JP2010082942A - 圧電アクチュエータユニットの製造方法、液体移送装置の製造方法、圧電アクチュエータユニット及び液体移送装置 - Google Patents

圧電アクチュエータユニットの製造方法、液体移送装置の製造方法、圧電アクチュエータユニット及び液体移送装置 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電アクチュエータの製造時にフレキシブル配線部材が圧電層に接触してしまうのを防止する。
【解決手段】圧電アクチュエータを製造するためには、まず、圧電層42の上面に形成された上部電極45の接続端子45aの表面に導電性バンプ46を形成し、これとは別の工程で、予め形成されたCOF50における基材51の圧力室10と対向することなる複数の領域A1に、それぞれ複数の切れ込み51a、51bを形成し、続いて、基材51の下面の圧電層42と対向することとなる部分に接着剤層55を形成する。次に、COF50と圧電層42とを位置合わせした状態で、ヒータHによりCOF50を圧電層42に向かって押圧しながら加熱することにより、基材51の下面に形成されたランド52と導電性バンプ46とを接触させるとともに、接着剤層55により、COF50と圧電層42とを接合する。
【選択図】図7

Description

本発明は、圧電層の表面と対向するように配線部材が配置された圧電アクチュエータユニットの製造方法及び液体移送装置の製造方法、並びに、圧電層の表面と対向するように配線部材が配置された圧電アクチュエータユニット及び液体移送装置に関する。
特許文献1には、圧電アクチュエータにより圧力室内のインクに圧力を付与することによってノズルからインク滴を吐出する記録ヘッドを製造する際に、最も上方に配置された圧電シート(圧電層)の上面に配置された個別電極のランド部の表面にバンプを形成するとともに、端子部や配線が形成されたFPC(Flexible Printed Circuit)(フレキシブル配線部材)の下面に未硬化の熱硬化性の合成樹脂層を形成し、FPCを圧電シートに向かって押圧するとともに加熱することにより、バンプが合成樹脂層を貫通して端子部に接触した状態で、圧電シートとFPCとを接合することが記載されている。
特開2005−35847号公報
一般にFPCはポリイミドなどの基材の表面に導電層が形成され、さらにその導電層を覆う絶縁性のレジスト材が形成されてなり、基材の熱膨張係数は、圧電シートよりも線膨張係数が大きいため、特許文献1に記載されているように、FPCを圧電シートに向かって押圧するとともに加熱すると、FPCは膨張しFPCと圧電シートとの線膨張係数の違いにより、FPCは圧電シート側、あるいは圧電シートと反対側に撓むこととなってしまう。バーヒータなどでFPCの表面を押圧して加熱する場合、上側からの押圧力によりFPCは圧電シート側に撓みやすい。そして、FPCが圧電シート側に撓んで、圧電シートの表面に接触してしまうと、圧電層に汚れや傷が生じてしまう虞がある。特にFPCが圧電層の圧力室と対向する部分(活性部)に接触した場合には、圧電アクチュエータを駆動させたときの、圧電シートの変形を阻害し、その結果、ノズルからのインクの吐出特性に影響を生じさせてしまう虞がある。特に、特許文献1に記載されているような、最も上方に配置された圧電シートに電界を発生させて、当該圧電シート水平方向に収縮させることにより、当該圧電シート及び当該圧電シートの下面に接合された、振動板として動作する圧電シートをその厚み方向に変形させる、いわゆるユニモルフ変形を用いた圧電アクチュエータにおいては、活性部が圧電シート表面に近いためFPCが圧電シートに接触したときの、圧電シートの変形量の変動は大きなものとなる。
本発明の目的は、フレキシブル配線部材が圧電層に接触してしまうのを防止することが可能な圧電アクチュエータユニット及びその製造方法、並びに、フレキシブル配線部材が圧電層に接触してしまうのを防止することが可能な液体移送装置及びその製造方法を提供することである。
第1の発明に係る圧電アクチュエータユニットの製造方法は、複数の活性部を有する圧電層と、前記圧電層に設けられ、前記複数の活性部に電界を発生させて前記複数の活性部を駆動させるための複数の電極と、前記圧電層と対向するように配置されており、前記複数の電極に接続される複数の配線が形成された、前記圧電層よりも線膨張係数の大きいフレキシブル配線部材とを備えており、前記圧電層の前記フレキシブル配線部材との対向面には、前記複数の電極にそれぞれ接続された複数の第1接続端子が形成されており、前記フレキシブル配線部材の前記圧電層との対向面には、前記複数の第1接続端子と対向する部分に、前記複数の配線にそれぞれ接続された複数の第2接続端子が形成されており、前記複数の第1接続端子と前記複数の第2接続端子とが、それぞれ、バンプを介して接続された圧電アクチュエータユニットの製造方法であって、前記複数の第1接続端子及び前記複数の第2接続端子のいずれか一方に、前記バンプを形成するバンプ形成工程と、前記フレキシブル配線部材の前記圧電層と反対側の面における、少なくとも前記圧電層の複数の活性部と対向することとなる領域に切れ込みを形成する切れ込み形成工程と、前記切れ込み形成工程の後、前記フレキシブル配線部材を前記圧電層と反対側から前記圧電層に向かって押圧しつつ加熱することによって、前記バンプを介して前記複数の第1接続端子と前記複数の第2接続端子とをそれぞれ接続するとともに、前記複数の第1接続端子及び前記複数の第2接続端子と対向する部分において前記圧電層と前記フレキシブル配線部材とを接合する接合工程とを備えていることを特徴とするものである。
フレキシブル配線部材を圧電層に向かって押圧しながら加熱することで、バンプを介して第1接続端子と第2接続端子とを接続するとともに、フレキシブル配線部材と圧電層とを接合する場合、圧電層とフレキシブル配線部材との線膨張係数の差によってフレキシブル配線部材が圧電層側に変形して、その結果、フレキシブル配線部材が圧電層に接触してしまう虞がある。
しかしながら、本発明では、フレキシブル配線部材の圧電層と反対側の面の少なくとも活性部と対向する領域に切れ込みが形成されているため、フレキシブル配線部材の切れ込みが形成された圧電層と反対側部分はその周囲の部分によりその変形が拘束されにくく、フレキシブル配線部材は、圧電層側と反対側の部分が圧電層側の部分よりも自由に変形することができるようになっている。このため、フレキシブル配線部材は、圧電層と反対側の部分が圧電層側の部分よりも大きく膨張することとなり、その結果、フレキシブル配線部材は、圧電層側には変形しにくい。したがって、フレキシブル配線部材が圧電層の活性部に接触してしまうのが防止され、圧電層の活性部の変形が阻害されてしまうのを防止することができる。
第2の発明に係る圧電アクチュエータユニットの製造方法は、第1の発明に係る圧電アクチュエータユニットの製造方法であって、前記接合工程の前に、少なくとも前記複数の第2接続端子が形成された部分を含む前記フレキシブル配線部材の前記圧電層との対向面に、未硬化の熱硬化性接着剤層を形成する接着剤層形成工程をさらに備えており、前記接合工程において、前記フレキシブル配線部材を前記圧電層と反対側から前記圧電層に向かって押圧することにより、前記バンプに未硬化の熱硬化性接着材層を貫通させ前記第1接続端子と第2接続端子とを接続させつつ、前記圧電層と前記フレキシブル配線部材とを前記熱硬化性接着剤層により接合することを特徴とするものである。
