JP2010078059A - ワンタッチ式パッド装着機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品の紛失等の虞れがなくピンと孔との整合作業の必要もない、迅速で確実な固定を可能にしてアンカブロックのガタもなく、パッド部材の脱着操作も簡便にできる。
【解決手段】パッドホルダ3に軸方向にスライドさせて装着したパッド部材6の係止段部6Dに、パッドホルダ3に支持されたアンカブロック5を押圧係止して抜止め構成し、パッドホルダ3に装着された偏心ピンを構成するカムシャフト10によってアンカブロック5をパッド部材6の係止段部6Dに押圧係止させるとともに、アンカブロック5とパッドホルダ3との接触するガイド面5Bを僅かに傾斜させたことにより、ピンと孔との整合作業の必要もなく、パッドホルダ3に装着された部品の動作によってパッド部材6を確実にパッドホルダ3に迅速かつ確実に装着でき、部品の紛失等の虞れもなく、傾斜面同士の接触によりパッドホルダ3へのアンカブロック5のガタつきも生じない。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブレーキアームの下端部に軸着したパッドホルダにパッド部材を装着するパッド装着機構であって、前記パッドホルダに軸方向にスライドさせて装着したパッド部材の係止段部に、前記パッドホルダに支持されたアンカブロックを押圧係止して抜止めされるワンタッチ式パッド装着機構に関する。
車両において使用されるディスクブレーキ装置にあって、特に鉄道車両用のディスクブレーキでは、ブレーキが取り付けられるばね上とディスクロータが取り付けられるばね下との相対移動が大きいことから、これに対応できる機構として一般的には大きな相対移動に容易に適応できるリンクの連結による梃子式のキャリパブレーキが知られている。このような梃子式のキャリパブレーキにおいては、ブレーキアームの下端部に軸着したパッドホルダにパッド部材を装着する必要があり、一般的にパッド部材をパッドホルダに装着する際には、パッド部材を支えながら固定部材であるアンカブロックを装着し、その後、アンカブロックが外れたりパッド部材が落下しないように、アンカブロックを押さえながらアンカボルトを締結していた。
しかしながら、アンカブロックを押さえながらのアンカボルトの脱着や、パッド部材を支えながらのアンカブロックの脱着は、面倒な同時作業を伴い、連結車両全体におけるパッド部材の交換作業は、より困難で所要時間も膨大となり、作業者には大変な負担となっていた。そのようなことから、パッドホルダにパッド部材をスライドさせて装着した後、押込みピンとスペーサを用いて簡便にパッド部材をパッドホルダに固定するようにしたものが提案された(下記特許文献1参照)。
特許第3698524号(特開平11−20696号公報)(公報請求項1参照)
前記特許文献1に開示されたキャリパブレーキ装置を図5を用いて簡単に説明すると、互いにスライド自在に挿入可能なアリ溝111により制輪子支持部(パッドホルダ)104Bに対して制輪子(パッド部材)105Bの背板をスライド(上矢印のように)させて装着する。制輪子105Bの背板のアリ溝111への挿入係合部の端部のスライドを規制してスペーサ122が制輪子支持部104Bの凹部121内に挿入される(図5(A)の図示上下方向、図5(B)では紙面に直交方向)。係止装置130を構成する分離された大径係止ピン部131と小径係止ピン部132とは、図5(A)の固定状態から、スプリング133、135の復元力に抗して小径係止ピン部132を上方(図面左方)へ押し込むと、大径係止ピン部131がスペーサ122の貫通孔124から外れてピン孔123内に押し込まれる。このとき、小径係止ピン部132がスペーサ122の貫通孔124の位置にあるため、貫通孔124と小径係止ピン部132との間にガタが生じてスペーサ122が凹部121内を移動する(図5(A)の図示上下方向)。そのとき、大径係止ピン部131はスペーサ122の貫通孔124内には戻れず、小径係止ピン部132がスプリング135の復元力によって貫通孔124内から退避するに到って、スペーサ122は凹部121内から抜き取ることが可能となる。これによって、制輪子105Bを制輪子支持部104Bから取り外すことができる。
