JP2010080328A - 黒色導電性ペースト - Google Patents

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Toshio Kamata
敏生 鎌田
Masako Iwamoto
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Abstract

【課題】高い導電性を有し、しかもガラス基板側の面が十分に濃い黒色に着色された導電パターンを、できるだけ少ない工程で形成できる黒色導電性ペーストを提供する。
【解決手段】黒色導電性ペーストは、導電性金属粉末、黒色金属酸化物、ガラスフリット、熱分解性を有するバインダ樹脂、および溶剤を含み、前記導電性金属粉末、黒色金属酸化物、およびガラスフリットの総量中に占めるガラスフリットの割合を1.0〜10.0質量%とした。
【選択図】なし

Description

本発明は、黒色に着色された導電パターンを形成するための黒色導電性ペーストに関するものである。
例えばプラズマディスプレイパネルの前面板の電極や電磁波シールド等の、ガラス基板の面積と比較してごく微細な線幅を有する導電パターンを、前記ガラス基板のほぼ全面に形成するために、従来は、いわゆるフォトリソグラフ法を利用した形成方法が採用されてきた。しかし近時、フォトリソグラフ法に代えて、できるだけ工程数を少なく、消費エネルギーを小さく、使用する材料の無駄を少なく、そして短時間で生産性良く前記導電パターンを形成するために、印刷法、特に凹版オフセット印刷法を利用することが検討されている。
凹版オフセット印刷法では、前記導電パターンに対応した凹部を有する凹版を用意し、前記凹版の凹部に、導電性金属粉末を含む導電性ペーストを充てんした後、前記導電性ペーストを、その少なくとも表面がシリコーンゴム等で形成されたブランケットの表面に転写させる。そして前記導電性ペーストをガラス基板の表面に再転写させたのち焼き付けることで、前記ガラス基板の表面に、凹版の凹部のパターンに対応した導電パターンが形成される。
かかる凹版オフセット印刷法によれば、例えば凹版の凹部をフォトリソグラフ法によって形成することで、従来の、ガラス基板の表面に直接に、フォトリソグラフ法によって形成したのとほぼ同等の、高い精度を有する導電パターンを形成することができる。
またフォトリソグラフ法では、導電パターンを形成するために多数の工程を要する上、マスクパターンを用いたエッチングやプレーティング等を組み合わせて導電パターンを形成するために、そのもとになる導電材料やマスクパターンのもとになる感光性樹脂等を、実際に形成する導電パターンが必要とする量以上に多量に使用する必要がある。しかも、エッチング等によって発生する多量の廃材は、個別に回収して再利用することが困難である。
これに対し凹版オフセット印刷法では、凹版およびブランケットを繰り返し使用できる上、導電性ペーストの使用量は、ほぼ導電パターンを形成するのに必要な分だけで済み、多量の廃材が発生するおそれもないため、資源の節約に繋がる上、前記のように工程数も少なくて済む。そのため凹版オフセット印刷法によれば、フォトリソグラフ法に比べて消費エネルギーを小さく、使用する材料の無駄を少なく、そして工程数を少なくして短時間で生産性良く、導電パターンを形成することができる。
先に説明したプラズマディスプレイパネルの前面板の電極や電磁波シールド等の導電パターンは、外光が反射して画像が不鮮明になるのを防止するため、特にガラス基板の反対側から前記ガラス基板を通して見える面が黒色に着色されている必要がある。そのため、前記導電性ペースト中に、導電パターンを黒くするための黒色の着色剤として黒色金属酸化物等を含有させることが提案されている(特許文献1参照)。
ところが、前記黒色金属酸化物等の着色剤は一般に絶縁性であって、形成された導電パターン中で導電性金属粉末間に介在した際に、その接続抵抗を上昇させる働きをする。また導電性ペーストの、前記凹版オフセット印刷法等に適した特性(粘度等)を維持するためには、前記着色剤を添加する分、相対的に導電性金属粉末の量を減らす必要もある。
そのため、導電パターンをできるだけ黒くするために着色剤の量を多くする程、導電パターンの導電性が低下し、逆に導電性を高めるために導電性金属粉末の量を多くする程、前記導電パターンの黒色が薄くなる傾向がある。したがって、高い導電性を有し、しかも十分に濃い黒色に着色された導電パターンを形成することは、従来の技術では困難である。
