JP2010080530A - 化学気相成長材料および化学気相成長方法 - Google Patents
化学気相成長材料および化学気相成長方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010080530A JP2010080530A JP2008244683A JP2008244683A JP2010080530A JP 2010080530 A JP2010080530 A JP 2010080530A JP 2008244683 A JP2008244683 A JP 2008244683A JP 2008244683 A JP2008244683 A JP 2008244683A JP 2010080530 A JP2010080530 A JP 2010080530A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tetra
- diruthenium
- group
- chemical vapor
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Electrodes Of Semiconductors (AREA)
Abstract
【解決手段】
テトラ(μ−トリフルオロアセタト)ジ(アセトン)ジルテニウム、テトラ(μ−ペンタフルオロプロピオナト)ジ(アセトン)ジルテニウムの如きルテニウム化合物と、溶媒とを含む化学気相成長材料、および該化学気相成長材料を用いた化学気相成長方法。
【選択図】なし
Description
なかでも、半導体デバイス内の多層配線用途での導電性金属膜の改良が要求されており、新たに導電性の高い銅配線への変換が進んでいる。この銅配線の導電性を高める目的で多層配線の層関絶縁膜材料には低誘電率材料(Low−k材料)が用いられているが、この低誘電率材料中に含まれている酸素原子が銅配線に容易に取り込まれその導電性を下げるといった問題が生じている。その為、低誘電率材料からの酸素の移動を防ぐ目的で、低誘電率材料と銅配線の間にバリア膜を形成する技術が検討されている。このバリア膜用途として、誘電体層からの酸素を取り込みにくい材料およびドライエッチングにより容易に加工できる材料として、金属ルテニウム膜が注目されている。さらには上記銅配線をメッキ法にて埋め込むダマシン成膜法に於いて、上記バリア膜とメッキ成長膜双方の役割を同時に満たす目的から、金属ルテニウムが注目されている(非特許文献1および2参照)。
また、半導体デバイスのキャパシタにおいても、アルミナ、五酸化タンタル、酸化ハフニウム、チタン酸バリウム・ストロンチウム(BST)のような高誘電率材料の電極材料として、金属ルテニウム膜はその高い耐酸化性と高い導電性から注目されている(特許文献1)。
上記の金属ルテニウム膜の形成には、従来スパッタリング法が多く用いられてきたが、近年、より微細化した構造や、薄膜化、量産性への対応として、化学気相成長法の検討が行われている(特許文献2〜4参照)。
しかし、これらの方法には、真空チャンバーや高圧電流装置など高価な装置を必要としコストがかかること、また大口径の基体への適用が困難であるという工業化への解決すべき課題がある。
しかし、一般に化学気相成長法で形成した金属膜は微結晶の集合状態が疎であるなど表面モルフォロジーが悪く、上記モルフォロジーの問題を解決する手段として、ビス(ジピバロイルメタナート)ルテニウムやルテノセン、ビス(アルキルシクロペンタジエニル)ルテニウムを化学気相成長材料に用いた検討が行われている(特許文献5〜7参照。)。
さらにこれらの化学気相成長材料を製造工程で用いる場合、その製造条件安定の目的からも材料の良好な保存安定性が要求される。しかし、既存のルテノセンやビス(アルキルシクロペンタジエニル)ルテニウム等は、空気の混入などにより短時間で材料の酸化、性能劣化が生じ、結果として成膜したルテニウムの導電性が低下してしまい、その保存安定性と空気中での安定な取扱い性に問題がある。保存安定性が良好なビス(ジピバロイルメタナート)ルテニウムなどを化学気相成長材料に用いると、成膜されたルテニウム膜中の不純物が多く、良質なルテニウム膜が得られない問題がある。上記問題を解決する手段として、その他にカルボニル化合物やジエン化合物を配位子に持ったルテニウム化合物、ルテニウム(II)価を用いた化合物が検討されてきたが(特許文献8〜10)、それぞれ化合物の保存安定性と成膜されたルテニウム膜中の低残留不純物の両立が困難であり、課題である。
また、炭素数1〜10のケトン化合物としては、炭素数1〜7のケトン化合物が好ましく、その具体例としては、アセトン、2−ブタノン、3-メチル−2−ブタノン、2−ペンタノン、ピナコロン、3−ペンタノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノンを挙げることができる。炭素数1〜10のエーテル化合物としては、炭素数1〜6のエーテル化合物が好ましく、その具体例としては、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジプロピルエーテルが挙げられる。炭素数1〜10のエステル化合物としては、炭素数1〜7のエステル化合物が好ましく、その具体例としては、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、ペンチルアセテート、アミルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、ジメチルカルボナト、ジエチルカーボネートを挙げることができる。炭素数1〜6のニトリル化合物の具体例としては、アセトニトリル、プロピオニトリルが挙げられる。X及びYの好ましい例としては、水、アセトン、2−ブタノン、メチルアセテート、メチルプロピオネート、ジメチルカーボネート、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリルを挙げることができる。
本発明の方法に使用される化学気相成長材料に含有される上記式(1)または上記式(2)で表される化合物は、例えば三塩化ルテニウム・三水和物をアルコール溶液中で、水素雰囲気下かつ酸化白金(アダムス)触媒存在下において還元反応を行って二塩化ルテニウムを得る。そして、得られた二塩化ルテニウムとリチウム塩とを反応させた後、配位子交換反応を行うことにより得ることができる。なお、上記式(1)で表される化合物を例えば50℃〜300℃で熱処理することにより上記式(2)で表される化合物を得ることが可能である。
反応温度、反応溶媒等は、所望する上記式(1)または上記式(2)で表される化合物の種類に応じて適宜に選択されるべきである。
