さらにその耐久性を向上させることができるうえに、タイヤ交換が面倒なものとなることを回避できる。そして、その車輪振動を使用する路面状態の推定やサスペンションの振動減衰特性の制御などの各種の制御の制御精度を向上させることが可能になる。
また一方、この発明に係る路面状態推定装置によれば、上記のようにして特定されたタイヤ振動信号あるいはこれを補正した振動信号に基づいて路面状態を推定するので、路面状態をより正確に反映した振動信号を利用して路面状態を推定することになり、路面状態の推定精度を向上させることができる。
さらに、前記加速度センサ9は非駆動輪と駆動輪とのいずれの車輪の振動を検出するように構成してもよいが、好ましくは非駆動輪の振動を検出するようにそのサスペンション(特のそのバネ下部分)に取り付ける。このように構成すれば、駆動力によって車輪がスリップした場合の影響を排除できる。また、駆動系からの振動の伝達をもなくすることができ、それに伴って振動の入力源の数が少なくなり、独立成分分析を適用する上で必要とする振動検出器の数を少なくすることができる。結局、非駆動輪の振動を検出するように構成することにより、振動検出器の必要数を少なくしてコストの低廉化を図ることができるうえに、路面状態の推定精度を向上させることが可能になる。
なお、駆動輪の振動を検出せざるを得ない場合、駆動力あるいはアクセル開度(もしくは駆動要求量)が予め定めた閾値以下の場合に路面状態の推定を行うように構成する。このような構成であれば、振動を検出するべき車輪における駆動力の影響が可及的に少ない状態で路面状態を推定するので、誤った推定を防止でき、あるいは推定誤差を小さくすることができる。また、振動検出器の数を増やすことを防止もしくは抑制できる。
ところで、車輪に対する入力は、路面からの振動やエンジンからの駆動力だけでなく、ブレーキ操作した場合には制動力が入力される。その制動力は、車輪の挙動に影響を及ぼすから、車輪の振動に基づいて路面状態を検出する場合には、外乱として作用する。このような外乱のみを正確に除去することは困難であるから、路面状態の誤判定を回避するために、制動時には路面状態の推定を禁止することが好ましい。
図5にこのような禁止制御を行うように構成したシステムの例をブロック図で示してある。なお、図5に示す例は、前述した図1に示す構成の一部を変更したものであり、したがって図1に示す部分と同一の部分には図5に図1と同様の符号を付してその説明を省略する。
図5において、制動状態を検出する検出手段18が設けられている。この検出手段18は、車両に設けられているブレーキペダルが踏み込まれた場合にON状態になるブレーキスイッチ(それぞれ図示せず)の信号を利用して制動状態を検出する手段、あるいはブレーキ油圧に基づいて制動状態を検出する手段などから構成されている。そして、制動状態が検出されると検出手段18から路面状態推定手段17に禁止信号が出力され、路面状態の推定を禁止するように構成されている。なお、図5に示す構成では、前述した補正手段16は設けられておらず、周波数解析手段14で解析された周波数スペクトルに基づいて路面状態を推定するように構成されている。
図6は上記の図5に示すシステムにおける路面状態の禁止制御の一例を説明するためのフローチャートであり、ここに示す例は前述した図2に示す例を一部変更したものである。したがって、図2に示すステップと同様のステップには図2に付した符号と同様の符号を図6に付してその説明を省略する。図6において、タイヤ振動信号の周波数解析(ステップS4)と並行して、もしくはその後に制動状態の検出が実行される(ステップS41)。これは、具体的には、ブレーキスイッチ信号やブレーキ油圧など、制動操作によって変化する信号の読み込みである。そして、その読み込んだ信号に基づいて制動状態か否かが判断される(ステップS42)。
制動状態でないことによりステップS42で否定的に判断された場合には、ステップS6に進んで、周波数スペクトルを比較することによる路面状態の推定が行われる。これに対してステップS42で肯定的に判断された場合には、すなわち制動状態であることが検出された場合には、ステップS6を飛ばして、特に制御を行うことなくリターンする。したがって、制動状態では路面状態の推定が実行されないので、外乱のある状態でのタイヤ振動信号に基づく路面状態の推定が回避されるので、誤った路面状態の推定を防止することができる。
上述したようにこの発明に係る装置は、タイヤ振動信号を特定するために基準となるタイヤ振動特徴データ(この発明における基準振動スペクトルに相当する)を使用する。このタイヤ振動特徴データは、車両が走行する各地点ごとの路面についてのデータである必要があるから、車両が走行している場合にはその車両の現在時点のデータを使用することになる。そのためには、車両の現在位置をその周囲の地図情報と共に検出して出力できるナビゲーションシステムに路面の凹凸を含む道路情報ならびにその凹凸に応じた周波数の特徴データを記憶させておくことが好ましい。そして、車両の現在位置が検出されることに合わせてその現在位置についての周波数の特徴データを読み出し、これを前述した複数の振動信号と比較してタイヤ振動信号を特定する。