導電性ペーストに代えて、印刷し、焼き付けた後に無電解めっき用のめっき触媒を吸着する働きをする無機顔料を含み、黒色に着色されたペーストを用いてガラス基板上に印刷をし、焼き付けたのち無電解めっきをして、前記ガラス基板の表面の、印刷をしたパターンに対応する領域にのみ選択的に、金属からなるめっき被膜を形成する方法が提案されている(特許文献2参照)。この方法によれば、ガラス基板側の面が黒色で、しかもめっき被膜を形成する金属によって高い導電性が確保された導電パターンを形成できる。
また、前記方法において、めっき被膜を形成する金属として黒色のものを用いるか、もしくはめっき被膜の表面を黒色化処理すると、ガラス基板側と反対側の面も黒色で光を反射しないため、画像が不鮮明になるのをより一層確実に防止できる導電パターンを形成することもできる。しかし、めっきをする工程やめっき被膜を処理する工程を必要とする分、工程数が増加するという問題がある。
特開2002−271086号公報 特開2003−165938号公報
本発明の目的は、高い導電性を有し、しかもガラス基板側の面が十分に濃い黒色に着色された導電パターンを、できるだけ少ない工程で形成できる黒色導電性ペーストを提供することにある。
本発明は、導電性金属粉末、黒色金属酸化物、ガラスフリット、熱分解性を有するバインダ樹脂、および溶剤を含み、前記導電性金属粉末、黒色金属酸化物、およびガラスフリットの総量中に占めるガラスフリットの割合が1.0〜10.0質量%であることを特徴とする黒色導電性ペーストである。
前記本発明の黒色導電性ペーストを、例えば凹版オフセット印刷法等の任意の印刷方法によってガラス基板の表面に印刷した後、バインダ樹脂の熱分解温度以上の温度で焼き付けると、黒色金属酸化物を、導電パターン内でもガラス基板側へ偏在させることができる。この理由を、発明者は次のように考えている。
すなわち焼き付けをすると、まず溶剤およびバインダ樹脂が熱分解して除去され、次いでガラスフリットが溶融する。この段階で、導電パターン中に残存している導電性金属粉末、黒色金属酸化物、およびガラスフリットの総量中に占めるガラスフリットの割合が1.0質量%未満であれば、前記ガラスフリットは、圧倒的に多量に存在する導電性金属粉末、および黒色金属酸化物の粒子間に浸透して、冷却後に、これらの粉末を結着するバインダとしてのみ機能する。
しかし導電性ペーストが、前記範囲を超えてガラスフリットを多量に含有する場合は、前記多量のガラスフリットが、導電パターン中で、近似の成分からなるため親和性が高いガラス基板側へ流動し、押し出された導電性金属粉末がガラス基板側と反対側へ偏在すると共に、黒色金属酸化物はガラスフリットと近似の成分からなり親和性が高いため、前記ガラスフリットと共にガラス基板の表面側へ移動する。そのため黒色金属酸化物を、導電パターン内でもガラス基板側へ偏在させることができる。
したがって本発明の導電性ペーストによれば、黒色金属酸化物の量を増加させることなしに、導電パターンのガラス基板側の面を、偏在させた黒色金属酸化物によって十分に濃い黒色に着色することができる。また、前記偏在によって導電パターンのガラス基板側と反対側の領域における黒色金属酸化物の存在比率を小さくして、前記領域における導電性金属粉末間の接続抵抗を低下させることができ、黒色金属酸化物の量を少なくできる分、相対的に導電性金属粉末の量を所定量以上に維持できることと相まって、導電パターンの導電性を向上することもできる。
しかも導電パターンは、前記黒色導電性ペーストをガラス基板上に印刷したのち焼き付けるだけで形成できる。したがって本発明の黒色導電性ペーストによれば、高い導電性を有し、しかもガラス基板側の面が十分に濃い黒色に着色された導電パターンを、できるだけ少ない工程で形成することが可能となる。
導電パターンの導電性をできるだけ高い範囲に維持しながら、前記導電パターンのガラス基板側の面をできるだけ濃い黒色に着色することを考慮すると、導電性金属粉末、黒色金属酸化物、およびガラスフリットの総量中に占める導電性金属粉末の割合は84.0〜95.0質量%、黒色金属酸化物の割合は2.5〜5.5質量%であるのが好ましい。
本発明の黒色導電性ペーストは、先に説明したようにガラス基板の表面に印刷して、バインダ樹脂の熱分解温度以上の温度で焼き付けることにより、プラズマディスプレイパネルの前面板の電極、または電磁波シールドを形成するために用いるのが好ましい。
本発明によれば、高い導電性を有し、しかもガラス基板側の面が十分に濃い黒色に着色された導電パターンを、できるだけ少ない工程で形成できる黒色導電性ペーストを提供することができる。
