JP2010078759A - 液晶装置、液晶装置の製造方法、プロジェクタ及び電子機器 - Google Patents

液晶装置、液晶装置の製造方法、プロジェクタ及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の液晶装置では、信頼性の向上が困難である。
【解決手段】第1基板93と、第1基板93に対向する第2基板と、第1基板93と前記第2基板との間に挟持された液晶と、複数の画素と、前記画素に対応して第1基板93と前記液晶との間に設けられた、前記液晶から第1基板93側に向かう光を前記第2基板側に反射させる反射膜と、前記反射膜の前記液晶側の面を覆う保護膜101と、前記画素に対応して第1基板93と前記反射膜との間に設けられたスイッチング素子と、第1基板93と前記反射膜との間に設けられた、前記液晶の駆動を制御する電気信号を前記スイッチング素子に伝送する配線89と、保護膜101を貫通するコンタクトホール155と、少なくともコンタクトホール155と重なるように設けられた、前記電気信号が入力される端子電極87と、を有することを特徴とする液晶装置。
【選択図】図12

Description

本発明は、液晶装置、液晶装置の製造方法、プロジェクタ及び電子機器に関する。
従来、液晶パネル(液晶装置)において、端子部におけるパッド電極を、画素電極と同一の材料であるITO(Indium Tin Oxide)で形成した構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−161152号公報(図2)
ところで、液晶装置には、透過型や反射型などがある。透過型の液晶装置では、画素電極としてITOなどの光透過性を有する材料が広く使用されている。他方で、反射型の液晶装置では、画素電極として、アルミニウムなどの光反射性を有する材料が使用されることがある。
上記特許文献1に記載された構成を反射型の液晶装置に適用した場合、パッド電極は、画素電極と同一の材料であるアルミニウムなどで構成されることになる。この構成では、信頼性を向上させるという特許文献1に記載された課題を解決することが困難になる。
そこで、パッド電極の材料として、画素電極とは異なる材料を採用することが考えられる。この場合、パッド電極の形成方法としては、次のような方法が考えられる。
まず、画素電極上に、パッド電極の材料で構成された膜を画素電極に重ねて形成する。
次いで、この膜を、パターニングすることによって、パッド電極を形成する。
この方法により、画素電極とは異なる材料でパッド電極が形成され得る。
ここで、膜をパターニングするには、一般的にフォトリソグラフィ技術やエッチング技術などが活用され得る。上記のパッド電極の形成方法では、画素電極上の膜にフォトリソグラフィ処理やエッチング処理などを施すことにより、膜がパッド電極としてパターニングされ得る。
しかしながら、画素電極上に形成された膜にフォトリソグラフィ処理やエッチング処理などを施すと、画素電極が損傷を受けることがある。
つまり、従来の液晶装置では、信頼性の向上が困難であるという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現され得る。
[適用例1]第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に挟持された液晶と、複数の画素と、前記画素に対応して前記第1基板と前記液晶との間に設けられた、前記液晶から前記第1基板側に向かう光を前記第2基板側に反射させる反射膜と、前記反射膜の前記液晶側の面を覆う保護膜と、前記画素に対応して前記第1基板と前記反射膜との間に設けられたスイッチング素子と、前記第1基板と前記反射膜との間に設けられた、前記液晶の駆動を制御する電気信号を前記スイッチング素子に伝送する配線と、前記保護膜を貫通するコンタクトホールと、少なくとも前記コンタクトホールと重なるように設けられた、前記電気信号が入力される端子電極と、を有することを特徴とする液晶装置。
この適用例の液晶装置は、第1基板と、第2基板と、液晶と、複数の画素と、反射膜と、保護膜と、スイッチング素子と、配線と、コンタクトホールと、端子電極と、を有している。
第2基板は、第1基板に対向している。液晶は、第1基板と第2基板との間に挟持されている。反射膜は、第1基板と液晶との間に設けられている。反射膜は、画素に対応して設けられており、液晶から第1基板側に向かう光を第2基板側に反射させる。
保護膜は、反射膜の液晶側の面を覆っている。スイッチング素子は、第1基板と反射膜との間に設けられている。スイッチング素子は、画素に対応して設けられている。配線は、第1基板と反射膜との間に設けられている。配線は、液晶の駆動を制御する電気信号をスイッチング素子に伝送する。
コンタクトホールは、保護膜を貫通している。端子電極は、少なくともコンタクトホールと重なるように設けられている。端子電極には、電気信号が入力される。
この液晶装置では、反射膜は、保護膜によって液晶側の面が覆われている。そして、端子電極は、少なくともコンタクトホールと重なるように設けられている。この構成によれば、反射膜を保護膜で覆ってから、コンタクトホールの形成が行われ得る。このため、反射膜を保護膜で保護した状態で、コンタクトホールを形成することができる。これにより、反射膜と端子電極とを互いに異なる材料で構成しやすくすることができる。この結果、液晶装置の信頼性を向上させやすくすることができる。
[適用例2]上記の液晶装置であって、前記反射膜は、前記液晶を駆動するための電界を生成する電極を兼ねていることを特徴とする液晶装置。
この適用例では、反射膜が液晶を駆動するための電界を生成する電極を兼ねている。このため、液晶を駆動するための電界を生成する電極と、反射膜とを個別に有する構成に比較して、構成を簡略化することができる。
[適用例3]上記の液晶装置であって、前記反射膜は、アルミニウムを含有する材料で構成されていることを特徴とする液晶装置。
この適用例では、反射膜がアルミニウムを含有する材料で構成されている。このため、高い反射率を得ることができる。また、損傷を受けやすいアルミニウムを含有する材料で構成された反射膜を、コンタクトホールや端子電極の形成から保護することができる。
[適用例4]上記の液晶装置であって、前記端子電極は、光透過性を有する材料で構成されていることを特徴とする液晶装置。
この適用例では、端子電極が光透過性を有する材料で構成されているので、光透過性とは異なる光反射性を有する材料で反射膜を構成することができる。アルミニウム等の金属膜に比べると、光透過性を有する導電材料の方がエレクトロマイグレーションが生じ難いので、端子電極の信頼性が向上する。
[適用例5]上記の液晶装置であって、前記光透過性を有する材料は、インジウム錫酸化物及びインジウム亜鉛酸化物の少なくとも一方を含有していることを特徴とする液晶装置。
この適用例では、光透過性を有する材料の導電率が比較的高いので、端子電極周辺を低抵抗化できる。
[適用例6]上記の液晶装置であって、前記保護膜は、無機材料で構成されていることを特徴とする液晶装置。
この適用例では、保護膜が無機材料で構成されている。無機材料は、化学的に高い安定性を有している。このため、反射膜を保護しやすくすることができる。
[適用例7]上記の液晶装置であって、前記端子電極は、前記コンタクトホールを介して前記配線と電気的につながっていることを特徴とする液晶装置。
この適用例では、反射膜を保護膜で覆ってから、コンタクトホールの形成や端子電極の形成が行われ得る。このため、反射膜を保護膜で保護した状態で、コンタクトホールや端子電極を形成することができる。これにより、反射膜と端子電極とを互いに異なる材料で構成しやすくすることができる。
[適用例8]上記の液晶装置であって、前記配線が前記端子電極を兼ねていることを特徴とする液晶装置。
この適用例では、配線が端子電極を兼ねているので、配線と端子電極とを個別に有する構成に比較して、構成を簡略化することができる。
[適用例9]第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に挟持された液晶と、複数の画素と、前記画素に対応して前記第1基板と前記液晶との間に設けられた、前記液晶から前記第1基板側に向かう光を前記第2基板側に反射させる反射膜と、前記画素に対応して前記第1基板と前記反射膜との間に設けられたスイッチング素子と、前記第1基板と前記反射膜との間に設けられた、前記液晶の駆動を制御する電気信号を前記スイッチング素子に伝送する配線と、前記配線に電気的につながった、前記電気信号が入力される端子電極と、を有する液晶装置の製造方法であって、前記反射膜の前記液晶側の面を覆う保護膜を形成し、前記保護膜にコンタクトホールを形成し、前記コンタクトホールを介して前記配線に電気的につながる導電膜を形成し、前記導電膜にエッチング処理を施すことにより、前記端子電極を形成することを特徴とする液晶装置の製造方法。
この適用例の製造方法が適用され得る液晶装置は、第1基板と、第2基板と、液晶と、複数の画素と、反射膜と、スイッチング素子と、配線と、端子電極と、を有している。
第2基板は、第1基板に対向している。液晶は、第1基板と第2基板との間に挟持されている。反射膜は、第1基板と液晶との間に設けられている。反射膜は、画素に対応して設けられており、液晶から第1基板側に向かう光を第2基板側に反射させる。
スイッチング素子は、第1基板と反射膜との間に設けられている。スイッチング素子は、画素に対応して設けられている。配線は、第1基板と反射膜との間に設けられている。配線は、液晶の駆動を制御する電気信号をスイッチング素子に伝送する。
端子電極は、配線に電気的につながっている。端子電極には、電気信号が入力される。
この適用例の液晶装置の製造方法では、反射膜の液晶側の面を覆う保護膜を形成し、この保護膜にコンタクトホールを形成し、このコンタクトホールを介して配線に電気的につながる導電膜を形成し、この導電膜にエッチング処理を施すことにより、端子電極を形成する。