図7にこのような制御を行うように構成したシステムの例をブロック図で示してある。なお、図7に示す例は、前述した図1に示す構成の一部を変更したものであり、したがって図1に示す部分と同一の部分には図7に図1と同様の符号を付してその説明を省略する。
図7において、ナビゲーションシステム19は自車両の位置(走行地点)を地図情報上の位置データとして検出する走行地点検出部20を備えており、GPS(グローバルポジショニングシステム)やサインポストからの信号などによって自車両の走行地点が検出されると、その走行地点についての路面凹凸情報21が読み出される。その路面凹凸情報21には、路面の実際の凹凸の程度を示す情報だけでなく、その凹凸に起因する振動の周波数スペクトル情報も含まれている。
比較手段11はその周波数スペクトル情報を基準データとして読み込み、その基準データと独立成分分析によって分離・抽出された振動信号とを比較するように構成されている。なお、図7に示す構成では、前述した補正手段16は設けられておらず、周波数解析手段14で解析された周波数スペクトルに基づいて路面状態を推定するように構成されている。
図8は上記の図7に示すシステムによる振動抽出および路面状態の推定の制御例を説明するためのフローチャートであり、ここに示す例は前述した図2に示す例を一部変更したものである。したがって、図2に示すステップと同様のステップには図2に付した符号と同様の符号を図8に付してその説明を省略する。図8において、ステップS2における独立成分分析と並行して、もしくはその後に、ナビゲーションシステム19による走行地点の検出(ステップS21)が行われ、またその検出された走行地点についての路面凹凸情報が取得される(ステップS22)。そして、これに続くステップS3では、走行地点に関連して取得された路面凹凸情報に基づいてタイヤ振動信号が特定される。なお、図8に示す制御例では、タイヤ振動の周波数スペクトルについての補正は行わず、タイヤ振動信号の周波数解析を行った後、その解析されたタイヤ振動周波数スペクトルを使用して路面状態が推定される(ステップS6)。
したがって、図7および図8に示すように構成することにより、振動信号の特定に用いる基準となるデータが、実際の路面を正確に反映したものとなるので、振動信号の特定精度が向上する。ひいては路面状態の推定精度を向上させることができる。
なお、タイヤ振動信号を特定するための基準となるデータは、車両が走行することにより取得して記憶させることもできる。例えば、車両にカメラやレーダなどの凹凸検出器を搭載し、得られた路面の凹凸情報およびそれに合致するタイヤ振動特徴データを地図上の位置に対応させて記憶する。このようにすれば、基準となるデータを自動的に取得することができ、しかも実際に走行することにより得られたデータであることにより、実際の路面の状態をより良く反映したデータを得ることができる。
上記の路面の凹凸情報は、実際に走行した際にカメラやレーダなどで路面を検査することにより得ることができ、またナビゲーションシステムなどを介して外部から取得することができる。すなわち、路面の凹凸情報は逐次、更新可能であり、こうして更新された情報をタイヤ振動信号の特定や路面状態の推定に生かすことが好ましい。
図9は取得もしくは更新された路面情報を有効に使用するように構成した装置の一例を示すブロック図である。なお、図9に示す例は、前述した図1に示す構成の一部を変更したものであり、したがって図1に示す部分と同一の部分には図9に図1と同様の符号を付してその説明を省略する。
図9において、路面の凹凸情報を検出する検出手段22が設けられている。この検出手段22は、車両に搭載されたカメラやレーダなどで路面形状を取得するとともにそのデータから凹凸情報を求め、さらにはその凹凸情報に応じて基準周波数スペクトルを設定する構成、あるいはナビゲーションシステムによって外部から路面凹凸情報およびそれに応じた基準周波数スペクトルを取得する構成などを備えている。このような路面凹凸情報およびそれに対応した基準周波数スペクトルの取得は、走行時に限らず逐次行われるようになっており、したがって所定の走行地点の路面凹凸情報および基準周波数スペクトルが従前とは異なっていれば、路面凹凸情報および基準周波数スペクトルが更新されることになる。
比較手段11はこのようにして取得あるいは更新されたデータと、独立成分分析によって分離・抽出された複数の振動信号とを比較することにより、タイヤ振動信号を特定するように構成されている。したがって、工事や経年劣化などによって路面の凹凸状態が変化していても、振動信号を特定するための基準となるデータが常時、最新のものになっているので、複数の振動信号から誤った振動信号をタイヤ振動信号に特定することを防止もしくは抑制することができる。
