JP2010078017A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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彰治 赤佐
Hiroki Miyata
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Abstract

【課題】可動部材が、透孔内での配置位置に拘わらず、振動入力に伴って、スムーズに且つ全体が均一な量で移動可能とされた流体封入式防振装置を提供する。
【解決手段】第一の流体室50と第二の流体室52とを仕切る仕切部材34に対して、それら二つの流体室50,52を相互に連通可能な透孔36を設けて、該透孔36内に、可動部材56を、該二つの流体室50,52間において移動可能に配置した。そして、該可動部材56の外周面と透孔36の内周面のうちの少なくとも何れか一方に、可動部材56の移動方向に延びる複数の突条66を、周方向に間隔を開けて一体形成すると共に、それら複数の突条66の隣り合うもの同士の間に、溝部68を、突条66と同一方向に延びるように設けて構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体封入式防振装置に係り、特に、非圧縮性流体が封入された複数の液室を有し、それら複数の液室間での流体の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式防振装置の改良された構造に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体乃至は防振支持体の一種として、第一の取付部材と第二の取付部材とを本体ゴム弾性体で連結すると共に、この本体ゴム弾性体を壁部の一部として、非圧縮性流体が封入された第一の流体室を形成し、更に仕切部材を間にして、第一の流体室とは反対側に、非圧縮性流体が封入された第二の流体室を形成する一方、仕切部材に対して、それら第一及び第二の流体室を相互に連通可能な透孔を設け、そして、かかる透孔内において、第一の流体室と第二の流体室との対向方向に移動可能とされた可動部材を設け、且つその可動部材が第一の流体室側の第一の移動阻止位置と第二の流体室側の第二の移動阻止位置との間に限られた距離だけ移動せしめられ得るように構成すると共に、そのような第一及び第二の移動阻止位置に可動部材が到達したときに、それぞれ、可動部材が透孔を閉塞し得るように構成した流体封入式防振装置が、知られている。
また、そのように、可動部材が、仕切部材の透孔内で一定の距離だけ移動可能な状態で、仕切部材にてフローティング支持されてなる流体封入式防振装置には、一般に、仕切部材による可動部材の支持構造が互いに異なる二つのタイプがある。一つは、所謂収容タイプであって、別の一つは、所謂挟み込みタイプである。
収容タイプの流体封入式防振装置では、仕切部材に設けられた透孔の第一の流体室側の開口部と第二の流体室側の開口部とが閉塞部にてそれぞれ閉塞されて、仕切部材に、各閉塞部にて閉塞された透孔の内側空間からなる収容スペースが、形成されている。この収容スペースは、各閉塞部に設けられた連通孔のみにより、第一及び第二の各流体室に連通している。そして、かかる収容スペース内に、可動部材が、その外周面と透孔の内周面との間に環状の間隙(流路)を形成しつつ、第一の流体室と第二の流体室との対向方向(透孔の延出方向や仕切部材の厚さ方向に相当する方向)に移動可能に収容されている。かくして、可動部材が、仕切部材の二つの閉塞部に接触するまでの間に限って、第一及び第二の流体室の互いの対向方向への移動を許容された状態で、仕切部材にて支持されている(例えば、下記特許文献1参照)。
挟み込みタイプの流体封入式防振装置では、仕切部材に設けられた透孔の内周面と可動部材の外周面のうちの少なくとも何れか一方に、全周に連続して延びる周溝が設けられる一方、それらのうちの少なくとも何れか他方に、周溝の底面(可動部材の移動方向と直角な方向に向けて位置せしめられた面)、及び可動部材の移動方向両側に位置して互いに対向する周溝の二つの側面との間に、それぞれ隙間を開けた状態で、周溝内に突入可能な突入部が、周溝の全周に沿って連続して延びるように設けられている。そして、かかる突入部が、周溝内に突入して、それら突入部の先端面と周溝の底面との間に環状の間隙(流路)を形成しつつ、周溝の互いに対向する二つの側面(側壁部)にて挟み込まれるように配置されている。これにより、突入部が周溝の二つの側面に接触するまでの間に限って、可動部材が、第一及び第二の流体室の互いの対向方向への移動を許容された状態で、仕切部材にて支持されている(例えば、下記特許文献2及び3参照)。
このような流体封入式防振装置は、収容タイプと挟み込みタイプの何れのタイプにあっても、仕切部材にて、一定の距離だけ移動可能にフローティング支持された可動部材の振動の入力による移動と、かかる可動板の移動に伴って、透孔を通じて第一の流体室と第二の流体室との間を流通する流体の流動作用とに基づいて、ゴム弾性体だけでは得られ難い防振効果を容易に得ることが出来る。そのため、かかる流体封入式防振装置が、例えば自動車用エンジンマウントやボデーマウント等として、使用されている。