本発明の黒色導電性ペーストは、導電性金属粉末、黒色金属酸化物、ガラスフリット、熱分解性を有するバインダ樹脂、および溶剤を含み、前記導電性金属粉末、黒色金属酸化物、およびガラスフリットの総量中に占めるガラスフリットの割合が1.0〜10.0質量%であることを特徴とするものである。本発明において、ガラスフリットの割合が前記範囲に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち、前記範囲よりガラスフリットが少ない場合には、先に説明したように、溶融したガラスフリットを流動させることで黒色金属酸化物をガラス基板側に偏在させる効果が得られないため、高い導電性を有し、しかもガラス基板側の面が十分に濃い黒色に着色された導電パターンを形成することができない。また、ガラスフリットのバインダとしての機能が不足して、導電パターンの機械的強度が低下したり、ガラス基板に対する接着強度が低下したりするおそれもある。一方、前記範囲よりガラスフリットが多い場合には、相対的に導電性金属粉末の割合が少なくなるため、導電パターンの導電性が低下する。
なお、導電パターンの導電性をより高いレベルに維持しながら、黒色金属酸化物の偏在によって、導電パターンのガラス基板側の面をさらに濃い黒色に着色することを考慮すると、ガラスフリットの割合は、前記範囲内でも5.0〜8.0質量%であるのが好ましい。
前記ガラスフリットとしては、例えばホウケイ酸ガラスや、あるいは酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化ビスマス等の金属酸化物を含有するガラス等の1種または2種以上等の種々のガラスからなり、バインダとして機能しうる粉末状、鱗片状等の粒子が挙げられる。
またガラスフリットは、特に導電パターンの導電性やガラス基板に対する密着性を向上することを考慮すると、バインダ樹脂の熱分解温度で溶融せず、かつ導電性金属粉末の融点以下の温度で溶融するように溶融温度が設定されているのが好ましい。ガラスフリットの溶融温度がバインダ樹脂の熱分解温度よりも低いときは、焼き付けによってバインダ樹脂が完全に熱分解して除去される前にガラスフリットの溶融が始まるため、焼き付け後の導電パターン中に、その後の熱分解によってバインダ樹脂が除去された跡が空隙として残って、導電パターンの導電性が低下したり、前記導電パターンの機械的強度が低下したりするおそれがある。
一方、ガラスフリットの溶融温度が導電性金属粉末の融点よりも高いときは、焼き付け温度を高くする必要が生じるため、導電パターンの形成に要する熱エネルギーが増加したり、ガラス基板の熱変形などの不具合を招いたりするおそれがある。ガラスフリットの溶融温度の具体的な範囲は、組み合わせるバインダ樹脂や導電性金属粉末の種類に応じて適宜調整できるが、通常は400〜600℃程度であるのが好ましい。
またガラスフリットは、黒色導電性ペーストの印刷適性を向上すると共に、導電パターンのガラス基板に対する密着性を向上することを考慮すると、その50%平均径D50が0.1〜5μm、特に0.2〜3μmであるのが好ましい。
導電性金属粉末としては、例えば銀、銅、金、白金、ニッケル、アルミニウム、鉄、パラジウム、クロム、モリブデン、タングステン等の金属の粉末や、Cr−Co−Mn−Fe、Cr−Cu、Cr−Cu−Mn、Mn−Fe−Cu、Cr−Co−Fe、Co−Mn−Fe、Co−Ni−Cr−Fe等の複合合金の粉末、銀メッキ銅等のメッキ複合体の粉末等の1種または2種以上が挙げられる。中でも、耐酸化性に優れる上、高絶縁性酸化物を生成しにくいことや、焼き付け後の導電パターンの導電性をコスト安価に向上できることから、銀粉末が好ましい。
また導電性金属粉末は、環境に対する影響を極力小さくすることを考慮すると、鉛フリーであるのが好ましい。導電性金属粉末は球状、粒状、鱗片状等の種々の形状とすることができる。導電性金属粉末の粒径は、黒色導電性ペーストの印刷適性を向上すると共に、導電パターンの導電性を向上することを考慮すると、その50%平均径D50が0.1〜1.5μm、特に0.2〜1.0μmであるのが好ましい。
導電性金属粉末、黒色金属酸化物、およびガラスフリットの総量中に占める導電性金属粉末の割合は84.0〜95.0質量%、特に85.0〜94.0質量%であるのが好ましい。前記範囲より導電性金属粉末が少ない場合には、形成される導電パターンの導電性が低下するおそれがある。