一方、取得もしくは更新された路面凹凸情報に基づいて路面状態の推定のための基準振動スペクトルを補正する基準補正手段23が設けられている。これは、路面摩擦係数などの路面状態を振動スペクトルに対応させて設定してあるマップにおける振動スペクトルを補正するための手段であって、この発明における基準値補正手段に相当し、その補正は、例えば走行地点の路面凹凸の周波数スペクトルと実際に走行して得られた路面凹凸の振動スペクトルとの差を求め、その差を基準周波数スペクトルに加えることにより行うことができる。なお、その場合、車速に応じて振動スペクトルが変化するから、車速による振動スペクトルの違いも考慮して補正を行う。路面状態推定手段17は、上記のようにして補正された基準振動スペクトルを使用して路面状態を推定するように構成されている。
図10は上記の図9に示すシステムによって行う路面状態の推定制御を説明するためのフローチャートであり、ここに示す例は前述した図2に示す例を一部変更したものである。したがって、図2に示すステップと同様のステップには図2に付した符号と同様の符号を図10に付してその説明を省略する。図10において、ステップS2における独立成分分析と並行して、もしくはそれに続けて走行地点の路面凹凸情報が取得される(読み込まれる)。これは、前述した検出手段22による制御であり、その走行地点の路面凹凸情報を使用してタイヤ振動信号が特定される(ステップS3)。
また一方、ステップS4によるタイヤ振動信号の周波数解析と並行して、もしくはその後に路面状態を推定するための基準振動スペクトルが補正される(ステップS43)。この制御は前述した基準補正手段23で実行される補正であり、新たに得られた路面凹凸情報に基づいて基準振動スペクトルが補正される。その後、補正された基準振動スペクトルと、タイヤ振動信号の周波数スペクトルとを比較することにより、路面状態が推定される(ステップS6)。
したがって図9および図10に示すように構成することにより、基準振動スペクトルを最新のものとして路面状態を推定することになるので、路面状態を正確に推定することが可能になり、あるいは誤推定を防止もしくは抑制することができる。
ところで、路面の凹凸状態は補修工事や劣化などによって変化するが、路面状態の推定のための基準振動スペクトルを定期的に更新するように構成している場合には、実際の路面の凹凸状態と基準振動スペクトルとが合致しない場合が生じる。実際に走行して路面凹凸情報が得られた場合、これもって基準振動スペクトルを更新するようにすれば、実際の路面凹凸状態と基準振動スペクトルとの乖離を防止もしくは抑制することができる。その場合、走行して得られた路面凹凸情報が実際の路面の凹凸状態を反映していることを確認する。
図11はそのように路面凹凸情報を修正(もしくは更新)するように構成したシステムの例を示している。なお、図11に示す例は、前述した図1に示す構成の一部を変更したものであり、したがって図1に示す部分と同一の部分には図11に図1と同様の符号を付してその説明を省略する。
図11において、ナビゲーションシステム19が設けられており、このナビゲーションシステム19は自車両の現在の走行地点を検出する走行地点検出部20を備えるとともに、検出された走行地点についての路面凹凸情報21を読み出すように構成されている。これは、前述した図7に示すシステムにおける構成と同様である。
さらに、ナビゲーションシステム19による路面凹凸情報を修正する路面凹凸情報修正手段24を備えている。これは、この発明における路面情報補正手段に相当し、ナビゲーションシステム19で設定される路面凹凸情報が実際に走行して得られた路面凹凸情報と異なっている場合に、路面状態の推定のための基準振動スペクトルを決定する路面凹凸情報を、実際に走行して得られた情報で修正するように構成されている。例えば、路面凹凸情報は周波数スペクトルで表され、ナビゲーションシステム19で設定される路面凹凸情報の周波数スペクトルと、周波数解析手段14で得られた周波数スペクトルとを比較して相違がある場合、その偏差によってナビゲーションシステム19における路面凹凸情報の周波数スペクトルを修正するように構成されている。
なお、このような路面凹凸情報の相違が一時的な要因で発生する可能性がある。例えば路面が雪や雨あるいは凍結によって変化している場合があり、また落下物や臨時の路面補修工事などによって路面の状態が変化している場合がある。このような路面状態の変化は一時的なものであって、次回走行する際には路面の状態が元の状態に復帰している可能性が高く、したがってナビゲーションシステム19で設定する路面凹凸情報を補正する必要性が低い。そこで、一時的要因の有無を検出し、その検出結果に基づいて路面凹凸情報の補正の実行・不実行を決定するように構成されている。
図11に示すシステムでは、その一時的要因の検出手段として、気象情報検出手段25が設けられている。この気象情報検出手段25は、人工衛星を経由して送られる情報、サインポストなどを介して基地局から送られる情報、さらには車両間通信で送られる情報などによって、走行地点もしくはその近隣の走行予定路での降雨や降雪、その時間、気温などを検出し、路面状態に変更を来す状況が生じているか否かを判定し、その判定結果を路面凹凸情報修正手段24に出力するように構成されている。
