JP2010083930A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂とを含有する従来の樹脂組成物と比べて、同等の耐熱性を有するのみならずその流動性を向上させた樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリアリレート樹脂と、ポリカーボネート樹脂と、液晶ポリマー樹脂とを含有する。組成物全体を100質量部としたとき、液晶ポリマー樹脂の配合割合が1〜10質量部である。ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂との組成比が、質量比で、ポリアリレート樹脂/ポリカーボネート樹脂=50/50〜95/5であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は樹脂組成物に関し、特にポリアリレート樹脂を主成分とする樹脂組成物に関する。
ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂とを混合することにより、耐熱性、耐衝撃性、成形性を兼ね備えた樹脂組成物が得られることが知られている(特許文献1、特許文献2)。ポリアリレート樹脂にポリカーボネート樹脂を混合することにより、ポリアリレート樹脂の欠点である流動性が向上され、成形性が改善される。しかしながら、ガラス転移温度が低いポリカーボネートを配合するデメリットとして、荷重たわみ温度に代表される耐熱性の低下が発生する。
一般にポリマーの流動性の改善には、可塑剤として低分子化合物を分散させる方法(特許文献3)や、アルキレン基のようなフレキシブルな構造を有する異種ポリマーを添加する方法(特許文献4)が挙げられるが、いずれも耐熱性の低下が発生する。その他に、ポリマーの分子量を低くすると溶融粘度が低下して流動性が向上するが、耐衝撃性を代表とする物性が低下して、好ましくない。
特公昭50−27061号公報 特開昭58−83050号公報 特開昭49−90343号公報 特開昭50−34342号公報
本発明が解決しようとする課題は、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂とを含有する従来の樹脂組成物と比べて、同等の耐熱性を有するのみならずその流動性を向上させた樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、このような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂との混合物にさらに液晶ポリマー樹脂を配合することにより、流動性を良化しても耐熱性が低下しないことを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は次のとおりである。
(A)ポリアリレート樹脂と、ポリカーボネート樹脂と、液晶ポリマー樹脂とを含有し、組成物全体を100質量部としたとき、液晶ポリマー樹脂の配合割合が1〜10質量部であることを特徴とする樹脂組成物。
(B)ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂との組成比が、質量比で、ポリアリレート樹脂/ポリカーボネート樹脂=50/50〜95/5であることを特徴とする(A)の樹脂組成物。
本発明の樹脂組成物は、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂とを含有する組成物が具備する優れた物性と耐熱性を損なわず、しかも流動性が向上して成形性が改善されるものであるため有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
[ポリアリレート樹脂]
本発明に用いられるポリアリレート樹脂とは、芳香族ジカルボン酸またはその誘導体と、二価フェノールまたはその誘導体とよりなるポリエステルであり、溶液重合、溶融重合、界面重合などの方法により製造される。
芳香族ジカルボン酸残基を導入するための原料の好ましい例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、メチルテレフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルフォンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(4−カルボキシフェノキシ)エタン、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などが挙げられる。なかでも、テレフタル酸およびイソフタル酸が好ましく、溶融加工性および機械的特性の点から、両者を混合して用いることが特に好ましい。その場合、混合モル比率(テレフタル酸/イソフタル酸)は、100/0〜0/100の範囲の任意であるが、好ましくは70/30〜0/100、より好ましくは50/50〜0/100である。
