JP2010092601A - 電気化学素子電極形成用材料、その製造方法および電気化学素子電極 - Google Patents

電気化学素子電極形成用材料、その製造方法および電気化学素子電極 Download PDF

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Abstract

【課題】 電気化学素子用電極の電極活物質層を形成する複合粒子において、電解質イオンの拡散性を向上し、電極を低抵抗化すること。
【解決手段】 本発明に係る電気化学素子電極形成用材料は、電極活物質および結着剤を含有する複合粒子からなり、該複合粒子の表面平均空隙率が15%以上であることを特徴としている。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタなどの電気化学素子に使用される電極(以下、総称して「電気化学素子用電極」と記載することがある)の形成に用いられる複合粒子からなる電極形成用材料およびその製造方法に関し、また該電極形成用材料を用いた電気化学素子電極に関する。
小型で軽量、且つエネルギー密度が高く、さらに繰り返し充放電が可能な特性を活かして、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタおよびリチウムイオンキャパシタなどの電気化学素子は、その需要を急速に拡大している。リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が比較的大きいことから、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータなどの分野で利用されている。また、電気二重層キャパシタは急速充放電が可能なので、パーソナルコンピュータ等のメモリーバックアップ小型電源として利用されている。さらに電気二重層キャパシタは電気自動車用の大型電源としての応用が期待されている。また、高いエネルギー密度と充放電速度の両立を目指し、正極、負極の2つの電極のうち、一方にファラデー反応電極、もう一方に非ファラデー反応電極を使用するハイブリッドキャパシタも開発が進められている。また、金属酸化物や導電性高分子の表面の酸化還元反応(疑似電気二重層容量)を利用するレドックスキャパシタもその容量の大きさから注目を集めている。これら電気化学素子には、用途の拡大や発展に伴い、低抵抗化、高容量化、機械的特性の向上など、より一層の特性の改善が求められている。そのようななかで、電気化学素子の性能を向上させるために、電気化学素子電極を形成する材料についても様々な改善が行われている。
たとえば、特許文献1では、電極活物質、導電材、分散型結着剤及び溶解型樹脂を、溶媒に分散又は溶解して、電極活物質、導電材及び分散型結着剤が分散され且つ溶解型樹脂が溶解されてなるスラリーを得、噴霧乾燥して得られる複合粒子をシート成形して得られる電極活物質層を有する電気化学素子電極が紹介されている。
特開2006−303395号公報
しかしながら、上記特許文献1の方法により得られる複合粒子は、該複合粒子の大部分において、表面が導電材や微細電極活物質により被覆されている。このため、該粒子を用いて得られる電極は、電解液中の電解質イオンの拡散が不十分であり、十分な電極の低抵抗化が図られていない。
したがって、本発明は、電気化学素子用電極の電極活物質層を形成する複合粒子において、電解質イオンの拡散性を向上させ、電極を低抵抗化することを目的としている。
本発明者は上記課題に鑑み鋭意検討した結果、上記特許文献1開示の方法で得られる複合粒子は、表面における空隙率が低いものが多く、表面が高度に多孔化された粒子はわずかであることを見出した。そのため、この複合粒子からなる電気化学素子電極は、電解液のイオン拡散抵抗が高く、低抵抗化が困難であることを見出した。そして、表面の空隙率が高い多孔複合粒子を含み、全体として一定量以上の空隙率を有する複合粒子からなる材料で電気化学素子電極を形成することで、イオン拡散抵抗を低減させ、電極を低抵抗化できることを見出した。本発明者は、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題を解決する本発明は、以下の事項を要旨として含む。
(1)電極活物質および結着剤を含有する複合粒子からなる電気化学素子電極形成用材料であって、
該複合粒子の表面平均空隙率が15%以上である電気化学素子電極形成用材料。
(2)電極活物質、結着剤および分散剤を含有する、粘度500〜3000mPa・sのスラリーを噴霧乾燥する工程を含む、(1)に記載の電気化学素子電極形成用材料の製造方法。
(3)上記(1)に記載の電気化学素子電極形成用材料を加圧成形してなる電極活物質層を集電体上に有する電気化学素子電極。
本発明の電気化学素子用電極は、多孔複合粒子を含み、全体として一定量以上の空隙率を有する複合粒子からなる電気化学素子用電極形成用材料を用いて得られるため、多孔複合粒子に由来する空隙によって電解質イオンの拡散性が向上し、電極の低抵抗化が図られる。
