JP2010091850A - 画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像流れを防止/抑制した画像形成方法を提供すること。
【解決手段】感光体の表面層が、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を熱、光、放射線により重合、硬化され、内部反射エレメントがGe、入射角が45度でフーリエ変換赤外分光全反射法により求める式(1)のA値が0.019以上0.040以下、
A=S1/S2 (1)
(S1は末端オレフィン(CH2=)面内変角振動のピーク面積。S2は(メタ)アクリロイルオキシ基のC=O伸縮振動のピーク面積。)
該感光体の表面の十点平均粗さが0.2μm≦Rz≦0.8μm、
該感光体の表面の10μm四方の十点平均面粗さが60nm以上200nm以下、
クリーニング工程は、概略立方体又は直方体で平均粒径80nm以上220nm以下であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体からなる研磨粒子を介して該感光体表面を摺擦する工程である
ことを特徴とする画像形成方法。
【選択図】なし
【解決手段】感光体の表面層が、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を熱、光、放射線により重合、硬化され、内部反射エレメントがGe、入射角が45度でフーリエ変換赤外分光全反射法により求める式(1)のA値が0.019以上0.040以下、
A=S1/S2 (1)
(S1は末端オレフィン(CH2=)面内変角振動のピーク面積。S2は(メタ)アクリロイルオキシ基のC=O伸縮振動のピーク面積。)
該感光体の表面の十点平均粗さが0.2μm≦Rz≦0.8μm、
該感光体の表面の10μm四方の十点平均面粗さが60nm以上200nm以下、
クリーニング工程は、概略立方体又は直方体で平均粒径80nm以上220nm以下であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体からなる研磨粒子を介して該感光体表面を摺擦する工程である
ことを特徴とする画像形成方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真感光体を用いた画像形成方法に関する。
従来、電子写真感光体には、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機光導電性物質が広く用いられている。一方、有機光導電性物質を用いた電子写真感光体としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールに代表される光導電性ポリマーや2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールのような低分子の有機光導電性物質を用いたものが知られている。更には、かかる有機光導電性物質と各種染料や顔料を組み合わせたもの等が知られている。
有機光導電性物質を用いた電子写真感光体(以降、場合により単に「感光体」ともいう)は、成膜性が良く、塗工によって生産できるため、生産性が高く安価な電子写真感光体を提供できる利点を有している。また、使用する染料や顔料等の選択により、感光波長域を自在にコントロールできる等の利点を有し、これまで幅広い検討がなされている。特に最近では、有機光導電性染料や顔料を含有した電荷発生層と光導電性ポリマーや低分子の有機光導電性物質を含有した電荷輸送層を積層した機能分離型感光体の開発により、従来の有機電子写真感光体の欠点とされていた感度や耐久性に著しい改善がなされてきており、機能分離型感光体が有機電子写真感光体の主流となってきている。
一方、当然のことながら電子写真感光体には、適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気的特性、更には光学的特性を備えていることが要求される。特に繰り返し使用される感光体にあっては、その感光体表面には帯電、画像露光、トナー現像、紙への転写、クリーニング処理といった電気的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。具体的には、摺擦による表面の磨耗や傷の発生に対する耐久性、帯電による表面劣化、例えば転写効率や滑り性の低下、更には感度低下、電位低下等の電気特性の劣化に対する耐久性も要求される。
一般に感光体の表面は薄い樹脂層であり、樹脂の特性が非常に重要である。上述の諸条件をある程度満足する樹脂として、近年アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等が実用化されているが、前述したような特性の全てがこれらの樹脂で満足されるわけではなく、特に感光体の高耐久化を図る上では該樹脂の被膜硬度は十分高いとは言い難い。これらの樹脂を表面層形成用の樹脂として用いた場合でも、繰り返し使用時において表面層の磨耗が起こり、更に傷が発生するという課題がある。更に、近年の有機電子写真感光体の高感度化に対する要求から、電荷輸送物質等の低分子量化合物が比較的大量に添加される場合が多いが、この場合それら低分子量物質の可塑剤的な作用により膜強度が著しく低下し、繰り返し使用時の表面層の磨耗や傷発生が課題となっている。また、電子写真感光体を長期にわたって保存する際に、前述の低分子量成分が析出してしまい層分離するといった課題も発生している。
これらの課題を解決する手段として、硬化性樹脂を電荷輸送層用の樹脂として用いる試みが提案されている(例えば、特許文献1参照)。電荷輸送層用の樹脂に硬化性樹脂を用い電荷輸送層を硬化、架橋することによって、機械的強度が増し、繰り返し使用時の耐削れ性及び耐傷性は大きく向上する。しかしながら硬化性樹脂を用いても、低分子量成分はあくまでも結着樹脂中において可塑剤として作用するので、先に述べたような析出や層分離の問題は根本的な解決にはなっていない。また、有機電荷輸送物質と結着樹脂とで構成される電荷輸送層においては、電荷輸送能は樹脂に対する依存度が大きく、例えば耐削れ性を高めるために硬度が十分に高い硬化性樹脂を用いた場合では電荷輸送能が十分ではなく、繰り返し使用時に残留電位の上昇が見られる等、両者を満足させるまでには至っていない。
一方、電荷移動層に炭素−炭素二重結合を有するモノマーを含有させ、電荷移動材の炭素−炭素二重結合と熱あるいは光のエネルギーによって反応させて電荷移動層硬化膜を形成した電子写真感光体が開示されている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。しかし、電荷移動材はポリマー主骨格にペンダント状に固定化されているだけであり、先の可塑的な作用を十分に排除出来ないため機械的強度が十分ではない。また電荷移動能の向上のために電荷移動材の濃度を高くすると、架橋密度が低くなり十分な機械的強度を確保する事が出来ない。更には重合時に必要とされる開始剤類の電子写真特性への影響も懸念される。
また別の解決手段として、熱可塑性高分子主鎖中に電荷輸送能を有する基を導入し電荷輸送層を形成させた電子写真感光体が開示されている(例えば、特許文献4参照)。従来の分子分散型の電荷輸送層と比較して、析出や層分離に対しては効果があり、機械的強度も向上するが、あくまでも熱可塑性樹脂であり、その機械的強度には限界があり、樹脂の溶解性等を含めたハンドリングや生産性の面で十分であるとは言い難い。
また、高い機械的強度と電荷輸送能の両立を達成するために、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を重合、硬化させることにより形成された表面層を有する感光体が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、特に耐削れ性が高い表面層では、湿度の高い環境下での画像流れといった問題が発生することが多く、感光体表面近傍の関係湿度を下げるための感光体内部や、画像形成装置内へのヒーターの設置、画像流れの原因とされる感光体表面の帯電生成物の除去を目的とした研磨装置の設置(例えば、特許文献6参照)が必要であったり、いまだ十分とはいえない。
特開平02−127652号公報
特開平05−216249号公報
特開平07−72640号公報
特開平08−248649号公報
特開2005−049579号公報
特開2007−156317号公報
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、本発明者らは、高い機械的強度と電荷輸送能の両立を達成するための検討を重ねた結果、表面層がアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を重合、硬化させることにより、高い機械的強度と電荷輸送能の両立を達成した。
