JP2010090593A - 床構造およびユニット式建物の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】それぞれ柱10および床梁12を含み形成される略直方体状の骨組み13を有する4個の下階建物ユニット3を配置してユニット式建物を構成する。この際、2個の下階建物ユニット3を所定の間隔寸法で離し置きし、離し置き部Aを形成する。3本の連結梁21を用いて長辺床梁12A同士を連結し、支持面21Dに床下地ユニット22を載置し、この床下地ユニット22上に床面材23を載置することで、離し置き部Aに床構造20を形成する。従って、床構造を床面合板だけで構成する場合と比べて、床構造20の剛性、強度が向上され、間隔寸法を拡大させても、十分な剛性、強度を確保することができる。
【選択図】図5
Description
特許文献1に記載のユニット式建物では、離し置きの間隔寸法として1モジュールの半分の寸法(約455mm)程度が上限とされており、間隔寸法がこの範囲内であれば、床面合板を掛け渡すだけであっても、床の剛性や強度が問題とならない。
この構成によれば、床梁に沿う一対の第1根太材、および、これら一対の第1根太材間に掛け渡される複数の第2根太材を用いて、床下地ユニットを全体矩形パネル状に形成するので、第1根太材または第2根太材を利用すれば床下地ユニットを吊り上げる際の作業性がよく、床下地ユニットを容易に運搬することができ、かつ、連結梁上に容易に設置することができる。
この構成によれば、予め製造工場で全体矩形パネル状の床下地ユニットに断熱材および防蟻シートを設けておけば、現場での断熱材および防蟻シートの設置作業を省略でき、現場作業の負荷を低減させることができる。
ここで、床下地ユニットの幅寸法を、離し置き部の間隔寸法よりも短くしたため、固定用のブラケットを床下地ユニットの幅寸法方向の端部から外側に突出して固定しても、ブラケットを含む床下地ユニット全体を床梁間に干渉なく設置することができる。
この施工方法によれば、取付治具を固定するために設けた連結梁のボルト孔を用いて、床下地ユニットを固定するためのブラケットを連結梁に固定することができる。従って、ボルト孔を取付治具とブラケットとで共通使用することができ、加工工数や部材点数を削減することができる。
<ユニット式建物の全体構成>
図1は、本実施形態のユニット式建物1を示す全体斜視図である。
ユニット式建物1は、図1に示すように、基礎2の上に設けられた例えば4個の下階建物ユニット3からなる下階部4と、下階部4の下階建物ユニット3の上に載置された4個の上階建物ユニット5からなる上階部6と、この上階部6の上方に設けられる屋根部7とを備えて構成されている。なお、屋根部7は、図示しない小屋枠とこの小屋枠に支持される屋根パネル7Aとを含み構成されている。
以上の下階建物ユニット3および上階建物ユニット5のうち、それぞれ2個ずつが、各建物ユニット3,5の短辺同士が対向する方向の一方向に隣り合うとともに、この一方向と交差する方向に所定の間隔寸法Lで互いに離し置きされ、いわゆる離し置き部(スリットジョイント)Aが構築されている。
下階建物ユニット3は、図2に示すように、四隅に立設される4本の柱10と、これらの柱10の上端間同士を結合する4本の天井梁11と、各柱10の下端間同士を結合する4本の床梁12とを含む骨組み13を有し、略直方体状に形成されている。
そして、天井梁11は各2本の長辺天井梁11Aおよび短辺天井梁11Bで構成され、床梁12は各2本の長辺床梁12Aおよび短辺床梁12Bで構成されている。2本の長辺天井梁11A間、および2本の長辺床梁12A間には、図示しないが、複数本の天井小梁、複数本の根太がそれぞれ架け渡されている。また、柱10と天井梁11および床梁12とは、仕口14を介して接続されている。
図3は、離し置き部Aに構築される床構造20を示す平面図であり、図2中の手前に図示した間隔寸法Lで配置する下階建物ユニット3,3間の床構造20を示している。図4および図5は、図3中の矢視IV−IV線における床構造の断面図および床構造を分解して示す断面図である。図6および図7は、図3中の矢視VI−VI線における床構造の断面図および床構造を分解して示す断面図である。
床構造20は、図3に示すように、隣り合う下階建物ユニット3の長辺床梁12A同士を連結する3本の連結梁21(21A〜21C)と、これらの連結梁21に支持される床下地ユニット22と、この床下地ユニット22の上側に支持され、かつ、隣り合う下階建物ユニット3の床材15間に設けられる床面材23とを備えて構成される。
ここで、第1の連結梁21Aおよび第2の連結梁21Bは、同じ構造の連結梁21であり、床下地ユニット22を支持する構造は共通している。
ここで、床下地ユニット22の幅寸法Wを、離し置き部の間隔寸法Lよりも短くしたため、ブラケット22Cを床下地ユニット22の幅寸法W方向の端部から外側に突出して固定しても、ブラケット22Cを含む床下地ユニット22全体を床梁12A間に干渉なく設置することができるようになっている。
また、図4に示すように、板面材23は、間隔寸法Lの方向における両端部を長辺床梁12Aの上面12Cにそれぞれ支持されるとともに、間隔寸法Lの方向における中央部を第1根太材22Aと第2根太材22Bとで形成される枠材の上面によって支持される。これによって、板面材23に作用する外部荷重は、床下地ユニット22および連結梁21を介して長辺床梁12Aに伝達され、一対の建物ユニット3の骨組み13全体で支持されるようになっている。さらに、板面材23の上面の高さ位置は、建物ユニット3の床材15の上面の高さ位置と一致しており、板面材23の上面および床材15の上面とが平坦に連続して形成されている。
第3の連結梁21Cは、間隔寸法Lの方向に沿って設けられる1本の溝形鋼213と、溝形鋼213の両端部にそれぞれ溝同士を合わせるようにして接続された短片の溝形鋼214,214と、溝形鋼213の両端部において間隔寸法Lの方向に直交する平板215とを有して構成される。長辺床梁12Aの長手方向に沿った平板215の寸法は、溝形鋼213および短片の溝形鋼214を合わせた寸法と略同じに形成され、上下に配置された2本のボルト21Gによって仕口14にボルト接合される。
間隔寸法Lで離し置きされた下階建物ユニット3間の隙間は、図1に示すように、閉塞用パネルである壁パネル41で塞がれている。この壁パネル41には、下階建物ユニット3の外壁と鉛直面内で連続するように、図示しない接続用外壁が取り付けされるようになっている。また、間隔寸法Lで離し置きされた下階建物ユニット3間の上部の隙間は、閉塞用パネルである図示しない天井パネル42で塞がれている。
、下階建物ユニット3間の隙間と同様に、閉塞用パネルである壁パネル41で塞がれてい
る。また、離し置きされた上階建物ユニット5の下面の隙間および上面の隙間は、図示しない床パネル、天井パネル42などで、それぞれ塞がれている。
図8〜図11は、本実施形態のユニット式建物1を施工する方法を説明する図であり、特に、ユニット式建物1の離し置き部Aに床構造20を構築する方法を中心に説明するための図である。
離し置き部Aに床構造20を構築するに先立って、工場等で製造された複数の建物ユニット3を現場に搬送する。現場では、まず、基礎2の上に、4個の下階建物ユニット3のうち2個ずつを、一方向に隣り合わせ、かつ、所定の間隔寸法Lをあけて離し置きし、アンカーボルト等で固定し、離し置き部Aを構築する。
次に、図10にて、床下地ユニット22の上側に5枚の床面材23を設置する。
以上のようにして、離し置き部Aに床構造20が構築される。
連結梁21の両端部には、図11(A)に示すように、予め取付治具30が取付けられている。
取付治具30は、基部31と、鉛直部32と、水平部33と、基部31および鉛直部32間のリブ34を備えて構成される。基部31は、連結梁21の支持面21Dにボルト35により接合される。このため、支持面21Dには、ボルト35用の図11(C)のようにボルト孔21Eが形成され、裏面には、ボルト孔21Eに連通するようにナット21Fが溶接固定されている。鉛直部32は、連結梁21の支持面21Dよりも上方に、基部31から連続して立設されている。また、水平部33は、支持面21Dよりも上方にて、すなわち、鉛直部32の上端部から外側に折れ曲がった状態で水平に延設されている。
最後に、ボルト35を緩めて取付治具30を撤去し、連結梁21で長辺床梁12Aを連結する手順が終了する。
ここで、連結梁21の支持面21Dのボルト孔21Eおよびナット21Fは、まず、取付治具30を固定する際に使用され、さらに、図5にも示すように、連結梁21に床下地ユニット22を固定する際にも使用される。
