JP2010091781A - 多段光導波路 - Google Patents

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Abstract

【課題】ミラー面における反射の際に生じる光伝播の損失が十分に抑制された多段光導波路を提供する。
【解決手段】中間クラッド層1と、中間クラッド層1の一方の面上に形成された第1の光導波路と、中間クラッド層1の他方の面上に形成された第2の光導波路とを備える多段光導波路であって、第1の光導波路に入射した光Lの光路を前記第2の光導波路の方向に変換する第1のミラー面11を画定する第1のミラー部21と、第1のミラー面11により光路を変換された光Lが第2の光導波路に入射するように、第1のミラー面11により光路を変換された光Lの光路を変換する第2のミラー面12を画定する第2のミラー部22とが形成されており、且つ、第1のコア部2の光軸が第1のミラー面11に対してなしている角度が20〜50°の範囲内であること、第2のコア部4の光軸が第2のミラー面12に対してなしている角度が20〜40°の範囲内であることを満たす。
【選択図】図2

Description

本発明は、中間クラッド層と、前記中間クラッド層の両面上に形成された第1及び第2のコア部を備える第1及び第2の光導波路とを備える多段光導波路に関する。
近年、電子機器においては、その小型化及び高性能化の要求が高まっている。そして、信号の高速化に対応するために、電子部品間を光信号によって接続することによる電子機器内における信号伝送路の高速化が検討されており、光信号による接続を行うための光配線と電気配線とを備えた光・電気混載基板が用いられている。
このような光・電気混載基板においては、光配線のより高度なデザインを可能にして更なる高密度化を図ることが検討されており、例えば、国際公開第2005/107026号パンフレット(特許文献1)には、基板と、上記基板の上に形成された少なくとも第1及び第2の光導波路層と、上記第1の光導波路層に形成されたエッチングによるミラー面を有する少なくとも第1のデバイスと、上記第2の光導波路層に形成されたエッチングによるミラー面を有する少なくとも第2のデバイスとを備えており、上記第1及び第2のデバイスの各ミラー面が上記第1のデバイスと上記第2のデバイスとを光学的に接続している集積型の光デバイスが開示されている。しかしながら、特許文献1に記載のような光デバイスにおいては、ミラー面における反射の際に生じる光伝播の損失が大きいという問題点があった。
国際公開第2005/107026号パンフレット
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、ミラー面における反射の際に生じる光伝播の損失が十分に抑制された多段光導波路を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、中間クラッド層と、前記中間クラッド層の一方の面に形成された第1のコア部を備える第1の光導波路と、前記中間クラッド層の他方の面に形成された第2のコア部を備える第2の光導波路とを備え、前記第1の光導波路から前記第2の光導波路に光を導くための第1及び第2のミラー部が形成されている多段光導波路において、前記第2のコア部の光軸が前記第2のミラー部のミラー面に対してなしている角度を特定の範囲に調整することにより、ミラー面における反射の際に生じる光伝播の損失が十分に抑制された多段光導波路が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の多段光導波路は、中間クラッド層と、前記中間クラッド層の一方の面上に形成された第1のコア部を備える第1の光導波路と、前記中間クラッド層の他方の面上に形成された第2のコア部を備える第2の光導波路とを備える多段光導波路であって、
前記第1の光導波路に入射した光の光路を前記第2の光導波路の方向に変換する第1のミラー面を画定する第1のミラー部と、前記第1のミラー面により光路を変換された光が前記第2の光導波路に入射するように、前記第1のミラー面により光路を変換された光の光路を変換する第2のミラー面を画定する第2のミラー部とが形成されており、且つ、
下記条件(i)及び(ii):
(i)前記第1のコア部の光軸が前記第1のミラー面に対してなしている角度θが20〜50°の範囲内であること、
(ii)前記第2のコア部の光軸が前記第2のミラー面に対してなしている角度θが20〜40°の範囲内であること、
を満たすことを特徴とするものである。
また、本発明の多段光導波路においては、前記第1のコア部の光軸と前記第1のミラー面との交点Mに対する前記第2のコア部の光軸と前記第2のミラー面との交点Mの光軸方向におけるずれ幅(光の進行方向を正とする)が10〜50μmの範囲内であることが好ましい。
さらに、本発明の多段光導波路において、前記第1のコア部の光軸が前記第1のミラー面に対してなしている角度θは20〜35°の範囲内であることが好ましく、また、前記第2のコア部の光軸が前記第2のミラー面に対してなしている角度θは20〜35°の範囲内であることが好ましい。
また、本発明の多段光導波路は、前記第1のコア部を包囲している第1のクラッド部と、前記第2のコア部を包囲している第2のクラッド部とを更に備えていてもよい。
さらに、本発明の多段光導波路においては、前記第2のミラー面近傍におけるコア部の厚みが、前記第2の光導波路におけるコア部の平均厚みよりも大きいことが好ましい。
また、本発明の多段光導波路においては、前記第1のミラー面が光を受ける面側に段階的に屈曲していてもよい。
さらに、本発明の多段光導波路においては、前記第1の光導波路が複数本の第1のコア部を多条配設した光導波路であり、且つ、前記第2の光導波路が複数本の第2のコア部を多条配設した光導波路であってもよい。
また、本発明の多段光導波路においては、前記中間クラッド層及び前記第1及び第2の光導波路が高分子材料からなることが好ましく、前記高分子材料が付加重合型ノルボルネンを主体とする主鎖を含むものであることがより好ましい。
なお、本発明の多段光導波路においては、第1の光導波路に入射した光が第1のミラー面により光路を変換され、このように光路が変換された光が第2の光導波路に入射するように、第2のミラー面により光路を変換される。そして、本発明においては、第1のミラー面により光路が変換された光を受ける第2のミラー面は第2のコア部の光軸に対して20〜40°の角度をなしているため、第1のミラー面により光路が変換された光を受けるミラー面の面積は従来のように45°の角度をなしている場合と比較して大きくなる。そのため、本発明の多段光導波路によれば、ミラー面における反射の際に生じる光伝播の損失を十分に抑制することができる。
本発明によれば、ミラー面における反射の際に生じる光伝播の損失が十分に抑制された多段光導波路を提供することが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の多段光導波路の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の多段光導波路の一部を示す模式斜視図である。また、図2は、本発明の多段光導波路の図1におけるB−B’線断面を示す模式断面図である。図1及び図2に示す多段光導波路は、中間クラッド層1と、中間クラッド層1の一方の面上に形成された第1のコア部2を備える第1の光導波路3と、中間クラッド層1の他方の面上に形成された第2のコア部4を備える第2の光導波路5を備えている。そして、図1及び図2に示す多段光導波路においては、第1のコア部2に入射した光の光路を第2の光導波路5の方向に変換する第1のミラー面11を画定する第1のミラー部21と、第1のミラー面11により光路を変換された光が第2のコア部4に入射するように、第1のミラー面11により光路を変換された光Lの光路を変換する第2のミラー面12を画定する第2のミラー部22が形成されている。また、図2に示すように、本発明の多段光導波路においては、第1のコア部の光軸Aが第1のミラー面11に対して角度θをなしており、第2のコア部の光軸Aが第2のミラー面12に対して角度θをなしている。
中間クラッド層1は、第1のコア部2及び第2のコア部4よりも屈折率が低い層である。また、中間クラッド層1の材質としては特に限定されず、光導波路を形成するための用いることができる公知の高分子材料を適宜使用することができる。また、これらの高分子材料の中でも、得られる多段光導波路の耐熱性の観点から、後述する付加重合型ノルボルネンを主体とする主鎖を含む高分子材料を用いることがより好ましい。さらに、中間クラッド層1の厚みは特に限定されないが、一般的には10〜30μmの範囲内であることが好ましい。
第1及び第2のコア部2、4は、それぞれ第1及び第2の光導波路3、5において光の光路を定める部分である。第1及び第2のコア部2、4の材質としては特に限定されず、光導波路を形成するための用いることができる公知の高分子材料を適宜使用することができる。また、これらの高分子材料の中でも、得られる多段光導波路の耐熱性の観点から、後述する付加重合型ノルボルネンを主体とする主鎖を含む高分子材料を用いることがより好ましい。第1及び第2のコア部2、4の厚みは特に限定されないが、一般的には30〜75μmの範囲内であることが好ましい。また、第1及び第2のコア部2、4の幅は特に限定されないが、一般的には30〜75μmの範囲内であることが好ましい。なお、本発明の多段光導波路においては、ミラー面において屈折率の低い空気(屈折率=1)とコア部が接しているため、ミラー面における屈折率差が大きく、反射効率が優れている。また、第1及び第2のミラー部21、22の形状については特に制限されない。図1に示す多段光導波路においては、第1及び第2のミラー部21、22のB−B’線断面が二等辺三角形となっているが、このようなB−B’線断面が例えば直角三角形や台形となっていてもよい。
本発明の多段光導波路においては、以下説明する条件(i)及び(ii)の全てを満たすことが必要である。すなわち、本発明の多段光導波路においては、先ず、(i)第1のコア部の光軸Aが第1のミラー面11に対してなしている角度θが20〜50°の範囲内であるという条件を満たすことが必要である。前記角度θが20°未満では、所望の角度をなすミラー部を形成するには長手方向が200μm以上の均一なビームが必要になるためミラー部の加工が困難になり、他方、50°を超えると、第1のミラー部のミラー面において全反射しにくくなり、ミラー面における光伝播の損失を十分に抑制できない。また、このような角度θは、加工の容易さ及びミラーの反射性能の観点から、20〜40°の範囲内であることがより好ましく、20〜35°の範囲内であることが特に好ましい。なお、角度θとは、中間クラッド層1に対して垂直で且つ第1のコア部の光軸Aと平行な面(図1におけるB−B’線断面)内において、第1のコア部の光軸Aと第1のミラー面11との間の角度のことをいう。
また、本発明の多段光導波路においては、(ii)第2のコア部の光軸Aが第2のミラー面12に対してなしている角度θが20〜40°の範囲内であるという条件を満たすことが必要である。前記角度θが20°未満では、所望の角度をなすミラー部を形成するには長手方向が200μm以上の均一なビームが必要になるためミラー部の加工が困難になり、他方、40°を超えると、第1のミラー部のミラー面により光路を変換された光を受ける第2のミラー部のミラー面の面積が小さくなるため、ミラー面における光伝播の損失を十分に抑制できない。また、このような角度θは、加工の容易さ及びミラーの反射性能の観点から、20〜35°の範囲内であることがより好ましい。なお、角度θとは、中間クラッド層1に対して垂直で且つ第2のコア部の光軸Aと平行な面(図1におけるB−B’線断面)内において、第2のコア部の光軸Aと第2のミラー面12との間の角度のことをいう。
また、本発明の多段光導波路においては、第1のコア部2の光軸Aと第1のミラー面11との交点Mに対する第2のコア部4の光軸Aと前記第2のミラー面12との交点Mの光軸方向におけるずれ幅X(光Lの進行方向を正とする)が10〜50μmの範囲内であることが好ましく、25〜45μmの範囲内であることがより好ましい。このずれ幅Xを前記範囲内に調整することにより、第1のミラー面により光路が変換された光を第2のミラー面においてより確実に受けることができるため、ミラー面における光伝播の損失の更なる抑制を図ることができる。また、ずれ幅Xが前記範囲外である場合には、第一ミラー面により光路が変換された光を第二のミラー面で受け止めることが出来にくくなる傾向にある。
さらに、本発明の多段光導波路においては、図3に示すように、第2のミラー面12近傍におけるコア部の厚みが、第2の光導波路におけるコア部4の平均厚みよりも大きいことが好ましい。このようにミラー部が形成されている部分におけるコア部を厚くすることにより、第1のミラー面により光路を変換された光を受ける第2のミラー面の面積が大きくなるため、ミラー面における光伝播の損失の更なる抑制を図ることができる。また、このような場合において、また、第2の光導波路におけるコア部4の平均厚みtavに対する第2のミラー面12近傍におけるコア部の厚みtの比(t/tav)は、1〜2の範囲内であることが好ましい。
また、本発明の多段光導波路においては、第1のミラー面が光を受ける面側に段階的に屈曲していてもよい。このように第1のミラー面が光を受ける面側に段階的に屈曲していれば、第1のミラー面により光路を変換された光を第2のミラー面により効率よく集めることでき、第1のミラー面により光路を変換された光がより確実に第2のミラー面に導かれるよう調整することができる傾向にある。そのため、ミラー面における光伝播の損失の更なる抑制を図ることができる。また、このような場合において、第1のミラー面は光を受ける面側に二段階以上で段階的に屈曲していればよく、例えば図4に示すように、第1のミラー面が光を受ける面側に曲面化するまで多段階的に屈曲していてもよい。
さらに、本発明の多段光導波路においては、図1に示すように、第1の光導波路3が複数本の第1のコア部2を多条配設した光導波路であり、且つ、第2の光導波路5が複数本の第2のコア部4を多条配設した光導波路であってもよい。このように複数本のコア部を有することにより、より高密度な光配線が可能となる。また、本発明の多段光導波路は、第1のコア部2を包囲している第1のクラッド部(図示せず)と、第2のコア部4を包囲している第2のクラッド部(図示せず)とを更に備えていてもよい。このような第1及び第2のクラッド部の存在により、第1及び第2のコア部2、4を埃や塵の付着による汚損から保護することができる。また、このような第1及び第2のクラッド部は、第1のコア部2及び第2のコア部4よりも屈折率が低い部分であればよく、その材質は特に限定されない。