この製造方法によれば、反射膜を保護膜で覆ってから、コンタクトホールの形成や、端子電極の形成が行われる。このため、反射膜を保護膜で保護した状態で、コンタクトホールや端子電極を形成することができる。これにより、反射膜と端子電極とを互いに異なる材料で構成しやすくすることができる。この結果、液晶装置の信頼性を向上させやすくすることができる。
[適用例10]上記の液晶装置をライトバルブとして有することを特徴とするプロジェクタ。
この適用例のプロジェクタは、ライトバルブとしての液晶装置が、第1基板と、第2基板と、液晶と、複数の画素と、反射膜と、保護膜と、スイッチング素子と、配線と、コンタクトホールと、端子電極と、を有している。
第2基板は、第1基板に対向している。液晶は、第1基板と第2基板との間に挟持されている。反射膜は、第1基板と液晶との間に設けられている。反射膜は、画素に対応して設けられており、液晶から第1基板側に向かう光を第2基板側に反射させる。
保護膜は、反射膜の液晶側の面を覆っている。スイッチング素子は、第1基板と反射膜との間に設けられている。スイッチング素子は、画素に対応して設けられている。配線は、第1基板と反射膜との間に設けられている。配線は、液晶の駆動を制御する電気信号をスイッチング素子に伝送する。
コンタクトホールは、保護膜を貫通している。端子電極は、少なくともコンタクトホールと重なるように設けられている。端子電極には、電気信号が入力される。
この液晶装置では、反射膜は、保護膜によって液晶側の面が覆われている。そして、端子電極は、少なくともコンタクトホールと重なるように設けられている。この構成によれば、反射膜を保護膜で覆ってから、コンタクトホールの形成が行われ得る。このため、反射膜を保護膜で保護した状態で、コンタクトホールを形成することができる。これにより、反射膜と端子電極とを互いに異なる材料で構成しやすくすることができる。この結果、液晶装置の信頼性を向上させやすくすることができる。
この適用例のプロジェクタは、信頼性の向上を図りやすい液晶装置をライトバルブとして有している。このため、プロジェクタの信頼性を向上させやすくすることができる。
[適用例11]上記の液晶装置を表示部として有することを特徴とする電子機器。
この適用例の電子機器は、表示部としての液晶装置が、第1基板と、第2基板と、液晶と、複数の画素と、反射膜と、保護膜と、スイッチング素子と、配線と、コンタクトホールと、端子電極と、を有している。
第2基板は、第1基板に対向している。液晶は、第1基板と第2基板との間に挟持されている。反射膜は、第1基板と液晶との間に設けられている。反射膜は、画素に対応して設けられており、液晶から第1基板側に向かう光を第2基板側に反射させる。
保護膜は、反射膜の液晶側の面を覆っている。スイッチング素子は、第1基板と反射膜との間に設けられている。スイッチング素子は、画素に対応して設けられている。配線は、第1基板と反射膜との間に設けられている。配線は、液晶の駆動を制御する電気信号をスイッチング素子に伝送する。
コンタクトホールは、保護膜を貫通している。端子電極は、少なくともコンタクトホールと重なるように設けられている。端子電極には、電気信号が入力される。
この液晶装置では、反射膜は、保護膜によって液晶側の面が覆われている。そして、端子電極は、少なくともコンタクトホールと重なるように設けられている。この構成によれば、反射膜を保護膜で覆ってから、コンタクトホールの形成が行われ得る。このため、反射膜を保護膜で保護した状態で、コンタクトホールを形成することができる。これにより、反射膜と端子電極とを互いに異なる材料で構成しやすくすることができる。この結果、液晶装置の信頼性を向上させやすくすることができる。
この適用例の電子機器は、信頼性の向上を図りやすい液晶装置を表示部として有している。このため、電子機器の信頼性を向上させやすくすることができる。
第1実施形態について、電子機器の1つであるプロジェクタを例に、図面を参照しながら説明する。
本実施形態におけるプロジェクタ1は、主要構成を示すブロック図である図1に示すように、光学系3と、制御回路5と、電源部7と、を有している。プロジェクタ1は、図示しない外部装置から入力される画像信号に応じた画像を、光学系3を介してスクリーン8などに投射することができる。
光学系3は、画像信号に基づいた画像を形成し、形成した画像をスクリーン8などに投射する。制御回路5は、画像信号に基づいて光学系3の駆動を制御する。
なお、プロジェクタ1では、外部電源9から入力される電力が、電源部7によって直流電力に変換される。光学系3や制御回路5などには、電源部7から直流電力が供給される。
光学系3は、ランプ11と、画像形成部13と、投射レンズ部15と、を有している。
ランプ11は、画像形成部13や投射レンズ部15を経てスクリーン8に向けて射出される投射光17を発生する。ランプ11としては、例えば、高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどが採用され得る。
画像形成部13は、後述する液晶パネルなどを有している。画像形成部13は、制御回路5から入力される画像データなどに基づいて液晶パネルに画像を形成する。画像形成部13には、ランプ11からの光が照射される。このため、画像形成部13に形成された画像は、ランプ11からの光によって投射レンズ部15に投影される。
投射レンズ部15には、ランプ11からの光が画像形成部13を経て入射される。投射レンズ部15は、入射された光を広げる方向に屈折させて、投射光17として射出する。このため、画像形成部13に形成された画像は、拡大された状態でスクリーン8に投射され得る。
制御回路5は、制御部21と、画像処理部23と、液晶パネル制御部25と、を有している。
制御部21は、例えば、マイクロコンピュータで構成され、CPU(Central Processing Unit)27と、メモリ部29と、を有している。
CPU27は、メモリ部29に格納されている制御プログラムに従って、プロジェクタ1の動作を統括制御する。メモリ部29は、フラッシュメモリ等のROM(Read Only Memory)や、RAM(Random Access Memory)等を含んでいる。ROMには、CPU27が実行する制御プログラムなどが格納されている。RAMは、CPU27によって実行される制御プログラムを一時的に展開したり、各種設定値等を一時的に格納したりする。
画像処理部23には、画像信号が入力される。画像処理部23は、制御部21からの指示に基づいて、画像信号に種々の処理を施す。また、画像処理部23は、画像信号を画像データに変換する。画像信号から変換された画像データは、液晶パネル制御部25に出力される。
なお、画像処理部23が画像信号に施す処理としては、各種の画質調整や、メニュー、メッセージ等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を合成する処理などが挙げられる。また、各種の画質調整としては、解像度変換、輝度調整、コントラスト調整、シャープネス調整などが挙げられる。
液晶パネル制御部25は、入力された画像データに応じて、画像形成部13の駆動を制御する。
ここで、画像形成部13の構成について、詳細を説明する。
画像形成部13は、主要構成を示す図である図2に示すように、分光部31と、画像形成装置33と、画像形成装置35と、画像形成装置37と、光合成部39と、を有している。
分光部31は、ランプ11(図1)からの光41が入射される。分光部31は、図2に示すように、光41から、赤系(R)の色の光41R、緑系(G)の色の光41G、及び青系(B)の色の光41Bのそれぞれを分離する。
ここで、Rの色は、純粋な赤の色相に限定されず、橙等を含む。Gの色は、純粋な緑の色相に限定されず、青緑や黄緑等を含む。Bの色は、純粋な青の色相に限定されず、青紫や青緑等を含む。他の観点から、Rの色を呈する光41Rは、光の波長のピークが、可視光領域で570nm以上の範囲にある光であると定義され得る。また、Gの色を呈する光41Gは、光の波長のピークが500nm〜565nmの範囲にある光であると定義され得る。Bの色を呈する光41Bは、光の波長のピークが415nm〜495nmの範囲にある光であると定義され得る。
分光部31は、クロスダイクロイックミラー43と、反射ミラー45と、反射ミラー47と、ダイクロイックミラー49と、を有している。光41は、クロスダイクロイックミラー43に照射される。
クロスダイクロイックミラー43は、分離ミラー部43aと、分離ミラー部43bと、を有している。分離ミラー部43aと、分離ミラー部43bとは、互いに交差している。分離ミラー部43aは、光41の入射方向に対して傾斜している。分離ミラー部43bも、光41の入射方向に対して傾斜している。
このため、光41は、分離ミラー部43a及び分離ミラー部43bの双方に対して斜めに照射される。
分離ミラー部43aは、光41のうちで、Bの光41Bを透過させ、Rの光41R及びGの光41Gを反射させることができる。他方で、分離ミラー部43bは、光41のうちで、Bの光41Bを反射させ、Rの光41R及びGの光41Gを透過させることができる。
従って、クロスダイクロイックミラー43によって、光41からBの光41Bが分離され得る。他方で、Rの光41R及びGの光41Gが混合した光51が、光41から分離され得る。
光41Bの光軸52aと、光51の光軸52bとは、それぞれ、光41の入射方向とは交差する。また、光41Bが進行する向きと、光51が進行する向きとは、互いに異なる向きになる。本実施形態では、光41Bが進行する向きと、光51が進行する向きとは、互いに反対の向きになっている。
反射ミラー45は、光41Bの光軸52aと交差する位置に設けられている。反射ミラー45は、光軸52aの方向に対して傾斜している。
また、反射ミラー47は、光51の光軸52bと交差する位置に設けられている。反射ミラー47は、光軸52bの方向に対して傾斜している。光51は、反射ミラー47によって光軸52bが光軸52cに変えられてから、ダイクロイックミラー49に導かれる。