フレキシブル配線部材の圧電層側の面に未硬化の熱硬化性の接着剤層を形成してから、フレキシブル配線部材を圧電層に向かって押圧しながら加熱することによりフレキシブル配線部材と圧電層とを接合する場合、フレキシブル配線部材が膨張して圧電層側に撓んで圧電層に接触してしまうと、フレキシブル配線部材の圧電層側の面に形成されていた接着剤層が圧電層に接触してしまう虞がある。そして、フレキシブル配線部材は、第1接続工程の後、ヒータを離すと、膨張した状態から収縮して元に戻ろうとするが、接着剤層が圧電層に接触していると、接着剤層が硬化して、フレキシブル配線部材が圧電層に接触した状態のまま元に戻らなかったり、元に戻った場合でも圧電層に接着剤層が残留したまま硬化したりしてしまう虞がある。そして、その結果、圧電層に付着した接着剤層又は圧電層に接合されたフレキシブル配線部材により、圧電層に汚れや傷が生じてしまう虞があるとともに、圧電層の変形が阻害されて圧電アクチュエータユニットの駆動が阻害されてしまう虞がある。
しかしながら、本発明では、フレキシブル配線部材は、切れ込みが形成されていることにより圧電層側に変形しにくいため、未硬化の熱硬化性接着剤層によりフレキシブル配線部材が圧電層に接触し、その後、ヒータを離したときに接着剤層によりフレキシブル配線部材が圧電層に接合されて変形が元に戻らなかったり、圧電層に接着剤層が残留したりするのを防止することができる。
第3の発明に係る圧電アクチュエータユニットの製造方法は、第1又は第2の発明に係る圧電アクチュエータユニットの製造方法であって、前記切れ込み形成工程において、前記フレキシブル配線部材の前記複数の活性部にそれぞれ対向することとなる互いに連続しない個別の領域に、前記切れ込みを形成することを特徴とするものである。
これによると、フレキシブル配線部材の複数の活性部にそれぞれ対向することとなる互いに連続しない個別の領域に切れ込みを形成することにより、これらの領域にまたがった1つの領域に連続的に複数の切れ込みを形成する場合と比較して、フレキシブル配線部材の圧電層側の部分と圧電層と反対側の部分との膨張量の差によるフレキシブル配線部材の歪みを抑えることができるとともに、圧電層とフレキシブル配線部材とを接合したときに、フレキシブル配線部材の各活性部と対向する部分は確実に圧電層側に変形しにくくなる。
第4の発明に係る圧電アクチュエータユニットの製造方法は、第1〜第3のいずれかの発明に係る圧電アクチュエータユニットの製造方法であって、前記切れ込み形成工程において、前記フレキシブル配線部材の前記圧電層との対向面と直交する方向から見て、そのコーナー部に近い部分のほど細かい切れ込みを形成することを特徴とするものである。
これによると、フレキシブル配線部材はコーナー部に近い部分ほど膨張しやすいが、フレキシブル配線部材の平面視で膨張しやすいコーナー部に近い部分ほど細かい切れ込みを形成することにより、フレキシブル配線部材の圧電層側への変形を確実に防止することができる。
第5の発明に係る圧電アクチュエータユニットの製造方法は、第1〜第4のいずれかの発明に係る圧電アクチュエータユニットの製造方法であって、前記圧電アクチュエータユニットが、前記圧電層の前記フレキシブル配線部材と反対側の面に接合された振動板をさらに備えたものであることを特徴とするものである。
圧電アクチュエータユニットが、活性部に電界を発生させて圧電層をその面方向に変形させることにより圧電層及び振動板を全体としてその厚み方向に変形させる(いわゆるユニモルフ変形する)圧電アクチュエータユニットである場合、フレキシブル配線部材が活性部に接触してしまうと、圧電アクチュエータユニットの駆動が特に阻害されやすい。
しかしながら、本発明では、フレキシブル配線部材が活性部に接触しにくいため、圧電アクチュエータユニットの駆動を阻害するのを防止することができる。
第6の発明に係る液体移送装置の製造方法は、圧力室を含む液体を移送するための液体移送流路が形成された流路ユニットと、前記圧力室内の液体に圧力を付与する複数の活性部を有する圧電層と、前記圧電層に設けられ、前記複数の活性部に電界を発生させて前記複数の活性部を駆動させるための複数の電極と、前記圧電層と対向するように配置されており、前記複数の電極に接続される複数の配線が形成された、前記圧電層よりも線膨張係数の大きいフレキシブル配線部材とを備えており、前記圧電層の前記フレキシブル配線部材との対向面には、前記複数の電極にそれぞれ接続された複数の第1接続端子が形成されており、前記フレキシブル配線部材の前記圧電層との対向面には、前記複数の第1接続端子と対向する部分に、前記複数の配線にそれぞれ接続された複数の第2接続端子が形成されており、前記複数の第1接続端子と前記複数の第2接続端子とが、それぞれ、バンプを介して接続された液体移送装置の製造方法であって、前記複数の第1接続端子及び前記複数の第2接続端子のいずれか一方に、前記バンプを形成するバンプ形成工程と、前記フレキシブル配線部材の前記圧電層と反対側の面における、少なくとも前記圧電層の複数の活性部と対向することとなる領域に切れ込みを形成する切れ込み形成工程と、前記切れ込み形成工程の後、前記フレキシブル配線部材を前記圧電層と反対側から前記圧電層に向かって押圧しつつ加熱することによって、前記バンプを介して前記複数の第1接続端子と前記複数の第2接続端子とをそれぞれ接続するとともに、前記複数の第1接続端子及び前記複数の第2接続端子と対向する部分において前記圧電層と前記フレキシブル配線部材とを接合する接合工程とを備えていることを特徴とするものである。
第7の発明に係る圧電アクチュエータユニットは、複数の活性部を有する圧電層と、前記圧電層に設けられ、前記複数の活性部に電界を発生させて前記複数の活性部を駆動させるための複数の電極と、前記圧電層と対向するように配置されており、前記複数の電極に接続される複数の配線が形成された、前記圧電層よりも線膨張係数の大きいフレキシブル配線部材とを備えており、前記圧電層の前記フレキシブル配線部材との対向面には、前記複数の電極にそれぞれ接続された複数の第1接続端子が形成されており、前記フレキシブル配線部材の前記圧電層との対向面には、前記複数の第1接続端子と対向する部分に、前記複数の配線にそれぞれ接続された複数の第2接続端子が形成されており、前記複数の第1接続端子と前記複数の第2接続端子とが、それぞれ、バンプを介して接続されており、前記フレキシブル配線部材の前記圧電層と反対側の面における、少なくとも前記複数の活性部と対向する領域に切れ込みが形成されていることを特徴とするものである。
