JP2010089292A - 熱転写受像シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 昇華型熱転写記録装置の特徴である高精細で中間調の色再現性、階調再現性を活かしつつ、印刷機器の小型化、省エネルギー化に寄与するために、断熱性を有し、印刷時の熱によるカールを防止する熱転写受像シートを提供する。
【解決手段】 少なくとも基紙、インク受容層、断熱層、バック層を有し、前記断熱層が前記基紙と前記インク受容層との間に設けられ、前記バック層が基紙の前記インク受容層が積層されたのとは反対側の面に積層されたことを特徴とする熱転写受像シート。
【選択図】 図1
【解決手段】 少なくとも基紙、インク受容層、断熱層、バック層を有し、前記断熱層が前記基紙と前記インク受容層との間に設けられ、前記バック層が基紙の前記インク受容層が積層されたのとは反対側の面に積層されたことを特徴とする熱転写受像シート。
【選択図】 図1
Description
本発明は、熱転写シート(インクリボン)と重ね合せ、サーマルヘッドをデバイスとして昇華性染料による色材を熱転写することにより画像を得る熱転写受像シートに関し、特に、画像の高濃度部分から低濃度部分まで、均一にむらなく記録画像を形成し、印字時のカール発生が起こりにくい熱転写受像シートに関する。
昇華型の熱転写記録方式は、フィルム上にイエロー、マゼンタ、シアンの3色、あるいはブラックを加えた4色の昇華性染料を塗布し染料層を設けた熱転写シート(以下、「インクリボン」と記す。)の染料層面と、支持体上に染料を受容するためのインク受容層を設けた被熱転写シート(「受容シート」、「熱転写受像シート」ともいう。以下、「熱転写受像シート」と記す。)のインク受容層面とを重ね合わせ、インクリボンの背面側から画像情報に応じてサーマルヘッドの加熱エネルギーを制御して、染料層中の昇華性染料をインク受容層中に移行させることにより、濃度階調の表現が優れ、フルカラー画像を形成する。昇華型の熱転写記録方式は、画質が極めて高精細で中間調の色再現性、階調再現性に優れることから、銀塩写真に匹敵するほど鮮明であること、印刷機器の大きさが他のフルカラー印刷方式用のものより小型にできること、等の特徴がある(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、画質をさらに高めようとすると、転写記録時の熱を安定的かつ高温にする必要があり、大きなエネルギーを必要とするため、加熱装置の大型化により印刷機器の小型の制約になるほか、省エネルギーとも反することとなる。
本発明は、昇華型熱転写記録装置の特徴である高精細で中間調の色再現性、階調再現性を活かしつつ、印刷機器の小型化、省エネルギー化に寄与するために、断熱性を有し、印刷時の熱によるカールを防止する熱転写受像シートを提供しようとするものである。
本発明は、下記の技術的構成により、上記課題を解決できたものである。
(1) 少なくとも基紙、インク受容層、断熱層、バック層を有し、前記断熱層が前記基紙と前記インク受容層との間に設けられ、前記バック層が基紙の前記インク受容層が積層されたのとは反対側の面に積層されたことを特徴とする熱転写受像シート。
(2) クッション層が前記基紙と前記インク受容層との間、または前記基紙と前記バック層との間に設けられたことを特徴とする前記(1)に記載の熱転写受像シート。
(3) 前記バック層が、鱗片状または板状のフィラーを含有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の熱転写受像シート。
(2) クッション層が前記基紙と前記インク受容層との間、または前記基紙と前記バック層との間に設けられたことを特徴とする前記(1)に記載の熱転写受像シート。
(3) 前記バック層が、鱗片状または板状のフィラーを含有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の熱転写受像シート。
本発明によれば、インク受容層のインク受容面とは反対側に断熱層を設けることにより、昇華型熱転写記録装置における印刷時のサーマルヘッドの熱を、インク受容層を通じて放熱することを防止できる。そして、断熱層が基紙の凹凸を吸収することによりインク受容層表面の平滑性を向上させることができ、インクリボンとインク受容層との密着性を向上させ、色むらのない高精彩で中間調の色再現性、階調再現性に優れる熱転写受像シートを提供できる。さらには、クッション層を設けることにより、カールを防止し、インクリボンとインク受容層との密着性をさらに向上させ、より色再現性に優れる熱転写受像シートを提供できる。
さらに、バック層が、鱗片状または板状のフィラーを含有することにより、バック層の防湿性を向上できるので、基紙等の吸湿によって引き起こされる熱転写受像シートのカール防止効果を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の熱転写受像シートの第一の形態は、図1で示すように、基紙1とインク受容層11の間に、断熱層としての樹脂層21を設け、基紙1のインク受容層11と反対側にバック層12を積層した構成となっている。
本発明の熱転写受像シートの第二の形態は、図2で示すように、基紙1とインク受容層11の間に、断熱層としての樹脂層21を設け、基紙1のインク受容層11と反対側に、クッション層としての樹脂層22とバック層12を順に積層した構成となっている。
本発明の熱転写受像シートの第三の形態は、図3で示すように、基紙1の一方の面にクッション層としての第二塗工層32、断熱層としての第一塗工層31、インク受容層11の順に積層し、基紙1のインク受容層11とは反対側の面にバック層12を積層した構成となっている。