しかしながら、表面層がアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を重合、硬化させることにより形成された感光体においても、ヒーター等の感光体表面の温度を高く保つ手段がない装置等で使用後数時間以上高湿下に放置された後等厳しい使用条件において多々画像流れが発生した。
本発明の目的は、上記の課題を解決し、画像流れを防止/抑制した画像形成方法を提供することにある。
本発明に従って、少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程を有する画像形成装置において、
該画像形成方法に用いられる電子写真感光体の表面層が、アクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)又はメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を有する正孔輸送性化合物を少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合、硬化されることにより形成され、且つ、内部反射エレメントがGe、入射角が45度の条件でフーリエ変換赤外分光全反射法により求める下記式(1)で表されるA値としたとき、
A=S1/S2 (1)
(式(1)中、S1は末端オレフィン(CH2=)面内変角振動に基づくピーク面積であある。S2はアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基のC=O伸縮振動に基づくピーク面積である。)
該電子写真感光体のA値は0.019以上0.040以下であり、
該電子写真感光体の表面が表面粗さ測定器によりJIS−B0601:2001に基づいて測定した十点平均粗さ(Rz)が以下の範囲であり、
0.2μm≦Rz≦0.8μm
かつ、該電子写真感光体の表面が、原子間力顕微鏡により測定した10μm四方の十点平均面粗さが60nm以上200nm以下であり、
該クリーニング工程は、粒子形状が概略立方体又は直方体である一次粒子の平均粒径が80nm以上220nm以下であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体からなる研磨粒子を介して該電子写真感光体表面を摺擦する工程である
ことを特徴とする画像形成方法が提供される。
該画像形成方法に用いられる電子写真感光体の表面層が、アクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)又はメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を有する正孔輸送性化合物を少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合、硬化されることにより形成され、且つ、内部反射エレメントがGe、入射角が45度の条件でフーリエ変換赤外分光全反射法により求める下記式(1)で表されるA値としたとき、
A=S1/S2 (1)
(式(1)中、S1は末端オレフィン(CH2=)面内変角振動に基づくピーク面積であある。S2はアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基のC=O伸縮振動に基づくピーク面積である。)
該電子写真感光体のA値は0.019以上0.040以下であり、
該電子写真感光体の表面が表面粗さ測定器によりJIS−B0601:2001に基づいて測定した十点平均粗さ(Rz)が以下の範囲であり、
0.2μm≦Rz≦0.8μm
かつ、該電子写真感光体の表面が、原子間力顕微鏡により測定した10μm四方の十点平均面粗さが60nm以上200nm以下であり、
該クリーニング工程は、粒子形状が概略立方体又は直方体である一次粒子の平均粒径が80nm以上220nm以下であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体からなる研磨粒子を介して該電子写真感光体表面を摺擦する工程である
ことを特徴とする画像形成方法が提供される。
本発明の電子写真感光体は、耐久特性が良好であり、且つ高湿下における画像流れを防止/抑制した画像形成方法である。
次に本発明の画像形成方法に用いられる電子写真感光体の構成を詳細に説明する。
本発明の画像形成方法に用いられる電子写真感光体は、導電性支持体及び該導電性支持体上に設けられた感光層を有し、該電子写真感光体の表面層が、アクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)又はメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を有する正孔輸送性化合物を熱、光又は放射線の何れかにより重合及び硬化させることにより形成される。
本発明において、「アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物」とは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が公知の正孔輸送性化合物の一部に重合性官能基として化学結合している化合物を示す。好ましくは、同一分子内にアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を2つ以上有する正孔輸送性化合物がよい。
本発明においては、正孔輸送化合物として、特開2000−66424号公報に開示されるものを用いることができる。例えばオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体等が挙げられる。
「アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物」としては、表1−1〜表1−10に化合物例を示すが、これらに限定されるものではない。
本発明においては、前記アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を熱、光又は放射線のいずれかにより重合及び硬化させることで感光体の表面層を形成させている。また、表面層は前記正孔輸送性化合物それのみを重合及び硬化させる、あるいは他の重合性官能基を有する正孔輸送性化合物と混合させることで形成させることのいずれもが可能である。「他の重合性官能基を有する正孔輸送性化合物」として、例えば、特開2000−66424号公報に開示されるものを用いることができる。
また、前記アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物と正孔輸送性能を有さない重合性官能基を有する単量体あるいはオリゴマー/ポリマー等から表面層を形成することも可能である。「正孔輸送性能を有さない重合性官能基を有する単量体あるいはオリゴマー/ポリマー」として、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、アクリレート、メタクリレート等がある。場合によっては、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有しない正孔輸送性化合物を表面層に更に含有することも可能である。
また、表面層にはその他の各種添加剤、フッ素原子含有樹脂微粒子等の潤剤その他を含有してもよい。
次に本発明の画像形成方法に用いられる電子写真感光体について製造方法を具体的に示す。本発明の画像形成方法に用いられる電子写真感光体は、導電性支持体及び該導電性支持体上に設けられた感光層を少なくとも有する。
電子写真感光体の支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)である。例えばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属や合金をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウム及び銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化錫等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又は結着樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、またプラスチックフィルム及び紙等が挙げられる。
本発明においては、導電性支持体の上にバリアー機能と接着機能をもつ下引き層を設けることもできる。
下引き層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性の改良、また感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。下引き層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ及びゼラチン等が知られている。これらはそれぞれに適した溶剤に溶解されて支持体上に塗布される。その際の膜厚としては0.1μm以上2μm以下が好ましい。