第8の発明に係る液体移送装置は、圧力室を含む液体を移送するための液体移送流路が形成された流路ユニットと、前記圧力室内の液体に圧力を付与する複数の活性部を有する圧電層と、前記圧電層に設けられ、前記複数の活性部に電界を発生させて前記複数の活性部を駆動させるための複数の電極と、前記圧電層と対向するように配置されており、前記複数の電極に接続される複数の配線が形成された、前記圧電層よりも線膨張係数の大きいフレキシブル配線部材とを備えており、前記圧電層の前記フレキシブル配線部材との対向面には、前記複数の電極にそれぞれ接続された複数の第1接続端子が形成されており、前記フレキシブル配線部材の前記圧電層との対向面には、前記複数の第1接続端子と対向する部分に、前記複数の配線にそれぞれ接続された複数の第2接続端子が形成されており、前記複数の第1接続端子と前記複数の第2接続端子とが、それぞれ、バンプを介して接続されており、前記フレキシブル配線部材の前記圧電層と反対側の面における、少なくとも前記複数の活性部と対向する領域に切れ込みが形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、フレキシブル配線部材の圧電層と反対側の面の少なくとも活性部と対向する領域に切れ込みが形成されているため、フレキシブル配線部材の切れ込みが形成された圧電層と反対側部分はその周囲の部分によりその変形が拘束されにくく、フレキシブル配線部材は、圧電層側と反対側の部分が圧電層側の部分よりも自由に変形することができるようになっている。このため、フレキシブル配線部材は、圧電層と反対側の部分が圧電層側の部分よりも大きく膨張することとなり、その結果、フレキシブル配線部材は、圧電層側には変形しにくい。したがって、フレキシブル配線部材が圧電層の活性部に接触してしまうのが防止され、圧電層の活性部の変形が阻害されてしまうのを防止することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る圧電アクチュエータを有する液体移送装置としてのプリンタ1の概略構成図である。このプリンタ1は、単独のプリンタ装置に適用しても、あるいは、ファクシミリ機能やコピー機能等の複数の機能を備えた多機能装置のプリンタ装置に適用してもよい。図1に示すように、プリンタ1は、装置本体内にキャリッジ2、インクジェットヘッド3(液体移送装置)、用紙搬送ローラ4、ガイド軸5、プラテン6などを備えている。なお、以下の説明ではノズルから液体を吐出する方向を下方向とし、その反対方向を上方向としている。また、必要に応じて図中の方向を定める場合は、適宜説明を付与する。
キャリッジ2は、その上面が開口された略箱状の樹脂製のケースで、図1の左右方向(走査方向)に延びるガイド軸5に移動可能に載置され、図示しない駆動ユニットによって走査方向(左右方向)に往復移動するように構成されている。装置本体内には、複数種類のインク(例えば、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの4種類)を供給するための交換式のインクカートリッジ(図示せず)が静置されていて、各インクカートリッジはインクチューブ(図示せず)を介してキャリッジ2内に載置されたインクジェットヘッド3に接続されている。また、キャリッジ2の下方に対向して、用紙搬送ローラ4とプラテン6が配置されていて、その両者の間に記録用紙Pが図1の手前方向(紙送り方向)に搬送される。インクジェットヘッド3は、キャリッジ2の下面に配置されており、複数のノズルをキャリッジ2のした面に露出開口させて搭載している。
そして、プリンタ1においては、用紙搬送ローラ4により紙送り方向に搬送される記録用紙Pに、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動するインクジェットヘッド3からインクを吐出することにより、記録用紙Pに印刷を行う。
次に、インクジェットヘッド3について説明する。図2は図1のインクジェットヘッド3の構成を示す斜視図である。図3はインクジェットヘッド3の平面図である。図4(a)は図3の部分拡大図である。図4(b)〜(d)は、図4(a)における後述する振動板40及び各圧電層41、42の上面をそれぞれ示す図である。図5は図4(a)のV−V線断面図である。図6は図4(a)のVI−VI線断面図である。
なお、図面を分かりやすくするため、図2においては、後述するランド52と配線53とを透過した状態で図示している。また、図3、図4においては、後述する流路ユニット31のインク流路の一部の図示を省略している。また、図3においては、後述する複数の領域A1のうちの1つにハッチングを付しているとともに、圧電アクチュエータ32の下部電極43及び中間電極44の図示を省略している。さらに、図4においては、後述するCOF50の図示を省略するとともに、図4(a)においては、ともに点線で図示すべき下部電極43及び中間電極44を、それぞれ二点鎖線及び一点鎖線で図示し、図4(b)〜(d)においては、圧力室10と後述する下部電極43、中間電極44及び上部電極45との平面視での位置関係を示していて、各電極43、44、45にハッチングを付している。
図2〜図6に示すように、インクジェットヘッド3は、複数のノズル15や複数の圧力室10等の複数のインク流路が形成された流路ユニット31と流路ユニット31の上面に配置され、圧力室10内に充満されたインクにノズル15からの吐出のための圧力を付与する圧電アクチュエータユニット33とを備えている。圧電アクチュエータユニット33は、圧電アクチュエータ32とその上面に電気的かつ機械的に接続されたCOF50(Chip On Film)(配線部材)とからなる。流路ユニット31は、略矩形状の、インク流路となる複数の貫通孔が形成された複数のプレート21〜24が互いに積層されることによって、インク供給口9からインクが供給されるマニホールド流路11、及び、マニホールド流路11の出口から流路12を経て圧力室10に至り、さらに、圧力室10から流路13、14を経てノズル15に至る複数の個別インク流路を有するインク流路(液体移送流路)が形成されている。そして、後述するように、圧電アクチュエータ32により、圧力室10内のインクに圧力が付与されると、圧力室10に連通するノズル15からインクが吐出される。ノズルプレート24を除く3枚のプレート21〜24はステンレス板やニッケル合金鋼板などの金属材料により構成されており、ノズルプレート24はポリイミド等の合成樹脂材料によって構成されている。
流路ユニット31の最上層のプレート21には、複数のノズル15に対応して複数の圧力室10が板厚を貫通して形成され、圧力室10は、走査方向を長手方向とする略楕円形の平面形状(図4も参照)を有し、その一端を流路12と、他端がノズル15と連通するように形成されており、複数の圧力室10は紙送り方向に沿って配列されて1つの圧力室列8を構成しており、このような圧力室列8が、走査方向に2列に配列されることによって1つの圧力室群7を構成している。さらに、このような圧力室群7が走査方向に沿って5つ配列されている。ここで、1つの圧力室群7に含まれる2列の圧力室列8を構成する圧力室10同士は、紙送り方向に関して互いにずれて配置されている。また、流路ユニット31の最下層のノズルプレート24には、複数の圧力室10の長手方向の一端と連通する複数のノズル15が下方に開口して貫通形成されていて、図示しないが、複数の圧力室10と同様に送り方向に配列しているとともに、ノズル列群をなし、走査方向に5つのノズル列群をなしている。
そして、5つの圧力室群7のうち、図1の右側の2つを構成する圧力室10に対応するノズル15からは使用頻度の高いブラックのインクが吐出され、図1の左側の3つを構成する圧力室群7の圧力室10に対応するノズル15からは、図1の右側に配列されているものから順に、イエロー、シアン、マゼンタのインクが吐出される。また、プレート22には、平面視で圧力室10の長手方向の両端部に重なる位置にそれぞれ流路12、13となる貫通孔が形成され、プレート23には、マニホールド流路11となる貫通孔が圧力室10の列に対応して紙送り方向に延び、平面視で圧力室10の長手方向と重なるとともにインク供給口9と連通する位置まで延設されている。
次に、圧電アクチュエータ32は略矩形状であり、振動板40、圧電層41、42、下部電極43、中間電極44、上部電極45を備えている。振動板40は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料からなり、複数の圧力室10を覆うように、流路ユニット31の上面に配置されている。また、振動板40の厚みは20μm程度となっている。なお、この振動板40は必ずしも圧電材料からなる必要はない。圧電層41、42は、振動板40と同様の圧電材料からなり、互いに積層されて振動板40の上面に配置されている。また圧電層41、42の厚みは、それぞれ20μm程度となっている。
