JP2010090448A - 黄銅および黄銅の製造方法 - Google Patents

黄銅および黄銅の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の黄銅に比べて、高い強度と良好な延性を兼ね備えた黄銅を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明では、亜鉛を10重量%〜40重量%含む黄銅であって、複数のラメラ状結晶と、内部に焼鈍双晶を有する複数の再結晶粒と、を含む微細組織を有することを特徴とする黄銅が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細組織を有する黄銅およびそのような黄銅の製造方法に関する。
黄銅は、比較的機械的強度が高く、加工性が良いという特徴を有し、安価であるため、従来より広い用途に使用されている。
通常の場合、黄銅は、圧延処理工程と、その後の焼鈍処理工程とを経て、最終的に出荷される。圧延処理は、材料の強度を高めるために実施されるものである。しかしながら、黄銅は、圧延を繰り返すと硬度が上昇し、加工性が低下してしまう。従って、通常の場合、最終圧延処理の際の圧下率は、20%〜30%程度に抑制されている。
これに対して、焼鈍処理は、組織の回復により、最終的に得られる黄銅の加工性(特に延性)を高めるために実施される。しかしながら、黄銅は、比較的回復が起こり難いことが知られており、焼鈍処理の温度が低いと、有意な加工性の向上が得られない場合がある。一方、焼鈍処理の温度が高すぎると、黄銅は、焼鈍処理の際に容易に再結晶化してしまう。またこの再結晶化が生じると、黄銅の強度は著しく低下する。
このように、黄銅の場合、強度と加工性の間のバランスを調整することが難しく、両者をともに高めることは比較的難しいという特徴がある。
最近、このような強度と加工性のアンバランスを改善し、両方の特性をより高めた黄銅を得るため、高い圧下率で黄銅を圧延処理し、その後350℃〜650℃程度の温度で焼鈍処理する方法が提案されている(例えば特許文献1、2)。
特開2007−46101号公報 特開2007−204829号公報
しかしながら、前述の特許文献1、2に記載の方法で得られる黄銅は、強度および延性ともに、未だ十分に高いとは言い難い。例えば前述の特許文献1に記載の方法で得られる黄銅の引張強さは、400MPa〜500MPa程度であり、十分に高強度であるとは言い難い。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、従来の黄銅に比べて、高い強度と良好な延性を兼ね備えた黄銅、およびそのような黄銅の製造方法を提供することを課題とする。
本発明では、亜鉛を10重量%〜40重量%含む黄銅であって、
複数のラメラ状結晶と、
内部に焼鈍双晶を有する複数の再結晶粒と、
を含む微細組織を有することを特徴とする黄銅が提供される。
ここで、本発明による黄銅において、前記複数のラメラ状結晶の少なくとも一つは、内部に双晶を有しても良い。
また本発明による黄銅において、一つのラメラ状結晶中に含まれる双晶は、実質的に同一の方向に延在していても良い。
また本発明による黄銅において、前記微細組織中に存在する全ラメラ状結晶に対する、前記内部に双晶を有するラメラ状結晶の割合は、30%以上であっても良い。
また本発明による黄銅において、前記微細組織中には、さらに、10nm以下の寸法の微細析出物が分散されていても良い。
また本発明による黄銅において、前記ラメラ状結晶は、50nm〜300nmの範囲の幅を有しても良い。
また本発明による黄銅において、前記再結晶粒は、100nm〜1μmの範囲の全長を有しても良い。
また本発明による黄銅は、さらに、鉄(Fe)、シリコン(Si)、スズ(Sn)およびニッケル(Ni)からなる群から選定された、少なくとも一つの元素を含んでも良い。
また本発明では、
(a)亜鉛を10重量%〜40重量%含む黄銅の材料を準備するステップと、
(b)前記材料を60%以上の圧下率で圧延処理するステップと、