また、路面状態推定のための基準振動スペクトルを修正する基準補正手段23が設けられている。この基準補正手段23は、周波数解析手段14で得られた振動スペクトルすなわちタイヤ振動信号の周波数スペクトルと比較して路面状態を推定する基準となる周波数スペクトルを必要に応じて補正し、かつその基準周波数スペクトルを路面状態推定手段17に出力するものであり、その補正を上記の路面凹凸情報修正手段24から得られる路面凹凸情報に基づいて行うように構成されている。言い換えれば、この基準補正手段23は、前述した図9に示す基準補正手段23とほぼ同様に構成されている。
図12は上記の図11に示すシステムによって行う路面状態の推定制御を説明するためのフローチャートであって、ここに示す例は前述した図2に示す例を一部変更したものである。したがって、図2に示すステップと同様のステップには図2に付した符号と同様の符号を図12に付してその説明を省略する。図12において、ステップS4によるタイヤ振動信号の周波数解析と並行して、もしくはその後に自車両の現在の走行地点がナビゲーションシステム19によって検出される(ステップS401)。また、その検出された走行地点の路面凹凸情報が取得される(ステップS402)。これは、ナビゲーションシステム19に予め記憶させてある情報もしくは基地局などから送られた情報である。
一方、上記のよう制御に相前後して気象情報が取得される(ステップS403)。その制御は、前述した気象情報検出手段25によって実行され、その内容は前述したとおりである。ついで、その取得された気象情報に基づいて路面が乾燥状態か否かが判断される(ステップS404)。このステップS404で肯定的判断された場合には、降雨や降雪などの路面状態を一時的に変化させる要因が生じていないことになるので、路面凹凸情報の修正のための制御に入る。
すなわち、前述した独立成分分析を経て得られたタイヤ振動の周波数スペクトルに路面凹凸情報と同じ周波数成分があるか否かが判断される(ステップS405)。このステップS405で否定的に判断された場合には、既に設定されている路面凹凸情報と実際の路面について検出された凹凸情報とに齟齬があることになり、したがってこの場合は、ナビゲーションシステム19などによって取得されている路面凹凸情報が修正される(ステップS406)。その修正の典型的な例は、実際に走行して得られた路面凹凸情報に置き換える修正である。
このようにして得られた路面凹凸情報により基準振動スペクトルが補正される(ステップS407)。これは、図11に示す基準補正手段23で実行される制御であり、その内容は前述したとおりである。ついで、前述したステップS6の制御すなわち補正された基準振動スペクトルに基づく路面状態の推定が行われる。
一方、ステップS405で肯定的に判断された場合、既に設定されている路面凹凸情報と実際に走行して得られた路面凹凸情報とに特に齟齬がないことになるので、直ちにステップS407に進む。この場合、路面凹凸情報によって基準振動スペクトルを補正するとしても、その元となる路面凹凸情報が従前とは変わっていないので、実質的には補正は行われない。
また、前述したステップS404で否定的に判断された場合には、路面凹凸情報の修正が禁止される。すなわち、路面が降雨で濡れていたり、あるいは積雪もしくは凍結などの一時的な路面状態の変化要因があることによりステップS404で否定的に判断された場合には、直ちにステップS407に進む。この場合もその元となる路面凹凸情報が従前とは変わっていないので、補正は行われない。したがって、ステップS404で否定的に判断された場合に路面凹凸情報の修正を禁止させる機能的手段がこの発明における禁止手段に相当している。
したがって図11および図12に示すように構成することにより、基準振動スペクトルを最新のものとして路面状態を推定することになるので、路面状態を正確に推定することが可能になり、またその基準振動スペクトルを修正するとしても、降雨などの一時的要因による路面状態の変化によっては修正しないので、誤推定を防止もしくは抑制することができる。
なお、この発明における振動信号(観測信号)の分離は、前述した独立成分分析によって行うことが好ましいが、信号源ごとの観測信号に分離し得るものであればよく、独立成分分析に限定されない。また、この発明において推定される路面状態は、路面摩擦係数がその主たるものであるが、これに限られない。さらに、この発明は、前述した図1および図2に示す例において、車輪とサスペンションとの周波数スペクトル比15によってタイヤ振動信号の周波数スペクトルを補正する補正手段16を設けずに、周波数解析手段14で求めたタイヤ振動スペクトルに基づいて直ちに路面状態を推定するように構成してもよい。