下部電極43は、振動板40と圧電層41との間に配置されており、図4(b)のように各圧力室群7に対応して、各圧力室群7を構成する2列の圧力室列8に沿って紙送り方向に延びており、これら2列の圧力室列8を構成する複数の圧力室10と平面視で重なり合うように対向している。また、図示しないが、各圧力室群7に対応して上記紙送り方向に延びた部分同士は互いに接続され、図示しない接続端子が設けられている。接続端子は、COF50上の図示しない配線のランドと接続され、配線を介して下部電極43は、常にグランド電位に保持されている。
中間電極44は、圧電層41と圧電層42との間に配置されており、図4(c)のように各圧力室群7毎に、それぞれ、複数の対向部44a及び接続部44b、44cを有している。複数の対向部44aは、紙送り方向に関する長さが圧力室10よりも短い略矩形の平面形状を有しており、複数の圧力室10の紙送り方向に関する略中央部と対向するように配置されている。
接続部44bは、紙送り方向に延びて、各圧力室群7を構成する2列の圧力室列8のうち、図4の右側に配置された圧力室列8を構成する複数の圧力室10に対応する複数の対向部44aの図4右側の端同士を接続している。接続部44cは、紙送り方向に延びて、各圧力室群7を構成する2列の圧力室列8のうち、図4の左側に配置された圧力室列8を構成する複数の圧力室10に対応する複数の対向部44aの図4左側の端同士を接続している。また、中間電極44は、図示しない接続端子と、COF50上の配線に接続されており、配線を介して常に所定の正の電位(例えば、20V程度)に保持されている。
複数の上部電極45は、図3、図4(d)のように圧電層42の上面に、複数の圧力室10に対応して、複数の圧力室10のほぼ全域と対向するように配置されており、紙送り方向に配列しているとともに、上部電極列群をなし、走査方向1つの上部電極列群に含まれる2列の上部電極45の列を構成する上部電極45同士は、紙送り方向に関して互いにずれて配置されている。また、上部電極45は、紙送り方向に関する長さが中間電極44の対向部44aよりも長い、略矩形の平面形状を有している。また、上部電極45は、走査方向に関するノズル15と反対側の端における一部分が、走査方向に圧力室10と対向しない部分まで延びており、この部分がCOF50の配線53のランド52に接続される接続端子45a(第1接続端子)となっている。接続端子45aは、Ag−Pd系の材料からなる。さらに接続端子45aの表面には、金属などの導電性材料(本実施形態ではAgペースト)からなり、接続端子45aの表面から上方に突出した導電性バンプ46が形成されている。また、上部電極45は、後述するように、導電性バンプ46を介してCOF50上の配線53と接続され、COF50に実装されたドライバIC54に接続されており、グランド電位と上記所定の電位(例えば、20V)との間でその電位が切り替えられる。なお、前述した中間電極44と下部電極43の図示しない接続端子も上部電極43と同様に導電性バンプを介して配線と電気的に接続されている。
また、前述した圧電層42は、予め上部電極45と中間電極44とに挟まれた部分が上向きに分極されており、圧電層41、42は、上部電極45と下部電極43とに挟まれた部分が、上部電極45から下部電極43に向かって下向きに分極されている。なお、圧電層41のうち、中間電極44と下部電極43とに挟まれた部分は、中間電極44から下部電極43に向かって下向きに分極されている。
次に、圧電アクチュエータ32に電位を付与するCOF50(フレキシブル配線部材)は、基材51、複数のランド52、複数の配線53、53z及びドライバIC54を有している。COF50は、圧電アクチュエータ32の上方に配置されて接続されており、走査方向に引き出されている。
基材51はポリイミドなどの樹脂材からなり絶縁性および可撓性を有した帯状で、圧電材料よりも線膨張係数の大きい。配線53、53zは、銅などの導電性材料で基材51上に印刷などで形成され、基材51は、配線53が形成された面が圧電層42と対向して圧電アクチュエータ32上に配置されている。ドライバIC54は、圧電アクチュエータ32に印加する駆動信号を供給するための駆動回路を内蔵していて、COF50の引き出された部分の上面に配置されている。ドライバIC54には、本体側プリンタからの駆動電圧が入力される入力用の配線53zと、ドライバIC54から各電極43に駆動電圧が出力される出力用の配線53が接続されている。
ランド52(第2接続端子)は、基材51の圧電層42との対向面(下面)の平面視で導電性バンプ46と重なる部分に配置され、圧電アクチュエータ32とCOF50との接続時に導電性バンプ46と接触する電気的接続点となる。また、ランド52は、ドライバIC54から延在する複数の配線53の端部に設けられていてドライバIC54と接続されている。なお、図示しないが、COF50には、中間電極44および下部電極45に接続される配線およびランドがドライバIC54を介さずに配線されている。なお、基材51の圧電層42と反対側の上面に形成されたドライバIC54と、基材51の下面に形成された配線53とは、基材51に形成された図示しないスルーホールなどを介して接続されている。
また、基材51には、配線53が形成されていない側の上面において複数の領域A1に、それぞれ、複数の切れ込み51a、51bが形成されている。ここで、複数の領域A1は、各圧力室群7における、互いに紙送り方向にずれた状態で走査方向に隣接する2つの圧力室10にそれぞれ対向するように設けられた領域(複数の活性部とそれぞれ対向する個別の領域、少なくとも活性部と対向する領域)である。つまり、帯状に延びるCOF50のうち、圧電アクチュエータ32と対向して配置される略矩形状の領域Bに複数の領域A1が含まれる。複数の切れ込み51aは、それぞれ、紙送り方向に延びているとともに走査方向に配列されており、図5の断面で見てV字状となっている。複数の切れ込み51bは、それぞれ、走査方向に延びているとともに紙送り方向に配列されており、図6の断面で見てV字状となっている。すなわち、複数の切れ込み51aと複数の切れ込み51bとは互いに直交しており、格子状に配置されている。
これにより、基材51は、複数の切れ込み51a、51bが形成された部分において、その上面側の部分が基材51の隣接する部分に拘束されておらず、その下面側の部分と比較して自由に変形できるようになっている。
ここで、複数の領域A1は、COF50の圧電アクチュエータ32と対向する略矩形状の領域Bのうち、基材51のコーナー部に近い位置にある領域A1ほど細かい切れ込み51a、51bが形成されている。具体的には、基材51の圧電アクチュエータ32と対向する略矩形状の領域Bの4隅のコーナー部に最も近い図3における左側の圧力室群7の上下両端および右側の圧力室群7の上下両端部に位置する複数の領域A1には、他の領域A1よりも細かい切れ込み51a、51bが形成されている。あるいは、上記略矩形状の領域Bのうち、4辺の外周に沿った枠状の領域内に位置する領域A1には、他の領域A1よりも細かい切れ込みが51a、51b形成され、さらに、当該枠状の領域のうち、領域Bの4隅のコーナー部に位置する領域A1に最も細かく切れ込み51a、51bが形成されていてもよい。なお、細かい切れ込み51a、51bが形成されているとは、例えば、切れ込み51a同士の間隔及び切れ込み51b同士の間隔が小さくなっていることなどである。
