JP2010090346A - 微粒蛍光体の製造方法 - Google Patents
微粒蛍光体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010090346A JP2010090346A JP2008264331A JP2008264331A JP2010090346A JP 2010090346 A JP2010090346 A JP 2010090346A JP 2008264331 A JP2008264331 A JP 2008264331A JP 2008264331 A JP2008264331 A JP 2008264331A JP 2010090346 A JP2010090346 A JP 2010090346A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound
- composition
- yttrium
- phosphor
- rare earth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Luminescent Compositions (AREA)
Abstract
【解決手段】工程として、(1)水中に、イットリウム化合物、イットリウム以外の希土類金属の化合物及び錯形成化合物を含有する組成物(I)を調製する工程、(2)水中に、バナジウム化合物及びリン化合物を含有する組成物(II)を調製する工程、及び(3)前記組成物(I)と組成物(II)とを混合して、反応させる工程を有する。
【選択図】なし
Description
しかしながら、このような用途には装置の構造上、1000nm以下、場合によっては、400nm以下の極微細な無機蛍光体粒子が必要となるが、これまで、そのような用途に適する無機蛍光体は知られていなかった。通常、無機蛍光体は、乾式法(粉末冶金法)、即ち、原料の無機化合物粉末を混合した後、数百℃〜千数百℃において焼成した後、物理的に粉砕することによって作られているが、このような乾式法においては、一定以下の粒度に粉砕を行うことが困難であるとともに、たとえ微細粉砕できても、蛍光体の発光輝度が著しく低下するため、このような用途に使用することが出来なかった。
一方、希土類燐酸塩蛍光体の製造方法として、Yなどの希土類元素及びP、Ce、Tbを溶解して蛍光体原料の水溶液を液滴にして、キャリヤガスとともに熱分解反応炉に導入して800〜1900℃で加熱する方法(特許文献1)や、有機溶剤の存在下において、アルカリ土類金属化合物などを加熱する方法(特許文献2)などが提案されている。
また、液相でナノサイズの蛍光体粒子を作製する方法が提案されている(特許文献3)。
即ち、本発明は、以下の方法に関するものである。
(1) 水中に、イットリウム化合物、イットリウム以外の希土類金属の化合物及び錯形成化合物を含有する組成物(I)を調製する工程、
(2) 水中に、バナジウム化合物及びリン化合物を含有する組成物(II)を調製する工程、及び
(3) 前記組成物(I)と組成物(II)とを混合して、反応させる工程、からなる微粒蛍光体の製造方法;
(1) 水中に、イットリウム化合物、イットリウム以外の希土類金属の化合物及び錯形成化合物を含有する組成物(I)を調製する工程、
(2) 水中に、バナジウム化合物を含有する組成物(III)を調製する工程、
(3) 前記組成物(I)と組成物(III)とを混合して、反応させ、YVO4:A(Aは、イットリウム以外の希土類金属を示す。)の微粒蛍光体の分散液を調製する工程、
(4) 前記YVO4:A(Aは、イットリウム以外の希土類金属を示す。)の微粒蛍光体の分散液に、リン化合物又は水中に溶解若しくは分散させたリン化合物を混合して、反応させる工程、からなる微粒蛍光体の製造方法;及び
(1) 水中に、イットリウム化合物、イットリウム以外の希土類金属の化合物及び錯形成化合物を含有する組成物(I)を調製する工程、
(2) 水中に、バナジウム化合物及びリン化合物を含有する組成物(II)を調製する工程、及び
(3) 前記組成物(I)と組成物(II)とを混合して、反応させる工程、
からなり、かつ前記組成物(I)と組成物(II)の少なくともいずれか一方に周期律表(長周期型)第13〜第17族に属する元素化合物を加えて反応させたことを特徴とする微粒蛍光体の製造方法、更に
(1) 水中に、イットリウム化合物、イットリウム以外の希土類金属の化合物及び錯形成化合物を含有する組成物(I)を調製する工程、
(2) 水中に、バナジウム化合物を含有する組成物(III)を調製する工程、