本発明の熱転写受像シートの第一の形態は、図1で示すように、基紙1とインク受容層11の間に、断熱層としての樹脂層21を設け、基紙1のインク受容層11と反対側にバック層12を積層した構成となっている。
本発明の熱転写受像シートの第二の形態は、図2で示すように、基紙1とインク受容層11の間に、断熱層としての樹脂層21を設け、基紙1のインク受容層11と反対側に、クッション層としての樹脂層22とバック層12を順に積層した構成となっている。
本発明の熱転写受像シートの第三の形態は、図3で示すように、基紙1の一方の面にクッション層としての第二塗工層32、断熱層としての第一塗工層31、インク受容層11の順に積層し、基紙1のインク受容層11とは反対側の面にバック層12を積層した構成となっている。
本発明に用いられるインク受容層11は、色材を染着し易い樹脂を主成分とし、必要に応じて離型剤などの各種添加剤を加えることが出来る。染着し易い樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステルなどのビニル系樹脂、及びその共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレンなどのオレフインと他のビニル系モノマーとの共重合体、アイオノマー、セルロース誘導体などの単体、又は混合物を用いることができ、これらの中でもハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル等のビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が好ましく用いられる。
インク受容層11は、画像を形成する時にインクリボンとの熱融着を防ぐために、離型剤を配合することが好ましい。離型剤は、シリコーンオイル、リン酸エステル系可塑剤、フッ素系化合物を用いることができるが、この中でもコストや長期安定性の面からシリコーンオイルが好ましく用いられる。離型剤の添加量は、インク受容層を構成する樹脂100質量部に対して0.01〜20質量部が好ましい。0.01質量部未満では十分な離型効果が発現できず、画像形成時にインクリボンへ熱融着する恐れがある。20質量部を超えると、過剰な離型剤が表面に染み出す恐れがある。
インク受容層11は、画像を形成する時にインクリボンとの熱融着を防ぐために、離型剤を配合することが好ましい。離型剤は、シリコーンオイル、リン酸エステル系可塑剤、フッ素系化合物を用いることができるが、この中でもコストや長期安定性の面からシリコーンオイルが好ましく用いられる。離型剤の添加量は、インク受容層を構成する樹脂100質量部に対して0.01〜20質量部が好ましい。0.01質量部未満では十分な離型効果が発現できず、画像形成時にインクリボンへ熱融着する恐れがある。20質量部を超えると、過剰な離型剤が表面に染み出す恐れがある。
インク受容層11中には、必要に応じて各種の添加剤を添加することが出来る。例えば、白色性を向上させる目的で、蛍光増白剤や白色顔料を受容層に添加することが出来る。
前記蛍光増白剤としては、アミノスチルベンのスルホン酸誘導体系、イミダゾール系、オキサゾール系、トリアゾール系、クマリン系、ナフタルイミド系、ピラゾリン系等を用いることが出来る。また、蛍光増白剤は顔料100質量部に対して0.5〜10質量部含有するのが好ましい。0.5質量部未満では白色性を向上させる効果が不十分となる恐れがある。10質量部を超えて添加してもそれ以上の白色性向上の効果は期待できず、コスト高になるだけでなく、熱転写受像シートの普通紙に近い風合いを損ねる恐れもある。
前記蛍光増白剤としては、アミノスチルベンのスルホン酸誘導体系、イミダゾール系、オキサゾール系、トリアゾール系、クマリン系、ナフタルイミド系、ピラゾリン系等を用いることが出来る。また、蛍光増白剤は顔料100質量部に対して0.5〜10質量部含有するのが好ましい。0.5質量部未満では白色性を向上させる効果が不十分となる恐れがある。10質量部を超えて添加してもそれ以上の白色性向上の効果は期待できず、コスト高になるだけでなく、熱転写受像シートの普通紙に近い風合いを損ねる恐れもある。
また、熱転写受像シートがプリンターでの搬送や積層等の場合における帯電を防止するために、帯電防止剤をインク受容層11中に添加することが出来る。このような帯電制御剤の例としては、後述するバック層12に用いることができる帯電制御剤として例示したものが同様に挙げられる。
インク受容層11の形成は、エアナイフコート法、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法、グラビアリバースコート法やエクスルジョンコート法などの一般的な塗工方法で行われる。そして、その塗工量は、0.5〜30g/m2が好ましい。0.5g/m2未満の場合、熱転写されるインクを保持しきれずに画像濃度の低下やにじみが発生する恐れがある。30g/m2を超えて厚くなればなるほど一回の塗工時の塗料が多くなりすぎて塗工の制御がより難しくなるために、熱転写受像シートの厚さや平滑性が不均一になる恐れがあるだけでなく、塗料を無駄に多く使用するためにコスト高となる。
本発明に用いられる基紙1は、発泡フィルムと比較して熱収縮などの熱安定性や表面平滑性、更には、耐水性に優れるシート状材料が好ましく使用できる。具体的には、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、グラシン紙、写真印画紙原紙などの天然パルプを含む紙が、風合いの良さ、こしの強さにおいて普通紙と同等に扱いやすく、平滑性もあり好ましい。特に写真印画紙原紙は、耐水性が高く表面の平滑性を有しているため、基紙に適している。また、天然パルプを用いた紙は、その耐水性を向上する目的で、耐水性のある樹脂類を含浸することができ、このような含浸紙は基紙として好ましく使用できる。該耐水性のある樹脂類としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリエステル類、パラフィン等のワックス類等の樹脂類が挙げられる。これらの樹脂のひとつもしくは任意の複数を任意の比率で有機溶剤に溶解し、天然パルプを用いた紙に含浸させることにより、前記含浸紙を得ることが出来る。
