JP2010090833A - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スロットルバルブとスロットルボディの双方に撥油撥水処理をしても問題なく、両者の隙間の狭小化とデポジットの付着量低減及び洗浄とを、容易且つ確実に達成できる内燃機関の吸気装置を提供する。
【解決手段】スロットルバルブ17の外周端面とスロットルボディ16の内面との間には、両者16・17の隙間S1を小さくするための固体潤滑剤層45を塗布した後、末端に官能基を有するパーフルオロポリエーテル化合物の単分子膜(コーティング膜)46が塗布形成されている。固体潤滑剤層45は、スロットルボディ16の内面のうち、スロットルシャフト40と挿通孔42との間の隙間S2の吸気通路側端面を塞ぐように、スロットルシャフト40の周囲に形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関への吸入空気量を調整する吸気装置に関する。
従来より、自動車などの燃費低減手段のひとつとして、アイドル回転(アイドリング)時に内燃機関への吸入空気量を低減している。内燃機関への吸入空気量は、吸気通路に設けられたスロットルバルブの角度(スロットル開度)によって制御され、吸気装置は、アイドリングや低速、高速といったアクセルペダル操作に応じた内燃機関の状態に応じてスロット開度を制御する。アイドル回転時にはスロットルバルブが全閉されることで、内燃機関への吸入空気量が抑えられる。このとき、スロットルバルブとスロットルボディとの間には僅か(数十μm程度)に隙間があるため、当該隙間からの空気洩れを低減することで、さらなる燃費向上を図ることができる。そのための手段として、スロットルバルブの外径をできるだけスロットルボディの内径に近づけることが考えられるが、ミクロンオーダーでの寸法設計は容易でなく、スロットルバルブ等の製造誤差により寸法設計での隙間の狭小化には限界がある。そこで、スロットルボディの内面に二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤を塗布形成して、スロットルバルブとスロットルボディとの隙間の狭小化が図られることがある。二硫化モリブデンからなる固体潤滑剤は、乾性被膜潤滑剤とも称される。
ところで、内燃機関には排ガス還流システム(EGRシステム)やクランクケース換気システム(PCVシステム)などが設けられており、排気通路からの還流排気ガス(EGRガス)や内燃機関のクランクケースからのブローバイガスが、スロットルバルブより下流側の吸気通路に送られる。一方、アイドル回転時にスロットルバルブが全閉されていると、当該スロットルバルブの下流側に大きな負圧が生じ、EGRガスに含まれる煤やカーボン、ブローバイガスに含まれるオイルミストなどのデポジットが逆流してスロットルバルブやスロットルボディの内面に付着、堆積する。また、エアクリーナで除去されなかった吸入空気中の微粒子がデポジットとして付着することもある。このようにデポジットが付着堆積してくると、アイドル回転時の吸入空気量の過剰低下やエンジン停止などをきたすおそれがある。また、堆積したデポジットは、重縮合、酸化、ニトロ化などにより高分子化し、スロットルバルブがスロットルボディの内面に固着するおそれもある。さらに、吸入空気等に含まれる水分が結露し、スロットルバルブがスロットルボディの内面に氷着する恐れもある。スロットルバルブとスロットルボディとが固着すると、スロットルバルブの円滑な回動が阻害され、吸入空気量の制御不良につながる。
このように、デポジットの堆積や氷着は吸気装置の機能を阻害する重要な問題となる。そこで、デポジットの付着堆積防止手段として、大きく分けて2つの方法が提案されている。1つは、スロットルバルブ表面やスロットルボディ内面に、撥油撥水性の高いPTFEなどのフッ素樹脂被膜を形成する方法である(特許文献1〜3)。別の1つは、スロットルボディ周辺に洗浄剤を噴射することでデポジットを洗い流す方法である(特許文献4〜6)。
特許文献1では、スロットルバルブの上流側(吸入空気入口側)面にフッ素樹脂系などの撥水性を有する、膜厚5〜15μmのコーティング被膜を塗布形成すると共に、スロットルバルブの下流側(吸入空気出口側)面及びスロットルボディ内面のスロットルバルブ下流側端部域に二硫化モリブデンを塗布している。製造方法としては、予めコーティング被膜を塗布形成したスロットルバルブをスロットルボディに組み付けた後、コーティング被膜の形成領域を避けながら二流化モリブデンを刷毛塗りしている。特許文献2では、固体潤滑剤を使用しない場合は、スロットルバルブの外周端面とスロットルボディ内面のスロットルバルブ対向面との少なくとも一方に、フッ素樹脂系などからなる膜厚5〜15μmのコーティング被膜を塗布形成している。一方、固体潤滑剤を使用する場合(第5実施例)は、予めコーティング被膜を塗布形成したスロットルバルブをスロットルボディに組み付けた後、スロットルボディ内面に二流化モリブデンを塗布している。特許文献3では、スロットルボディの内面に形成された凹凸と、当該凹凸より膜厚の小さい(0.1〜0.5μm)フッ素樹脂膜との相乗効果によってデポジットの付着を防止している。さらに、フッ素樹脂膜を塗布形成した後、当該フッ素樹脂膜の表面に、トリフルオロメチル基を有するシラン化合物の単分子膜を形成すれば、デポジットの付着防止効果をより向上できることが記載されている。単分子膜には、
CF3(CF27CH2CH2Si(OCH33
で表されるフルオロアルキルシラン(FAS)化合物を使用し、150℃の加熱条件で形成している。
特許文献4では、スロットルバルブがほぼ閉弁状態にあるときに、吸気通路のスロットルバルブ下流側から当該スロットルバルブの下流側面に燃料を噴射するか、若しくはスロットルバルブが全開位置にあるときに、吸気通路のスロットルバルブ上流側から当該スロットルバルブの下流側面に燃料を噴射している。デポジット洗浄用の燃料は、吸気ポート又は燃焼室へ燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)とは別のアシストインジェクタから噴射される。特許文献5では、エンジン始動時に噴射される始動用燃料をスロットルバルブ上流からスロットルバルブ周辺に噴射することによって、デポジットを洗浄している。特許文献6では、燃料タンクからの蒸発燃料の処理装置であるキャニスタと吸気通路のパージポートとを連通するパージホースを取り外した後、アダプタを介してパージポートへ洗浄剤入りスプレー缶のチューブを装着し、当該パージポートから洗浄剤を噴射してデポジットを洗浄している。