一方、前記範囲より導電性金属粉末が多い場合には、相対的にガラスフリットの割合が少なくなって、先に説明した、溶融したガラスフリットを流動させることで黒色金属酸化物をガラス基板側に偏在させる効果が十分に得られなくなったり、導電パターンの機械的強度が低下したり、ガラス基板に対する接着強度が低下したりするおそれがある。また、相対的に黒色金属酸化物の割合が少なくなって、前記黒色金属粉末を、たとえガラス基板側に偏在できたとしても、前記ガラス基板側の面が十分に濃い黒色に着色された導電パターンを形成できないおそれもある。
黒色金属酸化物としては、例えばルテニウム、マンガン、ニッケル、クロム、鉄、コバルト、銅、錫等の酸化物、もしくは複合酸化物であって黒色を呈するものの1種または2種以上が挙げられる。中でもコバルトの酸化物が、焼き付け温度域での熱安定性に優れるため好ましい。
黒色金属酸化物の粒径は、黒色導電性ペーストの印刷適性を向上すると共に、導電パターンのガラス基板側をできるだけ濃い黒色に着色することを考慮すると、その50%平均径D50が0.1〜1.4μm、特に0.3〜0.6μmであるのが好ましい。
導電性金属粉末、黒色金属酸化物、およびガラスフリットの総量中に占める黒色金属酸化物の割合は2.5〜5.5質量%、特に3.0〜5.0質量%であるのが好ましい。前記範囲より黒色金属酸化物が少ない場合には、前記黒色金属粉末を、たとえガラス基板側に偏在できたとしても、前記ガラス基板側の面が十分に濃い黒色に着色された導電パターンを形成できないおそれがある。
一方、前記範囲より黒色金属酸化物が多い場合には、相対的にガラスフリットの割合が少なくなって、先に説明した、溶融したガラスフリットを流動させることで黒色金属酸化物をガラス基板側に偏在させる効果が十分に得られなくなったり、導電パターンの機械的強度が低下したり、ガラス基板に対する接着強度が低下したりするおそれがある。また、相対的に導電性金属粉末の割合が少なくなって、形成される導電パターンの導電性が低下するおそれもある。
バインダ樹脂としては、例えばポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、ポリエステル−メラミン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ−メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。特に、バインダ樹脂は焼き付けによって熱分解されて除去されるため強固な耐久性を要しない上、前記焼き付けによって熱分解させて除去する際に、樹脂分またはその残渣が残存せずに、完全に除去されることが求められ、そのような樹脂としてはポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エチルセルロースが挙げられ、とりわけ、ポリエステル系樹脂が好ましい。
バインダ樹脂の分子量は、導電性金属粉末、黒色金属酸化物、およびガラスフリットの分散性や黒色導電性ペーストの印刷特性等に合わせて適宜設定すればよいが、通常は、質量平均分子量Mwが1000〜30000、特に2000〜20000であるのが好ましい。バインダ樹脂の添加量は、適用する印刷法に応じて黒色導電性ペーストに求められる粘度等の特性に合わせて適宜設定すればよい。
溶媒としては、前記バインダ樹脂を溶解して、前記所定の特性を有する黒色導電性ペーストを形成しうる種々の溶媒が使用可能であり、特に沸点が150℃以上である溶媒が好適に使用される。溶媒の沸点が150℃未満では、印刷時に乾燥しやすくなって、良好な印刷を続けることができないおそれがある。
前記溶媒としては、例えばヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ステアリルアルコール、セリルアルコール、シクロヘキサノール、α−テルピネオール等のアルコール類:エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート(セロソルブアセター)、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート(ブチルセロソルブアセタート)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート(カルビトールアセタート)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート(ブチルカルビトールアセタート)等のアルキルエーテル類の1種または2種以上が挙げられる。