基紙1として天然パルプを用いた紙を用いる場合、基紙のインク受容層11を設ける側の面に熱カレンダー処理を行うことができる。基紙1の表面に、高温のロール金属面が接するように熱カレンダー処理することによって、平滑性が優れた表面を形成することができる。
前記金属表面としては、例えば、金属ロールの表面を使用することができる。このような金属表面を使用するカレンダー処理は、例えば、少なくとも一方のロールを金属ロールとする、一対のカレンダーロールを使用することによって行うことができる。
このようなカレンダーロールとしては、例えば、金属ロールと、合成樹脂ロールとの組合せからなるソフトカレンダーロール、一対の金属ロールからなるマシンカレンダーロール等が挙げられる。これらの中でも、ソフトカレンダーロールが好適であり、特に、金属ロールと、合成樹脂ベルトを介したシューロールからなるロングニップのシューカレンダーが50〜270mmの長いニップ幅をとることができ、原紙とロールとの接触面積が増大することから好適である。なお、前記カレンダー処理は、上記カレンダー処理を、単独でも、組合せても使用できる。
前記熱カレンダー処理は、カレンダー装置の種類を問わず、画像形成面に金属ロールが接するように通紙し、適当な送紙速度に設定してカレンダリング処理する。熱カレンダーを施す際の前記金属ロールの表面温度は、110℃〜200℃が適当である。110℃未満では基紙中に水分が残留しやすく、熱転写受像シート表面にシワや凹凸が発生する原因となる恐れがある。200℃を超えると、基紙1が焦げて原材料として使用できなくなる恐れがある。前記原紙をソフトカレンダー処理する際のニップ圧としては、例えば、100〜600kN/mが好適である。
前記金属表面としては、例えば、金属ロールの表面を使用することができる。このような金属表面を使用するカレンダー処理は、例えば、少なくとも一方のロールを金属ロールとする、一対のカレンダーロールを使用することによって行うことができる。
このようなカレンダーロールとしては、例えば、金属ロールと、合成樹脂ロールとの組合せからなるソフトカレンダーロール、一対の金属ロールからなるマシンカレンダーロール等が挙げられる。これらの中でも、ソフトカレンダーロールが好適であり、特に、金属ロールと、合成樹脂ベルトを介したシューロールからなるロングニップのシューカレンダーが50〜270mmの長いニップ幅をとることができ、原紙とロールとの接触面積が増大することから好適である。なお、前記カレンダー処理は、上記カレンダー処理を、単独でも、組合せても使用できる。
前記熱カレンダー処理は、カレンダー装置の種類を問わず、画像形成面に金属ロールが接するように通紙し、適当な送紙速度に設定してカレンダリング処理する。熱カレンダーを施す際の前記金属ロールの表面温度は、110℃〜200℃が適当である。110℃未満では基紙中に水分が残留しやすく、熱転写受像シート表面にシワや凹凸が発生する原因となる恐れがある。200℃を超えると、基紙1が焦げて原材料として使用できなくなる恐れがある。前記原紙をソフトカレンダー処理する際のニップ圧としては、例えば、100〜600kN/mが好適である。
基紙1として、プラスチックフィルムを使用することもできる。該プラスチックフィルムとしては、前記樹脂層に適用できる発泡フィルムと同様の材料からなるフィルムが利用できるが、未発泡のフィルムを用いることができ、透明でもよいが、普通紙と同様に扱えるような隠蔽性を得るには有色に着色もしくは加工したフィルムを用いることが好ましく、特にフルカラー熱転写画像の色彩を良く再現する熱転写受像シート用の基紙とするためには白色フィルムを用いることが好ましい。
基紙の厚さは20〜300μm程度が好ましい。20μmより薄すぎると紙のような風合いやこしが低下し、また、300μmより厚すぎると、カールの発生や、インク受容層11の感度低下が起こり好ましくない。
基紙の厚さは20〜300μm程度が好ましい。20μmより薄すぎると紙のような風合いやこしが低下し、また、300μmより厚すぎると、カールの発生や、インク受容層11の感度低下が起こり好ましくない。
本発明に用いられる断熱層は、濃度、鮮明性、淡色部のムラに影響するため、断熱性のほか、耐熱性、光沢性、平滑性に優れることが必要であり、さらにはクッション性を有することが好ましい。
断熱層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、ポリブテンー1、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド等の樹脂類からなる樹脂フィルムにより形成することが出来る。そして、断熱性やクッション性を向上させるために、内部に気泡を持つ発泡フィルムを用いることが好ましい。このような発泡フィルムとしては、発泡ポリプロンピレンシート(発泡OPP)等を用いることが出来、合成紙ユポ(王子油化合成紙社製)、トヨパールSS(東洋紡績社製)、パイレンフィルム(東洋紡績社製)、クリスパー(東洋紡績社製)、W−900(ダイヤホイルヘキスト社製)、E−60(東レ社製)などが挙げられる。
断熱層として樹脂フィルム類を用いる場合は、20〜100μm程度の厚さが好ましく、30〜80μmが特に好ましい。20μmより薄すぎると断熱性やクッション性が悪く、感度や濃度が低下してしまう。また、100μmより厚すぎるとカールが発生し好ましくない。