(3) 前記組成物(I)と組成物(III)とを混合して、反応させ、YVO4:A、B(Aは、イットリウム以外の希土類金属を示し、Bは、周期律表(長周期型)第13〜第17族に属する元素を示す。)の微粒蛍光体の分散液を調製する工程、
(4) 前記YVO4:A、B(Aは、イットリウム以外の希土類金属を示し、Bは、周期律表(長周期型)第13〜第17族に属する元素を示す。)の微粒蛍光体の分散液に、リン化合物又は水中に溶解若しくは分散させたリン化合物を混合して、反応させる工程、
を有し、かつ前記組成物(I)及び組成物(III)の少なくともいずれか一方に、周期律表(長周期型)第13〜第17族に属する元素化合物を加えて反応させたことを特徴とする微粒蛍光体の製造方法。
本発明で使用されるイットリウム化合物としては、例えば、イットリウムの水酸化物や、キレート化物(例えば、キレート化剤としては、アミノカルボン酸系キレート剤や、ホスホン酸系キレート剤等が好適に挙げられる)、酸素酸塩(例えば、硝酸塩や、硫酸塩、燐酸塩、硼酸塩、ケイ酸塩、バナジン酸塩など)、有機酸塩(例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、フェノール塩、スルフィン酸塩、1,3−ジケトン形化合物の塩、チオフェノール塩、オキシム塩、芳香族スルホンアミドの塩、第一級及び第二級ニトロ化合物の塩など)、ハロゲン化物(例えば、ハロゲンとしては、フッ素や、塩素、臭素など)、アルコキシド(例えば、炭素数が1〜15の、直鎖又は分岐を有するアルコキシ基、例えば、メトキシ基や、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が好適に挙げられる)等を好適に使用することができる。
なお、理論により束縛されるものではないが、実験の観察によれば、本発明においては、イットリウム化合物と、付活剤原料化合物や、補助付活剤原料化合物が、水中で溶解又は分散し、錯形成化合物の存在下で混晶を形成し、更にバナジウム化合物及びリン化合物を添加することにより、微粒蛍光体が合成されると思われる。
従って、イットリウム化合物と、付活剤原料化合物(A成分化合物)や、補助付活剤原料化合物(Pブロック元素化合物)が、十分に水に溶解又は安定に分散する量とすることが必要である。
この範囲での使用により、平均一次粒子径が、30〜400nmの微粒蛍光体の水分散液を得ることができる。なお、微粒蛍光体の粒径は、動的光散乱法により、例えば、Malvern HPPS(マルバーン社製)を使用して測定した粒度分布に基づくものである。
前記添加量が0.0001質量部より少ないと、微粒蛍光体の製造効率が低下する傾向にある。また、0.6質量部より多いと、微粒蛍光体が凝集し、目的とする微粒蛍光体の均一な分散体を得にくい。
錯形成化合物の量は、水1mlに対して、0.0001〜0.7g、好ましくは0.001〜0.6gであり、錯体を形成させるため、イットリウム元素、イットリウム以外の希土類金属元素及びビスマス元素等の添加量を考慮し、添加する必要性がある。また、錯形成化合物は粒子の分散安定に寄与するため、添加量が少ないと、分散剤として機能しないため、好ましくない。
また、バナジウム化合物とリン化合物の比率は、バナジウム化合物1モルに対し、リン化合物は0.005〜100モル、好ましくは0.01〜50モルの比率であることが好ましい。リン化合物の割合が0.01モルより少ないと、得られた蛍光体の初期の紫外線照射による輝度に対する低下の抑制に効果がなく、また100モルより多いと、初期の紫外線照射による輝度に対する低下の抑制の更なる向上が認められない。
また、組成物(III)において、バナジウム化合物の量は、水1mlに対して、0.0001〜0.6g、好ましくは0.001〜0.5gの範囲の量であることが好適である。
Pブロック元素(B)の化合物の量は、水に対する溶解性又は分散性に基づくが、発光輝度の高い微粒蛍光体を製造効率よく製造するためには、前記イットリウム化合物1モルに対して、60モル%以下、好ましくは、0.005〜50モル%の範囲にとどめることが好ましい。Pブロック元素(B)の化合物は、任意の時期に、組成物(I)又は、組成物(II)若しくは(III)に添加することができる。
本発明の方法においては、組成物(I)と、組成物(II)若しくは組成物(III)とを混合する工程3において、pHを調整することが好ましく、蛍光体の生成を促進することができる。pHは、例えば、4〜11程度であり、好ましくは、pH6〜10である。pHが4より低いとポリバナジン酸塩が生成しやすく、pHが11より高いと、水酸化物が生成してしまうため、目的の蛍光体を生成することが難しい。