この発明に係る装置の一例を機能的な手段で示すブロック図である。 図1に示す装置による振動信号の抽出および路面状態の推定の制御例を説明するためのフローチャートである。 振動検出器の取り付け位置を説明するための図である。 入力信号、検出信号、分離した信号の一例をそれぞれ示す線図である。 この発明に係る装置の他の例を機能的な手段で示すブロック図である。 図5に示す装置による振動信号の抽出および路面状態の推定の制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明に係る装置の他の例を機能的な手段で示すブロック図である。 図7に示す装置による振動信号の抽出および路面状態の推定の制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明に係る装置の更に他の例を機能的な手段で示すブロック図である。 図9に示す装置による振動信号の抽出および路面状態の推定の制御例を説明するためのフローチャートである。 この発明に係る装置のまた更に他の例を機能的な手段で示すブロック図である。 図11に示す装置による振動信号の抽出および路面状態の推定の制御例を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1,2…ホイールハブ、 3,4…トレーリングアーム、 5…ショックアブソーバ、 7…コイルスプリング、 8…アクスルビーム、 9…加速度センサ、 10…独立成分分析手段、 11…比較手段、 12…タイヤ振動信号、 13…タイヤ振動特徴データ、 14…周波数解析手段、 15…周波数スペクトル比、 16…補正手段、 17…路面状態推定手段、 18…検出手段、 19…ナビゲーションシステム、 20…走行地点検出部、 21…路面凹凸情報、 22…検出手段、 23…基準補正手段、 24…路面凹凸情報修正手段、 25…気象情報検出手段。

Claims (11)

  1. 車両が走行する路面の状態に応じて、その車両の車輪に生じる振動を抽出する車輪振動抽出装置において、
    前記車両に取り付けられた複数の振動検出器と、
    それらの振動検出器で得られた観測信号を振動源に応じて複数に分離する振動分離手段と、
    複数に分離された前記複数の観測信号から車輪の振動に基づく観測信号を特定する車輪振動特定手段と
    を備えていることを特徴とする車輪振動抽出装置。
  2. 前記車輪振動特定手段で特定された車輪振動に基づいて前記路面の状態を推定する路面状態推定手段を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載された車輪振動抽出装置を用いた路面状態推定装置。
  3. 前記振動分離手段は、前記複数の振動検出器で検出された複数の観測信号を独立成分分析して前記振動源に対応させて複数の観測信号に分離する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の車輪振動抽出装置または請求項2に記載の路面状態推定装置。
  4. 前記複数の振動検出器は、前記車両の車体を支えるサスペンションにおけるバネ下に配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車輪振動抽出装置または請求項2または3に記載の路面状態推定装置。
  5. 前記車両は、前記車輪と車体とを連結するサスペンションシステムを備え、
    前記複数の振動検出器は、前記サスペンションシステムのいずれかの構成部材に取り付けられ、
    前記車輪の振動を前記振動検出器に伝達する前記サスペンションシステムの振動伝達特性と前記車輪振動特定手段によって特定された前記車輪の振動に基づく観測信号とから前記車輪の振動を算出する振動算出手段を更に備えている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車輪振動抽出装置または請求項2ないし3のいずれかに記載の路面状態推定装置。
  6. 前記複数の振動検出器は、前記車両の非駆動輪の振動を検出する箇所に取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の車輪振動抽出装置または請求項2ないし5のいずれかに記載の路面状態推定装置。
  7. 前記車輪振動特定手段は、路面の凹凸を含む路面の情報を予め備え、その路面の情報に基づいて前記車輪の振動に基づく観測信号を特定する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の車輪振動抽出装置または請求項2ないし6のいずれかに記載の路面状態推定装置。
  8. 前記路面状態推定手段は、路面状態に対応させて予め設定した基準周波数スペクトルを備えるとともに、前記車輪振動特定手段によって特定された車輪の振動に基づく観測信号と前記基準周波数スペクトルとを比較して路面状態を推定する手段を含むことを特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載の路面状態推定装置。
  9. 前記路面の凹凸を含む路面の情報に基づいて前記基準周波数スペクトルを補正する基準値補正手段を更に備えていることを特徴とする請求項8に記載の路面状態推定装置。
  10. 前記路面状態推定手段で推定された路面の状態に基づいて前記予め備えられた路面の情報を補正する路面情報補正手段を更に備えていることを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の路面状態推定装置。