特開平10−220254号公報 特開平8−14069号公報 特開2006−322433号公報 特開2002−180935号公報 特開平4−308331号公報 特開平8−189381号公報
特許文献1や特許文献2では、固体潤滑剤の塗布領域とコーティング被膜の塗布領域とを明確に分けている。具体的には、予めコーティング被膜を塗布形成したスロットルバルブをスロットルボディに組み付けた後、コーティング被膜の形成領域を避けるように二流化モリブデンからなる固体潤滑剤を、スロットルボディの内面に塗布している。これでは、スロットルバルブ表面とスロットルボディ内面とのいずれか一方のみにしかコーティング被膜を形成できない。また、スロットルバルブを組み付けた吸気装置のアッシー状態(アッセンブリ状態)において固体潤滑剤層及びコーティング被膜を形成できず、かつコーティング被膜の形成領域を避けるように固体潤滑剤を塗布する必要があるので、製造が煩雑である。このように、製造手順や塗布領域に制限がある理由は、コーティング被膜を塗布後、これの表面に固体潤滑剤を塗布しても、コーティング被膜の撥油撥水性により固体潤滑剤(の溶剤)が弾かれるので、固体潤滑剤層を形成できないからである。
なお、特許文献2には、スロットルバルブ表面とスロットルボディ内面の双方にコーティング被膜を形成する態様も開示されているが、当該態様では固体潤滑剤層を形成できないので、スロットルバルブとスロットルボディとの隙間の狭小化の点で課題が残る。また、スロットルバルブ外周端面とスロットルボディ内面との間の隙間が数十μm程度に対して、膜厚5〜15μm程度のコーティング被膜をスロットルバルブ外周端面とスロットルボディ内面の双方に塗布すれば、スロットルバルブとスロットルボディとがコーティング被膜によって固着するおそれがある。デポジットによる固着を防ぐ為に塗布するコーティング被膜によってスロットルバルブとスロットルボディとが固着するのでは、本末転倒である。また、スロットルバルブ外周端面とスロットルボディ内面の双方に塗布すれば、スロットルバルブとスロットルボディの製造バラツキに加え、双方のコーティングバラツキも加わるため、全体の寸法バラツキが大きくなり、全閉時の狭小化が困難になるおそれもある。
このように、一般的なフッ素樹脂系などのコーティング膜の膜厚は大きいので、固体潤滑剤層とコーティング被膜との合計膜厚が隙間寸法より大きくなり、スロットルバルブ全閉時の隙間が完全に塞がれるおそれもある。そのため、固体潤滑剤層とコーティング被膜との併用を前提としている特許文献1では、スロットルボディ内面側の固体潤滑剤層は、スロットルバルブ下流側端部域に形成している。すなわち、スロットルバルブ外周端面とスロットルボディ内面との間(対向空間)において、固体潤滑剤層とコーティング被膜とが併存しないようにしている。
特許文献3では、スロットルボディ内面の最外層に単分子膜を形成している。単分子膜はフッ素樹脂膜に比して極めて膜厚が小さいが、特許文献3ではあくまでフッ素樹脂膜が前提となっており、固体潤滑剤と併用する場合について考慮されていない。しかも、ここでの単分子膜の形成には、フルオロアルキルシラン(FAS)化合物を使用している。当該FAS化合物は、米国環境保護庁(EPA)から有害性が指摘されているPFOA(パーフルオロオクタン酸)に該当し、環境、生体への蓄積性の問題が懸念される。
特許文献4〜6では適時のタイミングで洗浄剤を噴射しているが、これのみでは洗浄剤の噴射時以外のときにデポジットが付着堆積し易い。そのため、洗浄すべきデポジットの量が多く、かつ撥油撥水処理されていない面に付着したデポジットは滑落し難いので、洗浄効果にも課題が残る。また、特許文献6ではいちいちパージホースを取り外したうえで、アダプタを介してスプレー缶を装着する必要があり、煩雑である。
そこで、本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、スロットルバルブとスロットルボディの双方を撥油撥水処理しても問題なく、スロットルバルブとスロットルボディの隙間の狭小化とデポジットの付着量低減及び洗浄とを、容易且つ確実に達成できる内燃機関の吸気装置を提供することを目的とする。
本発明は、内燃機関の吸気通路を構成するスロットルボディと、該スロットルボディに回転可能に設けられたスロットルシャフトと、該スロットルシャフトに取り付けられ、前記吸気通路を流れる吸入空気量を制御するスロットルバルブとを備えた内燃機関の吸気装置であって、前記スロットルバルブの外周端面と前記スロットルボディの内面との間には、該スロットルバルブの外周端面とスロットルボディとの間の隙間を小さくするための固体潤滑剤層と、末端に官能基を有するパーフルオロポリエーテル化合物の単分子膜とが塗布形成されていることを特徴とする。末端に官能基を有するパーフルオロポリエーテル化合物の単分子膜が、撥油撥水性の高いコーティング被膜となる。固体潤滑剤層によってスロットルボディとスロットルバルブとの隙間が少しでも小さくなっていれば、当該固体潤滑剤層の塗布領域や塗布対象は限定されない。また、スロットルバルブの外周端面とスロットルボディの内面との間に固体潤滑剤層と単分子膜との双方が存在している限り、固体潤滑剤層と単分子膜とが積層されていてもよいし、両者が塗り分けられていてもよい。
前記単分子膜は、前記固体潤滑剤の塗布後に形成することができる。例えば、スロットルバルブの内面に固体潤滑剤層を形成した後、その上(表面)から単分子膜を形成することができる。
前記スロットルシャフトは、前記スロットルボディに対向状に設けられた挿通孔に挿通保持されており、前記固体潤滑剤層は、前記スロットルボディの内面のうち、前記スロットルシャフトと前記挿通孔との間の隙間の吸気通路側端面を塞ぐように、前記スロットルシャフトの周囲に形成することが好ましい。この場合、前記固体潤滑剤層は、前記スロットルバルブより吸気通路上流側または吸気通路下流側のいずれか一方のみに形成することが好ましい。
前記単分子膜は、前記スロットルボディ内面の前記スロットルバルブによる吸入空気のアイドル流量調整範囲内に形成することが好ましい。また、前記単分子膜は、前記スロットルボディの内面と前記スロットルバルブの外周端面との双方に形成することが好ましい。