また、COF50は、ランド52および配線53が形成された面を圧電層42と対向させて配置するとともに、ランド52および配線53を覆うソルダーレジストなどの熱硬化性材料を含む接着剤層55が形成されている。圧電層42上の導電性バンプ46とランド52とは、後述する接合工程において、COF50を圧電アクチュエータに対して、押圧、加熱することで、圧電層42の接続端子45a上の導電性バンプ46とランド52とが接触するとともに、接着剤層55が導電性バンプ46の周囲を覆って接続端子45a上に広がって硬化することで、導電性バンプ46を介してランド52と接続端子45aとが電気的かつ機械的に接続されて、圧電アクチュエータ32とCOF50とが接合された圧電アクチュエータユニット33が形成されて、インクジェットヘッド3が形成される。
接着剤層55の、ランド52と導電性バンプ46とが対向する部分以外の部分では、圧電層42とCOF50の下面との距離が設けられるため、接着剤層55と圧電層42との間には空間があり、基材51と圧電層42とを接合していない。接着剤層55は、少なくとも導電性バンプ46及びランド52と対向する部分に形成されている必要があり、また、配線53の保護のために配線53を覆って基材51の下面全面に形成されているが、接着剤層55は、全面に形成されてなくても必要な箇所に部分的に設けてあってもよい。
ここで、圧電アクチュエータ32の動作について説明する。まず、圧電アクチュエータ32がインクを吐出させる動作を行う前の待機状態においては、前述したように、下部電極43及び中間電極44が、それぞれ、常にグランド電位及び上記所定の電位(例えば、20V)に保持されているとともに、上部電極45の電位が予めグランド電位に保持されている。この状態では、上部電極45が中間電極44よりも低電位になっているとともに、下部電極43と同電位となっている。
これにより、上部電極45と中間電極44との間の電位差が生じ、圧電層42のこれらの電極に挟まれた部分にその分極方向と同じ上向きの電界が発生し、これにより、圧電層42のこの部分がこの電界と直交する水平方向に収縮する。これによりいわゆるユニモルフ変形が生じ、圧電層41、42及び振動板40の圧力室10と対向する部分が全体として圧力室10に向かって凸となるように変形する。この状態では、圧電層41、42及び振動板40が変形していない場合と比較して、圧力室10の容積が小さくなっている。
そして、インクを吐出させるべく圧電アクチュエータ32を駆動させる際には、上部電極45の電位を、一旦、上記所定の電位に切り替えた後、グランド電位に戻す。上部電極45の電位を上記所定の電位に切り替えると、上部電極45が中間電極44と同電位となるとともに、下部電極43よりも高電位となる。これにより、圧電層42の上記収縮が元に戻る。そしてこれと同時に、上部電極45と下部電極43との間に電位差が生じ、圧電層41、42のこれらの電極に挟まれた部分にはその分極方向と同じ下向きの電界が発生し、圧電層41、42のこの部分が水平方向に収縮する。これにより、圧電層41、42及び振動板40が全体として、圧力室10と反対側に凸となるように変形し、圧力室10の容積が増加する。その結果、圧力室10内のインクの圧力が低下し、マニホールド流路11から圧力室10にインクが流れ込む。
この後、上部電極45の電位をグランド電位に戻すと、前述したのと同様、圧電層41、42及び振動板40の圧力室10と対向する部分が全体として圧力室10に向かって凸となるように変形し、圧力室10の容積が小さくなる。これにより、圧力室10内のインクの圧力が上昇し、圧力室10に連通するノズル15からインクが吐出される。
また、上述したようにして圧電アクチュエータ32を駆動させる場合、上部電極45の電位をグランド電位から所定の電位に切り替えたときには、圧電層42の上部電極45と中間電極44とに挟まれた部分が収縮した状態から収縮前の状態に伸長すると同時に、圧電層41、42の上部電極45と下部電極43とに挟まれた部分が収縮するため、圧電層42の上記の伸長が、圧電層41、42の上記収縮に一部吸収される。
一方、上部電極45の電位を所定の電位からグランド電位に戻したときには、圧電層42の上部電極45と中間電極44とに挟まれた部分が収縮するとともに、圧電層41、42の上部電極45と下部電極43とに挟まれた部分が収縮前の状態まで伸長するため、圧電層42の上記収縮が圧電層41、42の上記伸長によって一部吸収される。
以上のことから、圧電層41、42の圧力室10と対向する部分の変形が、他の圧力室10と対向する部分に伝達して当該他の圧力室10に連通するノズル15からのインクの吐出特性が変動してしまう、いわゆるクロストークが抑制される。
なお、上述した待機状態及び圧電アクチュエータ32が駆動されている間においては、圧電層41の中間電極44と下部電極43との間の部分には常に電位差が生じており、圧電層41のこの部分には、その分極方向と同じ方向の電界が発生している。これにより、圧電層41のこの部分は常に収縮した状態となっている。なお、アクチュエータの構成および駆動方式は、圧力室に充満されたインクをノズルから吐出させるための圧力が付与できれば、本発明に適用することが可能である。
次に、インクジェットヘッド3の製造方法について説明する。図7は、インクジェットヘッド3の製造工程を示す工程図である。なお、図7においては、図面を分かりやすくするために、その上下方向に関する長さに対する左右方向に関する長さを縮めて描いている。
インクジェットヘッド3を製造するには、まず、図7(a)に示すように、予め作製された、振動板40、圧電層41、42及び電極43〜45と流路ユニット31(図示省略)との積層体における上部電極45の接続端子45aの上面に、印刷などによって導電性バンプ46を形成する(バンプ形成工程)。
また、図7(a)に示すような導電性バンプ46を形成する工程とは別の工程で、図7(b)に示すように、予め配線53およびランド52が作製されたCOF50の基材51の上面(圧電層と対向しない面)における複数の領域A1に、レーザ加工、サンドブラスタ加工、エッチングなどにより、それぞれ複数の切れ込み51a、51bを形成する(切れ込み形成工程)。このとき、前述したように、複数の領域A1には、基材51の圧電アクチュエータ32と対向する略矩形状の領域Bの4隅のコーナー部に近い位置にあるA1ほど細かい切れ込み51a、51bを形成する。続いて、図7(c)に示すように、基材51の下面(少なくともランド52が形成された部分を含む圧電層42との対向面)に、液状のソルダーレジストなどの絶縁性の熱硬化性樹脂などを塗布し、加熱を加えることで半硬化状態にして、未硬化の接着剤層55を形成する(接着剤層形成工程)。
そして、次に、図7(d)に示すように、ランド52と導電性バンプ46とが互いに対向するように、COF50を振動板40、圧電層41、圧電層42及び電極43〜45とを位置合わせしてから、ヒータHにより、基材51を圧電層42に向かって押圧しながら加熱する。すると、導電性バンプ46が接着剤層55を貫通してランド52に接触するとともに、導電性バンプ46に押しのけられた接着剤層55が導電性バンプ46の周囲の部分に流れ出て接続端子45aの上面に達し、接着剤層55はこの状態で加熱されて硬化する。これにより、導電性バンプ46とランド52とが電気的に接続されるとともに、基材51と圧電層42とが接着剤層55を介して接合される(接合工程)。なお、ヒータHの加熱温度は、熱硬化性の接着剤層を硬化させるための温度である。