更に、本発明においては、支持体と感光層、あるいは支持体と下引き層の間に、支持体の欠陥の被覆や可干渉光を用いたときに生じる干渉縞の防止を目的として、導電層を設けることも好ましい。導電層としては、導電性粒子を分散した樹脂層を設けることができ、膜厚は5μm以上30μm以下であることが好ましい。
本発明の感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を同一の層に含有する、所謂単一層型でも、電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層に機能分離された積層型(以下、「機能分離型」ともいう)でもよいが、電子写真感光体に要求される諸特性を満足するためには積層型である方が好ましい。
本発明にかかる電子写真感光体が、機能分離型の感光体である場合には、電荷発生層及び電荷輸送層を積層する。電荷発生層に用いる電荷発生物質としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金属及び結晶系、具体的には例えばα、β、γ、ε及びX型等の結晶型を有するフタロシアニン化合物誘導体、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニン及び特開昭54−143645号公報に記載のアモルファスシリコーン等が挙げられる。
機能分離型感光体の場合、電荷発生層は前記電荷発生物質を0.3倍量以上4倍量以下の結着樹脂及び溶剤と共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター又はロールミル等の方法で良く分散し、分散液を塗布し、乾燥して形成されるか、又は前記電荷発生物質の蒸着膜等の単独組成の膜として形成される。その膜厚は5μm以下であることが好ましく、特に0.1μm以上2μm以下の範囲であることが好ましい。
電荷発生層に結着樹脂を用いる場合の例は、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のビニル化合物の重合体及び共重合体等が挙げられる。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明における表面層は、前述した電荷発生層上に電荷輸送層として、もしくは電荷発生層上に電荷輸送物質と結着樹脂からなる電荷輸送層を形成したその上に保護層として用いられる。いずれの場合も前記表面層の形成方法は、前記アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合及び硬化反応させる。これらの溶液を塗布する方法は、例えば浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法及びスピンコーティング法等が知られているが、効率性/生産性の点からは浸漬コーティング法が好ましい。また蒸着、プラズマその他の公知の製膜方法が適宜選択できる。
本発明において、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物は、熱や可視光、紫外線等の光、更に放射線により重合及び硬化させる。従って、本発明における表面層の形成は、表面層用の塗工液に前記アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物と、必要によって重合開始剤を含有させ、該塗工液を用いて形成した塗工膜に熱、光又は放射線のいずれかを照射することによって、前記アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を重合及び硬化させる。
本発明においては、熱や可視光、紫外線等の光、放射線のいずれかにより重合及び硬化させる。中でも放射線によって重合及び硬化させることが好ましい。放射線による重合の最大の利点は、重合開始剤を必要としない点であり、これにより非常に高純度な三次元感光層マトリックスの作製が可能となり、良好な電子写真特性が確保される点である。また、短時間でかつ効率的な重合反応であるために生産性も高く、更には放射線の透過性の良さから、厚膜時や添加剤等の遮蔽物質が膜中に存在する際の硬化阻害の影響が非常に小さいこと等が挙げられる。ただし、中心骨格の種類によっては重合反応が進行し難い場合があり、その際には影響のない範囲内での重合開始剤の添加は可能である。
この際使用する放射線とは、電子線及びγ線である。電子線照射をする場合、加速器としてはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型及びラミナー型等いずれの形式も使用することが出来る。電子線を照射する場合に、電気特性及び耐久性能を発現させる上で照射条件が重要である。本発明において、加速電圧は250kV以下が好ましく、最適には150kV以下である。また照射線量は好ましくは1kGy以上1MGy以下の範囲、より好ましくは5kGy以上200kGy以下の範囲である。加速電圧が250kVを越えると電気特性の劣化が起こることがある。また、照射線量が1kGyよりも少ない場合には硬化が不十分となり易く、照射線量が1MGyを超える場合には電気特性の劣化が起こることがある。照射時の雰囲気は、大気中、窒素及びヘリウム等の不活性ガス中、真空中のいずれでも構わないが、酸素によるラジカルの失活を抑制することができるため、不活性ガス中あるいは真空中が好ましい。
本発明において、アクロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を重合及び硬化させることにより形成される表面層を電荷輸送層として用いた場合の膜厚は、1μm以上50μm以下が好ましい。特には3μm以上30μm以下が好ましい。
アクロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を重合及び硬化させることにより形成される表面層を電荷発生層/電荷輸送層上に保護層として用いた場合、その下層に当たる電荷輸送層は、電荷輸送物質として、例えば
ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチリルアントラセン等の複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物や、
ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、トリアゾール、カルバゾール等の複素環化合物、
トリフェニルメタン等のトリアリールアルカン誘導体、
トリフェニルアミン等のトリアリールアミン誘導体、
フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体等の低分子化合物
等を、適当な結着樹脂(前述の電荷発生層に用いる結着樹脂の中から選択できる)とともに溶剤に分散/溶解した溶液を前述の公知の方法によって塗布、乾燥して形成することができる。
ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチリルアントラセン等の複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物や、
ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、トリアゾール、カルバゾール等の複素環化合物、
トリフェニルメタン等のトリアリールアルカン誘導体、
トリフェニルアミン等のトリアリールアミン誘導体、
フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体等の低分子化合物
等を、適当な結着樹脂(前述の電荷発生層に用いる結着樹脂の中から選択できる)とともに溶剤に分散/溶解した溶液を前述の公知の方法によって塗布、乾燥して形成することができる。
表面層が保護層である場合の電荷輸送物質と結着樹脂の比率は、両者の全質量を100とした場合に、電荷輸送物質の質量が20以上100以下が好ましく、より好ましくは30以上100以下の範囲で適宜選択される。電荷輸送物質の量がそれ以下であると、電荷輸送能が低下し、感度低下及び残留電位の上昇等の課題が生ずる傾向がある。表面層が保護層である場合の電荷輸送層の膜厚は、好ましくは1μm以上50μm以下、より好ましくは3μm以上30μm以下の範囲で調整される。また、保護層の膜厚は0.5μm以上10μm以下が好ましく、特には1μm以上8μm以下が好ましい。
単一層型の感光体の場合は、
(a)前記アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物と電荷発生物質が含まれる溶液を適当な下引き層あるいは下引き層を設けても良い導電性支持体上に塗布後、重合及び硬化させて形成される場合と、