さらに、前記吸気通路には、前記スロットルバルブ周辺のデポジットを洗い流すデポジット洗浄手段を設けることが好ましい。
前記デポジット洗浄手段としては、例えば前記スロットルバルブへ向けて洗浄剤を噴射する噴射弁が挙げられる。この場合、前記洗浄剤は、前記スロットルバルブの全閉時に噴射したり、内燃機関始動用のスイッチを入れてから該内燃機関の初爆前に噴射したりできる。このとき、前記噴射弁は前記スロットルバルブより吸気通路下流側に設けることが好ましい。また、アイドル回転スピードコントロール制御によりアイドル回転時の吸入空気量を一定に保つために前記スロットルバルブの開度が制御される際に、該スロットルバルブの開度が一定角度以上となったときに噴射されることが好ましい。または、前記洗浄剤は、前記スロットルバルブより吸気通路上流側に設けられた噴射弁から、一定時間間隔で定期的に噴射することもできる。このように洗浄剤を噴射弁から噴射する場合、前記洗浄剤は、前記固体潤滑剤層の形成領域を避けるように噴射することが好ましい。
また、前記吸気通路の周壁に前記スロットルバルブの吸気通路下流側から該スロットルバルブへ向けて内外貫通状の作業孔を穿設したうえで、前記デポジット洗浄手段として、前記作業孔へ挿通可能なノズルを有するスプレー缶を使用することもできる。
本発明では、撥油撥水性の高いコーティング被膜として、末端に官能基を有するパーフルオロポリエーテル化合物の単分子膜を形成している。当該単分子膜の膜厚は数nmであり、膜厚数μm程度の一般的なフッ素樹脂系被膜等よりも極めて小さい。したがって、仮にスロットルバルブの外周端面とスロットルボディの内面との間に、固体潤滑剤層と単分子膜とが積層状態で存在していたり、スロットルバルブの外周端面とスロットルボディの内面との双方に単分子膜を形成しても、単分子膜がスロットルバルブやスロットルボディを固着することが避けられると共に、単分子膜と固体潤滑剤層とによってスロットルバルブ全閉時の隙間が完全に塞がれるおそれもない。また、パーフルオロポリエーテル化合物の単分子膜は、環境、生体への蓄積性の問題も少ない。パーフルオロポリエーテル化合物は高い撥油撥水性を有することに加え、分子鎖が柔軟に動きやすいエーテル結合を有することによりデポジットが滑落し易い。
単分子膜を固体潤滑剤の塗布後に形成していれば、固体潤滑剤層が単分子膜で弾かれることがない。また、固体潤滑剤層と単分子膜との形成領域を必ずしも分ける必要がなく、固体潤滑剤層の上からパーフルオロポリエーテル化合物をベタ塗りすることもできるので、製造が楽である。また、スロットルバブルを組み付けたアッシー状態で単分子膜を形成できる点においても、製造が楽である。また、当該単分子膜は常温で形成可能であるため、固体潤滑剤層の変性劣化やスロットルボディの歪みなども避けられる。
一般的に、全閉時における空気漏れに対しては、スロットルバルブの外周端面とスロットルボディ内面との隙間を狭くすることで対処されることが多いが、実際にはこれに加えてスロットルシャフトと挿通孔との間の隙間からの空気漏れも無視できない。全閉時における空気漏れ量は隙間面積に対応しており、スロットルシャフトと挿通孔との隙間面積は、スロットルバルブの外周端面とスロットルボディ内面との隙間面積の1/2〜2/3を占めるため、全体の吸入空気漏れ量を低減するためには、スロットルシャフトと挿通孔との隙間塞ぐことも有効な手段となる。そこで、固体潤滑剤層を、スロットルシャフトと挿通孔との間の隙間の吸気通路側端面を塞ぐように形成していれば、スロットルバルブの外周端面とスロットルボディ内面との隙間面積を小さくできることに加えて、スロットルシャフトと挿通孔との間の隙間を介して吸入空気が漏れ出ることも防止できるので、吸入空気の漏れ量を効率的に低減できる。
固体潤滑剤層によってスロットルシャフトと挿通孔との隙間を塞ぐ場合、固体潤滑剤層を、スロットルバルブ周囲における吸気通路上流側または吸気通路下流側のいずれか一方のみに形成しておけば、少なくとも吸入空気が漏れ出る流路の入口又は出口の一方が塞がれることになるので、固体潤滑剤の使用量を抑えながら当該隙間からの空気漏れを確実に防ぐことができる。
スロットルバルブは、アイドル回転スピードコントロール(ISC)制御により、運転状況に合わせて所定のアイドル流量となるようスロットル開度が調整される。当該アイドル流量調整範囲は、デポジットが付着堆積し易い範囲である。そこで、単分子膜をスロットルボディ内面のアイドル流量調整範囲内に形成しておけば、デポジット付着量低減の必要性の高い範囲において確実に付着量を低減しながら、無駄な材料コストを削減できる。当該範囲でのデポジット付着量を低減できれば、ISC制御の経年変化抑制にもつながる。
単分子膜がスロットルボディ内面とスロットルバルブ外周端面との双方に形成されていれば、当該スロットルボディとスロットルバルブの双方へのデポジット付着堆積を低減できる。
そのうえで、吸気通路にスロットルバルブ周辺のデポジットを洗い流すデポジット洗浄手段が設けられていれば、撥油撥水膜たる単分子膜によって除去しきれなかったデポジットを、確実に除去することができる。
スロットルバルブの全閉時に例えばガソリンなどの高揮発性の溶剤などの洗浄剤が噴射されれば、スロットルバルブとスロットルボディの双方を同時に洗浄できる。一般的に、排気通路からの還流排気ガスやクランクケースからのブローバイガスは、スロットルバルブより吸気通路下流側に送られる。したがって、デポジットはスロットルバルブの吸気通路下流側に付着堆積し易い。そこで、洗浄剤をスロットルバルブの吸気通路下流側から噴射すれば、効率良くデポジットを洗浄できる。スロットルバルブの全閉時には吸入空気量が少ないので、吸気通路下流側から洗浄剤を噴射しても、当該洗浄剤は吸入空気の流れにあまり吹き返されることなくデポジット付着領域に容易に到達する。
内燃機関の停止時には、空気は吸入されない。したがって、内燃機関始動用のスイッチを入れてから該内燃機関の初爆前には、吸入空気量が殆ど無い。そこで、効率良くデポジットを洗浄するために洗浄剤をスロットルバルブの吸気通路下流側から噴射するに際して、吸入空気量が殆ど無い内燃機関始動用のスイッチを入れてから該内燃機関の初爆前に洗浄剤を噴射すれば、吸入空気の流れに殆ど吹き返されずにより確実に洗浄剤をデポジット付着領域に到達させることができる。
