JP2010078909A - Tnモード液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
少なくとも、一対の偏光子と、一対の偏光子間に配置される液晶セルと、一対の偏光子の少なくとも一方と液晶セルとの間に配置される光学補償フィルムとを有するTNモード液晶表示装置であって、前記光学補償フィルムが、式Iの光学特性を満足する第1光学異方性層、及び配向状態に固定された棒状液晶性分子を含むとともに、式IIの光学特性を満足する第2光学異方性層を少なくとも有するTNモード液晶表示装置である。Re及びRthは、それぞれ測定波長550nmであるときの面内および膜厚方向のレターデーション値(単位;nm);並びにRe[40]及びRe[−40]はそれぞれ、進相軸を回転軸として40度及び−40度に回転した時のレターデーション値を示す。
I −0.25≦Rth/Re≦0.25
II 1.5≦Re[40]/Re[−40]≦5.5
【選択図】図1
Description
近年、液晶表示装置を、パーソナルコンピュータ(PC)等のディスプレイとしてのみならず、大型TV用のディスプレイとして応用することが試みられ、実用化もされている。上記構成の光学補償フィルムを利用することで、TNモード液晶表示装置の視野角特性は改善されたが、大型TV用ディスプレイとして利用するためには、さらに上下左右の視野角特性がバランスよく改善されることが望まれる。
[1] 少なくとも、一対の偏光子と、一対の偏光子間に配置される液晶セルと、一対の偏光子の少なくとも一方と液晶セルとの間に配置される光学補償フィルムとを有するTNモード液晶表示装置であって、前記光学補償フィルムが、下記式Iの光学特性を満足する第1光学異方性層、及び配向状態に固定された棒状液晶性分子を含むとともに、下記式IIの光学特性を満足する第2光学異方性層を少なくとも有することを特徴とするTNモード液晶表示装置:
式I −0.25≦Rth/Re≦0.25
式II 1.5≦Re[40]/Re[−40]≦5.5
[式中、Re及びRthは、それぞれ測定波長550nmであるときの面内および膜厚方向のレターデーション値(単位;nm)を示す。また、Re[40]及びRe[−40]はそれぞれ、進相軸を回転軸として40度及び−40度に回転した時のレターデーション値を示す。ここでRe[40]>Re[−40]とする]。
[2] 前記第1光学異方性層が、溶液流延製膜方法にて製膜された後に、(Tg+60)℃以上(Tgは製膜フィルムのガラス転移温度)で熱処理され、熱処理と同時に及び/又は熱処理後に延伸されてなるポリマーフィルムであることを特徴とする[1]のTNモード液晶表示装置。
[3] 前記第1光学異方性層が、温度200℃以上で熱処理されてなるセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする[1]又は[2]のTNモード液晶表示装置。
まず、本明細書で用いられる用語について、説明する。
(レターデーション、Re及びRth)
本明細書において、Re及びRthは各々、波長550nmにおける面内のレターデーション(nm)及び厚さ方向のレターデーション(nm)を表す。ReはKOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において波長550nmnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルム等のサンプルが1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRthは算出される。
Rthは前記Reを、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(X)及び式(XI)よりRthを算出することもできる。
上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。また、式中、nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚を表す。
また、本明細書において、位相差膜及び液晶層等の各部材の光学特性を示す数値、数値範囲、及び定性的な表現(例えば、「同等」、「等しい」等の表現)については、液晶表示装置やそれに用いられる部材について一般的に許容される誤差を含む数値、数値範囲及び性質を示していると解釈されるものとする。
式I −0.25≦Rth/Re≦0.25
式II 1.5≦Re[40]/Re[−40]≦5.5
前記特性を満足する第1及び第2の光学異方性層を有する光学補償フィルムは、TNモード液晶表示装置の上下左右の視野角コントラストをバランスよく改善するのに寄与する。
図1の液晶表示装置は、互いの吸収軸を直交して配置される一対の偏光層18及び20、一対の偏光層18及び20の間に、対向して配置される第1の基板14及び第2の基板16と、第1の基板14と前記第2の基板16との間に配置された液晶層12とを有するTNモード液晶セルLC、偏光層18及び20のそれぞれと液晶セルLCとの間に配置される第1光学異方性層22及び24、ならびに偏光層18及び20のそれぞれと液晶セルLCとの間に第2光学異方性層26及び28を有する。
第1の基板14の対向面に形成された配向膜のラビング方向14aは、液晶表示装置の画面の左右方向に対し、表示面側(図面上側)から見て左回りに45°回転した方向にあり、第2の基板16の対向面に形成された配向膜のラビング方向16aは、液晶表示装置の画面の左右方向に対し、観察者側(図面上側)から見て右回りに45°回転した方向にある。電圧無印加時には、配向膜界面近傍の液晶分子は、その配向処理方向に長軸方向を一致させて配向するので、表示面側から見て右回りに実質的に90°の捩れ角でツイスト配向している。
1. 光学補償フィルム
本発明に用いる光学補償フィルムは、所定の特性を満足する第1光学異方性層と、配向状態に固定された棒状液晶分子を含有するとともに、所定の特性を満足する第2光学異方性層と、を少なくとも有する。
第1光学異方性層は、下記式Iを満足する。
式I −0.25≦Rth/Re≦0.25
好ましくは、下記式I’を満足し、
式I’−0.22≦Rth/Re≦0.22
さらに好ましくは、下記式I”を満足する。
式I”−0.20≦Rth/Re≦0.20。
また、前記光学補償フィルムを、液晶セルを中心にして、上下に各1枚ずつ配置する態様では、当該光学補償フィルムに利用される第1光学異方性層は、Re(550)が0〜275nm程度であり、及びRth(550)が−75〜75nm程度であるのが好ましく、Re(550)が10〜250nm程度であり、及びRth(550)が−55〜55nm程度であるのがより好ましい。
上記特性を満足する限り、第1光学異方性層の材料については特に制限はない。第1光学異方性層がポリマーフィルムからなると、第2光学異方性層の支持体として利用することができ、また偏光子の保護フィルムとしても利用できるの。第1光学異方性層として利用可能なポリマーフィルムとしては、例えば、セルロースエステル、ポリエステル、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ビニルポリマー、ポリアミドおよびポリイミド等のフィルムを挙げることができる。