溶媒の添加量は、適用する印刷法に応じて黒色導電性ペーストに求められる粘度等の特性に合わせて適宜設定すればよい。
本発明の黒色導電性ペーストには、前記各成分に加えて、例えばレベリング剤、分散剤、揺変性付与剤(チキソトロピック粘性付与剤)、消泡剤、充填剤、硬化触媒等の種々の配合剤を任意の割合で添加することもできる。
本発明の黒色導電性ペーストは、前記各成分を所定の割合で配合後、3本ロール、ボールミル、アトライター、サンドミル等を用いて攪拌し、混合して調製される。処理条件は特に限定されず、常法に従って処理すればよい。
本発明の黒色導電性ペーストは、ガラス基板の表面に印刷して、バインダ樹脂の熱分解温度以上の温度で焼き付けることにより、プラズマディスプレイパネルの前面板の電極、または電磁波シールドを形成するために用いることができる。印刷方法としては、先に説明した凹版オフセット印刷法が好適に採用される。
凹版オフセット印刷法においては、前記黒色導電性ペーストを凹版の凹部に充填し、次いでブランケットの表面に転写させた後、前記ブランケットの表面からガラス基板の表面に転写させることによって、ガラス基板の表面にパターン形成できる。ブランケットとしては、黒色導電性ペーストの、前記ブランケットの表面からガラス基板の表面への転写率を高めるために、表面層がシリコーンゴムで形成されたものを用いるのが好ましく、前記表面層を形成するためのシリコーンゴムとしては、例えば未硬化時に液状ないしはペースト状を呈するシリコーンゴムが好ましい。
前記液状ないしはペースト状を呈するシリコーンゴムを下地上に塗布し、硬化させて表面層を形成すると、前記表面層の表面を、硬化時に、液またはペーストのセルフレベリング効果によって平滑化できる。そのため、高精度の導電パターンを形成するために好適な、表面粗さが極めて小さいブランケットを得ることができる。また、前記液状ないしはペースト状を呈するシリコーンゴムを金型内に注入して、表面層の形状に成形しながら硬化させることによってブランケットを製造してもよい。
凹版としては、その表面に所望の導電パターンの平面形状と高さに対応する平面形状と深さとを有する凹部を形成しうる、種々の材料からなるものを用いることができる。前記材料としては、例えば42アロイ、ステンレス鋼等の金属や、ソーダライムガラス、ノンアルカリガラス等のガラス等が挙げられる。
特に、凹版に優れた耐久性が要求される場合には金属製の凹版が好適であり、凹部について極めて高度な寸法精度を要求される場合には、加工性が良好なガラス製の凹版が好ましい。また、特に優れた耐久性を求められる場合には、金属製の凹版の表面に、さらに硬質クロムメッキ処理等を施してもよい。
凹版オフセット印刷法の具体的な印刷条件は特に限定されず、常法に従って適宜設定できる。例えば、凹版の凹部への黒色導電性ペーストの充填は、ドクターブレードやスキージ等を用いたドクタリング等の常法に従って行えばよい。また1回目の転写工程での、凹版の凹部からブランケットの表面への転写速度や、2回目の転写工程での、ブランケットの表面からガラス基板の表面への転写速度は、例えば凹版の凹部の幅および深さ、凹版やガラス基板の種類、黒色導電性ペーストの物性、導電パターンに要求される線幅や三次元形状の精度等の諸条件を考慮しつつ、常法に従って適宜設定することができる。
印刷後の焼き付け温度は、バインダ樹脂を速やかに熱分解させて除去すると共に、ガラスフリットを溶融させ、流動させて、黒色金属酸化物をガラス基板側に偏在させた状態で、前記黒色金属酸化物および導電性金属粉末を結着させることができる任意の温度に設定できる。前記焼き付けの温度は、一般的には450〜650℃、特に500〜600℃であるのが好ましい。
また、焼き付けによって得られる導電パターンの厚みは、前記導電パターンの用途等に応じて適宜設定することができるが、例えばプラズマディスプレイパネルの前面板の電極等の電極の場合は3〜15μm、特に5〜10μmであるのが好ましい。導電パターンの厚みが前記範囲未満では断線が発生しやすく、また、導電性も十分でなくなるおそれがある。逆に厚みが前記範囲を超える場合には、導電パターン表面の平坦性が低下するおそれがある。
かくして形成される導電パターンは、黒色金属酸化物の偏在によってガラス基板側が濃い黒色に着色されていると共に導電性にも優れており、プラズマディスプレイパネルの前面板の電極や電磁波シールド等として好適に用いることができる。
〈実施例1〉