以下、本発明に係る電気化学素子電極形成用材料、その製造方法および該電気化学素子電極形成用材料を用いて得られる電気化学素子電極について説明する。
(電気化学素子電極形成用材料)
本発明に係る電気化学素子電極形成用材料は、電極活物質および結着剤を含有する複合粒子からなり、該複合粒子の表面平均空隙率が15%以上である。複合粒子に含まれる電極活物質および結着剤については、後述する。
本発明における複合粒子は、表面平均空隙率が15%以上、好ましくは20%以上、さらに好ましくは20〜30%である。ここで、「表面平均空隙率」は、該電気化学素子電極形成用材料を構成する複合粒子1つあたり、5視野以上(それぞれ異なる視野で)で、かつ10粒子以上について、複合粒子の表面において、0.1μm以上の空隙の見掛けの表面積を測定し、全視野面積に対する空隙の見掛けの表面積の比率(以下、「空隙率」と記載することがある)の平均値として得られる値である。複合粒子の表面平均空隙率が15%未満であると、複合粒子中の電解質イオンの拡散抵抗が大きくなり、これを用いて得られる電極の抵抗が大きくなる。
具体的には、表面平均空隙率は、本発明の電気化学素子電極形成用材料(電極成形前の粒子状態)について、電子顕微鏡写真を撮影し、任意に選択した1粒子当たり、5視野以上を観察し、面積が0.1μm以上の連続した空隙の見掛け上の表面積を測定し、10粒子以上について同様の測定を行い、得られた空隙率の平均値として算出する。なお、空隙の見掛け上の表面積とは、電子顕微鏡写真上で観察される空隙の面積であり、空隙の細孔内の面積等は算入されない。個々の複合粒子を見た場合には、空隙率が15%未満の複合粒子も含まれることがあるが、空隙率が15%以上の粒子(本明細書では、「多孔複合粒子」と記載することがある)を多く含むため、全体の表面平均空隙率は、上記のように高くなる。
複合粒子の体積平均粒径は、通常は0.1〜1,000μm、好ましくは5〜500μm、より好ましくは10〜100μmの範囲である。体積平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
本発明に好適な電気化学素子電極形成用材料は、微小圧縮試験機によって荷重速度0.9mN/secで最大荷重9.8mNまで圧縮したときの粒径変位率が通常5〜70%、好ましくは20〜50%である。粒径変位率は、複合粒子の圧縮前の粒径D0に対する、圧縮による粒径の減少量(ΔD=D0−D1)の割合(=ΔD/D0×100)である。なお、D1は荷重を掛けているときの粒径で荷重量に応じて変化する値である。
また、本発明に好適に用いられる電気化学素子電極形成用材料は、微小圧縮試験機によって荷重速度0.9mN/secで最大荷重9.8mNまで圧縮したときの、単位秒あたりの粒径変位率変化量が好ましくは25%以下、より好ましくは10%以下、特に好ましくは7%以下である。単位秒あたりの粒径変位率変化量は、荷重速度0.9mN/secで荷重が増えていったときの粒径変位率の単位秒あたりの変化量である。微小圧縮試験機によって測定される最大荷重9.8mNまで圧縮したときの粒径変位率は、複合粒子の形状維持力を示すために必要な数値である。該粒径変位率が小さ過ぎると、加圧によってもほとんど複合粒子が変形しないので、粒子同士の接触面積が小さく、導電性が高くならない。一方、粒径変位率が大き過ぎると、複合粒子が圧壊し、複合粒子中に形成された電極活物質や導電材によるネットワークが壊れ、導電性が低下する。また、単位秒あたりの粒径変位率変化量は、圧壊の有無を判断する一指標である。圧壊が起きると、粒径が急激に小さくなるので、単位秒あたりの粒径変位率変化量が25%を超える。最大荷重9.8mNまで圧縮したときの粒径変位率が5〜70%である複合粒子は、適度な柔らかさを持つので、粒子同士の接触面積が大きい。そして、圧壊しないので、電極活物質や導電材のネットワークが維持される。
(電気化学素子電極形成用材料の製造方法)
電気化学素子電極形成用材料の製造方法は特に限定はされないが、製造が容易であることから、特に電極活物質、結着剤および分散剤を含有する、粘度500〜3000mPa・s、好ましくは750〜2000mPa・s、さらに好ましくは1000〜1500mPa・sのスラリーを噴霧乾燥し、造粒する、スプレードライ法が好ましい。スラリー粘度が高すぎると、造粒が困難になることがあり、一方低すぎると、得られる複合粒子の表面平均空隙率が低下する傾向にある。前記スラリー粘度は、B型粘度計を用いて、温度25℃、回転数60rpmの条件で測定した値である。
スラリーの粘度は、使用する電極活物質、結着剤および分散剤の種類および配合量などにより適宜に制御可能であるが、特に分散剤としてセルロース系ポリマーを使用する場合には、該セルロース系ポリマーの種類、分子量および配合量を適宜に選択することで、スラリー粘度を上記範囲に容易に制御できる。たとえば、高分子量のセルロース系ポリマーを用いるとスラリー粘度は上昇し、低分子量のセルロース系ポリマーを用いるとスラリー粘度は低下する。