ダイクロイックミラー49は、光51の光軸52cと交差する位置に設けられている。ダイクロイックミラー49は、光軸52cの方向に対して傾斜している。ダイクロイックミラー49は、光51のうちで、Rの光41Rを透過させ、Gの光41Gを反射させることができる。従って、ダイクロイックミラー49によって、光51からRの光41Rと、Gの光41Gとが分離され得る。
光41Rは、光軸52dに沿って画像形成装置33に導かれる。光41Gは、光軸52eに沿って画像形成装置35に導かれる。また、光41Bは、反射ミラー45によって光軸52aが光軸52fに変えられてから、画像形成装置37に導かれる。
画像形成装置33、画像形成装置35及び画像形成装置37は、それぞれ、画像形成パネル53を有している。
また、画像形成装置33は、偏光ビームスプリッタ55Rを有している。画像形成装置35は、偏光ビームスプリッタ55Gを有している。画像形成装置37は、偏光ビームスプリッタ55Bを有している。
光合成部39は、クロスダイクロイックプリズム57を有している。クロスダイクロイックプリズム57は、面57aと、面57bと、面57cと、面57dと、を有している。
各画像形成パネル53は、クロスダイクロイックプリズム57に対向した状態で設けられている。
画像形成装置33の画像形成パネル53は、クロスダイクロイックプリズム57の面57aに対向している。画像形成装置35の画像形成パネル53は、面57bに対向している。画像形成装置37の画像形成パネル53は、面57cに対向している。
偏光ビームスプリッタ55Rは、画像形成装置33において、画像形成パネル53と、クロスダイクロイックプリズム57との間に介在している。偏光ビームスプリッタ55Gは、画像形成装置35において、画像形成パネル53と、クロスダイクロイックプリズム57との間に介在している。偏光ビームスプリッタ55Bは、画像形成装置37において、画像形成パネル53と、クロスダイクロイックプリズム57との間に介在している。
偏光ビームスプリッタ55Rは、光41Rの光軸52dと交差する位置に設けられている。偏光ビームスプリッタ55Rは、光軸52dの方向に対して傾斜しており、光41Rを受ける面が画像形成パネル53側に向けられている。
偏光ビームスプリッタ55Gは、光41Gの光軸52eと交差する位置に設けられている。偏光ビームスプリッタ55Gは、光軸52eの方向に対して傾斜しており、光41Gを受ける面が画像形成パネル53側に向けられている。
偏光ビームスプリッタ55Bは、光41Bの光軸52fと交差する位置に設けられている。偏光ビームスプリッタ55Bは、光軸52fの方向に対して傾斜しており、光41Bを受ける面が画像形成パネル53側に向けられている。
偏光ビームスプリッタ55Rは、光41RのうちのS偏光41Rsを反射させ、光41RのうちのP偏光41Rpを透過させることができる。偏光ビームスプリッタ55Gは、光41GのうちのS偏光41Gsを反射させ、光41GのうちのP偏光41Gpを透過させることができる。偏光ビームスプリッタ55Bは、光41BのうちのS偏光41Bsを反射させ、光41BのうちのP偏光41Bpを透過させることができる。
ここで、各画像形成パネル53は、ライトバルブとして反射型の液晶パネルを有している。
各液晶パネルは、後述する複数の画素と、画素ごとに駆動が制御される液晶と、を有している。各液晶パネルは、複数の画素に入射された光の偏光状態を、画素ごとに変化させることができる。なお、液晶パネルについては、詳細を後述する。
本実施形態では、各画像形成パネル53は、図2に示すように、複数の画素に入射されたS偏光41Rs,41Gs,41Bsを、画素ごとに選択的にP偏光41Rp,41Gp,41Bpに変化させることができる。
画像形成装置33において、画像形成パネル53から射出されたP偏光41Rpは、偏光ビームスプリッタ55Rを透過することができる。他方で、画像形成パネル53で偏光状態が維持されたまま、画像形成パネル53から射出されたS偏光41Rsは、偏光ビームスプリッタ55Rで反射する。このため、画像形成装置33では、画像形成パネル53から射出されたP偏光41RpでRの画像を形成することができる。
同様に、画像形成装置35では、画像形成パネル53から射出されたP偏光41GpでGの画像を形成することができる。画像形成装置37では、画像形成パネル53から射出されたP偏光41BpでBの画像を形成することができる。
画像形成装置33において、画像形成パネル53から射出されたP偏光41Rpは、偏光ビームスプリッタ55Rを透過してから、光合成部39のクロスダイクロイックプリズム57に導かれる。
画像形成装置35において、画像形成パネル53から射出されたP偏光41Gpは、偏光ビームスプリッタ55Gを透過してから、クロスダイクロイックプリズム57に導かれる。
画像形成装置37において、画像形成パネル53から射出されたP偏光41Bpは、偏光ビームスプリッタ55Bを透過してから、クロスダイクロイックプリズム57に導かれる。
P偏光41Rpは、クロスダイクロイックプリズム57の面57aからクロスダイクロイックプリズム57に入射する。P偏光41Gpは、面57bからクロスダイクロイックプリズム57に入射する。P偏光41Bpは、面57cからクロスダイクロイックプリズム57に入射する。
このため、面57aには、Rの画像が投影され、面57bには、Gの画像が投影され、面57cには、Bの画像が投影され得る。
クロスダイクロイックプリズム57に入射したP偏光41Rp,41Gp,41Bpは、クロスダイクロイックプリズム57によって合成される。つまり、クロスダイクロイックプリズム57によって、Rの画像、Gの画像及びBの画像が合成され得る。
クロスダイクロイックプリズム57によって合成されたP偏光41Rp,41Gp,41Bpは、画像光59としてクロスダイクロイックプリズム57の面57dから射出される。
面57dから射出された画像光59は、投射レンズ部15へ導かれてから、投射レンズ部15に入射する。投射レンズ部15に入射した画像光59は、投射光17(図1)としてスクリーン8などに投射され得る。
ここで、画像形成パネル53の構成について、詳細を説明する。
画像形成パネル53は、図3に示すように、液晶装置の1つである液晶パネル61と、位相差板63と、を有している。
なお、プロジェクタ1では、画像形成パネル53は、位相差板63側の面65が、図2に示すクロスダイクロイックプリズム57側に向けられている。画像形成パネル53では、面65側に画像が形成(表示)される。従って、以下においては、面65は、表示面65と表記される。
ここで、液晶パネル61には、液晶パネル61の平面図である図4に示すように、複数の画素67が設定されている。複数の画素67は、領域69内で、図中のX方向及びY方向に配列しており、X方向を行方向とし、Y方向を列方向とするマトリクスMを構成している。図4では、構成をわかりやすく示すため、画素67が誇張され、且つ画素67の個数が減じられている。
なお、X方向は、走査線Tが延在する方向に相当している。Y方向は、信号線Sが延在する方向に相当している。
また、領域69は、画像が形成(表示)される領域に相当する。このため、以下において、領域69は、表示領域69と表記される。
液晶パネル61は、図3中のA−A線における断面図である図5に示すように、素子基板71と、対向基板73と、液晶75と、シール材77と、を有している。
素子基板71には、表示面65側すなわち液晶75側に、複数の画素67のそれぞれに対応して、後述するスイッチング素子などが設けられている。
対向基板73は、素子基板71よりも表示面65側で素子基板71に対向し、且つ素子基板71との間に隙間を有した状態で設けられている。対向基板73には、面79側すなわち液晶75側に、後述する対向電極などが設けられている。なお、面79は、画像形成パネル53における表示面65の裏面に相当している。このため、以下において、面79は、底面79と表記される。
液晶75は、素子基板71及び対向基板73の間に挟持されており、対向基板73の周縁よりも内側で表示領域69を囲むシール材77によって、素子基板71及び対向基板73の間に封止されている。本実施形態では、液晶75の駆動方式として、VA(Vertical Alignment)型の駆動方式が採用されている。
なお、素子基板71、対向基板73及びシール材77によって囲まれた空間は、セルと呼ばれる。
位相差板63は、対向基板73よりも表示面65側、すなわち液晶75側とは反対側に設けられている。画像形成パネル53では、位相差板63は、入射された光に対して1/2波長の位相差を付与する。
また、液晶パネル61は、図4に示すように、走査線駆動回路81と、信号線駆動回路83と、封止材85と、端子電極87と、を有している。
なお、走査線駆動回路81と、信号線駆動回路83と、端子電極87とは、後述するスイッチング素子と同様に、素子基板71に形成されている。図4では、構成をわかりやすく示すため、端子電極87が誇張され、且つ端子電極87の個数が減じられている。
走査線駆動回路81は、各走査線Tに選択信号を供給する。信号線駆動回路83は、各信号線Sにデータ信号(画像データ)を供給する。
端子電極87は、FPC(Flexible Printed Circuit)などの外部配線を接続するための端子である。端子電極87と走査線駆動回路81との間や、端子電極87と信号線駆動回路83との間は、配線89を介して電気的につながっている。
さて、シール材77には、注入口77aが形成されている。注入口77aは、液晶75のセル内への導入路である。注入口77aは、環状に設けられるシール材77の一部を欠いた構成を有しており、セル内とセル外とを連通させる。
本実施形態では、液晶75のセル内への注入方法として、減圧注入法が採用されている。減圧注入法とは、注入口77aと液晶75とを真空に近い減圧環境下で当接させてから、減圧環境の圧力を上昇させることによってセル内に液晶75を注入する方法である。