加熱温度は、大気圧下であれば、例えば、20℃〜100℃の範囲で行うことが好ましい。加熱温度が20℃より低いと、微粒蛍光体の反応が著しく遅くなり易く、製造効率が低下する傾向にある。大気圧下での反応時間は、例えば、1分〜72時間であり、好ましくは、10分〜10時間で十分である。
また、加圧下では、100〜400℃程度の高温下で反応することも出来る。この場合、原料の溶解性が高まり、また反応時間も短くできる長所がある。
本発明において、バナジン酸イットリウムにリンを導入しているが、請求項1、請求項3のようにバナジウム化合物及びリン化合物の混合溶液の組成物(II)として反応させることで得られた蛍光体の紫外線照射による初期の輝度の低下を抑制することができるが、請求項2、請求項4のように予め、イットリウム化合物と付活剤原料化合物や、補助付活剤原料化合物とバナジウム化合物で反応させ、その後、リン化合物を加え、反応をさせたほうが、得られた蛍光体の紫外線照射による初期の輝度の低下の抑制に更なる効果が認められる。
また、反応の際には、窒素ガス又はアルゴンガス雰囲気下で反応を行うことも可能である。反応系に対する酸素の混入を防止し、蛍光体の蛍光強度の低下、生成物の着色等、蛍光体の性能低下を防止することが可能である。
本発明は、攪拌装置を用いて水を攪拌しながら行うことが好ましい。このような攪拌装置を用いることで、反応系を均一とし、反応効率を上昇させることができ、微粒蛍光体の安定的な製造が可能となる。
本発明により製造された微粒蛍光体は、例えば、平均一次粒径が30〜400nmという、これまでの蛍光体よりも非常に小さな粒径を有する。従って、微粒蛍光体を塗料や、インクジェットプリンター用インクの用途等、幅広い用途で使用することが可能となる。より高い分散安定性や可視光下透明性が要求される用途においては、100nm以下の微粒蛍光体とすることで使用可能となる。
また、前記微粒蛍光体は、紫外線を照射することにより、蛍光発色するが、特に波長領域300〜400nmの近紫外線においても励起するため、ブラックライトや紫外線LEDなどの光源でも蛍光発光させることが可能である。そのため、近紫外線発光の望ましいアート・装飾の分野や各種有価証券、ブランド品等の偽造防止に適している。
更に、当然のことではあるが、本発明の蛍光体は上記の用途に限定されることなく、蛍光灯やLEDなどの照明やPDP、液晶、FEDなどのフラットパネル・ディスプレイ分野などに使用することも可能である。
粒度分布の測定に際しては、マルバーン社製のMalvern HPPSを使用した。この測定機械は、動的光散乱法にて粒度分布を測定する装置である。
200mlの3口フラスコに、還流装置として冷却管、温度計、攪拌装置を取り付け、当該フラスコをウォーターバス中に設置した。当該フラスコに水40.0ml、硝酸イットリウム六水和物1.00g(2.6mmol)と、硝酸ユウロピウム六水和物0.09g(0.2mmol)、クエン酸三ナトリウム二水和物0.62gを加え、60℃で2時間攪拌を行ない、組成物(I)を調製した。
別途、水酸化ナトリウムでpH12.5に調整した水40.0mlをはかりとり、その中にオルトバナジン酸ナトリウム0.13g(0.7mmol)を加え、溶解させ、組成物(III)を調製し、組成物(III)を、組成物(I)の入っている上記3口フラスコに滴下した。
この分散液に対し、302nmを主波長とする紫外線ランプを照射したところ、赤色の蛍光発色が確認できた。また、PL−250(日本分光社製)にて発光波長を確認したところ、615nmに発光波長のピークを確認できた。また、微粒子をX線回折装置(XRD-6100、島津製作所製)にて定性を行った結果、バナジン酸イットリウムの回折データと一致した。また、ICP発光分光分析装置(ICPS−7510、島津製作所製)にて確認したところ、バナジウム、リン、イットリウム、ユウロピウムの元素からなる物質であることが確認できた。
200mlの3口フラスコに、還流装置として冷却管、温度計、攪拌装置を取り付け、当該フラスコをウォーターバス中に設置した。当該フラスコに水40.0ml、硝酸イットリウム六水和物0.10g(0.3mmol)と、硝酸テルビウム六水和物0.09g(0.2mmol)を加え、80℃で1時間撹拌後、シュウ酸0.19gを加え、80℃で2時間攪拌を行ない、組成物(I)を調製した。
別途、水酸化ナトリウムでpH12.5に調整した水40.0mlを100mlのビーカーにはかりとり、その中にオルトバナジン酸ナトリウム0.03g(0.2mmol) 、リン酸水素二ナトリウム12水和物0.05g(0.2mmol)を加え、溶解させ、組成物(II)を調製した。得られた組成物(II)を、組成物(I)の入っている3口フラスコに滴下した。