(b)導電性支持体上に設けられた電荷発生物質及び電荷輸送物質から構成される単一層型感光体の表面に保護層として前記アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合及び硬化させる場合
のいずれもが可能である。
(a)前記アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物と電荷発生物質が含まれる溶液を適当な下引き層あるいは下引き層を設けても良い導電性支持体上に塗布後、重合及び硬化させて形成される場合と、
(b)導電性支持体上に設けられた電荷発生物質及び電荷輸送物質から構成される単一層型感光体の表面に保護層として前記アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合及び硬化させる場合
のいずれもが可能である。
本発明者等は、電子写真感光体の表面層のフーリエ変換赤外分光全反射法により求めた末端オレフィン(CH2=)面内変角振動に基づくピーク面積とアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基のC=O伸縮振動とに基づくピーク面積比と、感光体の原子間力顕微鏡により測定した10μm四方の十点平均面粗さに関係があることを見出した。
即ち、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を重合及び硬化させることにより形成され、且つ内部反射エレメントがGe、入射角が45度の条件でフーリエ変換赤外分光全反射法により求めた下記式(1)で表されるA値としたとき、
A=S1/S2 (1)
式(1)中、S1は末端オレフィン(CH2=)面内変角振動に基づくピーク面積であある。S2はアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基のC=O伸縮振動に基づくピーク面積である。
A=S1/S2 (1)
式(1)中、S1は末端オレフィン(CH2=)面内変角振動に基づくピーク面積であある。S2はアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基のC=O伸縮振動に基づくピーク面積である。
A値が0.019以上0.040以下である表面層を用いる本発明の電子写真感光体を、電子写真感光体表面の表面粗さ測定器によりJIS−B0601:2001に基づいて測定した十点平均粗さ(Rz)が以下の範囲に加工し、
0.2μm≦Rz≦0.8μm
クリーニング工程において粒子形状が概略立方体又は直方体である一次粒子の平均粒径が80nm以上220nm以下であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体からなる研磨粒子を介して該電子写真感光体表面を摺擦する工程を経ることで、電子写真感光体表面の、原子間力顕微鏡により測定した10μm四方の十点平均面粗さが60nm以上至200nm以下の範囲に維持され、このとき、電子写真感光体の削れや傷が悪化せず、高湿下の画像流れが改善されることを見出した。
0.2μm≦Rz≦0.8μm
クリーニング工程において粒子形状が概略立方体又は直方体である一次粒子の平均粒径が80nm以上220nm以下であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体からなる研磨粒子を介して該電子写真感光体表面を摺擦する工程を経ることで、電子写真感光体表面の、原子間力顕微鏡により測定した10μm四方の十点平均面粗さが60nm以上至200nm以下の範囲に維持され、このとき、電子写真感光体の削れや傷が悪化せず、高湿下の画像流れが改善されることを見出した。
高湿下の画像流れが飛躍的に向上した理由としては、上記A値が0.019以上0.040以下のときには、研磨粒子による摺擦工程において、クリーニングブレードと感光体表面のニップ近傍に研磨粒子をトラップしておくのに有効な原子間力顕微鏡により測定した10μm四方の十点平均面粗さを60nm以上至200nm以下に維持することが可能になったものと思われる。A値が0.019未満では感光体表面の研磨が促進されず、ヒーター等の感光体表面の温度を高く保つ手段がない装置等で使用後数時間以上高湿下に放置された後など厳しい使用条件において高湿下の画像流れが発生することがあった。また、A値が0.040より大きいと研磨が強過ぎて表面層の磨耗や場合によっては、傷を促進してしまい、感光体寿命を低下させてしまう。特定の形状とサイズの研磨粒子と特定の表面層と特定の表面粗さのバランスによって、感光体寿命と高湿下の画像流れを、装置サイズの大型化やコストアップを伴う特別な部材(研磨ローラーやヒーター等)の追加をせずとも改善できることがわかった。
また、十点平均粗さ(Rz)が0.2μm未満では、クリーニングブレードと感光体表面の摩擦力が増大し、感光体表面の研磨が促進されて磨耗量が増大したり、クリーニングブレードのビビリやメクレが発生し転写残トナーや外添剤のすり抜けが発生することがある。また、十点平均粗さ(Rz)が0.8μmを超えると、クリーニングブレードと感光体表面のニップ近傍に研磨粒子をトラップしておく能力が低下し、感光体表面の研磨が弱くなり、画像流れが悪化したり、転写残トナーや外添剤のすり抜けによるクリーニング不良が発生することがある。
図1は、本発明の画像形成方法に用いられる電子写真感光体の表面層をフーリエ変換赤外分光全反射法による分析で得られた赤外分光スペクトルチャートの一例である。アクリロイルオキシ基のC=O伸縮振動に基づくピークは、1728cm−1に見られ、末端オレフィン(CH2=)面内変角振動に基づくピークは1407cm−1付近に見られる。ピーク面積とは、図1にも示したように、それぞれのピークの外側のすそを結んだ直線で囲まれた面積とする。
ピークの波数は、分子の他の部分の影響を受けるため必ずしも一定ではない。だが、重合及び硬化されたアクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物のC=O伸縮振動に基づくピークは、1725cm−1付近に見られ、末端オレフィン(CH2=)面内変角振動に基づくピークは1405cm−1付近に見られる。また、重合及び硬化されたメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物のC=O伸縮振動に基づくピークは、1725cm−1付近に見られ、末端オレフィン(CH2=)面内変角振動に基づくピークは1440cm−1付近に見られる。
また、複数のアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する正孔輸送性化合物を重合及び硬化させる場合、又は、他の重合性官能基を有する正孔輸送性化合物や正孔輸送性能を有さない重合性官能基を有する単量体あるいはオリゴマー/ポリマーとを混合させて重合及び硬化させる場合に、ピークが分かれることがある。この場合のピーク面積とは各々の積算面積を表す。
本発明にかかる電子写真感光体の表面層を、フーリエ変換赤外分光全反射法(以下、FT−IR−ATR法と呼ぶ:FT−IR=Fourier Transform Infrared Spectrometer、ATR=Attenuated Total Reflectance)を用いて測定する方法を以下に述べる。
ATR法は、内部反射エレメント(以下、「IRE」という:IRE=Internal Reflection Element)と呼ばれる試料より高い屈折率を有する結晶に試料を密着させ、臨界角以上の入射角で赤外光を結晶に侵入させることにより、試料と結晶の界面で試料側にわずかに入り込み、全反射することを利用した方法である。
ATR法において、試料側に入り込む深さ(検出深度)を決めるのは、IREの屈折率及び光路の入射角である。本発明におけるA値は、IREがGe(屈折率4.0)、入射角が45度の条件で測定されることにより、より表面近傍の重合度が計算される。
ATR法の測定において、分光計のノイズレベルを小さくすることが重要であり、そのためには、高感度の分光計を用いること、スキャン回数を増やすこと等が必要である。
本発明において用いられる赤外分光計としては、高い波数精度及び測光精度をもつFT−IRを用いる。スキャン回数は32回以上がより好ましい。それ以下であるとノイズの影響が大きく、正確な測定ができない場合がある。
ATR法測定時の電子写真感光体の形状としては、IREとの接触が十分に保たれればどのような形状のものでもよい。
次に、粗面化手段として、電子写真感光体の表面を物理的に研磨することによって、表面形状をコントロールする方法を具体的に挙げる。