ビスフェノール類残基を導入するための原料はビスフェノールである。その具体例として、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、あるいは2種類以上混合して使用してもよい。これらの化合物の中で、2,2−ビス(4−-ヒドロキシフェニル)プロパンを使用することが好ましく、最適にはこれを単独で使用する。
これらの原料からなるポリアリレート樹脂は、1,1,2,2−テトラクロロエタン100ミリリットルに試料1.0gを溶解した溶液の、温度25℃におけるインヘレント粘度が、0.40〜0.60デシリットル/gであることが好ましく、0.45〜0.55デシリットル/gであることがより好ましい。この粘度が0.40デシリットル/g未満であると、得られる樹脂組成物の機械的特性が劣ったものとなったり、熱変形温度が低下したりして好ましくなく、逆に0.60デシリットル/gを超えると、溶融粘度が高くなるため溶融加工時の変色が著しくなる場合があって好ましくない。
[ポリカーボネート樹脂]
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂は、ビスフェノール類残基単位とカーボネート残基単位とが繰り返されてなるポリ炭酸エステルである。ポリカーボネート樹脂は、上記ポリアリレート樹脂と類似のビスフェノール類残基単位を有するため、ポリアリレート樹脂に対して良好な相溶性を示す。
ビスフェノール類残基単位を導入するためのポリカーボネート原料としてのビスフェノール類としては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,3−または1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジチオジフェノール、4,4’ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニルエーテル等が挙げられる。その他にも、米国特許明細書第2,999,835号、第3,028,365号、第3,334,154号および第4,131,575号に記載されているジフェノールが使用できる。これらは、単独で使用してもよいし、あるいは2種類以上混合して使用してもよい。これらの化合物の中でも、少なくとも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを使用することが好ましく、当該化合物を単独で使用することがより好ましい。
カーボネート残基単位を導入するためのポリカーボネート原料としては、例えばホスゲンあるいはジフェニルカーボネート等が挙げられる。
これらの原料からなるポリカーボネート樹脂は、1,1,2,2−テトラクロロエタン100ミリリットルに試料1.0gを溶解した溶液(濃度1g/デシリットル)の、温度25℃におけるインヘレント粘度が0.40〜0.70デシリットル/gであることが好ましく、0.42〜0.65デシリットル/gであることがより好ましい。この粘度が0.40デシリットル/g未満になると、得られる樹脂組成物の機械的特性が劣ったものとなったり、熱変形温度が低下したりして好ましくなく、逆に0.70デシリットル/gを超えると、溶融粘度が高くなるため溶融加工時の変色が著しくなる場合があって好ましくない。
[液晶ポリマー樹脂]
本発明に用いられる液晶ポリマー樹脂としては、例えば特公昭56−18016号公報に開示された、エチレンテレフタレート単位とパラヒドロキシ安息香酸残基単位とからなる共重合ポリエステルや、特開昭54−77691号公報に開示された、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸残基単位とパラヒドロキシ安息香酸残基単位とからなる共重合ポリエステルや、特公昭47−47870号公報に開示された、パラヒドロキシ安息香酸残基単位、テレフタル酸残基単位及びビスフェノール残基単位からなる共重合ポリエステルや、特開昭53−65421号公報に開示された、テレフタル酸残基単位とフェニルヒドロキノン残基単位とからなる共重合ポリエステルや、米国特許第4,600,765号明細書に開示された、テレフタル酸残基単位、フェニルヒドロキノン残基単位及びスチロイルヒドロキノン残基単位からなる共重合ポリエステル等が挙げられる。
本発明においては、液晶ポリマー樹脂の配合割合は、樹脂組成物全体を100質量部としたとき、液晶ポリマー樹脂が1〜10質量部であることが必要であり、3〜8質量部が好ましい。液晶ポリマー樹脂の配合割合が1質量部未満では、樹脂組成物の流動性改善効果が見られず、逆に10質量部を超えると、樹脂組成物のインヘレント粘度の低下に伴い、物性値が低下する。
[その他]
本発明において、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂との配合比率は、樹脂組成物の成形加工性と成形品の耐熱変形性の観点から、質量比で、ポリアリレート樹脂/ポリカーボネート樹脂=50/50〜95/5の範囲が好ましく、60/40〜90/10の範囲がより好ましい。前記質量比においてポリアリレート樹脂の比率が50未満であると、十分な耐熱性が得られにくく、逆に95を超えると、溶融加工時の流動性が不十分となりやすい。