上記のように特定粘度のスラリーを噴霧乾燥し、造粒することにより、表面平均空隙率が15%以上の複合粒子からなる本発明の電気化学素子電極形成用材料を容易に得ることができる。何ら理論的に制限されるものではないが、本発明者は、以下のような造粒メカニズムを推定している。すなわち、スラリーをスプレードライすることで、スラリー中の分散媒が揮発し、複合粒子が得られる。この際、分散媒は造粒された複合粒子表面から揮発する。複合粒子内部の分散媒は、複合粒子内を表面方向に移動し、表面から揮発する。複合粒子内部を移動する分散媒とともに、スラリー中の微粒子も表面に移動する。したがって、スラリー中における微粒子の移動性が高いほど、複合粒子表面に微粒子が集まり、表面が緻密化し、得られる複合粒子の表面空隙率が低下することになる。このため、多孔複合粒子を得るためには、スラリー中の微粒子の移動性を制御し、微粒子が表面近傍に移動することを防止すればよい。本発明者は上記のような推定に基づき、スラリー粘度を特定範囲に制御すれば、多孔複合粒子が簡便に得られると考え、本発明を完成するに至った。
本発明で使用するスラリーは、電極活物質、結着剤および分散剤を含有し、また任意に導電材、界面活性剤等を含んでいてもよい。
電極活物質は、電極内で電子の受け渡しをする物質であり、具体的には主としてリチウムイオン二次電池用活物質や、電気二重層キャパシタ用活物質が挙げられる。
リチウムイオン二次電池用活物質には、正極用、負極用がある。リチウムイオン二次電池の正極用の電極活物質としては、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、LiFePO、LiFeVOなどのリチウム含有複合金属酸化物;TiS、TiS、非晶質MoSなどの遷移金属硫化物;Cu、非晶質VO・P、MoO、V、V13などの遷移金属酸化物;が例示される。さらに、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレンなどの導電性高分子が挙げられる。リチウムイオン二次電池の負極用の電極活物質としては、例えば、アモルファスカーボン、グラファイト、天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、及びピッチ系炭素繊維などの炭素質材料;ポリアセン等の導電性高分子などが挙げられる。
リチウムイオン二次電池の電極に使用する電極活物質は球形の粒子に整粒されたものが好ましい。粒子の形状が球形であると、電極成形時により高密度な電極が形成できる。また、体積平均粒径分布は、1μm程度の細かな粒子と3〜8μmの比較的大きな粒子の混合物や、0.5〜8μmにブロードな粒径分布を持つ粒子が好ましい。粒径が50μm以上の粒子は篩い分けなどにより除去して用いるのが好ましい。電極活物質のASTMD4164で規定されるタップ密度は特に制限されないが、正極では2g/cm以上、負極では0.6g/cm以上のものが好適に用いられる。
電気二重層キャパシタ用の電極活物質としては、通常、炭素の同素体が用いられる。炭素の同素体の具体例としては、活性炭、ポリアセン、カーボンウィスカ及びグラファイト等が挙げられ、これらの粉末または繊維を使用することができる。電気二重層キャパシタ用の好ましい電極活物質は活性炭であり、具体的にはフェノール系、レーヨン系、アクリル系、ピッチ系、又はヤシガラ系等の活性炭を挙げることができる。
電気二重層キャパシタ用の電極活物質の比表面積は、30m/g以上、好ましくは500〜5,000m/g、より好ましくは1,000〜3,000m/gであることが好ましい。
電気二重層キャパシタ用の電極活物質の体積平均粒径は、0.1〜100μm、好ましくは1〜50μm、更に好ましくは5〜20μmの粉末が好ましい。この範囲の重量平均粒径の活物質を用いると、電気二重層キャパシタ用電極の薄膜化が容易で、静電容量も高くできる。
これらの電極活物質は、電気化学素子の種類に応じて、単独でまたは二種類以上を組み合わせて使用することができる。
結着剤とは、電極活物質や導電材などを結着させることができる化合物である。例えば、フッ素系重合体、ジエン系重合体、アクリレート系重合体、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン等の高分子化合物が挙げられ、好ましくはフッ素系重合体、ジエン系重合体、及びアクリレート系重合体が挙げられる。
フッ素系重合体はフッ素原子を含む単量体単位を含有する重合体である。フッ素系重合体中のフッ素を含有する単量体単位の割合は通常50重量%以上である。フッ素系重合体の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂が挙げられ、ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