(c)(b)のステップに引き続き、前記圧延された材料を600K以下の温度で焼鈍処理するステップであって、これにより、複数のラメラ状結晶と、内部に焼鈍双晶を有する複数の再結晶粒とを含む微細組織が形成されるステップと、
を有することを特徴とする黄銅の製造方法が提供される。
ここで、本発明による方法において、前記圧延処理するステップは、
極低温から室温の温度範囲で、前記材料を圧延するステップを有しても良い。
また本発明の方法において、前記焼鈍処理するステップは、
473K〜563Kの温度範囲で、前記圧延された材料を焼鈍処理するステップを有しても良い。
また本発明の方法において、前記複数のラメラ状結晶の少なくとも一つは、内部に双晶を有しても良い。
また本発明の方法において、前記黄銅の材料は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、スズ(Sn)およびニッケル(Ni)からなる群から選定された、少なくとも一つの元素を含んでも良い。
本発明では、従来の黄銅に比べて、高い強度と良好な延性を兼ね備えた黄銅、およびそのような黄銅の製造方法が提供される。
以下、図1を参照して、本発明による黄銅について詳しく説明する。図1は、本発明による黄銅の微細組織の一例を模式的に示したものである。
本発明による黄銅は、「不均一微細組織」を有することを特徴とするものである。すなわち、本発明による黄銅は、
(i)ラメラ状結晶と、
(ii)内部に焼鈍双晶を有する再結晶粒と、
(iii)微細析出物と、
を含む微細組織を有し、簡単に言えば、ラメラ状結晶組織中に、微細な再結晶粒が分散された不均一組織として構成される。ただし、このうち(iii)の微細析出物は、必ずしも必要ではない。
なお、本願において、「黄銅」とは、10〜40wt%の亜鉛を含む銅合金の総称を意味し、「黄銅」は、さらに、鉄(Fe)、シリコン(Si)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)等の第3の添加元素を含んでいても良い。
図1の黄銅100の組織において、複数のパンケーキ状に積層された結晶がラメラ状結晶110であり、これらのラメラ状結晶の間に介在するように形成されている結晶が再結晶粒130であり、ラメラ状結晶110および再結晶粒130の内部に斑点状に分散している粒子状物質が微細析出物150である。
ラメラ状結晶110は、例えば、50nm〜300nm程度の幅W1を有し、図1の例では、幅W1は、約100nmである。ラメラ状結晶110の長さL1は、様々であり、一概には言えないが、例えば、L1は、数百nm〜数百μmのオーダーであり、図1の例では、約500nm程度である。
再結晶粒130は、100nm〜1μm程度の全長L2を有する。図1の例では、再結晶粒130の全長L2は、400nmおよび500nmである。なお再結晶粒130の全長L2は、図1に示すように、その幅が最大となる寸法である。再結晶粒130の内部には、焼鈍双晶135が存在する。この焼鈍双晶135の方向および間隔S1は、特に限られない。例えば、焼鈍双晶135の間隔S1は、10nm〜100nm程度である。また、各再結晶粒130に含まれる焼鈍双晶135の方向は、必ずしも一定である必要はなく、ある再結晶粒130に含まれる焼鈍双晶135は、別の再結晶粒130に含まれる焼鈍双晶135の方向に対して、ずれていても良い。さらに、各再結晶粒130に含まれる焼鈍双晶の数、焼鈍双晶の間隔S1は、同等であっても異なっていても良い。図1の例では、焼鈍双晶135の双晶間隔S1は、50nm程度である。また、再結晶粒130の単位視野当たりの数は、特に限られない。
微細析出物150は、例えば、寸法が10nm以下の極めて微細な粒子である。微細析出物150は、ラメラ状結晶110および再結晶粒130の内部に分散して存在している。
次に、このような組織を有する本発明による黄銅100の有意な特徴について説明する。
従来より、黄銅の強度を向上させるため、様々な対策が検討されてきた。従来の対策は、いずれも、黄銅の結晶粒をできる限り微細化させ、組織を均質化させ、これにより強度の向上を図ることを目指すものである。
