JP2010088263A - 電動機の磁極位置推定装置 - Google Patents

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Daisuke Hoshino
大介 星野
Masahiko Akiyama
雅彦 秋山
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Abstract


【課題】処理負荷の増大を防止しつつ、装置構成に要する費用を削減する。
【解決手段】電動機の磁極位置推定装置10のモータ制御装置14は、パルス幅変調信号をキャリア信号により生成し、キャリア信号の最大および最小におけるU相電流iuの電流値(iu−,iu+)を検出または推定し、U相電流iuの電流値(iu−,iu+)の偏差からU相電流高調波成分ΔIuhを算出し、キャリア信号の最大および最小におけるV相電流ivの電流値(iv−,iv+)を検出または推定し、V相電流の電流値(iv−,iv+)の偏差からV相電流高調波成分ΔIvhを算出し、U相電流高調波成分ΔIuhとV相電流高調波成分ΔIvhとに基づいて、W相電流高調波成分ΔIwhを算出し、各相電流高調波成分ΔIuh,ΔIvh,ΔIwhに基づいて、モータ11の磁極位置θを推定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動機の磁極位置推定装置に関する。
従来、例えば単相または三相の三角波の搬送波によりPWM(パルス幅変調)信号を生成するインバータによってモータを駆動する際に、インバータの直流側電流を検出して各相毎に高調波成分を算出し、各相毎の高調波成分に基づきモータの磁極位置を推定する磁極位置推定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来、例えば単相または三相の三角波の搬送波によりPWM(パルス幅変調)信号を生成するインバータによってモータを駆動する際に、モータの各相電流を検出して各相毎に高調波成分を算出し、各相毎の高調波成分に基づきモータの磁極位置を推定する磁極位置推定装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−278389号公報 特開2006−230056号公報
ところで、上記従来技術に係る磁極位置推定装置において、単に、各相毎に、三角波の搬送波の山側頂点と谷側頂点とで直流側電流を検出して高調波成分を算出するだけでは、3相交流のモータでは制御周期毎に6回の異なるタイミングで直流側電流を検出する必要があり、処理負荷が増大してしまうという問題が生じる。
また、上記従来技術に係る磁極位置推定装置において、単に、モータの各相毎に設けられた相電流センサによって各相電流を検出して各相毎に高調波成分を算出するだけでは、3個の相電流センサを備える必要があり、装置構成に要する費用が嵩むという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、処理負荷の増大を防止しつつ、装置構成に要する費用を削減することが可能な電動機の磁極位置推定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1態様に係る電動機の磁極位置推定装置は、パルス幅変調信号により3相交流の電動機(例えば、実施の形態でのモータ11)への通電を順次転流させるインバータ(例えば、実施の形態でのインバータ13)と、前記パルス幅変調信号を搬送波信号により生成するパルス幅変調信号生成手段(例えば、実施の形態でのモータ制御装置14)と、前記搬送波信号の最大および最小における第1の相電流の電流値を検出または推定し、該第1の相電流の電流値の偏差から第1の高調波成分を算出する第1高調波成分算出手段(例えば、実施の形態でのモータ制御装置14が兼ねる)と、前記搬送波信号の最大および最小における第2の相電流の電流値を検出または推定し、該第2の相電流の電流値の偏差から第2の高調波成分を算出する第2高調波成分算出手段(例えば、実施の形態でのモータ制御装置14が兼ねる)と、前記第1の高調波成分と前記第2の高調波成分とに基づいて、第3の高調波成分を算出する第3高調波成分算出手段(例えば、実施の形態でのモータ制御装置14が兼ねる)と、前記第1及び前記第2及び前記第3の高調波成分に基づいて、前記電動機の磁極位置を推定する推定手段(例えば、実施の形態でのモータ制御装置14が兼ねる)とを備える。
さらに、本発明の第2態様に係る電動機の磁極位置推定装置では、前記第3高調波成分算出手段は、前記第1の高調波成分と前記第2の高調波成分とにオフセット成分を加算して前記第3の高調波成分を算出しており、前記オフセット成分を、前記インバータの一次電圧および前記電動機の指令電圧に基づき算出する。
さらに、本発明の第3態様に係る電動機の磁極位置推定装置では、前記第1高調波成分算出手段および前記第2高調波成分算出手段は、前記第1の相電流の電流値を検出する第1相電流センサ(例えば、実施の形態でのU相電流センサ21a)および前記第2の相電流の電流値を検出する第2相電流センサ(例えば、実施の形態でのV相電流センサ21b)を備える。
さらに、本発明の第4態様に係る電動機の磁極位置推定装置では、前記第1高調波成分算出手段および前記第2高調波成分算出手段は、前記インバータの直流側電流を検出する直流側電流センサ(例えば、実施の形態での直流側電流センサ22)と、前記直流側電流センサにより検出された前記直流側電流に基づいて前記第1及び前記第2の相電流を推定する相電流推定手段(例えば、実施の形態でのモータ制御装置14が兼ねる)とを備える。
さらに、本発明の第5態様に係る電動機の磁極位置推定装置では、前記推定手段は、下記数式(1)に基づき前記電動機の磁極位置を推定しており、下記数式(1)は、前記第1の高調波成分I1hと、前記第2の高調波成分I2hと、前記第3の高調波成分I3hとからなる。
Figure 2010088263
さらに、本発明の第6態様に係る電動機の磁極位置推定装置では、前記搬送波信号は、3相三角波または単相三角波であって、前記パルス幅変調信号生成手段は、前記搬送波信号が前記単相三角波である場合の3周期にて、前記搬送波信号が前記3相三角波である場合の1周期と同等の電圧パターンを生成するようにして電圧指令を変化させる。
本発明の第1態様に係る電動機の磁極位置推定装置によれば、第1の高調波成分と第2の高調波成分とに基づいて第3の高調波成分を算出することから、第3の高調波成分を第3の相電流の電流値の偏差から算出する必要が無く、第3の相電流の電流値を検出または推定する必要が無く、相電流の電流値を検出する場合には、第1および第2の2つの相電流のみを検出すればよく、また、相電流の電流値を推定する場合には、第1および第2の2つの相電流のみを推定すればよく、相電流センサを備えることに要する費用を削減することができると共に、処理負荷の増大を抑制することができる。
さらに、本発明の第2態様に係る電動機の磁極位置推定装置によれば、インバータの一次電圧および電動機の指令電圧に基づくオフセット成分を、第1の高調波成分と第2の高調波成分とに加算して第3の高調波成分を算出することから、第3の高調波成分を精度よく算出することができる。
さらに、本発明の第3態様に係る電動機の磁極位置推定装置によれば、第3の相電流の電流値を検出する相電流センサを備える必要が無く、相電流センサを備えることに要する費用を削減することができる。
さらに、本発明の第4態様に係る電動機の磁極位置推定装置によれば、直流側電流センサにより検出された直流側電流に基づいて第3の相電流を推定する必要が無く、処理負荷の増大を抑制することができる。
さらに、本発明の第5態様に係る電動機の磁極位置推定装置によれば、電動機の磁極位置を精度よく推定することができる。
さらに、本発明の第6態様に係る電動機の磁極位置推定装置によれば、搬送波信号が単相三角波である場合の3周期にて、搬送波信号が3相三角波である場合の1周期と同等の電圧パターンを生成することにより、搬送波信号が単相三角波であっても高調波電流を発生させることができ、電動機の磁極位置を精度よく推定することができる。
以下、本発明の電動機の磁極位置推定装置の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
この実施形態による電動機の磁極位置推定装置10(以下、単に、磁極位置推定装置10と呼ぶ)は、例えば3相交流のブラシレスDCモータ11(以下、単に、モータ11と呼ぶ)の磁極位置を推定するものであって、このモータ11は、界磁に利用する永久磁石を有する回転子(図示略)と、この回転子を回転させる回転磁界を発生する固定子(図示略)とを備えて構成されている。
そして、磁極位置推定装置10は、例えば図1に示すように、バッテリ12を直流電源とするインバータ13と、モータ制御装置14とを備えて構成されている。
この3相(例えば、U相、V相、W相の3相)交流のモータ11の駆動はモータ制御装置14から出力される制御指令を受けてインバータ13によりおこなわれる。
インバータ13は、スイッチング素子(例えば、IGBT:Insulated Gate Bipolar mode Transistor)を複数用いてブリッジ接続してなるブリッジ回路13aと平滑コンデンサCとを具備し、このブリッジ回路13aがパルス幅変調(PWM)された信号によって駆動される。
このブリッジ回路13aでは、例えば各相毎に対をなすハイ側およびロー側U相トランジスタUH,ULと、ハイ側およびロー側V相トランジスタVH,VLと、ハイ側およびロー側W相トランジスタWH,WLとがブリッジ接続されている。そして、各トランジスタUH,VH,WHはコレクタがバッテリ12の正極側端子に接続されてハイサイドアームを構成し、各トランジスタUL,VL,WLはエミッタがバッテリ12の負極側端子に接続されてローサイドアームを構成している。そして、各相毎に、ハイサイドアームの各トランジスタUH,VH,WHのエミッタはローサイドアームの各トランジスタUL,VL,WLのコレクタに接続され、各トランジスタUH,UL,VH,VL,WH,WLのコレクタ−エミッタ間には、エミッタからコレクタに向けて順方向となるようにして、各ダイオードDUH,DUL,DVH,DVL,DWH,DWLが接続されている。
インバータ13は、例えばモータ11の駆動時等においてモータ制御装置14から出力されて各トランジスタUH,VH,WH,UL,VL,WLのゲートに入力されるスイッチング指令であるゲート信号(つまり、PWM信号)に基づき、各相毎に対をなす各トランジスタのオン(導通)/オフ(遮断)状態を切り替えることによって、バッテリ12から供給される直流電力を3相交流電力に変換し、3相のステータ巻線への通電を順次転流させることで、各相のステータ巻線に交流のU相電流iuおよびV相電流ivおよびW相電流iwを通電する。
モータ制御装置14は、回転直交座標をなすdq座標上で電流のフィードバック制御(ベクトル制御)をおこなうものであり、目標d軸電流Idc及び目標q軸電流Iqcを演算し、目標d軸電流Idc及び目標q軸電流Iqcに基づいて各相電圧指令Vu,Vv,Vwを算出し、各相電圧指令Vu,Vv,Vwに応じてインバータ13に対するゲート信号であるPWM信号を出力すると共に、実際にインバータ13からモータ11に供給される各相電流iu,iv,iwをdq座標上に変換して得たd軸電流Ids及びq軸電流Iqsと、目標d軸電流Idc及び目標q軸電流Iqcとの各偏差がゼロとなるように制御をおこなう。
例えばモータ制御装置14は、正弦波状の電流を3相のステータ巻線に通電するために、各相電圧指令Vu,Vv,Vwと、三角波等のキャリア信号とを比較して、インバータ13の各トランジスタUH,VH,WH,UL,VL,WLをオン/オフ駆動させるゲート信号(つまり、PWM信号)を生成する。そして、インバータ13において3相の各相毎に対をなす各トランジスタのオン(導通)/オフ(遮断)状態を切り替えることによって、バッテリ12から供給される直流電力を3相交流電力に変換し、3相のモータ11の各ステータ巻線への通電を順次転流させることで、各ステータ巻線に交流のU相電流iuおよびV相電流ivおよびW相電流iwを通電する。
モータ制御装置14は、3相交流のU相電流iuおよびV相電流ivおよびW相電流iwの各高調波成分ΔIuh,ΔIvh,ΔIwhに基づいて、モータ11の磁極位置θを推定する。
例えば、αβ座標系での電圧方程式は、α軸電圧να,β軸電圧νβ,巻線抵抗R,α軸電流iα,β軸電流iβ,鎖交磁束Ψ,磁極位置θ,インダクタンスL,インダクタンスLに基づき、下記数式(2)に示すように記述される。
なお、下記数式(2)において、各インダクタンスL,Lは、界磁方向のd軸に対するd軸インダクタンスLおよびd軸に直交するq軸に対するq軸インダクタンスLにより記述され、インダクタンスL=(L+L)/2、インダクタンスL=(L−L)/2とされている。
Figure 2010088263
上記数式(2)において、モータ11の回転速度ωがキャリア周波数ωに比べて十分に小さい領域では、回転速度ω(dθ/dt)はゼロ(ω≒0)に近似することができ、各パラメータのキャリア周波数成分(すなわち、α軸電圧キャリア周波数成分ναh,β軸電圧キャリア周波数成分νβh,α軸電流キャリア周波数成分iαh,β軸電流キャリア周波数成分iβhにより、αβ座標系での電圧方程式は、下記数式(3)に示すように記述される。
Figure 2010088263
上記数式(3)において、両辺のラプラス変換を演算すると、ラプラス演算子sにより、下記数式(4)に示すように記述される
Figure 2010088263
上記数式(4)に基づき、α軸電流キャリア周波数成分iαhおよびβ軸電流キャリア周波数成分iβhは、下記数式(5)に示すように記述される。なお、下記数式(5)において、パラメータΔは、下記数式(6)に示すように記述される。
Figure 2010088263
Figure 2010088263
α軸電圧キャリア周波数成分ναhおよびβ軸電圧キャリア周波数成分νβhを、電圧キャリア周波数成分振幅Vにより、下記数式(7)に示すように記述すると、α軸電流キャリア周波数成分iαhは下記数式(8)に示すように記述される。
Figure 2010088263
Figure 2010088263
また、α軸電流キャリア周波数成分iαhを、パラメータA,B,C,Dおよび過渡項T(t)により、下記数式(9)に示すように記述し、上記数式(8)と比較すると、下記数式(9)の第3項は各パラメータA,Bに比べて十分に小さく、無視することができる。また、下記数式(9)の第2項は、分母が相対的に高い値のキャリア周波数ωであるから、第1項に比べて十分に小さく、ゼロとすることができる。これらにより、α軸電流キャリア周波数成分iαhは、下記数式(10)に示すように記述される。
なお、下記数式(10)において、パラメータAはパラメータK1,K2および位相αにより、下記数式(11)に示すように記述され、各パラメータK1,K2は、下記数式(12)に示すように記述され、位相αは、下記数式(13)に示すように記述される。
Figure 2010088263
Figure 2010088263
Figure 2010088263
Figure 2010088263
Figure 2010088263
上記数式(9)〜(11)に基づき、α軸電流キャリア周波数成分iαhは、下記数式(14)に示すように記述される。
Figure 2010088263
上記数式(13)から、キャリア周波数ωが高くなると位相αはゼロに近似可能である。そして、上記数式(14)から、例えばU相において位相(ω・t)がゼロ(ω・t=0)またはπ(ω・t=π)となるタイミングでは、U相電流キャリア周波数成分iuhは、下記数式(15)に示すように記述される。
Figure 2010088263
各相電流の高調波成分を、位相(ω・t)がゼロ(ω・t=0)での電流キャリア周波数成分と位相(ω・t)がπ(ω・t=π)での電流キャリア周波数成分との偏差とすれば、U相の電流高調波成分ΔIuhは、下記数式(16)に示すように記述される。また、同様にして、V相およびW相の各電流高調波成分ΔIvh,ΔIwhは、下記数式(16)に示すように記述される。
Figure 2010088263
上記数式(16)に基づき、モータ11の磁極位置θは、下記数式(17)に示すように記述される位相δにより、下記数式(18)に示すように記述される。
Figure 2010088263
Figure 2010088263
ここで、上記数式(16)から下記数式(19)が成り立つことから、例えば下記数式(20)に示すように、3相のうちの何れか1相の相電流の高調波成分(例えば、W相の電流高調波成分ΔIwh)は、他の2相の相電流の高調波成分(例えば、U相およびV相の各電流高調波成分ΔIuh,ΔIvh)とオフセット成分(2√6・K2)により算出することができる。
Figure 2010088263
Figure 2010088263
なお、上述したように、各相電流の高調波成分はキャリア信号のタイミングを利用して取得することができ、例えば図2に示すように、3相三角波の各相のキャリア信号の谷側の頂点(つまり、位相(ω・t)=0)のタイミングでの各相電流iu+,iv+,iw+と、各相のキャリア信号の山側の頂点(つまり、位相(ω・t)=π)のタイミングでの各相電流iu−,iv−,iw−とは、例えば下記数式(21)に示すように、各相の基本波成分I,I,Iと、各U相電流キャリア周波数成分iuhωht=0,π,ivhωht=0,π,iwhωht=0,πとにより記述される。
そして、各電流高調波成分ΔIuh,ΔIvh,ΔIwhは、下記数式(22)に示すように記述される。
Figure 2010088263
Figure 2010088263
つまり、モータ制御装置14は、インバータ13からモータ11に供給される3相交流の各相電流iu,iv,iwのうち何れか2相の相電流を検出する相電流センサ、例えば図1に示すU相電流センサ21aおよびV相電流センサ21bから出力される各相電流iu,ivの検出値の信号に基づき、モータ11の磁極位置θを推定する。
なお、パラメータK2は、上記数式(12)に示すように、電圧キャリア周波数成分振幅Vと、キャリア周波数ωと、巻線抵抗Rと、各インダクタンスL,Lとにより記述される。ここで、電圧キャリア周波数成分振幅Vは、キャリア信号を三角波とする場合には、インバータ13の一次電圧Eとモータ11の指令電圧νとにより、下記数式(23)に示すように記述される。
このため、モータ制御装置14は、一次電圧Eと指令電圧νとを引数として予め実験的に設定されたパラメータK2のマップなどを保持してもよいし、上記数式(12)および下記数式(23)に基づきパラメータK2を随時算出してもよい。
Figure 2010088263
上述したように、本実施形態による電動機の磁極位置推定装置10によれば、3相のうち何れか2相の相電流の高調波成分(例えば、U相およびV相の各電流高調波成分ΔIuh,ΔIvh)に基づいて、他の1相の相電流の高調波成分(例えば、W相の電流高調波成分ΔIwh)を算出することから、2相の相電流(例えば、U相電流iuおよびV相電流iv)のみを検出する相電流センサ(例えば図1に示すU相電流センサ21aおよびV相電流センサ21b)を備えればよく、3相の各相毎に相電流センサを備える場合に比べて、装置構成に要する費用を削減することができる。
また、3相のうちの何れか1相の相電流の高調波成分(例えば、W相の電流高調波成分ΔIwh)は、他の2相の相電流の高調波成分(例えば、U相およびV相の各電流高調波成分ΔIuh,ΔIvh)とオフセット成分(2√6・K2)により算出することができ、オフセット成分(2√6・K2)のパラメータK2は、インバータ13の一次電圧Eとモータ11の指令電圧νとに基づいて精度よく算出することができる。これにより、モータ11の磁極位置θの推定精度を向上させることができる。
なお、上述した実施の形態においては、3相交流の相電流のうち何れか2相の相電流(例えば、U相電流iuおよびV相電流iv)のみを検出する2つの相電流センサ(例えば図1に示すU相電流センサ21aおよびV相電流センサ21b)を備えるとしたが、これに限定されず、インバータ13からモータ11に供給される各相電流Iu,Iv,Iwを直接的に検出する相電流センサの代わりに、例えば図3に示す上述した実施の形態の第1変形例に係る電動機の磁極位置推定装置10のように、インバータ13のブリッジ回路13aとバッテリ12の負極側端子との間において、インバータ13のブリッジ回路13aの直流側電流Idcを検出する直流側電流センサ22を備えてもよい。
なお、直流側電流センサ22はインバータ13のブリッジ回路13aとバッテリ12の正極側端子との間に配置されてもよい。
この第1変形例では、モータ制御装置14からインバータ13に入力されるゲート信号は、各相毎に対をなす各トランジスタUH,ULおよびVH,VLおよびWH,WLのオン/オフ状態の組み合わせに応じて、例えば下記表1に示すように、8通りの各スイッチング状態S1〜S8に応じたPWM(パルス幅変調)信号となる。
そして、ブリッジ回路13aの直流側には各スイッチング状態S1〜S8に応じて断続的に各相電流iu,iv,iwが発生し、直流側電流センサ22により検出される直流側電流Idcは、各相電流iu,iv,iwの何れかひとつ、あるいは、各相電流iu,iv,iwの何れかひとつの符号が反転したもの、あるいは、ゼロとなる。
Figure 2010088263
このため、モータ制御装置14は、3相交流の相電流のうち何れか2相の相電流(例えば、U相電流iuおよびV相電流iv)のみを対象として、8通りの各スイッチング状態S1〜S8により構成される制御周期の1周期毎において、4点の所定タイミングのみで直流側電流センサ22により直流側電流Idcを検出して、各検出値から2相の相電流(例えば、U相電流iuおよびV相電流iv)の正号および負号の値を取得する。
この第1変形例によれば、制御周期の1周期毎において4点の所定タイミングのみで直流側電流センサ22により直流側電流Idcを検出すればよく、3相の各相電流を対象として制御周期の1周期毎において6点の所定タイミングで直流側電流センサ22により直流側電流Idcを検出する場合に比べて、処理負荷の増大を抑制することができる。
なお、上述した実施の形態においては、キャリア信号を3相三角波としたが、これに限定されず、例えば図4に示す上述した実施の形態の第2変形例に係るキャリア信号のように、単相三角波としてもよい。
この第2変形例では、モータ制御装置14は、例えば下記表2に示すように、電圧指令をタイミングに応じて変化させることで、キャリア信号が単相三角波である場合の3周期にて、キャリア信号が3相三角波である場合の1周期と同等の電圧パターンを生成する。
Figure 2010088263
つまり、図4に示すように、単相三角波は、3相三角波の何れか2相の三角波の交点を山側または谷側の頂点としており、さらに、上記表2に示すように、単相三角波の連続する3周期は6個の頂点に対応する6つの期間(STATUS=0〜6)に区分され、各期間毎に、各相電圧指令に変調率m(m=1またはm=−1)あるいは本来の各相電圧指令(Vw、Vv、Vu)の3倍の値(3Vw、3Vv、3Vu)が設定されると共に、検出対象となる各相電流の正号または負号の値(iu+,iv+,iw+,iu−,iv−,iw−)が対応付けられている。
モータ制御装置14は、3相交流の相電流のうち何れか2相の相電流(例えば、U相電流iuおよびV相電流iv)のみを対象として、2つの相電流センサ(例えば、U相電流センサ21aおよびV相電流センサ21b)により、あるいは、直流側電流センサ22により、単相三角波の連続する3周期において設定された6つの期間(STATUS=0〜6)のうちの4つの期間(例えば、U相およびV相に対応するSTATUS=0,2,3,5)毎での単相三角波の山側の頂点または谷側の頂点のタイミングで電流検出をおこなう。
この第2変形例によれば、キャリア信号が単相三角波であっても高調波電流を発生させることができ、モータ11の磁極位置θを精度よく推定することができる。
本発明の実施形態に係る電動機の磁極位置推定装置の構成図である。 本発明の実施形態に係る3相三角波と各相電流の検出タイミングの例を示す図である。 本発明の実施形態の第1変形例に係る電動機の磁極位置推定装置の構成図である。 本発明の実施形態の第2変形例に係る単相三角波と各相電流の検出タイミングの例を示す図である。
符号の説明
10 電動機の磁極位置推定装置
11 モータ
13 インバータ
14 モータ制御装置(パルス幅変調信号生成手段、第1高調波成分算出手段、第2高調波成分算出手段、第3高調波成分算出手段、推定手段、相電流推定手段)
21a U相電流センサ(第1相電流センサ)
21b V相電流センサ(第2相電流センサ)
22 直流側電流センサ

Claims (6)

  1. パルス幅変調信号により3相交流の電動機への通電を順次転流させるインバータと、前記パルス幅変調信号を搬送波信号により生成するパルス幅変調信号生成手段と、
    前記搬送波信号の最大および最小における第1の相電流の電流値を検出または推定し、該第1の相電流の電流値の偏差から第1の高調波成分を算出する第1高調波成分算出手段と、
    前記搬送波信号の最大および最小における第2の相電流の電流値を検出または推定し、該第2の相電流の電流値の偏差から第2の高調波成分を算出する第2高調波成分算出手段と、
    前記第1の高調波成分と前記第2の高調波成分とに基づいて、第3の高調波成分を算出する第3高調波成分算出手段と、
    前記第1及び前記第2及び前記第3の高調波成分に基づいて、前記電動機の磁極位置を推定する推定手段と
    を備えることを特徴とする電動機の磁極位置推定装置。
  2. 前記第3高調波成分算出手段は、前記第1の高調波成分と前記第2の高調波成分とにオフセット成分を加算して前記第3の高調波成分を算出しており、
    前記オフセット成分を、前記インバータの一次電圧および前記電動機の指令電圧に基づき算出することを特徴とする請求項1に記載の電動機の磁極位置推定装置。
  3. 前記第1高調波成分算出手段および前記第2高調波成分算出手段は、前記第1の相電流の電流値を検出する第1相電流センサおよび前記第2の相電流の電流値を検出する第2相電流センサを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動機の磁極位置推定装置。
  4. 前記第1高調波成分算出手段および前記第2高調波成分算出手段は、前記インバータの直流側電流を検出する直流側電流センサと、前記直流側電流センサにより検出された前記直流側電流に基づいて前記第1及び前記第2の相電流を推定する相電流推定手段とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動機の磁極位置推定装置。
  5. 前記推定手段は、下記数式(1)に基づき前記電動機の磁極位置を推定しており、
    下記数式(1)は、前記第1の高調波成分I1hと、前記第2の高調波成分I2hと、前記第3の高調波成分I3hとからなることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一つに記載の電動機の磁極位置推定装置。
  6. 前記搬送波信号は、3相三角波または単相三角波であって、
    前記パルス幅変調信号生成手段は、前記搬送波信号が前記単相三角波である場合の3周期にて、前記搬送波信号が前記3相三角波である場合の1周期と同等の電圧パターンを生成するようにして電圧指令を変化させることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一つに記載の電動機の磁極位置推定装置。
    Figure 2010088263
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