JP2010082956A - 本革材及び自動車の内装品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】床革からなる基層11と、基層11上に厚さが30〜50μmである脂肪族イソシアネートを用いたポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂等の熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルムを溶融圧着してなる目止め層12と、目止め層12上にウレタン系塗料を塗装してなる塗膜層13とを有することを特徴とする本革材10を表皮に用いた自動車の内装品。
【選択図】図1
Description
ところで、本革には、表皮層を有する革の他に、革の厚さ等を調整するために、革を水平方向に割くことがあり、このときに生じる裏側の革(表皮層を有さない革)として、床革等がある。
また、特許文献3には、補強用布地を床革に接着するために、塩化ビニル樹脂からなる熱可塑性フィルムによる熱圧着を用いた複合材料が記載されている。しかし、この複合材料の表面を塗装して、自動車の内装品の表皮に用いられる本革材とするには、塗膜との密着性、目止め効果(塗料の浸透防止性)及び耐摩耗性等の点で不十分であった。
前記基層上に厚さが20〜60μmである熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルムを溶融圧着してなる目止め層と、
前記目止め層上にウレタン系塗料を塗装してなる塗膜層とを有することを特徴としている。
本革を水平方向に割く等して、表皮層が取り除かれた本革である床革としては、特に限定はされないが、厚さが0.8〜3.0mmであることが好ましい。また、表皮に用いられた自動車の内装品等が佳麗になることから、少なくとも目止め層が設けられる面は、バフ研磨等により平滑になっていることが好ましい。
また、床革になる皮革としては、特に限定はされないが、牛革、馬革、豚革等が例示できる。
また、床革からなる基層は、一枚の床革からなるものでもよいし、複数枚の床革を重ねてなるものでもよい。
熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルムの厚さが、20μm未満では塗装されるウレタン系塗料が基層中に浸透することを防ぐ目止め効果が弱くなり、60μmを超えると本革材の風合いが悪くなる。好ましくは、25〜55μmであり、より好ましくは、30〜50μmである。
熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルムを溶融圧着するための条件としては、用いる熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルムの種類(厚さ、素材等)によって異なり、特に限定はされないが、120℃の温度にて4.9MPaの圧力で20秒間圧着する条件等が例示できる。
また、用いられる熱可塑性ポリウレタン樹脂(フィルムの素材)としては、特に限定はされないが、イソシアネート成分として脂肪族イソシアネートを用いたポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂、同じく脂肪族イソシアネートを用いたポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂、イソシアネート成分として芳香族イソシアネートを用いたポリエステル系熱可塑性ポリウレタン樹脂、同じく芳香族イソシアネートを用いたポリエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂等が例示できる。また、これらの樹脂の融点としては、特に限定はされないが、80〜150℃であることが好ましい。
ウレタン系塗料としては、特に限定はされないが、ポリエステル系ウレタン塗料、アクリル系ウレタン塗料、ポリカーボネート系ウレタン塗料等が例示できる。また、塗膜の形成に硬化剤を用いない、いわゆる一液型のものでもよいし、塗膜の形成にイソシアネート成分等の硬化剤を用いる、いわゆる二液型のものでもよい。
イソシアネート成分としては、特に限定はされないが、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族、脂環族イソシアネートや、2、4−トリレンジイソシアネート(2、4−TDI)、2、6−トリレンジイソシアネート(2、6−TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1、5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族イソシアネートが例示できる。
ウレタン系塗料の塗装方法としては、特に限定はされないが、スプレー塗装、ロールコーター塗装等が例示できる。
また、ウレタン系塗料を塗装してなる塗膜層の膜厚としては、特に限定はされないが、10〜200μmであることが好ましい。
本革材の用途としては、特に限定はされないが、椅子等の家具や自動車の内装品等の表皮が例示できる。
自動車の内装品としては、特に限定はされないが、ステアリングホイール、シートクッション、コンソールアームレスト、アシストグリップ、シフトノブ、インストゥルメントパネル等が例示できる。
表面がバフ研磨された牛革からなる、厚さが2mmの床革の表面に、各フィルムをプレス温度120℃、プレス圧力4.9MPa、プレス時間20秒間の条件で溶融圧着して、目止め層を形成した。その後、目止め層の表面にポリエステル系ウレタン塗料をスプレー塗装して、膜厚が50μmの塗膜層を形成した。
なお、比較例1については、目止め層を形成することなく、床革の表面に直にポリエステル系ウレタン塗料をスプレー塗装して、膜厚が50μmの塗膜層を形成した。
塗装を行う前の各試料(床革に各フィルムを溶融圧着したもの)の断面の状態を顕微鏡にて観察し、評価した。
樹脂フィルムの樹脂が床革中に浸透してしまい、目止め層に亀裂や孔等の欠部がある状態、すなわち基層(床革)が目止め層で被覆されていない部位がある状態を×とし、目止め層に欠部がない状態、すなわち基層が目止め層で被覆されている状態を○と評価した。
各試料の塗膜層にカッターナイフで互いに交差する二本の切り込みを入れ、その交差する部位を含むように塗膜層の表面にセロファン粘着テープを貼着した後、その貼着されたセロファン粘着テープを剥がして塗膜層の剥離の有無を調べ、評価した。
塗膜層の剥離がない場合を○とし、塗膜層の剥離がある場合を×と評価した。
テーバー摩耗試験機を用い、摩耗輪CS#10、荷重9.8N、回転数60rpmの条件で評価した。
2000回転以上の回転を続けても、摩滅等の外観異常が生じない場合を○とし、2000回転未満の回転で摩滅等の外観異常が生じた場合を×と評価した。
本革材の風合い(感触)を、Softness Tester(ソフトネステスター:MSA Engineering Systems(エムエスエイエンジニアリングシステムス)社製)を用いて、剛軟度として測定した。
Softness Testerの値が3以上のものを○とし、この値が3未満のものを×と評価した。
また、本実施例は、比較例4と違い、剥離がなく塗膜層の密着性に優れていた。
さらに、本実施例は、比較例1、比較例2、比較例4及び目止め層の形成にポリアミド樹脂フィルムを用いた比較例5と違い、自動車の内装品の表皮に求められる耐摩耗性を確保することができた。
その上、本実施例は、目止め効果が悪い比較例1、比較例2、比較例4及び目止め層の形成に厚い(100μm)熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルムを用いた比較例3と違い、軟らかく、風合いも良好であった。
また、床革を用いたことにより、コストを下げることができた。
さらに、溶融圧着された熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルムを目止め層に用いたことにより、製造工程の無溶剤化が可能となり、溶剤の揮発による環境への影響がなく、乾燥等の工程がない非加熱による工程の簡略化が図れた。
11 基層
12 目止め層
13 塗膜層
Claims (2)
- 床革からなる基層と、
前記基層上に厚さが20〜60μmである熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルムを溶融圧着してなる目止め層と、
前記目止め層上にウレタン系塗料を塗装してなる塗膜層とを有することを特徴とする本革材。 - 請求項1記載の本革材を表皮に用いた自動車の内装品。
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