断熱層として樹脂フィルムを用いる場合、断熱層と基紙1との間の接合は、熱圧着して積層しても良いし、より接合力を高めるために酢酸ビニル系樹脂やアクリル系樹脂などのエマルジョン糊、反応硬化型のウレタン系接着剤、熱溶融した熱可塑性樹脂を用い、公知のウエットラミネーション法やドライラミネーション法で断熱層と基紙とを接着することにより積層しても良い。
断熱層として樹脂フィルム類を用いる場合は、20〜100μm程度の厚さが好ましく、30〜80μmが特に好ましい。20μmより薄すぎると断熱性やクッション性が悪く、感度や濃度が低下してしまう。また、100μmより厚すぎるとカールが発生し好ましくない。
断熱層として樹脂フィルムを用いる場合、断熱層と基紙1との間の接合は、熱圧着して積層しても良いし、より接合力を高めるために酢酸ビニル系樹脂やアクリル系樹脂などのエマルジョン糊、反応硬化型のウレタン系接着剤、熱溶融した熱可塑性樹脂を用い、公知のウエットラミネーション法やドライラミネーション法で断熱層と基紙とを接着することにより積層しても良い。
また、断熱層は、天然ゴム、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリイソブチレン(ブチルゴム )ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等のポリアクリル酸エステル類を二種以上混合し、あるいは、共重合し、エマルジョンや有機溶媒に溶解した溶解液を塗工して形成することもできる。
塗工方法としては、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、ダイコーターなどの公知の塗工方法で行うことが出来る。そして、その塗工量は、1〜30g/m2が好ましい。1g/m2未満では十分な断熱効果及びクッション効果が得られず、30g/m2未満を超えると一回の塗工時の塗料が多くなりすぎて塗工の制御がより難しくなるために、熱転写受像シートの厚さや表面の平滑性が不均一になる恐れがある。
本発明では、断熱層にクッション性を有することが好ましいが、クッション層を別に設けることができる。
本発明に用いられるクッション層には、断熱層の材料を用いることが出来る。そして、クッション性を更に向上する目的で、シリカ、アルミナ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン等の無機顔料、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリウレタン、尿素樹脂、フェノール樹脂等の有機顔料を添加することが好ましい。そして、その含有量は、クッション層を構成する樹脂類100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましい。
クッション層を塗工法で形成する場合、断熱層と同様、一般的な塗工方法で行なうことが出来、その塗工量は、2〜60g/m2が好ましい。
クッション層を塗工法で形成する場合、断熱層と同様、一般的な塗工方法で行なうことが出来、その塗工量は、2〜60g/m2が好ましい。
本発明に用いられるバック層は、熱転写受像シートのプリンター通紙性、帯電防止、カール防止、筆記性等の目的で設けられる。バック層は、少なくとも樹脂バインダー、滑剤を含む。バック層の樹脂バインダーとしては、ポリエステル、スチレン・ブタジエン系ラテックス、ポリブタジエン系ラテックス、イソプレン系ラテックス、アクリロニトリル・ブタジエン系ラテックス、アクリレート系ラテックス、塩素化ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、硝化綿、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂が単独もしくは任意の複数を任意の比率で混合されて用いられる。滑剤としては、シリコーン、流動パラフィン、低分子ポリエチレンなどの炭化水素、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、多価アルコールの脂肪酸エステル、リン酸エステル系可塑剤、その他金属せっけん等が単独もしくは任意の複数を任意の比率で混合されて用いられる。
バック層には、必要に応じて帯電防止剤を加えことができる。バック層に用いることのできる帯電防止剤としては、前記インク受容層の場合と同様に、一般的に使用されている帯電防止剤が使用できる。例えばカルボン酸、スルホネート、サルフェート等のアニオン系低分子型帯電防止剤、4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩等のカチオン系低分子型帯電防止剤、多価アルコール誘導体、ポリアルキレンオキシド誘導体等の非イオン系低分子型帯電防止剤、両性系帯電防止剤、ホウ素化合物、含窒素化合物、含硫黄化合物、グアニジン塩等の帯電防止剤、錯化合物系帯電防止剤、脂肪族化合物、芳香族化合物等の帯電防止性可塑剤、ポリエチレンオキシド、4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート共重合体、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、カルボベタイングラフト共重合体、高分子電荷移動型結合体等の高分子型帯電防止剤、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤型帯電防止剤、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤型帯電防止剤、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤型帯電防止剤、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン等の両性界面活性剤型帯電防止剤、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン等の導電性高分子、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄等の金属フィラー、カーボン、導電性ウィスカ等があるが、これに限られるものでは無い。これら帯電防止剤は、必要に応じて2種以上を混合して使用してもよい。
