JP2010094927A - 紫外線硬化型インキ用印刷機ブランケットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブランケットの表面層を多塩基性有機酸とポリオールとから成るポリエステル系ポリオールとジイソシアネートによって合成されたポリウレタンゴムによって構成する。多塩基性有機酸にはコハク酸を主成分として使用し、ポリオールにはエチレングリコールを主成分として使用し、ジイソシアネートには4−4’ジフェニルメタンジイソシアネートを主成分として使用する。コハク酸にはアジピン酸を併用することが出来、エチレングリコールにはプロピレングリコールを併用することが出来る。ポリウレタンゴムにはイオン性界面活性剤系帯電防止剤を配合するとよい。
【選択図】なし
Description
そのエラストマーには、印刷インキに含まれる有機溶剤に対する耐用性の点で、耐油性に優れたアクリロニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴム(UR)、シリコーンゴム(SiR)、ポリエビクロルヒドリンゴム(CHR)、エピクロルヒドリン・エチレンオキシド共重合ゴム(CHC)等が使用されている(例えば、特許文献1と2参照)。
又、ブランケット表面への感光性モノマーの拡散が起きないことからブランケットの表面強度が維持され、従って、ブランケット表面の平滑性も維持され、インキのブランケット表面への着肉性が損なわれることもない。
そして又、一般油性インキに触れても膨潤することがなく、UVインキ以外の一般油性インキやハイブリットインキにも使用することが出来、インキ中のモノマーやUVインキ洗浄液中の溶剤成分のブランケットへの浸透がないことからUVインキと油性インキおよびハイブリットインキの何れのインキを使用するときでも印刷後には洗浄し易く、ブランケットに浸透したモノマーや溶剤成分の残留成分によって新たに使用するインキの速乾性が損なわれることもない紫外線硬化型インキ用印刷機ブランケットが得られる。
更に又、UVインキを使用する印刷機では、紫外線によるブランケットの劣化を避けるために印刷機(ブランケット)の周囲を紫外線遮蔽カバーで囲むことになるが、その際、NBR系ブランケットでは遮蔽カバーの隙間からの漏光によって劣化するとしても、本発明のブランケットでは、そのような不具合は生じない。
加えて、本発明のブランケットは、紫外線から副次的に発生するオゾンに対しても、NBR系ブランケットに比して優れた耐久性を示す点でも効果的である。
しかし、2重結合を有する2塩基性有機酸、例えばマレイン酸を用いると、ポリウレタンゴムの化学的性質が不安定になり、変色等の問題が生じる。
又、ベンゼン環を有する2塩基性有機酸、例えばフタル酸を用いると、ポリウレタンゴムの硬度が高くなり過ぎる。
従って、2重結合を有する2塩基性有機酸やベンゼン環を有する2塩基性有機酸は、本発明には不向きである。
その中でも好ましい2塩基性有機酸は、低分子量のコハク酸である。
その場合、好ましい低分子量の2塩基性有機酸はコハク酸であり、好ましい高分子量の2塩基性有機酸はアジピン酸であり、それらの混用率は、コハク酸80重量部に対しアジピン酸20重量部未満とする。
ブランケット(ポリウレタンゴム)の硬度調整のためには、2種類以上のジオールを併用するとよい。
しかし、トリメチロールプロパンやグリセリン等のトリオール、ヘキサオール等の水酸基の多いものを併用するとブランケット(ポリウレタンゴム)の硬度が非常に高くなる。
又、1・4・ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の極性が高くないものを多量に使用すると、耐溶剤性・耐モノマー性の点で好結果は得られない。
ブランケットのポリウレタンゴムのゴム硬度は、JIS−K−6253に従って測定され、その測定値は「度(°)」を単位として表示される。
本発明では、紫外線硬化型インキ印刷用ブランケットのゴム硬度の目標値を硬度60〜70°にしている。
ブランケットのポリウレタンゴムの耐溶剤性・耐モノマー性は、JIS−K−6258に従って測定され、その測定値は「重量%(wt%)」を単位として表示される。
本発明では、UVインキやUVインキ用洗浄溶剤に対するブランケットの適性を調べる方法を簡便に行うために、芳香族系溶剤としてトルエンを使用し、トルエンに対する24時間後の重量変化率(トルエン重量変化率(重量%・wt%)として耐溶剤性・耐モノマー性を表示することにしている。
トルエンに対する24時間後の重量変化率(トルエン重量変化率)が15wt%以上であると、UVインキに対して影響があり、反面、ブランケット自体の膨潤が大きく、実用には適さないことが経験上判明している。
そこで、本発明では、ブランケットのポリウレタンゴムのトルエン重量変化率の目標値を15wt%、好ましくは10wt%以下にする。
ブランケットのポリウレタンゴムの引張強度は、JIS−K−6251に従って測定され、その測定値は「MPa」を単位として表示される。
ブランケットのポリウレタンゴムの引裂強度は、JIS−K−6252に従って測定され、その測定値は「N/mm」を単位として表示される。
ブランケットのポリウレタンゴムの電気抵抗値は、JIS−K−6911に従って測定され、その測定値(電気抵抗値)は「Ω」を単位として表示される。
本発明では、帯電防止剤を添加した水無しUVインキ印刷用ブランケットの電気抵抗値の目標値を109 Ω以下にしている。
(2) エチレングリコールをポリオールの主成分とし、ジイソシアネートとしてイソシアネート基(NCO)と水酸基(OH)との比が1対1(NCO/OH=1)の4−4’ジフェニルメタンジイソシアネートを使用し、多塩基性有機酸の主成分を変えた実施例と比較例を[表2]に示し、