例えば、従来の高強度黄銅の場合、ある製造方法は、(1)黄銅材料を準備するステップと、(2)材料を冷間圧延するステップと、(3)冷間圧延材料を高温に保持し、再結晶化処理を行うステップと、(4)(2)および(3)のステップを繰り返すステップと、(5)最終の低圧下率圧延(圧下率は、最大でも30%以下)およびその後の焼き鈍し処理(低温、短時間(最大でも数十秒程度)の熱処理)を行うステップと、で構成される。この場合、(3)のステップにより、結晶粒が微細化され、黄銅の強度が向上する。また、(4)のステップにより、黄銅が幾分加工硬化するとともに、黄銅の組織が回復し、均質な微細結晶粒からなる組織が得られる。
しかしながら、このような「均一微細組織」で構成された黄銅では、強度(引張強度)は、最大でも700MPa程度までしか向上させることはできない。例えば、前述の特許文献1の黄銅では、引張強度は、500MPa程度である。
一方、本発明による黄銅は、従来のアプローチ(「均一微細組織」)とは全く逆の、「不均一微細組織」を有することを特徴とするものである。このような本発明による黄銅では、前述の(i)の特徴により、高い強度が得られる。すなわち、実質的に黄銅の微細組織を構成する各ラメラ状結晶110は、極めて小さな幅W1を有するため、これにより、黄銅全体として高い強度が得られる。
また、本発明による黄銅では、前述の(ii)の特徴により、高い延性が得られる。一般に、再結晶粒は、材料の延性を向上させる働きを有する。従って、本発明による黄銅では、ラメラ状結晶110をベースとする微細組織中に、材料の延性に寄与する再結晶粒130が適正に分散されているため、良好な延性が得られる。なお、従来の黄銅では、組織中に再結晶粒が存在すると、延性は向上するものの、強度が著しく低下してしまう。しかしながら、本発明の黄銅では、再結晶粒130は、全長L2が100nm〜1μm程度で比較的微細である。また、再結晶粒130は、内部に焼鈍双晶135を有するとともに、組織中に均一に分散されている。従って、本発明では、組織中に再結晶粒が含まれていても、黄銅の強度は、あまり低下しない。
また、微細析出物は、転位の移動を妨げる効果を有する。従って本発明による黄銅において、微細組織中に微細析出物が含まれている場合、すなわち、本発明による黄銅が前述の(iii)の特徴を有する場合、黄銅の強度をさらに高めることが可能となる。
次に、本発明による黄銅の別の微細組織の一例について説明する。図2は、本発明による黄銅の別の微細組織の一例を模式的に示したものである。
図2の黄銅200においても、その微細組織は、基本的に、前述の図1の微細組織と同様の特徴を有する。従って、図2の微細組織において、図1と同様の特徴物には、図1と同じ参照符号が付されている。ただし、この黄銅200の例では、ラメラ状結晶110の少なくとも一つは、内部に複数の双晶115を有する点が、前述の図1の場合とは大きく異なっている。
黄銅がこのような微細組織を有する場合、各ラメラ状結晶110に含まれる双晶115により、結晶粒が微細化され、より一層高い強度を得ることが可能になる。
ここで、双晶115の間隔S1は、例えば、10nm〜100nm程度である。なお、必ずしも全てのラメラ状結晶110が双晶115を有する必要はなく、ラメラ状結晶110の中には、図2の参照符号110'で示すように、双晶115を有さないラメラ状結晶110も含まれる。ただし、少なくとも30%以上(例えば、50%)のラメラ状結晶110が双晶115を有することがより好ましい。これにより、より一層、黄銅の強度が向上する。また、各ラメラ状結晶110に含まれる双晶115の方向は、必ずしも一定である必要はなく、あるラメラ状結晶110に含まれる双晶115は、別のラメラ状結晶110に含まれる双晶115の方向に対して、ずれていても良い。さらに、各ラメラ状結晶110に含まれる双晶の数、双晶の間隔S2は、同等であっても異なっていても良い。なお、強度向上の観点からは、ラメラ状結晶110に含まれる双晶は、数が多く、間隔S2が小さい方が好ましい。図2の例では、双晶間隔S2は、10nm〜20nm程度である。