さらに、熱転写受像シートのカールを防止する目的で、鱗片状または板状のフィラーを加えことができる。鱗片状または板状のフィラーとしては、扁平クレー、雲母等が挙げられる。これらを加えることでバック層の防湿性を向上させることができ、結果として熱転写受像シートのカールを防止することができる。
さらに、熱転写受像シートのカールを防止する目的で、鱗片状または板状のフィラーを加えことができる。鱗片状または板状のフィラーとしては、扁平クレー、雲母等が挙げられる。これらを加えることでバック層の防湿性を向上させることができ、結果として熱転写受像シートのカールを防止することができる。
バック層の形成方法は、前記構成成分の吹き付け、塗工、ラミネーション、CVD等の任意の一般的な成膜方法により行われる。特に塗工の場合は、エアナイフコート法、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法、グラビアリバースコート法やエクスルジョンコート法などの一般的な塗工方法で行われる。そして、その塗工量は、0.5〜30g/m2の範囲であれば、バック層の十分な通紙性向上効果、帯電防止効果、カール防止効果、筆記性向上効果等が得られるので、好ましい。0.5g/m2未満の場合、バック層の厚さが不足して、通紙性、帯電防止、カール防止、筆記性等において十分な効果が得られなくなる恐れがある。また、30g/m2を超えて厚くしてもバック層の奏する効果は大きく変化せず、コスト高となる。
バック層と接する基紙1(図1、3の構成)もしくは樹脂層22(図2の構成)の表面に予め前処理としてコロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理などの表面処理を施してからバック層を塗工すると、バック層12と、基紙1もしくは樹脂層22との密着性(以下、単に「バック層の密着性」と記す。)をより高めることができる。
また、バック層の密着性を高めるために、基紙1(図1、3の構成)もしくは樹脂層22(図2の構成)とバック層12との間には、両層の密着性を向上させる目的で、必要に応じてプライマー層を設けても良い。該接着プライマー層としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂あるいは官能基をもつ熱可塑性樹脂を各種の硬化剤その他の手法を用いて硬化させた層を用いることができる。具体的には、ポリエステル、塩素化ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アイオノマー、単官能及び/又は多官能水酸基を含有するプレポリマーをイソシアネートなどで硬化させた樹脂などが使用できる。プライマー層を形成する際の塗工量は0.1〜2g/m2が好ましい。
さらにまた、バック層の密着性を高めるために前記表面処理とプライマー層の設置とを併用しても良く、すなわち、基紙1(図1、3の構成)もしくは樹脂層22(図2の構成)に前記表面処理に加えてプライマー層を設けてからバック層12を形成しても良い。
また、バック層の密着性を高めるために、基紙1(図1、3の構成)もしくは樹脂層22(図2の構成)とバック層12との間には、両層の密着性を向上させる目的で、必要に応じてプライマー層を設けても良い。該接着プライマー層としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂あるいは官能基をもつ熱可塑性樹脂を各種の硬化剤その他の手法を用いて硬化させた層を用いることができる。具体的には、ポリエステル、塩素化ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アイオノマー、単官能及び/又は多官能水酸基を含有するプレポリマーをイソシアネートなどで硬化させた樹脂などが使用できる。プライマー層を形成する際の塗工量は0.1〜2g/m2が好ましい。
さらにまた、バック層の密着性を高めるために前記表面処理とプライマー層の設置とを併用しても良く、すなわち、基紙1(図1、3の構成)もしくは樹脂層22(図2の構成)に前記表面処理に加えてプライマー層を設けてからバック層12を形成しても良い。
本願発明の第一の形態(図1)および第二の形態(図2)において、樹脂層21の表面に予め前処理としてコロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理などの表面処理を施してからインク受容層11を塗工すると、インク受容層11と樹脂層21との密着性(以下、単に「インク受容層の密着性」と記す)をより高めることができる。
また、本願発明の第一の形態(図1)および第二の形態(図2)において、インク受容層の密着性を高めるために、インク受容層11と樹脂層21との間には、両層の密着性を向上させる目的で、必要に応じてプライマー層を設けても良い。該接着プライマー層としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂あるいは官能基をもつ熱可塑性樹脂を各種の硬化剤その他の手法を用いて硬化させた層を用いることができる。具体的には、ポリエステル、塩素化ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アイオノマー、単官能及び/又は多官能水酸基を含有するプレポリマーをイソシアネートなどで硬化させた樹脂などが使用できる。プライマー層を形成する際の塗工量は0.1〜2g/m2が好ましい。