ISC制御によるアイドル回転時のスロットルバルブの開度が一定角度以上となったときに洗浄剤を噴射するように設定されていれば、例えばISC制御範囲内で全閉流量の初期化が必要と判断された時に噴射すればよいので、定期的に噴射する場合に比べて洗浄剤の使用量を低減できる。
一方、洗浄剤が定期的に噴射されれば、デポジットの付着量を最小限に抑えられる。これは、ISC制御機能のない非電子制御スロットル装置(THR)に対して特に有効である。この場合、吸入空気量の多い通常運転時にも噴射されることになる。そこで、スロットルバルブの吸気通路上流側から洗浄剤を噴射すれば、当該洗浄剤が吸入空気によって逆流することがなく、確実にデポジットを洗浄できる。
洗浄剤を固体潤滑剤層の形成領域を避けるように噴射すれば、固体潤滑剤層の溶出や劣化のおそれを低減することができる。例えば固体潤滑剤としてよく使用される二硫化モリブデンは、ある程度燃料に対する耐性を有するが、洗浄剤として燃料を繰り返し噴射すると、少しずつ固体潤滑剤が溶出するおそれがある。固体潤滑剤層の溶出や劣化のおそれを低減できれば、固体潤滑剤層による隙間埋め効果の長期持続が可能となる。
デポジット洗浄手段として、作業孔へ挿通可能なノズルを有するスプレー缶を使用すれば、噴射弁装置を設置する必要が無い、パージホースなどの脱着が不要、複雑な制御も不要、などの利点を有する。したがって、安価かつ手軽に洗浄できる。
(実施例1)
まず、本発明に係る内燃機関の吸気装置を適用するエンジンシステムの概略構成について説明する。図1に示すように、エンジンシステムを構成する多気筒のエンジン1には、吸気マニホールド2、エアダクト3及びエアクリーナ4が、これの順で連接されている。吸気マニホールド2及びエアダクト3が吸気系であり、その内部にエンジン1に外気を吸入させる一連の吸気通路5が構成されている。また、エンジン1には、排気マニホールド6、排気管7及び触媒コンバータ8が、これの順で連接されている。排気マニホールド6及び排気管7が排気系であり、その内部にエンジン1から排気ガスを排出する一連の排気通路9が構成されている。
エンジン1には複数の燃焼室10が設けられており、各燃焼室10のそれぞれに対応した複数の燃料噴射弁(インジェクタ)11が設けられている。各インジェクタ11には、図示していない燃料タンクから燃料ポンプを介して燃料が供給され、当該各インジェクタ11から吸気ポート12へ燃料が噴射される。吸気通路5には、エアクリーナ4を介して清浄化された吸入空気が導入される。この吸入空気と燃料とが、所定の空燃比(A/F)の混合気として各燃焼室10へ導入される。各燃焼室10に導入された混合気は、点火装置13によって点火されて爆発燃焼する。燃焼後の排気ガスは、排気通路9を通じて外部へ排出される。吸気マニホールド2は、吸気の脈動を沈静化するためのサージタンク15と、サージタンク15の吸気通路上流側に位置するスロットルボディ16とを備えている。スロットルボディ16内には、運転者によるアクセルペダル18の操作に連動して開閉制御されるスロットルバルブ17が設けられている。スロットルバルブ17が開閉されることにより、吸気通路5を流れる吸入空気量が調節される。
エンジンシステムは、ブローバイガスを還元するブローバイガス還元システムを有している。ブローバイガスとは、各燃焼室10内のピストン19とシリンダ壁面との隙間を通ってクランクケース(図示省略)内に流れ込むガスである。ブローバイガスは、未燃燃料やオイルミストを含んでいる。このブローバイガス還元機構は、ブローバイガス通路20を備えている。ブローバイガス通路20は、シリンダヘッドカバー21の内部とクランクケースの内部とを連通するように形成されている。シリンダヘッドカバー21には、クランクケース換気バルブ(PCVバルブ)22が設けられている。PCVバルブ22は、負荷が高いほど大きな開度にされる流量制御弁である。PCVバルブ22には、PCV通路23の一端が接続されている。PCV通路23の他端は、サージタンク15よりも下流の吸気通路5と連通している。また、シリンダヘッドカバー21には、PCV通路23とは独立した通路24の一端が接続されている。通路24の他端は、スロットルバルブ17よりも上流の吸気通路5と連通している。
クランクケースの内部にブローバイガスが流れ込むと、このブローバイガスは、ブローバイガス通路20を通ってシリンダヘッドカバー21の内部に流れ込む。PCVバルブ22が開弁されると、シリンダヘッドカバー21内部のブローバイガスがPCV通路23を通って吸気通路5に還流される。高負荷運転時には、シリンダヘッドカバー21内部のブローバイガスは、PCV通路23だけでなく、通路24を通って吸気通路5に還流される。シリンダヘッドカバー21若しくはPCV通路23には、ブローバイガス中のオイルを分離するオイルトラップ機構(図示省略)が設けられているが、完全にオイルを分離することはできない。このため、吸気通路5に戻されたブローバイガスは、オイル成分を含んでいる。この吸気通路5に戻されたブローバイガスは、新気と共に燃焼室10内に吸入される。
また、エンジンシステムは、排気ガスの一部を吸気系へ還流する排気ガス還流(EGR)システムを有している。排気マニホールド6には、EGR通路25の一端が接続されている。EGR通路25の他端は、サージタンク15に接続されている。EGR通路25の途中には、EGR通路25を流れるEGRガスを冷却するEGRクーラ26が設けられている。EGR通路25におけるEGRクーラ26の下流には、EGRバルブ27が設けられている。EGRバルブ27は、例えばステッピングモータ等によって開閉制御される流量制御弁である。EGRバルブ27が開弁されると、排気通路9を流れる排気ガスの一部が、EGR通路25を通ってサージタンク15に環流される。EGRガスには、煤やカーボン等が含まれている。
エアダクト3には、吸気通路5を流れる吸入空気量を測定するエアフローメータ30が設けられている。スロットルバルブ17には、そのスロットル開度を検出するためのスロットルセンサ31が設けられている。サージタンク15には、吸気圧を検出するための吸気圧センサ32が設けられている。エンジン1には、その回転速度を検出するための回転速度センサ33や、その内部を流れる冷却水の温度を検出するための水温センサ34が設けられている。また、排気系(本実施例では排気マニホールド6)には、空燃比(A/F)を検知するA/Fセンサ37が設けられている。アクセルペダル18は、アクセル開度センサ35によってアクセル開度が検出される。エンジンシステムには、エンジン1の運転を制御する電子制御装置(ECU)36が設けられており、当該ECU36の入力側に、エアフローメータ30、スロットルセンサ31、吸気圧センサ32、回転速度センサ33、水温センサ34、アクセル開度センサ35、及びA/Fセンサ37が接続されている。ECU36は、中央処理装置(CPU)やメモリなどを備える。ECU36の出力側には、インジェクタ11、点火装置13、スロットルバルブ17(を回動させるモータ)、PCVバルブ22、EGRバルブ27等がそれぞれ接続される。