以上のような構成によって、パッドホルダにパッド部材をスライドさせて装着した後、押込みピンとスペーサを用いて簡便にパッド部材をパッドホルダに固定することが可能になった。しかしながら、アンカブロックに相当するスペーサの脱着のためには完全に取り出すことが必要であり、スペーサを紛失する虞れが生じたり、係止ピンのスペーサの貫通孔への整合作業が面倒であり、スペーサを抜き取るまでの大径係止ピン部および小径係止ピン部の抜き差し作業も面倒であった。さらに、装着時にアンカブロックはガタを有しており、車両の振動によってアンカブロックがアンカプレートと接触してアンカブロックの摩耗を促進することになった。
そこで本発明は、前記従来の鉄道等のキャリパ型の車両用ディスクブレーキ装置のパッド装着機構の諸課題を解決して、部品の紛失等の虞れがなく、ピンと孔との整合作業の必要もない、迅速で確実な固定を可能にしながらアンカブロックのガタもなく、パッド部材の脱着操作も簡便にできるワンタッチ式パッド装着機構を提供することを目的とする。
このため本発明は、ブレーキアームの下端部に軸着したパッドホルダにパッド部材を装着するパッド装着機構であって、前記パッドホルダに軸方向にスライドさせて装着したパッド部材の係止段部に、前記パッドホルダに支持されたアンカブロックを押圧係止して抜止めされるワンタッチ式パッド装着機構において、前記パッドホルダに装着された偏心ピンを構成するカムシャフトによって前記アンカブロックをパッド部材の係止段部に押圧係止させるとともに、前記アンカブロックとパッドホルダとの接触するガイド面を僅かに傾斜させたことを特徴とする。また本発明は、前記偏心ピンを構成するカムシャフトは、前記アンカブロックを貫通して配設されるとともに、該アンカブロックを挟んで内外に配設された回動自在な一対のガイド部材間に渡設されるとともに、それらの回動を規制する回動阻止部を前記ガイド部材とパッドホルダ間に形成したことを特徴とする。また本発明は、前記回動阻止部は、前記一対のガイド部材がカムシャフトを介して外側にばね付勢された際に、互いに噛合するセレーション部がいずれかのガイド部材の外周部とこれらのガイド部材を装着するパッドホルダの内周部との間に形成されたことを特徴とする。また本発明は、前記一対のガイド部材をばね付勢に抗して内側に軸動させるとともに回動させることを可能にする工具用非円形部を外側ガイド部材の外側端面に刻設したことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とする。
本発明によれば、ブレーキアームの下端部に軸着したパッドホルダにパッド部材を装着するパッド装着機構であって、前記パッドホルダに軸方向にスライドさせて装着したパッド部材の係止段部に、前記パッドホルダに支持されたアンカブロックを押圧係止して抜止めされるワンタッチ式パッド装着機構において、前記パッドホルダに装着された偏心ピンを構成するカムシャフトによって前記アンカブロックをパッド部材の係止段部に押圧係止させるとともに、前記アンカブロックとパッドホルダとの接触するガイド面を僅かに傾斜させたことにより、ピンと孔との整合作業の必要もなく、パッドホルダに装着された部品の動作によってパッド部材を確実にパッドホルダに迅速かつ確実に装着でき、部品の紛失等の虞れもなく、傾斜面同士の接触によりパッドホルダへのアンカブロックのガタつきも生じることがない。