  11. 前記車両が制動状態にある場合に振動検出器による振動の検出と、前記振動分離手段による前記観測信号の分離と、前記車輪振動特定手段による前記車輪の振動に基づく観測信号の特定と、前記路面状態推定手段による路面の状態の推定との少なくともいずれかを禁止する禁止手段を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の車輪振動抽出装置または請求項2ないし10のいずれかに記載の路面状態推定装置。
JP2008267388A 2008-10-16 2008-10-16 車輪振動抽出装置及び路面状態推定装置 Active JP5130181B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008267388A JP5130181B2 (ja) 2008-10-16 2008-10-16 車輪振動抽出装置及び路面状態推定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008267388A JP5130181B2 (ja) 2008-10-16 2008-10-16 車輪振動抽出装置及び路面状態推定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010095135A true JP2010095135A (ja) 2010-04-30
JP5130181B2 JP5130181B2 (ja) 2013-01-30

Family

ID=42257121

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008267388A Active JP5130181B2 (ja) 2008-10-16 2008-10-16 車輪振動抽出装置及び路面状態推定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5130181B2 (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101342771B1 (ko) 2012-10-05 2013-12-19 경북대학교 산학협력단 노면상태 감지 장치
WO2014050388A1 (ja) * 2012-09-26 2014-04-03 アイシン精機株式会社 車両運転支援装置
JP2014098692A (ja) * 2012-10-15 2014-05-29 Koichi Yagi 走行路欠陥有無検査方法
WO2014115259A1 (ja) * 2013-01-23 2014-07-31 トヨタ自動車株式会社 車両の振動解析方法及び振動解析装置
CN108830325A (zh) * 2018-06-20 2018-11-16 哈尔滨工业大学 一种基于学习的振动信息地形分类识别方法
CN109552334A (zh) * 2017-09-22 2019-04-02 株式会社斯巴鲁 传递量控制装置
WO2019088024A1 (ja) * 2017-10-30 2019-05-09 株式会社デンソー 路面状態判別装置およびそれを備えたタイヤシステム
JP2019081531A (ja) * 2017-10-30 2019-05-30 株式会社デンソー 路面状態判別装置およびそれを備えたタイヤシステム
KR20190128290A (ko) * 2018-05-08 2019-11-18 현대자동차주식회사 노면 정보를 이용한 차량의 전자제어 서스펜션 제어시스템 및 그를 이용한 제어방법
JP2021056114A (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 Toyo Tire株式会社 車両走行条件評価方法及びシステム
WO2021079835A1 (ja) * 2019-10-24 2021-04-29 ナブテスコ株式会社 電動車両、その制御方法、及びその制御プログラム
JP2022532100A (ja) * 2019-05-07 2022-07-13 ブリヂストン ヨーロッパ エヌブイ/エスエイ 道路舗装の凹凸を認識する方法及びシステム
WO2023153434A1 (ja) * 2022-02-10 2023-08-17 本田技研工業株式会社 路面評価装置
JP7400504B2 (ja) 2020-01-30 2023-12-19 株式会社デンソー 異常検知装置、異常検知方法及びプログラム

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03123826A (ja) * 1989-09-30 1991-05-27 F Heinrich Lehn 走行運転中に自動車の車輪システムの振動を監視する方法及び装置
WO2001098123A1 (en) * 2000-06-23 2001-12-27 Kabushiki Kaisha Bridgestone Method for estimating vehicular running state, vehicular running state estimating device, vehicle control device, and tire wheel