なお、図2に示すような微細組織は、特に、黄銅に、鉄(Fe)、シリコン(Si)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)等の第3の添加元素が含まれている場合に、より顕著に認められる。
図3には、前述の(i)〜(iii)の特徴を有する微細組織を持つ本発明による黄銅の応力−歪み曲線の一例を示す。ひずみ速度は、1.5×10−3/秒である。伸びは10%を超えているにも拘わらず、従来の黄銅では得られない、850MPaを超える大きな最大応力が得られていることがわかる。
このように、本発明による黄銅は、従来に比べて強度および延性の両方を、有意に向上させることができる。
(本発明による黄銅の製造方法)
次に、前述のような特徴を有する本発明による黄銅の製造方法について説明する。図4には、本発明による黄銅を製造する際のフローチャートを示す。
図4に示すように、本発明よる黄銅の製造方法は、黄銅の材料を準備するステップ(S110)と、材料を高圧下率で圧延するステップ(S120)と、圧延された材料を、600K以下の温度で、比較的長時間、焼鈍処理するステップ(S130)とにより構成される。以下、それぞれのステップについて、詳しく説明する。
(開始材料を準備するステップ)
本発明において、開始材料は、黄銅である限り、特に限られず、様々な形状および寸法のものが使用される。また、開始材料の平均結晶粒径は、特に限られず、平均結晶粒径は、例えば、1μm〜50μmの範囲である。
黄銅には、第3添加元素として、鉄(Fe)、シリコン(Si)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)等が含まれても良い。この場合、黄銅の積層欠陥エネルギーが低下する等の理由により、変形双晶の導入がより容易となるため、前述の図2の形態を有する微細組織を、より容易に得ることが可能となる。なお、シリコンを含む黄銅は、弾性域が有意に広くとれるため、バネ材料としても使用することができる。
第3添加元素の添加量は、特に限られず、例えば、全重量に対して、0.01質量%〜3質量%の範囲であっても良い。
(材料を圧延するステップ)
次に、前述の材料が圧延処理される。圧延処理は、約60%〜98%の範囲の高い圧下率で実施される。圧下率は、例えば、60%、88%である。このような比較的高い圧下率での圧延処理により、多数のラメラ状結晶を導入することができる。
圧延処理は、通常の場合、室温(298K)で実施される。ただし、本発明による方法では、圧延処理は、より低い温度、例えば、極低温(77K)から室温(298K)までの範囲の処理温度で実施されても良い。処理温度が低いほど、ラメラ結晶中に、微細な変形双晶を高密度で導入することができる。処理温度は、例えば、223Kまたはこれ以下である。また同様の理由により、圧延の際の圧延速度は、大きい方が好ましく、圧延速度は、例えば、10−2cm/sec〜100×10−2cm/secの範囲であり、例えば、5×10−1cm/secである。
図5には、圧延処理後の黄銅の組織の一例を示す。また、図6には、黄銅材料500の圧下方向を示す。この図5は、1.5質量%のSiおよび0.25質量%のFeを含む黄銅を、室温で圧下率86%で圧延処理した後に得られた組織のTEM写真である。左の図5(a)は、黄銅材料500の圧下方向に対して平行な方向(図6のZ方向)から見たときの観察結果を示しており、右の図5(b)は、図6のY方向から見たときの観察結果を示している。この図から、圧延処理により、幅が150nm〜250nm程度の多数のラメラ状結晶が得られていることがわかる。また、いくつかのラメラ状結晶内には、変形双晶が形成されていることがわかる。変形双晶の間隔S2は、ラメラ状結晶によって異なるが、あるラメラ状結晶では、S2=20nm程度であり、別のラメラ状結晶では、S2=100nm程度である。
(圧延された材料を焼鈍処理するステップ)
次に、圧延された材料が低温で、比較的長時間、焼鈍処理される。焼鈍処理の温度は、600K以下の、できる限り低い温度であることが好ましい。これにより、ラメラ状結晶の形態を変化させることなく、ラメラ状結晶で構成された組織中に、再結晶粒を分散形成させることができる。焼鈍処理の時間は、組織中に再結晶粒が形成される時間以上の時間であれば、いかなる時間であっても良い。
一般的な焼鈍処理の温度は、例えば、473K〜563Kの範囲(例えば483K)である。473Kよりも低い温度では、微細組織内に十分な量の再結晶粒を形成させるのに、多大な処理時間を要するようになり、製造プロセスの実用性が低下する。また、焼鈍の時間は、焼鈍温度にもよるが、例えば、50秒〜50000秒の間であっても良い。
ちなみに、従来の製造工程では、前述の(5)のステップの最終焼き鈍し処理時間は、最大でも数十秒程度である。これは、この時間を必要以上に長くすると、最終低圧下率圧延により得られる加工硬化の効果が失われる上、均質化した微細結晶組織中に、再結晶粒が形成してしまうからである。これは、本発明では、ラメラ状結晶組織中に再結晶粒を積極的に分散形成させるため、焼鈍処理の時間を十分に長くする必要があることとは、極めて対照的である。
このような焼鈍処理により、ラメラ状結晶中に、再結晶粒が分散形成される。図7には、焼鈍処理後の黄銅の微細組織の一例の写真を示す。図7(a)は、圧下方向、すなわち図6のZ方向に平行な方向から見たときの結果であり、図7(b)は、図6のY方向に平行な方向から見たときの結果である。この写真は、前述の図5に示した1.5質量%のSiおよび0.25質量%のFeを含む黄銅を、563Kで14400秒間(4時間)、焼鈍処理した際に得られたものである。
焼鈍処理により、ラメラ状結晶からなるマトリクス内に、全長が約1μm〜2μm前後の複数の再結晶粒が形成されていることがわかる。またこの再結晶粒は、内部に焼鈍双晶を有する(右図(b))。ここで「焼鈍双晶」という用語は、圧延後の黄銅を焼鈍した際に生じる再結晶粒中に含まれる双晶を意味する。図7の写真では、再結晶粒内に、双晶間隔が約50nm程度の焼鈍双晶が形成されている。
また、焼鈍条件によっては、さらに10nm以下の微細析出物が、ラメラ状結晶と再結晶粒の双方の中に、均一に分散形成される。例えば、図7の写真では、再結晶粒内に、寸法が10nm以下の極めて微細な微細析出物(黒っぽい斑点状の部分)が形成されていることがわかる。微細析出物は、転位の移転を妨げる役割を有すると考えられるため、このような微細析出物の形成により、黄銅の強度は、より一層向上する。
なお、上記焼鈍処理後に、さらに、材料の調質のため、圧延処理・焼き鈍し処理の組み合わせ処理を行っても良い。これにより、材料の特性が均質化され、また材料の巻き癖が解消される。なお、調質のための圧延処理・焼き鈍し処理は、前述の処理によって得られた黄銅の特徴的な微細組織を変質させないように、低圧下率(圧延処理)、および低温、短時間(焼き戻し処理)で実施される。調質のための圧延処理・焼き鈍し処理は、例えば、30%以下の圧下率で冷間圧延を実施した後、563Kで数十秒の焼き鈍し処理を行うことにより実施される。
以上のステップを経て、本発明による黄銅を製造することができる。
以下、実施例により、本発明をより詳しく説明する。
(実施例1)
表1に示す組成の黄銅1を開始材料として、前述の方法により、本発明による組織を有する黄銅を製造した。
開始材料の平均結晶粒径は、9〜10μm程度であった。開始材料の厚さは、1.5mmであり、これを室温で0.6mmの厚さまで圧延した(圧下率60%)。次に、圧延された材料を、543Kで焼鈍し、実施例1に係る黄銅のサンプルを得た。
(実施例2)
実施例1と同様の方法により、実施例2に係る黄銅のサンプルを作製した。ただし、実施例2では、開始材料の厚さは、5.0mmであり、これを室温で0.6mmの厚さまで圧延した(圧下率88%)。その他の条件は、実施例1と同様である。
(比較例1)
実施例1と同様の方法により、比較例1に係る黄銅のサンプルを作製した。なお、比較例1では、開始材料の厚さは、0.75mmであり、これを室温で0.6mmの厚さまで圧延した(圧下率20%)。その他の条件は、実施例1と同様である。
(比較例2)
実施例1と同様の方法により、比較例2に係る黄銅のサンプルを作製した。なお、比較例1では、開始材料の厚さは、1.0mmであり、これを室温で0.6mmの厚さまで圧延した(圧下率40%)。その他の条件は、実施例1と同様である。
(実施例3)
実施例1と同様の方法により、実施例3に係る黄銅のサンプルを作製した。なお、実施例3では、開始材料の厚さは、1.5mmであり、これを室温で0.6mmの厚さまで圧延した(圧下率60%)。次に、圧延された材料を、513Kで焼鈍し、実施例3に係る黄銅のサンプルを得た。
(実施例4)
実施例3と同様の方法により、実施例4に係る黄銅のサンプルを作製した。なお、実施例4では、開始材料の厚さは、5.0mmであり、これを室温で0.6mmの厚さまで圧延した(圧下率88%)。次に、圧延された材料を、513Kで焼鈍し、実施例4に係る黄銅のサンプルを得た。
(実施例5)
実施例1と同様の方法により、実施例5に係る黄銅のサンプルを作製した。なお、実施例5では、表2に示すような、1.5質量%のSiと、0.25質量%のFeを含む組成の黄銅を開始材料として使用した。
開始材料の平均結晶粒径は、2.5μm程度であった。開始材料の厚さは、5mmであり、これを室温で0.7mmの厚さまで圧延した(圧下率86%)。
前述の図5には、圧延直後の黄銅の組織写真を示す。図のように、多数の変形双晶を含むラメラ状結晶からなる微細組織が得られた。ラメラ状組織の幅W1は、約150nm〜250nm程度であった。
次に、圧延された材料を、563Kで焼鈍し、実施例5に係る黄銅のサンプルを得た。
前述の図7には、実施例5に係るサンプルの微細組織の写真を示す。左のSEM写真から、ラメラ状結晶からなる微細組織中に、全長L2が約1μm前後の微細な再結晶粒が複数形成されていることがわかる。また、この微細な再結晶粒の拡大写真(右図)から、再結晶粒内には、焼鈍双晶が導入されているとともに、多数の微細析出物(写真では、黒っぽい粒子状の物質)が分散されていることがわかる。双晶の間隔D2は、約50nm程度である。
(実施例6)
実施例5と同様の方法により、実施例6に係る黄銅のサンプルを作製した。なお、実施例6では、圧延処理を液体窒素温度で実施した。従って圧延温度は、77Kである。その後、圧延された材料を、563Kで焼鈍し、実施例6に係る黄銅のサンプルを得た。
表3には、各実施例および比較例に係るサンプルの黄銅組成、圧延温度、圧下率ならびに焼鈍温度をまとめて示した。
(引張試験)
このように得られた各サンプルを用いて、引張試験を行った。引張試験機には、インストロン型引張試験機(型番TENSILON UCT−10T)を使用した。サンプルに加えるひずみ速度は、1.5×10−3/secとした。図8〜図9には、実施例1および2に係るサンプルにおいて得られた結果(応力−歪み曲線)を示す。
図8は、実施例1に係るサンプルの応力−歪み曲線を示した図である。この結果から、実施例1に係るサンプル(圧下率60%)では、焼鈍処理をしていない圧延のままのサンプルの場合、伸びが約10%で、750MPaを超える高い最大応力が得られることがわかる。また、焼鈍処理を実施した場合、50秒の焼鈍時間までは、焼鈍時間の増加とともに、最大応力が上昇し、50秒の焼鈍時間では、引張強度は、約900MPaまで向上した。また、50秒よりも長い焼鈍時間では、焼鈍時間の増加とともに、最大応力は、幾分低下するものの、伸びは、著しく増加した。このように、実施例1に係るサンプルでは、大きな最大応力および/または大きな延性が得られることがわかった。これは、高圧下率での圧延処理により、多数のラメラ状結晶が導入されたこと、およびそれに続く焼鈍処理により、再結晶粒が分散発生されたことによるものである。