テトラ(μ−ホルマト)(2水和物)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−ホルマト)ジ(アセトン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−ホルマト)ジ(2−ブタノン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−ホルマト)ジ(ジメチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−ホルマト)ジ(ジエチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−ホルマト)ジ(テトラヒドロフラン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−ホルマト)ジ(ジメチルカルボナト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−ホルマト)ジ(メチルアセタト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−ホルマト)ジ(メチルプロピオナト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−ホルマト)ジ(アセトニトリル)ジルテニウム(II,II)、
テトラ(μ−アセタト)(2水和物)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−アセタト)ジ(アセトン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−アセタト)ジ(2−ブタノン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−アセタト)ジ(ジメチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−アセタト)ジ(ジエチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−アセタト)ジ(テトラヒドロフラン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−アセタト)ジ(ジメチルカルボナト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−アセタト)ジ(メチルアセタト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−アセタト)ジ(メチルプロピオナト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−アセタト)ジ(アセトニトリル)ジルテニウム(II,II)、
テトラ(μ−プロピオナト)(2水和物)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−プロピオナト)ジ(アセトン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−プロピオナト)ジ(2−ブタノン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−プロピオナト)ジ(ジメチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−プロピオナト)ジ(ジエチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−プロピオナト)ジ(テトラヒドロフラン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−プロピオナト)ジ(ジメチルカルボナト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−プロピオナト)ジ(メチルプロピオナト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−プロピオナト)ジ(アセトニトリル)ジルテニウム(II,II)、
テトラ(μ−モノフルオロアセタト)(2水和物)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−モノフルオロアセタト)ジ(アセトン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−モノフルオロアセタト)(ジ2−ブタノン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−モノフルオロアセタト)ジ(ジメチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−モノフルオロアセタト)ジ(ジエチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−モノフルオロアセタト)ジ(テトラヒトロフラン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−モノフルオロアセタト)ジ(ジメチルカルボナト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−モノフルオロアセタト)(ジメチルモノフルオロアセタト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−モノフルオロアセタト)ジ(アセトニトリル)ジルテニウム(II,II)、
テトラ(μ−トリフルオロメチルアセタト)(2水和物)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−トリフルオロメチルアセタト)ジ(アセトン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−トリフルオロメチルアセタト)(ジ2−ブタノン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−トリフルオロメチルアセタト)ジ(ジメチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−トリフルオロメチルアセタト)ジ(ジエチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−トリフルオロメチルアセタト)ジ(テトラヒトロフラン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−トリフルオロメチルアセタト)ジ(ジメチルカルボナト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−トリフルオロメチルアセタト)(ジメチルトリフルオロメチルアセタト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−トリフルオロメチルアセタト)ジ(アセトニトリル)ジルテニウム(II,II)、