ジエン系重合体は、共役ジエンの単独重合体もしくは共役ジエンを含む単量体混合物を重合して得られる共重合体、またはそれらの水素添加物である。前記単量体混合物における共役ジエンの割合は通常40重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。ジエン系重合体の具体例としては、ポリブタジエンやポリイソプレンなどの共役ジエン単独重合体;カルボキシ変性されていてもよいスチレン・ブタジエン共重合体(SBR)などの芳香族ビニル・共役ジエン共重合体;アクリロニトリル・ブタジエン共重合体(NBR)などのシアン化ビニル・共役ジエン共重合体;水素化SBR、水素化NBRなどが挙げられる。
アクリレート系重合体は、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの単独重合体またはこれらを含む単量体混合物を重合して得られる共重合体である。前記単量体混合物におけるアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの割合は通常40重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。アクリレート系重合体の具体例としては、アクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸・アクリロニトリル・エチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸・メタクリロニトリル・ジエチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル・スチレン・メタクリル酸・エチレングリコールジメタクリレート共重合体、アクリル酸ブチル・アクリロニトリル・ジエチレングリコールジメタクリレート共重合体、およびアクリル酸ブチル・アクリル酸・トリメチロールプロパントリメタクリレート共重合体などの架橋型アクリレート系重合体;エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、およびエチレン・メタクリル酸エチル共重合体などのエチレンとアクリル酸(またはメタクリル酸)エステルとの共重合体;上記エチレンとアクリル酸(またはメタクリル酸)エステルとの共重合体にラジカル重合性単量体をグラフトさせたグラフト重合体;などが挙げられる。なお、上記グラフト重合体に用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、メタクリル酸などが挙げられる。その他に、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体などのエチレンとアクリル酸(またはメタクリル酸)との共重合体等が結着剤として使用できる。
結着剤は、その形状によって特に制限はないが、結着性が良く、また、作成した電極の静電容量の低下や充放電の繰り返しによる劣化を抑えることができるため、粒子状であることが好ましい。粒子状の結着剤としては、例えば、ラテックスのごとき分散型結着剤の粒子が水に分散した状態のものや、このような分散液を乾燥して得られる粉末状のものが挙げられる。
粒子状の結着剤の数平均粒径は、格別な限定はないが、通常は0.0001〜100μm、好ましくは0.001〜10μm、より好ましくは0.01〜1μmである。結着剤の数平均粒径がこの範囲であるときは、少量の結着剤の使用でも優れた結着力を電極活物質層に与えることができる。ここで、数平均粒径は、透過型電子顕微鏡写真で無作為に選んだ結着剤粒子100個の径を測定し、その算術平均値として算出される個数平均粒径である。粒子の形状は球形、異形、どちらでもかまわない。
これら結着剤は単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。この結着剤の使用量は、電極活物質100重量部に対して、通常は0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部の範囲である。
分散剤とはスラリーの溶媒に溶解させて用いられ、電極活物質、結着剤、導電材等を溶媒に均一に分散させる作用をさらに有するものである。例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ならびにこれらのアンモニウム塩またはアルカリ金属塩;ポリアクリル酸(またはメタクリル酸)ナトリウムなどのポリアクリル酸(またはメタクリル酸)塩;ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド;ポリビニルピロリドン、ポリカルボン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプン、キチン、キトサン誘導体などが挙げられる。これらの分散剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。中でも、セルロース系ポリマーが好ましく、カルボキシメチルセルロースまたはそのアンモニウム塩もしくはアルカリ金属塩が特に好ましい。また複合粒子表面の表面平均空隙率を上げるためには、重量平均分子量が30万以上のものが好ましい。