このとき、基材51が、圧電層41、42を形成する圧電材料よりも線膨張係数の大きい材料により形成されているため、ヒータHにより押圧加熱を行うと、基材51が膨張し、ランド52と導電性バンプ46とは接続されているため、基材51における導電性バンプ46の間に位置する部分が、圧電層42側に撓んで圧電層42の上面に接触してしまう虞がある。さらに、基材51の下面に形成される未硬化の接着剤層55が圧電層42の上面に接触した状態で硬化してしまうと、基材51の撓んだ部分が圧電層42の上面に接合されてしまい、ヒータHによる押圧加熱をやめても膨張した基材51の変形が元に戻らなくなってしまう虞がある。また、基材51の変形が元に戻った場合であっても、接着剤層55が圧電層42の上面に残留してしまう虞がある。
そして、基材51が圧電層42に接触し、さらには圧電層42に接合されたり、圧電層42の上面に接着剤層55が残留したりしてしまうと、圧電層42に汚れや傷が生じてしまう虞がある。特に、圧電層42の圧力室10と対向する部分(活性部)に、基材51が接触し、さらには接合されたり、接着剤層55が残留したりしてしまった場合には、前述したように圧電アクチュエータ32を駆動したときの振動板40、圧電層41、42の変形が阻害されて、ノズル15からのインクの吐出駆動(圧電アクチュエータ32の駆動)を阻害されてしまう虞がある。特に、前述したように振動板40及び圧電層41、42がユニモルフ変形する圧電アクチュエータ32においては、上記ノズル15からのインクの吐出駆動を大きく阻害される。
しかしながら、本実施の形態では、基材51の上面における圧力室10と対向する領域を含む複数の領域A1に、それぞれ複数の切れ込み51a、51bが形成されているため、基材51の切れ込み形成部分はその上面側の部分が下面側の部分よりも自由に変形することができる。これにより、基材51は、その圧電層42と反対側の部分が圧電層42側の部分よりも大きく膨張することとなり、その結果、基材51は、圧電層42側には変形しにくくなる。
また、基材51は押圧加熱での前後で熱応力が生じて基材51が膨張・収縮をしても、可撓性があるため可逆性をもってある程度元に戻るものの、中央部分よりも外側方向に向かう熱応力が大きくなりやすく、領域Bのうち特に導電性バンプ46とランド52とが接続されている領域の周辺部の4隅のコーナー部においては、最も熱応力が集中しやすい。そのため、基材51の膨張時においてコーナー部に近い部分ほど変形しやすいが、基材51のコーナー部に近い位置にある領域A1ほど細かい切れ込み51a、51bが形成されているため、基材51が圧電層42側に変形して圧電層42に接触してしまうのを確実に防止することができる。なお、熱応力は、中央部分よりも外側方向に向かう熱応力が大きくなるため、前述したように、基材51の圧電アクチュエータ32と対向する略矩形状の領域Bのうち、4辺の外周に沿った枠状の領域内に位置する領域A1に他の領域A1よりも細かい切れ込み51a、51bを形成し、さらに、当該枠状の領域のうち、4隅のコーナー部に位置する領域A1に最も細かい切れ込み51a、51bが形成されていてもよい。つまり、圧電アクチュエータ32と対向する略矩形状の領域B内に位置する複数の領域A1のうち、熱応力が集中しやすい部分に位置する領域A1に対して細かい切れ込み51a、51bを形成することで、基材51が変形しやすい部分の変形抑制を達成している。
また、各圧力室群7を構成する、互いに紙送り方向にずれた状態で走査方向に隣接する2つの圧力室10(活性部)とそれぞれ対向する個別の領域A1に、それぞれ複数の切れ込み51a、51bが形成されているので、複数の領域A1にまたがった領域に連続的に切れ込み51a、51bが形成されている場合と比較して、基材51の上面側の部分と下面側の部分との膨張量の差によって基材51に生じる歪みを抑えることができるとともに、基材51の各圧力室10と対向する部分が圧電層42側に変形してしまうのを確実に防止することができる。
以上のことから、基材51が圧電層42に接触し、さらには圧電層42に接合されたり、圧電層42に接着剤層55が残留したりすることが防止され、これにより、圧電層42に汚れや傷が生じたりしない。特に、圧電層42の圧力室10と対向する部分(活性部)においては、以上のように基材51および接着剤層55が接触したり残留したりすることが防止できるため、振動板40及び圧電層41、42の変形が阻害されてノズル15からのインクの吐出駆動が阻害されたりしてしまうことを防止することができる。
以上に説明した実施の形態によると、基材51の上面における圧力室10と対向する領域を含む複数の領域A1に、それぞれ複数の切れ込み51a、51bが形成されているため、基材51の圧力室10と対向する部分はその上面側の部分が下面側の部分よりも自由に変形することができる。これにより、基材51は、その圧電層42と反対側の部分が圧電層42側の部分よりも大きく膨張することとなり、その結果、基材51は、圧電層42側には変形しにくくなる。
また、基材51は、最も熱応力が集中しやすいコーナー部が、加熱による膨張時には他の部分よりも変形しやすいが、基材51のコーナー部に近い位置にある領域A1ほど細かい切れ込み51a、51bが形成されているため、基材51が圧電層42側に変形して圧電層42に接触してしまうのを確実に防止することができる。
また、各圧力室群7を構成する、互いに紙送り方向にずれた状態で走査方向に隣接する2つの圧力室10(活性部)とそれぞれ対向する個別の領域A1に、それぞれ複数の切れ込み51a、51bが形成されているので、複数の領域A1にまたがった領域に連続的に切れ込み51a、51bが形成されている場合と比較して、基材51の上面側の部分と下面側の部分との膨張量の差によって基材51に生じる歪みを抑えることができるとともに、基材51の各圧力室10と対向する部分が圧電層42側に変形してしまうのを確実に防止することができる。
以上のことから、基材51が圧電層42に接触し、さらには圧電層42に接合されたり、圧電層42に接着剤層55が残留したりすることが防止され、これにより、圧電層42に汚れや傷が生じたり、振動板40及び圧電層41、42の変形が阻害されてノズル15からのインクの吐出が阻害されたりしてしまうことを防止することができる。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、本実施の形態と同様の構成を有するものについては同じ符号を付し、適宜その説明を省略する。
本実施の形態では、COF50の基材51の下面のほぼ全域に接着剤層55を形成したが、これには限られない。一変形例では、図8(c)に示すように、基材51の下面のランド52が形成された部分(少なくともランド52が形成された部分)にのみ接着剤層75を形成する(変形例1)。なお、変形例1において、図8(a)に示すように導電性バンプ46を形成する工程、及び、図8(b)に示すように基材51に切れ込み51a、51bを形成する工程は、実施の形態と同様であるので、ここではその説明を省略する。
この場合にも、上述の実施の形態と同様、ヒータHによりCOF50を圧電層42に向かって押圧するとともに加熱すると、図8(d)に示すように、導電性バンプ46が接着剤層75を貫通してランド52に接触するとともに、押しのけられた接着剤層75が導電性バンプ46の周囲の部分に流れ込んで接続端子45aの上面に達し、この状態で接着剤層55が硬化することにより、導電性バンプ46とランド52とが電気的に接続されるとともに、COF50と圧電層42とが接合される。