注入口77aは、封止材85によって塞がれている。これにより、液晶75は、セル内に封止されている。
なお、セル内への液晶75の注入方法は、減圧注入法に限定されず、滴下法(ODF(One Drop Fill)とも呼ばれる)も採用され得る。滴下法が採用される場合、注入口77a及び封止材85は省略され得る。
マトリクスMでは、Y方向に沿って並ぶ複数の画素67が、図6に示すように、1つの画素列91を構成している。また、X方向に沿って並ぶ複数の画素67が、1つの画素行92を構成している。
ここで、液晶パネル61の素子基板71及び対向基板73のそれぞれの構成について、詳細を説明する。
素子基板71は、図6中のC−C線における断面図である図7に示すように、第1基板93と、素子層94と、を有している。
第1基板93は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面65側に向けられた第1面93aと、底面79側に向けられた第2面93bとを有している。
素子層94は、第1基板93の第1面93aに設けられている。素子層94には、絶縁膜95と、絶縁膜97と、絶縁膜99と、保護膜101と、配向膜103と、が含まれている。また、素子層94には、画素67ごとに、スイッチング素子の1つであるTFT(Thin Film Transistor)素子105と、画素電極107と、が含まれている。
絶縁膜95は、第1基板93の第1面93aに設けられている。絶縁膜97は、絶縁膜95の表示面65側に設けられている。絶縁膜99は、絶縁膜97の表示面65側に設けられている。画素電極107は、絶縁膜99の表示面65側に設けられている。保護膜101は、画素電極107の表示面65側に設けられている。配向膜103は、保護膜101の表示面65側に設けられている。
なお、絶縁膜95の材料としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機材料が採用され得る。本実施形態では、絶縁膜95の材料として、酸化シリコンが採用されている。
TFT素子105と、画素電極107とは、それぞれ、各画素67に対応して設けられている。
TFT素子105は、拡大図である図8に示すように、半導体層109と、ゲート電極111と、を有している。半導体層109は、絶縁膜95の表示面65側に設けられている。各半導体層109は、ゲート絶縁膜112によって表示面65側から覆われている。
半導体層109としては、例えば、単結晶シリコンや、多結晶シリコン、非晶質シリコンなどが採用され得る。本実施形態では、半導体層109として、多結晶シリコンが採用されている。
ゲート絶縁膜112の材料としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機材料が採用され得る。本実施形態では、ゲート絶縁膜112の材料として、酸化シリコンが採用されている。
ゲート電極111は、ゲート絶縁膜112を挟んで半導体層109に対向する位置に設けられている。
ゲート電極111の材料としては、例えば、多結晶シリコンなどにイオンなどの不純物を注入したものなどが採用され得る。また、ゲート電極111の材料として、モリブデン、タングステン、タンタル、クロムなどの金属や、これらを含む合金なども採用され得る。モリブデンやタングステンなどを含む合金としては、例えば、モリブデンシリサイドや、タングステンシリサイドなどが挙げられる。
本実施形態では、ゲート電極111として、多結晶シリコンにイオンなどの不純物を注入した所謂ポリシリコンゲートが採用されている。
本実施形態では、半導体層109は、チャネル領域109aと、ソース領域109bと、ドレイン領域109cと、を有している。
チャネル領域109aは、平面視でゲート電極111に重なっている。ソース領域109b及びドレイン領域109cは、それぞれ、平面視でチャネル領域109aの外側に設けられている。チャネル領域109aは、ソース領域109bとドレイン領域109cとの間に設けられている。
なお、半導体層109としては、チャネル領域109aとソース領域109bとの間や、チャネル領域109aとドレイン領域109cとの間に、LDD(Lightly Doped Drain)領域を設けた構成も採用され得る。
上記の構成を有するTFT素子105は、絶縁膜97によって表示面65側から覆われている。絶縁膜97の材料としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機材料が採用され得る。本実施形態では、絶縁膜97の材料として、酸化シリコンが採用されている。
絶縁膜97及びゲート絶縁膜112には、図8に示すように、コンタクトホール113aと、コンタクトホール113bと、が設けられている。
コンタクトホール113aは、ソース領域109bに及んでいる。コンタクトホール113bは、ドレイン領域109cに及んでいる。コンタクトホール113a内には、ソース電極115が設けられている。コンタクトホール113b内には、ドレイン電極117が設けられている。
絶縁膜97の表示面65側には、図7に示すように、信号線Sが設けられている。信号線Sは、平面視でソース電極115に重なる位置に設けられている。信号線Sとソース電極115とは、互いに電気的につながっている。信号線Sは、ソース電極115を介して半導体層109のソース領域109b(図8)に電気的につながっている。信号線Sは、図7に示すように、絶縁膜99によって表示面65側から覆われている。絶縁膜99の材料としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機材料が採用され得る。本実施形態では、絶縁膜99の材料として、酸化シリコンが採用されている。
ここで、図8に示すコンタクトホール113bは、絶縁膜99の表示面65側に及んでいる。ドレイン電極117は、図7に示すように、絶縁膜99の表示面65側に及んでいる。画素電極107とドレイン電極117とは、互いに電気的につながっている。画素電極107は、ドレイン電極117を介して半導体層109のドレイン領域109c(図8)に電気的につながっている。
画素電極107としては、例えば、金や、銀、アルミニウムなどの高い導電性及び高い光反射性を有する材料が採用され得る。本実施形態では、画素電極107の材料として、アルミニウムが採用されている。本実施形態では、画素電極107は、反射膜としての機能も有している。
画素電極107及び絶縁膜99の表示面65側には、図7に示すように、画素電極107を覆うように保護膜101が設けられている。
保護膜101は、光透過性を有する絶縁膜である。保護膜101の材料としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機材料や、アクリル樹脂やエポキシ樹脂などの有機材料が採用され得る。無機材料は、有機材料に比較して化学的な安定性が高い。このため、保護膜101の材料として無機材料を採用することは好ましい。酸化シリコンは光透過性が高く、形成も容易である。保護膜101として窒化シリコンを採用すれば、保護膜101下への水分の浸入を抑制することができるので、素子基板71の信頼性が向上する。保護膜101は単一層で形成しても良いし、複数層で形成しても良い。例えば、保護膜101を酸化シリコンと窒化シリコンの積層構造としても良い。
薄膜による光の干渉効果を利用して、保護膜101の膜厚を最適化することにより、反射率を向上することもできる。シミュレーションによると、アルミニウムの画素電極107上に、保護膜101として酸化シリコン膜を60nmから100nmの膜厚に形成し、酸化シリコン膜上に窒化シリコン膜を50nmから80nmの膜厚で形成すると、反射率向上の効果が高いことが分かっている。保護膜101の表面が比誘電率の高い窒化シリコン膜である場合、液晶が焼付きやすいということが実験から分かっている。保護膜101の表面は酸化シリコン膜である方が焼付き難い。保護膜101として、画素電極107側から順に酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、という層構造にすると、反射率が高く、焼付き難い液晶パネル61を得ることができる。本実施形態では、保護膜101の材料として、無機材料の1つである酸化シリコンが採用されている。
保護膜101の表示面65側には、配向膜103が設けられている。配向膜103の材料としては、例えばポリイミドなどの光透過性を有する材料が採用され得る。また、斜方蒸着した酸化シリコンなどの無機材料が採用され得る。本実施形態では、配向膜103の材料として、斜方蒸着した酸化シリコンが採用されている。
対向基板73は、第2基板121と、対向層122とを有している。第2基板121は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面65側に向けられた外向面121aと、底面79側に向けられた対向面121bとを有している。
対向層122は、第2基板121の対向面121bに設けられている。対向層122には、絶縁膜123と、対向電極125と、配向膜127と、が含まれている。
絶縁膜123は、第2基板121の対向面121bに設けられている。絶縁膜123の材料としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機材料が採用され得る。本実施形態では、絶縁膜123の材料として、酸化シリコンが採用されている。
対向電極125は、絶縁膜123の底面79側に設けられている。対向電極125の材料としては、例えばITO(Indium Tin Oxide)やインジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide)などの光透過性を有する材料が採用され得る。本実施形態では、対向電極125の材料として、ITOが採用されている。