図9は、実施例2に係るサンプルの応力−歪み曲線を示した図である。この結果から、実施例2に係るサンプル(圧下率88%)では、焼鈍処理をしていない圧延のままのサンプルの場合、伸びが約10%で、800MPaを超える最大応力が得られることがわかる。また、焼鈍処理を実施した場合、焼鈍時間の増加とともに、最大応力は、幾分低下するものの、伸びは、著しく増加した。
図10には、各サンプルにおいて、焼鈍時間を変化させた場合に得られた伸びと最大応力の関係をまとめて示す。この図から、比較例1および2に係るサンプルでは、伸びが高い場合は、強度が低くなり(比較例1)、強度が高い場合は、伸びが低くなる(比較例2)傾向にあることがわかる。これに対して、実施例1および2のサンプルでは、プロットが全体的に右上の方にシフトしており、比較例のサンプルに比べて、最大応力と伸びの双方が、有意に高くなっていることがわかる。
図11および図12には、それぞれ、実施例3および4に係るサンプルの応力−歪み曲線を示す。サンプルの焼鈍温度を513Kとすることにより、焼鈍時間に対する曲線の変化が、前述の焼鈍温度543Kのサンプルに比べて、比較的緩和されていることがわかる。例えば、図8に示すように、実施例1のサンプルでは、焼鈍時間が500秒を超えると、曲線の形状が大きく変化し始めるのに対し、実施例3のサンプルの場合、図11の結果から、焼鈍時間15000秒までは、あまり曲線の形状が変化していないことがわかる。また、図9に示すように、実施例2のサンプルでは、焼鈍時間が500秒を超えると、曲線の形状が大きく変化し始めるのに対し、実施例4のサンプルの場合、図12の結果から、焼鈍時間5000秒までは、あまり曲線の形状が変化していないことがわかる。
これは、焼鈍温度を低下させることにより、本発明による黄銅を得るための微細組織制御がより容易に行い得ることを示している。すなわち、焼鈍温度が高い場合(例えば、543K)、所望の微細組織を得るためには、焼鈍時間を比較的厳密に高精度で(例えば数分単位で)制御する必要があるが、焼鈍温度を低下させることにより(例えば、513Kの場合)、より緩和された条件で、微細組織の制御を行うことが可能となる。
図13には、実施例3および4のサンプルにおいて、焼鈍時間を変化させた場合に得られた伸びと最大応力の関係をまとめて示す。この図13と前述の図10の結果から、サンプルの焼鈍温度をより低下させ、513Kとすることにより、図の曲線が右上の方にシフトし、サンプルの伸びおよび最大強度がより一層向上することがわかる。
図14および図15には、それぞれ、実施例5および実施例6に係るサンプルの応力−歪み曲線を示す。両図から、サンプルの最大応力は、1200〜1400MPaに達しており、この値は、銅の中で最も強度の高いベリリウム銅に匹敵する。また、伸びも約10%を超えている。このように、開始材料に第3元素を添加した場合、黄銅の積層欠陥エネルギーが低下し、ある程度焼鈍温度が高くても、強度と延性を兼ね備えた黄銅が得られることがわかった。
本発明は、端子、コネクタ部品等に使用される黄銅材料に適用することができる。
本発明による黄銅の微細組織の一例を模式的に示した図である。 本発明による黄銅の別の微細組織の一例を模式的に示した図である。 本発明による黄銅の応力―歪み曲線の一例を示したグラフである(圧下率60%、焼鈍温度543K、焼鈍時間50秒)。 本発明による黄銅を製造する際のフローチャートを示した図である。 高圧下率(圧下率86%)での圧延処理後の黄銅の微細組織の一例を示した写真である。 黄銅材料の圧下方向を示した図である。 高圧下率(圧下率86%)で圧延した黄銅を563Kで焼鈍処理した後に得られる微細組織の一例を示した写真である。 実施例1に係るサンプルの応力−歪み曲線を示した図である。 実施例2に係るサンプルの応力−歪み曲線を示した図である。 比較例1〜2および実施例1〜2の各サンプルにおいて得られた、伸びと最大応力の関係をまとめて示した図である。 実施例3に係るサンプルの応力−歪み曲線を示した図である。 実施例4に係るサンプルの応力−歪み曲線を示した図である。 実施例3、4の各サンプルにおいて得られた、伸びと最大応力の関係をまとめて示した図である。 実施例5に係るサンプルの応力−歪み曲線を示した図である。 実施例6に係るサンプルの応力−歪み曲線を示した図である。
符号の説明
100、200 本発明による黄銅
110 ラメラ状結晶
115 双晶
130 再結晶粒
135 焼鈍双晶
150 微細析出物
500 黄銅材料。

Claims (13)

  1. 亜鉛を10重量%〜40重量%含む黄銅であって、
    複数のラメラ状結晶と、
    内部に焼鈍双晶を有する複数の再結晶粒と、
    を含む微細組織を有することを特徴とする黄銅。
  2. 前記複数のラメラ状結晶の少なくとも一つは、内部に双晶を有することを特徴とする請求項1に記載の黄銅。
  3. 一つのラメラ状結晶中に含まれる双晶は、実質的に同一の方向に延在していることを特徴とする請求項2に記載の黄銅。
  4. 前記微細組織中に存在する全ラメラ状結晶に対する、前記内部に双晶を有するラメラ状結晶の割合は、30%以上であることを特徴とする請求項2または3に記載の黄銅。
  5. 前記微細組織中には、さらに、10nm以下の寸法の微細析出物が分散されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の黄銅。
  6. 前記ラメラ状結晶は、50nm〜300nmの範囲の幅を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の黄銅。
  7. 前記再結晶粒は、100nm〜1μmの範囲の全長を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の黄銅。
  8. さらに、鉄(Fe)、シリコン(Si)、スズ(Sn)およびニッケル(Ni)からなる群から選定された、少なくとも一つの元素を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の黄銅。
  9. (a)亜鉛を10重量%〜40重量%含む黄銅の材料を準備するステップと、
    (b)前記材料を60%以上の圧下率で圧延処理するステップと、
    (c)(b)のステップに引き続き、前記圧延された材料を600K以下の温度で焼鈍処理するステップであって、これにより、複数のラメラ状結晶と、内部に焼鈍双晶を有する複数の再結晶粒とを含む微細組織が形成されるステップと、
    を有することを特徴とする黄銅の製造方法。
  10. 前記圧延処理するステップは、
    極低温から室温の温度範囲で、前記材料を圧延するステップを有することを特徴とする請求項9に記載の黄銅の製造方法。
  11. 前記焼鈍処理するステップは、
    473K〜563Kの温度範囲で、前記圧延された材料を焼鈍処理するステップを有することを特徴とする請求項9または10に記載の黄銅の製造方法。
  12. 前記複数のラメラ状結晶の少なくとも一つは、内部に双晶を有することを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一つに記載の黄銅の製造方法。
  13. 前記黄銅の材料は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、スズ(Sn)およびニッケル(Ni)からなる群から選定された、少なくとも一つの元素を含むことを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一つに記載の黄銅の製造方法。
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007114439A1 (ja) * 2006-04-03 2007-10-11 National University Corporation The University Of Electro-Communications 超微細粒組織を有する材料およびその製造方法

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