本発明の画像形成方法に用いられる電子写真感光体の製造に用いる粗面化手段として、研磨シートを含む研磨機の一例を図2に示す。研磨シートは、研磨砥粒が結着樹脂に分散されたものが基材に塗布されたシートである。研磨シート11は中空の軸αに巻かれており、軸αにシートが送られる方向と逆方向に、研磨シート11に張力が与えられるようモータ(不図示)が配置されている。研磨シート11は矢印方向に送られ、ガイドローラ12−1、12−2を介してバックアップローラ13を通り、研磨後のシートはガイドローラ12−3、12−4を介してモータ(不図示)により巻き取り手段15に巻き取られる。研磨は、基本的に未処理の研磨シート11が電子写真感光体表面に常時圧接され、電子写真感光体表面を粗面化することで行われる。研磨シート11は基本的には絶縁性であるので、シートの接する部位はアースに接地されたもの、又は導電性を有するものを用いることが好ましい。
研磨シート11の送りスピードは10mm/min以上500mm/min以下の範囲が好ましい。送り量が少なければ電子写真感光体表面を研磨した研磨シートが再度電子写真感光体表面に接触することとなり、電子写真感光体表面への深傷の発生、表面溝のムラ、研磨シート表面の結着樹脂の付着等を生じる場合があり好ましくない。
電子写真感光体14は、研磨シート11を介してバックアップローラ13と対向した位置に置かれる。この際、研磨シート11の基材側からバックアップローラ13が所望の設定値でバックアップローラ13に所定時間押し当てられ、電子写真感光体表面が粗面化される。電子写真感光体の回転方向は、研磨シート11の送られる方向と同一、対向、又は研磨途中で回転方向を変更してもよい。
バックアップローラの電子写真感光体に対する押し当て圧は、研磨砥粒の種類及び粒径、研磨シートに分散される研磨砥粒の番手、研磨シートの基材厚、砥粒シートの結着樹脂膜厚、バックアップローラ13の硬度、電子写真感光体の表面を構成する表面層の硬度により最適値は異なる。そして、0.005N/m2以上15N/m2以下の範囲であれば、本発明における電子写真感光体表面の溝形状が達成される。なお、本発明における電子写真感光体表面の溝形状(溝幅、溝密度、表面粗さ等)は、例えば粗面化手段として研磨シートを用いる場合は、研磨シートの送りスピード、パックアップローラの押し当て圧、研磨砥粒の粒径、形状、研磨シート11に分散される研磨砥粒の番手、研磨シート11の結着樹脂膜厚、基材厚等を適宜選択することにより調整できる。
研磨砥粒としては、酸化アルミニウム、酸化クロム、炭化珪素、ダイヤモンド、酸化鉄、ダイヤモンド、酸化セリウム、コランダム、珪石、窒化珪素、窒化硼素、炭化モリブデン、炭化珪素、炭化タングステン、チタンカーバイト及び酸化珪素等が挙げられる。研磨砥粒の平均粒径は好ましくは0.01μm以上50μm以下であり、より好ましくは1μm以上15μm以下である。粒径が小さいと、本発明において好適な溝の深さ、溝の幅が得られない。
研磨シートの結着樹脂に分散される研磨砥粒の番手は研磨砥粒の粒径と相関があり、番手数が小さい方が研磨砥粒の平均粒径が大きく、そのため、電子写真感光体表面に傷を生じさせることとなる。本発明において研磨シートに分散される研磨砥粒の番手の範囲は、500以上5000以下が好ましく、より好ましくは1500以上3000以下が好ましい。
また、本発明においては、所望の溝形状の電子写真感光体表面が得られるように、複数回にわたり粗面化工程を行うことも可能である。その際は、番手の粗い研磨砥粒が分散される研磨シートから番手の細かい研磨砥粒が分散される研磨シート、また逆に番手の細かい研磨砥粒が分散される研磨シートから番手の粗い研磨砥粒が分散される研磨シートの順のどちらから行ってもよい。前者の場合は、電子写真感光体表面に粗い溝の表面に更に細かい溝を重畳させることが可能となり、後者の場合は、研磨溝のムラを低減させることが可能となる。
バックアップローラ13は、電子写真感光体表面に所望の溝を形成させる手段として有効な手段である。研磨シート11の張力のみで研磨することも可能であり、図3のようにバックアップローラ13を介さずに研磨シート11の張力のみで電子写真感光体表面に溝を形成させる方法で研磨してもよい。
電子写真感光体の表面層の硬度が高い場合(主に硬化性樹脂を用いた場合)、研磨シートの張力のみでは電子写真感光体表面に接する圧が低いため、本発明が特定する電子写真感光体表面の溝形状を達成できるように、バックアップローラを用いる方が良い。図3に研磨シート11の張力のみで電子写真感光体表面を研磨する場合の一例を示す。図2と異なる点はバックアップローラ13が無く、電子写真感光体14の表面に形成される溝の形状の制御は、主に研磨シート11に分散される研磨砥粒の番手、研磨シートの電子写真感光体14への押し当て圧、研磨時間等で決定される。
次に、本発明に用いられる無機微粉体からなる研磨粒子を説明する。
本発明において使用されるペロブスカイト型結晶の無機微粉体は一次粒子の平均粒径が80nm以上220nm以下でなければならず、100nm以上180nm以下であるものが更に好ましい。平均粒径が80nm未満ではクリーナー部における当該粒子の研磨効果が不十分であり、また、クリーナー部からのすり抜けも多くなり、帯電部材の汚染を促進させるので好ましくなく、一方、220nm超では、クリーナー部での研磨効果が強過ぎるためにドラムに傷が発生したり、またクリーニングブレードでの堰き止め効果が高くなり、ブレードと感光体との潤滑作用が低下するために、ブレードへの負荷が高くなり、ブレードが捲れたり、ブレード自身が欠け、摩耗したりすることがある。
なお、本発明における無機微粉体の粒径については、電子顕微鏡にて5万倍の倍率で撮影した写真から100個の粒径を測定して求めた。
なお、概略立方体、直方体である無機微粉体の粒径は、微粉体の形状の中で最も長い長辺の長さ(T1)と最も短い短辺の長さ(S1)としたとき、以下の式を持って無機微粉体の粒径とした。
無機微粉体の粒径=(T1+S1)/2
また本発明の無機微粉体中の、粒子形状が概略立方体又は直方体であるものの含有率を60個数%以上含有することで更に効率的に帯電生成物の除去が行えるため好ましい。
本発明に用いるペロブスカイト型結晶の無機微粉体は、チタン酸ストロンチウム結晶が好ましい。例えば硫酸チタニル水溶液を加水分解して得た含水酸化チタンスラリーのpHを調整して得たチタニアゾルの分散液に、ストロンチウムの水酸化物を添加して、反応温度まで加温することでチタン酸ストロンチウム結晶を合成することができる。該含水酸化チタンスラリーのpHは0.5以上1.0以下とすることで、良好な結晶化度、及び粒径のチタニアゾルが得られる。
また、チタニアゾル粒子に吸着しているイオンを除去する目的で、該チタニアゾルの分散液に、例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ性物質を添加することが好ましい。このとき、ナトリウムイオン等を含水酸化チタン表面に吸着させないために、該スラリーのpHを7以上にしないことが好ましい。また、反応温度は60℃以上100℃以下が好ましく、所望の粒度分布を得るためには、昇温速度を30℃/時間以下にすることが好ましく、反応時間は3時間以上7時間以下であることが好ましい。
また、該無機微粉体の結晶構造がペロブスカイト型(3種類の異なる元素で構成された面心立方格子)であることを確認するには、X線回折測定を行うことで確認することができる。
更に、該無機微粉体は現像特性を考慮し、摩擦帯電極性、環境による摩擦帯電量を制御、またドラム傷の防止の点から、微粉体の表面を処理したほうが好ましい。
表面処理剤としては、カップリング剤やシリコーンオイル、脂肪酸金属塩等の処理剤が挙げられる。
表面処理を行うことで、例えば、親水基と疎水基を有する化合物であるカップリング剤の場合、親水基側が無機微粉体表面を覆うことで疎水基側が外側になるので、微粉体の疎水化処理がなされ、環境による摩擦帯電量の変動を抑制させることができ、また、アミノ基、フッ素等の官能基を導入したカップリング剤により、摩擦帯電量の制御も容易にできる。
また、上述のような表面処理剤の場合には分子レベルでの表面処理のために、該無機微粉体の形状がほとんど変化せず、概略立方体、直方体形状による掻き取り力が維持されるのでより好ましい。
カップリング剤としてはチタネート系、アルミニウム系、シラン系カップリング剤等が挙げられる。脂肪酸金属塩としてはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられ、また脂肪酸であるステアリン酸等でも同様の効果が得られる。
処理の方法は、処理する表面処理剤等を溶媒中に溶解、分散させ、その中に無機微粉体を添加した、撹拌しながら溶媒を除去して処理する湿式方法や、カップリング剤、脂肪酸金属塩と無機微粉体を直接混合して撹拌しながら処理を行う乾式方法等が挙げられる。
また、表面処理については無機微粉体を完全に処理、被覆する必要は無く、効果が得られる範囲で無機微粉体が露出していても良い。つまり表面の処理が不連続に形成されていても良い。
本発明において着色粒子に対するペロブスカイト型無機微粉体の添加量は、0.05質量%以上5質量%以下が好ましく、0.2質量%以上4質量%以下が更に好ましい。