さらにまた、本願発明の第一の形態(図1)および第二の形態(図2)において、インク受容層の密着性を高めるために前記表面処理とプライマー層の設置とを併用しても良く、すなわち、樹脂層21に前記表面処理に加えてプライマー層を設けてからインク受容層11を形成しても良い。
また、本願発明の第一の形態(図1)および第二の形態(図2)において、インク受容層の密着性を高めるために、インク受容層11と樹脂層21との間には、両層の密着性を向上させる目的で、必要に応じてプライマー層を設けても良い。該接着プライマー層としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂あるいは官能基をもつ熱可塑性樹脂を各種の硬化剤その他の手法を用いて硬化させた層を用いることができる。具体的には、ポリエステル、塩素化ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アイオノマー、単官能及び/又は多官能水酸基を含有するプレポリマーをイソシアネートなどで硬化させた樹脂などが使用できる。プライマー層を形成する際の塗工量は0.1〜2g/m2が好ましい。
さらにまた、本願発明の第一の形態(図1)および第二の形態(図2)において、インク受容層の密着性を高めるために前記表面処理とプライマー層の設置とを併用しても良く、すなわち、樹脂層21に前記表面処理に加えてプライマー層を設けてからインク受容層11を形成しても良い。
以下に、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
坪量128g/m2の原紙(王子製紙社製、商品名:マシュマロ)に、アクリル樹脂(藤倉化成社製、商品名LH−101)30部をトルエン70部に溶解させバーコーターで10g/m2の塗布し、原紙内部に含浸させることにより耐水性を付与した基紙1を調整した。
インク受容層11は、メチルエチルケトン100質量部に塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合樹脂(日信化学社製、商品名:ソルバインCN)15質量部、シリコーンオイル(東芝シリコーン社製、商品名:TSF−4420)0.09質量部、蛍光増白剤(日化社製、商品名:SC200)0.1質量部を加えた塗工液を、樹脂層21として発泡フィルム(東洋紡社製、商品名:クリスパー、50μm)にバーコーターで塗布量5g/m2にて塗工し調整した。
次いで、バック層12を、水100質量部に扁平クレー(山陽クレー工業社製、商品名:MCクレー)224質量部、SBR(旭化成社製、商品名:RL−500)128質量部、メラミン樹脂(住友化学社製、商品名:M−3)13質量部、帯電防止剤(アデカ社製、商品名:アデカミン4MAC−30)3質量部を加えた塗工液を、基紙1にバーコーターで塗布量15g/m2にて塗工し、バック層付き基紙を調整した。
前記インク受容層11を塗工した樹脂層21とバック層付き基紙との接着は、酢酸エチル100質量部に、ウレタン系接着剤(三井化学ポリウレタン社製、商品名:タケラックA−367−H及びタケネートA−7)66質量部及び3.5質量部を加えた塗工液を、樹脂層22の裏面にバーコーターで塗布量8g/m2にて塗工した後、ドライラミ法により積層し、図1に示した本発明による実施例1の熱転写受像シートを作製した。
坪量128g/m2の原紙(王子製紙社製、商品名:マシュマロ)に、アクリル樹脂(藤倉化成社製、商品名LH−101)30部をトルエン70部に溶解させバーコーターで10g/m2の塗布し、原紙内部に含浸させることにより耐水性を付与した基紙1を調整した。
インク受容層11は、メチルエチルケトン100質量部に塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合樹脂(日信化学社製、商品名:ソルバインCN)15質量部、シリコーンオイル(東芝シリコーン社製、商品名:TSF−4420)0.09質量部、蛍光増白剤(日化社製、商品名:SC200)0.1質量部を加えた塗工液を、樹脂層21として発泡フィルム(東洋紡社製、商品名:クリスパー、50μm)にバーコーターで塗布量5g/m2にて塗工し調整した。
次いで、バック層12を、水100質量部に扁平クレー(山陽クレー工業社製、商品名:MCクレー)224質量部、SBR(旭化成社製、商品名:RL−500)128質量部、メラミン樹脂(住友化学社製、商品名:M−3)13質量部、帯電防止剤(アデカ社製、商品名:アデカミン4MAC−30)3質量部を加えた塗工液を、基紙1にバーコーターで塗布量15g/m2にて塗工し、バック層付き基紙を調整した。
前記インク受容層11を塗工した樹脂層21とバック層付き基紙との接着は、酢酸エチル100質量部に、ウレタン系接着剤(三井化学ポリウレタン社製、商品名:タケラックA−367−H及びタケネートA−7)66質量部及び3.5質量部を加えた塗工液を、樹脂層22の裏面にバーコーターで塗布量8g/m2にて塗工した後、ドライラミ法により積層し、図1に示した本発明による実施例1の熱転写受像シートを作製した。
[実施例2]
インク受容層11は、実施例1と同様の方法で樹脂層21に塗工して調整した。
バック層12を、実施例1に記載と同様の塗工液を用い、樹脂層22として透明PETフィルム(ユニチカ社製、商品名:エンブレムS−25、25μm)にバーコーターで塗布量5g/m2で塗工し調整した。