この分散液に対し、302nmを主波長とする紫外線ランプを照射したところ緑色の蛍光発色が確認できた。また、PL−250(日本分光社製)にて発光波長を確認したところ、544nmに発光波長のピークを確認できた。また、微粒子をX線回折装置(XRD-6100、島津製作所製)にて定性を行った結果、バナジン酸イットリウムの回折データと一致した。また、ICP発光分光分析装置(ICPS−7510、島津製作所製)にて確認したところ、バナジウム、リン、イットリウム、テルビウムの元素からなる物質であることが確認できた。
200mlの3口フラスコに、還流装置として冷却管、温度計、攪拌装置を取り付け、当該フラスコをウォーターバス中に設置した。当該フラスコに水40.0ml、硝酸イットリウム六水和物1.00g(2.6mmol)と、硝酸ユウロピウム六水和物0.09g(0.2mmol)を加え、70℃で1時間撹拌した後、クエン酸三ナトリウム二水和物0.62gを加え、更に30分後にクエン酸ビスマス0.48g(1.2mmol)を加え、70℃で2時間攪拌を行ない、組成物(I)を調製した。
別途、水酸化ナトリウムでpH12.5に調整した水40.0mlを100mlのビーカーにはかりとり、その中にオルトバナジン酸ナトリウム0.37g(2.0mmol)を加えて、組成物(II)を調製し、この組成物(II)を、組成物(I)の含まれている3口フラスコに滴下した。滴下終了後、水20mlに溶かしたリン酸水素二ナトリウム12水和物0.04g(0.1mmol)を加え、70℃で30分攪拌を行い、オートクレーブで200℃、5時間処理を行なった。反応得られた分散体はやや黄みの白濁水分散液を得た。得られた分散液中の微粒物質をMalvern HPPS(マルバーン社製)で測定したところ、平均一次粒径55nmの均一な粒子であった(図3参照)。
200mlの3口フラスコに、還流装置として冷却管、温度計、攪拌装置を取り付け、当該フラスコをウォーターバス中に設置した。当該フラスコに水40.0ml、硝酸イットリウム六水和物1.00g(2.6mmol)と、硝酸ユウロピウム六水和物0.09g(0.2mmol)、クエン酸三ナトリウム二水和物0.62gを加え、60℃で2時間攪拌を行ない、組成物(I)を調製した。
別途、水酸化ナトリウムでpH12.5に調整した水40.0mlをはかりとり、その中にオルトバナジン酸ナトリウム0.39g(2.1mmol)を加え、溶解させ、組成物(III)を調製し、組成物(III)を、組成物(I)の入っている上記3口フラスコに滴下した。
この分散液に対し、302nmを主波長とする紫外線ランプを照射したところ、赤色の蛍光発色が確認できた。また、PL−250(日本分光社製)にて発光波長を確認したところ、615nmに発光波長のピークを確認できた。また、微粒子をX線回折装置(XRD-6100、島津製作所製)にて定性を行った結果、バナジン酸イットリウムの回折データと一致した。また、ICP発光分光分析装置(ICPS−7510、島津製作所製)にて確認したところ、バナジウム、イットリウム、ユウロピウムの元素からなる物質であることが確認できた。
200mlの3口フラスコに、還流装置として冷却管、温度計、攪拌装置を取り付け、当該フラスコをウォーターバス中に設置した。当該フラスコに水40.0ml、硝酸イットリウム六水和物0.10g(0.3mmol)と、硝酸テルビウム六水和物0.09g(0.2mmol)を加え、80℃で1時間撹拌後、シュウ酸0.19gを加え、80℃で2時間攪拌を行ない、組成物(I)を調製した。
別途、水酸化ナトリウムでpH12.5に調整した水45.0mlを100mlのビーカーにはかりとり、その中にオルトバナジン酸ナトリウム0.09g(0.5mmol)を加え、溶解させ、組成物(III)を調製した。得られた組成物(III)を、組成物(I)の入っている3口フラスコに滴下した。
この分散液に対し、302nmを主波長とする紫外線ランプを照射したところ緑色の蛍光発色が確認できた。また、PL−250(日本分光社製)にて発光波長を確認したところ、544nmに発光波長のピークを確認できた。また、微粒子をX線回折装置(XRD-6100、島津製作所製)にて定性を行った結果、バナジン酸イットリウムの回折データと一致した。また、ICP発光分光分析装置(ICPS−7510、島津製作所製)にて確認したところ、バナジウム、イットリウム、テルビウムの元素からなる物質であることが確認できた。
200mlの3口フラスコに、還流装置として冷却管、温度計、攪拌装置を取り付け、当該フラスコをウォーターバス中に設置した。当該フラスコに水40.0ml、硝酸イットリウム六水和物1.00g(2.6mmol)と、硝酸ユウロピウム六水和物0.09g(0.2mmol)を加え、70℃で1時間撹拌した後、クエン酸三ナトリウム二水和物0.62gを加え、更に30分後にクエン酸ビスマス0.48g(1.2mmol)を加え、70℃で2時間攪拌を行ない、組成物(I)を調製した。