(3) コハク酸を多塩基性有機酸の主成分とし、エチレングリコールをポリオールの主成分とし、ジイソシアネートとしてイソシアネート基(NCO)と水酸基(OH)との比が1対1(NCO/OH=1)の4−4’ジフェニルメタンジイソシアネートを使用し、帯電防止剤の種類を変えた実施例と、アジピン酸を多塩基性有機酸の主成分とし、エチレングリコールをポリオールの主成分とし、ジイソシアネートとしてイソシアネート基(NCO)と水酸基(OH)との比が1対1(NCO/OH=1)の4−4’ジフェニルメタンジイソシアネートを使用し、帯電防止剤の種類を変えた比較例を[表3]に示し、それらの実施例と比較例のプランケット(ポリウレタンゴム)の物性の比較の裡に本発明を説明する。
尚、[表1]において、ポリエチレングリコール#200およびポリエチレングリコール#400と表示している”#200”および”#400”は、それぞれポリエチレングリコールの分子量を示す。
又、[表1]〜[表3]において、ポリウレタンゴム成分の数値の単位は「重量部」である。
そのプロピレングリコールに代えて水酸基の多いトリメチロールプロパン、グリセリンヘキサオールをエチレングリコールと併用する場合(実施例3・4・5)は、耐溶剤性・耐モノマー性には優れているものの、ゴム硬度が80°以上と硬く、適度のゴム硬度(60〜70°)を有する紫外線硬化型インキ印刷用ブランケットは得難くなる。
一方、プロピレングリコールに代えて炭素数の多い高分子量のブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコールをエチレングリコールと併用する場合(実施例6・7・8・9・10・11)は、ゴム硬度は70°以下であるが、トルエン重量変化率が10wt%以上になり、プロピレングリコールを併用した場合(実施例1・2)に比して耐溶剤性・耐モノマー性が低下する。
特に、分子量200のポリエチレングリコールを併用した実施例10と分子量400のポリエチレングリコールを併用した実施例11を対比して明らかなように、高分子量(分子量400)のポリエチレングリコールを併用する場合(実施例11)は、それよりも低分子量(分子量200)のポリエチレングリコールを併用する場合(実施例10)に比して、耐溶剤性・耐モノマー性が低下するだけではなく、ゴム硬度が柔らかすぎ、トルエン重量変化率が目標値の15wt%以下となる耐溶剤性・耐モノマー性と適度のゴム硬度(60〜70°)を有する紫外線硬化型インキ印刷用ブランケットは得難くなる。
そのコハク酸に代えて高分子量のアジピン酸、セバチン酸、或いは、2重結合を有するマレイン酸を2塩基性有機酸として使用する場合(比較例1・2・3)は、ゴム硬度の点では満足し得てもトルエン重量変化率が30wt%以上と異常に増え、又、アジピン酸、セバチン酸、および、マレイン酸をコハク酸と併用するとしても、その併用する使用量がコハク酸75重量部に対し25重量以上になる場合(比較例4・5・6・7)もトルエン重量変化率が20wt%以上と異常に増え、耐溶剤性・耐モノマー性に優れた紫外線硬化型インキ印刷用ブランケットは得られない。
特に、帯電防止剤としてリチウム化合物アルカリ金属塩を使用する場合(実施例13)は、帯電防止剤がポリウレタンゴムと良好な相溶性を示してブリードすることのない紫外線硬化型インキ印刷用ブランケットが得られる。
それらの帯電防止剤に代えて導電性酸化亜鉛や導電性酸化チタン等の導電性金属酸化物を使用する場合(実施例16・17)は、その使用量を多くしなければ制電効果は得られず、その多量使用によってポリウレタンゴムの流動性が低下し、硬度が上昇し、ブランケットの注型加工時に空気の連れ込みによる気泡やピンホールがブランケットに発生し、帯電防止剤がブリードすることのない紫外線硬化型インキ用印刷機ブランケットは得難くなる。
このことはコハク酸に代えてアジピン酸を使用する場合(比較例9〜12)も同様であるが、その場合には耐溶剤性・耐モノマー性に優れた紫外線硬化型インキ印刷用ブランケットは得られず、コハク酸を使用した実施例13〜17に比して引張強度や引裂強度が低下し、又、電気抵抗値が増え制電性の低下の傾向が認められる。
Claims (4)
- (a) 版面から転写された紫外線硬化型インキを印刷基材へと転写するブランケットの表面層を、多塩基性有機酸とポリオールとから成るポリエステル系ポリオールとジイソシアネートによって合成されたポリウレタンゴムによって構成構成すること、
(b) コハク酸を主成分として多塩基性有機酸を構成すること、
(c) エチレングリコールを主成分としてポリオールを構成すること、
(d) 4−4’ジフェニルメタンジイソシアネートを主成分としてジイソシアネートを構成することを特徴とする紫外線硬化型インキ印刷用ブランケットの製造方法。 - 2塩基性有機酸がコハク酸を主成分とするアジピン酸との混合物であり、ポリオールがエチレングリコールを主成分とするプロピレングリコールとの混合物である前掲請求項1に記載の紫外線硬化型インキ印刷用ブランケットの製造方法。
- ポリウレタンゴムが導電性金属酸化物、金属粉末、導電性カーボンブラック、リチウム化合物アルカリ金属塩、第4級アンモニウム塩の何れかの帯電防止剤を含有している前掲請求項1〜2の何れかに記載の紫外線硬化型インキ印刷用ブランケットの製造方法。
- 帯電防止剤がリチウムイオン系帯電防止剤である前掲請求項3記載の紫外線硬化型インキ印刷用ブランケットの製造方法。
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