本発明の樹脂組成物は、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=60/40(質量比)の混合液100ミリリットルに試料1.0gを溶解した溶液の、温度25℃におけるインヘレント粘度が、0.4〜0.7デシリットル/gであることが好ましく、0.45〜0.6デシリットル/gであることがより好ましい。インヘレント粘度が0.4デシリットル/g未満であると機械的特性が劣ったものとなりやすく、逆に0.7デシリットル/gを超えると溶融粘度が高く射出成形時の流動性が悪化しやすい。
本発明の樹脂組成物には、前記成分のほかに、成形品の耐熱変色性のさらなる向上の観点から、ヒンダードフェノール系やラクトン系などの酸化防止剤や、ヒンダードアミン系光安定剤などを含有させてもよい。さらに、本発明の樹脂組成物は、成形品の耐熱変色性が低下しない限り、紫外線吸収剤、ブルーイング剤、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、滑剤等の各種添加剤を含んでいても良い。
本発明において、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、液晶ポリマー樹脂を配合する方法は、特に限定されるものではなく、各成分が均一に分散されている状態になればよい。具体的には、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、液晶ポリマー樹脂をタンブラーあるいはヘンシェルミキサーを用いて均一にドライブレンドした後、溶融混練し押出ししてペレット化すればよい。
本発明の樹脂組成物は、任意の方法で各種成型品に成形することができる。成形方法は、特に制限されず、通常、射出成形法、押し出し成形法、圧縮成形法が好ましく用いられる。
次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
以下の実施例、比較例における各種特性の評価方法および使用した原料は、次のとおりである。
1.評価方法
(1)インヘレント粘度(デシリットル/g):ウベローデ型粘度管を使用し、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=60/40(質量比)の混合液を溶媒として、濃度1g/デシリットル、温度25℃において測定した。
(2)荷重たわみ温度(℃):ISO75に基づき、厚み4mmの試験片を用いて、荷重1.8MPaでの荷重たわみ温度を測定した。
(3)バーフロー流動長(mm):射出成形により、樹脂温度340℃、金型温度100度、厚み2mm、幅20mmにおける流動長を測定した。このとき、板状成形品について、日本電色工業社製の色差計 SE−2000を使用して測定した。ペレット状の樹脂組成物を、120℃で8時間以上熱風乾燥した後、32mmφ射出成形機(東芝機械社製 商品名EC100NII)に、厚み2mm、幅20mmのバーフロー試験金型を取り付けて、シリンダー温度340℃、金型温度130℃に設定し、射出圧力150MPa、射出時間4秒における流動長を測定した。
2.原料
(A)ポリアリレート樹脂
以下の方法により合成したポリアリレート(A−1)〜(A−2)を使用した。
(A−1)
水冷用ジャケットと攪拌装置とを備えた内容積100リットルの反応容器中で、水酸化ナトリウム 0.62kg(15.5mol)を50リットルのイオン交換水に溶解し、ついで二価フェノールとして2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)を1.64kg(7.20mol)と、p−tertブチルフェノール(PTBP)0.062kg(0.41mol)とを溶解した。別の容器で、芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸ジクロリド(TPC)およびイソフタル酸ジクロリド(IPC)を、それぞれ0.75kg(3.7mol)ずつ、含有水分率が20ppmのジクロロメタン20リットルに溶解した。それぞれの液を20℃になるよう調節した後、反応容器中で前記水溶液を攪拌したところへ、前記ジクロロメタン溶液を全量投入した。投入終了直後、単位体積あたりの攪拌所要動力が10kW/mとなるように攪拌機の回転数を調節し、そのまま6時間攪拌を続け、その後に攪拌機を停止した。静置分離後に水相を抜き出し、残ったジクロロメタン相に酢酸120g(2mol)を添加した。その後、イオン交換水25リットルを投入し、20分間攪拌してから、再度静置して水相を抜き出した。この水洗操作を水相が中性になるまで繰り返した後、ジクロロメタン相を、ホモミキサーを装着した容器に入った50℃の温水中に投入して塩化メチレンを蒸発させ、粉末状ポリアリレートを得た。この粉末状ポリアリレートを脱水した後、真空乾燥機を使用して、減圧下120℃で24時間乾燥して、ポリアリレート(A−1)を得た。このポリアリレート(A−1)のインヘレント粘度を測定したところ、0.53デシリットル/gであった。ポリアリレート(A−1)の組成とインヘレント粘度を、表1に示す。