別途、水酸化ナトリウムでpH12.5に調整した水40.0mlを100mlのビーカーにはかりとり、その中にオルトバナジン酸ナトリウム0.55g(3.0mmol)を加えて、組成物(III)を調製し、この組成物(III)を、組成物(I)の含まれている3口フラスコに滴下した。滴下終了後、オートクレーブで200℃、5時間処理を行なった。反応で得られた分散体はやや黄みの白濁水分散液を得た。得られた分散液中の微粒物質をMalvern HPPS(マルバーン社製)で測定したところ、平均一次粒径54nmの均一な粒子であった(図6参照)。
この分散液に対し、365nmを主波長とする紫外線ランプを照射したところ、赤色の蛍光発色が確認できた。また、PL−250(日本分光社製)にて発光波長を確認したところ、615nmに発光波長のピークを確認できた。また、微粒子をX線回折装置(XRD-6100、島津製作所製)にて定性を行った結果、バナジン酸イットリウムの回折データと一致した。また、ICP発光分光分析装置(ICPS−7510、島津製作所製)にて確認したところ、バナジウム、イットリウム、ユウロピウム、ビスマスの元素からなる物質であることが確認できた。
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた分散体を遠心分離機で10000rpm、1時間で処理を行い、水などで調整し、不揮発分40%の水含有ペーストを得た。このペーストを石英セルに詰め、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2に関しては、302nmを主波長とするブラックライト、実施例3、比較例3に関しては、365nmを主波長とするブラックライト下で、輝度計(BM−5A、トプコン社製)を用いて、初期輝度の測定を行った。その後、カーボンアークフェードメーター(スガ試験機)で耐光性促進を行い、輝度低下の最小値になった時点の輝度を上記方法にて測定を行なった。また、その後、更にカーボンアークフェードメーターにて紫外線照射し、累計1000時間の時点の輝度を測定した。
Claims (8)
- 紫外線励起により蛍光発光する、式、Y(V,P)O4:A(Aは、イットリウム以外の希土類金属を示す。)で表される微粒蛍光体の製造方法であって、
(1) 水中に、イットリウム化合物、イットリウム以外の希土類金属の化合物及び錯形成化合物を含有する組成物(I)を調製する工程、
(2) 水中に、バナジウム化合物及びリン化合物を含有する組成物(II)を調製する工程、及び
(3) 前記組成物(I)と組成物(II)とを混合して、反応させる工程、
を有することを特徴とする微粒蛍光体の製造方法。 - 紫外線励起により蛍光発光する、式、Y(V,P)O4:A(Aは、イットリウム以外の希土類金属を示す。)で表される微粒蛍光体の製造方法であって、
(1) 水中に、イットリウム化合物、イットリウム以外の希土類金属の化合物及び錯形成化合物を含有する組成物(I)を調製する工程、
(2) 水中に、バナジウム化合物を含有する組成物(III)を調製する工程、
(3) 前記組成物(I)と組成物(III)とを混合して、反応させ、YVO4:A(Aは、イットリウム以外の希土類金属を示す。)の微粒蛍光体の分散液を調製する工程、
(4) 前記YVO4:A(Aは、イットリウム以外の希土類金属を示す。)の微粒蛍光体の分散液に、リン化合物又は水中に溶解若しくは分散させたリン化合物を混合して、反応させる工程、
を有することを特徴とする微粒蛍光体の製造方法。 - 紫外線励起により蛍光発光する、式、Y(V,P)O4:A、B(Aは、イットリウム以外の希土類金属を示し、Bは、周期律表(長周期型)第13〜第17族に属する元素を示す。)で表される微粒蛍光体の製造方法であって、
(1) 水中に、イットリウム化合物、イットリウム以外の希土類金属の化合物及び錯形成化合物を含有する組成物(I)を調製する工程、
(2) 水中に、バナジウム化合物及びリン化合物を含有する組成物(II)を調製する工程、及び
(3) 前記組成物(I)と組成物(II)とを混合して、反応させる工程、
を有し、かつ前記組成物(I)及び前記組成物(II)の少なくともいずれか一方に、周期律表(長周期型)第13〜第17族に属する元素化合物を加えて反応させたことを特徴とする微粒蛍光体の製造方法。 - 紫外線励起により蛍光発光する、式、Y(V,P)O4:A、B(Aは、イットリウム以外の希土類金属を示し、Bは、周期律表(長周期型)第13〜第17族に属する元素を示す。)で表される微粒蛍光体の製造方法であって、