基紙1とインク受容層11を塗工した樹脂層21及びバック層12を塗工した樹脂層22との接着を、それぞれ酢酸エチル100質量部に、ウレタン系接着剤(三井化学ポリウレタン社製、商品名:タケラックA−367−H及びタケネートA−7)66質量部及び3.5質量部を加えた塗工液を、樹脂層22の裏面にバーコーターで塗布量8g/m2にて塗工した後、ドライラミ法により基紙1と積層し、図2に示した本発明による実施例2の熱転写受像シートを作製した。
インク受容層11は、実施例1と同様の方法で樹脂層21に塗工して調整した。
バック層12を、実施例1に記載と同様の塗工液を用い、樹脂層22として透明PETフィルム(ユニチカ社製、商品名:エンブレムS−25、25μm)にバーコーターで塗布量5g/m2で塗工し調整した。
基紙1とインク受容層11を塗工した樹脂層21及びバック層12を塗工した樹脂層22との接着を、それぞれ酢酸エチル100質量部に、ウレタン系接着剤(三井化学ポリウレタン社製、商品名:タケラックA−367−H及びタケネートA−7)66質量部及び3.5質量部を加えた塗工液を、樹脂層22の裏面にバーコーターで塗布量8g/m2にて塗工した後、ドライラミ法により基紙1と積層し、図2に示した本発明による実施例2の熱転写受像シートを作製した。
[実施例3]
SBR(JSR社製、商品名:0623A)100質量部に、シリカ(水澤化学社製、商品名:ミズカシル78A)100質量部を加えた塗工液を、実施例1に記載の基紙1にバーコーターで塗布量15g/m2にて塗工し第二塗工層32とした。続けて、第二塗工層32の上面に、SBR(JSR社製、商品名:0623A)をバーコーターで塗布量5g/m2にて塗工し第一塗工層31とした。続けて、基紙1の反対側の面に実施例1に記載のバック層12をバーコーターで塗布量15g/m2にて塗工した。最後に、第一塗工層31の上面に実施例1に記載のインク受容層11をバーコーターで塗布量5g/m2にて塗工し、図3に示した本発明による実施例3の熱転写受像シートを作製した。
SBR(JSR社製、商品名:0623A)100質量部に、シリカ(水澤化学社製、商品名:ミズカシル78A)100質量部を加えた塗工液を、実施例1に記載の基紙1にバーコーターで塗布量15g/m2にて塗工し第二塗工層32とした。続けて、第二塗工層32の上面に、SBR(JSR社製、商品名:0623A)をバーコーターで塗布量5g/m2にて塗工し第一塗工層31とした。続けて、基紙1の反対側の面に実施例1に記載のバック層12をバーコーターで塗布量15g/m2にて塗工した。最後に、第一塗工層31の上面に実施例1に記載のインク受容層11をバーコーターで塗布量5g/m2にて塗工し、図3に示した本発明による実施例3の熱転写受像シートを作製した。
[実施例4]
樹脂層21にコロナ放電処理を施してからインク受容層11を塗工した以外は実施例1に記載したのと同様の方法で図1に示した本発明による実施例4の熱転写受像シートを作製した。この際のコロナ放電処理は、ライン式コロナ放電処理装置を用い、ラインスピード10m/分で移動させながら、インク受容層形成側の面に出力強度600Wで行った。
樹脂層21にコロナ放電処理を施してからインク受容層11を塗工した以外は実施例1に記載したのと同様の方法で図1に示した本発明による実施例4の熱転写受像シートを作製した。この際のコロナ放電処理は、ライン式コロナ放電処理装置を用い、ラインスピード10m/分で移動させながら、インク受容層形成側の面に出力強度600Wで行った。
[実施例5]
樹脂層21にコロナ放電処理を施してからインク受容層11を塗工した以外は実施例2に記載したのと同様の方法で図2に示した本発明による実施例5の熱転写受像シートを作製した。この際のコロナ放電処理は、ライン式コロナ放電処理装置を用い、ラインスピード10m/分で移動させながら、インク受容層形成側の面に出力強度600Wで行った。
樹脂層21にコロナ放電処理を施してからインク受容層11を塗工した以外は実施例2に記載したのと同様の方法で図2に示した本発明による実施例5の熱転写受像シートを作製した。この際のコロナ放電処理は、ライン式コロナ放電処理装置を用い、ラインスピード10m/分で移動させながら、インク受容層形成側の面に出力強度600Wで行った。
[比較例1]
基紙1の一方の面に直接インク受容層11を形成したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の熱転写受像シートを作製した。
基紙1の一方の面に直接インク受容層11を形成したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の熱転写受像シートを作製した。
上記の方法で作製した実施例1〜5及び比較例1の熱転写受像シートそれぞれについて、印刷時の画像、カール、耐水性を評価した。
<印刷時の画像>
キャノン社製昇華型プリンター(商品名:セルフィーES2)で、はがきサイズ(100mm×148mm)で高濃度画像から低濃度画像まで印字し、記録濃度、色飛び、画像の精細さ、印字ムラを総合的に目視で確認した。
○:均一にむらが無く鮮明であった。
×:濃度が不足し、精細さが不十分であった。
<カール>
ベタ画像を印刷し、熱転写受像シートのカールを目視で確認した。
◎:カールなし。
○:実用上問題なし。
×:ややカールがあった。
キャノン社製昇華型プリンター(商品名:セルフィーES2)で、はがきサイズ(100mm×148mm)で高濃度画像から低濃度画像まで印字し、記録濃度、色飛び、画像の精細さ、印字ムラを総合的に目視で確認した。
○:均一にむらが無く鮮明であった。
×:濃度が不足し、精細さが不十分であった。
<カール>
ベタ画像を印刷し、熱転写受像シートのカールを目視で確認した。
◎:カールなし。
○:実用上問題なし。
×:ややカールがあった。
<耐水性>