対向電極125は、マトリクスMを構成する複数の画素67(図4)にわたって一連した状態で設けられている。対向電極125は、マトリクスMを構成する複数の画素67に対して共通して機能する。
なお、本実施形態では、画素67の領域は、図7に示すように、1つの画素電極107と、対向電極125とが重なり合う領域であると定義され得る。
配向膜127は、対向電極125の底面79側に設けられている。対向電極125は、配向膜127によって底面79側から覆われている。配向膜127の材料としては、例えばポリイミドなどの光透過性を有する材料が採用され得る。また、斜方蒸着した酸化シリコンなどの無機材料が採用され得る。本実施形態では、配向膜127の材料として、斜方蒸着した酸化シリコンが採用されている。
なお、対向基板73の構成としては、各画素67の領域を区画する光吸収層を設けた構成も採用され得る。この場合、光吸収層は、対向面121bに設けられる。この構成により、表示におけるコントラストの向上を図りやすくすることができる。光吸収層の材料としては、例えば、カーボンブラックやクロムなどの光吸収性が高い材料を含有する樹脂などが採用され得る。
ここで、Y方向に並ぶ複数のソース電極115は、図9に示すように、信号線Sを介して、画素列91(図6)単位で相互に電気的につながっている。
また、X方向に並ぶ複数のゲート電極111は、図9に示すように、走査線Tを介して、画素行92(図6)単位で相互に電気的につながっている。
複数の信号線Sは、それぞれY方向に延びており、X方向に並んでいる。X方向に隣り合う信号線S同士の間には、隙間が設けられている。
複数の走査線Tは、それぞれX方向に延びており、Y方向に並んでいる。Y方向に隣り合う走査線T同士の間には、隙間が設けられている。
画素67は、複数の信号線Sと、複数の走査線Tとの各交差に対応して設定されている。
各画素電極107は、図10に示すように、各半導体層109に重なる領域に設けられている。本実施形態では、各画素電極107は、各信号線Sと、各走査線Tとに重なっている。信号線Sと走査線Tとの交差部は、対応する画素電極107に重なっている。
素子基板71及び対向基板73の間に介在する液晶75は、図7に示すように、配向膜103と配向膜127との間に介在している。
本実施形態では、図5に示すシール材77は、図7に示す第1基板93の第1面93aと、第2基板121の対向面121bとによって挟持されている。つまり、液晶パネル61では、液晶75は、第1基板93及び第2基板121によって保持されている。なお、シール材77は、配向膜103及び配向膜127の間に設けられていてもよい。この場合、液晶75は、素子基板71及び対向基板73に保持されているとみなされ得る。
液晶75は、図7に示すように、L1なる厚みに設定されている。液晶75は、入射した光を変調することができる。本実施形態では、液晶75は、入射した光に位相差を付与することができる。これは、液晶75のリタデーション(複屈折率と厚みL1との積)の設定により実現され得る。本実施形態では、入射した光に1/4波長の位相差を付与するリタデーションが設定されている。
液晶パネル61では、画素電極107と対向電極125との間に電圧を印加すると、画素電極107と対向電極125との間に電界が発生する。液晶パネル61では、TFT素子105がOFF状態からON状態に変化すると、画素電極107と対向電極125との間に電界が発生する。この電界によって液晶75の配向状態を画素67ごとに変化させることができる。
プロジェクタ1では、図2に示す画像形成部13に光41を照射した状態で、各液晶パネル61における液晶75の配向状態を画素67ごとに変化させることにより、表示が制御される。液晶75の配向状態は、TFT素子105のOFF状態及びON状態を切り替えることによって変化し得る。
図7に示す配向膜103及び配向膜127のそれぞれには、配向処理が施されている。配向処理が施された配向膜103及び配向膜127によって、液晶75の初期的な配向状態が規制される。
図11(a)は、TFT素子105がOFF状態のときの画像形成装置33における偏光状態を示す図であり、図11(b)は、TFT素子105がON状態のときの画像形成装置33における偏光状態を示す図である。
画像形成装置33では、偏光ビームスプリッタ55Rの透過軸141は、図11(a)及び図11(b)に示すように、S偏光41Rsの偏光軸に対して直交している。
なお、図11(a)及び図11(b)において、X'方向及びY'方向は、X'方向がP偏光41Rpの偏光軸の方向を示し、Y'方向がS偏光41Rsの偏光軸の方向を示している。X'方向及びY'方向は、XY平面内で互いに直交する任意の2方向である。
位相差板63の遅相軸63aは、平面視でX'方向に対して、反時計方向に67.5度の傾きを有する方向に設定されている。
従って、位相差板63に入射されたS偏光41Rsは、1/2波長の位相差が与えられ、直線偏光143として液晶75に入射される。なお、直線偏光143の偏光軸は、X'方向に対して、図11(a)及び図11(b)で見て反時計方向に45度の傾きを有している。
液晶75に入射された直線偏光143は、TFT素子105がOFF状態のときに、図11(a)に示すように、偏光状態が維持されたまま(位相差が付与されずに)直線偏光143として画素電極107に向けて射出される。
画素電極107に向けて射出された直線偏光143は、偏光状態が維持されたまま画素電極107で反射され、液晶75に入射される。
画素電極107から液晶75に入射された直線偏光143は、偏光状態が維持されたまま位相差板63に入射される。位相差板63に入射された直線偏光143は、1/2波長の位相差が与えられ、平面視でY'方向に沿った偏光軸を有するS偏光41Rsとして偏光ビームスプリッタ55Rに向けて射出される。偏光ビームスプリッタ55Rに向けて射出されたS偏光41Rsは、偏光ビームスプリッタ55Rで反射するため、偏光ビームスプリッタ55Rを透過できない。
他方で、TFT素子105がON状態のときに、液晶75に入射された直線偏光143は、図11(b)に示すように、1/4波長の位相差が与えられ、平面視で反時計方向に回転する円偏光145として画素電極107に向けて射出される。
円偏光145は、画素電極107で反射され、平面視で時計方向に回転する(円偏光145とは逆回転の)円偏光147として液晶75に入射される。
液晶75に入射された円偏光147は、1/4波長の位相差が与えられ、平面視でX'方向に対して反時計方向に135度の傾きを有する偏光軸を有する直線偏光149として位相差板63に入射される。
位相差板63に入射された直線偏光149は、1/2波長の位相差が与えられ、平面視でX'方向に沿った偏光軸を有するP偏光41Rpとして偏光ビームスプリッタ55Rに向けて射出される。
偏光ビームスプリッタ55Rに向けて射出されたP偏光41Rpは、偏光軸が偏光ビームスプリッタ55Rの透過軸141の方向に沿っているため、偏光ビームスプリッタ55Rを透過する。
このように、画像形成装置33では、TFT素子105のON状態及びOFF状態の切り替えにより、Rの画像の形成が制御される。
なお、画像形成装置35及び画像形成装置37のそれぞれにおいても、偏光状態は画像形成装置33と同様である。このため、画像形成装置35及び画像形成装置37のそれぞれにおける画像の形成方法については、詳細な説明を省略する。
画像形成装置35及び画像形成装置37のそれぞれにおいても、TFT素子105のON状態及びOFF状態の切り替えにより、Gの画像の形成及びBの画像の形成のそれぞれが制御され得る。
なお、本実施形態では、TFT素子105がOFF状態のときに画像形成パネル53からの光の射出が遮断される所謂ノーマリブラック(初期的に“黒表示”の状態)の表示モードが採用されている。しかしながら、表示モードは、ノーマリブラックに限定されず、所謂ノーマリホワイト(初期的に“白表示”の状態)も採用され得る。
さて、図4に示す信号線駆動回路83は、図4中のD−D線における断面図である図12に示すように、複数のトランジスタ素子151を有している。複数のトランジスタ素子151は、素子基板71に設けられている。トランジスタ素子151は、前述したTFT素子105(図8)と同様の構成を有している。このため、トランジスタ素子151の各構成については、TFT素子105の各構成と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。なお、トランジスタ素子151のゲート電極111は、走査線Tにつながっていない。また、トランジスタ素子151のソース電極115は、信号線Sにつながっていない。
トランジスタ素子151は、TFT素子105と同様に、絶縁膜95の表示面65側に設けられている。このため、トランジスタ素子151とTFT素子105とは、同じ工程で形成され得る。
信号線駆動回路83は、複数のトランジスタ素子151のうちの一部のトランジスタ素子151が相互に電気的につながった単位回路を有している。図12では、1つの単位回路のうちの一部のトランジスタ素子151が図示されている。
単位回路を構成する複数のトランジスタ素子151は、中継電極153を介して相互につながっている。中継電極153は、画素電極107と同様に絶縁膜99の表示面65側に設けられている。
このため、画素電極107の形成と、中継電極153の形成とは、同じ工程で実現され得る。なお、中継電極153の材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウムなどの導電性が高い材料が採用され得る。また、画素電極107の形成と中継電極153の形成とを同じ工程で実現する観点から、中継電極153の材料としては、画素電極107の材料と同じ材料であることが好ましい。
本実施形態では、中継電極153は、材料としてアルミニウムが採用されており、且つ画素電極107と同一工程で形成されている。