これらのポリマーは単独で用いてもよいし、2種類以上のポリマーを併用してもよい。
前記セルロースアシレートは、セルロースとカルボン酸とのエステルである。前記セルロースアシレートは、セルロースを構成するグルコース単位の2位、3位および6位に存在するヒドロキシル基の水素原子の全部または一部が、アシル基で置換されている。前記アシル基の例としては、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ピバロイル、ヘプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、および、シンナモイルが挙げられる。前記アシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ドデカノイル、オクタデカノイル、ピバロイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルが好ましく、アセチル、プロピオニル、ブチリルが最も好ましい。セルロースエステルは、セルロースと複数の酸とのエステルであってもよい。また、セルロースアシレートは、複数のアシル基で置換されていてもよい。
セルロースエステルの原料綿や合成方法については、発明協会公開技報(公技番号2001−1745号、2001年3月15日発行、発明協会)7〜12頁にも記載がある。
前記第1光学異方性層として利用するポリマーフィルムは、ポリマーや各種添加剤を含有するポリマー溶液から溶液流延製膜方法によって作製することができる。また、ポリマーの融点、もしくはポリマーと各種添加剤との混合物の融点が、これらの分解温度よりも低くかつ後述の延伸温度よりも高い場合には、溶融製膜法によって製膜することで作製することもできる。溶融製膜法については、特開2000−352620号公報などに記載がある。
以下、第1光学異方性層として利用可能なポリマーフィルムの製造方法について、溶液流延方法を利用する態様について詳細に説明する。
前記ポリマー溶液(好ましくはセルロースアシレート溶液)の主溶媒としては、該ポリマーの良溶媒である有機溶媒を好ましく用いることができる。このような有機溶媒としては、沸点が80℃以下の有機溶媒が乾燥負荷低減の観点からより好ましい。前記有機溶媒の沸点は、10〜80℃であることがさらに好ましく、20〜60℃であることが特に好ましい。また、場合により沸点が30〜45℃である有機溶媒も前記主溶媒として好適に用いることができる。
前記エステルとしては、例えば、メチルホルメート、エチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートなどが挙げられる。
前記ケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
前記エーテルとしては、例えば、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどが挙げられる。
前記炭化水素としては、例えば、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。
前記エステルとしては、例えば、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテートなどが挙げられる。
前記ケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどが挙げられる。
前記エーテルとしては、例えば、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトールなどが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなどが挙げられる。
前記炭化水素としては、例えば、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
前記2種類以上の官能基を有する有機溶媒としては、例えば、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、メチルアセトアセテートなどが挙げられる。
また、Rth低減の観点から、本発明の透明ポリマーフィルムの作製に用いられる前記ポリマー溶液は、乾燥過程初期においてハロゲン化炭化水素とともに揮発する割合が小さく、次第に濃縮される沸点が95℃以上であり、且つ、セルロースエステルの貧溶媒である有機溶媒を1〜15質量%、より好ましくは1.5〜13質量%、さらに好ましくは2〜10質量%含有することが好ましい。
(1)ジクロロメタン/メタノール/エタノール/ブタノール=80/10/5/5
(2)ジクロロメタン/メタノール/エタノール/ブタノール=80/5/5/10
(3)ジクロロメタン/イソブチルアルコール=90/10
(4)ジクロロメタン/アセトン/メタノール/プロパノール=80/5/5/10
(5)ジクロロメタン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン=80/8/10/2(6)ジクロロメタン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール=80/10/5/5
(7)ジクロロメタン/ブタノール=90/10
(8)ジクロロメタン/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/ブタノール=68/10/10/7/5
(9)ジクロロメタン/シクロペンタノン/メタノール/ペンタノール=80/2/15/3
(10)ジクロロメタン/メチルアセテート/エタノール/ブタノール=70/12/15/3
(11)ジクロロメタン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール=80/5/5/10
(12)ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/ペンタノール=50/20/15/5/10
(13)ジクロロメタン/1,3−ジオキソラン/メタノール/ブタノール=70/15/5/10
(14)ジクロロメタン/ジオキサン/アセトン/メタノール/ブタノール=75/5/10/5/5
(15)ジクロロメタン/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブチルアルコール/シクロヘキサン=60/18/3/10/7/2
(16)ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/イソブチルアルコール=70/10/10/10
(17)ジクロロメタン/アセトン/エチルアセテート/ブタノール/ヘキサン=69/10/10/10/1
(18)ジクロロメタン/メチルアセテート/メタノール/イソブチルアルコール=65/15/10/10
(19)ジクロロメタン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール=85/7/3/5
(20)ジクロロメタン/メタノール/ブタノール=83/15/2