作製したシートを5cm角に裁断し、水性インク(パイロット社製、商品名:インキ/レッド)を10%溶解した水溶液に48時間浸漬し、シートの端部からの水の浸入距離を定規で測定する。
○:水の浸入距離が1mm以下であった。
×:水の浸入距離が1mmを超えていた。
作製したシートを5cm角に裁断し、水性インク(パイロット社製、商品名:インキ/レッド)を10%溶解した水溶液に48時間浸漬し、シートの端部からの水の浸入距離を定規で測定する。
○:水の浸入距離が1mm以下であった。
×:水の浸入距離が1mmを超えていた。
実施例1〜5はすべての評価項目において良好な結果を示した。特に実施例2、3、5はカールの評価において優れていた。
比較例1は画像が不安定でカールが発生し、耐水性もなかった。
比較例1は画像が不安定でカールが発生し、耐水性もなかった。
以上のように、本発明によれば、熱転写受像シートのインク受容層のインク受容面とは反対側に断熱層を設けることにより、昇華型熱転写記録装置における印刷時のサーマルヘッドの熱が基紙側へ放熱されることを防止でき、この熱が十分にインク受容層に留まるようになる結果、インクリボンをサーマルヘッド側とインク受容層側の両側から十分に加熱できるようになり、インクリボン表面の昇華性染料の揮発を効率よく促進することができるようになり、十分な記録濃度による良好な発色及び高精細の画像を得ることができる。
加えて、放熱が防止されることによりサーマルヘッドの温度維持安定化のために必要なエネルギーが抑制され、昇華型熱転写記録装置の省エネルギー化に役立つ。
また、熱転写受像シートの断熱層は基紙の凹凸を吸収することにも寄与するので、インク受容層表面の平滑性を向上させることができ、インクリボンとインク受容層との密着性を向上させ、色むらのない高精彩で中間調の色再現性、階調再現性に優れる熱転写受像シートを提供できる。
加えて、放熱が防止されることによりサーマルヘッドの温度維持安定化のために必要なエネルギーが抑制され、昇華型熱転写記録装置の省エネルギー化に役立つ。
また、熱転写受像シートの断熱層は基紙の凹凸を吸収することにも寄与するので、インク受容層表面の平滑性を向上させることができ、インクリボンとインク受容層との密着性を向上させ、色むらのない高精彩で中間調の色再現性、階調再現性に優れる熱転写受像シートを提供できる。
さらには、熱転写受像シートにクッション層を設けることにより、カールを防止するとともに、インクリボンとインク受容層との密着性がより向上してサーマルヘッドの押し付け圧力を均一化し、より色再現性に優れる熱転写受像シートを提供できる。
なお、クッション層を基紙とインク受容層との間に設置する場合、色再現性への効果が大きくなり、クッション層を基紙とバック層との間に設置する場合、カール防止への効果が大きくなる。
なお、クッション層を基紙とインク受容層との間に設置する場合、色再現性への効果が大きくなり、クッション層を基紙とバック層との間に設置する場合、カール防止への効果が大きくなる。
さらに、バック層が、鱗片状または板状のフィラーを含有することにより、バック層の防湿性を向上できるので、基紙等の吸湿によって引き起こされる熱転写受像シートのカール防止効果を高めることができる。
1 基紙
11 インク受容層
12 バック層
21、22 樹脂層
31 塗工層1
32 塗工層2
11 インク受容層
12 バック層
21、22 樹脂層
31 塗工層1
32 塗工層2
Claims (3)
- 少なくとも基紙、インク受容層、断熱層、バック層を有し、前記断熱層が前記基紙と前記インク受容層との間に設けられ、前記バック層が基紙の前記インク受容層が積層されたのとは反対側の面に積層されたことを特徴とする熱転写受像シート。
- クッション層が前記基紙と前記インク受容層との間、または前記基紙と前記バック層との間に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
- 前記バック層が、鱗片状または板状のフィラーを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008259108A JP2010089292A (ja) | 2008-10-03 | 2008-10-03 | 熱転写受像シート |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2008259108A JP2010089292A (ja) | 2008-10-03 | 2008-10-03 | 熱転写受像シート |
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JP2008259108A Withdrawn JP2010089292A (ja) | 2008-10-03 | 2008-10-03 | 熱転写受像シート |
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JP (1) | JP2010089292A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019098647A (ja) * | 2017-12-05 | 2019-06-24 | 凸版印刷株式会社 | 昇華転写用受像シート |
JP2020062817A (ja) * | 2018-10-17 | 2020-04-23 | 凸版印刷株式会社 | 昇華転写用受像シート |
-
2008
- 2008-10-03 JP JP2008259108A patent/JP2010089292A/ja not_active Withdrawn
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