JP6530306B2 - 二相誘導電動機、二相誘導電動機を備える空気調和機およびプログラム - Google Patents
二相誘導電動機、二相誘導電動機を備える空気調和機およびプログラム Download PDFInfo
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Description
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、高効率で運転できる二相誘導電動機、二相誘導電動機を備える空気調和機およびプログラムを提供することを目的とする。
主巻線と、補助巻線とを有し、
商用交流電源の交流電圧を整流する整流回路と、前記整流回路から出力される直流電圧をスイッチングし、それぞれ位相の異なる第1の電圧と第2の電圧と第3の電圧とを出力する誘導電動機駆動回路と、駆動対象となる送風ファンと、を備える空気調和機に適用され、
最高回転速度が現れるときの出力トルクを定格出力トルクとしたとき、前記主巻線および前記補助巻線に対して前記商用交流電源が出力する前記交流電圧の√2/2倍以下の電圧が印加された状態で前記最高回転速度および前記定格出力トルクが得られるように、前記主巻線および前記補助巻線のインピーダンス値が設定されている
ことを特徴とする。
<実施形態の構成>
以下、図1に示すブロック図を参照し、本発明の第1実施形態による空気調和機の要部であるモータ駆動装置A1の構成を説明する。
図1において、二相誘導電動機(以下、モータと呼ぶ)10は、主巻線12と補助巻線14とを有し、負荷装置40に結合され、負荷装置40を回転駆動する。主巻線12と補助巻線14とは、二相交流電流が供給されると、回転磁界を発生するように配置されている。回転速度センサ16は、ホールセンサ等を有し、モータ10の回転子の回転速度(以下、実回転速度N[rpm]という)を検出する。
しかしながら、誘導電動機の巻線のインピーダンスは、巻線のインダクタンスおよび巻線の導線抵抗によるものであるが、主巻線と補助巻線のインピーダンスが異なる場合、印加された電圧に対し、流れる電流の位相遅れが主巻線と補助巻線で異なってしまう。そのため、各巻線に流れる電流の位相差が90°、つまり1/4周期違いとならないため、効率が落ちてしまう。そのため、この場合はこの遅れ分の位相を加味して印加する電圧の位相差を調整しても良い。
換言すると、モータ10の最高回転速度における出力トルクを定格出力トルクとしたとき、主巻線12および補助巻線14のインピーダンスは、実効値が(√2/2)E以下の交流電圧の入力により定格出力トルクが得られる値であることになる。
上述した例は過変調を行わない場合の例であるが、電圧VU,VV,VWに奇数次の高調波成分を混入することにより、これらの振幅を1.25・(√2/2)・Eまで上昇させることができる。なお、過変調は、インバータ制御に用いられる技術の一例であって、過変調を行ってもよいし、行わなくてもよい。
次に、図7を参照し、本実施形態の動作を説明する。なお、図7は、制御回路24にて実行される制御プログラムのフローチャートであり、この制御プログラムはモータ10を起動する際に実行される。
図7において処理がステップS2に進むと、同期速度設定部56によって、モータ10が、逆回転中であるか否かが判定される。ここで「Yes」と判定されると、処理はステップS3に進み、回転速度は所定速度以上であるか否かが判定される。ここで「Yes」と判定されると、処理はステップS2に戻る。以後、モータ10が所定速度以上で逆回転中である限り、ステップS2,S3のループが繰り返される。例えば負荷装置40がファンである場合、外気の流れによって、該所定速度以上でファンが逆回転している可能性がある。このような場合にインバータ20を動作させると、インバータ20が過負荷状態になるため、本実施形態ではインバータ20を動作させないようにしている。但し、モータ10が室内機器で使用される場合等、モータ10が逆回転する可能性が小さい場合、ステップS2,S3の処理を省略してもよい。
上述したように、本実施形態においては、モータ10として二相誘導電動機を適用し、主巻線12および補助巻線14のインピーダンスを略同一にしたが、その意義について説明する。
空気調和機においては、小型の筐体で大きい部屋全体を空調できることが望ましいため、風量が多いことが望ましく、ファンを回転させるモータの最高回転速度も高い方が望ましい。一方、静音性や各種機能の面から、より低速で回転する場合もあることから、任意に回転速度を変更できるモータが求められている。
そこで、インバータによって入力の周波数自体を変動させ、各巻線へ位相をずらした電圧を入力し、これによって二相誘導電動機を駆動する方式の検討を行った。インバータであれば、二相誘導電動機に入力する周波数を任意に設定できることから、空気調和機等の製品ニーズに合う、回転速度を実現できる。
(主巻線電圧)2+(補助巻線電圧)2=(コンデンサ両端電圧)2
この場合の同期速度は1500rpm、実回転速度は1295.4rpm、滑り量は0.136、主巻線電流振幅は0.8A、補助巻線電流振幅は0.62A、モータ温度上昇(ケース部分)は62.7℃であった。この例では、実回転速度は目標値(1200rpm)に達している。温度上昇も許容範囲内であった。
この場合の同期速度は1364rpm、実回転速度は1095rpm、滑り量は0.197、主巻線電流振幅は0.8A、補助巻線電流振幅は0.55A、モータ温度上昇(ケース部分)は26℃であった。図11の例では、モータ出力が不足しており、実回転速度(1095rpm)が目標値(1200rpm)に達していない。
この場合の同期速度は1395rpm、実回転速度は1234.56rpm、滑り量は0.115、主巻線電流振幅は0.8A、補助巻線電流振幅は0.8A、モータ温度上昇(ケース部分)は47℃であった。図12の例では、実回転速度が目標値(1200rpm)に達しており、温度上昇も許容範囲内であった。
この場合の同期速度は1500rpm、実回転速度は1371rpm、滑り量は0.086、主巻線電流振幅は1.2A、補助巻線電流振幅は1.2Aである。但し、モータ温度が100℃以上まで上昇し、温度保護が作動した。図13の例では、回転速度の目標値(1200rpm)は達しているが、発熱が激しく、安定して動作できているとは言い難い。
インダクタンスL: 主巻線で約70%以下、補助巻線で約50%以下
抵抗値R : 主巻線で約85%以下、補助巻線で約60%以下
インピーダンスZ: 主巻線約50%以下、補助巻線で約35%以下
インダクタンスL : 主巻線で約150%以上、補助巻線で約200%以上
抵抗値R : 主巻線で約120%以上、補助巻線で約180%以上
インピーダンスZ : 主巻線約210%以上、補助巻線で約300%以上
(適用例1)
次に、本実施形態のモータ駆動装置A1を、様々な機器に適用した例を説明する。
まず、電源電圧AC200Vで使用する空気調和機の室内機の送風用のファンに本実施形態に掛かる二相誘導電動機が適用される場合を示す。
製品仕様上必要となる空気調和機の室内機の最大風量から、二相誘導電動機の必要回転速度が1500rpmであり、このとき必要となる二相誘導電動機の出力トルクが2.2N・mであったとする。
次に、電源電圧AC200V、50Hzで使用する空気調和機室外機の送風ファンに使用されている進相用コンデンサ方式で駆動される二相誘導電動機を、インバータおよびこれによって駆動される二相誘導電動機に置き換える場合の例を示す。
進相用コンデンサ方式で駆動している二相誘導電動機の回転速度は、900rpmで、この時の負荷が3.5N・mであるとする。そのため、インバータによって駆動される二相誘導電動機の必要出力は、必要最大回転速度900rpm、3.5N・mの最大出力トルクとする。
尚、本例ではモータ積厚の変更は行わない場合について示す。また、平滑回路およびインバータ回路における損失は十分に小さいとする。前述の通り、インバータによって二相誘導電動機を駆動する場合、二相誘導電動機に入力される電圧は、進相コンデンサによって駆動する場合の√2/2である。入力インピーダンスが同一のばあい、オームの法則より、巻線電流も√2/2倍となってしまう。
次に、進相用コンデンサおよび二相誘導電動機による構成を、インバータ回路および二相誘導電動機に置き換えるにあたり、誘導電動機の積厚も併せて変更する場合を検討する。そこで、上記適用例2と同じ条件にて、誘導電動機の積圧も併せて変更する場合の例を検討する。
進相用コンデンサで使用している誘導電動機から、インバータ回路で駆動する二相誘導電動機の積厚を増す。この変更による出力トルクが15%見込める場合について考える。
さらに、上記適用例1で示した構成にて、滑りリミッタを使用して動作させる場合の例を検討する。
適用例1の通り、目標値に対し、インバータ駆動方式で二相誘導電動機を動作させる場合、適用したインバータおよび二相誘導電動機が上記定格条件でのインバータ入力の同期速度および実回転速度から滑り量を確認しておく。
尚、ここで言う任意の駆動方法とは、電圧や周波数を任意に設定できる電圧源や電流源を用いる方法であってもよく、出力を監視しつつ位相制御などの制御が可能なインバータを用いる方法であってもよく、測定の意図に合ったものを使用するとよい。
以上のように、本実施形態における二相誘導電動機(10)は、
主巻線(12)と、補助巻線(14)とを有し、
商用交流電源(30)の交流電圧を整流する整流回路(26)と、前記整流回路(26)から出力される直流電圧(Edc)をスイッチングし、それぞれ位相の異なる第1の電圧(VU)と第2の電圧(VV)と第3の電圧(VW)とを出力する誘導電動機駆動回路(20)と、駆動対象となる送風ファン(40,103)と、を備える空気調和機に適用され、
最高回転速度が現れるときの出力トルクを定格出力トルクとしたとき、前記主巻線(12)および前記補助巻線(14)に対して前記商用交流電源(30)が出力する前記交流電圧の√2/2倍以下の電圧が印加された状態で前記最高回転速度および前記定格出力トルクが得られるように、前記主巻線(12)および前記補助巻線(14)のインピーダンス値が設定されている
ことを特徴とする。
前記商用交流電源(30)の実効値の√2/2倍の実効値を有する主巻線印加電圧(VU-V)を前記主巻線に印加し、前記主巻線印加電圧(VU-V)に対して所定の進み位相の補助巻線印加電圧(VW-V)を前記補助巻線に印加し、前記二相誘導電動機に結合された前記送風ファン(40,103)から送風を行う場合において、前記主巻線印加電圧(VU-V)および前記補助巻線印加電圧(VW-V)の周波数を可変した際に得られる回転速度のうち最も高い回転速度である
ことを特徴とする。
前記主巻線(12)のインピーダンスおよび前記補助巻線(14)のインピーダンスのうち、高い側のインピーダンスが低い側のインピーダンスの1.25倍以下である
ことを特徴とし、より望ましくは
前記主巻線(12)のインピーダンスおよび前記補助巻線(14)のインピーダンスは、略同一である
ことを特徴とする。
これらより、インバータ(20)による駆動に適した二相誘導電動機が実現できる。
二相誘導電動機(10)を有し、
前記誘導電動機駆動回路(20)は、三相出力が可能なインバータを有し、
前記第1の電圧(VU)は前記主巻線(12)の一端に印加され、
前記第3の電圧(VW)は前記補助巻線(14)の一端に印加され、
前記第2の電圧(VV)は前記主巻線(12)の他端と前記補助巻線(14)の他端とに印加され、
前記第2の電圧(VV)は、前記第1の電圧(VU)よりも第1の周期だけ遅れ、前記第3の電圧(VW)は、前記第2の電圧(VV)よりも第2の周期だけ遅れる
ことを特徴とする。
商用交流電源(30)の交流電圧を整流し直流電圧(Edc)を出力する整流回路(26)と、
前記直流電圧(Edc)をスイッチングし、第1の電圧(VU)と第2の電圧(VV)と第3の電圧(VW)とを出力するインバータ(20)と、
主巻線(12)と補助巻線(14)とを有する二相誘導電動機(10)と、
前記二相誘導電動機(10)に結合された送風ファン(40,103)と、
を備え、
前記第1の電圧(VU)は前記主巻線(12)の一端に印加され、
前記第3の電圧(VW)は前記補助巻線(14)の一端に印加され、
前記第2の電圧(VV)は前記主巻線(12)の他端と前記補助巻線(14)の他端とに印加され、
前記第2の電圧(VV)は、前記第1の電圧(VU)よりも第1の周期だけ遅れ、前記第3の電圧(VW)は、前記第2の電圧(VV)よりも第2の周期だけ遅れ、