以上、本発明の多段光導波路について一例を挙げて説明したが、本発明の多段光導波路は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明に多段光導波路においては、多段光導波路の表面上に他のクラッド層を介して他の光導波路を更に積層することができる。このようにして、3層以上の光導波路を備える多段光導波路を作製することができる。また、上記実施形態においては第1のコア部の光軸Aと第2のコア部の光軸Aとは同一平面を形成することができる位置関係となっているが、第1のコア部の光軸Aと第2のコア部の光軸Aとは同一平面を形成することができない位置関係、すなわち、ねじれの位置関係となっていてもよい。
以上説明した本発明の多段光導波路は、前記中間クラッド層、前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路を備える多段光導波路に、前記第1のミラー部及び前記第2のミラー部を形成することにより製造することができる。
本発明においてミラー面を画定するミラー部を形成する方法としては、例えば光導波路のコア部の一部を欠失させる方法を採用することができる。また、コア部の一部を欠失させる方法としては、例えば、特開平8−318386号公報に記載されているようなレーザー加工法、特開平10−300961号公報に記載されているようなダイシング加工法、特開2006−98789号公報に記載されているようなエンボス加工法を採用することができる。
これらの方法のうちレーザー加工法を用いたミラー部の形成方法についてより詳細に説明する。すなわち、光導波路のコア部の一部に、レーザーを照射し、コア部に対するレーザーの照射領域を相対的に変化させることにより、コア部のミラー部を形成する部位へのレーザーの照射時間を部分的に変化させて、レーザーのコア部の深さ方向に対する到達度を調整しつつコア部の構成材料を除去してミラー部を形成することができる。このように、レーザーの照射によりミラー面を形成することができるので、任意の位置に、任意のパターンでミラー部を容易に形成することができる。レーザーとしては、例えば、ArF及びKrF等のエキシマレーザー、YAGレーザー、COレーザー等が挙げられる。レーザーの照射エネルギーは、コア部の構成材料に応じて異なるため特に限定されないが、100〜1000mJ/cmの範囲が好ましく、250〜700mJ/cmの範囲が特に好ましい。照射エネルギーが上記範囲内であると、短時間でコア部の構成材料を除去することができる。レーザーの照射周波数は、コア部の構成材料に応じて異なるため特に限定されないが、50〜300Hzの範囲が好ましく、特に50〜200Hzの範囲が好ましい。周波数が上記範囲内であると、特に傾斜面(ミラー面)の平滑性に優れる。また、コア部にレーザーを照射するサイズは、形成するミラー部の大きさに応じて異なるため特に限定されないが、80〜200μm×80〜200μmであることが好ましく、100〜150μm×100〜150μmであることが特に好ましい。このようにして、微細なミラー部を形成することができる。
また、前記中間クラッド層、前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路を備える多段光導波路を作製する方法としては、例えば、国際公開第2005/052641号パンフレットに記載されている光導波路の形成方法を採用することができる。
すなわち、先ず、図5に示すように、紫外領域に吸収極大波長を有する光酸発生剤を含有する高分子材料からなるコアフィルム材料100を準備する。そして、例えばフォトマスク120を用いて、コアフィルム材料100の一部に、吸収極大波長を含む波長の紫外光を照射することにより、コアフィルム材料100の照射領域(クラッド部102)と非照射領域(コア部101)との間に屈折率差を生じさせて、複数のコア部101を備える光導波路110を形成することができる。フォトマスク120に代えて、吸収極大波長を含む波長のレーザー(図示なし)でコアフィルム材料100を選択的に照射することにより光導波路110を形成してもよい。
そして、このようにして形成される光導波路を前記中間クラッド層の両面に形成することにより、前記中間クラッド層、前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路を備える多段光導波路を作製することができる。なお、前記光導波路を前記中間クラッド層の両面に形成する方法としては、例えば、(i)前記第1及び第2の光導波路を形成した後に、中間クラッド層の材料であるクラッドフィルム材料を介して前記第1及び第2の光導波路を積層する方法、(ii)前記第1及び第2の光導波路の材料であるコアフィルム材料を、中間クラッド層の材料であるクラッドフィルム材料を介して積層した後に、上述のように紫外光を照射することにより、前記第1及び第2の光導波路を形成する方法が挙げられる。
また、光導波路110を形成するためのコアフィルム材料100や中間クラッド層1を形成するためのクラッドフィルム材料については、国際公開第2005/052641号パンフレットに記載されているコアフィルム材料やクラッドフィルム材料を使用することができる。
すなわち、光導波路110を形成するためのコアフィルム材料100としては、紫外光の照射により、或いはさらに加熱することにより屈折率が変化する材料であれば、当該技術分野において公知のいずれの材料を採用してもよい。前記コアフィルム材料100としては、例えば、紫外光の照射により活性化して酸を放出する光酸発生剤と、主鎖と該主鎖から分岐して活性化した光酸発生剤が放出する酸の作用により、分子構造の少なくとも一部が主鎖から離脱し得る離脱性基(離脱性ぺンダントグループ)を有するポリマーとを含有する材料を使用することができる。
このような光酸発生剤としては、例えば、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩やヘキサフルオロアンチモン酸塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリウム酸塩、アルミン酸塩類、アンチモン酸塩類、他のホウ酸塩類、ガリウム酸塩類、カルボラン類、ハロカルボラン類が挙げられる。このような光酸発生剤の市販品としては、例えば、Rhodia USA社から入手可能な「RHODORSIL(登録商標)PHOTOINITIATOR 2074(CAS番号第178233−72−2番)」、東洋インキ製造株式会社から入手可能な「TAG−372R((ジメチル(2−(2−ナフチル)−2−オキソエチル)スルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート:CAS番号第193957−54−9番))、みどり化学株式会社から入手可能な「MPI−103(CAS番号第87709−41−9番)」、東洋インキ製造株式会社から入手可能な「TAG−371(CAS番号第193957−53−8番)」、東洋合成工業株式会社から入手可能な「TTBPS−TPFPB(トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルフォニウムテトラキス(ペンタペンタフルオロフェニル)ボレート)」が挙げられる。