(21)ジクロロメタン=100
(22)アセトン/エタノール/ブタノール=80/15/5
(23)メチルアセテート/アセトン/メタノール/ブタノール=75/10/10/5
(24)1,3−ジオキソラン=100
(25)ジクロロメタン/メタノール=85/15
(26)ジクロロメタン/メタノール=92/8
(27)ジクロロメタン/メタノール=90/10
(28)ジクロロメタン/メタノール=87/13
(29)ジクロロメタン/エタノール=90/10
前記ポリマー濃度は、ポリマーを溶媒に溶解する段階で所定の濃度になるように調整することができる。また予め低濃度(例えば4〜14質量%)の溶液を調製した後に、溶媒を蒸発させる等によって濃縮してもよい。さらに、予め高濃度の溶液を調製後に、希釈してもよい。また、添加剤を添加することで、ポリマーの濃度を低下させることもできる。
このフィルムは、そのまま延伸ゾーンや熱処理ゾーンへ搬送してもよいし、フィルムを巻き取ってからオフラインで延伸や熱処理を実施してもよい。また、一旦フィルムを巻き取る場合には、好ましい巻長は300〜30000mであり、より好ましくは500〜10000mであり、さらに好ましくは1000〜7000mである。
第1光学異方性層に要求される特性を満足するポリマーフィルムを得るために、製膜後に延伸処理を施してもよい。
延伸処理は、例えば、出口側の周速を速くしたフィルムを搬送方向に保持する2つ以上の装置(例えば、ニップロールやサクションドラム)間で搬送方向に実施する縦延伸でもよいが、好ましくは延伸方向は搬送方向と直交方向に広げて実施する横延伸であり、例えば、フィルムの両端をテンタークリップで把持して加熱ゾーンを有する装置内で実施されるテンター延伸であることがより好ましい。延伸倍率はフィルムに要求するレターデーションに応じて適宜設定することができ、1〜500%が好ましく、3〜400%がより好ましく、5〜300%がさらに好ましく、10〜100%が特に好ましい。これらの延伸は1段で実施しても、多段で実施してもよい。なお、ここでいう「延伸倍率(%)」とは、以下の式を用いて求めたものを意味する。
延伸倍率(%)=100×{(延伸後の長さ)−(延伸前の長さ)}/延伸前の長さ
前記延伸における延伸速度は10〜10000%/分が好ましく、より好ましくは20〜1000%/分であり、さらに好ましくは30〜800%/分である。
第1光学異方性層に要求される特性を満足するポリマーフィルムを製造するために、前記延伸処理に加え、製膜されたポリマーフィルムを熱処理することが好ましい。熱処理は、延伸処理の前に実施されることが好ましく、また熱処理時に同時に延伸処理を実施することもできる。熱処理後に一旦フィルムを冷却し、さらに延伸処理を行うのが好ましい。
冷却温度は、前記熱処理温度よりも50℃以上低いことが好ましく、100〜300℃低いことがより好ましく、150〜250℃低いことがさらに好ましい。
また、前記熱処理温度と延伸温度との差は1℃以上であることが好ましく、10〜200℃がより好ましく、30〜150℃がさらに好ましく、50〜100℃が特に好ましく、延伸温度は熱処理温度より低いことが好ましい。この温度差を適切に設定することによって、Rth/Re値を前記範囲とすることができる。
なお、ここで、上記Tgは、溶液製膜された当該膜のガラス転移温度であり、DSCの測定パンに熱処理前のサンプルを20mg入れ、これを窒素気流中で10℃/分で30℃から120℃まで昇温し、15分間保持した後、30℃まで−20℃/分で冷却した。この後、再度30℃から250℃まで昇温し、ベースラインが低温側から偏奇し始める温度をフィルムのTgとする。
また、入口側と出口側の周速に差を持たせずに実施しても持たせながら実施してもよく、周速に差を持たせる場合、フィルムの伸びは3〜500%に制御することが好ましく、5〜100%がより好ましく、10〜80%がさらに好ましく、20〜60%が特に好ましい。なお、ここでいう「フィルムの伸び(%)」とは、以下の式を用いて求めたものを意味する。
フィルムの伸び(%)=100×{(熱処理後の長さ)−(熱処理前の長さ)}/熱処理前の長さ
前記第1光学異方性層として用いるポリマーフィルムには、適宜、表面処理を行ってもよい。表面処理を行うことにより、各機能層(例えば、下塗層、バック層、光学異方性層)との接着を改善することが可能となる。前記表面処理には、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、鹸化処理(酸鹸化処理、アルカリ鹸化処理)が含まれ、特にグロー放電処理およびアルカリ鹸化処理が好ましい。ここでいう「グロー放電処理」とは、プラズマ励起性気体存在下でフィルム表面にプラズマ処理を施す処理である。これらの表面処理方法の詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)に記載があり、適宜、使用することができる。
本発明に使用する第2光学異方性層は、配向状態に固定された棒状液晶性分子を含むとともに、下記式IIを満足する。なお、Re[40]及びRe[−40]の定義については、上記の通りである。
式II 1.5≦Re[40]/Re[−40]≦5.5
好ましくは、下記式II'を満足し、
式II’ 1.7≦Re[40]/Re[−40]≦4.5
さらに好ましくは、下記式II"を満足する。
式II” 2.0≦Re[40]/Re[−40]≦4.0
上記関係を満足する第2光学異方性層の一例では、Re[40]は150〜900nm程度(好ましくは200〜400nm程度)であり、且つRe[−40]は30〜600nm程度(50〜350nm程度)である。
前記第2光学異方性層は、棒状液晶性化合物を含有する液晶組成物から形成することができる。上記式IIを満足する光学異方性層を形成するためには、前記液晶組成物を傾斜配向状態とし、その状態を固定して形成するのが好ましい。棒状液晶を傾斜配向状態とするために、組成物中に、配向制御剤を添加するのが好ましい。また、前記液晶組成物は、重合性であるのが好ましく、例えば、重合開始剤や重合成分(棒状液晶が重合成分であってもよい)を含有する重合性組成物であるのが好ましい。
前記第2光学異方性層の形成には、配向膜界面側近傍の棒状液晶性分子を垂直配向状態にするのを促進する配向剤を使用してもよい。当該配向剤の例には、下記式(I)で表されるピリジニウム誘導体(ピリジニウム塩)が含まれる。
Zは、さらに置換基を有していてもよく、置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1〜16のアルキル基、炭素原子数が1〜16のアルケニル基、炭素原子数が1〜16のアルキニル基、炭素原子数が1〜16のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1〜16のアルコキシ基、炭素原子数が2〜16のアシル基、炭素原子数が1〜16のアルキルチオ基、炭素原子数が2〜16のアシルオキシ基、炭素原子数が2〜16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2〜16のアルキル置換カルバモイル基及び炭素原子数が2〜16のアシルアミノ基が含まれる。
置換基の例は、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数が1〜12のアルキル基及び炭素原子数が1〜12のアルコキシ基が挙げられる。アルキル基及びアルコキシ基は、炭素原子数が2〜12のアシル基又は炭素原子数が2〜12のアシルオキシ基で置換されていてもよい。アシル基及びアシルオキシ基の定義は、後述する。
mが2の場合、Z1は、シアノ基、炭素原子数が1〜10のアルキル基又は炭素原子数が1〜10のアルコキシ基であることが好ましい。
mが1の場合、Z1は、炭素原子数が7〜12のアルキル基、炭素原子数が7〜12のアルコキシ基、炭素原子数が7〜12のアシル置換アルキル基、炭素原子数が7〜12のアシル置換アルコキシ基、炭素原子数が7〜12のアシルオキシ置換アルキル基又は炭素原子数が7〜12のアシルオキシ置換アルコキシ基であることが好ましい。
前記第2光学異方性層の形成には、空気界面側近傍の液晶性分子を垂直配向状態にするのを促進する配向剤を使用してもよい。当該配向剤の例には、フルオロ脂肪族基と、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の親水性基とを含有するフルオロ脂肪族基含有ポリマー(以下、「フッ素系ポリマー」という)、又は一般式(III)で表される含フッ素化合物が含まれる。
本発明に使用可能なフッ素系ポリマーは、フルオロ脂肪族基と、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の親水性基とを含有することを特徴とする。ポリマーの種類としては、「改訂 高分子合成の化学」(大津隆行著、発行:株式会社化学同人、1968)1〜4ページに記載があり、例えば、ポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリイミド類、ポリウレタン類、ポリカーボネート類、ポリスルホン類、ポリカーボナート類、ポリエーテル類、ポリアセタール類、ポリケトン類、ポリフェニレンオキシド類、ポリフェニレンスルフィド類、ポリアリレート類、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)類、ポリビニリデンフロライド類、セルロース誘導体などが挙げられる。前記フッ素系ポリマーは、ポリオレフィン類であることが好ましい。
(連結基群)
単結合、−O−、−CO−、−NRb−(Rbは水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す)、−S−、−SO2−、−P(=O)(ORf)−(Rfはアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す)、アルキレン基及びアリーレン基。
(置換基群)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリール基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、さらに好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、さらに好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基であり、例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、さらに好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
以下にLの具体的構造を例示する。
(1)アルケン類
エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ヘキサフルオロプロペン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど;
(2)ジエン類
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−n−プロピル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1−ブロモ−1,3−ブタジエン、1−クロロブタジエン、2−フルオロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1,1,2−トリクロロ−1,3−ブタジエン及び2−シアノ−1,3−ブタジエン、1,4−ジビニルシクロヘキサンなど;
(3a)アルキルアクリレート類
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、tert−オクチルアクリレート、ドデシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−クロロエチルアクリレート、2−ブロモエチルアクリレート、4−クロロブチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、2−アセトキシエチルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、2−クロロシクロヘキシルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコールアクリレート(ポリオキシエチレンの付加モル数:n=2ないし100のもの)、3−メトキシブチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアクリレート、1−ブロモ−2−メトキシエチルアクリレート、1,1−ジクロロ−2−エトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなど);
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、アリルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(ポリオキシエチレンの付加モル数:n=2ないし100のもの)、2−アセトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレートなど;
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、タコン酸ジブチル、クロトン酸ジブチル、クロトン酸ジヘキシル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチルなど;
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−tertブチルアクリルアミド、N−tertオクチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチルマレイミドなど;
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど;
(5)スチレン及びその誘導体
スチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、p−tertブチルスチレン、p−ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−アセトキシスチレンなど;
(6)ビニルエステル類
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、メトキシ酢酸ビニル、フェニル酢酸ビニルなど;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、n−エイコシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、フルオロブチルビニルエーテル、フルオロブトキシエチルビニルエーテルなど;及び
(8)その他の重合性単量体
N−ビニルピロリドン、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリンなど。
式(III)
(R0)mo−L0−(W)no
式中、R0はアルキル基、末端にCF3基を有するアルキル基、又は末端にCF2H基を有するアルキル基を表し、moは1以上の整数を表す。複数個のR0は同一でも異なっていてもよいが、少なくとも一つは末端にCF3基又はCF2H基を有するアルキル基を表す。L0は(mo+no)価の連結基を表し、Wはカルボキシル基(−COOH)もしくはその塩、スルホ基(−SO3H)もしくはその塩、又はホスホノキシ{−OP(=O)(OH)2}もしくはその塩を表し、noは1以上の整数を表す。
R2:n−C6F13−
R3:n−C4F9−
R4:n−C8F17−(CH2)2−
R5:n−C6F13−(CH2)2−
R6:n−C4F9−(CH2)2−
R7:H−(CF2)8−
R8:H−(CF2)6−
R9:H−(CF2)4−
R10:H−(CF2)8−(CH2)−
R11:H−(CF2)6−(CH2)−
R12:H−(CF2)4−(CH2)−
(R6−L2−)m2(Ar1)−W3
式(III)−b中、R6はアルキル基、末端にCF3基を有するアルキル基、又は末端にCF2H基を有するアルキル基を表し、m2は1以上の整数を表し、複数個のR6は同一でも異なっていてもよいが、少なくとも一つは末端にCF3基又はCF2H基を有するアルキル基を表す。L2は、アルキレン基、芳香族基、−CO−、−NR’−(R’は炭素原子数が1〜5のアルキル基又は水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる2価の連結基を表し、複数個のL2は同一でも異なっていてもよい。Ar1は芳香族炭化水素環又は芳香族ヘテロ環を表し、W3はカルボキシル基(−COOH)もしくはその塩、スルホ基(−SO3H)もしくはその塩、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}もしくはその塩、又は置換基としてカルボキシル基、スルホ基もしくはホスホノキシ基を有する、アルキル基、アルコキシ基もしくはアルキルアミノ基を表す。
R4及びR5は前記式(III)におけるR0と同義であり、その好ましい範囲も同一である。W1及びW2で表されるカルボキシル基(−COOH)もしくはその塩、スルホ基(−SO3H)もしくはその塩、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}もしくはその塩は前記式(III)におけるWと同義でありその好ましい範囲も同一である。W1及びW2で表される置換基としてカルボキシル基、スルホ基、ホスホノキシ基を有するアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、更に好ましくは1〜8のアルキル基であり、特に好ましくは1〜3のアルキル基である。前記置換基としてカルボキシル基、スルホ基、ホスホノキシ基を有するアルキル基は、少なくとも一つのカルボキシル基、スルホ基、又はホスホノキシ基を有していればよく、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノキシ基としては、前記式(III)中のWが表すカルボキシル基、スルホ基、ホスホノキシ基と同義であり好ましい範囲も同一である。前記置換基としてカルボキシル基、スルホ基、ホスホノキシ基を有するアルキル基は、これ以外の置換基によって置換されていてもよく、該置換基としては後述の置換基群Dとして例示する置換基のいずれかを適用できる。W1及びW2で表される置換基としてカルボキシル基、スルホ基、ホスホノキシ基を有するアルコキシ基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基であり、更に好ましくは1〜8のアルコキシ基であり、特に好ましくは1〜4のアルコキシ基である。前記置換基としてカルボキシル基、スルホ基、ホスホノキシ基を有するアルコキシ基は、少なくとも一つのカルボキシル基、スルホ基、又はホスホノキシ基を有していればよく、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノキシ基としては、前記式(III)中のWが表すカルボキシル基、スルホ基、ホスホノキシ基と同義であり好ましい範囲も同一である。前記カルボキシル基、スルホ基、ホスホノキシ基を有するアルコキシ基は、これ以外の置換基によって置換されていてもよく、該置換基としては後述の置換基群Dとして例示する置換基のいずれかを適用できる。W1及びW2で表される置換基としてカルボキシル基、スルホ基、ホスホノキシ基を有するアルキルアミノ基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましくは炭素数1〜20のアルキルアミノ基であり、より好ましくは1〜8のアルキルアミノ基であり、さらに好ましくは1〜4のアルキルアミノ基である。前記カルボキシル基、スルホ基、ホスホノキシ基を有するアルキルアミノ基は、少なくとも一つのカルボキシル基、スルホ基、又はホスホノキシ基を有していればよく、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノキシ基としては、前記式(III)中のWが表すカルボキシル基、スルホ基、ホスホノキシ基と同義であり好ましい範囲も同一である。前記カルボキシル基、スルホ基、ホスホノキシ基を有するアルキルアミノ基は、これ以外の置換基によって置換されていてもよく、該置換基としては後述の置換基群Dとして例示する置換基のいずれかを適用できる。
R6は前記式(III)−bにおけるR0と同義であり、その好ましい範囲も同一である。L2は、好ましくは炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数6〜12の芳香族基、−CO−、−NR−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる総炭素数0〜40の連結基を表し、より好ましくは炭素数1〜8のアルキレン基、フェニル基、−CO−、−NR−、−O−、−S−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる総炭素数0〜20の連結基を表す。Ar1は、好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環を表し、より好ましくはベンゼン環又はナフタレン環を表す。W3で表されるカルボキシル基(−COOH)もしくはその塩、スルホ基(−SO3H)もしくはその塩、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}もしくはその塩、又は置換基としてカルボキシル基、スルホ基もしくはホスホノキシ基を有するアルキル基、アルコキシ基、又はアルキルアミノ基は、前記式(III)−aにおけるW1及びW2で表されるカルボキシル基(−COOH)もしくはその塩、スルホ基(−SO3H)もしくはその塩、ホスホノキシ{−OP(=O)(OH)2}もしくはその塩、又は置換基としてカルボキシル基、スルホ基もしくはホスホノキシ基を有するアルキル基、アルコキシ基、又はアルキルアミノ基と同義でありその好ましい範囲も同一である。
所望の配向状態(例えば、棒状液晶性化合物の場合は垂直配向)に配向させた液晶性化合物の分子を、その配向状態を維持して固定するのが好ましい。固定化は、液晶性化合物に導入した重合性基(P)の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。
上記の液晶性化合物と共に、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等を併用して、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶性化合物の配向性等を向上させることができる。これらの素材は液晶性化合物と相溶性を有し、配向を阻害しないことが好ましい。
前記第2光学異方性層は、例えば、棒状液晶性化合物、及び所望により添加される重合開始剤、配向制御剤等の添加剤を、溶媒に溶解及び/又は分散させて調製した塗布液を、表面に塗布することで形成することができる。例えば、第1光学異方性層として使用されるポリマーフィルムの表面に配向膜を形成し、該配向膜表面に前記塗布液を塗布して形成するのが好ましい。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド及びケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
0.6<(W×(R+2r)×π)/V<1.4
[W:ワイヤーバーの回転数(rpm)、R:バーの芯の直径(m)、r:ワイヤーの直径(m)、V:支持体の搬送速度(m/min)]
(W×(R+2r)×π)/Vの範囲は、0.7〜1.3であることがより好ましく、0.8〜1.2であることがさらに好ましい。
形成される光学異方性層の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがさらに好ましく、1〜5μmであることがよりさらに好ましい。
本発明に使用する光学補償フィルムは、前記第2光学異方性層の形成に利用される配向膜を有していてもよい。配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
配向膜は、ポリマーのラビング処理により形成することが好ましい。
架橋性官能基を有する側鎖を配向膜ポリマーの主鎖に結合させるか、あるいは、液晶性分子を配向させる機能を有する側鎖に架橋性官能基を導入すると、配向膜のポリマーと光学異方性層に含まれる多官能モノマーとを共重合させることができる。その結果、多官能モノマーと多官能モノマーとの間だけではなく、配向膜ポリマーと配向膜ポリマーとの間、そして多官能モノマーと配向膜ポリマーとの間も共有結合で強固に結合される。従って、架橋性官能基を配向膜ポリマーに導入することで、光学補償フィルムの強度を著しく改善することができる。
配向膜ポリマーの架橋性官能基は、多官能モノマーと同様に、重合性基を含むことが好ましい。具体的には、例えば特開2000−155216号公報明細書中段落番号[0080]〜[0100]記載のもの等が挙げられる。
配向膜の膜厚は、0.1〜10μmの範囲とするのが好ましい。
本発明のTN型液晶表示装置には、前記光学補償フィルムと偏光子と一体化した偏光板(図1中では、偏光板PL1及びPL2)を組み込むことができる。前記偏光板の一例は、偏光子である直線偏光膜とその両面をそれぞれ保護する二枚の保護フィルムとを有し、一方の保護フィルムが、前記光学補償フィルムである偏光板である。前記光学補償フィルムが、第1光学異方性層としてポリマーフィルムを有する態様では、当該ポリマーフィルムの表面を、偏光膜の表面に貼合するのが好ましい。また、当該態様では、第1光学異方性層として用いられるポリマーフィルムの、偏光膜との貼合面が、表面処理により親水化されているのが好ましい。例えば、グロー放電処理、コロナ放電処理、または、アルカリ鹸化処理などを施すことが好ましい。特に、セルロースアシレートフィルムは、アルカリ鹸化処理により親水化するのが好ましい。
1.−1 セルロースアセテートフィルムA−1〜A−3の作製(実施例用)
(ポリマー溶液の調製)
1)ポリマーA
実施例1〜3では、ポリマー溶液の調製に、以下の特性のポリマーAを用いた。
置換度が2.85のセルロースアセテートの粉体をポリマーAとして用いた。ポリマーAの粘度平均重合度は300、6位のアセチル基置換度は0.89、アセトン抽出分は7質量%、質量平均分子量/数平均分子量比は2.3、含水率は0.2質量%、6質量%ジクロロメタン溶液中の粘度は305mPa・s、残存酢酸量は0.1質量%以下、Ca含有量は65ppm、Mg含有量は26ppm、鉄含有量は0.8ppm、硫酸イオン含有量は18ppm、イエローインデックスは1.9、遊離酢酸量は47ppmであった。粉体の平均粒子径は1.5mm、標準偏差は0.5mmであった。
また、ポリマーAは120℃に加熱して乾燥し、含水率を0.5質量%以下とした後、20質量部を使用した。
[置換度]
セルロースアシレートのアシル置換度は、Carbohydr.Res.273(1995)83-91(手塚他)に記載の方法で13C−NMRにより求めた。
[重合度]
製造したセルロースアシレートを絶対乾燥した後、約0.2gを精秤し、ジクロロメタン:エタノール=9:1(質量比)の混合溶剤100mLに溶解した。これをオストワルド粘度計にて25℃で落下秒数を測定し、重合度DPを以下の式により求めた。
ηrel=T/T0
[η]=ln(ηrel)/C
DP=[η]/Km
[式中、Tは測定試料の落下秒数、T0は溶剤単独の落下秒数、lnは自然対数、Cは濃度(g/L)、Kmは6×10-4である。]
実施例1〜3で使用したポリマー溶液の調製には、下記混合溶媒を使用した。なお、溶媒の含水率は、いずれも0.2質量%以下であった。
ジクロロメタン/メタノール/ブタノール(83/15/2質量部)
実施例1〜3で使用したポリマー溶液には、二酸化ケイ素微粒子(粒子サイズ20nm、モース硬度 約7)(0.08質量部)を添加した。
攪拌羽根を有し外周を冷却水が循環する400リットルのステンレス製溶解タンクに、前記組成の溶媒および添加剤を投入して撹拌、分散させながら、ポリマーAを徐々に添加した。投入完了後、室温にて2時間撹拌し、3時間膨潤させた後に再度撹拌を実施し、ポリマー溶液を得た。
なお、攪拌には、15m/sec(剪断応力5×104kgf/m/sec2〔4.9×105N/m/sec2〕)の周速で攪拌するディゾルバータイプの偏芯攪拌軸および中心軸にアンカー翼を有して周速1m/sec(剪断応力1×104kgf/m/sec2〔9.8×104N/m/sec2〕)で攪拌する攪拌軸を用いた。膨潤は、高速攪拌軸を停止し、アンカー翼を有する攪拌軸の周速を0.5m/secとして実施した。
膨潤した溶液をタンクから、ジャケット付配管で50℃まで加熱し、さらに2MPaの加圧化で90℃まで加熱し、完全溶解した。加熱時間は15分であった。この際、高温にさらされるフィルター、ハウジング、および配管はハステロイ合金製で耐食性の優れたものを利用し保温加熱用の熱媒を流通させるジャケットを有する物を使用した。
次に36℃まで温度を下げ、ポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液を、絶対濾過精度10μmの濾紙(#63、東洋濾紙(株)製)で濾過し、さらに絶対濾過精度2.5μmの金属焼結フィルター(FH025、ポール社製)にて濾過してポリマー溶液を得た。
調製したポリマー溶液を30℃に加温し、流延ギーサー(特開平11−314233号公報に記載)を通して15℃に設定したバンド長60mの鏡面ステンレス支持体上に流延した。流延スピードは50m/分、塗布幅は200cmとした。流延部全体の空間温度は、15℃に設定した。そして、流延部の終点部から50cm手前で、流延して回転してきたポリマーフィルムをバンドから剥ぎ取り、45℃の乾燥風を送風した。次に110℃で5分、さらに140℃で10分乾燥して、セルロースアセテートの製膜フィルムを得た。
得られた製膜フィルムの特性を表1に示す。
得られた製膜フィルムを、2つのニップロール間に加熱ゾーンを有する装置を用いて、表1に記載の条件で各々熱処理を実施した。具体的には、縦横比(ニップロール間の距離/ベース幅)は3.3となるように調整し、加熱ゾーンは表1記載の温度とし、2つのニップロールを通過した後、フィルムを表1記載の温度までそれぞれ冷却した。また、フィルムの伸びは、フィルムの搬送方向と直交する方向に一定間隔の標線を入れ、その間隔を熱処理前後で計測し、下記式から求めた。
フィルムの伸び(%)=100×(熱処理後の標線の間隔−熱処理前の標線の間隔)/熱処理前の標線の間隔
続いて、熱処理後のフィルムの両端をテンタークリップで把持した後、加熱ゾーン内で搬送方向と直交する方向に延伸した。加熱ゾーンは表1記載の温度とし、延伸倍率は、フィルムの搬送方向と平行な方向に一定間隔の標線を入れ、その間隔を延伸前後で計測し、下記式から求めた。
延伸倍率(%)=100×(延伸後の標線の間隔−延伸前の標線の間隔)/延伸前の標線の間隔
得られたセルロースアセテートフィルムA−1〜A−3の各々について、各特性を求め、結果を下記表1に示した。なお、セルロースアセテートフィルムA−1については、冷却後のRthは、インラインで評価したものである。
延伸後のセルロースアセテートフィルムA−1〜A−3のそれぞれのReの遅相軸は、フィルムの搬送方向と直交する方向に観測された。また、前述の方法に基づいて評価したReおよびRthのばらつき(5点の測定値のばらつき)は、全てのサンプルでReは±1nm以内、Rthは±2nm以内であった。
市販のフジタック(TD80UF;富士フイルム(株)製)を準備した。このフィルムを、ロール延伸機を用いて搬送方向を固定したまま、熱処理した。ロール延伸機のロールは表面を鏡面処理した誘導発熱ジャケットロールを用い、各ロールの温度は個別に調整できるようにした。熱処理ゾーンはケーシングで覆い表1に記載の温度とした。熱処理部の前のロールは徐々に表1に記載の熱処理温度に加熱できるように設定した。縦横比は3.3となるようにロール間距離を調整し、適宜、熱処理ゾーン前後のロールの周速を変化させることにより延伸倍率を設定し、延伸速度は延伸間距離に対して10%/分とした。延伸後は冷却して巻き取った。延伸倍率および膜厚は表1に記載した。
この様にして、セルロースアセテートフィルムA−4を作製した。
下記の組成のセルロースアセテート溶液を作製し、内層用および表面層用のドープをそれぞれ調製した。
────────────────────────────────────
組成物 内層用ドープ 表面層用ドープ
────────────────────────────────────
セルロースアセテート(酢化度60.0) 100質量部 100質量部
トリフェニルホスフェート 7.8質量部 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート 3.9質量部 3.9質量部
下記のレターデーション上昇剤 3.0質量部 3.0質量部
メチレンクロリド 450質量部 481質量部
メタノール 39質量部 42質量部
────────────────────────────────────
この様にして、セルロースアセテートフィルムA−5を作製した。このフィルムの各特性を求め、下記表1に示した。
(セルロースアセテート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液Dを調製した。
(セルロースアセテート溶液D組成)
アシル置換度2.86のセルロースアセテート 100.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
平均粒径16nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)を20質量部、メタノール80質量部を30分間よく攪拌混合してシリカ粒子分散液とした。この分散液を下記の組成物とともに分散機に投入し、さらに30分以上攪拌して各成分を溶解し、マット剤微粒子溶液を調製した。
(マット剤微粒子溶液組成)
平均粒径16nmのシリカ粒子分散液 10.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 76.3質量部
メタノール(第2溶媒) 3.4質量部
セルロースアセテート溶液D 10.3質量部
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
(添加剤溶液組成)
光学的異方性を低下させる化合物A−19 49.3質量部
波長分散調整剤UV−102 7.6質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 58.4質量部
メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
セルロースアセテート溶液D 12.8質量部
上記セルロースアセテート溶液Dを94.6質量部、マット剤溶液を1.3質量部、添加剤溶液4.1質量部それぞれを濾過後に混合し、バンド流延機を用いて流延した。上記組成で光学的異方性を低下させる化合物および波長分散調整剤のセルロースアセテートに対する質量比はそれぞれ12%、1.8%であった。残留溶剤量30%でフィルムをバンドから剥離し、140℃で40分間乾燥させセルロースアセテートフィルムを製造した。得られたセルロースアセテートフィルムの残留溶剤量は0.2%であり、膜厚は80μmであった。なお、延伸処理は、下記表に示す条件で行った。