バインダ樹脂としてのポリエステル樹脂(質量平均分子量Mw:10000)100質量部と、導電性粉末としての、50%平均径D50が0.5μmである銀粉末900質量部と、黒色金属酸化物としての、50%平均径D50が0.4μmであるコバルトの酸化物の粉末50質量部と、ガラスフリット(溶融温度:520℃、50%平均径D50:1.0μm)10質量部と、溶媒としてのジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート80質量部とを配合し、3本ロールを用いて混合して黒色導電性ペーストを調製した。導電性金属粉末、黒色金属酸化物、およびガラスフリットの総量中に占めるガラスフリットの割合Rは1.0質量%であった。
〈実施例2〜4、比較例1、2〉
ガラスフリットの配合量を5質量部(比較例1、R=0.5質量%)、50質量部(実施例2、R=5.0質量%)、80質量部(実施例3、R=7.8質量%)、100質量部(実施例4、R=9.5質量%)、および120質量部(比較例2、R=11.2質量%)としたこと以外は実施例1と同様にして黒色導電性ペーストを調製した。
〈印刷試験〉
実施例、比較例で調製した黒色導電性ペーストを、精密印刷用の凹版オフセット印刷機を用いた凹版オフセット印刷法によってガラス基板上に印刷し、焼き付けて導電パターンを形成した。凹版としては、ソーダライムガラスの片面に線幅20μm、ピッチ300μm、深さ7.5μmの、電磁波シールド用メッシュパターンに対応した凹部が形成されたものを用いた。
またブランケットとしては、液状の常温硬化型(付加型)シリコーンゴムを硬化させて形成した表面層を有するシリコーンブランケットを用いた。ガラス基板としては、厚み2.8mm、対角寸法22インチの、高歪点ガラス製のガラス基板〔旭硝子(株)製のPD200〕を用いた。焼成には焼成炉を使用し、常温から昇温して650℃で5分間保持したのち常温まで自然冷却した。
形成された導電パターンの面抵抗(Ω/□)を、低抵抗率計〔三菱化学(株)製のロレスタ(登録商標)GP MCP−T600型〕を用いて測定して導電性を評価した。面抵抗が0.4Ω/□以下であれば、導電性良好として評価した。
また前記導電パターンの、ガラス基板側の面の反射率(Y値)を、色彩色差計〔コニカミノルタセンシング(株)製のCR−300〕を用いて測定して、前記ガラス基板側の面の黒色の濃さを評価した。反射率が8.5%以下であるとき、黒色の濃度が十分にあるとして評価した。
さらに導電パターンをカッターナイフの刃で擦った際にはく離しなかったものを接着強度良好(○)、はく離したものを接着強度不良(×)として評価した。以上の結果を表1に示す。
Figure 2010080328
表1より、黒色導電性ペーストにおける導電性金属粉末、黒色金属酸化物、およびガラスフリットの総量中に占めるガラスフリットの割合Rが1.0〜10.0質量%であるとき、高い導電性を有し、しかもガラス基板側の面が十分に濃い黒色に着色された導電パターンを形成できることが確認された。

Claims (4)

  1. 導電性金属粉末、黒色金属酸化物、ガラスフリット、熱分解性を有するバインダ樹脂、および溶剤を含み、前記導電性金属粉末、黒色金属酸化物、およびガラスフリットの総量中に占めるガラスフリットの割合が1.0〜10.0質量%であることを特徴とする黒色導電性ペースト。
  2. 導電性金属粉末、黒色金属酸化物、およびガラスフリットの総量中に占める導電性金属粉末の割合が84.0〜95.0質量%である請求項1に記載の黒色導電性ペースト。
  3. 導電性金属粉末、黒色金属酸化物、およびガラスフリットの総量中に占める黒色金属酸化物の割合が2.5〜5.5質量%である請求項1または2に記載の黒色導電性ペースト。
  4. ガラス基板の表面に印刷して、バインダ樹脂の熱分解温度以上の温度で焼き付けることにより、プラズマディスプレイパネルの前面板の電極、または電磁波シールドを形成するために用いられる請求項1ないし3のいずれかに記載の黒色導電性ペースト。
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JP (1) JP2010080328A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9081122B2 (en) 2012-08-17 2015-07-14 Samsung Display Co., Ltd. Light blocking member and display panel including the same

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