これら分散剤は単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。分散剤の使用量は、格別な限定はないが、電極活物質100重量部に対して、通常は0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは0.8〜2重量部の範囲である。分散剤を用いることで、スラリー中の固形分の沈降や凝集を抑制できる。また、噴霧乾燥時のアトマイザーの詰まりを防止することができるので、噴霧乾燥を安定して連続的に行うことができる。
リチウムイオン二次電池の正極や、電気二重層キャパシタの電極活物質の製造に用いられるスラリーには、導電材が含有されていることが好ましい。導電材とは、導電性を有し、電気二重層を形成し得る細孔を有さない粒子状の炭素の同素体からなり、電気化学素子電極の導電性を向上させるものである。導電材の具体例としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラック(アクゾノーベルケミカルズベスローテンフェンノートシャップ社の登録商標)などの導電性カーボンブラック;天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛;が挙げられる。これらの中でも、導電性カーボンブラックが好ましく、アセチレンブラックおよびファーネスブラックがより好ましい。
導電材の体積平均粒径は、電極活物質の体積平均粒径よりも小さいことが好ましく、通常0.001〜10μm、好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.01〜1μmの範囲である。導電材の粒径がこの範囲にあると、より少ない使用量で高い導電性が得られる。
これらの導電材は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。導電材の量は、電極活物質100重量部に対して、通常0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部の範囲である。導電材の量がこの範囲にある電極を使用すると電気化学素子の容量を高く且つ内部抵抗を低くすることができる。
スラリーに添加されるその他の添加剤としては、例えば、界面活性剤があげられる。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、ノニオニックアニオンなどの両性の界面活性剤が挙げられるが、中でもアニオン性若しくはノニオン性の界面活性剤で熱分解しやすいものが好ましい。これら添加剤は単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の量は、格別な限定はないが、電極活物質100重量部に対して0〜50重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。
スラリーを得るために用いる溶媒として、通常、水が用いられるが、有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどのアルキルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのアルキルケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類;ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類;ジメチルスルホキサイド、スルホラン等のイオウ系溶剤;などが挙げられるが、アルコール類が好ましい。水よりも沸点の低い有機溶媒を併用すると、噴霧乾燥法による造粒時に、乾燥速度を速くすることができる。また、分散型結着剤の分散性又は溶解型樹脂の溶解性が溶媒の種類によって変わるので、スラリーの粘度や流動性を有機溶媒の量又は種類を選択することにより調整し、噴霧乾燥の生産効率を向上させることができる。
スラリーを調製するときに使用する溶媒の量は、スラリーの固形分濃度が、通常は1〜50重量%、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲となるような量である。
前記電極活物質、結着剤および分散剤ならびに必要に応じて導電材や界面活性剤、その他の添加剤を溶媒に分散又は溶解する方法又は手順は特に限定されず、例えば、溶媒に電極活物質、導電材、結着剤、分散剤を添加し混合する方法、溶媒に分散させた結着剤(例えば、ラテックス)を添加して混合し、電極活物質及び分散剤、添加成分を添加して混合する方法、電極活物質、分散剤及び導電材を溶媒に分散させた結着剤に添加して混合する方法などが挙げられる。混合の手段としては、例えば、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、顔料分散機、らい潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサーなどの混合機器が挙げられる。混合は、通常、室温〜80℃の範囲で、10分〜数時間行う。