この様にして、セルロースアセテートフィルムA−6を作製した。このフィルムの各特性を求め、下記表1に示した。
比較例2のセルロースアセテートフィルムA−6の作製において、添加剤溶液の組成を下記組成に代えて調製した以外は、比較例2と同様にして、セルロースアセテートフィルムA−7を作製した。
(添加剤溶液組成)
BDP(可塑剤ビフェニルジフェニルホスフェート) 49.3質量部
波長分散調整剤UV−3 3.8質量部
波長分散調整剤UV−7 3.8質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 58.4質量部
メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
セルロースアセテート溶液D 12.8質量部
上記で作製した各セルロースアセテートフィルムに、以下の方法で配向膜、及び第2光学異方性層を形成して、光学補償フィルムをそれぞれ作製した。
2.−1 配向膜の形成
上記作製した各セルロースアセテートフィルムの片面に鹸化処理を施した。
その鹸化処理面に、下記の組成の配向膜塗布液を塗布、乾燥し、配向膜を形成した。その後、配向膜表面にラビング処理を施した。
配向膜塗布液の組成
――――――――――――――――――――――――――
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド 0.5質量部
――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレートフィルムA−1、及びA−5〜A−7については、それぞれ、形成した配向膜のラビング処理面に、下記の組成の塗布液をバーコーターを用いて連続的に塗布、乾燥、及び加熱(配向熟成)し、さらに紫外線を照射して、厚さ1.6μmの光学異方性層を形成した。
棒状液晶化合物を含む塗布液(S1)の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の棒状液晶性化合物(I) 100質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 3質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
下記のフッ素系ポリマー 0.1質量部
下記のピリジニム塩 0.3質量部
メチルエチルケトン 172質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
光学異方性層B−1の形成に用いた塗布液の組成中、ピリジニム塩 0.3質量部を0.4質量部に代えて、塗布液を調製した。当該塗布液を、セルロースアシレートフィルムA−2上に形成された配向膜のラビング処理面に塗布したが、但し、塗布量を代えて、下記表に示す厚みの光学異方性層を形成した。それ以外は、第2光学異方性層B−1と同様にして、第2光学異方性層B−2を形成した。
セルロースアシレートフィルムA−3の表面に形成した配向膜のラビング処理面に、光学異方性層B−1の形成に用いたのと同一の組成の光学異方性層用塗布液を塗布したが、但し、塗布量を代えて、下記表に示す厚みの光学異方性層B−3を形成した。それ以外は、第2光学異方性層B−1と同様にして形成した。
光学異方性層B−1の形成に用いた塗布液の組成中、ピリジニム塩 0.3質量部を0.4質量部に代えて、塗布液を調製した。当該塗布液を、セルロースアシレートフィルムA−4上に形成された配向膜のラビング処理面に塗布したが、但し、塗布量を代えて、下記表に示す厚みの光学異方性層を形成した。それ以外は、第2光学異方性層B−1と同様にして、第2光学異方性層B−4を形成した。
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて、偏光膜を作製した。偏光膜の片面と、作製した各光学補償フィルム(光学補償フィルム1〜7)の第1光学異方性層面とを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、貼り付けた。偏光膜の反対側の面に、厚さ100μmのトリアセチルセルロースフィルム(フジタック、富士フイルム(株)製)を透明保護膜として、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り付けた。このようにして、偏光板1〜7をそれぞれ作製した。
4.−1 作製
上記偏光板1〜7をそれぞれ2枚ずつ準備した。
市販の液晶モニター(acer製、AL2216、TNモード)から液晶表示パネルを取り外し、該液晶表示パネルから偏光板を液晶セルから剥がし、代わりに、上記で作製した偏光板(偏光板1〜7)のいずれか1種の2枚を、液晶セルの上下基板の表面にそれぞれ貼り合わせ、液晶テレビを組み立て直した。光学的軸の向きは、図1及び図2に示す通りとした。
作製した液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast 160D、ELDIM社製)を用いて、上下左右の極角60における、視野角コントラスト(CR)を測定した。その結果を下記表に示す。
12 液晶層
14、16 セル基板
14a、16a 基板内面に施されたラビング処理方向
18、20 偏光層
18a、20a 偏光層の吸収軸
22、24 第1光学異方性層
22a、24a 第1光学異方性層の面内遅相軸
26、28 第2光学異方性層
26a、28a 第2光学異方性層の面内遅相軸
LC 液晶セル
F1、F2 光学補償フィルム
PL1、PL2 偏光板
Claims (3)
- 少なくとも、一対の偏光子と、一対の偏光子間に配置される液晶セルと、一対の偏光子の少なくとも一方と液晶セルとの間に配置される光学補償フィルムとを有するTNモード液晶表示装置であって、前記光学補償フィルムが、下記式Iの光学特性を満足する第1光学異方性層、及び配向状態に固定された棒状液晶性分子を含むとともに、下記式IIの光学特性を満足する第2光学異方性層を少なくとも有することを特徴とするTNモード液晶表示装置:
式I −0.25≦Rth/Re≦0.25
式II 1.5≦Re[40]/Re[−40]≦5.5
[式中、Re及びRthは、それぞれ測定波長550nmであるときの面内および膜厚方向のレターデーション値(単位;nm)を示す。また、Re[40]及びRe[−40]はそれぞれ、進相軸を回転軸として40度及び−40度に回転した時のレターデーション値を示す。ここでRe[40]>Re[−40]とする]。 - 前記第1光学異方性層が、溶液流延製膜方法にて製膜された後に、(Tg+60)℃以上(Tgは製膜フィルムのガラス転移温度)で熱処理され、熱処理と同時に及び/又は熱処理後に延伸されてなるポリマーフィルムであることを特徴とする請求項1に記載のTNモード液晶表示装置。
- 前記第1光学異方性層が、温度200℃以上で熱処理されてなるセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする請求項1又は2に記載のTNモード液晶表示装置。
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