光酸発生剤としてRHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074を用いる場合、紫外光の照射手段として、高圧水銀ランプ又はメタルハライドランプが好適に用いられる。これにより、コアフィルム材料100に対して、300nm未満の十分なエネルギーの紫外光を供給することができ、RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074を効率よく分解して、上記の酸を発生させることができる。
離脱性基を有する前記ポリマーとしては、透明性が十分に高く(無色透明であり)、且つ、光酸発生剤が放出する酸、好ましくはプロトンの作用により離脱性基が離脱(切断)して、その屈折率が変化(好ましくは低下)するものが用いられる。離脱性基としては、その分子構造中に、−O−構造、−Si−アリール構造および−O−Si−構造のうちの少なくとも1つを有するものが好ましい。かかる離脱性基は、酸、好ましくはプロトンの作用により比較的容易に離脱する。このうち、離脱によりポリマーの屈折率を低下させる離脱性基として、−Si−ジフェニル構造および−O−Si−ジフェニル構造の少なくとも一方が好ましい。このようなポリマーとしては、例えば、ノルボルネン系樹脂やベンゾシクロブテン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールが挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて(ポリマーアロイ、ポリマーブレンド(混合物)、共重合体等)用いることができる。これらの中でも、特に、ノルボルネン系樹脂(ノルボルネン系ポリマー)を主とするものが好ましい。ポリマーとしてノルボルネン系ポリマーを用いることにより、優れた光伝送性能や耐熱性を有する光導波路110を得ることができる。また、ノルボルネン系ポリマーは、高い疎水性を有するため、吸水による寸法変化等を生じ難い光導波路110を得ることができる。
ノルボルネン系ポリマーとしては、単独の繰り返し単位を有するもの(ホモポリマー)、2つ以上のノルボルネン系繰り返し単位を有するもの(コポリマー)のいずれであってもよい。このようなノルボルネン系ポリマーとしては、例えば、(1)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合して得られるノルボルネン型モノマーの付加(共)重合体、(2)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との付加共重合体、(3)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、および必要に応じて他のモノマーとの付加共重合体のような付加重合体、(4)ノルボルネン型モノマーの開環(共)重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(5)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との開環共重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(6)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、又は他のモノマーとの開環共重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加したポリマーのような開環重合体が挙げられる。これらの重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体等が挙げられる。また、これらのノルボルネン系ポリマーの中でも、得られる光導波路を光電気混載基板に使用した際の耐半田リフロー性が優れるという観点から、ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合して得られるノルボルネン型モノマーの付加(共)重合体が好ましい。
これらのノルボルネン系ポリマーは、例えば、開環メタセシス重合(ROMP)、ROMPと水素化反応との組み合わせ、ラジカル又はカチオンによる重合、カチオン性パラジウム重合開始剤を用いた重合、これ以外の重合開始剤(例えば、ニッケルや他の遷移金属の重合開始剤)を用いた重合等、公知のすべての重合方法で得ることができる。
また、光導波路110を形成するためのコアフィルム材料100は、上記ポリマーと相溶し、且つ、上記ポリマーと異なる屈折率を有するモノマー及びプロカタリストをさらに含有することもできる。この場合、光酸発生剤は、紫外光を照射した際にさらに弱配位アニオンを放出し、該弱配位アニオンの作用により該プロカタリストの活性化温度が低下し、さらに該活性化温度へ加熱することにより該プロカタリストを活性化させて該モノマーを重合させることができる。
このようなモノマーは、紫外光の照射領域において反応して反応物を形成し、この反応物の存在により、光導波路110において照射領域と未照射領域とにおいて、屈折率差を生じさせ得るような化合物である。このような反応物としては、モノマーがポリマー(マトリックス)中で重合して形成されたポリマー(重合体)、ポリマー同士を架橋する架橋構造、及び、ポリマーに重合してポリマーから分岐した分岐構造(ブランチポリマーや側鎖(ペンダントグループ))のうちの少なくとも1つが挙げられる。
ここで、光導波路110において、照射領域の屈折率が高くなることが望まれる場合には、比較的低い屈折率を有するポリマーと、前記ポリマーに対して高い屈折率を有するモノマーとが組み合わせて使用され、照射領域の屈折率が低くなることが望まれる場合には、比較的高い屈折率を有するポリマーと、前記ポリマーに対して低い屈折率を有するモノマーとが組み合わせて使用される。なお、屈折率が「高い」又は「低い」とは、屈折率の絶対値を意味するものではなく、ある材料同士の相対的な関係を意味する。そして、モノマーの反応(反応物の生成)により、光導波路110において照射領域の屈折率が低下する場合、当該部分がクラッド部102となり、照射領域の屈折率が上昇する場合、当該部分がコア部101となる。
このようなモノマーとしては、重合可能な部位を有する化合物であればよく、特に限定されないが、例えば、ノルボルネン系モノマー、アクリル酸(メタクリル酸)系モノマー、エポキシ系モノマー、スチレン系モノマー等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、モノマーとしては、ノルボルネン系モノマーを用いるのが好ましい。ノルボルネン系モノマーを用いることにより、光伝送性能に優れ、且つ、耐熱性及び柔軟性に優れる光導波路110(単層の光導波路)が
得られる。
プロカタリストは、前記モノマーの反応(重合反応、架橋反応等)を開始させ得る物質であり、紫外光の照射により活性化した光酸発生剤の作用により、活性化温度が変化する物質である。
このようなプロカタリスト(触媒前駆体ともいう)としては、紫外光の照射に伴って活性化温度が変化(上昇又は低下)するものであれば、いかなる化合物を用いてもよいが、特に、紫外光の照射に伴って活性化温度が低下するものが好ましい。これにより、比較的低温による加熱処理で光導波路110を形成することができ、他の層に不要な熱が加わって、光導波路の特性(光伝送性能)が低下するのを防止することができる。
このようなプロカタリストとしては、下記一般式(Ia)及び(Ib)で表わされる化合物の少なくとも一方を含む(主とする)ものが好適に用いられる。
(E(R)Pd(Q) ・・・(Ia)
[(E(R)Pd(Q)(LB)[WCA] ・・・(Ib)
前記一般式(Ia)及び(Ib)において、それぞれ、E(R)は、第15族の中性電子ドナー配位子を表し、Eは、周期律表の第15族から選択される元素を表し、Rは、水素原子(又はその同位体の1つ)又は炭化水素基を含む部位を表し、Qは、カルボキシレート、チオカルボキシレート及びジチオカルボキシレートからなる群から選択されるアニオン配位子を表す。また、一般式(Ib)において、LBは、ルイス塩基を表し、WCAは、弱配位アニオンを表し、aは1〜3の整数を表し、bは0〜2の整数を表し、aとbとの合計は1〜3であり、p及びrは、パラジウムカチオンと弱配位アニオンとの電荷のバランスをとる数を表す。
前記一般式(Ia)に従う典型的なプロカタリストとしては、Pd(OAc)(P(i−Pr)、Pd(OAc)(P(Cy)、Pd(OCCMe(P(Cy)、Pd(OAc)(P(Cp)、Pd(OCCF(P(Cy)、Pd(OCC(P(Cy)が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。ここで、Cpはシクロペンチル(cyclopentyl)基を表し、Cyはシクロヘキシル基を表す。
また、前記一般式(Ib)で表されるプロカタリストとしては、p及びrが、それぞれ1及び2の整数うちのいずれかである化合物が好ましい。前記一般式(Ib)に従う典型的なプロカタリストとしては、Pd(OAc)(P(Cy)が挙げられる。ここで、Cyはシクロヘキシル基を表し、Acはアセチル基を表す。
コアフィルム材料100の形成に際しては、前記ポリマー及び前記光酸発生剤の他に、所要の添加剤を含むコア用ワニスを調製する。前記コア用ワニスの調製に用いる溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;トルエン、キシレン、ベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒;ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、前記コア用ワニスは、必要に応じて、増感剤を含有していてもよい。増感剤は、紫外光に対する光酸発生剤の感度を増大して、その活性化(反応又は分解)に要する時間やエネルギーを減少させる機能や、その活性化に適する波長に紫外光の波長を変化させる機能を有するものである。このような増感剤としては、光酸発生剤の感度や増感剤の吸収のピーク波長等に応じて適宜選択され、特に限定されないが、例えば、9,10−ジブトキシアントラセン(CAS番号第76275−14−4番)のようなアントラセン類、キサントン類、アントラキノン類、フェナントレン類、クリセン類、ベンツピレン類、フルオラセン類(fluoranthenes)、ルブレン類、ピレン類、インダンスリーン類、チオキサンテン−9−オン類(thioxanthen−9−ones)が挙げられる。増感剤の具体例としては、2−イソプロピル−9H−チオキサンテン−9−オン、4−イソプロピル−9H−チオキサンテン−9−オン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、フェノチアジン(phenothiazine)が挙げられる。これらの増感剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、9,10−ジブトキシアントラセン(DBA)は、川崎化成工業株式会社から入手が可能である。
さらに、前記コア用ワニスは、必要に応じて、酸化防止剤を含有していてもよい。これにより、望ましくないフリーラジカルの発生や、ポリマーの自然酸化を防止することができるため、得られた光導波路110の特性の向上を図ることができる。このような酸化防止剤としては、Ciba Specialty Chemicals社から入手可能なCiba(登録商標)IRGANOX(登録商標)1076及びCiba IRGAFOS(登録商標)168が好適に用いられる。また、他の酸化防止剤として、例えば、Ciba Irganox(登録商標)129、Ciba Irganox 1330、Ciba Irganox 1010、Ciba Cyanox(登録商標)1790、Ciba Irganox(登録商標)3114、Ciba Irganox 3125を用いることもできる。
前記コア用ワニスは、後述する塗布法及び所期の膜厚に応じて粘度を調整することが好ましい。前記コア用ワニスの粘度(常温)は100〜10000cPであることが好ましく、150〜5000cPであることがより好ましい。
前記コア用ワニスを支持基板上に塗布することによりコアフィルム材料100を形成することができる。支持基板としては、例えば、シリコン基板、二酸化ケイ素基板、ガラス基板、石英基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等が用いられる。塗布法としては、特に限定されないが、例えば、ドクターブレード法、スピンコート法、ディッピング法、テーブルコート法、スプレー法、アプリケーター法、カーテンコート法、ダイコート法等の方法が挙げられる。塗膜の厚みは特に限定されないが、乾燥前の状態で5〜200μm程度、好ましくは15〜125μm程度とすればよい。
中間クラッド層1を形成するためのクラッドフィルム材料としては、光導波路110のコア部よりも屈折率が低くなる材料であれば、当該技術分野において公知のいずれの材料を採用してもよい。クラッドフィルム材料に用いるポリマーとしては、例えば、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールが挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて(ポリマーアロイ、ポリマーブレンド(混合物)、共重合体、複合体(積層体)等)用いることができる。これらのうち、特に耐熱性に優れるという点で、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、又はそれらを含むもの(主とするもの)を用いることが好ましく、ノルボルネン系樹脂(ノルボルネン系ポリマー)を主とするものを用いることが特に好ましい。
ノルボルネン系ポリマーは、極めて耐熱性が高いため、中間クラッド層1が軟化して、変形するのを防止することができる。また、ノルボルネン系ポリマーは、高い疎水性を有するため、吸水による寸法変化等を生じ難い中間クラッド層1を得ることができる。さらに、ノルボルネン系ポリマー又はその原料であるノルボルネン系モノマーは、比較的安価であり、入手が容易であることからも好ましい。さらに、クラッドフィルム材料に用いるポリマーとして、ノルボルネン系ポリマーを主とするものを用いると、光導波路110の構成材料として好適に用いられる材料と同種となるため、光導波路110との密着性がさらに高いものとなり、中間クラッド層1と第1及び第2の光導波路3、5との間での層間剥離を防止することができる。このようなノルボルネン系ポリマーとしては、前記コアフィルム材料において用いるノルボルネン系ポリマーと同様のものを使用することができる。
また、中間クラッド層1を形成するためのクラッドフィルム材料は、必要に応じて、光酸発生剤、プロカタリスト等を含有していてもよい。前記光酸発生剤及びプロカタリストとしては、前記コアフィルム材料において用いる光酸発生剤及びプロカタリストと同様のものをそれぞれ使用することができる。
さらに、前記クラッドフィルム材料の形成に際しては、前記ポリマー、前記光酸発生剤及び前記プロカタリストの他に、必要に応じて増感剤、酸化防止剤等の添加剤を含むクラッド用ワニスを調製する。このようなクラッド用ワニスを作製する際に用いる溶媒、増感剤及び酸化防止剤としては、前記コア用ワニスにおいて用いる溶媒、増感剤及び酸化防止剤と同様のものをそれぞれ使用することができる。
前記クラッド用ワニスは、塗布法及び所期の膜厚に応じて粘度を調整することが好ましい。前記クラッド用ワニスの粘度(常温)は100〜10000cPであることが好ましく、150〜5000cPであることがより好ましい。
前記クラッド用ワニスを支持基板上に塗布することによりクラッドフィルム材料を形成することができる。支持基板及び塗布法としては、前記コアフィルム材料を形成する際に使用する支持基板及び塗布法と同様のもの又は方法を使用することができる。また、塗膜の厚みは特に限定されないが、乾燥前の状態で5〜200μm程度、好ましくは15〜125μm程度とすればよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(調製例)
(1)単層の光導波路フィルムの調製
<ヘキシルノルボルネン(HxNB)/ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン(diPhNB)系コポリマーの合成>
HxNB(CAS番号:第22094−83−3番)(9.63g、0.054モル)、diPhNB(CAS番号:第376634−34−3番)(40.37g、0.126モル)、1−ヘキセン(4.54g、0.054モル)及びトルエン(150g)を、ドライボックス内の500mL容シーラムボトルに入れて混合し、さらにオイルバスにおいて80℃に加熱しながら撹拌して溶液とした。得られた溶液に、パラジウム重合触媒(Pd1446)(1.04×10−2g、7.20×10−6モル)及びN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(略称:DANFABA)(2.30×10−2g、2.88×10−5モル)を、それぞれ濃縮ジクロロメタン溶液(0.1mL)の形態で添加した。添加後の混合物を、マグネチックスターラで80℃において2時間撹拌した。その後、反応混合物(トルエン溶液)をより大きなビーカーに移し変え、これに貧溶媒であるメタノール(1L)を滴下すると、繊維状の白色固形分が沈殿した。沈殿した固形分をろ過して60℃のオーブン内で真空乾燥させたところ、乾燥質量19.0g(収率38%)の生成物が得られた。得られた生成物の分子量をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC:THF溶媒、ポリスチレン換算)で測定したところ、質量平均分子量(Mw)は118,000であり、数平均分子量(Mn)は60,000であった。得られた生成物を1H−NMRで測定し、下記構造式で表されるHxNB/diPhNB系コポリマー(x=0.32、y=0.68、n=5)であることを同定した。このコポリマーの屈折率をプリズムカップリング法で測定したところ、波長633nmにおいて、TEモードが1.5695、そしてTMモードが1.5681であった。
Figure 2010091781
<光導波路形成用ワニスの調製>
イエローライト下、上記HxNB/diPhNB系コポリマーをメシチレンに溶解して10質量%のコポリマー溶液(30g)を調製した。これとは別に、100mL容ガラス瓶に、HxNB(42.03g、0.24モル)及びビス−ノルボルネンメトキシジメチルシラン(SiX、CAS番号:第376609−87−9番)(7.97g、0.026モル)を入れ、さらに2種類の酸化防止剤[Ciba社製Irganox1076(0.5g)及びIrgafos168(0.125g)]を加えてモノマー酸化防止剤溶液を得た。上記のコポリマー溶液30.0gに、上記のモノマー酸化防止剤溶液3.0gと、Pd(PCy(OAc)(Pd785)(メチレンクロライド0.1mLあたり、4.95×10−4g、6.29×10−7モル)と、吸収極大波長220nmの光酸発生剤[RHODORSIL(登録商標)PHOTOINITIATOR 2074(CAS番号:第178233−72−2番)](メチレンクロライド0.1mLあたり、2.55×10−3g、2.51×10−6モル)とを加えて均一に溶解させた後、細孔径0.2μmのフィルターでろ過して光導波路形成用ワニスを調製した。
<光導波路フィルムの作製>
厚さ250μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの上に、光導波路形成用ワニス10gを注ぎ、これをドクターブレードでほぼ一定の厚さになるように広げて光導波路形成用ワニスの塗膜を形成させた(乾燥前の厚さ70μm)。得られた塗膜をPETフィルムと共にホットプレート上に配置して50℃で45分間加熱することによりトルエンを蒸発させて厚さ50μmの乾燥塗膜を得た。得られた乾燥塗膜に、クラッド部に対応する所定の開口パターンを有するフォトマスクを通して、高圧水銀ランプ又はメタルハライドランプを用いて波長300nm未満又は365nm以下の紫外光を照射した(照射量500mJ/cm)。照射後の塗膜をオーブンに入れ、最初に50℃で30分間、続いて85℃で30分間、その後150℃で60分間の加熱処理を施した。最初の50℃で10分間加熱した時点で、塗膜内の導波路パターンを目視で確認することができた。加熱処理後、塗膜をPETフィルムから剥離して光導波路フィルム(単層の光導波路フィルム)を得た。
(2)クラッドフィルム材料の調製
<デシルノルボルネン(DeNB)/メチルグリシジルエーテルノルボルネン(AGENB)系コポリマーの合成>
DeNB(CAS番号:第22094−85−5番)(16.4g、0.07モル)、AGENB(CAS番号:第3188−75−8番)(5.41g、0.03モル)及びトルエン(58.0g)を、ドライボックス内の500mL容シーラムボトルに入れて混合し、さらにオイルバスにおいて80℃に加熱しながら撹拌して溶液とした。この溶液に、(η−トルエン)Ni(C(0.69g、0.0014モル)のトルエン溶液(5g)を添加した。添加後の混合物を、マグネチックスターラで室温において4時間撹拌した。その混合物に、トルエン(87.0g)を加えて激しく撹拌した。その後反応混合物(トルエン溶液)をより大きなビーカーに移し変え、これに貧溶媒であるメタノール(1L)を滴下すると、繊維状の白色固形分が沈殿した。固形分をろ過して集めて60℃のオーブン内で真空乾燥させたところ、乾燥質量17.00g(収率87%)の生成物が得られた。得られた生成物の分子量をGPC(THF溶媒、ポリスチレン換算)で測定したところ、Mwは75,000であり、Mnは30,000であった。得られた生成物を1H−NMRで測定し、下記構造式で表されるDeNB/AGENB系コポリマー(x=0.77、y=0.23、n=10)であることを同定した。このコポリマーの屈折率をプリズムカップリング法で測定したところ、波長633nmにおいて、TEモードが1.5153、そしてTMモードが1.5151であった。
Figure 2010091781
<クラッド層形成用ワニスの調製>