(1) 水中に、イットリウム化合物、イットリウム以外の希土類金属の化合物及び錯形成化合物を含有する組成物(I)を調製する工程、
(2) 水中に、バナジウム化合物を含有する組成物(III)を調製する工程、
(3) 前記組成物(I)と組成物(III)とを混合して、反応させ、YVO4:A、B(Aは、イットリウム以外の希土類金属を示し、Bは、周期律表(長周期型)第13〜第17族に属する元素を示す。)の微粒蛍光体の分散液を調製する工程、
(4) 前記YVO4:A、B(Aは、イットリウム以外の希土類金属を示し、Bは、周期律表(長周期型)第13〜第17族に属する元素を示す。)の微粒蛍光体の分散液に、リン化合物又は水中に溶解若しくは分散させたリン化合物を混合して、反応させる工程、
を有し、かつ前記組成物(I)及び組成物(III)の少なくともいずれか一方に、周期律表(長周期型)第13〜第17族に属する元素化合物を加えて反応さることを特徴とする微粒蛍光体の製造方法。 - 前記リン化合物又は水中に溶解若しくは分散させたリン化合物を混合して、反応させる工程(4)をオートクレーブ中で加圧下で行う請求項2又は請求項4に記載の方法。
- 前記蛍光体の平均一次粒子径が、30〜400nmである、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の方法。
- 前記イットリウム化合物、前記バナジウム化合物、前記イットリウム以外の希土類金属の化合物、及び/又は前記周期律表(長周期型)第13〜第17族に属する元素の化合物が、水酸化物、キレート化物、無機酸塩、有機酸塩、酸素酸塩、ハロゲン化物及びアルコキシドからなる群から選択される、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の方法。
- 前記錯形成化合物が、クエン酸、シュウ酸及びエチレングリコールからなる群から選択される請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008264331A JP5300052B2 (ja) | 2008-10-10 | 2008-10-10 | 微粒蛍光体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008264331A JP5300052B2 (ja) | 2008-10-10 | 2008-10-10 | 微粒蛍光体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010090346A true JP2010090346A (ja) | 2010-04-22 |
JP5300052B2 JP5300052B2 (ja) | 2013-09-25 |
Family
ID=42253368
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008264331A Expired - Fee Related JP5300052B2 (ja) | 2008-10-10 | 2008-10-10 | 微粒蛍光体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5300052B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011125278A1 (ja) | 2010-04-09 | 2011-10-13 | 日本電気株式会社 | 無線通信システム、通信装置、複数基地局からの同時送信の制御方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004256763A (ja) * | 2003-02-27 | 2004-09-16 | Mitsubishi Chemicals Corp | 蛍光体の製造方法 |
JP2005502573A (ja) * | 2001-09-12 | 2005-01-27 | ロディア エレクトロニクス アンド カタリシス | 希土類元素のバナジウム酸塩又はホスホバナジウム酸塩粒子のコロイド分散体 |
JP2006524623A (ja) * | 2003-04-28 | 2006-11-02 | ナノソリューションズ・ゲーエムベーハー | 金属(iii)バナデートを含むナノ粒子の合成 |
JP2007284304A (ja) * | 2006-04-18 | 2007-11-01 | Univ Kinki | ユーロピウム付活リン酸イットリウムナノ粒子、ユーロピウム付活バナジウム酸イットリウムナノ粒子及びこれら粒子からなる蛍光体並びにこれらの製造方法 |