互いにつながっているトランジスタ素子151は、一方のドレイン電極117と、他方のソース電極115とが、中継電極153を介して電気的につながっている。また、互いにつながっているトランジスタ素子151には、ゲート電極111同士がつながっているものもある。中継電極153は、保護膜101によって表示面65側から覆われている。
入力段のトランジスタ素子151のゲート電極111やソース電極115は、配線89を介して端子電極87に電気的につながっている。
配線89は、信号線Sと同様に、絶縁膜97の表示面65側に設けられている。このため、信号線Sの形成と、配線89の形成とは、同じ工程で実現され得る。なお、信号線Sや配線89の材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウムなどの導電性が高い材料が採用され得る。
本実施形態では、信号線S及び配線89は、絶縁膜97の表示面65側から順に、アルミニウム及び窒化チタンを積層した構成が採用されており、且つ同一工程で形成されている。このため、端子電極87は、窒化チタンを介して配線89に接続している。
端子電極87の材料としては、例えば、ITOやインジウム亜鉛酸化物などの光透過性を有する材料が採用され得る。本実施形態では、端子電極87の材料として、ITOが採用されている。
端子電極87は、絶縁膜99及び保護膜101に設けられたコンタクトホール155を介して、保護膜101の表示面65側の面から配線89まで延在している。
なお、走査線駆動回路81も、信号線駆動回路83と同様の構成を有している。
端子電極87には、図示しないFPCなどを介して、液晶75を駆動するための制御信号が電気信号として入力される。この制御信号は、図1に示す液晶パネル制御部25から出力される。制御信号の一部は、端子電極87から配線89を介して走査線駆動回路81(図4)に入力される。制御信号の他の一部は、端子電極87から配線89を介して信号線駆動回路83(図4)に入力される。
走査線駆動回路81からは、走査線Tに選択信号が供給される。信号線駆動回路83からは、信号線Sにデータ信号が供給される。選択信号及びデータ信号は、ともに電気信号である。
選択信号及びデータ信号によって各TFT素子105の駆動が制御される。これにより、液晶75に作用させる電界の発生を画素67ごとに制御することができる。この結果、液晶75の駆動を画素67ごとに制御することができる。
以上のことから、走査線T及び信号線Sは、それぞれ、液晶75の駆動を制御する電気信号をTFT素子105に伝送する配線であるとみなされ得る。そして、液晶75の駆動を制御する電気信号が入力される端子電極87は、走査線T及び信号線Sに電気的につながっているとみなされ得る。
ここで、液晶パネル61の製造方法について説明する。
液晶パネル61の製造方法は、素子基板71の製造工程と、対向基板73の製造工程と、液晶パネル61の製造工程と、に大別される。
素子基板71の製造工程では、図13(a)に示すように、まず、第1基板93に絶縁膜95を形成してから、TFT素子105及びトランジスタ素子151を形成する。
次いで、TFT素子105及びトランジスタ素子151の表示面65側に、TFT素子105及びトランジスタ素子151を覆う絶縁膜97を形成する。
ここで、絶縁膜95は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)技術やPVD(Physical Vapor Deposition)技術などを活用することによって形成され得る。
TFT素子105及びトランジスタ素子151の形成では、まず、絶縁膜95の表示面65側に、半導体層109を形成する。半導体層109は、CVD技術などを活用してSi膜を形成してから、Si膜をパターニングすることによって形成され得る。Si膜のパターニングでは、例えば、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術が活用され得る。
半導体層109の形成に次いで、半導体層109に熱酸化処理を施すことにより、半導体層109を表示面65側から覆うゲート絶縁膜112を形成する。
次いで、ゲート絶縁膜112の表示面65側及び絶縁膜95の表示面65側に、ゲート電極111及び図9に示す走査線Tとして、不純物が注入された多結晶シリコンを形成する。ゲート電極111及び走査線Tは、不純物が注入された多結晶シリコン膜を形成してから、不純物が注入された多結晶シリコン膜をパターニングすることによって形成され得る。このとき、不純物が注入された多結晶シリコン膜の形成では、例えば、CVD技術などが活用され得る。不純物が注入された多結晶シリコン膜のパターニングでは、例えば、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術が活用され得る。
次いで、半導体層109にゲート絶縁膜112を介して不純物を注入することによって、図8に示すソース領域109b及びドレイン領域109cを自己整合的に形成する。
これにより、TFT素子105及びトランジスタ素子151が形成され得る。
絶縁膜97の形成では、例えば、CVD技術やPVD技術などが活用され得る。
絶縁膜97の形成に次いで、図13(b)に示すように、絶縁膜97及びゲート絶縁膜112を貫通するコンタクトホール113aを形成する。コンタクトホール113aの形成では、例えば、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術が活用され得る。
次いで、図13(c)に示すように、ソース電極115、信号線S及び配線89を形成する。ソース電極115、信号線S及び配線89は、金属膜を形成してから、金属膜をパターニングすることによって形成され得る。このとき、金属膜の形成では、例えば、蒸着技術やスパッタリング技術などが活用され得る。金属膜のパターニングでは、例えば、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術が活用され得る。
次いで、図14(a)に示すように、絶縁膜97、信号線S及び配線89の表示面65側に絶縁膜99を形成する。絶縁膜99の形成では、例えば、CVD技術やPVD技術などが活用され得る。
次いで、図14(b)に示すように、絶縁膜99、絶縁膜97及びゲート絶縁膜112を貫通するコンタクトホール113bを形成する。コンタクトホール113bの形成では、例えば、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術が活用され得る。
次いで、図15(a)に示すように、画素電極107及び中継電極153を形成する。このとき、TFT素子105では、ドレイン電極117も形成される。また、トランジスタ素子151では、ドレイン電極117とともに、中継電極153につながるソース電極115も形成される。
画素電極107及び中継電極153は、金属膜を形成してから、金属膜をパターニングすることによって形成され得る。このとき、金属膜の形成では、例えば、蒸着技術やスパッタリング技術などが活用され得る。金属膜のパターニングでは、例えば、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術が活用され得る。
次いで、図15(b)に示すように、絶縁膜99、画素電極107及び中継電極153の表示面65側に、画素電極107及び中継電極153を絶縁膜99を表示面65側から覆う保護膜101を形成する。保護膜101の形成では、例えば、CVD技術やPVD技術などが活用され得る。
次いで、図16(a)に示すように、保護膜101及び絶縁膜99を貫通して配線89に至るコンタクトホール155を形成する。コンタクトホール155の形成では、例えば、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術が活用され得る。保護膜101上にレジストを塗布し、露光、現像を行って、コンタクトホール155が形成されない領域にレジストを残す。続いて、保護膜101及び絶縁膜99をエッチングして、コンタクトホール155を形成する。その後、レジストを剥離する。このコンタクトホール形成工程では、保護膜101の存在によって画素電極107及び中継電極153がレジスト、現像液、剥離液等に晒されることが無い。よって、画素電極107及び中継電極153がコンタクトホール形成工程において膜減りしたり損傷したりすることは無い。
次いで、図16(b)に示すように、保護膜101の表示面65側からコンタクトホール155を介して配線89に至る端子電極87を形成する。端子電極87は、ITOの膜を形成してから、ITOの膜をパターニングすることによって形成され得る。このとき、ITOの膜の形成では、例えば、蒸着技術やスパッタリング技術などが活用され得る。ITOの膜のパターニングでは、例えば、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術が活用され得る。
保護膜101の存在によって、ITOの膜が画素電極107及び中継電極153に接触することは無い。また、コンタクトホール形成工程と同様に、画素電極107及び中継電極153がレジスト、現像液、剥離液等に晒されることは無い。よって、画素電極107及び中継電極153が端子電極形成工程において膜減りしたり損傷したりすることは無い。
次いで、図7に示すように、保護膜101の表示面65側に配向膜103を形成することによって素子基板71が製造され得る。なお、配向膜103は、斜方蒸着法によって形成され得る。
対向基板73の製造工程では、図7に示すように、まず、第2基板121の対向面121bに絶縁膜123を形成する。絶縁膜123は、例えば、CVD技術やPVD技術などを活用することによって形成され得る。
次いで、絶縁膜123の底面79側に、対向電極125としてITOの膜を形成する。このとき、ITOの膜の形成では、例えば、蒸着技術やスパッタリング技術などが活用され得る。
次いで、対向電極125の底面79側に、配向膜127を形成することによって対向基板73が製造され得る。なお、配向膜127は、斜方蒸着法によって形成され得る。