JP2003182553A (ja) * 2001-12-21 2003-07-03 Bridgestone Corp 路面状態推定方法とその装置、及び、abs制動制御方法とその装置
JP2005284519A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Koyo Seiko Co Ltd 異常診断装置
JP2006131137A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Denso Corp 車両用信号処理装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03123826A (ja) * 1989-09-30 1991-05-27 F Heinrich Lehn 走行運転中に自動車の車輪システムの振動を監視する方法及び装置
WO2001098123A1 (en) * 2000-06-23 2001-12-27 Kabushiki Kaisha Bridgestone Method for estimating vehicular running state, vehicular running state estimating device, vehicle control device, and tire wheel
JP2003182553A (ja) * 2001-12-21 2003-07-03 Bridgestone Corp 路面状態推定方法とその装置、及び、abs制動制御方法とその装置
JP2005284519A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Koyo Seiko Co Ltd 異常診断装置
JP2006131137A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Denso Corp 車両用信号処理装置

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014050388A1 (ja) * 2012-09-26 2014-04-03 アイシン精機株式会社 車両運転支援装置
JP2014067299A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Aisin Seiki Co Ltd 車両運転支援装置
CN104661901A (zh) * 2012-09-26 2015-05-27 爱信精机株式会社 车辆驾驶支援装置
US9868396B2 (en) 2012-09-26 2018-01-16 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Vehicle-drive assisting apparatus
KR101342771B1 (ko) 2012-10-05 2013-12-19 경북대학교 산학협력단 노면상태 감지 장치
JP2014098692A (ja) * 2012-10-15 2014-05-29 Koichi Yagi 走行路欠陥有無検査方法
WO2014115259A1 (ja) * 2013-01-23 2014-07-31 トヨタ自動車株式会社 車両の振動解析方法及び振動解析装置
CN109552334A (zh) * 2017-09-22 2019-04-02 株式会社斯巴鲁 传递量控制装置
JP2019081531A (ja) * 2017-10-30 2019-05-30 株式会社デンソー 路面状態判別装置およびそれを備えたタイヤシステム
WO2019088024A1 (ja) * 2017-10-30 2019-05-09 株式会社デンソー 路面状態判別装置およびそれを備えたタイヤシステム
KR20190128290A (ko) * 2018-05-08 2019-11-18 현대자동차주식회사 노면 정보를 이용한 차량의 전자제어 서스펜션 제어시스템 및 그를 이용한 제어방법
KR102537873B1 (ko) 2018-05-08 2023-05-30 현대자동차주식회사 노면 정보를 이용한 차량의 전자제어 서스펜션 제어시스템 및 그를 이용한 제어방법
CN108830325A (zh) * 2018-06-20 2018-11-16 哈尔滨工业大学 一种基于学习的振动信息地形分类识别方法
AU2020268954B2 (en) * 2019-05-07 2023-05-18 Bridgestone Europe Nv/Sa Method and system for the recognition of the irregularities of a road pavement
JP7309915B2 (ja) 2019-05-07 2023-07-18 ブリヂストン ヨーロッパ エヌブイ/エスエイ 道路舗装の凹凸を認識する方法及びシステム
JP2022532100A (ja) * 2019-05-07 2022-07-13 ブリヂストン ヨーロッパ エヌブイ/エスエイ 道路舗装の凹凸を認識する方法及びシステム
JP2021056114A (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 Toyo Tire株式会社 車両走行条件評価方法及びシステム
JP7306943B2 (ja) 2019-09-30 2023-07-11 Toyo Tire株式会社 車両走行条件評価方法及びシステム
CN114466637A (zh) * 2019-10-24 2022-05-10 纳博特斯克有限公司 电动车辆、电动车辆的控制方法以及电动车辆的控制程序
WO2021079835A1 (ja) * 2019-10-24 2021-04-29 ナブテスコ株式会社 電動車両、その制御方法、及びその制御プログラム
JP7400504B2 (ja) 2020-01-30 2023-12-19 株式会社デンソー 異常検知装置、異常検知方法及びプログラム
WO2023153434A1 (ja) * 2022-02-10 2023-08-17 本田技研工業株式会社 路面評価装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5130181B2 (ja) 2013-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5130181B2 (ja) 車輪振動抽出装置及び路面状態推定装置
JP6558266B2 (ja) 車両用危険回避装置
CN110395258B (zh) 路面状态推断装置以及路面状态推断方法
JP7172619B2 (ja) 路面状態推定装置及び路面状態推定方法
JP2022521836A (ja) 車両タイヤ性能モデリング及びフィードバックのためのシステム及び方法
JP4582192B2 (ja) 車両故障解析システム、車両故障解析装置、車両故障解析方法
US8515703B2 (en) Method for calibrating a wheel speed detection system
US20220274599A1 (en) Method and System for the Recognition of the Irregularities of a Road Pavement
US20070084276A1 (en) Method and apparatus for evaluating a cornering stability of a wheel
WO2021004403A1 (en) Road type recognition
JP5267203B2 (ja) 運転状態判定装置及び運転状態判定方法
CN106061761A (zh) 路面状态估计方法
CN102381312B (zh) 用于分析车辆的底盘的状态的方法以及装置
JP6815406B2 (ja) 速度算出装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体
CN110709686B (zh) 用于自动化车辆的轮胎磨损检测系统
CN110550041B (zh) 一种基于云端数据共享的路面附着系数估计方法
CN113795415A (zh) 用于识别道路路面的凹凸的方法和系统
JP2022100865A (ja) タイヤの摩耗状態の推定装置
JP2008007026A (ja) 空気圧低下検出装置、空気圧低下検出プログラムおよび空気圧低下検出方法
US20230358559A1 (en) Road surface evaluation apparatus and road surface evaluation method
WO2022176314A1 (ja) 加速度監視装置、加速度監視方法およびプログラム
US20230202501A1 (en) Road surface evaluation apparatus
JP7388000B2 (ja) 路面摩擦係数予測システム
JP7273943B1 (ja) 路面評価装置
JP7456749B2 (ja) 摩耗量推定システムおよび演算モデル生成システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120703

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121016

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121105

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5130181

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151109

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250