JP2008189761A (ja) * | 2007-02-02 | 2008-08-21 | Keio Gijuku | 微粒蛍光体の製造方法 |
-
2008
- 2008-10-10 JP JP2008264331A patent/JP5300052B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005502573A (ja) * | 2001-09-12 | 2005-01-27 | ロディア エレクトロニクス アンド カタリシス | 希土類元素のバナジウム酸塩又はホスホバナジウム酸塩粒子のコロイド分散体 |
JP2004256763A (ja) * | 2003-02-27 | 2004-09-16 | Mitsubishi Chemicals Corp | 蛍光体の製造方法 |
JP2006524623A (ja) * | 2003-04-28 | 2006-11-02 | ナノソリューションズ・ゲーエムベーハー | 金属(iii)バナデートを含むナノ粒子の合成 |
JP2007284304A (ja) * | 2006-04-18 | 2007-11-01 | Univ Kinki | ユーロピウム付活リン酸イットリウムナノ粒子、ユーロピウム付活バナジウム酸イットリウムナノ粒子及びこれら粒子からなる蛍光体並びにこれらの製造方法 |
JP2008189761A (ja) * | 2007-02-02 | 2008-08-21 | Keio Gijuku | 微粒蛍光体の製造方法 |
Non-Patent Citations (4)
Title |
---|
JPN6012061215; Angew. Chem. Int. Ed Vol.47, p.906-909, 20071204 * |
JPN6012061216; J. Nonopart. Res. 2008, Vol.10, p.1149-1154, 20071207 * |
JPN6012061217; Material Letters 60(2006), p.1341-1343, 2006 * |
JPN6012061219; Physica B Vol.403, p.2071-2075, 20080601 * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011125278A1 (ja) | 2010-04-09 | 2011-10-13 | 日本電気株式会社 | 無線通信システム、通信装置、複数基地局からの同時送信の制御方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5300052B2 (ja) | 2013-09-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5449156B2 (ja) | インク組成物 | |
Park et al. | Solvothermal synthesis and luminescence properties of Tb3+-doped gadolinium aluminum garnet | |
Yu et al. | Synthesis, structure, and peculiar green emission of NaBaBO 3: Ce 3+ phosphors | |
TWI471408B (zh) | 鋁氧化物螢光體及其製造方法 | |
Yoon et al. | Structural and photoluminescence properties of solution combustion-processed novel ZrO2 doped with Eu3+ and Al3+ | |
Seo et al. | Tunable single-phased white-emitting Sr3Y (PO4) 3: Dy3+ phosphors for near-ultraviolet white light-emitting diodes | |
Panatarani et al. | The crystallinity and the photoluminescent properties of spray pyrolized ZnO phosphor containing Eu2+ and Eu3+ ions | |
Park et al. | Enhanced green emission from Tb3+–Bi3+ co-doped GdAlO3 nanophosphors | |