テトラ(μ−テトラフルオロエチルアセタト)(2水和物)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−テトラフルオロエチルアセタト)ジ(アセトン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−テトラフルオロエチルアセタト)(ジ2−ブタノン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−テトラフルオロエチルアセタト)ジ(ジメチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−テトラフルオロエチルアセタト)ジ(ジエチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−テトラフルオロエチルアセタト)ジ(テトラヒトロフラン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−テトラフルオロエチルアセタト)ジ(ジメチルカルボナト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−テトラフルオロエチルアセタト)(ジメチルテトラフルオロエチルアセタト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−テトラフルオロエチルアセタト)ジ(アセトニトリル)ジルテニウム(II,II)、
テトラ(μ−メトキシアセタト)(2水和物)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−メトキシアセタト)ジ(アセトン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−メトキシアセタト)(ジ2−ブタノン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−メトキシアセタト)ジ(ジメチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−メトキシアセタト)ジ(ジエチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−メトキシアセタト)ジ(テトラヒトロフラン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−メトキシアセタト)ジ(ジメチルカルボナト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−メトキシアセタト)(ジメチルメトキシアセタト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−メトキシアセタト)ジ(アセトニトリル)ジルテニウム(II,II)、
テトラ(μ−エトキシアセタト)(2水和物)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−エトキシアセタト)ジ(アセトン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−エトキシアセタト)(ジ2−ブタノン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−エトキシアセタト)ジ(ジメチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−エトキシアセタト)ジ(ジエチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−エトキシアセタト)ジ(テトラヒトロフラン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−エトキシアセタト)ジ(ジメチルカルボナト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−エトキシアセタト)(ジメチルエトキシアセタト)ジルテニウム(II,II))、テトラ(μ−エトキシアセタト)ジ(アセトニトリル)ジルテニウム(II,II)、
等を挙げることができる。
これらのうち、
テトラ(μ−ホルマト)ジ(アセトン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−ホルマト)ジ(ジエチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−ホルマト)ジ(テトラヒトロフラン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−ホルマト)ジ(アセトニトリル)ジルテニウム(II,II)、
テトラ(μ−アセタト)ジ(アセトン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−アセタト)ジ(ジエチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−アセタト)ジ(テトラヒトロフラン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−アセタト)ジ(アセトニトリル)ジルテニウム(II,II)、
テトラ(μ−プロピオナト)ジ(アセトン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−プロピオナト)ジ(テトラヒトロフラン)ジルテニウム(II,II)、
テトラ(μ−トリフルオロメチルアセタト)ジ(アセトン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−トリフルオロメチルアセタト)ジ(ジエチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−トリフルオロメチルアセタト)ジ(テトラヒトロフラン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−トリフルオロメチルアセタト)ジ(アセトニトリル)ジルテニウム(II,II)、
テトラ(μ−テトラフルオロエチルアセタト)ジ(アセトン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−テトラフルオロエチルアセタト)ジ(ジエチルエーテル)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−テトラフルオロエチルアセタト)ジ(テトラヒトロフラン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−テトラフルオロエチルアセタト)ジ(アセトニトリル)ジルテニウム(II,II)、
テトラ(μ−メトキシアセタト)ジ(アセトン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−メトキシアセタト)ジ(テトラヒトロフラン)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−メトキシアセタト)ジ(アセトニトリル)ジルテニウム(II,II)、
が好ましい。