ECU36は、各種センサ30〜35、37からの検出信号に基づき、インジェクタ11や点火装置13などを制御することにより、燃料噴射制御や点火時期制御などを実行する。特に、アイドル回転スピードコントロール制御(ISC制御)はエンジン1のアイドル運転時に行われる制御であり、エアフローメータ30、スロットルセンサ31、アクセル開度センサ35、A/Fセンサ37等の検出信号に基づき、そのアイドル運転時の回転速度を車両の運転状態に応じたアイドル回転速度に一致させるべく、吸入空気量の過不足に応じてスロットルバルブ17の開度を補正することで行われる。例えば、高速運転時では、図4の一点鎖線で示すようにスロットル開度が大きくされ、低速運転時ではスロットル開度が小さくされる。一方、車両停止時には、図4の実線で示すようにスロットルバルブ17が垂直角度に対して開き側に+6°の位置で全閉される。また、デポジットの付着等により全閉時の吸入空気量が低下してくると、図4の二点鎖線で示すように、若干(例えば全閉時の角度に対して開き側に+6°の範囲内)スロットルバルブ17が開かれる。なお、全閉位置は垂直角度に対して開き側に+4°から+7°の範囲で適宜変更可能である。
次に、ISC制御が行われる吸気装置について詳しく説明する。図2に示すように、吸気装置は、吸気通路5の周壁を構成する円筒状のスロットルボディ16と、該スロットルボディ16に回転可能に設けられたスロットルシャフト40と、該スロットルシャフト40にビス41によって取り付けられた円盤状のスロットルバルブ17とを備える、所謂バタフライ式バルブである。スロットルボディ16及びスロットルバルブ17は、アルミニウム又はアルミニウム合金製である。スロットルシャフト40は、スロットルボディ16に対向状に設けられた挿通孔42に挿通され、軸受け43を介して回転可能に保持されている。このスロットルシャフト40がモータ(図示省略)によって駆動されることにより、スロットルバルブ17はスロットルシャフト40を中心軸として回転する。スロットルバルブ17が回転すると、スロットルバルブ17とスロットルボディ16との間に空間が生じ、この空間を通して空気通路上流側(以下、単に上流側と称す)から吸気通路下流側(以下、単に下流側と称す)に空気が流れる。このときの下流側への吸入空気量(燃焼室10への空気供給量)は、この空間の大きさに応じて増減する(図4参照)。一方、図3に示されるように、スロットルバルブ17の全閉時にも、該スロットルバルブ17の外周端面と、これに対向するスロットルボディ16の内面との間に、隙間S1がある。また、スロットルシャフト40と挿通孔42との間にも隙間S2がある。スロットルボディ16とスロットルバルブ17との隙間S1の幅寸法は、一般的に10〜30μm程度である。スロットルシャフト40と挿通孔42との隙間S2の幅寸法は隙間S1より大きく、一般的に90〜110μm程度である。なお、各図においては、隙間S1を強調して図示しているため、隙間S1が隙間S2より大きく見えるが、実際には隙間S1の幅寸法<隙間S2の幅寸法である。
スロットルバルブ17の全閉時には、できるだけ吸入空気量を少なくしたい。そのためには、スロットルバルブ17全閉時の隙間S1や隙間S2からの吸入空気漏れを低減することが必要である。特に、隙間S2からの吸入空気漏れは、全体の吸入空気漏れ量に対して1/3〜1/4程度を占める。そこで、スロットルボディ16の内面とスロットルバルブ17の外周端面との間の隙間S1を狭小化すべく、スロットルボディ16の内面に固体潤滑剤層45を塗布形成している。詳しくは、図3に示すように、スロットルボディ16の内面のうち、隙間S1を含むスロットルシャフト40の周囲に固体潤滑剤層45を形成している。これにより、隙間S1の総面積が小さくなって狭小化されると共に、隙間S2の吸気通路5側端面が塞がれている。したがって、隙間S1の面積を小さくできることに加えて、隙間S2を介して吸入空気が漏れ出ることも防止できるので、吸入空気の漏れ量を効率的に低減できる。吸入空気が漏流する隙間S2は、漏れ空気の入口(上流側)又は出口(下流側)のいずれか一方のみが塞がれていれば、当該隙間S2からの空気漏れは防げる。そこで、本実施例1では、図4に示されるように、固体潤滑剤層45をスロットルバルブ17より下流側のみに形成している。これにより、固体潤滑剤の使用量を抑えられる。なお、固体潤滑剤層45をスロットルバルブ17より上流側のみに形成しても、同様の効果が得られる。固体潤滑剤層45としては、二硫化モリブデンを使用した。二硫化モリブデンからなる固体潤滑剤層45は、乾性皮膜潤滑剤層ということもできる。固体潤滑剤層45は、揮発性の溶剤を用いて固体潤滑剤を刷毛塗りや噴霧等することで形成できる。塗布領域を規定し易い刷毛塗りが好ましい。固体潤滑剤層45の膜厚は、隙間S1の幅寸法に対して50〜100%程度、好ましくは80〜95%程度とすればよい。なお、固体潤滑剤層45の膜厚を隙間S1の幅寸法に対して100%とすることで、固体潤滑剤層45によってスロットルバルブ17とスロットルボディ16が固着しても、固体潤滑剤層45の塗布後一度大きなトルクをかけて破断させれば、スロットルバルブ17をスムーズに作動させられるため、大きな問題はない。
また、隙間S1には、スロットルバルブ17周囲のデポジット付着量を低減するため、撥油撥水性の高いコーティング被膜46が塗布形成されている。具体的には、図2に示されるように、スロットルバルブ17を囲むように、スロットルボディ16の内面全周に形成されている。また、吸気通路5に沿う方向におけるコーティング被膜46の塗布領域は、スロットルバルブ17の開度限界範囲内、すなわちアイドル流量調整範囲内とすることが好ましい。アイドル流量調整範囲外ではデポジット付着量が本来的に少なく、材料コストに対するデポジット付着量低減効果が小さいからである。逆に、コーティング被膜46の塗布領域が狭すぎると、確実なデポジットの付着量低減が図れなくなる。そこで本実施例1では、図4に示されるように、アイドル流量調整範囲のほぼ全てを覆う範囲にコーティング被膜46を形成している。これにより、スロットル開度に応じてデポジットが付着し易い範囲のほぼ全てに、コーティング被膜46が形成されていることになる。吸気通路5に沿う方向におけるコーティング被膜46の形成領域は、アイドル流量調整範囲に対して60〜110%程度が好ましい。