Verma et al. | Structural characterization and effects of Dy concentration on luminescent properties of BaMgSiO4 phosphors | |
Shinde et al. | Photoluminescence characteristics of the single-host white-light-emitting Sr3− 3x/2 (VO4) 2: xEu (0≤ x≤ 0.3) phosphors for LEDs | |
KR20170023845A (ko) | 규산마그네슘의 현탁액, 그의 제조 방법 및 인광체로서의 그의 용도 | |
Murthy | Nano phosphors for light emitting diodes (LEDs) syntheses and characterization | |
TWI551668B (zh) | 改良式砲彈發光材料及其製造方法與光源 | |
Zhang et al. | Crystal structure, luminescence properties and thermal stability of novel Sr2CaLa (VO4) 3: Sm3+ phosphor synthesized by the combustion method | |
Mahalingam et al. | Effect of co-doping of alkali metal ions on Ca 0.5 RE 1− x (MoO 4) 2: x Eu 3+(RE= Y, La) phosphors with enhanced luminescence properties | |
Zuo et al. | Enhancement of upconversion emissions of NaYF4: Yb3+, Tm3+ nanoparticles by Ba2+ co-doping | |
Yang et al. | Tunable color emitting of Ba1-x-ySiO3: xEu, yBi3+ phosphors with the self-reduction of Eu3+ ions calcined in air | |
Liao et al. | Luminescence properties of ZrW2O8: Eu3+ nanophosphors for white light emitting diodes | |
US10619095B2 (en) | NASICON-structured phosphor and light emitting element comprising same luminesent materials | |
JP2008189761A (ja) | 微粒蛍光体の製造方法 | |
JP5300052B2 (ja) | 微粒蛍光体の製造方法 | |
CN1185306C (zh) | 掺杂硫化锌纳米粉的制备方法 | |
JP2011140585A (ja) | 微粒蛍光体の製造方法 | |
WO2010137533A1 (ja) | 表面処理蛍光体粒子の製造方法及び表面処理蛍光体粒子 | |
Kim et al. | Preparation and photoluminescence properties of transparent suspensions of Ca (Y1− xEux) 2 (MoO4) 4 nanophosphors |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110915 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121119 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121126 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130125 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130527 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130614 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5300052 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |