JP2010091269A - 除湿機 - Google Patents

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倫雄 山田
Kenji Kawagishi
賢至 川岸
Kazunori Sakanobe
和憲 坂廼辺
Hitoshi Kawaguchi
仁 川口
Kazuhiko Baba
和彦 馬場
Susumu Kawaguchi
進 川口
Hideaki Maeyama
英明 前山
Masao Tani
谷  真男
Osamu Kazama
修 風間
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Abstract

【課題】 可変速運転が可能な小型、軽量で持ち運びやすい、消費電力の少ない、低騒音で低振動で信頼性の高い除湿機を得ることを目的とする。
【解決手段】 冷凍サイクルを構成する凝縮器と蒸発器を同一本体内に収納し、交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ回路と、前記コンバータ回路にて直流に変換された電圧を使用して任意の電圧、周波数、位相の交流電圧に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路で生成される電圧、周波数、位相の大きさを制御する制御回路と、前記制御回路で制御され、前記インバータ回路が出力する電圧、周波数、位相にて駆動される直流ブラシレスモータを搭載した圧縮機と、を本体内に備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は蒸発器と凝縮器が同一本体内に収納され持ち運び可能な除湿機に関するものである。
図19は、特開2000−234761号公報で示される従来の除湿機の側断面図であり、図において、1は吸い込み口2の下流側の風路3に設けられた蒸発器であり、その下流には凝縮器4が設けられ更にその下流には送風ダクト5、送風機6、吹き出しタダクト7を介して風向可変ベーン9を有する吹き出し口8が設けられている。また、蒸発器1のドレン口10の下方には、タンク11が設置されている。一方、蒸発器1と凝縮器4は、底板12の上に取り付けられた誘導電動機を搭載した圧縮機13に冷媒配管にて連結され、冷媒回路を構成している。
次に動作について説明する。圧縮機13が運転を開始すると、高温高圧の冷媒ガスが凝縮器4に流れ込み、凝縮器4は高温に保たれる。また一方、送風機6により吸い込み口2より吸い込まれた空気14により凝縮器4の冷媒ガスは冷却され凝縮し、高温高圧の気液混合状態となり、凝縮器4より流出し、更に毛細管(図示せず)を通ることにより低温低圧の冷媒液となり蒸発器1に流入する。蒸発器1の冷媒液は吸い込まれた空気14により加熱されることにより蒸発し低圧の冷媒ガスとなり圧縮機13に吸入される。
その時、吸い込み空気14は蒸発器9で冷却されることにより、空気温度が低下し飽和水蒸気より多く含まれていた水分が結露し、この結露した水分はドレンパン15によって受けられ、ドレン口10を通ってタンク11内に貯められる。このようにして、吸い込み空気14は蒸発器1を通過することにより冷却されて絶対湿度が低下する。その後、この絶対湿度の低下した吸い込み空気14は凝縮器4を通過することにより加熱され、常温の除湿空気として送風ダクト5を通り、送風機6により吹き出しダクト7を通り吹き出し口8より放出される。したがって、設置された室内の温度を低下させることなく除湿を行ったり、排出風を用いて洗濯物の乾燥を行うことができる。
図20は特開平10−238840号公報に示された従来の除湿機の制御装置のブロック図で、1Aは除湿機の運転をオン・オフするための運転スイッチ、3Aは部屋の温度を検出する温度センサ、4Aは部屋の湿度を検出する湿度センサ、5Aはこれら温度センサ3Aと湿度センサ4Aからの信号を室温および湿度のデ−タに変換する信号変換手段、6Aは運転スイッチ1Aおよび湿度、室温の状態により圧縮機7Aおよび送風機8Aの運転を制御する運転制御手段である。
9Aは部屋の湿度を表示する湿度表示手段、11Aは高湿度判定手段、12Aは高湿度警告手段である。高湿度判定手段11Aは湿度センサ4Aで検出した湿度デ−タとあらかじめ設定された高湿度と考えられる所定値とを比較して、湿度センサ4で検出した湿度デ−タがこの所定値よりも高く、さらに運転スイッチ1Aがオフ状態で、除湿機の運転がオフになっているときに前記高湿度警告手段12Aを動作させる信号を出力する。この高湿度判定手段11A、前記信号変換手段5A、および運転制御手段6Aは、マイクロコンピュ−タ10Aで構成されている。通常使用者が運転を指示すると圧縮機7Aと送風機8Aが運転される。また温度センサ3A、湿度センサ4Aを用いて自s動運転されることもある。
図21は従来の除湿機の電気配線図である。20は交流100Vの商用電源、21は圧縮機の運転に交流電圧を入り切りするリレー、22はモータに誘導電動機(IM)を搭載した圧縮機である。誘導電動機を搭載した圧縮機22の運転はリレー21をON/OFFすることによって運転率を調整しながら運転される。除湿量の調整は圧縮機の運転率を調整したり、送風機6の回転数を制御することで行っている。
図22は従来の除湿機に搭載されている圧縮機のモータステータの構造図である。図において101Aはステータの巻き線、102Aは鋼板を積層したステータコアである。ステータ巻き線101Aは分布巻きで巻かれており、ステータコア102Aの隣接しないスロット間をわたるように巻かれている。
特開2000−234761号公報 特開平10−238840号公報
以上のように従来の除湿機では、圧縮機モータが誘導電動機であり、しかもON/OFF運転のみしか行えなかった。したがって、除湿機本体内に圧縮機を可変速で駆動するための駆動装置を備えていなかった。また、圧縮機モータが二次銅損を伴う誘導電動機でありモータ効率が悪く消費電力が大きかった。また、同一除湿能力に対する圧縮機の消費電力も大きかった。またステータ巻き線が離れたスロット間をわたるため、巻き線長が長く、巻き線重量も大きくなり、除湿機の重量が大きくなっていた。また、巻き線長が長く必要なため一次銅損も大きくなりモータ効率が悪く同一除湿能力に対する圧縮機の消費電力が大きくなっていた。したがって、除湿機にしめる圧縮機の消費電力量は大きいため、除湿機全体の消費電力も大きくなっていた。
またモータの効率が悪いため、同一出力を得るためには大きなモータが必要となり圧縮機の重量および容積も大きく必要になっていた。除湿機にしめる圧縮機の重量、容積比率は大いため、室内を持ち運べ一台で家屋内のどこでも除湿、洗濯物乾燥が可能としたい除湿機に従来の誘導電動機を搭載した場合、除湿機が重く大きくなるため持ち運びに不便であった。
さらに、モータが誘導電動機のON/OFF運転であるため、圧縮機の回転数は同期速度近傍の回転数しか得られない。そのためストロークボリュームをあげる事でしか、同一圧力条件に対し除湿能力を高める事はできない。このため最高除湿能力を高めようとストロークボリュームを大きくすればするほど、低除湿運転時の運転率が下がりON/OFFロスが大きくなり運転率の低い低除湿運転時の消費電力が大きくなってしまう。また低除湿運転時、除湿量を小さくするため送風機の回転数を高除湿運転時より落とした場合、送風機の騒音は下がるのに対し、圧縮機の騒音は高除湿運転時とほぼ同じであり、除湿量が小さな運転にもかかわらず騒音の大きな除湿機となっていた。
さらに従来の除湿機では圧縮機の回転数を可変速することができなかったため電源の周波数近傍でしか同期して運転されることがなく、除湿能力を大きくするためには圧縮機のストロークボリュームを大きくする必要があり、重くなっていた。したがって、室内を持ち運べ一台で家屋内のどこでも除湿、洗濯物乾燥が可能である除湿機としては持ち運びに不便であった。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、可変速運転が可能な小型、軽量で持ち運びやすい除湿機を得ることを目的とする。また、消費電力の少ない除湿機を得ることを目的とする。また、低騒音な除湿機を得ることを目的とする。また、低振動で信頼性の高い除湿機を得ることを目的とする。また、低コストな除湿機を得ることを目的とする。
本発明に係る除湿機は、冷凍サイクルを構成する凝縮器と蒸発器を同一本体内に収納し、直流ブラシレスモータを搭載した圧縮機と、可変速度にて駆動される送風機と、モータへ印加する印加電圧の通電幅を変更するように指示する通電幅切り替え手段と、通電幅切り替え手段よりの通電幅の情報に基づいてモータに印加する矩形波状の印加電圧の電圧波形を生成するインバータ通電波形生成手段と、を本体内に備え、圧縮機の騒音値が送風機の騒音値よりも大きくならないようにモータへ印加する電圧の通電幅を変更するようにしたものである。