Figure 2010083930
(A−2)
上記の(A−1)の製造時に比べて、水酸化ナトリウム、BPA、PTBP、TPC、IPCの配合量を、表1に示す値に変更した。それ以外(A−1)の製造時と同様にして、ポリアリレート(A−2)を得た。ポリアリレート(A−2)の組成とインヘレント粘度を、表1に示す。
(B)ポリカーボネート樹脂
(B−1)
1,1,2,2−テトラクロロエタンを溶媒として、濃度1g/デシリットル、温度25℃におけるインヘレント粘度が0.49であるポリカーボネート(住友ダウ社製、商品名 カリバー200−13)
(B−2)
前記インヘレント粘度が0.64であるポリカーボネート(住友ダウ社製、商品名 カリバー200−3)
(C)液晶ポリマー樹脂
(C−1)
液晶ポリマー樹脂(ユニチカ社製、商品名 ロッドランLC−5000)
(C−2)
液晶ポリマー樹脂(ポリプラスチックス社製、商品名 ベクトラA950RX)
(D)ポリエステル樹脂
(D−1)
ポリエチレンテレフタレート樹脂(ユニチカ社製、商品名 NEH−2050)
(D−2)
ポリブチレンテレフタレート樹脂(ウィンテックポリマー社製、商品名 ジュラネックス2002)
実施例1〜9
熱風循環式乾燥機を用いて120℃で8時間以上乾燥を行った(A)ポリアリレート樹脂、(B)ポリカーボネート樹脂および(C)液晶ポリマー樹脂を、表2に記載の配合割合で総仕込み量3kgで混合した。その後、クボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置 CE−W−1を用いて、ベント部を二箇所有する、スクリュー径37mm、L/D=40の二軸押出機(東芝機械社製、TEM37BS)の主供給口に供給した。そして、押出機のバレル温度320℃、ベント減圧度−0.099MPa(ゲージ圧)、吐出量20kg/h、スクリュー回転数300rpmで溶融混練した。そして、ダイスからストランド状に引き取った樹脂組成物を水浴して冷却固化し、ペレタイザーでカッティングした後、120℃で8時間熱風乾燥することによって、樹脂組成物のペレットを得た。
得られた樹脂組成物ペレットのインヘレント粘度を測定した。また、32mmφ射出成形機(東芝機械社製 EC100NII)を使用し、シリンダー温度340℃、金型温度100℃の条件で、100mm×10mm×4mmの短冊型成形品を射出成形し、荷重たわみ温度を測定した。さらにはバーフロー流動長を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2010083930
比較例1〜5
各樹脂の配合割合を表3に記載の通りとした。それ以外は上述の実施例と同様にして、樹脂組成物のペレットを作製し、評価した。その結果を表3に示す。
比較例6、7
表3に示すように、(C)液晶ポリマー樹脂に代えてそれぞれ(D−1)ポリエチレンテレフタレート樹脂、(D−2)ポリブチレンテレフタレート樹脂を配合した。それ以外は上述の実施例と同様にして、樹脂組成物のペレットを作製し、評価した。その結果を表3に示す。
Figure 2010083930
実施例1〜8においては、各配合比で、良好な耐熱性と流動性とを有する樹脂組成物が得られた。実施例9は、(A)ポリアリレート樹脂よりも(B)ポリカーボネート樹脂の配合比率が高かったため、耐熱性が若干低下したが、優れた流動性を示した。
比較例1〜3は、(A)ポリアリレート樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂とのみで樹脂組成物を形成し、(C)液晶ポリマー樹脂を配合しなかったため、実施例1〜3に比較して流動性が劣るものとなった。比較例4は、(C)液晶ポリマー樹脂の配合比率が本発明の範囲を超えて高かったため、インヘレント粘度が小さいものとなって、所要の機械的物性を期待できないものであった。比較例5は、(B)ポリカーボネート樹脂を配合しなかったため、流動性が不十分であった。比較例6および7では、(C)液晶ポリマー樹脂のかわりに(D)ポリエステル系の樹脂を配合したため、流動性は大幅に改善されたが、耐熱性が低下した。

Claims (2)

  1. ポリアリレート樹脂と、ポリカーボネート樹脂と、液晶ポリマー樹脂とを含有し、組成物全体を100質量部としたとき、液晶ポリマー樹脂の配合割合が1〜10質量部であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂との組成比が、質量比で、ポリアリレート樹脂/ポリカーボネート樹脂=50/50〜95/5であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
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