コーティング被膜46は、末端に官能基を有するパーフルオロポリエーテル化合物の単分子膜としている。アルミ製スロットルボディ16の内面は、自然酸化膜によるヒドロキシル基(OH基)を有する。したがって、パーフルオロポリエーテル化合物の末端基は、基材(スロットルボディ16)のOH基と結合可能な基であればよい。これから、末端に官能基を有するパーフルオロポリエーテル化合物は、末端にヒドロキシル基と結合可能な官能基を有し、パーフルオロポリエーテル基(PFPE基)を有するフッ素化合物ということができる。PFPE基としては、例えば次式で表されるものを使用できる。
a2a+1O(CF2CF2CF2O)m(CF2)l-
a2a+1O(CF2CF(CF3)O)m(CF2)l-
a2a+1O(CF2CF2CF2O)m(CF2O)n(CF2)l-
a2a+1O(CF2CF(CF3)O)m(CF2O)n(CF2)l-
(m及びnは1〜20、aは1〜20、lは1又は2である。)
OH基と結合可能な末端基としては、例えばリン酸基、シラン基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基などが挙げられる。なかでも、反応速度(単分子膜形成)の速いリン酸基が好ましい。本実施例1では、
F((CF2mO)nXOPO(CH)2
(m及びnは1〜3、Xは1価又は2価の有機基)
で表される、末端にリン酸基を有するパーフルオロポリエーテル化合物を用いた。これによれば、トリフルオロメチル基(CF3)の単分子膜が形成される。
パーフルオロポリエーテル化合物(PFPE)は、揮発性の有機溶剤に溶解した状態で常温においてスプレー塗布、刷毛塗り等すればよい。有機溶剤としては、アルコール、エステル、ケトン、エーテル、炭化水素(例えば、脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素)などが挙げられ、炭化水素の水素をフッ素で置換するなどしたフッ素系化合物が好ましい。溶解可能であれば、炭化水素等とフッ素化合物とを混合してもよい。但し、固体潤滑剤層45を侵さない溶剤とする。フッ素化されていることが好ましい。PFPEがスロットルボディ16の内面に塗布されると、PFPEのリン酸基等が基材のOH基と良好に結合して定着すると共に、常温において単分子膜が形成される。単分子膜の膜厚は、0.5〜10nm程度(本実施例1では約5nm)である。この単分子膜(コーティング被膜46)では、基材表面にCF3等のフッ素分子が絨毯状に配列されており、その界面はリン酸基等により基材表面の自然酸化膜と良好に結合している。この構成においては、エーテル結合(C−O−C)部分で分子鎖が容易に回転し易く、また基材結合部が柔軟で分子鎖自体が容易に屈曲することで可動範囲が大きいため、デポジットの流れを妨げにくく流動性が高い。これにより、スロットルボディ16の内面に付着したデポジットは、フッ素化合物からなるコーティング被膜46の高い撥油撥水性に加えて、その場に留まることなく容易に滑落することとなる。
固体潤滑剤層45とコーティング被膜46の塗布手順としては、スロットルバルブ17をスロットルボディ16に組み付けたアッシー状態において、固体潤滑剤層45を所定領域に塗布形成し、その上から、パーフルオロポリエーテル化合物を所定範囲にベタ塗りして、コーティング被膜46を形成すればよい。このようにすれば、固体潤滑剤層45がコーティング被膜46によって弾かれることがない。また、コーティング被膜46の膜厚は極めて小さいので、PFPEがスロットルボディ16とスロットルバルブ17とに固着したり、隙間S1が完全に塞がれる心配もない。これにより、スロットルバルブ17の外周端面と、これに対向するスロットルボディ16の内面との間に、固体潤滑剤層45とコーティング被膜46の双方を存在させることができる。
このような吸気装置においては、吸気通路5内にEGRガスやブローバイガスが還流されても、コーティング被膜46の存在によって、デポジットが付着堆積し難い。また、エアクリーナ4を通過した微粒子や結露した水分等の付着も防止される。同時に、固体潤滑剤層45によってスロットルバルブ17の外周端面とスロットルボディ16内面との間の隙間S1が狭小化されているので、スロットルバルブ17の全閉時の空気漏れが低減される。特に、固体潤滑剤層45は、空気漏れが最も発生しやすいスロットルシャフト40と挿通孔42との間の隙間S2の吸気通路5側端面を塞ぐように形成されているので、当該隙間S2からの空気漏れを確実に防止できる。
(変形例)
上記実施例1には、本発明における代表的な実施例を示したが、その他にも種々の変形が可能である。例えば、コーティング被膜(単分子膜)46は、図5に示すごとくスロットルボディ16の内面のみならず、スロットルバルブ17の外周端面にも形成することが好ましい。これによれば、スロットルボディ16とスロットルバルブ17の双方におけるデポジット付着量を低減できる。又は、隙間S1に固体潤滑剤層45とコーティング被膜(単分子膜)46とが存在する限り、スロットルバルブ17の外周端面のみにコーティング被膜46を形成してもよい。
固体潤滑剤層45は、スロットルボディ16の内面全周に形成してもよいし、図6に示すごとくスロットルボディ16内面の複数箇所に形成してもよい。固体潤滑剤層45とコーティング被膜46は、塗り分けていてもよい。また、固体潤滑剤層45は、隙間S2を塞ぐように形成されていれば、スロットルシャフト40の全周(上流側及び下流側の双方)に形成してもよい。スロットルボディ16及びスロットルバルブ17は、アルミニウム又はアルミニウム合金製に限らず鉄製としたり、ニッケルめっきされていてもよい。
(実施例2)
上記実施例1やその変形例では、スロットルボディ16やスロットルバルブ17の所定領域にコーティング被膜46を形成しているのでデポジットの付着量を低減できるが、デポジットの付着を完全に防止できるわけではない。そこで、本実施例2では、上記実施例1又はこれの変形例に係る吸気装置に、さらにスロットルバルブ17周辺のデポジットを洗い流すデポジット洗浄手段を備えている。したがって、本実施例2における基本エンジンシステム、スロットルボディ16、スロットルバルブ17、固体潤滑剤層45、コーティング被膜46などの構成及びこれに基づく作用効果は、上記実施例1等と同様なのでその説明を省略し、デポジット洗浄手段の構成を中心に説明する。
図7に示すように、スロットルボディ16には、スロットルバルブ17の下流側に、デポジット洗浄手段としての洗浄剤噴射弁50が、スロットルバルブ17へ向けて配されている。洗浄剤噴射弁50は、燃料噴射用の燃料噴射弁11と同じものである。洗浄剤としては、代表的には燃料が使用されるが、可燃性の洗剤(コンディショナ)を使用することもできる。燃料を洗浄剤として噴射する場合は、洗浄剤噴射弁50は図外の燃料タンクと連結される。洗剤を使用する場合は、燃料タンクとは別に設置した洗剤タンク(図示省略)と連結する。洗剤は、燃料に比べて洗浄効果が高い点において好ましい。洗浄剤噴射弁50もECU36の出力側に連接されており、スロットルセンサ31等の検出信号を検知したECU36によって噴射タイミングが制御される。
本実施例2では、洗浄剤Cがスロットルバルブ17の全閉時に噴射されるように設定されている。デポジットは、スロットルバルブ17の全閉時に最も付着し易いからであり、スロットルバルブ17の全閉時に噴射すれば、スロットルボディ16とスロットルバルブ17の双方を同時に洗浄できる。また、デポジットは、スロットルバルブ17の下流側に付着しやすい。そこで、洗浄剤をスロットルバルブ17の下流側から噴射していることで、効率良く洗浄できる。このとき、吸入空気量は少ないので、スロットルバルブ17の下流側から噴射しても洗浄剤が逆流することなく、的確にスロットルバルブ17周辺を洗浄できる。
図8に示すように、洗浄剤Cは固体潤滑剤層45の形成領域を避けるように噴射される。具体的には、スロットルシャフト40の周辺に塗布形成された固体潤滑剤層45を避けるように、二股状に噴射される。これにより、洗浄剤Cが固体潤滑剤層45に直接噴射されることが避けられるので、固体潤滑剤層45の溶出や劣化が避けられる。洗浄剤Cがスロットルバルブ17周辺に噴射されると、コーティング被膜46の高い撥油撥水性及び滑落性により、付着していたデポジットは容易に除去される。なお、洗浄剤を噴射すると、空燃比(A/F)が変化しドライバビリティ(ドラビリ)に悪影響を与え得る。そこで、洗浄剤の噴射量に応じた空燃比のズレ量を予測し、ECU36により燃料噴射弁11からの燃料噴射量を制御して空燃比補正される。
(実施例3)
本実施例3は実施例2の変形例であって、洗浄剤の噴射タイミングが異なる。具体的には、洗浄剤は、内燃機関始動用のスイッチを入れてから該内燃機関の初爆前に噴射される。イグニッションスイッチ(IGスイッチ)やスタータなどの内燃機関始動用のスイッチを入れると、吸気装置によって外気が吸気通路5を通して吸入され、燃料噴射弁11から噴射された燃料と所定の空燃比で混合されて燃焼室10内で初爆される。そこで、内燃機関始動用のスイッチを入れた直後に洗浄剤が噴射されれば、初爆からのドラビリなどを適正化できる。また、内燃機関始動用のスイッチを入れた直後は、吸入空気量が殆ど無いので、洗浄剤をスロットルバルブ17の下流側から噴射しても、確実にデポジットを洗浄できる。その他は実施例2と同様なので、その説明を省略する。
(実施例4)
本実施例4は実施例2の別変形例であって、実施例3と同様洗浄剤の噴射タイミングが異なる。具体的には、洗浄剤がスロットルバルブ17の全閉時に噴射される点は実施例2と同様であるが、ISC学習量が所定値以上となったときに噴射される点で異なる。ISC制御は、アイドル運転時の回転速度を車両の運転状態に応じたアイドル回転速度に一致させるべく、吸入空気量の過不足に応じてスロットルバルブ17の開度を補正するが、デポジットの付着等により全閉時の吸入空気量が低下してくると、アイドル回転時の吸入空気量を一定に保つために、図4の二点鎖線で示すように一定角度(例えば全閉時の角度に対して開き側に+6°)の範囲内でスロットル開度を調整するよう学習制御される。具体的には、排気系(排気マニホールド6又は排気管7)に設けられたA/Fセンサ37からの検出信号によって、デポジットの付着等によりアイドル回転時の吸入空気量が所定量(必要量)より低いことをECU36が検知すると、当該ECU36は、スロットルバルブ17の開度を大きくして当該アイドル回転時の吸入空気量を一定の必要量に保つように学習制御する。しかし、デポジットの付着量が増大してくると、ISC制御による全閉時のスロットル開度調整でも足らず、全閉時に必要な吸入空気量(アイドル流量)を確保できなくなる。又は、必要以上にスロットル開度の調整量(スロットルバルブ17の角度調整量)を大きくする必要がある。そこで、ISC制御によりアイドル回転時の吸入空気量を一定に保つためにスロットルバルブ17の開度が制御される際に、デポジットの付着量が増大してスロットルバルブ17の開度が一定角度以上となったときに、洗浄剤が噴射されるように設定されている。洗浄剤の噴射によりデポジットが除去されると、ISC制御範囲内のスロットル開度が初期化される。洗浄剤を噴射するタイミングとなるスロットルバルブ17の角度(開度)は特に限定されないが、一般的にアイドル回転時のISC制御範囲である、垂直角度に対して開き側に+4°〜+7°の位置にある全閉時の角度に対して開き側に+6°以下の範囲で、適宜設定すればよい。このように、ISC学習量が所定値以上となった必要最低限のタイミングのみで洗浄剤を噴射すれば、洗浄剤の使用量を抑えられる。その他は実施例2と同様なので、その説明を省略する。
(実施例5)
本実施例5では、図9に示すように、デポジット洗浄手段としての洗浄剤噴射弁50が、スロットルバルブ17の上流側に、当該スロットルバルブ17へ向けて配されている。本実施例5においては、洗浄剤が一定時間間隔で定期的に噴射される。洗浄剤が定期的に噴射されることで、デポジットが定期的に除去されるので付着量を最小限に抑えられる。この場合、スロットル開度が大きく吸入空気量の多い状態でも洗浄剤が噴射され得る。しかし、スロットルバルブ17の上流側から洗浄剤を噴射していれば、当該洗浄剤が吸入空気によって逆流することがなく、確実にデポジットを洗浄できる。
(実施例6)
本実施例6は、デポジット洗浄手段が先の実施例2〜5とは大きく異なる。図10に示すように、吸気通路5の周壁を構成するスロットルボディ16には、スロットルバルブ17の下流側から当該スロットルバルブ17へ向けて内外貫通状の作業孔(サービスポート)51が穿設されている。当該作業孔51は、閉塞手段としてのキャップ52によって、常時は閉塞されている。一方、デポジット洗浄手段として、洗浄剤が充填されたスプレー缶53を使用している。当該スプレー缶53は、作業孔51へ挿通可能なノズル54を有する。そして、デポジットが付着堆積してくると、任意のタイミングでキャップ52を取り外し、作業孔51へノズル54を挿通して、スプレー缶53によってスロットルバルブ17周辺へ洗浄剤を噴射すればよい。
(変形例)
洗浄効率的には若干の課題を残すが、実施例2〜4の洗浄剤噴射弁50及び実施例6のスプレー缶53は、スロットルバルブ17の上流側に配すこともできる。また、実施例5の洗浄剤噴射弁50は、スロットルバルブ17の下流側に配すこともできる。実施例2〜5において、洗浄剤は必ずしも固体潤滑剤層45を避けるように噴霧していなくてもよい。
実施例1におけるエンジンシステムの概略構成図である。 実施例1の吸気装置の断面正面図である。 実施例1の吸気装置の要部拡大図である。 実施例1の吸気装置の断面側面図である。 単分子膜の形成箇所の変形例を示す吸気装置の断面正面図である。 固体潤滑剤層の形成領域の変形例を示す吸気装置の断面正面図である。 実施例2の吸気装置の断面平面図である。 実施例2の吸気装置の断面側面図である。 実施例5の吸気装置の断面平面図である。 実施例6の吸気装置の断面側面図である。
符号の説明
1 エンジン
2 吸気マニホールド
3 エアダクト
4 エアクリーナ
5 吸気通路
6 排気マニホールド
7 排気管
8 触媒コンバータ
9 排気通路
11 インジェクタ
12 吸気ポート
13 点火装置
15 サージタンク
16 スロットルボディ
17 スロットルバルブ
18 アクセルペダル
20 ブローバイガス通路
23 PCV通路
25 EGR通路
30 エアフローメータ
31 スロットルセンサ
32 吸気圧センサ
33 回転速度センサ
34 水温センサ
35 アクセル開度センサ
36 ECU
37 A/Fセンサ
40 スロットルシャフト
42 挿通孔
45 固体潤滑剤層
46 コーティング被膜
50 洗浄剤噴射弁
51 作業孔
52 キャップ
53 スプレー缶
54 ノズル
C 洗浄剤
S1 隙間
S2 隙間


Claims (15)

  1. 内燃機関の吸気通路を構成するスロットルボディと、該スロットルボディに回転可能に設けられたスロットルシャフトと、該スロットルシャフトに取り付けられ、前記吸気通路を流れる吸入空気量を制御するスロットルバルブとを備えた内燃機関の吸気装置であって、
    前記スロットルバルブの外周端面と前記スロットルボディの内面との間には、該スロットルバルブの外周端面とスロットルボディとの間の隙間を小さくするための固体潤滑剤層と、末端に官能基を有するパーフルオロポリエーテル化合物の単分子膜とが塗布形成されていることを特徴とする、内燃機関の吸気装置。
  2. 前記単分子膜は、前記固体潤滑剤の塗布後に形成されている、請求項1に記載の内燃機関の吸気装置。
  3. 前記スロットルシャフトは、前記スロットルボディに対向状に設けられた挿通孔に挿通保持されており、
    前記固体潤滑剤層は、前記スロットルボディの内面のうち、前記スロットルシャフトと前記挿通孔との間の隙間の吸気通路側端面を塞ぐように、前記スロットルシャフトの周囲に形成されている、請求項1または請求項2に記載の内燃機関の吸気装置。
  4. 前記固体潤滑剤層は、前記スロットルバルブより吸気通路上流側または吸気通路下流側のいずれか一方のみに形成されている、請求項3に記載の内燃機関の吸気装置。
  5. 前記単分子膜は、前記スロットルボディ内面の前記スロットルバルブによる吸入空気のアイドル流量調整範囲内に形成されている、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の内燃機関の吸気装置。
  6. 前記単分子膜は、前記スロットルボディの内面と前記スロットルバルブの外周端面との双方に形成されている、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の内燃機関の吸気装置。
  7. 前記吸気通路には、前記スロットルバルブ周辺のデポジットを洗い流すデポジット洗浄手段が設けられている、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の内燃機関の吸気装置。
  8. 前記デポジット洗浄手段は、前記スロットルバルブへ向けて洗浄剤を噴射する噴射弁である、請求項7に記載の内燃機関の吸気装置。
  9. 前記洗浄剤は、前記スロットルバルブの全閉時に噴射される、請求項8に記載の内燃機関の吸気装置。
  10. 前記洗浄剤は、アイドル回転スピードコントロール制御によりアイドル回転時の吸入空気量を一定に保つために前記スロットルバルブの開度が制御される際に、該スロットルバルブの開度が一定角度以上となったときに噴射される、請求項8に記載の内燃機関の吸気装置。
  11. 前記洗浄剤は、内燃機関始動用のスイッチを入れてから該内燃機関の初爆前に噴射される、請求項8に記載の内燃機関の吸気装置。
  12. 前記噴射弁は、前記スロットルバルブより吸気通路下流側に設けられている、請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の内燃機関の吸気装置。
  13. 前記洗浄剤は、前記スロットルバルブより吸気通路上流側に設けられた噴射弁から、一定時間間隔で定期的に噴射される、請求項8に記載の内燃機関の吸気装置。
  14. 前記洗浄剤は、前記固体潤滑剤層の形成領域を避けるように噴射される、請求項8ないし請求項13のいずれかに記載の内燃機関の吸気装置。
  15. 前記吸気通路の周壁には、前記スロットルバルブの吸気通路下流側から該スロットルバルブへ向けて内外貫通状の作業孔が穿設されており、
    前記デポジット洗浄手段が、前記作業孔へ挿通可能なノズルを有するスプレー缶である、請求項7に記載の内燃機関の吸気装置。

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