JP2010090421A - 金属粉末製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属粉末製造装置1は、溶融金属Qを流下させる溶融金属供給部2と、溶融金属供給部2の下方に設置された筒状体3と、溶融金属供給部2から供給された溶融金属Qに向けて気体を噴射する気体噴射部5と、筒状体3の内周面に沿って冷却液層S1を形成するように冷却液Sを流出させる冷却液流出部4とを有し、溶融金属供給部2から流下した溶融金属Qに気体噴射部5から噴射した気体Gを衝突させることにより、溶融金属Qを多数の液滴Q1とするとともに、多数の液滴Q1を冷却液層S1に衝突させ冷却固化させて、金属粉末Rを製造するものであって、溶融金属Qに気体Gが衝突する位置P1と多数の液滴Q1が冷却液層S1に衝突する位置P2との間の距離を調整する昇降機構10(距離調整手段)を有する。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1にかかる金属粉末製造装置は、溶融金属を流下させる溶湯ノズルが形成された原料容器と、この原料容器の下方に配設された冷却容器と、冷却容器の内周面に沿って冷却液層を形成する冷却液供給手段と、流下した溶融金属に向けてガスを噴射する高圧ガス噴射手段とを備えている。
このような金属粉末製造装置では、原料容器から流下した溶融金属に高圧ガス噴射手段から噴射されたガスを衝突させることにより、当該溶融金属を多数の溶滴とするとともに、その多数の溶滴を冷却液層に衝突させ冷却固化させ、これにより、金属粉末を製造する。
しかしながら、特許文献1にかかる金属粉末製造装置では、金属粒子の形状を変化させることができず、所望形状の金属粒子が得られない場合があった。
本発明の金属粉末製造装置は、溶融金属を流下させる溶融金属供給部と、
前記溶融金属供給部の下方に設置された筒状体と、
前記溶融金属供給部から供給された溶融金属に向けて気体を噴射する気体噴出部と、
前記筒状体の内周面に沿って冷却液層を形成するように冷却液を流出させる冷却液流出部とを有し、
前記供給部から流下した溶融金属に前記気体噴出部から噴射した気体を衝突させることにより、当該溶融金属を多数の液滴とするとともに、該多数の液滴を前記冷却液層に衝突させ冷却固化させて、金属粉末を製造する金属粉末製造装置であって、
前記溶融金属に前記気体が衝突する位置と前記多数の液滴が前記冷却液層に衝突する位置との間の距離を調整する距離調整手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、溶融金属に気体が衝突する位置と多数の液滴が冷却液層に衝突する位置との間の距離を調整することで、得られる金属粉末の粒子形状を変更することができる。その結果、ガスアトマイズ法を用いて所望形状の金属粒子で構成された高品質な金属粉末を製造することができる。
これにより、比較的簡単な構成で、溶融金属に気体が衝突する位置と多数の液滴が冷却液層に衝突する位置との間の距離を調整することができる。
本発明の金属粉末製造装置では、前記変位手段は、前記気体噴出部を鉛直方向に移動するように構成されていることが好ましい。
これにより、より簡単な構成で、溶融金属に気体が衝突する位置と多数の液滴が冷却液層に衝突する位置との間の距離を調整することができる。
これにより、さらに簡単な構成で、溶融金属に気体が衝突する位置と多数の液滴が冷却液層に衝突する位置との間の距離を調整することができる。
これにより、多数の液滴を冷却液層に比較的簡単かつ確実に衝突させることができる。
本発明の金属粉末製造装置では、前記気体噴射部は、前記多数の液滴を鉛直方向に対して傾斜した第1の方向に向けて飛翔させるように構成されており、前記筒状体は、その軸線が鉛直方向に対して前記第1の方向とは反対側に傾斜した第2の方向を向くように設置されていることが好ましい。
これにより、多数の液滴を冷却液層により簡単かつ確実に衝突させることができる。
これにより、多数の液滴をその広がりを抑えつつ鉛直方向に対して傾斜する方向に飛翔させることができる。
本発明の金属粉末製造装置では、前記距離調整手段は、前記多数の液滴の飛翔方向を変更する向き変更手段を備えることが好ましい。
これにより、比較的簡単な構成で、溶融金属に気体が衝突する位置と多数の液滴が冷却液層に衝突する位置との間の距離を調整することができる。
<第1実施形態>
まず、本発明の金属粉末製造装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の金属粉末製造装置の第1実施形態を示す模式図(縦断面図)、図2は、図1に示す金属粉末製造装置に備えられた気体噴射部を示す斜視図、図3は、図2に示す気体噴射部の部分拡大縦断面図、図4は、図1に示す金属粉末製造装置における距離調整手段の作用を説明するための模式図(縦断面図)である。なお、以下の説明では、図1ないし図3中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示すように、溶融金属供給部2は、有底筒状をなす部分を有している。この溶融金属供給部2の内部空間(内腔部)には、製造すべき金属粉末の原材料を溶融した溶融金属Qが一時的に収納される。このような溶融金属供給部2は、例えば、黒鉛、窒化珪素等の耐火性材料で構成されている。また、溶融金属供給部2の外周には、溶融金属Qを加熱・保温するための誘導コイル6が設けられている。
このような溶融金属供給部2の下方には、筒状体3が設けられている。
筒状体3は、円筒状をなし、その軸線が鉛直方向に対して傾斜する方向を向くように設置されている。
このような筒状体3の上側(上端部付近)には、環状の蓋部材7が設けられている。この蓋部材7上には、蓋部材7の中央部の開口を通じて筒状体3内に気体Gを噴射し得るように気体噴射部5が設けられている。
冷却液流出部4は、筒状体3の周方向に沿ってほぼ等間隔で並設された複数の冷却液流出口41で構成されている。
各冷却液流出口41は、筒状体3の内周面に開口しており、筒状体3の内周面の接線方向に向けて冷却液S(本実施形態では水)を流出(吐出)する。これにより、冷却液Sを筒状体3の周方向に旋回させて、冷却液層S1を形成する。なお、冷却液Sは、還元剤等の添加剤が添加されていてもよい。
特に、冷却液流出部4が前述したように冷却液Sの旋回流を形成させるので、筒状体3内での冷却液Sの流れを安定化することができる。また、冷却液流出部4は、前述したように筒状体3の内周に沿って設けられた複数の冷却液流出口41を備えているため、比較的簡単に、冷却液層S1の厚さを筒状体3の周方向に亘って均一化することができる。
また、図示しないが、各冷却液流出口41には、冷却液供給管を介して冷却液タンクが接続され、当該冷却液供給管の途中には、ポンプが設けられている。これにより、ポンプを作動させることで、冷却タンク内の冷却液Sを冷却液供給管を介して各冷却液流出口41に供給し、加圧された冷却液Sが各冷却液流出口41から流出(噴射)される。
気体噴射部5は、図1に示すように、前述した溶融金属供給部2の吐出口21と同軸上に設けられた溶湯ノズル51と、溶湯ノズル51の外周に沿って設けられたガス室52と、ガス室52に連通する複数の気体噴射口53とを備えている。
このような溶湯ノズル51は、前述した溶融金属供給部2の吐出口21から流下した溶融金属Qを一旦受け止め、溶融金属Qを溶湯ノズル孔511を通じて筒状体3内へ流下させる。溶湯ノズル孔511を通過した溶融金属Qの横断面形状および横断面積は、溶湯ノズル孔511の横断面積および横断面形状に応じたものとなる。
このような溶湯ノズル51の外周側には、その周方向に沿って環状をなすガス室52が設けられている。このガス室52には、外部から図示しないガス供給管を介して、高圧の気体Gが供給されるようになっている。
このようなガス室52の下側には、その周方向に沿って並設された複数の気体噴射口53が設けられている。各気体噴射口53は、前述したガス室52に連通しており、気体Gを噴射するようになっている。
各第1の気体噴射口(主気体噴射口)531は、流下した溶融金属Qに気体Gを第1の流速および第1の流量で噴射するように構成されている。そして、複数の第1の気体噴射口531は、各第1の気体噴射口531からの気体Gの噴射により主分断用のガス流j1を生じさせる。
このとき、各第2の気体噴射口532の横断面積が各第1の気体噴射口531の横断面積よりも小さいので、流路抵抗差により、ガス流j2の流速および流量がガス流j1の流速および流量よりも小さくなる。
このようにして、気体噴射部5は、溶湯ノズル51を囲う円周上に配置された複数の気体噴射口53のそれぞれから気体Gが噴射されるものの、これらのガス流が溶湯ノズル孔511の軸線上で交わることで、円錐状の拡がりを全周にわたって生じることなく、溶湯ノズル孔511の軸線に対して片側に気体Gを噴射することができる。
特に、気体噴射部5は、多数の液滴Q1を鉛直方向に対して傾斜した第1の方向に向けて飛翔させるように構成されており、筒状体3は、その軸線が鉛直方向に対して前記第1の方向とは反対側に傾斜した第2の方向を向くように設置されている。これにより、多数の液滴Q1を冷却液層S1により簡単かつ確実に衝突させることができる。
この昇降機構10は、前述した気体噴射部5を上下方向に昇降させる機能を有するものである。このような昇降機構10を作動させることにより、溶融金属Qに気体Gが衝突する位置と多数の液滴Q1が冷却液層S1に衝突する位置との間の距離を調整することができる。ここで、昇降機構10は、溶融金属Qに気体Gが衝突する位置と多数の液滴Q1が冷却液層S1に衝突する位置との間の距離を調整する距離調整手を構成するとともに、気体噴射部5を筒状体3に対して変位させる変位手段を構成する。
ところで、前述したように溶融金属Qを分断して形成された液滴Q1は、冷却液層S1に到達するまでの間、球形に近づくように形状を徐々に変化させながら飛翔する。そして、当該液滴Q1は、冷却液層S1に到達・衝突することで、冷却固化され、形状が固定される。
したがって、液滴Q1は、冷却液層S1までの飛翔時間が短ければ、異形状のまま冷却固化される。その結果、異形状の金属粒子で構成された金属粉末Rを得ることができる。一方、液滴Q1は、冷却液層S1までの飛翔時間が長ければ、球形状をなした状態で冷却固化される。その結果、球形の金属粒子で構成された金属粉末Rを得ることができる。
このようなことから、金属粉末製造装置1では、溶融金属Qに気体Gが衝突する位置P1と多数の液滴Q1が冷却液層S1に衝突する位置P2との間の距離を調整することで、得られる金属粉末Rの粒子形状を変更することができる。その結果、ガスアトマイズ法を用いて所望形状の金属粒子で構成された高品質な金属粉末Rを製造することができる。
また、本実施形態では、昇降機構10が気体噴射部5を鉛直方向に移動するように構成されているので、より簡単な構成で、溶融金属Qに気体Gが衝突する位置と多数の液滴Q1が冷却液層S1に衝突する位置との間の距離を調整することができる。
また、筒状体3の下端には、金属粉末Rを冷却液Sとともに排出するための排出管9が接続されている。この排出管9は、筒状体3の下端付近から下側に向けて収斂する部分を有している。また、この排出管9は、図示しない回収タンクに接続されている。
以上説明したような金属粉末製造装置1によれば、溶融金属Qに気体Gが衝突する位置P1と多数の液滴Q1が冷却液層S1に衝突する位置P2との間の距離を調整することで、得られる金属粉末Rの粒子形状を変更することができる。その結果、ガスアトマイズ法を用いて所望形状の金属粒子で構成された高品質な金属粉末Rを製造することができる。
次に、本発明の金属粉末製造装置の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の金属粉末製造装置の第2実施形態を示す模式図である。なお、以下の説明では、図5中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態の金属粉末製造装置1Aは、距離調整手段の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。
向き変更手段11は、各気体噴射口53からの気体Gの流量および流速を変更することで、気体噴射部5による多数の液滴Q1の飛翔方向を変更する。これにより、多数の液滴Q1が冷却液層S1に衝突する位置P2を上下させ、溶融金属Qに気体Gが衝突する位置P1と多数の液滴Q1が冷却液層S1に衝突する位置P2との間の距離を調整することができる。ここで、向き変更手段11は、溶融金属Qに気体Gが衝突する位置P1と多数の液滴Q1が冷却液層S1に衝突する位置P2との間の距離を調整する距離調整手段を構成する。
このような向き変更手段11によれば、比較的簡単な構成で、溶融金属Qに気体Gが衝突する位置P1と多数の液滴Q1が冷却液層S1に衝突する位置との間の距離を調整することができる。
以上、本発明の金属粉末製造装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、金属粉末製造装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
Claims (8)
- 溶融金属を流下させる溶融金属供給部と、
前記溶融金属供給部の下方に設置された筒状体と、
前記溶融金属供給部から供給された溶融金属に向けて気体を噴射する気体噴出部と、
前記筒状体の内周面に沿って冷却液層を形成するように冷却液を流出させる冷却液流出部とを有し、
前記供給部から流下した溶融金属に前記気体噴出部から噴射した気体を衝突させることにより、当該溶融金属を多数の液滴とするとともに、該多数の液滴を前記冷却液層に衝突させ冷却固化させて、金属粉末を製造する金属粉末製造装置であって、
前記溶融金属に前記気体が衝突する位置と前記多数の液滴が前記冷却液層に衝突する位置との間の距離を調整する距離調整手段を有することを特徴とする金属粉末製造装置。 - 前記距離調整手段は、前記気体噴出部を前記筒状体に対して変位させる変位手段を備える請求項1に記載の金属粉末製造装置。
- 前記変位手段は、前記気体噴出部を鉛直方向に移動するように構成されている請求項2に記載の金属粉末製造装置。
- 前記溶融金属供給部および前記筒状体の互いに位置関係を維持したまま、前記変位手段が前記気体噴出部を移動するように構成されている請求項3に記載の金属粉末製造装置。
- 前記気体噴射部は、前記筒状体の軸線に平行に流下した前記溶融金属に対し前記気体を衝突させることで、前記多数の液滴を前記筒状体の軸線に対して傾斜した方向に向けて飛翔させる請求項1ないし4のいずれかに記載の金属粉末製造装置。
- 前記気体噴射部は、前記多数の液滴を鉛直方向に対して傾斜した第1の方向に向けて飛翔させるように構成されており、前記筒状体は、その軸線が鉛直方向に対して前記第1の方向とは反対側に傾斜した第2の方向を向くように設置されている請求項5に記載の金属粉末製造装置。
- 前記気体噴射部は、流下した前記溶融金属に気体を第1の流速および第1の流量で噴射する第1の気体噴射口と、流下した前記溶融金属に前記第1の気体噴射口とは反対側から気体を前記第1の流速より遅い第2の流速および前記第1の流量よりも少ない第2の流量で噴射する第2の気体噴射口とを備える請求項5または6に記載の金属粉末製造装置。
- 前記距離調整手段は、前記多数の液滴の飛翔方向を変更する向き変更手段を備える請求項1ないし7のいずれかに記載の金属粉末製造装置。
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