テトラ(μ−ホルマト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−アセタト))ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−プロピオナト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−モノフルオロアセタト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−トリフルオロメチルアセタト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−ペンタフルオロエチルアセタト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−メトキシアセタト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−エトキシアセタト)ジルテニウム(II,II)、
等を挙げることができる。
これらのうち、
テトラ(μ−ホルマト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−アセタト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−トリフルオロメチルアセタト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−ペンタフルオロエチルアセタト)ジルテニウム(II,II)、テトラ(μ−メトキシアセタト)ジルテニウム(II,II)
が好ましい。
上記炭化水素溶媒としては、例えばn−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、n−オクタン、シクロオクタン、デカン、シクロデカン、ジシクロペンタジエンの水素化物、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワラン等を挙げることができる。
ハロゲン化炭化水素溶媒としては、ジメチルジクロライド、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラクロロベンゼン、ブロモベンゼン、フルオロベンゼン等を挙げることができる。
上記エーテル溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサン、ブチルグリシジルエーテル、アニソール、2−メチルアニソール、3−メチルアニソール、4−メチルアニソール、フェントール、2−メチルフェントール、3−メチルフェントール、4−メチルフェントール、ベラトロール、2−エトキシアニソール、1,4−ジメトキシベンゼン等を挙げることができる。
上記アルコール溶媒としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、アリルアルコール、n-ブタノール、i-ブタノール、t-ブタノール、n-ヘプタノール、オクタノール、ジエチレングリコール、1.2-ブタンジオール、1.3-ブタンジオール、プロピレングリコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、フェノール、3−クロロ−1−プロパノール、等を挙げることができる。
上記エステル溶媒としては、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、クロロ酢酸エチル、アセト酢酸エチル、クロロ炭酸メチルエステル、クロロ炭酸エチルエステル等を挙げることができる。
上記ケトン溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、ジエチルケトン、メチルヘキシルケトン等を挙げることができる。
上記その他極性溶媒としては、蟻酸、酢酸、硫酸 等を挙げることができる。
これら溶媒は単独であるいは2種以上混合して用いることができる。
これらのうち、溶解性と得られる組成物溶液の安定性の点から炭化水素溶媒、エーテル溶媒、エステル溶媒、ケトン溶媒およびそれらの組み合わせによる混合溶媒を用いるのが好ましい。その際、炭化水素溶媒としては、例えばシクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、n−オクタン、ベンゼン、トルエン又はキシレンを使用することが好ましく、エーテル溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、アニソール、2−メチルアニソール、3−メチルアニソール、4−メチルアニソール、フェントール、ベラトロール、2−エトキシアニソール又は1,4−ジメトキシベンゼンを使用することが好ましく、エステル溶媒としては酢酸エチルを使用する事が好ましい。またケトン溶媒としてアセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトンを使用する事が好ましい。
上記絶縁膜としては、例えば熱酸化膜、PETEOS膜(Plasma Enhanced−TEOS膜)、HDP膜(High Density Plasma Enhanced−TEOS膜)、熱CVD法により得られる酸化シリコン膜,、ホウ素リンシリケート膜(BPSG膜)、FSGと呼ばれる絶縁膜、誘電率の低い絶縁膜等が挙げられる。
上記熱酸化膜は、高温にしたシリコンを酸化性雰囲気に晒し、シリコンと酸素あるいはシリコンと水分を化学反応させることにより形成されたものである。
上記PETEOS膜は、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)を原料として、促進条件としてプラズマを利用して化学気相成長で形成されたものである。
上記HDP膜はテトラエチルオルトシリケート(TEOS)を原料として、促進条件として高密度プラズマを利用して化学気相成長で形成されたものである。
上記熱CVD法により得られる酸化シリコン膜は、常圧CVD法(AP−CVD法)又は減圧CVD法(LP−CVD法)により形成されたものである。
上記ホウ素リンシリケート膜(BPSG膜)は、常圧CVD法(AP−CVD法)又は減圧CVD法(LP−CVD法)により得ることができる。
また、上記FSGと呼ばれる絶縁膜は、促進条件として高密度プラズマを利用して化学気相成長で成膜することができる。
上記誘電率の低い絶縁膜としては、例えば有機SOG、水素含有SOG、有機高分子からなる低誘電率材料、SiOF系低誘電率材料、SiOC系低誘電率材料等を挙げることができる。ここで、「SOG」とは”Spin On Glass”の略であり、基体上に前駆体を塗布し、次いで熱処理等により成膜した絶縁膜材料の意味である。
上記有機SOGとしては、例えばメチル基等の有機基を含有するケイ素酸化物から構成されるものであり、基体上に例えばテトラエトキシシランとメチルトリメトキシシランの混合物等を含有する前駆体を塗布し、次いで熱処理等をすることにより得ることができる。
上記水素含有SOGとしては、ケイ素−水素結合を含有するケイ素酸化物から構成されるものであり、基体上に例えばトリエトキシシラン等を含有する前駆体を塗布し、次いで熱処理等をすることにより得ることができる。
上記有機高分子からなる低誘電率材料としては、例えばポリアリーレン、ポリイミド、ポリベンゾシクロブテン、ポリフッ化エチレン等を主成分とする低誘電率材料を挙げることができる。