イエローライト下、上記コポリマー10gを脱水トルエンに溶解して20質量%のコポリマー溶液(50g)を調製した。この溶液に、2種類の酸化防止剤[Ciba社製Irganox1076(0.01g)及びIrgafos168(0.0025g)]と吸収極大波長335nmの第2の光酸発生剤(東洋インキ製造社製、商品名「TAG−382」)(0.2g)とを加えて均一に溶解させた後、細孔径0.2μmのフィルターでろ過してクラッド層形成用ワニスを調製した。
<クラッドフィルム材料の作製>
水平台の上に配置した厚み100μmのPETフィルムの上に、クラッド用ワニス10gを注ぎ、ドクターブレードでほぼ一定の厚さになるように広げてクラッド用ワニスの塗膜を形成させた(乾燥前の厚み:30μm)。この塗膜をPETフィルムと共に乾燥機に入れて50℃で15分間加熱することによりトルエンを蒸発させて厚み20μmの乾燥塗膜を得た。その後、乾燥塗膜をPETフィルムから剥離してクラッドフィルム材料とした。
(3)多段光導波路(ミラー加工前)の調製
上記クラッドフィルム材料(大きさ:20×20cm)の両面に上記光導波路フィルム(大きさ:20×20cm)を1枚ずつ積層し、3層積層体を得た。得られた3層積層体を、120℃に設定されたラミネータに投入して、0.5MPaの圧力下、5分間熱圧着させた。その後3層積層体を室温・常圧に戻し、これと高圧水銀ランプとの間に300nm以下の波長を遮蔽する波長カットフィルターとして厚み100μmのPETフィルムを配置した。次いで、高圧水銀ランプから波長カットフィルターを通して紫外光を照射した(照射量:100mJ/cm)。照射後の3層積層体を、放置することなく直ちに(放置時間0分)乾燥機に入れ、150℃で30分間加熱することにより、クラッドフィルム材料を硬化させ(クラッド層化)、光導波路と中間クラッド層との密着力強化を完了させて、ミラー加工前の多段光導波路を得た。
(実施例1)
<エキシマレーザーの調整>
レーザー加工前の多段光導波路のコア部にミラー部を形成するのに先立ち、エキシマレーザー装置(OPTEC社製、製品名「ATLEX−300i」)を以下のように調整した。エキシマレーザー装置に設けられたチャンバー内の圧力を、一旦10ミリバール以下になるまで排気した後、上記チャンバー内にArFプレミックスガス(Ar:4.13%、F2:0.17%、ネオンガス:残部)を6500ミリバールになるまで充填した。また、パワーメーター(OPHIR社製、製品名「NOVA II」)を用い、ビームの照射エネルギーを300〜400mJ/pulseの範囲内に収まるように調整した後、ビームプロファイラー(Spiricon社製、製品名「LASER BEAM PROFILERS G3」)を用いて強度分布の偏りが無いように調整した。そして、上記エキシマレーザー装置において、レーザー光は、レンズを介して集光された後、1000×1250μmの角穴が加工されたステンレスマスクを通ることでさらに縮小投影されて最終的に照射エリアが実質100×125μmになるように調整した。
<ミラー加工>
調製例で得られたミラー加工前の多段光導波路(コア部の厚さ:50μm、コア幅:50μm)の第2の光導波路側の面を、粘着性を有する基盤(トーヨーコーポレーション株式会社製、商品名「マジックレジン」)上に貼り付けた。その基盤を、エキシマレーザー装置の微動ステージ上に配置し、基盤の固定面を吸引して固定した。そして、ミラー加工前の多段光導波路の第1のコア部の長手方向と微動ステージの可動方向とが一致するようにステージを回転させてアライメントを調整した後、レーザー照射エリア(100×125μm)の中心が第1のコア部の中心にくるように調整した。次いで、第1のコア部のミラー加工部位に、アシストガスとしてHeガスを2.0L/分で流しながら、微動ステージを光路方向に28μm/秒で150μm移動させ、その間に周波数100Hzのレーザーを照射して第1のミラー部を形成し、第1のミラー部を形成後の多段光導波路を得た。
次いで、得られた第1のミラー部を形成後の多段光導波路の第1の光導波路側の面を、粘着性を有する基盤上に貼り付けた。その基盤を、エキシマレーザー装置の微動ステージ上に配置し、基盤の固定面を吸引して固定した。そして、可視光ライトを第1のコア部に入射させ第1のミラー面を光らせることにより、第1のコア部の光軸と第1のミラー面との交点Mを測定した。その後、第1のミラー部を形成後の多段光導波路の第2のコア部の長手方向と微動ステージの可動方向とが一致するようにステージを回転させてアライメントを調整した後、第1のコア部の光軸と第1のミラー面との交点Mに対する第2のコア部の光軸と前記第2のミラー面との交点Mの光軸方向における位置が重なるように、レーザー照射エリアを調整した。次いで、第2のコア部のミラー加工部位に、アシストガスとしてHeガスを2.0L/分で流しながら、微動ステージを光路方向に28μm/秒で150μm移動させ、その間に周波数100Hzのレーザーを照射して第2のミラー部を形成し、多段光導波路を得た。得られた多段光導波路の中間クラッド層に垂直な面における断面を観察したところ、第1のコア部の光軸Aが第1のミラー面に対してなしている角度θ及び第2のコア部の光軸Aが第2のミラー面に対してなしている角度θはそれぞれ30°であった。
<ミラー面における反射の際に生じる光損失の測定>
得られた多段光導波路のミラー面における反射の際に生じる光損失を以下に示す方法で測定した。すなわち、レーザーダイオード又は面発光型レーザ(VCSEL)から発生させた光を、光ファイバーを通して第1のコア部の一端から入力し、多段光導波路を通り抜け、第2のコア部から出てきた光の出力を測定し、下記数式(F1)で表される総光損失を求めた。
総光損失(dB)=−10log(P1/P0) ・・・(F1)
上記式中、P1は第2のコア部の出口で測定された出力であり、P0は、光ファイバーを第1のコア部の一端に結合する前の光ファイバーの端部における光源の測定出力である。なお、ミラー面における光損失はそれぞれ2つ又は3つの試料について測定し、その平均値を算出した。得られた結果を表1及び図6に示す。
(実施例2〜6)
第2のミラー部を形成する位置をMに対するMの光軸方向におけるずれ幅が15μm(実施例2)、30μm(実施例3)、45μm(実施例4)、60μm(実施例5)又は75μm(実施例6)となるような位置に調整した以外は実施例1と同様にして、多段光導波路を得た。得られた多段光導波路の中間クラッド層に垂直な面における断面を観察したところ、第1のコア部の光軸Aが第1のミラー面に対してなしている角度θ及び第2のコア部の光軸Aが第2のミラー面に対してなしている角度θはそれぞれ30°であった。また、得られた多段光導波路について実施例1と同様にしてミラー面における光損失を測定した。得られた結果を表1及び図6に示す。
(実施例7)
ステンレスマスクとして大きさが1000μm×2000μmの角穴が形成されたものを用い、且つ微動ステージの速度を38μm/秒で150μm移動させた以外は実施例1と同様にして、多段光導波路を得た。得られた多段光導波路の中間クラッド層に垂直な面における断面を観察したところ、第1のコア部の光軸Aが第1のミラー面に対してなしている角度θ及び第2のコア部の光軸Aが第2のミラー面に対してなしている角度θはそれぞれ22°であった。
(実施例8〜12)