図4に、本発明の画像形成方法の装置概略構成を示す。図4において、感光体1は軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いでスリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段(不図示)からの画像露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー像として現像され、現像されたトナー像は、不図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体1の回転と同期に取り出されて給紙された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。転写を受けた転写材7は、感光体面から分離されて定着手段8へ導入されて定着を受けることにより、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により助電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成される。このプロセスカートリッジが複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱可能に構成されてもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくとも一つを感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化して、案内手段(不図示)を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジとすることができる。
また、画像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいはセンサーで原稿を読みとり、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
このような帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程を有する画像形成装置に、本発明の画像形成方法を採ることで、電子写真感光体表面の、原子間力顕微鏡により測定した10μm四方の十点平均面粗さが60nm以上200nm以下の範囲に維持され、効果的に電子写真感光体表面を研磨し、傷の発生がなく高寿命を達成しつつ、高湿下でも画像流れが発生しない画像形成方法となった。
以下、本発明を実施例により説明する。なお、実施例における配合量は全て質量部を意味する。
(実施例1)
実施例1に用いる電子写真感光体を以下の通りに作製した。まず、直径30mmのアルミニウムシリンダーをFT−IR−ATR測定用、実機テスト用と2本用意する。
実施例1に用いる電子写真感光体を以下の通りに作製した。まず、直径30mmのアルミニウムシリンダーをFT−IR−ATR測定用、実機テスト用と2本用意する。
そして、アルミニウムシリンダーの導電層用の塗料を以下の手順で調製した。
10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体 50部
フェノール樹脂 25部
メチルセロソルブ 20部
メタノール 5部
シリコーンオイル 0.002部
(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)
を直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調製した。この塗料をシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布し、140℃で30分乾燥して、膜厚18μmの導電層を形成した。
10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体 50部
フェノール樹脂 25部
メチルセロソルブ 20部
メタノール 5部
シリコーンオイル 0.002部
(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)
を直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調製した。この塗料をシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布し、140℃で30分乾燥して、膜厚18μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、下引き層用塗料を調製した。この塗料を前記の導電層上に浸漬コーティング法によって塗布し、100℃で10分間乾燥して、0.4μmの下引き層を形成した。
次に、
オキシチタニウムフタロシアニン 3部
(CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2度が9.0度、14.2度、23.9度及び27.1度に強いピークを有する結晶形)
ポリビニルブチラール(商品名エスレックBM2、積水化学(株)製) 3部
シクロヘキサノン 35部
を1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、その後に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。この塗料を前記下引き層の上に浸漬塗布方法で塗布して80℃で10分間乾燥し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
オキシチタニウムフタロシアニン 3部
(CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2度が9.0度、14.2度、23.9度及び27.1度に強いピークを有する結晶形)
ポリビニルブチラール(商品名エスレックBM2、積水化学(株)製) 3部
シクロヘキサノン 35部
を1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、その後に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。この塗料を前記下引き層の上に浸漬塗布方法で塗布して80℃で10分間乾燥し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(1)で示される構造を有する化合物(電荷輸送物質) 35部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂 50部
(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスティックス(株)製)
を、モノクロロベンゼン320部/ジメトキシメタン50部の混合溶剤に溶解させることによって、第一電荷輸送層用塗布液を調製した。
(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスティックス(株)製)
を、モノクロロベンゼン320部/ジメトキシメタン50部の混合溶剤に溶解させることによって、第一電荷輸送層用塗布液を調製した。
この第一電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを40分間、100℃に調整された熱風乾燥機中で乾燥させることによって、膜厚が18μmの第一電荷輸送層を形成した。
前記化合物例No.20の正孔輸送性化合物60部を、1−プロパノール35部及び1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラーH、日本ゼオン(株)製)35部の混合溶剤に溶解させた。その後、これをポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の0.5μmメンブレンフィルターで加圧濾過することによって、第二電荷輸送層用塗布液を調製した。この第二電荷輸送層用塗布液を第一電荷輸送層上に浸漬塗布した後、50℃の条件下5分間保持して溶剤を風乾させた。
これに、窒素雰囲気(酸素濃度10ppm)下で加速電圧70kV、線量4kGy(0.4Mrad)の条件で電子線を照射した。その後、同雰囲気下で電子写真感光体(=電子線の被照射体)の温度が117℃になる条件で40秒間加熱処理を行い、更に大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で10分間加熱処理を行うことによって、膜厚が3.5μmの硬化性の第二電荷輸送層を形成した。
FT−IR−ATR測定用の電子写真感光体の赤外分光スペクトルを以下の条件で測定した。
(測定条件)
装置:FT/IR−420(日本分光(株)製)付属装置:ATR装置IRE:Ge入射角:45度積算回数:320
得られたスペクトルよりA値を求めたところ、0.024であった。
装置:FT/IR−420(日本分光(株)製)付属装置:ATR装置IRE:Ge入射角:45度積算回数:320