上記SiOF系低誘電率材料は、フッ素原子を含有するケイ素酸化物から構成されるものであり、例えば化学気相蒸着法により得た酸化ケイ素にフッ素を添加(ドープ)することにより得ることができる。
上記SiOC系低誘電率材料は、炭素原子を含有するケイ素酸化物から構成されるものであり、例えば四塩化ケイ素と一酸化炭素との混合物を原料とする化学気相蒸着法により得ることができる。
上気したもののうち、有機SOG、水素含有SOG及び有機高分子からなる低誘電率材料は、形成された膜中に微細な空孔(ポア)を有するものであってもよい。
上記トレンチは、どのような形状、大きさのものであってもよいが、トレンチの開口幅すなわち表面開口部の最小距離が300nm以下であり、かつトレンチのアスペクト比すなわちトレンチの深さをトレンチの表面開口部の最小距離で除した値が3以上である場合に、本発明の有利な効果が最大限に発揮される。上記トレンチの開口幅は、更に10〜250nmであることができ、特に30〜200nmであることができる。上記トレンチのアスペクト比は、更に3〜40であることができ、特に5〜25であることができる。
上記熱処理の温度は、好ましくは180〜450℃であり、より好ましくは200〜400℃であり、更に好ましくは250〜400℃である。熱処理時間は、好ましくは30秒〜120分であり、より好ましくは1〜90分、更に好ましくは10〜60分である。
上記光処理に用いる光源としては、例えば水銀ランプ、重水素ランプ、希ガスの放電光、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、希ガスハロゲンエキシマレーザー等を挙げることができる。上記水銀ランプとしては、例えば低圧水銀ランプ又は高圧水銀ランプを挙げることができる。上記希ガスの放電光に用いる希ガスとしては、例えばアルゴン、クリプトン、キセノン等を挙げることができる。上記希ガスハロゲンエキシマレーザーに使用する希ガスハロゲンとしては、例えばXeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArCl等を挙げることができる。
これらの光源の出力としては、好ましくは10〜5,000Wであり、より好ましくは100〜1,000Wである。これらの光源の波長は特に限定されないが、好ましくは170nm〜600nmである。また、形成されるルテニウム膜の膜質の点で、レーザー光の使用が特に好ましい。また、より良好なルテニウム膜を形成する目的で、酸化性ガス雰囲気下でプラズマ酸化させることもできる。このときのプラズマ酸化の酸化条件としては、例えばRF電力を20〜100Wとし、導入ガスとして酸素ガスを90〜100%とし残りをアルゴンガスとし、導入ガスの導入圧を0.05〜0.2Paとし、プラズマ酸化時間を10秒から240秒とすることができる。
この熱処理及び/又は光処理工程は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。さらに必要に応じて水素、アンモニアなどの還元性ガスを含むことにより還元性雰囲気下で行うこともできる。
上記熱処理及び光処理は、どちらか一方のみを行ってもよく、熱処理と光処理の双方を行ってもよい。熱処理と光処理の双方を行う場合には、その順番の前後は問わず、熱処理と光処理を同時に行ってもよい。これらのうち、熱処理のみを行うか、熱処理と光処理の双方を行うことが好ましい。また、より良好なルテニウム膜を形成する目的で、上記熱処理及び/又は光処理工程とは別にプラズマ酸化を実施してもよい。
上記の如くして、本発明の化学気相成長方法により得られたルテニウム膜は、後述の実施例から明らかなように、純度が高く、密着性が良好である。また、得られたルテニウム膜の膜厚としては、使用する用途に応じて適宜設定することができるが、0.5nm〜1000nmであることが好ましく、1nm〜200nmであることがより好ましい。本発明の化学気相成長方法により得られたルテニウム膜は、配線材料のバリア膜、メッキ成長膜、キャパシタの電極等に好適に使用することができる。
三塩化ルテニウム・3水和物2.0210g、アダムス酸化白金触媒0.0138g、メタノール25mLをオートクレーブを用いて水素6atm下、3時間攪拌し、青色の溶液を得た。攪拌終了後、濾過を行い、窒素置換したシュレンクに移し、そこに酢酸リチウム2.3580gを加え、18時間加熱還流を行った。還流終了後、熱時濾過を行い、メタノールで3回洗浄し、80℃で真空乾燥し、テトラ(μ−アセタト)ジルテニウム0.9207gを茶色の粉末として得た。収率は54重量%であった。
ここで得られた固体の元素分析を実施したところ、炭素:21.91%、水素2.70%であった。なおテトラ(μ−アセタト)ジルテニウムとしての理論値は、炭素:21.92%、水素:2.76%であった。
IR(KBr、cm−1):2936vw、1556vs、1444vs、1352s、1046m、944w、691s、621w、581w.
窒素置換したシュレンクにテトラ(μ−アセタト)ジルテニウム0.9059g、トリフルオロ酢酸ナトリウム1.696g、トリフルオロ酢酸28mL、無水トリフルオロ酢酸4mLを入れ、3日間加熱還流した。還流終了後、濾過を行い深紅色の溶液を得た。溶媒を真空留去し、エーテルで抽出した。再び真空留去し、アセトンを用いて再結晶を行い、ヘキサンで洗浄後、真空乾燥し、テトラ(μ−トリフルオロアセタト)ジ(アセトン)ジルテニウム1.3517gを赤紫色の固体として得た。収率は65重量%であった。
ここで得られた固体の元素分析を実施したところ、炭素:22.19%、水素1.62%であった。なお、テトラ(μ−トリフルオロアセタト)ジ(アセトン)ジルテニウムとしての理論値は、炭素21.83%、水素1.57%であった。
19F−NMR(CDCl3)δ−91.68(s、CCF3).図1。
IR(KBr、cm−1):2928w、2918w、1681s、1644s、1195vs、1167s、859m、777m、736s、552m、529m.
窒素置換したシュレンクにテトラ(μ−アセタト)ジルテニウム100.4mg、ペンタフルオロプロピオン酸ナトリウム194.1mg、ペンタフルオロプロピオン酸3.6mL、無水ペンタフルオロプロピオン酸0.4mLを入れ、3日間加熱還流した。還流終了後、濾過を行い深紅色の溶液を得た。溶媒を真空留去し、エーテルで抽出した。再び真空留去し、アセトン/ヘキサンを用いて再結晶を行い、ヘキサンで洗浄後、真空乾燥し、テトラ(μ−ペンタフルオロプロピオナト)ジ(アセトン)ジルテニウム122.4mgを赤紫色の固体として得た。収率は55重量%であった。
ここで得られた固体の元素分析を実施したところ、炭素:22.56%、水素1.53%であった。なお、テトラ(μ−ペンタフルオロプロピオナト)ジ(アセトン)ジルテニウムとしての理論値は、炭素22.28%、水素1.25%であった。
19F−NMR(CDCl3)δ−78.62(s、12F、CF 3)、−140.21(s、8F、CF2).図2。
IR(KBr、cm−1):2932w、2866w、1683s、1670sh、1639s、1438m、1333m、1227s、1192sh、1165s、1036s、832m、737m、553m.