また、前記偏心ピンを構成するカムシャフトは、前記アンカブロックを貫通して配設されるとともに、該アンカブロックを挟んで内外に配設された回動自在な一対のガイド部材間に渡設されるとともに、それらの回動を規制する回動阻止部を前記ガイド部材とパッドホルダ間に形成した場合は、アンカブロックを挟んで内外に振り分けられた一対のガイド部材の回動に伴い、カムシャフトを介して円滑にアンカブロックをパッド部材方向に移動させることができるので、パッドホルダ内に装着された一対のガイド部材を回動するだけで、アンカブロックを確実に移動させてパッド部材を抜け止め装着することができることはもとより、装着後にはガイド部材の回動規制により妄りにアンカブロックが外れてパッド部材が抜けることが防止される。さらに、前記回動阻止部は、前記一対のガイド部材がカムシャフトを介して外側にばね付勢された際に、互いに噛合するセレーション部がいずれかのガイド部材の外周部とこれらのガイド部材を装着するパッドホルダの内周部との間に形成された場合は、カムシャフトを介して一体になった内外のガイド部材がばね付勢により、容易にパッドホルダの内周部とセレーション噛合して回動規制することができ、格別の回動規制部材を別途に設ける必要がなく、簡潔な構造となる。
さらにまた、前記一対のガイド部材をばね付勢に抗して内側に軸動させるとともに回動させることを可能にする工具用非円形部を外側ガイド部材の外側端面に刻設した場合は、常時はばね付勢されてセレーション噛合により回動規制状態にある外側ガイド部材の外側端面を工具等により押し込むことで、一対のガイド部材を回動させてアンカブロックの抜き差しが可能となり、工具の一連の動作でパッドホルダに対するパッド部材の着脱が可能となる。
図1は本発明のワンタッチ式パッド装着機構の第1実施例を示すもので、アンカブロックの抜き差し状態斜視図および要部分解斜視図、図2は本発明のワンタッチ式パッド装着機構が採用されたディスクブレーキ装置の全体側面図、図3は図2のA−A断面図、図4は図3の要部拡大図である。本発明のワンタッチ式パッド装着機構の基本的な構成は、図1に示すように、ブレーキアーム1の下端部に軸着したパッドホルダ3にパッド部材6を装着するパッド装着機構であって、前記パッドホルダ3に軸方向にスライドさせて装着したパッド部材6の係止段部6Dに、前記パッドホルダ3に支持されたアンカブロック5を押圧係止して抜止めされるワンタッチ式パッド装着機構において、前記パッドホルダ5に装着された偏心ピンを構成するカムシャフト10によって前記アンカブロック5をパッド部材6の係止段部6Dに押圧係止させるとともに、前記アンカブロック5とパッドホルダ3との接触するガイド面5B、3H(図4)を僅かに傾斜させたことを特徴とする。
本実施例のワンタッチ式パッド装着機構は以下のように構成されている。図2に示すように、キャリパボディ2の両側下部のブレーキアーム軸4にて中間部がそれぞれ軸支された一対のブレーキアーム1、1(もう一方は紙背側)が、詳述しないアクチュエータ等の動力源によってカム機構や自動隙間調整機構およびロッド部材13、13を介して上端部 が拡開押圧される。ブレーキアーム1の下端部にはそれぞれパッドホルダ3がパッドホルダ軸7、7によりブレーキアーム1に対して首振り自在に軸着される。パッドホルダ3にはディスクロータ(図示省略)側に向けて対向するパッド6Aを貼設したパッド部材6(図3)が装着される。
図1(C)に示すように、本実施例では、パッドホルダ3はブレーキアーム1の下端部に一対のパッドホルダ軸7、7により2か所にて軸着されており、それらの軸支部の外側(図面右下)に本発明のワンタッチ式パッド装着機構が採用される。他方側の構成も同様なので、要部が分解斜視図で示された一方側のワンタッチ式パッド装着機構についてのみ説明する。パッドホルダ3にはパッドホルダ軸7側に膨出形成された、順次外側から3A、3B、3Cの3つの軸支部が形成されており、内側の2つの3B、3Cにより前記パッドホルダ軸7が支持される。中間の軸支部3Bを共用して外側の軸支部3Aとの間でワンタッチ式パッド装着機構が構成される。
図1(B)に示すように、パッドホルダ3へのパッド部材6の装着は、パッドホルダ3の軸方向に刻設されたアリ溝14にパッド部材6に付設されたアンカプレート6Cの対応断面部をスライドさせてなされる。パッド部材6は、内側面側(図示省略のブレーキロータ側)にパッド6Aが貼設されたパッドプレート6Bと該パッドプレート6Bの上面に付設されたアンカプレート6Cとから構成される。アンカプレート6Cの外側(図面右下)端部には係止段部6Dが形成され、パッド部材6が内側へスライド装着されて適正位置に到達した際に、アンカブロック5の抜止め部を構成するストレート面5Aと整合する。これらのアンカプレート6Cの係止段部6Dとアンカブロック5のストレート面5Aとの整合を行い、パッド部材6の装着後の抜止めを実現するために、アンカブロック5のパッドホルダ3におけるパッド部材6に対する抜き差しを行うのが本発明のワンタッチ式パッド装着機構である。
図1(C)に示すように、パッドホルダ3の第2軸支部3Bには第2小径部3Fが穿設され、第1軸支部3Aには大径部3D(図では見えないが奥には第1小径部3Eが形成されている。図4参照)が穿設される。第1軸支部3Aの外側からパッドホルダ軸7が挿入軸支(図3および図4参照)された後、リターンスプリング8および内側ガイド部材9が前記第2軸支部3Bの第2小径部3F内に装着される。第1軸支部3Aと第2軸支部3Bとの間にはアンカブロック5が過不足なく挿入可能に構成されている。第2軸支部3B側の面はアンカブロック5の前記ストレート面5Aと整合するようにストレート面とされ、第1軸支部3A側は後述するガタつき防止のためにアンカブロック5に形成される2°程度の傾斜ガイド面5Bに整合する傾斜面3H(図4)とされる。
アンカブロック5を装着した後に、偏心ピンを構成するカムシャフト10をアンカブロック5のカム孔5Cを貫通させてその内側端部を前記内側ガイド部材9の偏心形成されたカムシャフト穴に挿入する。次いで、カムシャフト10の外側端部に外側ガイド部材11を装着すべく、外側ガイド部材11を第1軸支部3Aの第1小径部3E(図4参照)内に装着し、その外側端面が留め輪12により第1軸支部3A内に拘束される。
図3は図2のA−A断面図で、パッド部材の断面とパッド部材のアンカブロックを介したパッドホルダへの装着状態およびパッドホルダ軸によるパッドホルダの軸支形態が明瞭に理解される。図3(A)はアンカブロックがロック状態にあり、パッド部材6がパッドホルダ3に対して装着されて抜け止めされた状態、図3(B)はアンカブロックが解除状態で、パッド部材6がパッドホルダ3から取外し可能な状態にある。パッド6AはリベットR等によりパッドプレート6Bに貼設され、アンカプレート6CはリベットR等によりにパッドプレート6Bに付設される。偏心ピンを構成するカムシャフト10の両端部は、一対の内外のガイド部材9、11の偏心位置のカムシャフト穴に挿入支持されている。
このような構成により、図1(A)、図1(B)、図1(C)に示すように、工具15を外側ガイド部材11の工具穴11Cに挿入して押し込んだ後、これらのガイド部材の9、11の回動に伴い、カムシャフト10はアンカブロック5の長孔を構成するカム孔5C内を摺動しつつ、パッド部材6に対して抜き差し移動を行う。これにより、図3(A)のロック状態と図3(B)の解除状態との2位置を採ることができる。
図4は図3の要部拡大図であり、本発明のワンタッチ式パッド装着機構の詳細図である。図4(A)が図3(A)に対応し、図4(B)が図3(B)に対応する。図4ではいずれの場合もパッド部材6におけるアンカプレート6Cのみが示されている。また、第1軸支部3Aおよび第2軸支部3B内に装着された外側ガイド部材11および内側ガイド部材9が示され、第2軸支部3B内に挿入軸支されたパッドホルダ軸7の一部も見えている。パッドホルダ3の第2軸支部3Bにおける第2小径部3Fには、奥にパッドホルダ軸7の大径頭部が係止されるとともに、リターンスプリング8および内側ガイド部材9が順次回動自在に装着される。第1軸支部3Aと第2軸支部3Bとの間にはアンカブロック5が過不足なくパッド部材6に対して抜き差し自在に挿入される。第2軸支部3B側の面はアンカブロック5のストレート面5Aと整合するようにストレート面とされ、第1軸支部3A側のガイド面3Hはガタつき防止のためにアンカブロック5に形成される2°程度の傾斜ガイド面5Bに整合する傾斜面とされる。
前記アンカブロック5の傾斜ガイド面5Bと第1軸支部3A側のガイド面3Hとの整合接触によって、アンカブロック5のパッド部材6側への移動が円滑にガイドされるとともに、パッドホルダ3とアンカブロック5との間のテーパ結合によってガタつくことがない。パッドホルダ3の第1軸支部3Aには大径部3Dとその内側に第1小径部3Eが形成される。該第1小径部3Eは前記第2軸支部3Bにおける第2小径部3Fの径と等しくされる。偏心ピンを構成するカムシャフト10は、アンカブロック5の長孔(図1(C)参照)からなるカム孔5Cを貫通して配設され、その内側端部は前記内側ガイド部材9の偏心位置にあるカムシャフト穴9A内に挿入係止される。カムシャフト10の外側端部を挿入係止すべく、第1軸支部3Aの第1小径部3Eに外側ガイド部材11が挿入装着される。カムシャフト10の外側端部は外側ガイド部材11の偏心位置にあるカムシャフト穴11A内に挿入係止される。
外側ガイド部材11における外側端面近傍の外周にはセレーション部11Bが刻設され、第1軸支部3Aの大径部3Dの内周部に刻設されたセレーション部3Gに噛合可能に構成される。符号12は留め輪を示し、大径部3Dの内周に係止されて前記リターンスプリング8により外側にばね付勢された内外のガイド部材9、11の抜止め機能を有するとともに、その位置での外側ガイド部材11のセレーション部11Bと第1軸支部3Aのセレーション部3Gとのセレーション噛合により、外側ガイド部材11とパッドホルダ3の相対的な回動が阻止されて回動阻止部を構成する。外側ガイド部材11の外側端面には工具用非円形部(例えば6角形等)が刻設され、ここに工具15(図1)を差し込み押し込むことで、カムシャフト10を介して内側ガイド部材9をもリターンスプリング8の復元力に抗して押し込むことが可能となり、これにより、前記セレーション噛合を解除して内外のガイド部材9、11を回動することができる。
内外のガイド部材9、11の回動に伴い、偏心ピンを構成するカムシャフト10は、図4(B)の状態から図4(A)の状態のように回動しつつ移動し、アンカブロック5を傾斜したガイド面3Hにより案内されて円滑にパッド部材6側に移動させることができる。これにより、アンカブロック5のストレート面5Aを適正位置にスライドしてセットされたパッド部材6におけるアンカプレート6Cの係止段部6Dに臨接させて、その抜出し方向(図面下方)への移動を阻止してパッド部材6のパッドホルダ3への装着が完了する。工具15の押し込みを開放することで、リターンスプリング8の復元力によりその位置での前記セレーション噛合がなされて外側ガイド部材11の回動阻止がなされるので、アンカブロック5が妄りに開放位置に戻ることがない。
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、ブレーキアームの形状、形式およびそのキャリパボディへの揺動軸支形態(全方向に自由度を有したもの等)、ブレーキアームへのパッドホルダの軸着形態(好適には、図2の実施例のように2か所にて軸着されるが、1か所でもよい)、パッドホルダの形状、形式、パッドホルダにおけるアリ溝の形状(好適には台形断面とされる、スライド方向以外に抜止め機能を有するなら、例えば、両側縁が円弧状等でもよい)、形式および該アリ溝へのパッド部材への軸方向へのスライド挿入形態、パッド部材における前記アリ溝に整合するアンカプレートの形状(断面は前記アリ溝の断面に整合する)、形式および係止段部の形成形態(実施例のようにアンカプレートの端面を係止段部とする他、アンカプレートに係合段部のための孔を穿設してもよいし、アンカプレートに段部を曲折形成してもよい)、傾斜部の傾斜角を含むアンカブロックの形状、形式、パッドホルダにおけるアンカブロックの受入れ部の受入れ形態(ブレーキトルクを負担することから、表面に耐摩耗処理を施してもよい)、偏心ピンを構成するカムシャフトの形状、形式およびそのアンカブロックのカム孔への嵌合形態(嵌合メタル等を介してもよい)、内外ガイド部材の形状(カムシャフト穴の偏心の程度等)、形式およびそれらのそれぞれの軸支部への装着形態、リターンスプリングの装着形態(好適には内側ガイド部材の奥部に配設されるが、アンカブロックと外側ガイド部材との間に介設することも可能である)、回動阻止部の形状、形式(好適には実施例のようなばね付勢された外側ガイド部材あるいは内側ガイド部材とパッドホルダの軸支部内周面との間のセレーション噛合によるが、ばね付勢を伴わない適宜の爪部材の係止や固定具によ固定を排除するものではない)等については適宜選定できる。実施例に記載の諸元はあらゆる点で単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。
本発明のワンタッチ式パッド装着機構の第1実施例を示すもので、アンカブロックの抜き差し状態斜視図および要部分解斜視図である。 本発明のワンタッチ式パッド装着機構が採用されたディスクブレーキ装置の全体側面図である。 図2のA−A断面図である。 図3の要部拡大図である。 従来のキャリパブレーキ装置の説明図である。
符号の説明
1 ブレーキアーム
3 パッドホルダ
3A 第1軸支部
3B 第2軸支部
3C 第3軸支部
3D 第1大径孔
3E 第1小径孔
3F 第2小径孔
3G セレーション部(回動阻止部)
4 ブレーキアーム軸
5 アンカブロック
5A ストレート面
5B ガイド面
5C カム孔
6 パッド部材
6A パッド
6B パッドプレート
6C アンカプレート
6D 係止段部
7 パッドホルダ軸
8 リターンスプリング
9 内側ガイド部材
9A カムシャフト穴
10 カムシャフト
11 外側ガイド部材
11A カムシャフト穴
11B セレーション部(回動阻止部)
11C 工具穴
12 留め輪
14 アリ溝
15 工具

Claims (4)

  1. ブレーキアームの下端部に軸着したパッドホルダにパッド部材を装着するパッド装着機構であって、前記パッドホルダに軸方向にスライドさせて装着したパッド部材の係止段部に、前記パッドホルダに支持されたアンカブロックを押圧係止して抜止めされるワンタッチ式パッド装着機構において、前記パッドホルダに装着された偏心ピンを構成するカムシャフトによって前記アンカブロックをパッド部材の係止段部に押圧係止させるとともに、前記アンカブロックとパッドホルダとの接触するガイド面を僅かに傾斜させたことを特徴とするワンタッチ式パッド装着機構。
  2. 前記偏心ピンを構成するカムシャフトは、前記アンカブロックを貫通して配設されるとともに、該アンカブロックを挟んで内外に配設された回動自在な一対のガイド部材間に渡設されるとともに、それらの回動を規制する回動阻止部を前記ガイド部材とパッドホルダ間に形成したことを特徴とする請求項1に記載のワンタッチ式パッド装着機構。
  3. 前記回動阻止部は、前記一対のガイド部材がカムシャフトを介して外側にばね付勢された際に、互いに噛合するセレーション部がいずれかのガイド部材の外周部とこれらのガイド部材を装着するパッドホルダの内周部との間に形成されたことを特徴とする請求項2に記載のワンタッチ式パッド装着機構。
  4. 前記一対のガイド部材をばね付勢に抗して内側に軸動させるとともに回動させることを可能にする工具用非円形部を外側ガイド部材の外側端面に刻設したことを特徴とする請求項2または3に記載のワンタッチ式パッド装着機構。
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