(1)3本の連結梁21(21A〜21C)を用いて長辺床梁12A同士を連結し、支持面21Dに床下地ユニット22を載置し、この床下地ユニット22上に床面材23を載置することで、離し置き部Aに床構造20を形成するので、床構造を床面合板だけで構成する場合と比べて、床構造20の剛性、強度が向上する。従って、間隔寸法Lを拡大させても、十分な剛性、強度を確保することができる。
また、支持面21Dが、長辺床梁12Aの支持面21Dよりも低いので、支持面21Dに床下地ユニット22を載置しても、床下地ユニット22の上面を難なく建物ユニット3の床面よりも低くすることができ、離し置き部Aの床面および建物ユニット3の床面に段差が生じず、平坦に連続した床面を形成することができる。
る範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、床下地ユニットとして、第1根太材22Aと第2根太材22Bとを組み合せた構成を説明したが、本発明では、少なくとも、床面材23に作用する外部荷重を連結梁21に伝達できる構造の床下地ユニットであればよく、第1根太材22Aと第2根太材22Bとを用いた構成に限られたものではない。
前記実施形態では、連結梁21(21A〜21C)の構造を具体的に説明したが、本発明の連結梁としては、少なくとも、一対の床梁12同士を連結し、かつ、床梁12の上面よりも低い位置の支持面を有する構成であればよい。
床下地ユニットの内部に断熱材24を必ずしも設けることを要しない。また、床下地ユニットの下方に防蟻シート25を必ずしも貼り付けることを要しない。
Claims (7)
- 複数の建物ユニットのうちの少なくとも2個の隣り合う前記建物ユニット同士を所定の間隔寸法で離し置きした離し置き部の床構造であって、
前記建物ユニットは、柱、天井梁および床梁を含んで形成される略直方体状の骨組みを有し、
前記床構造は、
隣り合う前記建物ユニットの前記床梁同士を連結し、かつ、当該床梁の上面よりも低い位置の支持面を有する複数の連結梁と、
複数の前記連結梁の前記支持面に支持され、かつ、前記間隔寸法よりも短い幅寸法を有する床下地ユニットと、
この床下地ユニットの上側に支持され、かつ、隣り合う前記建物ユニットの床材間に設けられる床面材とを備えることを特徴とする床構造。 - 請求項1に記載の床構造において、
前記床下地ユニットは、隣り合う前記建物ユニットの床梁に沿う一対の第1根太材と、これら一対の第1根太材間に掛け渡される複数の第2根太材とを有して、全体矩形パネル状に形成されていることを特徴とする床構造。 - 請求項2に記載の床構造において、
前記第1根太材と前記第2根太材とで囲まれた内部には、断熱材が設けられ、前記第1根太材、前記第2根太材および前記断熱材の下側には、防蟻シートが貼り付けられていることを特徴とする床構造。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の床構造において、
前記床下地ユニットは、前記幅寸法の方向の端部から外側に突出して固定されたブラケットを介して前記連結梁に固定されていることを特徴とする床構造。 - 複数の建物ユニットのうちの少なくとも2個の隣り合う前記建物ユニット同士を所定の間隔寸法で離し置きした離し置き部を有するユニット式建物の施工方法であって、
それぞれ柱、天井梁および床梁を含んで形成される略直方体状の骨組みを有する複数の前記建物ユニットを製造し、
少なくとも2個の前記建物ユニットを前記間隔寸法で離し置きし、
隣り合う前記建物ユニットの前記床梁同士を複数の連結梁で連結し、
前記連結梁の上側に床下地ユニットを設置し、
前記床下地ユニットの上側に床面材を設置することを特徴とするユニット式建物の施工方法。 - 請求項5に記載のユニット式建物の施工方法において、
前記連結梁の両端部に、当該両端部の上面よりも上方に延びる鉛直部および前記上面よりも上方にて外側に折れ曲がった水平部を有する取付治具を取付けておき、前記水平部を前記床梁に引っ掛けて前記連結梁を位置決めし、
位置決めした前記連結梁の両端部を前記床梁に固定した後に、前記取付治具を前記連結梁から取り外すことを特徴とするユニット式建物の施工方法。 - 請求項6に記載のユニット式建物の施工方法において、
前記連結梁には前記取付治具を取り付けるためのボルト孔が設けられ、前記取付治具を取り外した後の前記ボルト孔に固定されるブラケットを介して前記床下地ユニットを前記連結梁に固定することを特徴とするユニット式建物の施工方法。
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