以下の実施例において、比抵抗はナプソン社製探針抵抗率測定器、形式「RT−80/RG−80」により測定した。膜厚及び膜密度はフィリップス社製斜入射X線分析装置、形式「X’Pert MRD」により測定した。ESCAスペクトルは日本電子(株)製形式「JPS80」にて測定した。また密着性の評価は、JIS K−5400に準拠して碁盤目テープ法によった。
合成例1にて得られたテトラ(μ−アセタト)ジルテニウム(II,II)0.05gを窒素雰囲気下にて乾燥したテトラヒドロフラン1 mLと溶解した。この溶液を窒素ガス中で石英製ボート型容器に移液し、石英製反応容器にセットした。反応容器内の気流の下流方向側の近傍に熱酸化膜付きシリコンウエハを置き、室温下で反応容器内に窒素ガスを300mL/minの流量にて20分間流した。その後反応容器中に窒素ガスを100mL/minの流量で流し、さらに系内を13Paにし、反応容器を450℃に15分間加熱した。ボート型容器からミストが発生し、近傍に設置した石英基板に堆積物が見られた。ミストの発生が終了した後、減圧を止め、窒素ガスを系に入れて圧力を戻し、次いで101.3kPaで窒素ガスを200mL/minの流量で流し、反応容器の温度を420℃に上昇させ、そのまま1時間保持したところ、基板上に金属光沢を有する膜が得られた。この膜の膜厚は880Åであった。
この膜のESCAスペクトルを測定したところ、Ru3d軌道に帰属されるピークが280eVと284eVに観察され、他の元素に由来するピークは全く観察されず金属ルテニウムであることが分かった。また、このルテニウム膜につき、4端子法で抵抗率を測定したところ、38μΩcmであった。この膜の膜密度は11.8g/cm3であった。ここで形成されたルテニウム膜につき、基板との密着性を碁盤目テープ法によって評価したところ、基板とルテニウム膜との剥離は全く見られなかった。
合成例1にて得られたテトラ(μ−アセタト)ジルテニウム(II,II)0.05gを窒素雰囲気下にて乾燥したアセトン0.5 mLと溶解した。この溶液を窒素ガス中で石英製ボート型容器に移液し、石英製反応容器にセットした。反応容器内の気流の下流方向側の近傍に熱酸化膜付きシリコンウエハを置き、室温下で反応容器内に窒素ガスを300mL/minの流量にて20分間流した。その後反応容器中に窒素ガスを100mL/minの流量で流し、さらに系内を13Paにし、反応容器を450℃に15分間加熱した。ボート型容器からミストが発生し、近傍に設置した石英基板に堆積物が見られた。ミストの発生が終了した後、減圧を止め、窒素ガスを系に入れて圧力を戻し、次いで101.3kPaで窒素ガスを200mL/minの流量で流し、反応容器の温度を420℃に上昇させ、そのまま1時間保持したところ、基板上に金属光沢を有する膜が得られた。この膜の膜厚は850Åであった。
この膜のESCAスペクトルを測定したところ、Ru3d軌道に帰属されるピークが280eVと284eVに観察され、他の元素に由来するピークは全く観察されず金属ルテニウムであることが分かった。また、このルテニウム膜につき、4端子法で抵抗率を測定したところ、33μΩcmであった。この膜の膜密度は12.0g/cm3であった。ここで形成されたルテニウム膜につき、基板との密着性を碁盤目テープ法によって評価したところ、基板とルテニウム膜との剥離は全く見られなかった。
合成例2にて得られたテトラ(μ−トリフルオロアセタト)ジ(アセトン)ジルテニウム(II,II)0.1gを窒素雰囲気下にて乾燥したテトラヒドロフラン1.5 mLと溶解した。この溶液を窒素ガス中で石英製ボート型容器に移液し、石英製反応容器にセットした。反応容器内の気流の下流方向側の近傍に熱酸化膜付きシリコンウエハを置き、室温下で反応容器内に窒素ガスを300mL/minの流量にて20分間流した。その後反応容器中に窒素ガスを100mL/minの流量で流し、さらに系内を13Paにし、反応容器を250℃に15分間加熱した。ボート型容器からミストが発生し、近傍に設置した石英基板に堆積物が見られた。ミストの発生が終了した後、減圧を止め、窒素ガスを系に入れて圧力を戻し、次いで101.3kPaで窒素ガスを200mL/minの流量で流し、反応容器の温度を350℃に上昇させ、そのまま1時間保持したところ、基板上に金属光沢を有する膜が得られた。この膜の膜厚は670Åであった。
この膜のESCAスペクトルを測定したところ、Ru3d軌道に帰属されるピークが280eVと284eVに観察され、他の元素に由来するピークは全く観察されず金属ルテニウムであることが分かった。また、このルテニウム膜につき、4端子法で抵抗率を測定したところ、28μΩcmであった。この膜の膜密度は12.1g/cm3であった。ここで形成されたルテニウム膜につき、基板との密着性を碁盤目テープ法によって評価したところ、基板とルテニウム膜との剥離は全く見られなかった。
合成例2にて得られたテトラ(μ−トリフルオロアセタト)ジ(アセトン)ジルテニウム(II,II)0.1gを窒素雰囲気下にて乾燥したアセトン1.0 mLと溶解した。この溶液を窒素ガス中で石英製ボート型容器に移液し、石英製反応容器にセットした。反応容器内の気流の下流方向側の近傍に熱酸化膜付きシリコンウエハを置き、室温下で反応容器内に窒素ガスを300mL/minの流量にて20分間流した。その後反応容器中に窒素ガスを100mL/minの流量で流し、さらに系内を13Paにし、反応容器を250℃に15分間加熱した。ボート型容器からミストが発生し、近傍に設置した石英基板に堆積物が見られた。ミストの発生が終了した後、減圧を止め、窒素ガスを系に入れて圧力を戻し、次いで101.3kPaで窒素ガスを200mL/minの流量で流し、反応容器の温度を350℃に上昇させ、そのまま1時間保持したところ、基板上に金属光沢を有する膜が得られた。この膜の膜厚は660Åであった。
この膜のESCAスペクトルを測定したところ、Ru3d軌道に帰属されるピークが280eVと284eVに観察され、他の元素に由来するピークは全く観察されず金属ルテニウムであることが分かった。また、このルテニウム膜につき、4端子法で抵抗率を測定したところ、27μΩcmであった。この膜の膜密度は12.1g/cm3であった。ここで形成されたルテニウム膜につき、基板との密着性を碁盤目テープ法によって評価したところ、基板とルテニウム膜との剥離は全く見られなかった。