液晶パネル61の製造工程では、まず、素子基板71と、対向基板73とを、シール材77(図4)を介して接合する。このとき、シール材77は、図4に示すように、平面視で環状の輪郭の一部を欠いた状態で設けられる。シール材77の環状の輪郭の一部を欠いた部分は、液晶75の注入口77aとなる。
次いで、液晶75を注入口77aから注入してから、注入口77aを封止材85で塞いで液晶75をセル内に封入する。これにより、液晶パネル61が製造され得る。
本実施形態において、画素電極107が電極としての反射膜に対応し、コンタクトホール155がコンタクトホールに対応し、配線89並びに信号線S及び走査線Tが配線に対応している。
本実施形態では、画素電極107及び中継電極153は、保護膜101によって表示面65側から覆われている。端子電極87は、保護膜101を貫通するコンタクトホール155を介して配線89につながっている。
この構成により、本実施形態では、画素電極107及び中継電極153を保護膜101で覆ってから、コンタクトホール155の形成や、端子電極87の形成を行う製造方法が採用されている。つまり、本実施形態では、画素電極107及び中継電極153を保護膜101で保護した状態で、コンタクトホール155や、端子電極87の形成が行われる。これにより、画素電極107及び中継電極153がフォトリソグラフィ処理やエッチング処理などに起因する損傷を受けにくくすることができる。このため、液晶パネル61の信頼性を向上させやすくすることができる。また、この結果、端子電極87の材料として、画素電極107及び中継電極153の材料とは異なる材料を採用することができる。
また、本実施形態では、端子電極87の材料として光透過性を有する材料であるITOが採用されている。ITOは、アルミニウムに比較してエレクトロマイグレーションが発生しにくい。このため、液晶パネル61の信頼性を一層向上させやすくすることができる。
さらに、エレクトロマイグレーションが発生しにくいITOでは、端子電極87の狭ピッチ化、隣り合う端子電極87間の距離を短くすることができる。この結果、液晶パネル61において、端子電極87の数を増やすことができる。液晶パネル61の小型化や高精細化を図ることができる。
また、本実施形態では、画素電極107が反射膜としての機能も有しているので、液晶75を駆動するための電界を形成する電極と、反射膜とを個別に設ける構成に比較して、構成を簡略化することができる。
なお、本実施形態では、端子電極87が保護膜101の表示面65側の面から配線89にまで延在している構成が採用されているが、端子電極87の構成はこれに限定されない。端子電極87の構成としては、配線89が端子電極87を兼ねる構成も採用され得る。
配線89が端子電極87を兼ねる構成としては、例えば、図17に示すように、端子電極87を省略した構成が挙げられる。この構成では、配線89のうちでコンタクトホール155内の領域が端子電極87を兼ねている。この構成においても、画素電極107及び中継電極153がフォトリソグラフィ処理やエッチング処理などに起因する損傷を受けにくくすることができる。
さらに、図17に示す構成において、配線89の材料としてITOやインジウム亜鉛酸化物を採用すれば、端子電極87の一層の狭ピッチ化が図られる。
配線89が端子電極87を兼ねる別の構成としては、例えば、図18に示すように、配線89の表示面65側に端子電極87をパターニングした構成も採用され得る。端子電極87の材料としてITOやインジウム亜鉛酸化物を採用すれば、端子電極87の狭ピッチ化が可能となる。ITOの抵抗率はアルミニウム等の金属膜に比べると高いが、図18に示す構成であれば、配線89を抵抗率の低いアルミニウムと窒化チタン等の積層膜にすることができるので、端子電極87がITOであっても配線抵抗を低くすることができる。図18に示す構成においても、保護膜101を形成してからコンタクトホール155を形成する方法が採用され得る。このため、図18に示す構成においても、画素電極107及び中継電極153がフォトリソグラフィ処理やエッチング処理などに起因する損傷を受けにくくすることができる。
さらに、図18に示す構成では、端子電極87を配線89の経路に沿ってパターニングすれば、端子電極87に配線89の導電性を補助する補助配線としての機能をもたせることができる。
また、端子電極87の構成としては、例えば、図19に示すように、配線89と端子電極87との間に中継電極157を介在させた構成も採用され得る。
図19に示す構成では、絶縁膜99に絶縁膜99を貫通する複数(本例では2つ)のコンタクトホール113cが設けられる。コンタクトホール113cは、絶縁膜99の表示面65側から配線89に至っている。
中継電極157は、絶縁膜99の表示面65側でコンタクトホール113cに重なる領域に設けられている。中継電極157は、絶縁膜99の表示面65側に設けられているので、画素電極107及び中継電極153と同じ材料且つ同じ工程で形成され得る。本例では、中継電極157は、材料としてアルミニウムが採用さており、画素電極107及び中継電極153と同じ工程で形成されている。
保護膜101を形成するとき、中継電極157は、画素電極107及び中継電極153とともに保護膜101によって表示面65側から覆われる。そして、保護膜101には、保護膜101を貫通するコンタクトホール159が設けられる。コンタクトホール159は、保護膜101の表示面65側から中継電極157に至っている。
端子電極87は、コンタクトホール159を介して中継電極157に電気的につながっている。ここで、端子電極87と中継電極157との間に下地電極161を介在させることが好ましい。これは、ITOとアルミニウムとを直接的に接続することが困難であるからである。なお、下地電極161の材料としては、例えば窒化チタンなどが採用され得る。
図19に示す構成では、保護膜101の表示面65側から配線89までの間を、コンタクトホール159の区間と、コンタクトホール113cの区間とにわけることができる。そして、これらの区間ごとに電極(端子電極87や中継電極157)が形成されている。よって、各コンタクトホール159,113cの深さが浅くなり、コンタクトホール159,113cの形成が容易になる。コンタクトホールを基板全面に均一に形成しやすくなるので、液晶パネル61の信頼性が一層向上する。
第1実施形態では、液晶パネル61をプロジェクタ1に適用した例を説明したが、液晶パネル61の適用はプロジェクタ1に限定されない。液晶パネル61は、例えば、ディスプレイなどの表示装置にも適用され得る。
液晶パネル61を表示装置に適用した例を、第2実施形態として説明する。
以下の第2実施形態では、重複した説明を避けるため、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
表示装置10は、図20に示すように、液晶パネル61と、位相差板63と、偏光板171と、を有している。
表示装置10では、表示面65を介して液晶75に入射された外光を、画素電極107で表示面65側に反射させて、その反射光を表示面65側に射出することによって、反射表示が行われ得る。なお、外光とは、表示装置10の表示面65から入射されるあらゆる光である。外光には、例えば、屋内外の照明光や、太陽光、照明装置からの光などが含まれる。
液晶パネル61は、図20中のE−E線における断面図である図21に示すように、対向基板173を有している。第2実施形態での液晶パネル61は、第1実施形態での液晶パネル61の対向基板73が対向基板173に替えられていることを除いては、第1実施形態での液晶パネル61と同様の構成を有している。
偏光板171は、位相差板63よりも表示面65側に設けられている。偏光板171は、透過軸の方向に偏光軸を有する光を透過させることができる。
なお、偏光板171よりも表示面65側や、偏光板171と位相差板63との間、位相差板63と対向基板173との間に、光学補償フィルムを設けた構成も採用され得る。光学補償フィルムを設けることで、液晶75を表示面65の法線方向から見たときや、法線方向から傾斜した方向から見たときなどの液晶75の位相差を補償することができる。これにより、光漏れを低減することができ、コントラストの向上が図られる。
光学補償フィルムとしては、屈折率異方性が負のディスコティック液晶分子等をハイブリッド配向させた負の一軸性媒体(例えば、富士フィルム製のWVフィルム)などが採用され得る。また、屈折率異方性が正のネマチック液晶分子等をハイブリッド配向させた正の一軸性媒体(例えば、日本石油製のNHフィルム)なども採用され得る。さらに、負の一軸性媒体と正の一軸性媒体とを組み合わせた構成も採用され得る。その他、各方向の屈折率がnx>ny>nzとなる二軸性媒体や、負のC−Plate等も採用され得る。
表示装置10に設定されている複数の画素67は、それぞれ、表示面65から射出する光の色が、図22に示すように、R、G及びBのうちの1つに設定されている。つまり、マトリクスMを構成する複数の画素67は、Rの光を射出する画素67Rと、Gの光を射出する画素67Gと、Bの光を射出する画素67Bとを含んでいる。
なお、以下においては、画素67という表記と、画素67R、67G及び67Bという表記とが、適宜、使いわけられる。
また、表示装置10では、1つの画素列91内の各画素67は、光の色がR、G及びBのうちの1つに設定されている。つまり、マトリクスMは、複数の画素67RがY方向に配列した画素列91Rと、複数の画素67GがY方向に配列した画素列91Gと、複数の画素67BがY方向に配列した画素列91Bとを有している。そして、マトリクスMでは、画素列91R、画素列91G及び画素列91Bが、この順でX方向に沿って反復して並んでいる。
なお、以下においては、画素列91という表記と、画素列91R、画素列91G及び画素列91Bという表記とが、適宜、使いわけられる。
ここで、対向基板173の構成について説明する。
対向基板173は、図22中のF−F線における断面図である図23に示すように、対向層174を有している。対向層174は、第2基板121の対向面121bに設けられている。
対向層174には、光吸収層175と、カラーフィルタ177と、オーバーコート層179と、対向電極125と、配向膜127と、が含まれている。
光吸収層175は、第2基板121の対向面121bに設けられている。光吸収層175は、平面図で格子状に設けられており、各画素67を区画している。表示装置10では、各画素67の領域は、光吸収層175によって囲まれた領域であると定義され得る。
光吸収層175の材料としては、例えば、カーボンブラックやクロムなどの光吸収性が高い材料を含有する樹脂などが採用され得る。
カラーフィルタ177は、各画素67に対応して設けられている。カラーフィルタ177は、第2基板121の対向面121b側に設けられており、光吸収層175によって囲まれた各領域、すなわち各画素67の領域を底面79側から覆っている。
ここで、カラーフィルタ177は、入射された光のうち所定の波長域の光を透過させることができる。カラーフィルタ177は、画素67R、画素67G及び画素67Bごとに異なる色に着色された樹脂などで構成されている。画素67Rに対応するカラーフィルタ177は、Rの光を透過させることができる。画素67Gに対応するカラーフィルタ177はGの光を透過させ、画素67Bに対応するカラーフィルタ177はBの光を透過させることができる。なお、以下において、各カラーフィルタ177に対してR、G及びBが識別される場合に、カラーフィルタ177R、177G及び177Bという表記が用いられる。
オーバーコート層179は、カラーフィルタ177の底面79側に設けられている。オーバーコート層179は、光透過性を有する樹脂などで構成されており、カラーフィルタ177を底面79側から覆っている。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、第2実施形態においても、素子基板71として、図17、図18及び図19のそれぞれに示す構成が採用され得る。
なお、第1実施形態及び第2実施形態では、それぞれ、液晶75の駆動方式としてVA型の駆動方式が採用されているが、駆動方式はこれに限定されない。液晶75の駆動方式は、TN(Twisted Nematic)型、IPS(In Plane Switching)型、FFS(Fringe Field Switching)型等の種々の方式も採用され得る。
また、第1実施形態及び第2実施形態では、それぞれ、半導体層109として多結晶シリコンが採用されているが、半導体層109はこれに限定されない。半導体層109としては、例えば、単結晶シリコンや非晶質シリコンなども採用され得る。
上述した表示装置10は、例えば、図24に示す電子機器500の表示部510に適用され得る。この電子機器500は、携帯電話機である。この電子機器500は、操作ボタン511を有している。表示部510は、操作ボタン511で入力した内容や着信情報を始めとする様々な情報について表示を行うことができる。この電子機器500では、表示部510に表示装置10が適用されているので、表示部510における信頼性を向上させやすくすることができる。
なお、電子機器500としては、携帯電話機に限られず、モバイルコンピュータ、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、カーナビゲーションシステム用の表示機器などの車載機器、オーディオ機器等の種々の電子機器が挙げられる。
また、液晶パネル61としては、適用される電子機器は、これらに限定されず、ヘッドアップディスプレイなどの電子機器にも適用され得る。
第1実施形態におけるプロジェクタの主要構成を示すブロック図。 第1実施形態におけるプロジェクタの画像形成部の主要構成を示す図。 第1実施形態におけるプロジェクタの画像形成パネルを示す斜視図。 本実施形態での液晶パネルを示す平面図。 図3中のA−A線における断面図。 本実施形態での液晶パネルにおける複数の画素の一部を示す平面図。 図6中のC−C線における断面図。 図7中のTFT素子の拡大図。 本実施形態での半導体層、信号線及び走査線の配置を説明する平面図。 本実施形態での画素電極の配置を説明する平面図。 第1実施形態での画像形成パネルにおける偏光状態を説明する図。 図4中のD−D線における断面図。 本実施形態における素子基板の製造工程を説明する断面図。 本実施形態における素子基板の製造工程を説明する断面図。 本実施形態における素子基板の製造工程を説明する断面図。 本実施形態における素子基板の製造工程を説明する断面図。 本実施形態での素子基板の他の構成例を示す断面図。 本実施形態での素子基板の他の構成例を示す断面図。 本実施形態での素子基板の他の構成例を示す断面図。 第2実施形態における表示装置の主要構成を示す斜視図。 図20中のE−E線における断面図。 第2実施形態での表示装置における複数の画素の一部を示す平面図。 図22中のF−F線における断面図。 第2実施形態における表示装置が適用された電子機器の斜視図。
符号の説明
1…プロジェクタ、5…制御回路、10…表示装置、13…画像形成部、25…液晶パネル制御部、33,35,37…画像形成装置、53…画像形成パネル、61…液晶パネル、65…表示面、67…画素、69…表示領域、71…素子基板、73…対向基板、75…液晶、79…底面、81…走査線駆動回路、83…信号線駆動回路、87…端子電極、89…配線、93…第1基板、93a…第1面、93b…第2面、95…絶縁膜、97…絶縁膜、99…絶縁膜、101…保護膜、105…TFT素子、107…画素電極、113a,113b…コンタクトホール、113c…コンタクトホール、121…第2基板、121a…外向面、121b…対向面、125…対向電極、151…トランジスタ素子、153…中継電極、155…コンタクトホール、157…中継電極、159…コンタクトホール、161…下地電極、173…対向基板、174…対向層、500…電子機器、S…信号線、T…走査線。

Claims (11)

  1. 第1基板と、
    前記第1基板に対向する第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に挟持された液晶と、
    複数の画素と、
    前記画素に対応して前記第1基板と前記液晶との間に設けられた、前記液晶から前記第1基板側に向かう光を前記第2基板側に反射させる反射膜と、
    前記反射膜の前記液晶側の面を覆う保護膜と、
    前記画素に対応して前記第1基板と前記反射膜との間に設けられたスイッチング素子と、
    前記第1基板と前記反射膜との間に設けられた、前記液晶の駆動を制御する電気信号を前記スイッチング素子に伝送する配線と、
    前記保護膜を貫通するコンタクトホールと、
    少なくとも前記コンタクトホールと重なるように設けられた、前記電気信号が入力される端子電極と、
    を有することを特徴とする液晶装置。
  2. 前記反射膜は、前記液晶を駆動するための電界を生成する電極を兼ねていることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  3. 前記反射膜は、アルミニウムを含有する材料で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶装置。
  4. 前記端子電極は、光透過性を有する材料で構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶装置。
  5. 前記光透過性を有する材料は、インジウム錫酸化物及びインジウム亜鉛酸化物の少なくとも一方を含有していることを特徴とする請求項4に記載の液晶装置。
  6. 前記保護膜は、無機材料で構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液晶装置。
  7. 前記端子電極は、前記コンタクトホールを介して前記配線と電気的につながっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶装置。
  8. 前記配線が前記端子電極を兼ねていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶装置。
  9. 第1基板と、
    前記第1基板に対向する第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に挟持された液晶と、
    複数の画素と、
    前記画素に対応して前記第1基板と前記液晶との間に設けられた、前記液晶から前記第1基板側に向かう光を前記第2基板側に反射させる反射膜と、
    前記画素に対応して前記第1基板と前記反射膜との間に設けられたスイッチング素子と、
    前記第1基板と前記反射膜との間に設けられた、前記液晶の駆動を制御する電気信号を前記スイッチング素子に伝送する配線と、
    前記配線に電気的につながった、前記電気信号が入力される端子電極と、を有する液晶装置の製造方法であって、
    前記反射膜の前記液晶側の面を覆う保護膜を形成し、前記保護膜にコンタクトホールを形成し、前記コンタクトホールを介して前記配線に電気的につながる導電膜を形成し、前記導電膜にエッチング処理を施すことにより、前記端子電極を形成することを特徴とする液晶装置の製造方法。
  10. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液晶装置をライトバルブとして有することを特徴とするプロジェクタ。
  11. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液晶装置を表示部として有することを特徴とする電子機器。
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