また、この場合にも、基材51の上面における圧力室10と対向する部分を含む複数の領域A1に、それぞれ複数の切れ込み51a、51bが形成されているため、上述の実施の形態と同様、ヒータHによる加熱時に、基材51が圧電層42側に撓んで圧電層42に接触してしまうのを防止することができる。
その結果、基材51が圧電層42に接触し、さらには圧電層42に接合されたり、圧電層42に接着剤層55が残留したりすることが防止され、これにより、圧電層42に汚れや傷が生じたり、振動板40及び圧電層41、42の変形が阻害されてノズル15からのインクの吐出が阻害されたりしてしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態では、接着剤層55により、導電性バンプ46とランド52とが電気的に接続された状態で、COF50と圧電層42とを接合したがこれには限られない。別の一変形例では、図9(a)に示すように、予め、その下面に、配線53、配線53を一部露出してランド52、及び、ランド52が形成されている部分に貫通孔60aが形成されたソルダーレジスト層60が形成された基材51に対し、配線53が設けられている面とは反対側の上面に複数の切れ込み51a、51bを形成した後、図9(b)に示すように、基材51の下面に形成されたランド52の表面にハンダ81(バンプ)を形成し(バンプ形成工程)、ヒータHによりハンダ81が形成されたCOF50を圧電層42に向かって押圧するとともに加熱する。すると、図9(c)に示すように、ハンダ81が融解して接続端子45aの上面に流れ、ヒータHによる加熱をやめると、ハンダ81がこの状態で硬化し、これにより、接続端子45aとランド52とがハンダ81を介して電気的に接続されるとともに、ハンダ81により、圧電層42とCOF50とが接合される(接合工程)(変形例2)。
この場合にも、基材51の上面の圧力室10と対向する部分を含む複数の領域A1にそれぞれ複数の切れ込み51a、51bが形成されているため、上述の実施の形態と同様、ヒータHによる加熱時に、基材51が圧電層42側に撓んで圧電層42に接触してしまうのを防止することができる。
その結果、基材51が圧電層42に接触し、さらには圧電層42に接合されたり、圧電層42に接着剤層55が残留したりすることが防止され、これにより、圧電層42に汚れや傷が生じたり、振動板40及び圧電層41、42の変形が阻害されてノズル15からのインクの吐出駆動が阻害されたりしてしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態では、基材51の上面における、各圧力室群7を構成する、互いに紙送り方向にずれた状態で走査方向に隣接する2つの圧力室10(活性部)とそれぞれ対向する個別の領域A1に、それぞれ複数の切れ込み51a、51bが形成されていたが、これには限られない。例えば、図10に示すように、基材51の上面における、各圧力室群7を構成する複数の圧力室10にまたがって連続して延びた5つの領域A2にそれぞれ複数の切れ込み51a、51bが形成されていてもよい(変形例3)。あるいは、図11に示すように、基材51の上面における全ての圧力室10と対向する略矩形状の部分にまたがる連続した1つの領域A3に複数の切れ込み51a、51bが形成されていてもよい(変形例4)。
これらの場合でも、基材51の領域A2、A3に複数の切れ込み51a、51bが形成されているため、上述の実施の形態と同様、ヒータHによる加熱時に、基材51が圧電層42側に撓んで圧電層42に接触してしまうのが防止され、これにより、圧電層42に汚れや傷が生じたり、圧電層42の変形が阻害されたりしてしまうのを防止することができる。
なお、変形例3において、基材51の4隅のコーナー部に近い部分ほど細かい切れ込み51a、51bを形成するためには、例えば、図10における左右両端部に近い位置にある領域A2ほど細かい切れ込み51aを形成するとともに、各領域A2において、図10における上下端部に近い部分ほど細かい切れ込み51bを形成するなどすればよい。また、変形例4において、基材51のコーナー部に近い部分ほど細かい切れ込み51a、51bを形成するためには、例えば、領域A3の図11における左右両端に近い部分ほど細かい切れ込み51aを形成するとともに、領域A3の図11に上下端部に近い部分ほど細かく切れ込み51bを形成するなどすればよい。
また、本実施の形態では、切れ込み51a、51の断面がV字状となっていたが、切れ込みの形状はこれには限られない。また、本実施の形態では、基材51のコーナー部に近い領域A1ほど細かい切れ込み51a、51bが形成されていたが、全ての領域A1に均等に切れ込み51a、51bが形成されていてもよい。
また、本実施の形態では、複数の領域A1に、それぞれ、互いに直交する複数の切れ込み51aと複数の切れ込み51bとが形成されていたが、複数の領域A1に、それぞれ、複数の切れ込み51aのみが形成されていてもよい。また、切れ込み51a、51bは、紙送り方向および走査方向にそれぞれ平行に延在して形成されていたが、必ずしも平行である必要はなく、傾斜して設けられていてもよい。
また、本実施の形態では、全ての領域A1に切れ込み51a、51bが形成されていたが、複数の領域A1のうち、領域Bの4辺の外周に沿った部分に位置する領域A1にのみ切れ込み51a、51bが形成されていてもよい。さらには、領域Bのコーナー部に位置する領域A1にのみ切れ込み51a、51bが形成されていてもよい。
また、本実施の形態では、圧電アクチュエータ32がいわゆるユニモルフ変形により圧力室10内のインクに圧力を付与するものであったが、これには限られず、例えば、厚み方向に分極された複数の圧電層が積層されており、これらの圧電層にその厚み方向の電界を発生させることにより圧電層をその厚み方向に伸長させて、圧力室10内のインクに圧力を付与する圧電アクチュエータなど、ユニモルフ変形以外の変形により圧力室10内のインクに圧力を付与する圧電アクチュエータに本発明を適用することも可能である。
また、以上では、ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッド、及びインクジェットヘッドに用いられる圧電アクチュエータに本発明を適用した例について説明したが、これには限られず、インク以外の液体を吐出又は移送する液体移送装置、及び液体移送装置に用いられる圧電アクチュエータに本発明を適用することも可能であり、液体移送装置以外のものに用いられる圧電アクチュエータに本発明を適用することも可能である。
本発明における実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。 図1のインクジェットヘッドが斜視図である。 図2の平面図である。 (a)が図3のCOFを除いた部分拡大図であり、(b)〜(d)が、(a)の振動板及び各圧電層の上面をそれぞれ示す図である。 図4のV−V線断面図である。 図4のVI−VI線断面図である。 インクジェットヘッドの製造工程を示す工程図である。 変形例1の図7相当の図である。 変形例2の図7相当の図である。 変形例3の図3相当の図である。 変形例4の図3相当の図である。
符号の説明
3 インクジェットヘッド
31 流路ユニット
32 圧電アクチュエータ
40 振動板
41、42 圧電層
45 上部電極
45a 接続端子
46 導電性バンプ
50 COF
51a、51b 切れ込み
52 ランド
55 接着剤
81 ハンダ

Claims (8)

  1. 複数の活性部を有する圧電層と、
    前記圧電層に設けられ、前記複数の活性部に電界を発生させて前記複数の活性部を駆動させるための複数の電極と、
    前記圧電層と対向して配置されて、前記複数の電極に接続される複数の配線が形成された、前記圧電層よりも線膨張係数の大きいフレキシブル配線部材とを備えており、
    前記圧電層の前記フレキシブル配線部材との対向面には、前記複数の電極にそれぞれ接続された複数の第1接続端子が形成されており、
    前記フレキシブル配線部材の前記圧電層との対向面には、前記複数の第1接続端子と対向する部分に、前記複数の配線にそれぞれ接続された複数の第2接続端子が形成されており、
    前記複数の第1接続端子と前記複数の第2接続端子とが、それぞれ、バンプを介して接続された圧電アクチュエータユニットの製造方法であって、
    前記複数の第1接続端子及び前記複数の第2接続端子のいずれか一方に、前記バンプを形成するバンプ形成工程と、
    前記フレキシブル配線部材の前記圧電層と反対側の面における、少なくとも前記圧電層の複数の活性部と対向することとなる領域に切れ込みを形成する切れ込み形成工程と、
    前記切れ込み形成工程の後、前記フレキシブル配線部材を前記圧電層と反対側から前記圧電層に向かって押圧しつつ加熱することによって、前記バンプを介して前記複数の第1接続端子と前記複数の第2接続端子とをそれぞれ接続するとともに、前記複数の第1接続端子及び前記複数の第2接続端子と対向する部分において前記圧電層と前記フレキシブル配線部材とを接合する接合工程とを備えていることを特徴とする圧電アクチュエータユニットの製造方法。
  2. 前記接合工程の前に、少なくとも前記複数の第2接続端子が形成された部分を含む前記フレキシブル配線部材の前記圧電層との対向面に、未硬化の熱硬化性接着剤層を形成する接着剤層形成工程をさらに備えており、
    前記接合工程において、前記フレキシブル配線部材を前記圧電層と反対側から前記圧電層に向かって押圧することにより、前記バンプに未硬化の熱硬化性接着材層を貫通させ前記第1接続端子と第2接続端子とを接続させつつ、前記圧電層と前記フレキシブル配線部材とを前記熱硬化性接着剤層により接合することを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータユニットの製造方法。
  3. 前記切れ込み形成工程において、前記フレキシブル配線部材の前記複数の活性部にそれぞれ対向することとなる互いに連続しない複数の領域に、前記切れ込みを形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電アクチュエータユニットの製造方法。
  4. 前記切れ込み形成工程において、前記フレキシブル配線部材の前記圧電層との対向面と直交する方向から見て、そのコーナー部に近い部分のほど細かい切れ込みを形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧電アクチュエータユニットの製造方法。
  5. 前記圧電アクチュエータユニットが、前記圧電層の前記フレキシブル配線部材と反対側の面に接合された振動板をさらに備えたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の圧電アクチュエータユニットの製造方法。
  6. 圧力室を含む液体を移送するための液体移送流路が形成された流路ユニットと、
    前記圧力室内の液体に圧力を付与する複数の活性部を有する圧電層と、
    前記圧電層に設けられ、前記複数の活性部に電界を発生させて前記複数の活性部を駆動させるための複数の電極と、
    前記圧電層と対向するように配置されており、前記複数の電極に接続される複数の配線が形成された、前記圧電層よりも線膨張係数の大きいフレキシブル配線部材とを備えており、
    前記圧電層の前記フレキシブル配線部材との対向面には、前記複数の電極にそれぞれ接続された複数の第1接続端子が形成されており、
    前記フレキシブル配線部材の前記圧電層との対向面には、前記複数の第1接続端子と対向する部分に、前記複数の配線にそれぞれ接続された複数の第2接続端子が形成されており、
    前記複数の第1接続端子と前記複数の第2接続端子とが、それぞれ、バンプを介して接続された液体移送装置の製造方法であって、
    前記複数の第1接続端子及び前記複数の第2接続端子のいずれか一方に、前記バンプを形成するバンプ形成工程と、
    前記フレキシブル配線部材の前記圧電層と反対側の面における、少なくとも前記圧電層の複数の活性部と対向することとなる領域に切れ込みを形成する切れ込み形成工程と、
    前記切れ込み形成工程の後、前記フレキシブル配線部材を前記圧電層と反対側から前記圧電層に向かって押圧しつつ加熱することによって、前記バンプを介して前記複数の第1接続端子と前記複数の第2接続端子とをそれぞれ接続するとともに、前記複数の第1接続端子及び前記複数の第2接続端子と対向する部分において前記圧電層と前記フレキシブル配線部材とを接合する接合工程とを備えていることを特徴とする液体移送装置の製造方法。
  7. 複数の活性部を有する圧電層と、
    前記圧電層に設けられ、前記複数の活性部に電界を発生させて前記複数の活性部を駆動させるための複数の電極と、
    前記圧電層と対向するように配置されており、前記複数の電極に接続される複数の配線が形成された、前記圧電層よりも線膨張係数の大きいフレキシブル配線部材とを備えており、
    前記圧電層の前記フレキシブル配線部材との対向面には、前記複数の電極にそれぞれ接続された複数の第1接続端子が形成されており、
    前記フレキシブル配線部材の前記圧電層との対向面には、前記複数の第1接続端子と対向する部分に、前記複数の配線にそれぞれ接続された複数の第2接続端子が形成されており、
    前記複数の第1接続端子と前記複数の第2接続端子とが、それぞれ、バンプを介して接続されており、
    前記フレキシブル配線部材の前記圧電層と反対側の面における、少なくとも前記複数の活性部と対向する領域に切れ込みが形成されていることを特徴とする圧電アクチュエータユニット。
  8. 圧力室を含む液体を移送するための液体移送流路が形成された流路ユニットと、
    前記圧力室内の液体に圧力を付与する複数の活性部を有する圧電層と、
    前記圧電層に設けられ、前記複数の活性部に電界を発生させて前記複数の活性部を駆動させるための複数の電極と、
    前記圧電層と対向するように配置されており、前記複数の電極に接続される複数の配線が形成された、前記圧電層よりも線膨張係数の大きいフレキシブル配線部材とを備えており、
    前記圧電層の前記フレキシブル配線部材との対向面には、前記複数の電極にそれぞれ接続された複数の第1接続端子が形成されており、
    前記フレキシブル配線部材の前記圧電層との対向面には、前記複数の第1接続端子と対向する部分に、前記複数の配線にそれぞれ接続された複数の第2接続端子が形成されており、
    前記複数の第1接続端子と前記複数の第2接続端子とが、それぞれ、バンプを介して接続されており、
    前記フレキシブル配線部材の前記圧電層と反対側の面における、少なくとも前記複数の活性部と対向する領域に切れ込みが形成されていることを特徴とする液体移送装置。
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