合成例3にて得られたテトラ(μペンタフルオロプロピオナト)ジ(アセトン)ジルテニウム(II,II)0.1gを窒素雰囲気下にて乾燥したテトラヒドロフラン1.5 mLと溶解した。この溶液を窒素ガス中で石英製ボート型容器に移液し、石英製反応容器にセットした。反応容器内の気流の下流方向側の近傍に熱酸化膜付きシリコンウエハを置き、室温下で反応容器内に窒素ガスを300mL/minの流量にて20分間流した。その後反応容器中に窒素ガスを100mL/minの流量で流し、さらに系内を13Paにし、反応容器を250℃に15分間加熱した。ボート型容器からミストが発生し、近傍に設置した石英基板に堆積物が見られた。ミストの発生が終了した後、減圧を止め、窒素ガスを系に入れて圧力を戻し、次いで101.3kPaで窒素ガスを200mL/minの流量で流し、反応容器の温度を350℃に上昇させ、そのまま1時間保持したところ、基板上に金属光沢を有する膜が得られた。この膜の膜厚は580Åであった。
この膜のESCAスペクトルを測定したところ、Ru3d軌道に帰属されるピークが280eVと284eVに観察され、他の元素に由来するピークは全く観察されず金属ルテニウムであることが分かった。また、このルテニウム膜につき、4端子法で抵抗率を測定したところ、22μΩcmであった。この膜の膜密度は12.1g/cm3であった。ここで形成されたルテニウム膜につき、基板との密着性を碁盤目テープ法によって評価したところ、基板とルテニウム膜との剥離は全く見られなかった。
合成例3にて得られたテトラ(μペンタフルオロプロピオナト)ジ(アセトン)ジルテニウム(II,II)0.1gを窒素雰囲気下にて乾燥したアセトン1.0 mLと溶解した。この溶液を窒素ガス中で石英製ボート型容器に移液し、石英製反応容器にセットした。反応容器内の気流の下流方向側の近傍に熱酸化膜付きシリコンウエハを置き、室温下で反応容器内に窒素ガスを300mL/minの流量にて20分間流した。その後反応容器中に窒素ガスを100mL/minの流量で流し、さらに系内を13Paにし、反応容器を250℃に15分間加熱した。ボート型容器からミストが発生し、近傍に設置した石英基板に堆積物が見られた。ミストの発生が終了した後、減圧を止め、窒素ガスを系に入れて圧力を戻し、次いで101.3kPaで窒素ガスを200mL/minの流量で流し、反応容器の温度を350℃に上昇させ、そのまま1時間保持したところ、基板上に金属光沢を有する膜が得られた。この膜の膜厚は550Åであった。
この膜のESCAスペクトルを測定したところ、Ru3d軌道に帰属されるピークが280eVと284eVに観察され、他の元素に由来するピークは全く観察されず金属ルテニウムであることが分かった。また、このルテニウム膜につき、4端子法で抵抗率を測定したところ、21μΩcmであった。この膜の膜密度は12.1g/cm3であった。ここで形成されたルテニウム膜につき、基板との密着性を碁盤目テープ法によって評価したところ、基板とルテニウム膜との剥離は全く見られなかった。
Claims (4)
- 下記式(1)で表わされる化合物及び下記式(2)で表される化合物の少なくとも一種以上と、溶媒とを含む化学気相成長材料。
- 化学気相成長材料中に含まれる上記(1)式で表される化合物及び上記式(2)で表される化合物の濃度が1〜65重量%である請求項1に記載の化学気相成長材料。
- 請求項1または2に記載の化学気相成長材料を気化させて、気化させた上記式(1)で表わされる化合物及び上記式(2)で表される化合物を基体上に供給して分解し、それにより基体上にルテニウム膜を形成することを特徴とする化学気相成長方法。
- 不活性ガス雰囲気下または還元性雰囲気下でルテニウム膜を形成する請求項3に記載の化学気相成長方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008244683A JP5343483B2 (ja) | 2008-09-24 | 2008-09-24 | 化学気相成長材料および化学気相成長方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008244683A JP5343483B2 (ja) | 2008-09-24 | 2008-09-24 | 化学気相成長材料および化学気相成長方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010080530A true JP2010080530A (ja) | 2010-04-08 |
JP5343483B2 JP5343483B2 (ja) | 2013-11-13 |
Family
ID=42210670
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008244683A Active JP5343483B2 (ja) | 2008-09-24 | 2008-09-24 | 化学気相成長材料および化学気相成長方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5343483B2 (ja) |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5023393B1 (ja) * | 1969-07-14 | 1975-08-07 | ||
JP2000109493A (ja) * | 1998-10-05 | 2000-04-18 | Osaka Gas Co Ltd | 新規有機金属錯体およびガス吸着材 |
JP2003501497A (ja) * | 1999-05-27 | 2003-01-14 | ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト | ポリマー中のエチレン性不飽和二重結合の選択的水素化方法 |
JP2006037161A (ja) * | 2004-07-27 | 2006-02-09 | Jsr Corp | 化学気相成長材料及び化学気相成長方法 |