得られたスペクトルよりA値を求めたところ、0.024であった。
次に図2の研磨装置で、研磨シート送りスピード400mm/min、ワーク回転スピード240rpm、押込み量2.5mmで、レフライト社製研磨シートGC#2000を用いて20秒研磨し表面粗さを測定した。
(測定条件)
装置:SE−3500(小坂研究所製表面粗さ測定器サーフコーダ)、カットオフ値:0.08、測定長さ:2.5mm、評価長さ:2.5mm、スキャンスピード:0.1mm/sec JIS−B0601−2001を基準とし十点平均粗さRzを計算、0.35μmであった。
(測定条件)
装置:SE−3500(小坂研究所製表面粗さ測定器サーフコーダ)、カットオフ値:0.08、測定長さ:2.5mm、評価長さ:2.5mm、スキャンスピード:0.1mm/sec JIS−B0601−2001を基準とし十点平均粗さRzを計算、0.35μmであった。
次に、本発明の画像形成方法に用いられる電子写真感光体とともに使用されるトナーの製造方法を説明する。
(トナー粒子の製造例)
スチレンアクリル樹脂 100部
(スチレン−ブチルアクリレート共重合比=78:22)
磁性体 100部
サリチル酸金属化合物 4部
炭化水素系ワックス 4部
上記を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押し出し混練機で溶融混練した後、ハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をターボミルT−250型で微粉砕後、得られた微粉末を風力分級機で分級し、トナー粒子1を得た。
スチレンアクリル樹脂 100部
(スチレン−ブチルアクリレート共重合比=78:22)
磁性体 100部
サリチル酸金属化合物 4部
炭化水素系ワックス 4部
上記を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押し出し混練機で溶融混練した後、ハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をターボミルT−250型で微粉砕後、得られた微粉末を風力分級機で分級し、トナー粒子1を得た。
(無機微粉体Aの製造例)
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンを純水で濾液の電気伝導度が2200μS/cmになるまで洗浄した。該含水酸化チタンスラリーにNaOHを添加して吸着している硫酸根をSO3として0.24質量%になるまで洗浄した。次に該含水酸化チタンスラリーに塩酸を添加してスラリーのpHを1.0としてチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを6.0として上澄み液の電気伝導度が120μS/cmになるまで純水を用いてデカンテーションによって洗浄した。得られた含水酸化チタンをX線回折により調べたところアナターゼ型TiO2のピークのみを示した。
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンを純水で濾液の電気伝導度が2200μS/cmになるまで洗浄した。該含水酸化チタンスラリーにNaOHを添加して吸着している硫酸根をSO3として0.24質量%になるまで洗浄した。次に該含水酸化チタンスラリーに塩酸を添加してスラリーのpHを1.0としてチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを6.0として上澄み液の電気伝導度が120μS/cmになるまで純水を用いてデカンテーションによって洗浄した。得られた含水酸化チタンをX線回折により調べたところアナターゼ型TiO2のピークのみを示した。
以上のようにして得られた含水率91%のメタチタン酸533g(0.6モル)をSUS製反応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応容器内を窒素ガス置換した。Sr(OH)2・8H2O(純度95.5%)183.6g(0.66モル)を加え、更に蒸留水を加えて0.3モル/リットル(SrTiO3換算)、SrO/TiO2モル比1.10のスラリーに調製した。
窒素雰囲気中で該スラリーを90度まで18℃/1時間で昇温し、沸点で3時間反応を行った。反応後40℃まで冷却し、窒素雰囲気下において上澄み液を除去し、2.5リットルの純水を加えてデカンテーションを行うという操作を3回繰り返して洗浄を行った後、ヌッチェで濾過を行った。得られたケーキを110℃の大気中で4時間乾燥した。
得られたチタン酸ストロンチウムは、一次粒子の平均径が120nmで、粒子形状が概略立方体又は直方体であるものの含有率は70個数%であった。得られたチタン酸ストロンチウム結晶をX線回折により調べたところペロブスカイト型結晶のピークを示した。
(無機微粉体Bの製造例)
炭酸ストロンチウム1500gと酸化チタン800gをボールミルにて、8時間湿式混合した後、ろ過乾燥し、この混合物を5kg/cm2の圧力で成形して1300℃で8時間仮焼した。これを、機械粉砕して、重量平均径400nmチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)とを有する無機微粉末(B−1)を得た。また高温での焼成工程を経るため無機微粉体Aに比べ、形状は球状に近い多面体状であった。得られたチタン酸ストロンチウム結晶をX線回折により調べたところペロブスカイト型結晶のピークを示した。
炭酸ストロンチウム1500gと酸化チタン800gをボールミルにて、8時間湿式混合した後、ろ過乾燥し、この混合物を5kg/cm2の圧力で成形して1300℃で8時間仮焼した。これを、機械粉砕して、重量平均径400nmチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)とを有する無機微粉末(B−1)を得た。また高温での焼成工程を経るため無機微粉体Aに比べ、形状は球状に近い多面体状であった。得られたチタン酸ストロンチウム結晶をX線回折により調べたところペロブスカイト型結晶のピークを示した。
(流動性向上剤)
一次粒径約7nmのシリカ100部にジメチルシリコーンオイル20部で表面処理した疎水性シリカ(BET=130m2/g)の微粒子シリカSi−1を用意した。
一次粒径約7nmのシリカ100部にジメチルシリコーンオイル20部で表面処理した疎水性シリカ(BET=130m2/g)の微粒子シリカSi−1を用意した。
次に、
トナー粒子1 100部
無機微粉体A 1部
無機微粉体B 1部
流動性向上剤 1部
をヘンシェルミキサーFM10Bにて外添し、評価用トナーとした。
トナー粒子1 100部
無機微粉体A 1部
無機微粉体B 1部
流動性向上剤 1部
をヘンシェルミキサーFM10Bにて外添し、評価用トナーとした。
得られた実機テスト用の電子写真感光体と研磨粒子を外添したトナーをキヤノン(株)製デジタル複写機iR3045に装着して、画像流れの評価及びクリーニングの評価を行った。また、画像流れ評価後の感光体表面の原子間力顕微鏡による表面粗さを測定した。
画像流れの評価はH/H(30℃、85%RH)で評価機及び通紙用の紙を24時間放置させた後、10000枚の通紙耐久を行い、そのままH/H環境で72時間放置後に文字チャートとハーフトーンチャートで画像をだして、評価した。評価ランクは以下のとおり。
ランク5 画像流れなし
ランク4 文字画像はOKだがHTが若干薄くなる画像流れあり
ランク3 文字画像はOKだがHTが薄くなる画像流れあり
ランク2 文字画像が細くなる画像流れあり
ランク1 画像上重大な欠陥となる画像流れあり
ランク5 画像流れなし
ランク4 文字画像はOKだがHTが若干薄くなる画像流れあり
ランク3 文字画像はOKだがHTが薄くなる画像流れあり
ランク2 文字画像が細くなる画像流れあり
ランク1 画像上重大な欠陥となる画像流れあり
クリーニング評価は、L/L(15℃、10%RH)で評価機及び通紙用の紙を24時間放置させた後、1000枚の通紙耐久を行いクリーニングブレードからのトナーのすり抜けの発生により評価した。評価ランクは以下のとおり。
ランク5 すり抜けなし
ランク4 画像には出ないがすり抜けあり
ランク3 画像にかすかに出るすり抜けあり
ランク2 画像にでるすり抜けあり
ランク1 画像上重大な欠陥となるすり抜けあり
ランク5 すり抜けなし
ランク4 画像には出ないがすり抜けあり
ランク3 画像にかすかに出るすり抜けあり
ランク2 画像にでるすり抜けあり
ランク1 画像上重大な欠陥となるすり抜けあり
画像流れ評価を行った感光体表面の原子間力顕微鏡による表面粗さの測定は以下のように行った。
測定器は東陽テクニカ製SPMを用い、視野10μm×10μmにて観察し、2次の面補正後Roughness解析を行い、十点平均高さSzを求めた。評価結果を表2に示す。
(実施例2)
実施例1の電子線照射時の線量を8kGy(0.8Mrad)の条件で電子線を照射した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。結果を表2に示す。