本発明の電気化学素子電極形成用材料は、前記スラリーを噴霧乾燥することにより、造粒して得られる。噴霧乾燥法は、熱風中にスラリーを噴霧して乾燥する方法である。噴霧乾燥法に用いる装置の代表例としてアトマイザーが挙げられる。アトマイザーは、回転円盤方式と加圧方式との二種類の装置がある。回転円盤方式は、高速回転する円盤のほぼ中央にスラリーを導入し、円盤の遠心力によってスラリーが円盤の外に放たれ、その際に霧状にして乾燥する方式である。
円盤の回転速度は円盤の大きさに依存するが、通常は5,000〜30,000rpm、好ましくは15,000〜30,000rpmである。一方、加圧方式は、スラリーを加圧してノズルから霧状にして乾燥する方式である。
噴霧されるスラリーの温度は、通常は室温であるが、加温して室温以上にしたものであってもよい。噴霧乾燥時の熱風温度は、通常80〜250℃、好ましくは100〜200℃である。噴霧乾燥法において、熱風の吹き込み方法は特に制限されず、例えば、熱風と噴霧方向が横方向に並流する方式、乾燥塔頂部で噴霧され熱風と共に下降する方式、噴霧した滴と熱風が向流接触する方式、噴霧した滴が最初熱風と並流し次いで重力落下して向流接触する方式などが挙げられる。さらに、複合粒子の表面を硬化させるために加熱処理する。熱処理温度は、通常80〜300℃である。
(電気化学素子用電極)
本発明に係る電気化学素子用電極は、上記多孔複合粒子を含有する電気化学素子電極形成用材料を加圧成形してなる電極活物質層を集電体上に有する。
集電体とは、集電機能を有する電極基体である。材料としては、例えば、金属、炭素、導電性高分子などを用いることができ、好適には金属が用いられる。金属としては、通常、アルミニウム、白金、ニッケル、タンタル、チタン、ステンレス鋼、銅、その他の合金等が使用される。これらの中で導電性、耐電圧性の面からアルミニウムまたはアルミニウム合金を使用するのが好ましい。
本発明では、集電体上の該表面上に電気化学素子電極形成用材料を供給し、これを加圧成形する。電極形成用材料を供給する工程で用いられるフィーダーは、特に限定されないが、複合粒子を定量的に供給できる定量フィーダーであることが好ましい。ここで、定量的に供給できる、とは、かかるフィーダーを用いて電極形成用材料を連続的に供給し、一定間隔で供給量を複数回測定し、その測定値の平均値mと標準偏差σmから求められるCV値(=σm/m×100)が4以下であることをいう。本発明に用いられる定量フィーダーは、CV値が好ましくは2以下である。定量フィーダーの具体例としては、テーブルフィーダー、ロータリーフィーダーなどの重力供給機、スクリューフィーダー、ベルトフィーダーなどの機械力供給機などが挙げられる。これらのうちロータリーフィーダーが好適である。
次いで、前記集電体と供給された電極形成用材料とを一対のロールで加圧して、集電体上に電極活物質層を形成する。この工程では、必要に応じ加温された前記電極形成用材料が、一対のロールでシート状の電極活物質層に成形される。供給される複合粒子の温度は、好ましくは40〜160℃、より好ましくは70〜140℃である。この温度範囲にある電極形成用材料を用いると、プレス用ロールの表面で電極形成用材料の滑りがなく、電極形成用材料が連続的かつ均一にプレス用ロールに供給されるので、膜厚が均一で、電極密度のばらつきが小さい、電極活物質層を得ることができる。
成形時の温度は、通常0〜200℃であり、結着剤の融点またはガラス転移温度より高いことが好ましく、融点またはガラス転移温度より20℃以上高いことがより好ましい。ロールを用いる場合の成形速度は、通常0.1m/分より大きく、好ましくは35〜70m/分である。またプレス用ロール間のプレス線圧は、通常0.2〜30kN/cm、好ましくは0.5〜10kN/cmである。
上記製法では、前記一対のロールの配置は特に限定されないが、略水平または略垂直に配置されることが好ましい。略水平に配置する場合は、集電体を一対のロール間に連続的に供給し、該ロールの少なくとも一方に電極材料を供給することで、集電体とロールとの間隙に電極材料が供給され、加圧により電極活物質層を形成できる。略垂直に配置する場合は、前記多孔化集電体を水平方向に搬送させ、集電体上に電極材料を供給し、電極材料層を形成する。供給された電極材料層を必要に応じブレード等で均した後、該集電体を一対のロール間に供給し、加圧により電極活物質層を形成できる。この場合において、一対のロール間に供給される電極材料層の厚さは、(前記一対のロールのロール間隙)/(集電体厚さ+電極活物質層厚さ)で表される値で、通常0.01〜1であり、好ましくは0.1〜0.5である。