JP2006241557A (ja) * | 2005-03-04 | 2006-09-14 | Jsr Corp | 化学気相成長材料及び化学気相成長方法 |
JP2008124464A (ja) * | 2006-11-08 | 2008-05-29 | Asm Japan Kk | Ru膜および金属配線構造の形成方法 |
JP2009019263A (ja) * | 2007-03-22 | 2009-01-29 | Jsr Corp | 化学気相成長材料及び化学気相成長方法 |
-
2008
- 2008-09-24 JP JP2008244683A patent/JP5343483B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5023393B1 (ja) * | 1969-07-14 | 1975-08-07 | ||
JP2000109493A (ja) * | 1998-10-05 | 2000-04-18 | Osaka Gas Co Ltd | 新規有機金属錯体およびガス吸着材 |
JP2003501497A (ja) * | 1999-05-27 | 2003-01-14 | ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト | ポリマー中のエチレン性不飽和二重結合の選択的水素化方法 |
JP2006037161A (ja) * | 2004-07-27 | 2006-02-09 | Jsr Corp | 化学気相成長材料及び化学気相成長方法 |
JP2006241557A (ja) * | 2005-03-04 | 2006-09-14 | Jsr Corp | 化学気相成長材料及び化学気相成長方法 |
JP2008124464A (ja) * | 2006-11-08 | 2008-05-29 | Asm Japan Kk | Ru膜および金属配線構造の形成方法 |
JP2009019263A (ja) * | 2007-03-22 | 2009-01-29 | Jsr Corp | 化学気相成長材料及び化学気相成長方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5343483B2 (ja) | 2013-11-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7002033B1 (en) | Chemical vapor deposition material and chemical vapor deposition | |
JP2002526651A (ja) | 銅をベースとするフィルムの化学蒸着方法及びその銅源前駆体 | |
JP2006328526A (ja) | 金属膜の形成方法 | |
JP4771516B2 (ja) | 化学気相成長材料及び化学気相成長方法 | |
JP5741443B2 (ja) | ルテニウム膜形成用材料及びルテニウム膜形成方法 | |
JP5293930B2 (ja) | 化学気相成長材料及び化学気相成長方法 | |
JP5754377B2 (ja) | ルテニウム膜形成方法 | |
JP5343483B2 (ja) | 化学気相成長材料および化学気相成長方法 | |
JP2010084215A (ja) | コバルト膜の形成方法 | |
Min et al. | Liquid Source‐MOCVD of BaxSr1–xTiO3 (BST) Thin Films with a N‐alkoxy‐β‐ketoiminato Titanium Complex | |
JP2010150656A (ja) | コバルトカルボニル錯体組成物及びコバルト膜の形成方法 | |
JP5343482B2 (ja) | 化学気相成長方法 | |
JP2005060814A (ja) | ルテニウム化合物および金属ルテニウム膜の製造法 | |
JP2014118605A (ja) | ルテニウム含有薄膜の製造方法及びルテニウム含有薄膜 | |
JP2010215982A (ja) | ルテニウム錯体有機溶媒溶液を用いたルテニウム含有膜製造方法、及びルテニウム含有膜 | |
JP2010077468A (ja) | ルテニウム膜形成用組成物およびルテニウム膜形成方法 | |
JP2021147395A (ja) | 有機金属付加化合物及びそれを利用した集積回路素子の製造方法 | |
JP2010095795A (ja) | ルテニウム含有薄膜、及びその製造方法 | |
JP5729307B2 (ja) | コバルト膜形成用材料及びコバルト膜形成方法 | |
KR101526633B1 (ko) | 디루테늄 착체 및 화학 기상 성장의 재료 및 방법 | |
JP5660055B2 (ja) | ルテニウム膜形成用材料及びルテニウム膜形成方法 | |
WO2021117540A1 (ja) | 銅含有層の製造方法 | |
WO2023090179A1 (ja) | 原子層堆積法用薄膜形成用原料、薄膜、薄膜の製造方法及びルテニウム化合物 | |
JP6954776B2 (ja) | 薄膜形成用原料及び薄膜の製造方法 | |
JP2009038097A (ja) | 白金膜の形成方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110217 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130521 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130621 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130716 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130729 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5343483 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |