JP2010085046A - 熱交換器用チューブ及びその製造方法、並びに熱交換器 - Google Patents

熱交換器用チューブ及びその製造方法、並びに熱交換器 Download PDF

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Masazo Asano
雅三 麻野
Yasunori Hyogo
靖憲 兵庫
Munehisa Takahashi
宗尚 高橋
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Abstract

【課題】簡単な方法で安価に製造できるとともに、チューブ表面の結露凝集水を速やかに排出させることができる熱交換器用チューブ及びその製造方法、並びに熱交換器を提供する。
【解決手段】アルミニウム合金製の扁平なチューブ2の片面あるいは両面の外表面に、深さ5〜50μmの凹部11が1mm2当たり0.25〜40000個設けられるとともに、その表面にろう付用フラックス又はろう粉末の少なくとも一方を含むろう付助剤が塗布されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主に自動車のエアコンに用いられる熱交換器に係り、特に内部に冷媒を通じるアルミニウム合金製の扁平なチューブの外表面に工夫をして、カーエアコン使用時に生じる凝集水の排出を改良する技術に関する。
自動車に用いられる熱交換器の中で、カーエアコンのエバポレータは、冷媒を通すアルミニウム合金製チューブと、冷熱を周囲に伝えるフィン(アウタフィン)と、冷媒をチューブに分配するヘッダとで構成される。詳細には、さらに冷媒入りロ及び出口の継手管及び膨張弁などの部材も加えた形態で構成される。これらを機械的に組み付けて完成品とすることもあるが、多くは予め治具で組み付けられた部品をろう付することによって継手を形成して内部に冷媒を通じることが可能な完成品としている。
エバポレータは、内部に液体の冷媒を通じて気化させ、その気化潜熱を利用して冷熱を生む熱交換器であり、それゆえ表面に結露した凝集水が発生する。この凝集水は、通風の邪魔になって熱交換効率を阻害してその性能を損なう上、滞留が続くと、凝集した水が熟交換器を構成するアルミニウム製の各部材を腐食し貫通孔に至ることがある。このため、凝集水を速やかに排出できることが望まれていた。
従来は、その凝集水の濡れ性を向上して排出をスムーズにするための表面処理がなされることが多く、ろう付で組み立てられた熱交換器をオフラインで表面処理を行なう処理槽に投入し、表面に親水性を有する被膜を形成するなどして所定の性能を有する被膜を形成していた。
また、特許文献1記載の熱交換器では、扁平なチューブが上下方向に向けて配置されるとともに、そのチューブの両側平面部に、長さ方向に延びる凹条が形成され、この凹条により、チューブとフィンとの間に排水部が形成されるようにしている。
特開平7−190661号公報
しかしながら、親水性被膜を形成する表面処理の方法では、ろう付後の製品を改めて表面処理ラインに投入することでのコストアップが生じ、コストダウンに叶う手法が望まれる。また、特許文献1記載の構造では、結露水が凹条内に生じる場合は、凹条に沿って凝集して流れ落ちるが、凹条以外の平面においては、その平面上に結露水が滞留し易い。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、簡単な方法で安価に製造できるとともに、チューブ表面の結露凝集水を速やかに排出させることができる熱交換器用チューブ及びその製造方法、並びに熱交換器を提供することを目的とする。
また、上記説明ではエバポレータをその対象としているが、本発明は熱交換器表面に付着するあらゆる水滴のぬれを良くして早期に排出させ、他のコンデンサ等に適用しても十分効果があるものを提供することを目的とする。
本発明者は、上記表面処理に代えて、コストアップを極力抑えて凝集水の排出をスムーズに行なえる熱交換器を得るよう鋭意検討を重ねた結果、アルミニウム合金製の扁平なチューブの片面あるいは両面の外表面に、深さ5〜50μmの凹部が1mm2当たり0.25〜40000個設けられるとともに、その表面にろう付用フラックス又はろう粉末の少なくとも一方を含むろう付助剤が塗布されていることを特徴とする熱交換器用チューブとすることで、所望の機能が果たせることを見出した。
ここで、ろう付助剤はろう付に必要なフラックスあるいは/及びろう粉末等を含む塗料形態の混合物である。
すなわち、チューブの外表面に深さ5〜50μmの微細な凹部を1mm2当たり0.25〜40000個ドット(点)状に形成したことにより、ドットが一様に分布するいわゆる梨地状の外表面とすることができ、その表面での水のぬれ性が良好で、さらに凝集した水は微細な凹部を通ってチューブの表面に沿って流れて排出される。
また、本発明の熱交換器用チューブは、アルミニウム合金製の扁平なチューブの片面あるいは両面の外表面に深さ5〜50μmの溝が5〜2000μmの相互間隔で連続的あるいは断続的に複数設けられるとともに、その表面にろう付用フラックス又はろう粉末の少なくとも一方を含むろう付助剤が塗布されていることを特徴とする。
このように微細な溝による凹凸を付与することにより、結露水のチューブ表面とのぬれ性が向上し、さらに溝に沿って流れ落ちて排出することができる。
この溝は、チューブの幅方向、長さ方向等、任意の方向に形成することができるが、チューブの長手方向と30〜90°の角度をなすように形成すると、熱交換器を設置するときの熱交換器と鉛直方向とのなす角度によっては、より効果的である。
また、本発明の熱交換器用チューブの製造方法は、アルミニウム金属製の扁平なチューブ素材を押出成形する工程と、押出された前記チューブ素材を成形ローラで加圧することにより、前記チューブ素材の片面あるいは両面の外表面に深さ5〜50μmの凹部を1mm2当たり0.25〜40000個設ける工程と、前記凹部を形成したチューブの片面あるいは両面の外表面にろう付用フラックス又はろう粉末の少なくとも一方を含むろう付助剤を塗布する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明の熱交換器用チューブの製造方法は、アルミニウム金属製の扁平なチューブ素材を押出成形する工程と、押出された前記チューブ素材を成形ローラで加圧することにより、前記チューブ素材の片面あるいは両面の外表面に深さ5〜50μmの溝を5〜2000μmの相互間隔で連続的あるいは断続的に複数設ける工程と、前記溝を形成したチューブの片面あるいは両面の外表面にろう付用フラックス又はろう粉末の少なくとも一方を含むろう付助剤を塗布する工程とを有することを特徴とする。
その熱交換器用チューブの製造方法において、前記溝を設ける工程は、前記チューブ素材の長手方向と30〜90°の角度をなすように前記溝を設けるようにするとさらによい効果が得られる。
即ち、熱交換器用材料の製造加工に関し、押出したチューブ素材にろう付に先立ってろう付助剤などを予め塗布する場合があるが、本発明はその塗布ラインにおいて、塗布前に所定表面形状を有する成形ローラをチューブ素材に押付けて、前述したようにドット(点)状の凹部が一様に分布するいわゆる梨地状の形状や、線状の山部、谷部(溝)により波状に連続させた形状のものを連続あるいは断続的に分布させたものを形成することができ、生産性がよい。そして、そのドット状の凹部、又は溝状の凹凸により、凝集水のぬれ性が向上し排出が良好な表面形状を有するチューブとすることが出来る。
そして、本発明の熱交換器は、前記熱交換器用チューブと、該チューブの外表面にろう付されたフィンとを有する構成とされ、チューブの表面に凝集した水が排出され易いので、水の滞留によって熱交換効率を阻害するようなことがなく、さらに腐食の進行を防止することができる。
本発明の熱交換器用チューブは、その外表面に複数の微細な凹部や溝を形成したことにより、その表面での結露水のぬれ性が向上し、さらに凝集した水は微細な凹部や溝の谷部を通って流れ落ちて排出され、水の滞留を確実に防止することができる。また、そのチューブの製造方法としては、チューブ素材の押出後、その表面にろう付助剤を塗布する際に、成形ローラで加圧しながら凹部や溝を形成するようにしており、簡単な方法で生産性が良い。
以下、本発明に係る熱交換器用チューブの実施形態を図面を参照しながら説明する。
この実施形態の熱交換器は、自動車熱交換器の一種であるカーエアコンエバポレータである。このエバポレータ1は、図6に示すように、冷媒を通す扁平なチューブ2、そのチューブ2の外表面に接触して冷熱を放散するフィン3、及び冷媒をチューブ2に分配するヘッダ4,5を主要な構成要素としている。これらチューブ2、フィン3、ヘッダ4,5は、アルミニウム合金からなり、各チューブ2が相互間隔をおいて上下方向に平行に並べられるとともに、各チューブ2の間にフィン3が配置され、各チューブ2の両端を個別に連通するように一組のヘッダ4,5が固定され、インレット管6、アウトレット管7が接続された構成とされている。フィン3は例えば波形に形成され、チューブ2の長手方向(図6では上下方向)と直交する方向(図6では水平方向)に空気を流通させるように配置される。これらチューブ2、フィン3、ヘッダ4,5は、ろう付によって一体に組み付けられている。
また、各チューブ2は、図3に示すように、扁平な形状で、その内部に幅方向に間隔をおいて複数の仕切り壁8が形成されていることにより、内部流路9が複数に分割された状態の、いわゆる多穴管である。また、チューブ2の両面の外表面には、深さが5〜50μmのドット状の凹部11が1mm2当たり0.25〜40000個設けられている。。このチューブ2のアルミニウム合金の成分組成は、例えば、Mn:0.75%を含有し、他にCu:0.25%、Si:0.5%、Fe:0.20%、Cr:0.03%、Mg:0.02%、Zn:0.02%、Ti:0.05%を含有するものとされる。
そして、このチューブ2の両面にろう付助剤が塗布され、その状態でフィン3、ヘッダ4,5と組み立てられてろう付されるものであり、このように組み立てられたエバポレータ1は、フィン3の間を通って流れる流体(空気)と、ヘッダ4,5を通して各チューブ2内を流れる流体(冷媒)の気化潜熱により生み出される冷熱との間で熱交換される構成である。
この熱交換時、熱交換雰囲気中に含まれる水分によりチューブ2表面が結露し易い。チューブ2の表面はドット状の凹部11が分散して、いわゆる梨地状とされていることにより、結露した水分とチューブ2表面とのぬれ性が向上し、さらにその結露凝集水が凹部11を通って流れて排出される。この場合、ドット状の凹部11が分散しているので、凝集水が特定の方向に集まることなく、自由に流れ落ちることができ、排水性にも優れる。
また、そのチューブは、図4に示す形状としてもよい。図4に示すチューブ21は、扁平な形状で、その内部の複数の仕切り壁8によって内部流路9が複数に分割された多穴管とされている点は図3と同様であるが、その両面の外表面に、チューブ21の幅方向に沿う溝22が5〜50μmの深さでかつ5〜2000μmの相互間隔で複数連続して形成されている。この溝22によりチューブ21の表面に微細な凹凸が形成され、結露した水とチューブ21の表面とのぬれ性が向上し、さらにその結露した水は溝22に沿って流れて排出される。
さらに、図5に示すチューブのように溝を傾斜させて形成してもよい。このチューブ31では、チューブ31の長さ方向に対して約45°に傾斜して溝32が形成されている。溝32の深さは5〜50μmで5〜2000μmの相互間隔とされている点は図4のチューブと同様である。この長手方向に対する傾斜角度θは、30〜90°の範囲で設定するとよい。図4に示す例は90°である。
この溝32をチューブ31の長手方向に対して傾斜させることにより、チューブ31が垂直姿勢に設けられる場合でも、熱交換器全体の傾斜によっては水の流れがさらに円滑になり、溝32の傾斜に沿って外部に排出することができる。
ここで、図3の凹部、図4又は図5の溝の深さをそれぞれ5〜50μmとしたのは、5μm未満の場合は、結露水のぬれを良好にして排出する効果が十分でなく、また、50μmを超えると、凹凸に沿って集中したろう付時のろう流れが、チューブ母材を侵食したり、フィンを侵食溶融したりするおそれがあるからである。
また、図3の凹部の数を1mm2当たり0.25〜40000個としたのは、0.25個未満の場合は、凹凸が不足してぬれ性が悪く凝集水の排水効果が十分でなく、また、40000個を超えると、凹部が多過ぎて、実際のローラ表面の加工が困難な上、ドットの間隔が狭すぎて凝集水の排水能力が却って低下するからである。
また、図4又は図5の溝の間隔を5〜2000μmとしたのは、5μm未満の場合は、溝数が多過ぎて、実際のローラ表面の加工が困難な上、溝の山谷の間隔が狭過ぎて凝集水の排水能力が却って低下し、また、2000μmを超えると、山谷の凹凸が不足してぬれ性が悪く凝集水の排水効果が十分でないからである。
次に、この熱交換器(エバポレータ)に用いられているチューブの製造方法について説明する。
まず、その製造装置について説明しておくと、図1には、図3に示すチューブ2を製造する装置を示している。この製造装置41は、押出加工機から押し出されたチューブ素材Tを両面から挟んだ状態で加圧しながら両面に微細な凹凸(凹部11)を形成する成形ローラ42と、この成形ローラ42を経由することにより表面に微細な凹部11が形成されたチューブ2の表面及び裏面にそれぞれろう付助剤Pを塗布する計二組のろう付助剤塗布機43,44とが備えられている。
成形ローラ42は、チューブ素材Tの両面に接触するように一対設けられており、その軸方向をチューブ素材Tの幅方向に沿って配置されている。また、外周面に多数の微細な凸部45が形成されており、この成形ローラ42によってチューブ素材Tが加圧されながら送られることにより、図3に示すように、表面に多数の凹部11が連続的に形成されたチューブ2が製作される。
チューブ2の表面側にろう付助剤を塗布するろう付助剤塗布機43は、ろう付助剤が供給される管状のノズル46、このノズル46から供給されるろう付助剤を受ける第1ローラ47、チューブ2の表面に接触する塗布ローラ48、この塗布ローラ48の反対側でチューブ2の裏面を支持する支持ローラ49、第1ローラ47と塗布ローラ48との間でろう付助剤を受け渡す受け渡しローラ50が備えられている。また、チューブ2の裏面側にろう付助剤を塗布するろう付助剤塗布機44は、ろう付助剤Pを溜めた塗料槽51、この塗料槽51のろう付助剤Pをすくい取る第1ローラ52、チューブ2の裏面に接触する塗布ローラ53、この塗布ローラ53の反対側でチューブ2の表面を支持する支持ローラ54、第1ローラ52と塗布ローラ53との間でろう付助剤を受け渡す受け渡しローラ55が備えられている。
このように構成された製造装置41において、チューブ素材Tの両面に成形ローラ42で所定の凹凸(凹部11)を形成し、その凹凸の上からろう付助剤Pを塗布する。ろう付助剤は、フラックスとろう粉末を樹脂で塗料化したものであり、チューブ2の表面に塗布され、乾燥して塗膜を形成する。この場合、チューブ2表面の凹凸がろう付助剤の塗膜に対するアンカ効果を有し、該塗膜の耐剥離性の向上に有効である。
また、図2には、図4に示すチューブ21を製造する装置を示している。この製造装置61においては、成形ローラ62の外周面に、軸方向に沿う微細な凸条63が所定のピッチで形成されており、この成形ローラ62によってチューブ素材Tが加圧されながら送られることにより、図4に示すように、表面に幅方向に沿う多数の溝22が所定のピッチで連続的に成形されたチューブ21が製作される。成形されたチューブ21表面にろう付助剤を塗布するろう付助剤塗布機43,44の構成及びその配置は、図1の製造装置41の場合と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
また、図5に示すチューブ31を製造する場合は、成形ローラの凸条が軸方向に対して傾斜して配置したものを使用すればよい。
なお、図1及び図2の例では、押出したチューブ素材に成形ローラ、ろう付助剤塗布機で加工してろう付助剤を塗布する方法を示したが、押出加工から当該表面加工とろう付助剤塗布を連続させてもよい。
次に、このようにして製作されるチューブにおいて、その凹部の形状をドット状としたもの、及び溝状としたものについて、その深さ、1mm2当たりの個数又は相互間隔を変えて複数の試料を製作し、排水性等について評価した。凹部を溝状としたものについては、さらに、その押出長手方向と溝のなす角度が異なるものについても複数のものを製作して評価した。
凹部をドット状としたものについて、結果を表1に示す。
この表1において、排水性の評価は、アルミニウム材料表面に凹凸加工して後、ろう付用フラックスを塗布し、不活性雰囲気でろう付加熱処理(600℃×3分間)を行った試料の表面に純水の液滴を置いたときの水滴とアルミニウム材とのなす水滴角度αで良否を判断した。水滴角度αがα≦30°のときに○(良好)、30°<α≦45°のとき△、α>45°のとき×(不良)とした。
凹凸加工が深いほど水滴角度αは小さく良好だが、深すぎると、ろう付時に溶融したろうがチューブ表面を侵食する程度が進行し、その部位が腐食進行のきっかけとなる、又はチューブの壁厚を損なう等、製品の特性上好ましくない状態に陥るので、これを避けねばならず、凹部深さが50μmを超えたものは不良とされる。
一方、凹部を溝状としたものについては表2に結果を示す。
この表2において、排水性の評価は、アルミニウム材表面に凹凸の溝加工の後、ろう付用フラックスを塗布し、不活性雰囲気でろうをクラッドしたフィンとろう付処理(600℃×3分)を行ったミニ熱交換器を乾燥した状態で水平に置き(チューブは図3〜図5に示す姿勢と同様に押出長手方向が水平方向で幅方向が垂直方向を向く)、そのチューブの一方の上方角部表面に純水の液滴を垂らしたとき、チューブ反対側の下方角部に水滴が現れるまでの時間tの長短で良否を判断した。t≦5秒のとき○(良好)、5秒<t≦10秒のとき△、t>10秒のとき×(不良)とした。
溝を形成する場合、チューブの長手方向との角度については、30°未満であるとチューブの幅方向へ水が移動するのを妨げるため、チューブの幅内及びフィンとの接合部付近に水が滞留する問題が生じた。
以上の評価結果から、ドット状の凹部又は溝の深さについては5〜50μmが好ましく、ドット状の凹部については1mm2当たり0.25〜40000個程度設けるとよく、溝についは5〜2000μmの相互間隔が好ましい。また、溝を形成する場合は、チューブの長手方向に対して30〜90°の角度範囲に設けると、排水性に良好である。
なお、溝形式の最適角度は30〜90°であるが、これを裏返した90〜150°も実質等価であり、本願発明の範囲である。
なお、このチューブのアルミニウム合金の成分組成は、Mn:0. 05〜1.5%を含有し、他にCu:0.01〜0.50%、Si:0.01〜1.0%、Fe:0. 01〜0.7%、Cr:0.01〜0.30%、Mg:0.01〜0.50%、Zn:0.01〜0.5%、Ti:0.01〜0.30%のうちの1種あるいは2種以上を含有することが、より好ましい(各元素の含有量は特に規定しない限り質量%を示す)。その理由は以下の通りである。
Mn:0. 05〜1.5%
Mnは、ろう付性を維持しながらチューブに必要な強度と耐食性と被加工性を与える作用があり、必須の元素である。その含有量が0.05%未満であると、その効果が十分でなく、1.5%を超えると、被加工性を損ない所定の形状(押出断面や押出後の加工形状)が得難くなる。
Cu:0.01〜0.50%
Cuは、ろう付性を維持しながらチューブに必要な強度と耐食性と被加工性を与える作用がある。その含有量が0.01%未満であると、その効果が十分でなく、0.50%を超えると、押出など被加工性を損なう傾向にある。
Si:0.01〜1.0%
Siは、ろう付性を維持しながらチューブに必要な強度と耐食性と被加工性を与える作用がある。その含有量が0.01%未満であると、その効果が十分でなく、1.0%を超えると、ろう付性を損ない、一部で溶融する可能性がある。
Fe:0. 01〜0.7%
Feは、ろう付性を維持しながらチューブに必要な強度と耐食性と被加工性を与える作用がある。その含有量が0.01%未満であると、その効果が十分でなく、0.7%を超えると、部材の耐食性を損なう傾向にある。
Cr:0.01〜0.30%
Crは、ろう付性を維持しながらチューブに必要な強度と耐食性と被加工性を与える作用がある。その含有量が0.01%未満であると、その効果が十分でなく、0.30%を超えると、Crが十分アルミニウム地に固溶せず粗大な金属間化合物を形成して、該部材に構造的な欠陥を形成することになり、また、押出加工性を損なう傾向にある。
Mg:0.01〜0.50%
Mgは、ろう付性を維持しながらチューブに必要な強度と耐食性と被加工性を与える作用がある。その含有量が0.01%未満であると、その効果が十分でなく、0.50%を超えると、ろう付性を損ないろう付不可となり、また、押出加工性を損なう傾向にある。
Zn:0.01〜0.5%
Znは、ろう付性を維持しながらチューブに必要な強度を与える作用がある。その含有量が0.01%未満であると、その効果が十分でなく、0.5%を超えると、耐食性を損なう傾向にある。
Ti:0.01〜0.30%
Tiは、ろう付性を維持しながらチューブに必要な強度を与える作用がある。その含有量が0.01%未満であると、その効果が十分でなく、0.30%を超えると、Tiが十分アルミニウム地に固溶せず粗大な金属間化合物を形成して、該部材に構造的な欠陥を形成することになり、また、押出加工性を損なう傾向にある。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、扁平なチューブの両面に凹部又は溝を形成したが、チューブが使用される姿勢等によっては、片面にのみ形成してもよい。また、図3〜図5の各例では、チューブの外表面に連続的に凹部や溝を形成しているが、断続的に形成するものであってもよい。また、チューブの表面にフラックスのみを塗布したが、フラックスのみの代わりにろう粉末のみ、あるいはろう粉末とフラックスの混合塗料を塗布するものであってもよい。
本発明に係るチューブの製造装置の一実施形態を示すモデル図である。 本発明に係るチューブの製造装置の他の実施形態を示すモデル図である。 図1の製造装置によって製造されたチューブの斜視図である。 本発明に係るチューブ表面の凹凸加工の他の例を示しており、図2の製造装置によって製造されたチューブの斜視図である。 本発明に係るチューブ表面の凹凸加工のさらに他の例を示す斜視図である。 本発明に係るチューブが組み込まれた熱交換器の例を示す斜視図である。
符号の説明
1 エバポレータ(熱交換器)
2 チューブ
3 フィン
4,5 ヘッダ
6 インレット管
7 アウトレット管
8 仕切り壁
9 内部流路
11 凹部
21 チューブ
22 溝
31 チューブ
32 溝
41 製造装置
42 成形ローラ
43,44 ろう付助剤塗布機
61 製造装置
62 成形ローラ
T チューブ素材
P ろう付助剤

Claims (7)

  1. アルミニウム合金製の扁平なチューブの片面あるいは両面の外表面に、深さ5〜50μmの凹部が1mm2当たり0.25〜40000個設けられるとともに、その表面にろう付用フラックス又はろう粉末の少なくとも一方を含むろう付助剤が塗布されていることを特徴とする熱交換器用チューブ。
  2. アルミニウム合金製の扁平なチューブの片面あるいは両面の外表面に、深さ5〜50μmの溝が5〜2000μmの相互間隔で連続的あるいは断続的に複数設けられるとともに、その表面にろう付用フラックス又はろう粉末の少なくとも一方を含むろう付助剤が塗布されていることを特徴とする熱交換器用チューブ。
  3. 前記溝は、前記チューブの長手方向に対して30〜90°の角度をなすように形成されていることを特徴とする請求項2記載の熱交換器用チューブ。
  4. アルミニウム金属製の扁平なチューブ素材を押出成形する工程と、押出された前記チューブ素材を成形ローラで加圧することにより、前記チューブ素材の片面あるいは両面の外表面に深さ5〜50μmの凹部を1mm2当たり0.25〜40000個設ける工程と、前記凹部を形成したチューブの片面あるいは両面の外表面にろう付用フラックス又はろう粉末の少なくとも一方を含むろう付助剤を塗布する工程とを有することを特徴とする熱交換器用チューブの製造方法。
  5. アルミニウム金属製の扁平なチューブ素材を押出成形する工程と、押出された前記チューブ素材を成形ローラで加圧することにより、前記チューブ素材の片面あるいは両面の外表面に該チューブ素材の長手方向と交差する方向に延びる深さ5〜50μmの溝を5〜2000μmの相互間隔で連続的あるいは断続的に複数設ける工程と、前記溝を形成したチューブの片面あるいは両面の外表面にろう付用フラックス又はろう粉末の少なくとも一方を含むろう付助剤を塗布する工程とを有することを特徴とする熱交換器用チューブの製造方法。
  6. 前記溝を設ける工程は、前記チューブ素材の長手方向に対して30〜90°の角度をなすように前記溝を設けることを特徴とする請求項5記載の熱交換器用チューブの製造方法。
  7. 請求項1から3のいずれか一項に記載の熱交換器用チューブと、該チューブの外表面にろう付されたフィンとを有する熱交換器。
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JP2005125379A (ja) * 2003-10-24 2005-05-19 Furukawa Sky Kk ろう付け性に優れた自動車熱交換器用樹脂被覆アルミニウム扁平多穴管およびその製造方法
JP2007051787A (ja) * 2005-08-15 2007-03-01 Mitsubishi Alum Co Ltd 熱交換器用押出チューブ及び熱交換器
JP2008101820A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Calsonic Kansei Corp 熱交換器用チューブおよびその製造方法

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