本発明に係る除湿機は、圧縮機に搭載されたモータの回転数を検出する回転数検知手段と、回転数検知手段により検出された回転数に応じてモータへ印加する印加電圧の通電幅を変更するように指示する通電幅切り替え手段と、通電幅切り替え手段よりの通電幅の情報に基づいてモータに印加する矩形波状の印加電圧の電圧波形を生成するインバータ通電波形生成手段と、を備え、モータの回転数に応じてモータへ印加する電圧の通電幅を変更するようにしたものである。
本発明に係る除湿機は、送風機の回転数を検知する送風機回転数検知手段と、送風機回転数検知手段により検出された送風機の回転数に応じて圧縮機のモータへ印加する印加電圧の通電幅を変更するように指示する通電幅切り替え手段と、通電幅切り替え手段よりの通電幅の情報に基づいて圧縮機のモータに印加する矩形波状の印加電圧の電圧波形を生成するインバータ通電波形生成手段と、を備え、送風機の回転数に応じて圧縮機のモータへ印加する電圧の通電幅を変更するようにしたものである。
本発明に係る除湿機は、圧縮機に搭載されたモータの回転数が所定回転数以上の時は圧縮機への通電幅を130度より小さい通電角にて通電し、所定回転数より小さい場合は圧縮機への通電幅を130度以上の通電角にて通電するようにしたものである。
本発明に係る除湿機は、冷凍サイクルを構成する凝縮器と蒸発器を同一本体内に収納し、交流電圧を直流電圧に変更するコンバータ回路と、コンバータ回路にて直流に変換された電圧を使用して任意の電圧、周波数、位相の交流電圧に変換するインバータ回路と、インバータ回路で生成される電圧、周波数、位相の大きさを制御する制御回路と、制御回路で制御され、インバータ回路が出力する電圧、周波数、位相にて駆動される直流ブラシレスモータを搭載した圧縮機と、モータの回転数を検出する回転数検知手段と、回転数検知手段により検出された回転数に応じて前記コンバータ回路の出力電圧を変更するコンバータ出力電圧変更手段と、を本体内に備えたものである。
本発明に係る除湿機は、コンバータの出力電圧を少なくとも二段階以上にしたものである。
本発明に係る除湿機は、冷凍サイクルを構成する凝縮器と蒸発器を同一本体内に収納し、直流ブラシレスモータを搭載した圧縮機と、モータの回転数を検出する回転数検知手段と、回転数検知手段により検出された回転数に応じて印加する電圧の位相を変更する位相変更手段と、位相変更手段よりの位相の情報に基づいてモータに印加する電圧の位相を変更して印加する電圧波形を生成するインバータ通電波形生成手段と、を本体内に備え、モータに突極モータを使用し、モータの回転数が所定回転数以上の時はモータへの通電位相を所定回転数よりも小さい場合に比べて進み位相で通電するようにしたものである。
本発明に係る除湿機は、圧縮機に搭載される直流ブラシレスモータのステータ巻き線を集中巻き方式としたものである。
本発明に係る除湿機は、圧縮機に搭載される直流ブラシレスモータのロータのマグネットを希土類磁石としたものである。
本発明に係る除湿機は、可変速度にて駆動される送風機を備え、圧縮機に搭載される直流ブラシレスモータのロータの極数を圧縮機の騒音値が送風機の騒音値以下となるようにしたものである。
本発明に係る除湿機は、圧縮機に搭載される直流ブラシレスモータのロータの極数を6極以上としたものである。
本発明に係る除湿機は、圧縮機のMAX回転数での能力が除湿機に要求される最大除湿能力を満足する下限のストロークボリュームを選定するようにしたものである。
本発明に係る除湿機は、シングルロータリ圧縮機と、圧縮機のトルク変動を予め記憶しておく圧縮機トルク記憶手段と、を備え、圧縮機トルク記憶手段に記憶されている圧縮機のトルク変動に略一致するようにモータのトルクを出力するようにしたものである。
本発明に係る除湿機は、冷凍サイクルを構成する凝縮器と蒸発器を同一本体内に収納し、交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ回路と、コンバータ回路にて直流に変換された電圧を使用して任意の電圧、周波数、位相の交流電圧に変換するインバータ回路と、インバータ回路で生成される電圧、周波数、位相の大きさを制御する制御回路と、制御回路で制御され、インバータ回路が出力する電圧、周波数、位相にて駆動される直流ブラシレスモータを搭載した圧縮機と、を本体内に備えたので、持ち運びができ、しかも圧縮機を可変速で駆動することにより除湿能力を連続的に可変することができるため、除湿能力を任意に設定できる除湿機が得られる。
本発明に係る除湿機は、インバータ回路の電圧生成方式をパルス幅変調方式としたので、低コストで制御のしやすいインバータ回路を備えることができ低コストな除湿機が得られる。
本発明に係る除湿機は、インバータ回路のパルス幅変調の変調周波数を10.7kHz以上にしたので、PWMの変調用搬送波による騒音への影響の小さい除湿機を得ることができる。
本発明に係る除湿機は、インバータ回路によって圧縮機を可変速にて駆動して除湿能力を可変させるようにしたので、ON/OFFによる損失が低減でき、低除湿運転時において必要除湿量を確保しつつ除湿機全体としての損失を低減させる事ができる。また、連続的に除湿能力を変更できるので、要求に応じた除湿量に対応でき、除湿能力の設定の自由度の高い除湿機が得られる。
本発明に係る除湿機は、冷凍サイクルを構成する凝縮器と蒸発器を同一本体内に収納し、直流ブラシレスモータを搭載した圧縮機と、可変速度にて駆動される送風機と、モータへ印加する印加電圧の通電幅を変更するように指示する通電幅切り替え手段と、通電幅切り替え手段よりの通電幅の情報に基づいてモータに印加する矩形波状の印加電圧の電圧波形を生成するインバータ通電波形生成手段と、を本体内に備え、圧縮機の騒音値が送風機の騒音値よりも大きくならないようにモータへ印加する電圧の通電幅を変更するようにしたので、耳障りな圧縮機の騒音が目立たなくなり、低騒音な除湿機が得られる。
本発明に係る除湿機は、圧縮機に搭載されたモータの回転数を検出する回転数検知手段と、回転数検知手段により検出された回転数に応じてモータへ印加する印加電圧の通電幅を変更するように指示する通電幅切り替え手段と、通電幅切り替え手段よりの通電幅の情報に基づいてモータに印加する矩形波状の印加電圧の電圧波形を生成するインバータ通電波形生成手段と、を備え、モータの回転数に応じてモータへ印加する電圧の通電幅を変更するようにしたので、最大除湿能力を落とす事なく、低回転時に問題となる圧縮機騒音が送風機騒音よりも突出する事がなくなり、室内で使用される除湿機の騒音を小さく押さえることのできる除湿機を得ることができる。
本発明に係る除湿機は、送風機の回転数を検知する送風機回転数検知手段と、送風機回転数検知手段により検出された送風機の回転数に応じて圧縮機のモータへ印加する印加電圧の通電幅を変更するように指示する通電幅切り替え手段と、通電幅切り替え手段よりの通電幅の情報に基づいて圧縮機のモータに印加する矩形波状の印加電圧の電圧波形を生成するインバータ通電波形生成手段と、を備え、送風機の回転数に応じて圧縮機のモータへ印加する電圧の通電幅を変更するようにしたので、最大除湿能力を落とす事なく、低回転時に問題となる圧縮機騒音が送風機騒音よりも突出する事がなくなり、室内で使用される除湿機の騒音を小さく押さえることのできる除湿機を得ることができる。
本発明に係る除湿機は、圧縮機に搭載されたモータの回転数が所定回転数以上の時は圧縮機への通電幅を130度より小さい通電角にて通電し、所定回転数より小さい場合は圧縮機への通電幅を130度以上の通電角にて通電するようにしたので、騒音値は低く抑えつつ運転限界を広くすることのできる除湿機を得ることができる。
本発明に係る除湿機は、冷凍サイクルを構成する凝縮器と蒸発器を同一本体内に収納し、交流電圧を直流電圧に変更するコンバータ回路と、コンバータ回路にて直流に変換された電圧を使用して任意の電圧、周波数、位相の交流電圧に変換するインバータ回路と、インバータ回路で生成される電圧、周波数、位相の大きさを制御する制御回路と、制御回路で制御され、インバータ回路が出力する電圧、周波数、位相にて駆動される直流ブラシレスモータを搭載した圧縮機と、モータの回転数を検出する回転数検知手段と、回転数検知手段により検出された回転数に応じて前記コンバータ回路の出力電圧を変更するコンバータ出力電圧変更手段と、を本体内に備えたので、運転範囲全域で高効率な除湿機を得ることができる
本発明に係る除湿機は、コンバータの出力電圧を少なくとも二段階以上にしたので、簡単な構成で出力電圧が変更でき、低コストの除湿機が得られる。
本発明に係る除湿機は、冷凍サイクルを構成する凝縮器と蒸発器を同一本体内に収納し、直流ブラシレスモータを搭載した圧縮機と、モータの回転数を検出する回転数検知手段と、回転数検知手段により検出された回転数に応じて印加する電圧の位相を変更する位相変更手段と、位相変更手段よりの位相の情報に基づいてモータに印加する電圧の位相を変更して印加する電圧波形を生成するインバータ通電波形生成手段と、を本体内に備え、モータに突極モータを使用し、モータの回転数が所定回転数以上の時はモータへの通電位相を所定回転数よりも小さい場合に比べて進み位相で通電するようにしたので、モータの損失を押さえ運転範囲全般にわたって高効率な除湿機を得る事ができる。
本発明に係る除湿機は、圧縮機に搭載される直流ブラシレスモータのステータ巻き線を集中巻き方式としたので、ステータのコイルエンド部分の大きさを従来の誘導電動機に比べて小さくでき、同一出力であれば巻き線の重量、抵抗を小さくすることができ、高効率で軽量・コンパクトな除湿機が得られる。
本発明に係る除湿機は、圧縮機に搭載される直流ブラシレスモータのロータのマグネットを希土類磁石としたので、ステータコアの積み厚も小さくて済み、さらに同一出力あたりのモータの重量および大きさを大幅に小さくすることのできる除湿機を得ることができる。
本発明に係る除湿機は、可変速度にて駆動される送風機を備え、圧縮機に搭載される直流ブラシレスモータのロータの極数を圧縮機の騒音値が送風機の騒音値以下となるようにしたので、圧縮機の騒音を送風機騒音よりも小さくなるようにでき、耳障りな圧縮機音が送風機の風音でマスクされ、騒音の静かな、特に低除湿運転時でも圧縮機音のしない除湿機が得られる。
本発明に係る除湿機は、圧縮機に搭載される直流ブラシレスモータのロータの極数を6極以上としたので、圧縮機の騒音を送風機騒音よりも小さくなるようにでき、騒音の静かな、特に低除湿運転時でも圧縮機音のしない除湿機が得られる。
本発明に係る除湿機は、圧縮機のMAX回転数での能力が除湿機に要求される最大除湿能力を満足する下限のストロークボリュームを選定するようにしたので、高除湿運転時の必要除湿能力を確保しつつ圧縮機の大きさや重量を小さくでき、しかも除湿機全体の振動が小さくなり配管に亀裂などの起こらない信頼性の高い除湿機が得られる。
本発明に係る除湿機は、シングルロータリ圧縮機と、圧縮機のトルク変動を予め記憶しておく圧縮機トルク記憶手段と、を備え、圧縮機トルク記憶手段に記憶されている圧縮機のトルク変動に略一致するようにモータのトルクを出力するようにしたので、低振動で信頼性の高い、除湿機全体の重量の軽い、持ち運びに便利な除湿機を得ることができる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1を表す除湿機の側断面図であり、図において、100は吸い込み口2の下流側の風路3に設けられた蒸発器であり、その下流には凝縮器400が設けられ更にその下流には送風ダクト5、送風機6、吹き出しダクト7を介して風向可変ベーン9を有する吹き出し口8が設けられている。また、蒸発器100の下方に設けられているドレン口10の斜め下方には、タンク11が設置され、ドレン口10とタンク11とはパイプなどで接続されている。
一方、蒸発器100と凝縮器400は底板12の上に取り付けられた直流ブラシレスモータ(DCBLM)を搭載した圧縮機130に冷媒配管にて連結され、冷凍サイクルを構成している。23は直流ブラシレスモータを搭載した圧縮機130を回転速度を可変に駆動するための電力変換器である。ここで、凝縮器400、蒸発器100、絞り装置、圧縮機130、送風機6、電力変換器23、タンク11などは除湿器本体200内に収納され、持ち運びができるように構成されている。
次に動作について説明する。DCBLM搭載圧縮機130が運転を開始すると、圧縮された高温高圧の冷媒ガスが凝縮器400に流れ込み、凝縮器400は高温に保たれる。また一方、送風機6の動作により吸い込み口2から吸い込まれた空気14により凝縮器400の冷媒ガスは冷却され凝縮し、高温高圧の気液混合状態となり、凝縮器400より流出し、更に毛細管や膨張弁などの絞り装置(図示せず)を通ることにより減圧されて低温低圧の冷媒液となり蒸発器100に流入する。蒸発器100の冷媒液は吸い込まれた空気14により加熱されることにより蒸発し低圧の冷媒ガスとなりDCBLM搭載圧縮機130に吸入される。
その時、吸い込み空気14は蒸発器100で冷却されることにより、空気温度が低下し飽和水蒸気より多く含まれていた水分が結露し、この結露した水分はドレンパン15によって受けられ、ドレン口10を通ってタンク11内に貯められる。このようにして、吸い込み空気14は蒸発器100を通過することにより冷却されて絶対湿度が低下する。その後、この絶対湿度の低下した吸い込み空気14は凝縮器400を通過することにより加熱され、常温の除湿空気として送風ダクト5を通り、送風機6により吹き出しダクト7を通り吹き出し口8より放出される。したがって、設置された室内の温度を低下させることなく除湿を行ったり、排出風を用いて洗濯物の乾燥を行うことができる。
図2はこの発明の実施の形態1を表す除湿機の電気配線図である。20は交流100V(あるいは200V)の商用電源、23は圧縮機の運転速度を可変することのできる直流ブラシレスモータ(DCBLM)駆動用の電力変換器、130はモータに直流ブラシレスモータを搭載した圧縮機である。
図3はこの発明の実施形態1を表す除湿機の直流ブラシレスモータ駆動用電力変換器のブロック図である。図において、23は電力変換器、30は除湿機外部に出入りするノイズ等を抑制するフィルタ回路、31は商用電源20により入力される交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ回路、32はコンバータ回路31で得られた直流電圧を任意の電圧、周波数、位相の交流電圧に変換できるインバータ回路、33はインバータ回路32、コンバータ回路31および除湿機全体の各部(たとえば、送風機、ルーバー、スイッチ、表示など)を制御する制御回路であり専用の電源を備えている。34はモータ線電圧から圧縮機モータのロータの位置情報を出力する位置検知回路である。
次に動作について説明する。商用電源20から入った交流電圧はフィルタ回路30を通過した後コンバータ回路31にて直流に変換される。変換された直流をインバータ回路32で交流電圧に変換し直流ブラシレスモータ(DCBLM)を運転する。DCBLMは同期モータであるため、インバータ回路32の交流位相をDCBLM搭載の圧縮機130のロータと同期させる必要があり、そのために位置検知回路34がモータの相電圧をもとにロータの位置情報を制御回路33に伝達し、制御回路33はインバータ回路32の交流位相をロータ位置に同期させるように指示する。
このように、本発明では、直流ブラシレスモータを搭載した圧縮機と、この圧縮機を可変速で駆動する電力変換器(コンバータ回路やインバータ回路など)とを除湿機本体内に収納しているので、小型で軽量でしかも圧縮機を可変速で駆動することにより除湿能力を連続的に可変することができるため、除湿能力を任意に設定できる。
DCBLMは回転力発生に必要な磁力を永久磁石より得ているため、一次磁束の一部で二次電流を発生さ回転力を得る誘導電動機(IM)に比べ損失が無くモータとしての効率が高い。このように本発明では除湿機の圧縮機モータを効率の良いDCBLMを用いたことで、除湿機全体の消費電力の大部分を占める圧縮機での消費電力が下がり、消費電力の少ない除湿機が得られる。
また、除湿機の圧縮機モータに効率の良いDCBLMを用いたことで、同一出力であれば従来の誘導電動機(IM)に比べモータの重量、サイズを小さくできるため、圧縮機が小型、軽量になり、したがって軽くて小型で持ち運びに便利な除湿機が得られる。さらに除湿機の圧縮機モータを効率の良いDCBLMを用いたことで、従来と同じ消費電力の除湿機に適用した場合は、モータ効率のUP分を熱交換器のサイズに振り替えたり、あるいは効率UP分の電力で送風機を高速で運転して風量を大きくすることによって、冷媒回路の蒸発器、凝縮器の重量およびサイズを小さく(蒸発器、凝縮器を幅方向や高さ方向に小さく)でき、圧縮機の小型、軽量化に加えて更なる小型、軽量で持ち運びに便利な除湿機が得られる。
すなわち、除湿機の幅寸法が従来は図19のようにA+Cであったものが、本発明では圧縮機130の胴径、蒸発器100の幅寸法および凝縮器400の幅寸法を小さくできるため除湿機全体の幅寸法をA+B(B<C)にすることが可能になる。したがって、持ち運びに便利なだけでなく収納する場合も場所を選ばない除湿機が得られる。
実施の形態2.
図4は本発明の実施形態2を表す同一ストロークボリューム、同一圧力条件時の出力および効率の関係を表す図である。図において、横軸は圧縮機の電気回転数を表し、縦軸は圧縮機の入力電力と効率を表している。図において、40は本発明の圧縮機入力電力を表しており、可変速にて連続的に変化している。41は本発明の高除湿運転時、42は本発明の低除湿運転時のそれぞれの入力電力のポイントを表している。また43、44は周波数が60Hz、50Hz時の従来の誘導電動機(IM)を搭載した圧縮機の入力電力を表している。
また、図4において、53は本発明の電力変換器効率、54は本発明のモータ効率、55は電力変換器効率53とモータ効率54を加味した本発明のモータ総合効率を表しており、可変速にて連続的に変化している。56、57は周波数が60、50Hz時の従来の誘導電動機(IM)を搭載した圧縮機の高除湿運転時の圧縮機入力電力43および低除湿運転時の圧縮機入力電力44に対応した回転数での圧縮機効率を表している。また、51、52は高除湿運転時の圧縮機入力電力41および低除湿運転時の圧縮機入力電力42に対応した回転数での本発明の高除湿運転条件時、低除湿運転条件時の圧縮機総合効率のポイントを表している。
本実施の形態では、実施の形態1で示した除湿機に加えて、図4の41のポイントで示される高除湿運転時のように、高除湿運転が要求されると制御回路33はインバータ回路32もしくはコンバータ回路31にモータに印加する電圧を上昇させ圧縮機130の回転数を通常より上げて運転するように指示を出す。また図4の42のポイントで示される低除湿運転時のように、低除湿能力要求時は、圧縮機130の回転数を低下させるように指示を出す。
本発明の除湿機では、高除湿能力要求に対し従来の非可変速の圧縮機を搭載した除湿機に比べて圧縮機出力を上げ除湿能力を高める事ができる。また、低除湿運転時はモータの高効率を維持しつつ回転数を低下させ冷凍サイクルの出力そのものを絞り連続的に圧縮機を運転するので、ON/OFFによる損失が低減できる。しかもモータ効率が良いので、低除湿運転時において必要除湿量を確保しつつ除湿機全体としての損失を低減させる事ができる。また、連続的に除湿能力を変更できるので、要求に応じた除湿量に対応でき、また、除湿能力あたりの損失の小さな除湿機が得られる。
また、本発明の除湿機では、圧縮機の回転数を上げる事で除湿能力を上げることができるので、同一除湿能力ならストロークボリュームの小さな圧縮機で良くなり、圧縮機の重量、サイズを小さくでき軽くて小型で持ち運びに便利な除湿機が得られる。また、圧縮機の回転数を上げることによって除湿能力を上げることができるので、従来の可変速のできない誘導電動機を搭載した除湿機と同じ除湿能力を得ようとすれば、冷媒回路の蒸発器、凝縮器の重量およびサイズを小さく(蒸発器、凝縮器の幅、厚さおよび高さを小さく)でき、軽くて小型で持ち運びに便利な除湿機が得られる。
また、低除湿能力側では従来に比べ圧縮機の回転数を小さくすることができるので、圧縮機の騒音を低下させることができ、音の静かな除湿機が得られる。したがって、モータと圧縮機容器内壁間に騒音振動の機械的緩和機構を持たないモータを圧縮機容器へ直付けした構造の小型で軽いロータリー圧縮機を用いた除湿機に適用した場合に特に騒音低減の効果が高くなる。
実施の形態3.
図5は本発明の実施の形態3を表す圧縮機の騒音および出力を示した図である。図において、横軸は圧縮機の回転数を表し、縦軸は騒音値および出力を表している。61、71は高除湿運転時の本発明の除湿機の最大負荷時の運転ポイントを、62、72は低除湿運転時の本発明の除湿機の最大負荷時の運転ポイントを表している。63は除湿機の圧縮機回転数に対応した送風機のみを運転させた時の送風機の騒音のオーバーオール値を表している。
また、64、65、66は本実施の形態の圧縮機を通電休止区間を含むセンサレスでそれぞれ120度、150度、130度の矩形波通電方式で可変速で連続的に駆動した場合の圧縮機の騒音オーバーオール値を表している。73は最大負荷時における本発明の除湿機の回転数に対応した圧縮機出力を表している。また、74、75、76は圧縮機のDCBLMをそれぞれ120度、150度、130度通電方式で駆動した場合の限界運転範囲(最大出力限界)である。ここで、圧縮機および送風機の騒音は無響室で、除湿機本体から同一距離でおのおの単体で動作させた時の騒音のオーバーオール値を表している。
図より、圧縮機の騒音値は120度通電、130度通電、150度通電の順に低くなっており、また、送風機の騒音値の方が圧縮機の騒音値よりも圧縮機の回転数の増加に伴って増加割合が大きくなっている。たとえば、120度通電の場合は、圧縮機回転数の小さい低除湿運転条件では圧縮機騒音の方が送風機騒音よりも大きいが、圧縮機回転数の大きい高除湿運転条件では送風機騒音の方が圧縮機騒音よりも大きくなっている。
また、最大運転出力(最大運転限界)についても、120度通電、130度通電、150度通電の順に低くなり回転数の上昇とともに最大出力は低下している。また、圧縮機の最大運転範囲73は、回転数の増加につれて大きくなっている。たとえば、130度通電の場合は、回転数の小さい低除湿運転条件では最大出力の方が圧縮機の最大運転範囲よりも大きく運転範囲に余裕があるが、回転数の大きい高除湿運転条件では圧縮機の最大運転範囲の方が最大出力よりも大きくなっており、運転できない領域が存在することを表している。
本実施の形態では、実施の形態1で説明した除湿機において、図5の61、71で示されるポイントすなわち圧縮機の回転数が高い高除湿運転条件ではDCBLMへ120度通電方式にして、62、72で示されるポイントすなわち圧縮機の回転数の低い低除湿運転条件では150度通電とすることによって、騒音値は低く抑えつつ運転限界を広くすることが可能としている。
すなわち、送風機騒音が低く要求される負荷も小さい低除湿運転条件では、送風機騒音に比べ圧縮機騒音が低くなるのは130度通電以上の通電幅で運転する場合であることがわかる。したがって、送風機騒音に比べ圧縮機騒音が低くなる通電幅である130度通電以上で運転すれば、除湿機全体の騒音を下げる事もできる。ただし、通電幅を大きくすればするほど圧縮機の騒音値が下がるので、本実施の形態では130度通電よりも150度通電にするようにしている。
また、圧縮機に高出力が求められる高除湿運転領域では、運転限界を満足する125度通電以下の通電幅とすれば、圧縮機の騒音値も送風機の騒音値よりも低くすることができるので、除湿機としての騒音値を小さくでき、しかも運転範囲を大きくすることができる。したがって、本実施の形態では、130度以下(正確にいうと125度以下)である120度にするようにしている。
図6は本実施の形態の制御回路の構成を表すブロック図である。図において、34は位置検出回路、33は制御回路、32はインバータ回路、130は圧縮機である。制御回路33は、回転数検知手段331、通電幅切り替え手段332、インバータ通電波形生成手段333により構成されている。
位置検知回路34により検知されたロータの位置信号に基づいて回転数検知手段331は圧縮機130のモータの回転数を検出する。通電幅切り替え手段332は、回転数検知手段331により検出された回転数が所定の回転数以上かどうかを判断し、所定の回転数以上であれば通電幅を変更するようにインバータ通電波形生成手段32に指示する。インバータ通電波形生成手段32では、指示された通電幅にてインバータを駆動するための通電波形を生成する。インバータ回路32は通電波形生成手段333にて生成された通電幅の通電波形にてDCBLMを搭載した圧縮機130を駆動する。
本実施の形態の通電幅切り替え手段332内の切り替え判断の様子を図7にて説明する。図7は、通電幅切り替え手段の通電幅切り替えの様子を説明するフローチャート図である。図において、ST1は回転数検知手段331にて検知された回転数が所定の回転数以上かどうかを判断する回転数判断ステップ、ST2はステップST1にて判断された回転数が所定値(たとえば50rps)以上であれば、通電幅を第1の所定値(たとえば125度以下である120度)に変更し、ST3では回転数が第2の所定値(たとえば130度以上である150度)に変更するようにインバータ通電波形生成手段333に指示を出す。
本実施の形態では、圧縮機モータの回転数ごとの通電幅と騒音の関係を予め把握して、送風機の騒音よりも圧縮機の騒音の方が小さくなるように圧縮機の回転数に応じた印加電圧の通電幅にて矩形波状の電圧波形を印加することによって、耳障りな圧縮機の騒音が目立たなくなるようにしている。
しかし、圧縮機の回転数に応じて印加電圧の通電幅を変更しなくてもよく、送風機の騒音と回転数の関係より、送風機の回転数に応じて圧縮機モータへ印加する印加電圧の通電幅を変更するようにしてもよい。この場合は、送風機の回転数を検出する送風機回転数検出手段と、送風機の回転数に対応して圧縮機の騒音が送風機騒音よりも小さくなる印加電圧の通電幅を記憶しておき、検出した送風機の回転数に応じて圧縮機モータへ印加する印加電圧の通電幅の情報を指示する通電幅切り替え手段と、を設ければよい。
このようにDCBLMの通電角を送風機騒音に応じて変化させるようにしたので最大除湿能力を落とす事なく、低回転時に問題となる圧縮機騒音が送風機騒音よりも突出する事がなくなり、室内で使用される除湿機の騒音を小さく押さえることができる。圧縮機騒音を小さく押さえる事で、防音構造が簡略化でき、しかも防音材料も少なく済むので、サイズを小さくでき、軽くて小型で持ち運びに便利で低コストの除湿機が得られる。したがって、レシプロ圧縮機などのように中吊り構造でモータと圧縮機容器内壁間に機械的緩和機構を有する大形のものよりは、モータと圧縮機容器内壁間に騒音振動の機械的緩和機構を持たないモータを圧縮機容器へ直付けした構造の小型で軽いロータリー圧縮機を用いた除湿機に適用した場合に特に騒音低減の効果が高くなる。
実施の形態4.
図8は本発明の実施の形態4を表す除湿機に搭載された圧縮機の回転数とモータ効率の関係を表す図である。図において、横軸は圧縮機の回転数を表し、縦軸はモータの効率を表している。83は圧縮機に搭載されたDCBLMへの通電位相の進み角が15度の場合のDCBLMのモータ効率曲線を表し、84は通電位相の進み角が0度の場合のDCBLMのモータ効率曲線を表している。図より、回転数の大きい高除湿運転時は通電角の進み位相角を15度にし、回転数の小さい低除湿運転時は通電角の進み位相角を0度にすれば、常にモータ効率を良い状態で使用することができる。ここで、81は本発明の高除湿運転時の圧縮機に搭載されたDCBLMの運転ポイントを、82は本発明の低除湿運転時のDCBLMの運転ポイントを表している。
通常のDCBLMでは電気的にインダクタンス成分があるため高速時は進み位相で通電する方が効率が大きいので、本発明では、回転数に応じて通電する進み位相角度を変更するようにしている。たとえば、本実施の形態では実施の形態1に示した除湿機において図6の81、82のポイントで示したように高除湿運転時は高回転領域でモータ効率の良い15度進み位相の通電を行い、低除湿運転時は低回転領域で効率の良い進み位相の無い0度通電を行うようにしている。
このように、運転条件(たとえば回転速度)に応じて通電位相の進みを調整することによって、モータの損失を押さえ運転範囲全般にわたって高効率な除湿機を得る事ができる。従来と同等の効率でよければ、実施の形態1でも説明したように効率のUP分で圧縮機および熱交換器を小さくできるので、軽くて小型で持ち運びに便利な除湿機が得られる。
また、ロータの回転位置に依存して線間インダクタンスが変化する場合に発生するリラクタンストルクが大きくなる突極比の大きなDCBLMを使用すれば、リラクタンストルクを利用して制御できるため、リラクタンストルクを利用しない場合に比べて同じ電圧であっても回転数のUPが望め、立ちあがり特性が向上する。
すなわち、印加電圧が頭打ちになって回転数の増加ができない場合であっても、リラクタンストルクを利用して制御することによって、通電位相を進めることができ、電圧が同じであっても回転数を増加させることができるようになる。したがって、積極的にリラクタンストルクを活用し高速領域側での回転数範囲を広げる事ができ、また、運転開始後すばやい除湿能力の立上り特性が得られ、衣類乾燥時間が短く、乾燥しようとする衣類の雑菌繁殖によるいやな匂いのしない除湿機が得られる。
実施の形態5.
図9は本発明の実施の形態5を表す除湿機に搭載された圧縮機の回転数と電力変換器の効率を含んだモータの総合効率を表した図である。図において、横軸は圧縮機の回転数を表し、縦軸はモータの総合効率を表している。図において、93、94はインバータ入力の直流電圧がそれぞれ240V、120V時の各電圧条件における効率曲線である。図より、回転数の大きい高除湿運転時はインバータの直流電圧を240Vにし、回転数の小さい低除湿運転時は直流電圧を120Vにすれば、常にモータ効率を良い状態で使用することができる。
ここで、91は、本発明の除湿機に搭載された圧縮機のDCBLMの高除湿運転時の運転ポイントを表し、92は低除湿運転時のDCBLMの運転ポイントを表しており、本発明ではインバータの直流電圧を切り替えて高除湿運転時も低除湿運転時も効率の良い状態で使用するようにしている。図においては、2つの曲線91と92の交差する回転数が40(rps)の場合を示している。したがって、本実施の形態では、回転数40(rps)を境にしてインバータの直流電圧を120Vあるいは240Vに切り替えるようにすれば良い。
本実施の形態では実施の形態1に示した除湿機に加えて、コンバータ回路31を二段階の直流電圧幅(120Vと240Vの二段階)に切り替えられるようにし、また、インバータ回路32の電圧可変方式をパルス幅変調(PWM)方式としている。PWM方式は、低コストで制御がしやすいため使用している。図10は、除湿機のインバータ回路の電力スイッチのON/OFF状態を表す図である。PWM方式では図10に示されるように、変調用搬送の1周期Tc(キャリア周期)内での電圧印加の時間比率(ON時間とOFF時間の割合)を変化させる事でモータへの印加電圧を可変するようにしている。
図9においてコンバータ回路31の出力電圧が240Vと高い場合は93で示されるようにDCBLMの誘起電圧の高い高速領域まで高効率で回転できるが、低回転領域では必要な電圧を得るためにPWM方式では通電幅を短くする(ON時間を短くする)必要があり、モータの変調用搬送波の周期に連動した電流リップルが大きくなり、モータの鉄損増加およびインバータ回路32におけるスイッチング損失比率の増大による効率低下が発生する。
しかし、94で示したコンバータ回路31の出力直流電圧が低い120Vの条件では低回転領域であってもPWMの通電幅を広くできるので、モータへの電流リップルを小さくすることができ、鉄損、スイッチ損、搬送波音共に小さくできる。但し、120Vの条件では、モータに印加できる電圧の最大値が93の条件(240V)に比べて小さいので、モータの誘起電圧の高い高速領域では必要な電圧が印可されないため運転はできない。
したがって、本実施の形態では高回転領域で運転される高除湿運転時は高速運転可能で高効率な直流電圧の高い(240Vの条件)93の効率曲線上の運転ポイント91で運転を行う。また低速で運転される低除湿運転時は低速領域で効率の高くなる直流電圧の低い(120Vの条件)94の効率曲線上の運転ポイント92で運転を行うようにしている。
ここで、直流電圧を変更する方法について説明する。図11は本実施の形態のコンバータ回路の一例を説明する回路図、図12は本実施の形態を表す除湿機のインバータに入力される直流電圧を切り替える方法を説明するブロック図である。図11において、30はフィルタ回路、31はコンバータ回路、32はインバータ回路である。611は整流用のダイオードブリッジ、612は整流方式を切り替えるためのリレー、613、614は整流された電圧を平滑する電解コンデンサである。図12において、34は位置検知回路、33は制御回路、335は回転数検知手段、336はコンバータ出力電圧変更手段、31はコンバータ回路、32はインバータ回路、130はDCBLMを搭載した圧縮機である。
図11、図12において、位置検知回路34が検出したロータの位置情報が制御回路33内の回転数検知手段335に送られると、回転数検知手段335は位置情報に基づいて回転数を検出する。コンバータ出力電圧変更手段336は、検出された回転数に応じてコンバータ回路31より出力される電圧値を切り替える。
すなわち、コンバータ出力電圧変更手段336は、検出された回転数が所定の回転数以上かどうかを判断して、もしも所定の回転数よりも小さい場合はリレー612をOFFにして全波整流回路を構成する。もしも所定の回転数以上の場合はリレー612をONにして倍電圧整流回路を構成するように働く。ここで、コンバータ回路31への入力電圧がAC100Vの場合、全波整流回路が構成されると、コンバータの出力電圧は約120Vとなり、倍電圧整流回路が構成されるとコンバータの出力電圧は約240Vとなる。
制御回路33は上述のようにして圧縮機の回転数に応じてコンバータ回路31の出力電圧を変更して、インバータ回路32に変更後の電圧を入力する。インバータ回路32は、入力された電圧によって圧縮機130に印加できるMAX電圧が決まり、この印加できるMAX電圧によって図9で説明したように運転可能な回転数範囲と総合効率が決まる。
本実施の形態のコンバータ出力電圧変更手段336での出力電圧の変更の方法を図13にて説明する。図13は本実施の形態を表すコンバータ出力電圧変更手段の電圧変更の判断フローチャート図である。図において、ST11は回転数検知手段335により検出された回転数が所定の回転数かどうかを判断するステップ、ST12は所定回転数以上の場合にリレー612をONにして倍電圧整流回路とするように指示を出すステップ、ST13は所定回転数よりも小さい場合にリレー612をOFFにして全波整流回路とするように指示を出すステップである。
したがって、ST11にて圧縮機の回転数が所定回転数以上かどうかを判断して、所定回転数以上であればリレー612をONにして倍電圧整流回路を構成してコンバータ回路31の出力電圧を240Vにしてインバータ回路32に出力する。もし、所定回転数よりも小さければ、リレー612をOFFにして全波整流回路を構成してコンバータ回路31の出力電圧を120Vにしてインバータ回路32に出力する。
以上のように、圧縮機モータの回転数が所定回転数(たとえば40rps)以上かどうかでコンバータ回路31の出力電圧を変更するようにしたので、運転範囲全域で高効率な除湿機を得ることができる。すなわち、運転領域に応じてインバータに入力される直流電圧を条件(回転数など)に応じて変更して、最適な直流電圧を用いて圧縮機を運転するようにしたので、運転範囲の全領域にわたって高効率な除湿機を得ることができる。
また、簡単な構成にてコンバータの出力電圧を二段階に可変するようにしたので、低コストの除湿機が得られる。さらに、所定回転数以上のときは、コンバータの出力電圧が高効率となる高電圧側に変更するようにしたので、高効率な除湿機が得られる。また、電流リップルも低減できるので、高効率であることに加えて騒音も低減することができる。したがって、従来と同程度の騒音、効率を得るようにすれば、騒音低下および効率向上の効果分で圧縮機や熱交換器(蒸発器や凝縮器)の大きさを小さく、重量も低減できるので、軽くて小型で持ち運びに便利で高効率でしかも信頼性の高い除湿機を得ることができる。
したがって、モータと圧縮機容器内壁間に騒音振動の機械的緩和機構を持たないモータを圧縮機容器へ直付けした構造の小型で軽いロータリー圧縮機を用いた除湿機に適用した場合に特に騒音低減の効果が高くなる。本実施の形態では直流電圧を二段階に切り替えたが、直流電圧の可変分解能を上げればさらにその効果は高まるので、別に二段階でなくともそれ以上でも良い。
実施の形態6.
図14はJIS(C1502)に定められた騒音のA特性のグラフである。図において、横軸は周波数を表し、縦軸は騒音値を表している。95は騒音A特性を示す曲線であり、人間の聴覚の周波数特性を模したもので、低周波領域と高周波領域での感度が鈍くなる特性を有している。97は高周波数領域側で騒音A特性が−3dBとなる周波数を示しており約10.7kHzを表している。また、96は本実施の形態を表す除湿機のPWMの変調周波数(キャリア周波数)を表しており、上記10.7kHz以上の周波数である12kHzを表している。
騒音A特性の曲線95に見られる様に通常人間の聴感特性は高低周波域および低周波数域で減衰する。図14の97にて示される騒音A特性が−3dBになる略10.7kHzのポイントでは、騒音エネルギー的には聴感的に良く聞こえる領域に対し1/2以下となる。本実施の形態では変調用搬送波の周波数を97にて示される騒音A特性が−3dBになる約10.7kHzのポイントにて示すポイントより更に高い周波数として例えば12kHz(96のポイント)としている。このように本実施の形態ではPWMの変調用搬送波の周波数を聴感特性の減衰する周波数で騒音エネルギー的に1/2以下となる10.7kHz以上として、PWMの変調用搬送波による騒音への影響が小さくなるようにしている。
したがって、PWMの変調用搬送波の周波数を騒音エネルギー的に1/2以下となる10.7kHz以上として、圧縮機のPWMによる電流リップルに起因する騒音を聴感の高い送風機や圧縮機の騒音に対し小さく(目立たなく)したので搬送波音のしない低騒音で静かな除湿機を得る事ができる。このような低騒音、高効率の効果をサイズ、重量に振り向けた場合、軽くて小型で持ち運びに便利な除湿機が得られる。
ここで、PWM変調用搬送波の周波数を聴感上まったく聞こえない領域である20kHz以上にすれば騒音への影響はなくなり良いが、余り周波数を大きくしすぎるとインバータのスイッチング損失が大きくなり効率が低下するので、20kHz以下にするのが望ましい。したがって、PWMの変調用搬送波の周波数(キャリア周波数)は、インバータのスイッチング損失が小さく効率低下が少なく騒音への影響の少ない10.7kHz以上20kHz以下するのが良く、20kHz以下の範囲内で大きくすればするほど騒音低減の効果が高くなる。
また、モータと圧縮機容器内壁間に騒音振動の機械的緩和機構を持たないモータを圧縮機容器へ直付けした構造の小型で軽いロータリー圧縮機を用いた除湿機に適用した場合に特に騒音低減の効果が高くなる。
実施の形態7.
図15は本発明の実施の形態7を表す除湿機の圧縮機に搭載されているモータのステータ構造図である。図において、101は巻き枠に巻かれたステータの巻き線、102は鋼板を積層したステータコアである。ステータの巻き線101は一つの巻き枠に集中的に巻かれている集中巻き構造としている。本発明ではステータの巻線を集中巻き構造としたので、ステータのコイルエンド部分の大きさを従来の誘導電動機に比べて小さくでき、同一出力であれば巻き線の重量、抵抗を小さくすることができる。したがって、モータの重量を軽くする事ができ、また、巻き線抵抗も分布巻き仕様のステータに比べて小さくできるので、高効率なモータが得られる。よって、高効率で軽量・コンパクトな除湿機が得られる。
また、ロータコアの積み厚あたり、ロータサイズおよび重量あたりの発生磁力が大きな希土類磁石をロータに用いると、ステータコアの積み厚も小さくて済み、さらに同一出力あたりのモータの重量および大きさを大幅に小さくすることができる。したがって、本発明のモータを組み込んだ圧縮機を除湿機に使用する事によって、使用時に持ち運ぶことを前提としている除湿機の軽量、小型化がはかれ使い勝手が向上する。あわせて除湿能力の高い除湿機を得る事ができる。
実施の形態8.
図16は本発明の実施の形態8を表す同一回転数におけるロータ極数と圧縮機の騒音および送風機の騒音を表す図である。図において、横軸はロータの極数を表し、縦軸は騒音値を表している。111、112、113は同一圧縮機内に4極、6極、8極のDCBLMをそれぞれ組み込んで同一通電方式の場合の圧縮機の騒音値を表している。114は本発明の除湿機に搭載されている送風機の低除湿運転時の騒音値である。圧縮機および送風機の騒音は無響室で、除湿機本体から同一距離でおのおの単体で動作させた時の騒音のオーバーオール値である。
図に示すように本発明のDCBLMを搭載した圧縮機ではロータの極数を大きくしていくことによって、圧縮機の騒音値が低下し、6極以上にすれば低除湿運転時の送風機の騒音値114よりも圧縮機の騒音値が低くなっている。これはモータの磁気吸引力によるトルクリップルが低減したためであり、圧縮機の騒音波が低下するためである。本実施の形態では、送風機の騒音が小さい状態になる低除湿運転時の送風機の騒音値114よりも圧縮機の騒音値を小さくすることで圧縮機の騒音値を目立たなくすることを目的としており、本実施の形態ではロータの極数を4極よりも大きくするようにしている。したがって、本実施の形態では、ロータの極数をたとえば6極にして圧縮機の騒音を送風機騒音114よりも小さくなるようにしているので、耳障りな圧縮機音が送風機の風音でマスクされ、騒音の静かな、特に低除湿運転時でも圧縮機音のしない除湿機が得られる。
本実施の形態では、ロータの極数を6極としたが、極数を大きくしていけば騒音低減の効果はさらにあがる。本実施の形態は、モータと圧縮機容器内壁間に騒音振動の機械的緩和機構を持たないモータを圧縮機容器へ直付けした構造の小型で軽いロータリー圧縮機を用いた除湿機に適用した場合に特に騒音低減の効果が高くなる。また、低騒音の効果を大きさ、重量に振り向けた場合、軽くて小型で持ち運びに便利な除湿機が得られる。
実施の形態9.
図17は本発明の実施の形態9を表す除湿機の圧縮機の振動および除湿能力を示したものである。図において、横軸は圧縮機の回転数を表し、縦軸左側は配管の振幅を、縦軸右側は除湿能力を表している。120は本実施の形態の除湿機の配管振動による振幅を表す曲線である。
また、124、125、126は同一除湿機用圧縮機のストロークボリュームを4cc、7cc、8ccと変更した時の圧縮機回転数と除湿機の除湿能力の関係を示したものである。127は本実施の形態の高除湿運転時の必要除湿能力を、128は低除湿運転時の必要除湿能力を表している。129は本実施の形態の除湿機の限界配管振幅値を表している。ここで、配管振幅120は、ストロークボリュームが変わってもほとんど振幅は変化しないので、ストロークボリュームが4cc、7cc、8ccの場合を1本の曲線で表している。
121は本実施の形態の除湿機の圧縮機のストロークボリュームが4ccの場合で低除湿運転時の圧縮機回転数と配管振幅を示すポイントを表している。122は除湿機用圧縮機のストロークボリュームが7ccとした場合の、ストロークボリュームが4ccの場合と同じ除湿能力が得られる回転数での低除湿運転時の配管振幅を示す運転ポイントである。同様に123は除湿機用圧縮機のストロークボリュームが8ccとした場合の、ストロークボリュームが4ccの場合と同じ除湿能力が得られる回転数での低除湿運転時の配管振幅を示す運転ポイントである。
図より、同じ回転数であればストロークボリュームが大きいほど除湿能力が得られる(図中の124<125<126の順にストロークボリュームが大きくなっており、除湿能力も大きくなっている)が、逆に配管振幅は120で示されるように回転数が大きくなると低下していく傾向があり、また、ストロークボリュームが変化してもほとんど変化しない傾向がある(図中の121<122<123の順にストロークボリュームが大きくなっているが、配管振幅は120の1本の曲線で表しているようにストロークボリュームが変化しても変わらない)。
本発明の除湿機では配管振幅を配管限界振幅129以下に押さえ、かつ除湿能力ができるだけ大きく得られるように圧縮機のストロークボリュームを選定している。すなわち、配管振幅が配管限界振幅以下となるようなストロークボリュームのうちで、ストロークボリュームが可能な限り大きくなるように選定すればよい。したがって、本実施の形態では、7cc以下を選定すれば良い。
しかしながら、ストロークボリュームが7ccではMAX回転数(本実施の形態では120rps)の時の高除湿運転時の除湿能力が要求値127を超えてしまい、圧縮機の回転数をMAX回転数まで使用する必要がなくなるのでオーバースペックとなる。また、圧縮機のストロークボリュームを大きくすることはコストUPにもなるので、本実施の形態では、配管振幅が限界振幅以下で、かつ圧縮機の使用可能なMAX回転数での除湿能力が高除湿運転時の必要除湿能力を満足するストロークボリュームを選定するようにしている。
すなわち、本実施の形態では、配管振幅が限界振幅以下となる容量で、かつ、圧縮機のMAX回転数での能力が除湿機に要求される最大除湿能力を満足する下限のストロークボリュームを選定するようにしている。したがって、本実施の形態では、配管振幅が限界振幅129を満足する7cc以下で、かつMAX回転数時の除湿能力が高除湿運転時の要求時除湿能力127を満足する4ccを選定するようにしている。
そして、低除湿運転時は、要求除湿能力128とストロークボリュームが4ccの場合の除湿能力曲線124が交わる回転数である40rpsで運転すれば良いことになる。また、高除湿運転時は要求除湿能力127とストロークボリュームが4ccの場合の除湿能力曲線124が交わる回転数である120rpsで圧縮機を運転すれば良いことになる。よって、本実施の形態の配管振幅は、限界振幅値129に対し充分低い位置(121の位置)になるので、除湿機全体の振動が小さくなり配管に亀裂などの起こらない信頼性の高い除湿機が得られる。
本実施の形態の除湿機では配管限界振幅以下を確保できる小容量の圧縮機をインバータを用いて高速で回転させる事により高除湿運転時の除湿能力を確保するようにしたので、低除湿運転時の除湿能力を圧縮機回転数を可変することによって任意に設定でき、また圧縮機をOFFすることなく連続的に低い除湿能力まで確保できる。したがって、ON/OFF運転時のように除湿能力が過大になることがなく適宜な除湿能力が得られ、運転時の消費電力も押さえられる。また、圧縮機の運転率が高くなるので、冷媒サイクルのON/OFFロスの少ない除湿機を得る事ができる。
また、ストロークボリュームの大きな圧縮機を低回転数で使う場合(たとえばストロークボリューム8ccの圧縮機を60rpsで使用する場合)に比べ、本実施の形態では、ストロークボリュームの小さな圧縮機を高回転数で使う(たとえばストロークボリューム4ccの圧縮機を120rpsで使用する)ため、圧縮機の回転数を全体的に高くできるので、防振系の共振による低回転領域での圧縮機の振動を大幅に低減することができる。
また、ストロークボリュームを小さく設定できるので、高除湿運転時の必要除湿能力を確保しつつ圧縮機の大きさや重量を小さくできるので、軽くて小型で持ち運びに便利で信頼性の高い除湿機が得られる。また、本実施の形態に示される除湿機は、シリンダー数が少ないため軽くサイズは小さいが、一回転中のトルクリップルが大きいシングルロータリー圧縮機を用いた場合に特に効果が大きくなる。
ここで、20リットル/dayの最大除湿能力を有する除湿機の場合、従来であれば、ストロークボリューム8ccのツインロータリ圧縮機で60rpsで運転し、送風機の風量もMAXの時に最大除湿能力が得られるように設計していたが、本発明ではストロークボリューム4ccのシングルロータリ圧縮機を使用してインバータにて可変速で110rps(圧縮機の限界回転数が110rpsの場合)で運転した場合に最大除湿能力が得られるように設計すれば良い。
したがって、低除湿運転時でも図17で説明したとおり配管振動を低減できるため、シングルロータリ圧縮機を使用しても振動が大きくなり配管亀裂などの問題となることが無く信頼性も向上する。また、シングルロータリ圧縮機を使用するため、ツインロータリ圧縮機を使用する場合に比べて小型、軽量で低コストな圧縮機を使用できるので、除湿機も小型、軽量で低コストとなる。また、モータにブラシレスモータを使用しているので、誘導電動機を使用した場合に比べて効率も良くなる。また、最大除湿能力が変わる場合はストロークボリュームの比率を除湿能力の比率に変更すればよく、たとえば、最大除湿能力が24リットル/dayの場合はストロークボリュームを4.8ccにして同様に運転すればよい。
実施の形態10.
図18は本発明の実施の形態10を表す除湿機用圧縮機のモータのロータ1回転中の機械トルク変動およびモータへの印加電圧を示した図である。図において、横軸は機械回転角を表し、縦軸左側は機械トルクを、縦軸右側はモータへの印加電圧を表している。131は圧縮機の機械トルクの変動曲線を、132はモータへの印加電圧を表している。
本実施の形態の除湿機では、圧縮機としてトルク変動の大きなシングルロータリー圧縮機を使用している。本実施の形態の除湿機では、圧縮機の一回転中のトルク変動131に同期して、132に示したように1回転中で電気角60度毎にトルク変動に合わせてモータへ電圧を印加するようにしている。ここで、予め測定などにより得られたトルク変動カーブを圧縮機トルク記憶手段に記憶しておき、この圧縮機トルク記憶手段よりの圧縮機トルク変動データに応じて各角度ごとの機械トルクに対応したモータトルクが発生する様に印加する電圧を決めるようにしている。印加する電圧は予めトルク変動を見込んで目標電圧を設定し、この目標電圧に対して一定比率で各角度の電圧を増減させる。
このように、本実施の形態では、モータの出力トルクを圧縮機のトルク変動に追従させる事によって1回転中のトルク不一致による加振力を低減することができる(トルク制御という)ので、低振動で信頼性の高い除湿機を得る事ができ、1回転中のトルク変動の大きなたとえばロータリ圧縮機(その中でもシングルロータリー圧縮機)に対して特に有効である。ここで、この圧縮機のトルク変動は圧縮機の回転部分の重量(ロータ重量など)により発生する慣性力が吸収してくれるため、従来は回転ムラや振動を抑制するためにロータの重量を必要以上に大きくしたり、別途はずみ車を設けるなどして対応していたが、本実施の形態では、上述のトルク制御を行っているため回転部分の重量を大きくする必要がないので、従来に比べて回転部分の重量を小さくでき、除湿機全体の重量も低減させることもでき、持ち運びに便利な除湿機を得ることができる。
本実施の形態では圧縮機を(シングル)ロータリー圧縮機としたが、圧縮機の1回転中にトルク変動が発生する圧縮機(たとえば、レシプロ、スクロールなど)を搭載した除湿機であれば、効果に大小があるが全ての除湿機に適用できることは言うまでも無い。
また、本実施の形態では1回転中の負荷変動をあらかじめ見込んで印加電圧を印加するようにしたが、通電区間における回転速度の変動を位置検知回路の位置信号から計測し、その偏差(速度変動分)をなくす方向に印加する電圧の大きさを変更する(電圧制御という)方法を用いても同様の効果を得ることができる。本実施の形態1〜実施の形態10で説明した内容は、単独で実施しても良いが、組み合わせて実施してもよく、その場合は1つの場合にくらべて期待できる効果が向上する。
本発明の実施の形態1を表す除湿機の側断面図である。 本発明の実施の形態1を表す除湿機の電気配線図である。 本発明の実施形態1を表す除湿機の直流ブラシレスモータ駆動用電力変換器のブロック図である。 本発明の実施形態2を表す同一ストロークボリューム、同一圧力条件時の出力および効率の関係を表す図である。 本発明の実施の形態3を表す圧縮機の騒音および出力を示した図である。 本発明の実施の形態3を表す制御回路の構成を表すブロック図である。 本発明の実施の形態3を表す通電幅切り替え手段の通電幅切り替えの様子を説明するフローチャート図である。 本発明の実施の形態4を表す除湿機に搭載された圧縮機の回転数とモータ効率の関係を表す図である。 本発明の実施の形態5を表す除湿機に搭載された圧縮機の回転数と電力変換器の効率を含んだモータの総合効率を表した図である。 本発明の実施の形態5を表す除湿機のインバータ回路の電力スイッチのON/OFF状態を表す図である。 本発明の実施の形態5のコンバータ回路の一例を説明する回路図である。 本発明の実施の形態5を表す除湿機のインバータに入力される直流電圧を切り替える方法を説明するブロック図である。 本発明の実施の形態5を表すコンバータ出力電圧変更手段の電圧変更の判断フローチャート図である。 本発明の実施の形態6を表すJIS(C1502)に定められた騒音のA特性のグラフである。 本発明の実施の形態7を表す除湿機の圧縮機に搭載されているモータのステータ構造図である。 本発明の実施の形態8を表す同一回転数におけるロータ極数と圧縮機の騒音および送風機の騒音を表す図である。 本発明の実施の形態9を表す除湿機の圧縮機の振動および除湿能力を示したものである。 本発明の実施の形態10を表す除湿機用圧縮機のモータのロータ1回転中の機械トルク変動およびモータへの印加電圧を示した図である。 従来の除湿機の側断面図である。 従来の除湿機の制御装置のブロック図である。 従来の除湿機の電気配線図である。 従来の除湿機に搭載されている圧縮機のモータステータの構造図である。
1 蒸発器、2 吸い込み口、3 風路、4 凝縮器、5 送風ダクト、6 送風機、7 吹き出しダクト、8 吹き出し口、9 風向可変ベーン、10 ドレン口、11 タンク、12 底板、13 誘導電動機を搭載した圧縮機、14 吸い込み空気、15 ドレンパン、20 交流電源、21リレー、22 誘導電動機を搭載した圧縮機、23 電力変換器、30 フィルタ回路、31 コンバータ回路、32 インバータ回路、33 制御回路、34 位置検知手段、40 圧縮機入力、41 高除湿運転時の入力、42 低除湿運転時の入力、43 60Hz入力、44 50Hz入力、53 電力変換器効率、54 モータ効率、55 機総合効率、61、71 高除湿運転時の最大負荷ポイント、62、72 低除湿運転時の最大負荷ポイント、63 送風機の騒音、64 120度通電時の圧縮機騒音、65 150度通電時の圧縮機騒音、66 130度通電時の圧縮機騒音、73 最大負荷時の圧縮機出力、74 120度通電時の限界運転範囲、75 150度通電時の限界運転範囲、76 130度通電時の限界運転範囲、81 高除湿運転時のDCBLMの運転ポイント、82 低除湿運転時のDCBLMの運転ポイント、83 進み角15度時のモータ効率、84 進み角0度時のモータ効率、91 高除湿運転時のDCBLMの運転ポイント、92 低除湿運転時のDCBLMの運転ポイント、93 インバータ入力240V時の効率、93 インバータ入力120V時の効率、95 騒音A特性を表す曲線、96 キャリア周波数、97 10.7kHzの周波数、100 蒸発器、101 ステータ巻き線、102 ステータコア、111 4極のDCBLM、112 6極のDCBLM、113 8極のDCBLM、114 送風機の騒音値、120 配管振幅曲線、121 ストロークボリューム4cc、122 ストロークボリューム7cc、123 ストロークボリューム8cc、124 ストロークボリューム4cc時の除湿能力、125 ストロークボリューム7cc時の除湿能力、126 ストロークボリューム8cc時の除湿能力、129 限界配管振幅値、130 直流ブラシレスモータを搭載した圧縮機、131 トルクの変動曲線、132 モータの印加電圧、200 除湿機本体、331 回転数検知手段、332 通電幅切り替え手段、333 インバータ通電波形生成手段、335 回転数検知手段、336 コンバータ出力電圧変更手段、400 凝縮器、611 ダイオードブリッジ、612 リレー、613、614 電解コンデンサ。

Claims (4)

  1. 冷凍サイクルを構成する凝縮器と蒸発器を同一本体内に収納し、直流ブラシレスモータを搭載した圧縮機と、前記モータの回転数を検出する回転数検知手段と、前記回転数検知手段により検出された回転数に応じて印加する電圧の位相を変更する位相変更手段と、前記位相変更手段よりの位相の情報に基づいて前記モータに印加する電圧の位相を変更して印加する電圧波形を生成するインバータ通電波形生成手段と、を前記本体内に備え、前記モータに突極モータを使用し、前記モータの回転数が所定回転数以上の時は前記モータへの通電位相を所定回転数よりも小さい場合に比べて進み位相で通電するようにしたことを特徴とする除湿機。
  2. 可変速度にて駆動される送風機を備え、圧縮機に搭載される直流ブラシレスモータのロータの極数を前記圧縮機の騒音値が前記送風機の騒音値以下となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の除湿機。
  3. 圧縮機に搭載される直流ブラシレスモータのロータの極数を6極以上としたことを特徴とする請求項2に記載の除湿機。
  4. 圧縮機のMAX回転数での能力が除湿機に要求される最大除湿能力を満足する下限のストロークボリュームを選定するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の除湿機。
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