成形した電極活物質層の厚みのばらつきを無くし、密度を上げて高容量化をはかるために、必要に応じて更に後加圧を行っても良い。後加圧の方法は、ロールによるプレス工程が一般的である。ロールプレス工程では、2本の円柱状のロールをせまい間隔で平行に上下にならべ、それぞれを反対方向に回転させて、その間に電極をかみこませ加圧する。ロールは加熱又は冷却等、温度調節しても良い。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における部および%は、特に断りのない限り重量基準である。実施例および比較例における各特性は、下記の方法に従い測定する
(スラリー粘度の測定)
スラリー粘度は、B型粘度計(RB80L:東機産業社製)を用いて、温度25℃、回転数60rpmの条件で測定する。
(複合粒子の表面平均空隙率)
下記実施例、比較例において製造した電気化学素子用電極形成用材料に含まれる複合粒子の表面平均空隙率を以下の方法で求める。
まず、倍率2000倍で電気化学素子用電極形成用材料(電極形成前の粒子状態)の電子顕微鏡写真を測定し、任意の粒子について、視野20μmの範囲で白黒256階調の画像データとして画像解析ソフト(analySIS:Soft Imaging System社製)に読み込み、その画像の最明部が255、最暗部が0となるようにコントラストの最適化を行う。次いで、しきい値を77に設定して2値化処理を行い、得られた2値化画像より複合粒子表面における0.1μm以上の面積を有する空隙の割合を求める。
同一粒子について、任意の視野において全5回同様の測定を行い、さらに、同じ測定を10個の粒子について行い、平均化したものを電極形成用材料に含まれる粒子の表面平均空隙率とする。
(体積平均粒子径の測定)
電気化学素子用電極形成用材料に含まれる複合粒子の体積平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(SALD−2000:島津製作所社製)で測定する。
(電極活物質層厚さの測定)
電極活物質層厚さは、集電体の両面に電極活物質層を形成した後に、渦電流式変位センサ(センサヘッド部EX−110V、アンプユニット部EX−V02:キーエンス社製)を用いて測定する。2cm間隔で各電極活物質層の厚さを測定し、それらの平均値を電極活物質層の厚さとする。
(内部抵抗の測定)
電気化学キャパシタについて、600mAの定電流で充電を開始し、所定の充電電圧に達したらその電圧を保って定電圧充電とし、5分間定電圧充電を行った時点で充電を完了する。次いで、充電終了直後に定電流15mAで0Vに達するまで放電を行う。この充放電操作を3サイクル行い、3サイクル目の放電後0.1秒後の電圧からR=ΔV/Iの関係より算出する。
(静電容量の測定)
電気化学キャパシタについて、600mAの定電流で充電を開始し、所定の充電電圧に達したらその電圧を保って定電圧充電とし、5分間定電圧充電を行った時点で充電を完了する。次いで、充電終了直後に定電流15mAで0Vに達するまで放電を行う。この充放電操作を3サイクル行い、3サイクル目の放電エネルギーE=1/2CVの関係から容量Cを求める。
<実施例1>
(電気化学素子用電極形成用材料の作製)
電極活物質(比表面積2000m/g及び重量平均粒径5μmの活性炭)100部、導電材(アセチレンブラック「デンカブラック粉状」:電気化学工業(株)製)5部、分散型結着剤(数平均粒径0.15μm、ガラス転移温度−40℃の架橋型アクリレート系重合体の40%水分散体:「AD211」;日本ゼオン(株)製)25部、分散剤(カルボキシメチルセルロースの1.5%水溶液「セロゲンBSH−12」:第一工業製薬(株)製)93.3部、及びイオン交換水348.7部をT.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株)製)で攪拌混合して、固形分濃度20%、粘度1020mPa・sのスラリーを得る。次いで、スラリーをスプレー乾燥機(大川原化工機(株)製ピン型アトマイザー付)を用いて150℃の熱風で噴霧乾燥し、体積平均粒径60μmの球状の複合粒子からなる電気化学素子用電極形成用材料Aを得た。この電気化学素子用電極形成用材料Aに含まれる複合粒子10個について表面平均空隙率を測定した。
(電極の作製)
電気化学素子用電極形成用材料Aを2Lヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)を用いて乾式混合する。その後定量フィーダー(ニッカ株式会社製、ニッカスプレーK−V)を用い供給速度70g/分で、ロールプレス機(押し切り粗面熱ロール;ヒラノ技研工業(株)製)のプレス用ロール(ロール温度120℃、プレス線圧4kN/cm)に供給する。プレス用ロール間に厚さ50μmでRa=2.5μmのエッチドアルミ箔を挿入し、定量フィーダーから供給された複合粒子を集電体であるエッチドアルミ箔の両面に付着させ、成形速度15m/分で加圧成形し、平均片面厚さ280μm、平均片面密度0.50g/cmの電極活物質層を有する電気化学素子電極を得た。
(測定用セルの作製)
上記で作製した電極を、電極活物質層が形成されていない集電体シート部を縦2cm×横2cm残るように、かつ電極活物質層が形成されている部分が縦5cm×横5cmになるように切り抜く(電極活物質層が形成されていない集電体シート部は電極活物質層が形成されている5cm×5cmの正方形の一辺をそのまま延長するように形成される。)。このように切り抜いた正極10組、負極11組を用意し、それぞれ未塗工部を超音波溶接する。さらに、正極はアルミ、負極はニッケルからなる、縦7cm×横1cm×厚み0.01cmのタブ材を、それぞれ積層溶接した電極活物質層が形成されていない集電体シート部に超音波溶接して測定用電極を作製する。測定用電極は、200℃で24時間真空乾燥する。セパレータとして厚さ35μmのセルロース/レーヨン混合不織布を用いて、正極集電体、負極集電体の端子溶接部がそれぞれ反対側になるよう配置し、正極、負極が交互になるように、また積層した電極の最外部の電極がいずれも負極となるようにすべて積層する。最上部と最下部はセパレータを配置させて4辺をテープ留めした。
上記積層電極を外装ラミネートフィルムで覆い三辺を融着後、電解液としてプロピレンカーボネートにホウフッ化テトラエチルアンモニウムを1.4モル/Lの濃度に溶解した溶液を真空含浸させた後、残り一辺を融着させ、フィルム型キャパシタを作製した。得られるフィルム型キャパシタについて各特性を測定した。結果を表1に示す。
<実施例2>
(電気化学素子用電極形成用材料の作製)
実施例1において分散剤としてカルボキシメチルセルロースの1.5%水溶液(「セロゲンBSH−12」:第一工業製薬(株)製)46.7部と1.5%水溶液(「DN−800H」:ダイセル化学工業(株)製)46.7部を用いた以外は同様にして、固形分濃度20%、粘度620mPa・sのスラリーを得る。次いで、実施例1において、スラリーとして前記スラリーを用いた以外は、同様にして体積平均粒径60μmの球状の複合粒子からなる電気化学素子用電極形成用材料Bを得た。この電気化学素子用電極形成用材料Bに含まれる10個の複合粒子について表面平均空隙率を測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1において電気化学素子用電極形成用材料として、上記で得られた電気化学素子用電極形成用材料Bを用いた他は、同様にして電気化学素子電極(正極、負極)及びフィルム型キャパシタを作製し、各特性を測定した。結果を表1に示す。
<比較例1>
(電気化学素子用電極形成用材料の作製)
電極活物質(比表面積2000m/g及び重量平均粒径5μmの活性炭)100部、導電材(アセチレンブラック「デンカブラック粉状」:電気化学工業(株)製)5部、分散型結着剤(数平均粒径0.15μm、ガラス転移温度−40℃の架橋型アクリレート系重合体の40%水分散体:「AD211」;日本ゼオン(株)製)25部、分散剤(カルボキシメチルセルロースの1.5%水溶液「DN−800H」:ダイセル化学工業(株)製)93.3部、及びイオン交換水348.7部をT.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株)製)で攪拌混合して、固形分濃度20%、粘度450mPa・sのスラリーを得る。次いで、スラリーをスプレー乾燥機(大川原化工機(株)製ピン型アトマイザー付)を用いて150℃の熱風で噴霧乾燥し、重量平均粒径60μmの球状の複合粒子からなる電気化学素子用電極形成用材料Cを得た。この電気化学素子用電極形成用材料Cに含まれる10個の複合粒子について表面平均空隙率を測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1において電気化学素子用電極形成用材料として、上記で得られた電気化学素子用電極形成用材料Cを用いた他は、同様にして電気化学素子電極(正極、負極)及びフィルム型キャパシタを作製し、各特性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2010092601
以上から、本発明の電気化学素子電極形成用材料を用いると、得られる電極の内部抵抗を従来のものよりも低くすることができる。

Claims (3)

  1. 電極活物質および結着剤を含有する複合粒子からなる電気化学素子電極形成用材料であって、
    該複合粒子の表面平均空隙率が15%以上である電気化学素子電極形成用材料。
  2. 電極活物質、結着剤および分散剤を含有する、粘度500〜3000mPa・sのスラリーを噴霧乾燥する工程を含む、請求項1に記載の電気化学素子電極形成用材料の製造方法。
  3. 請求項1に記載の電気化学素子電極形成用材料を加圧成形してなる電極活物質層を集電体上に有する電気化学素子電極。
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