前記補助巻線(14)に流れる電流の実効値は、前記主巻線(12)に流れる電流の実効値と略同一である
ことを特徴とする。
これらの特徴により、空気調和機を高効率で運転することができる。
前記インバータ(20)を制御する制御回路(24)と、
前記二相誘導電動機(10)の実回転速度(N)を測定する回転速度センサ(16)と、を備え、
前記制御回路(24)は、前記実回転速度(N)に応じて前記二相誘導電動機(10)の同期速度(NS)を増減させる
ことを特徴とする。
これにより、実回転速度(N)に応じた制御を実現できる。
これにより、必要に応じて、二相誘導電動機(10)を高速に運転することができる。
ことを特徴とする。
これにより、空気調和機を一層高効率に運転することができる。
また、前記インバータ(20)は、15kHz以上のスイッチングを行う
ことを特徴とする。
これにより、耳障りな雑音を低減できる。
前記滑り量(s)が所定値(smax)以上である場合に前記同期速度(NS)を低下させる同期速度設定部(56)と、
を有することを特徴とする。
これにより、滑り量sが大きくなると、同期速度NSを低下させ、損失および発熱を抑制できる。
前記同期速度設定部(56)は、前記二相誘導電動機(10)の始動時において前記目標同期速度(NX)よりも低くなるように前記同期速度(NS)を設定する機能と、前記同期速度(NS)が前記目標同期速度(NX)に達し、または前記滑り量(s)が前記所定値(smax)以上になるまで、前記同期速度(NS)を増加させる機能と、を有する
ことを特徴とする。
これにより、始動時における損失や発熱を低減することができる。
また、前記二相誘導電動機(10)は、前記実回転速度(N)が零値から前記同期速度(NS)に至る途中のトルクピーク回転速度(Np)においてモータトルク(TM)にピークが現れるトルク特性を有し、前記所定値(smax)は、前記トルクピーク回転速度(Np)における滑り量(s)以上の値である
ことを特徴とする。
これにより、モータ10をなるべく安定領域で動作させることができ、モータ10の損失や発熱を抑制しつつ、モータ10を継続して駆動し続けることができる。
次に、図14に示すブロック図を参照し、本発明の第2実施形態による空気調和機の要部であるモータ駆動装置A2の構成を説明する。
本実施形態のモータ駆動装置A2は、第1実施形態のモータ駆動装置A1(図1参照)と比較すると、整流回路26の出力端子には、1個の平滑コンデンサ28に代えて、直列接続された2個の平滑コンデンサ28a,28bが接続されている。平滑コンデンサ28a,28bの接続点の電圧は、そのままV相電圧VVとしてモータ10に印加される。
次に、図16を参照し、本発明の第3実施形態による空気調和機Aの構成を説明する。なお、図16は、本実施形態に係る空気調和機Aの正面図である。
本実施形態は、上述した第1,第2実施形態におけるモータ駆動装置A1,A2を空気調和機Aに適用した例である。
図16に示すように、空気調和機Aは、室内機100と、室外機200と、リモコンReと、を備えている。室内機100と室外機200とは冷媒配管(図示せず)で接続され、周知の冷媒サイクルによって、室内機100が設置されている室内を空調する。また、室内機100と室外機200とは、通信ケーブル(図示せず)を介して互いに情報を送受信するようになっている。
熱交換器102は複数本の伝熱管102aを有し、送風ファン103により室内機100内に取り込まれた空気を、伝熱管102aを通流する冷媒と熱交換させ、前記空気を加熱又は冷却するように構成されている。なお、伝熱管102aは、前記した冷媒配管(図示せず)に連通し、周知の冷媒サイクル(図示せず)の一部を構成している。
上下風向板105は、室内機マイコンからの指示に従い、両端部に設けた回動軸(図示せず)を支点にして上下風向板用モータ(図示せず)により回動される。
前面パネル106は、室内機100の前面を覆うように設置されており、下端を軸として前面パネル用モータ(図示せず)により回動可能な構成となっている。ちなみに、前面パネル106を、下端に固定されるものとして構成してもよい。
なお、図16、図17に示す空気調和機100の構成は、あくまで本実施形態に係る一例であり、あらゆる空気調和機の形態についても適用可能出る事は、言うまでもない。
制御部140は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等含んで構成される。記憶手段150は各種情報を記憶する。そして、ROMに記憶されたプログラムが制御部140の演算処理部145内のCPU(Central Processing Unit)によって読み出されて、RAMに展開され、実行される。センサ170は室内外の温度等を測定する。
この駆動制御部146および負荷160が、上述した第1,第2実施形態におけるモータ駆動装置A1,A2に対応する。従って、本実施形態によれば、発熱等を抑制しつつ高効率で負荷160を駆動することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、若しくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
(3)上記各実施形態においては、滑り量sの算出を行うため、ホールセンサ等の回転速度センサ16を用いてモータ10の実回転速度Nを検出した。しかし、誘導電動機の回転速度を検出する方法には様々なものが知られており、どのような方法で実回転速度Nを検出してもよい。また、モータ10の内部にホールセンサ等の回転速度センサ16を内蔵することを限定するものではなく、モータ10の外部に回転速度センサ16を設けてもよい。
12 主巻線
14 補助巻線
16 回転速度センサ
20,21 インバータ
24 制御回路(コンピュータ)
26 整流回路
54 滑り量算出部
56 同期速度設定部
58 目標速度設定部
A 空気調和機
A1,A2 モータ駆動装置
Edc 直流電圧
N,N1,N2,N3 実回転速度
NS 同期速度
NX 目標同期速度
Np トルクピーク回転速度
s 滑り量
smax 所定値
TL,TL1,TL2 負荷トルク
TM,TM1,TM2,TM3 モータトルク
VU-V 線間電圧(主巻線印加電圧)
VW-V 線間電圧(補助巻線印加電圧)
VU 電圧(第1の電圧)
VV 電圧(第2の電圧)
VW 電圧(第3の電圧)
Claims (15)
- 主巻線と、補助巻線とを有し、
商用交流電源の交流電圧を整流する整流回路と、前記整流回路から出力される直流電圧をスイッチングし、それぞれ位相の異なる第1の電圧と第2の電圧と第3の電圧とを出力する誘導電動機駆動回路と、駆動対象となる送風ファンと、を備える空気調和機に適用され、
最高回転速度が現れるときの出力トルクを定格出力トルクとしたとき、前記主巻線および前記補助巻線に対して前記商用交流電源が出力する前記交流電圧の√2/2倍以下の電圧が印加された状態で前記最高回転速度および前記定格出力トルクが得られるように、前記主巻線および前記補助巻線のインピーダンス値が設定されている
ことを特徴とする二相誘導電動機。 - 前記最高回転速度は、
前記商用交流電源の実効値の√2/2倍の実効値を有する主巻線印加電圧を前記主巻線に印加し、前記主巻線印加電圧に対して所定の進み位相の補助巻線印加電圧を前記補助巻線に印加し、前記二相誘導電動機に結合された前記送風ファンから送風を行う場合において、前記主巻線印加電圧および前記補助巻線印加電圧の周波数を可変した際に得られる回転速度のうち最も高い回転速度である
ことを特徴とする請求項1に記載の二相誘導電動機。 - 前記主巻線のインピーダンスおよび前記補助巻線のインピーダンスのうち、高い側のインピーダンスが低い側のインピーダンスの1.25倍 以下である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の二相誘導電動機 - 前記主巻線のインピーダンスおよび前記補助巻線のインピーダンスは、略同一である
ことを特徴とする請求項3に記載の二相誘導電動機。 - 請求項1乃至4の何れか一項に記載の二相誘導電動機を有し、
前記誘導電動機駆動回路は、三相出力が可能なインバータを有し、
前記第1の電圧は前記主巻線の一端に印加され、
前記第3の電圧は前記補助巻線の一端に印加され、
前記第2の電圧は前記主巻線の他端と前記補助巻線の他端とに印加され、
前記第2の電圧は、前記第1の電圧よりも第1の周期だけ遅れ、前記第3の電圧は、前記第2の電圧よりも第2の周期だけ遅れる
ことを特徴とする空気調和機。 - 商用交流電源の交流電圧を整流し直流電圧を出力する整流回路と、
前記直流電圧をスイッチングし、第1の電圧と第2の電圧と第3の電圧とを出力するインバータと、
主巻線と補助巻線とを有する二相誘導電動機と、
前記二相誘導電動機に結合された送風ファンと、
を備え、
前記第1の電圧は前記主巻線の一端に印加され、
前記第3の電圧は前記補助巻線の一端に印加され、
前記第2の電圧は前記主巻線の他端と前記補助巻線の他端とに印加され、
前記第2の電圧は、前記第1の電圧よりも第1の周期だけ遅れ、前記第3の電圧は、前記第2の電圧よりも第2の周期だけ遅れ、
前記補助巻線に流れる電流の実効値は、前記主巻線に流れる電流の実効値と略同一である
ことを特徴とする空気調和機。 - 前記インバータを制御する制御回路と、
前記二相誘導電動機の実回転速度を測定する回転速度センサと、を備え、
前記制御回路は、前記実回転速度に応じて前記二相誘導電動機の同期速度を増減させる
ことを特徴とする請求項5または6に記載の空気調和機。 - 前記制御回路は、前記実回転速度と前記同期速度とに基づいて前記二相誘導電動機の滑り量を算出する滑り量算出部と、
前記滑り量が所定値以上である場合に前記同期速度を低下させる同期速度設定部と、
を有することを特徴とする請求項7に記載の空気調和機。 - 前記制御回路は、前記二相誘導電動機の目標同期速度を設定する目標速度設定部を有し、
前記同期速度設定部は、前記二相誘導電動機の始動時において前記目標同期速度よりも低くなるように前記同期速度を設定する機能と、前記同期速度が前記目標同期速度に達し、または前記滑り量が前記所定値以上になるまで、前記同期速度を増加させる機能と、を有する
ことを特徴とする請求項8に記載の空気調和機。 - 前記二相誘導電動機は、前記実回転速度が零値から前記同期速度に至る途中のトルクピーク回転速度においてモータトルクにピークが現れるトルク特性を有し、前記所定値は、前記トルクピーク回転速度における滑り量以上の値である
ことを特徴とする請求項9に記載の空気調和機。 - 実回転速度が零値から同期速度に至る途中のトルクピーク回転速度においてモータトルクにピークが現れるトルク特性を有する誘導電動機の滑り量が、所定値以上であるか否かを判定する機能と、
前記滑り量が前記所定値未満である場合に前記同期速度を、指定された目標同期速度に近づける機能と、
前記滑り量が前記所定値以上である場合に前記同期速度を低下させる機能と、
を有し、前記所定値は、前記トルクピーク回転速度における滑り量以上の値である
ことを特徴とする請求項5乃至10の何れか一項に記載の空気調和機。 - 前記インバータは、過変調制御により、前記商用交流電源が出力する前記交流電圧のピーク値の√2/2倍以上のピーク値の電圧を出力することを特徴とする、
請求項5乃至11のいずれか一項に記載の空気調和機。 - 前記第1の周期および前記第2の周期は略「1/4」周期である
ことを特徴とする請求項5乃至12のいずれか一項に記載の空気調和機。 - 前記インバータは、15kHz以上のスイッチングを行う
ことを特徴とする請求項5乃至13のいずれか一項に記載の空気調和機。 - 実回転速度が零値から同期速度に至る途中のトルクピーク回転速度においてモータトルクにピークが現れるトルク特性を有する誘導電動機を制御するコンピュータに適用されるプログラムであって、前記コンピュータを、
前記誘導電動機の滑り量が、前記トルクピーク回転速度における滑り量以上の値である、所定値以上であるか否かを判定する手段、
前記滑り量が前記所定値未満である場合に前記同期速度を指定された目標同期速度に近づける手段、
前記滑り量が前記所定値以上である場合に前記同期速度を低下させる手段、
として機能させるためのプログラム。
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