実施例1の電子線照射時の線量を8kGy(0.8Mrad)の条件で電子線を照射した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1の電子線照射時の線量を2kGy(0.2Mrad)の条件で電子線を照射した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。結果を表2に示す。
実施例1の電子線照射時の線量を2kGy(0.2Mrad)の条件で電子線を照射した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例1の研磨工程で使用する研磨シートをレフライト社製GC#3000にした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。結果を表2に示す。
実施例1の研磨工程で使用する研磨シートをレフライト社製GC#3000にした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。結果を表2に示す。
(実施例5)
実施例1の研磨工程で使用する研磨シートをレフライト社製GC#1000にした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。結果を表2に示す。
実施例1の研磨工程で使用する研磨シートをレフライト社製GC#1000にした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。結果を表2に示す。
(実施例6)
実施例1の研磨粒子の平均径を80nmとした以外は実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
実施例1の研磨粒子の平均径を80nmとした以外は実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例1の研磨粒子の平均径を220nmとした以外は実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
実施例1の研磨粒子の平均径を220nmとした以外は実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1の電子線照射時の線量を12kGy(1.2Mrad)の条件で電子線を照射した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。結果を表2に示す。
実施例1の電子線照射時の線量を12kGy(1.2Mrad)の条件で電子線を照射した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1の電子線照射時の線量を0.8kGy(0.08Mrad)の条件で電子線を照射した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。結果を表2に示す。
実施例1の電子線照射時の線量を0.8kGy(0.08Mrad)の条件で電子線を照射した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例1の研磨工程で使用する研磨シートをレフライト社製GC#4000にした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。結果を表2に示す。
実施例1の研磨工程で使用する研磨シートをレフライト社製GC#4000にした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。結果を表2に示す。
(比較例4)
実施例1の研磨工程で使用する研磨シートをレフライト社製GC#800にした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。結果を表2に示す。
実施例1の研磨工程で使用する研磨シートをレフライト社製GC#800にした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し評価した。結果を表2に示す。
(比較例5)
実施例1の研磨粒子の平均径を70nmとした以外は実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
実施例1の研磨粒子の平均径を70nmとした以外は実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
(比較例6)
実施例1の研磨粒子の平均径を230nmとした以外は実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
実施例1の研磨粒子の平均径を230nmとした以外は実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
表2からわかるように、本発明の画像形成方法により、感光体の硬化性表面層の原子間力顕微鏡により測定した10μm四方の十点平均面粗さが60nm〜200nmの範囲に維持され、このとき高湿下の画像流れが改善されることがわかる。また、いずれかの値がこの範囲を外れると原子間力顕微鏡により測定した10μm四方の十点平均面粗さが所定の範囲を外れ、画像流れやすり抜けの悪化、磨耗量の増加による感光体の寿命の低下等の弊害があることがわかる。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 研磨シート
12−1 ガイドローラ
12−2 ガイドローラ
12−3 ガイドローラ
12−4 ガイドローラ
13 バックアップローラー
14 電子写真感光体
15 巻き取り手段
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 研磨シート
12−1 ガイドローラ
12−2 ガイドローラ
12−3 ガイドローラ
12−4 ガイドローラ
13 バックアップローラー
14 電子写真感光体
15 巻き取り手段
Claims (2)
- 少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程を有する画像形成装置において、
該画像形成方法に用いられる電子写真感光体の表面層が、アクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)又はメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を有する正孔輸送性化合物を少なくとも熱、光、放射線の何れかにより重合、硬化されることにより形成され、且つ、内部反射エレメントがGe、入射角が45度の条件でフーリエ変換赤外分光全反射法により求める下記式(1)で表されるA値としたとき、
A=S1/S2 (1)
(式(1)中、S1は末端オレフィン(CH2=)面内変角振動に基づくピーク面積である。S2はアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基のC=O伸縮振動に基づくピーク面積である。)
該電子写真感光体のA値は0.019以上0.040以下であり、
該電子写真感光体の表面が表面粗さ測定器によりJIS−B0601:2001に基づいて測定した十点平均粗さ(Rz)が以下の範囲であり、
0.2μm≦Rz≦0.8μm
かつ、該電子写真感光体の表面が、原子間力顕微鏡により測定した10μm四方の十点平均面粗さが60nm以上200nm以下であり、
該クリーニング工程は、粒子形状が概略立方体又は直方体である一次粒子の平均粒径が80nm以上220nm以下であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体からなる研磨粒子を介して該電子写真感光体表面を摺擦する工程である
ことを特徴とする画像形成方法。 - 前記無機微粉体が、チタン酸ストロンチウム結晶の微粉体である請求項1に記載の画像形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008262738A JP2010091850A (ja) | 2008-10-09 | 2008-10-09 | 画像形成方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019152699A (ja) * | 2018-02-28 | 2019-09-12 | キヤノン株式会社 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
-
2008
- 2008-10-09 JP JP2008262738A patent/JP2010091850A/ja active Pending
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