第2のミラー部を形成する位置をMに対するMの光軸方向におけるずれ幅が15μm(実施例8)、30μm(実施例9)、45μm(実施例10)、60μm(実施例11)又は75μm(実施例12)となるような位置に調整した以外は実施例7と同様にして、多段光導波路を得た。得られた多段光導波路の中間クラッド層に垂直な面における断面を観察したところ、第1のコア部の光軸Aが第1のミラー面に対してなしている角度θ及び第2のコア部の光軸Aが第2のミラー面に対してなしている角度θはそれぞれ22°であった。また、得られた多段光導波路について実施例1と同様にしてミラー面における光損失を測定した。得られた結果を表1及び図6に示す。
(比較例1)
ステンレスマスクとして大きさが1000μm×800μmの角穴が形成されたものを用い、且つ微動ステージの速度を16μm/秒で150μm移動させた以外は実施例1と同様にして、多段光導波路を得た。得られた多段光導波路の中間クラッド層に垂直な面における断面を観察したところ、第1のコア部の光軸Aが第1のミラー面に対してなしている角度θ及び第2のコア部の光軸Aが第2のミラー面に対してなしている角度θはそれぞれ45°であった。また、得られた多段光導波路について実施例1と同様にしてミラー面における光損失を測定した。得られた結果を表1及び図7に示す。
(比較例2〜4)
第2のミラー部を形成する位置をMに対するMの光軸方向におけるずれ幅が15μm(比較例2)、20μm(比較例3)又は30μm(比較例4)となるような位置に調整した以外は比較例1と同様にして、多段光導波路を得た。得られた多段光導波路の中間クラッド層に垂直な面における断面を観察したところ、第1のコア部の光軸Aが第1のミラー面に対してなしている角度θ及び第2のコア部の光軸Aが第2のミラー面に対してなしている角度θはそれぞれ45°であった。また、得られた多段光導波路について実施例1と同様にしてミラー面における光損失を測定した。得られた結果を表1及び図7に示す。
Figure 2010091781
表1、図6及び図7に示した結果から明らかなように、本発明の多段光導波路(実施例1〜12)においては、ミラー面における反射の際に生じる光伝播の損失が十分に抑制されていることが確認された。また、本発明の多段光導波路の中でも、Mに対するMの光軸方向におけるずれ幅が15〜45μm(実施例2〜4及び8〜10)の場合には、ミラー面における反射の際に生じる光伝播の損失がより少ないことが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、ミラー面における反射の際に生じる光伝播の損失が十分に抑制された多段光導波路を提供することが可能となる。そのため、本発明は光配線の高密度化に関する技術として非常に有用である。
本発明の多段光導波路の一部を示す模式斜視図である。 本発明の多段光導波路の図1におけるB−B’線断面を示す模式断面図である。 本発明の多段光導波路の好適な一実施形態を示す中間グラッド層に垂直な面における模式断面図である。 本発明の多段光導波路の好適な他の実施形態を示す中間グラッド層に垂直な面における模式断面図である。 本発明の多段光導波路における単層の光導波路を形成する方法の好適な一実施形態を示す模式断面図である。 実施例で得られた多段光導波路における光損失と第1及び第2のミラー面のずれ幅との関係を示すグラフである。 比較例で得られた多段光導波路における光損失と第1及び第2のミラー面のずれ幅との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…中間クラッド層、2…第1のコア部、3…第1の光導波路、4…第2のコア部、5…第2の光導波路、11…第1のミラー面、12…第2のミラー面、21…第1のミラー部、22…第2のミラー部、100…コアフィルム材料、101…コア部、102…クラッド部、110…光導波路、120…フォトマスク、A…第1のコア部の光軸、A…第2のコア部の光軸、L…光の進行方向、M…第1のコア部の光軸と第1のミラー面との交点、M…第2のコア部の光軸と第2のミラー面との交点、X…Mに対するMの光軸方向におけるずれ幅、θ…第1のコア部の光軸と第1のミラー面との間の角度、θ…第2のコア部の光軸と第2のミラー面との間の角度。

Claims (10)

  1. 中間クラッド層と、前記中間クラッド層の一方の面上に形成された第1のコア部を備える第1の光導波路と、前記中間クラッド層の他方の面上に形成された第2のコア部を備える第2の光導波路とを備える多段光導波路であって、
    前記第1の光導波路に入射した光の光路を前記第2の光導波路の方向に変換する第1のミラー面を画定する第1のミラー部と、前記第1のミラー面により光路を変換された光が前記第2の光導波路に入射するように、前記第1のミラー面により光路を変換された光の光路を変換する第2のミラー面を画定する第2のミラー部とが形成されており、且つ、
    下記条件(i)及び(ii):
    (i)前記第1のコア部の光軸が前記第1のミラー面に対してなしている角度θが20〜50°の範囲内であること、
    (ii)前記第2のコア部の光軸が前記第2のミラー面に対してなしている角度θが20〜40°の範囲内であること、
    を満たすことを特徴とする多段光導波路。
  2. 前記第1のコア部の光軸と前記第1のミラー面との交点Mに対する前記第2のコア部の光軸と前記第2のミラー面との交点Mの光軸方向におけるずれ幅(光の進行方向を正とする)が10〜50μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の多段光導波路。
  3. 前記第1のコア部の光軸が前記第1のミラー面に対してなしている角度θが20〜35°の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多段光導波路。
  4. 前記第2のコア部の光軸が前記第2のミラー面に対してなしている角度θが20〜35°の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の多段光導波路。
  5. 前記第1のコア部を包囲している第1のクラッド部と、前記第2のコア部を包囲している第2のクラッド部とを更に備えることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の多段光導波路。
  6. 前記第2のミラー面近傍におけるコア部の厚みが、前記第2の光導波路におけるコア部の平均厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の多段光導波路。
  7. 前記第1のミラー面が、光を受ける面側に段階的に屈曲していることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の多段光導波路。
  8. 前記第1の光導波路が複数本の第1のコア部を多条配設した光導波路であり、且つ、前記第2の光導波路が複数本の第2のコア部を多条配設した光導波路であることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の多段光導波路。
  9. 前記中間クラッド層及び前記第1及び第2の光導波路が高分子材料からなることを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の多段光導波路。
  10. 前記高分子材料が付加重合型ノルボルネンを主体とする主鎖を含むものであることを特徴とする請求項9に記載の多段光導波路。
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