ところが、本発明者が、かくの如き従来の流体封入式防振装置の構造について、様々な角度から検討を加えたところ、以下の如き問題が内在することが、判明した。
すなわち、従来の流体封入式防振装置では、収容タイプと挟み込みタイプの何れのタイプにあっても、仕切部材にてフローティング支持された可動部材が、第一及び第二の流体室の互いの対向方向に移動するだけでなく、そのような移動方向とは直角な方向、つまり、可動部材の透孔内に位置する部分の外周面と透孔の内周面との対向方向への変位も許容されるようになっている。それ故、振動の入力時に、何等かの理由で、可動部材が、第一及び第二の流体室の互いの対向方向とは直角な方向に変位したときには、可動部材の外周面の周方向の一部が、透孔の内周面に接触し、そのために、可動部材の外周面と透孔の内周面との間(挟み込みタイプのものでは、突入部の先端面と周溝の底面との間)に形成される環状の間隙(流路)が、その周方向の一部において閉塞状態となり、その結果、かかる環状間隙を通じて、第一の流体室と第二の流体室との間を流動せしめられる非圧縮性流体の流動量が、環状間隙の周方向において不均一となってしまう場合があった。そして、そうなった場合には、流量の大きな環状間隙部分に位置する(かかる環状間隙部分を形成する)可動部材部分と、流量の小さな環状間隙部分に位置する(かかる環状間隙部分を形成する)、別の可動部材部分との間で、振動入力に伴う移動量に差異が生ずるようになり、それによって、第一及び第二の流体室の互いの対向方向への可動部材全体のスムーズな移動が阻害され、その結果、防振特性が不安定となったり、或いは所望の防振特性を得ることが困難となったりする等の問題が生ずる恐れがあったのである。
特開2006−250281号公報 特公平3−79580号公報 特開2006−144983号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、仕切部材の透孔内に挿入位置せしめられた可動部材が、第一の流体室と第二の流体室の互いの対向方向に一定の距離だけ移動可能な状態で、仕切部材にてフローティング支持されてなる流体封入式防振装置において、可動部材が、透孔内で、第一及び第二の流体室の互いの対向方向とは直角な方向の如何なる位置にあっても、振動入力に伴って、かかる対向方向に、スムーズに且つ部分的にバラツキのない均一な移動量で移動せしめられ、以て、所望の防振特性が安定的に発揮され得るように改良された構造を提供することにある。
そして、本発明にあっては、上記した課題、又は本明細書全体の記載や図面から把握される課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組み合わせにおいても、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載並びに図面に開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
(1) 第一の取付部材と第二の取付部材とを本体ゴム弾性体で連結すると共に、該本体ゴム弾性体を壁部の一部として、非圧縮性流体が封入された第一の流体室を形成し、更に仕切部材を間にして、該第一の流体室とは反対側に、非圧縮性流体が封入された第二の流体室を形成する一方、該仕切部材に対して、それら第一及び第二の流体室を相互に連通可能な透孔を設け、そして、該透孔内において、該第一の流体室と該第二の流体室との対向方向に移動可能とされた可動部材を設け、且つ該可動部材が該第一の流体室側の第一の移動阻止位置と該第二の流体室側の第二の移動阻止位置との間の限られた距離だけ移動せしめられ得るように構成すると共に、該可動部材が、かかる第一及び第二の移動阻止位置に到達したときに、それぞれ、該可動部材が、該透孔を閉塞し得るように構成した流体封入式防振装置において、前記可動部材の前記透孔内に位置する部分の外周面と、それに対向する該透孔の内周面のうちの少なくとも何れか一方に対して、それらのうちの少なくとも何れか他方にまで達しない高さで突出し、且つ該可動部材の移動方向に延びる突条の複数を、互いに周方向に所定の間隔を隔てて一体形成すると共に、それら複数の突条が設けられた該可動部材の外周面及び/又は該透孔の内周面における該複数の突条のうちの周方向に互いに隣り合うもの同士の間に、該突条の先端面が該可動部材の外周面及び/又は該透孔の内周面と接触した状態下でも、前記非圧縮性流体が流動可能とされた溝部を、該突条と同じ方向に延びるように、設けたことを特徴とする流体封入式防振装置。
(2) 前記突条が、先端に向かうに従って次第に狭幅となる先細り形状を有している上記態様(1)に記載の流体封入式防振装置。
(3) 前記可動部材が、ゴム弾性体にて形成されている上記態様(1)又は(2)に記載の流体封入式防振装置。
(4) 前記仕切部材に対して、前記第一の流体室と前記第二の流体室とを連通するオリフィス通路が設けられている上記態様(1)乃至(3)のうちの何れか一つに記載の流体封入式防振装置。
(5) 前記可動部材の前記透孔内に位置する部分の外周面と、それに対向する該透孔の内周面のうちの少なくとも何れか一方に、全周に連続して延びる周溝が設けられる一方、それらのうちの少なくとも何れか他方に、該周溝の底面及び該可動部材の前記移動方向両側に位置して、互いに対向する二つの側面との間にそれぞれ隙間を開けた状態で、該周溝内に突入位置せしめられる突入部が、該周溝の全周に沿って連続して延びるように設けられ、更に、該可動部材の移動により、該突入部が、該周溝の二つの側面のうちの前記第一の流体室側に位置する側面に接触する位置が、該可動部材の前記第一の移動阻止位置とされる一方、該突入部が、該周溝の二つの側面のうちの前記第二の流体室側に位置する側面に接触する位置が、該可動部材の前記第二の移動阻止位置とされている上記態様(1)乃至(4)のうちの何れか一つに記載の流体封入式防振装置。
(6) 前記周溝の互いに対向する前記二つの側面のうちの一方の側面が、それらのうちの他方の側面側に向かって次第に小径となる第一テーパ面とされている一方、該他方の側面が、該一方の側面側に向かって次第に小径となる第二テーパ面とされており、更に、前記突入部の前記二つの側面のうち、前記可動部材の移動により該周溝の該第一テーパ面と接触する一方の側面が、該第一テーパ面に対応したテーパ形状を有する第三テーパ面とされている一方、前記可動部材の移動により該周溝の該第二テーパ面と接触する他方の側面が、該第二テーパ面に対応したテーパ形状を有する第四テーパ面とされている上記態様(5)に記載の流体封入式防振装置。
(7) 前記透孔における前記第一の流体室への開口部と前記第二の流体室への開口部のそれぞれの内周面部分と、それら二つの内周面部分にそれぞれ対向位置する前記可動部材の二つの外周面部分との間のそれぞれの距離の最小値が、該透孔の内周面と該可動部材の外周面に設けられて互いに対向位置する前記周溝の底面と前記突入部の先端面との間の距離の最小値よりも大なる大きさとされている上記態様(5)又は(6)に記載の流体封入式防振装置。
(8) 前記複数の突条と前記複数の溝部とが、前記透孔の内周面及び/又は前記可動部材の外周面における前記周溝の底面と前記突入部の先端面のうちの何れか一方のみ、或いはそれら周溝の底面と突入部の先端面の両方のみに形成されている上記態様(5)乃至(7)のうちの何れか一つに記載の流体封入式防振装置。
(9) 前記仕切部材が、ゴム弾性体にて形成されている上記態様(1)乃至(8)のうちの何れか一つに記載の流体封入式防振装置。
(10) 前記ゴム弾性体にて形成された仕切部材の内部に、該仕切部材の外周面を該仕切部材の中心部に向かって押圧する作用力に対する強度を高めるための補強部材が埋設されている上記態様(9)に記載の流体封入式防振装置。
すなわち、本発明に従う流体封入式防振装置にあっては、可動部材が、透孔内において、その移動方向たる第一の流体室と第二の流体室との対向方向(透孔の延出方向や仕切部材の厚さ方向等に相当する方向)に対して直角な方向に変位した際に、可動部材の透孔内に位置する部分の外周面と透孔の内周面の少なくとも何れか一方に設けられた複数の突条の先端面が、かかる先端面と対向位置する透孔の内周面と可動部材の外周面のうちの少なくとも何れか一方と接触する。それによって、それら可動部材の外周面と透孔の内周面とが、何れも、凹凸のない平滑面とされている場合に比して、可動部材の上記対向方向に直角な方向への変位時における、透孔の内周面に対する可動部材の外周面の接触面積が、十分に小さくされる。以て、可動部材が、第一及び第二の流体室の互いの対向方向に直角な方向への変位により、外周面の一部を透孔の内周面に接触させた状態で、かかる対向方向に、透孔内を移動する際において、透孔の内周面に対する可動部材の摺動抵抗が、可及的に小さくされ得る。
しかも、可動部材の外周面の一部が透孔の内周面に接触した際にあっても、それらの接触部分において、可動部材の外周面や透孔の内周面に設けられた複数の突条の周方向に隣り合うもの同士の間に形成された溝部を通じて、流体の流動が許容される。そのため、第一及び第二の流体室の互いの対向方向に直角な方向への可動部材の変位により、可動部材の外周面の周方向の一部が透孔の内周面に接触することがあっても、透孔内において可動部材の外周面と透孔の内周面との間に形成される環状の間隙(流路)が、その周方向の一部において閉塞状態となることが回避される。そして、それによって、かかる環状間隙を通じて第一の流体室と第二の流体室との間を流動せしめられる非圧縮性流体の流動量が、環状間隙の周方向において大きくばらつくことなく、可及的に均一化され得る。
加えて、突条の先端面と、それに対向位置する透孔の内周面や可動部材の外周面との間の距離が十分に小さくなるように、突条の突出高さを設定すれば、第一及び第二の流体室の互いの対向方向に対して直角な方向における、透孔内での可動部材のガタツキも十分に小さくされる。その結果、かかる対向方向に直角な方向に可動部材が変位したときに、突条の先端面が透孔の内周面や可動部材の外周面に接触している環状間隙部分の部分流路断面積と、突条の先端面が透孔の内周面や可動部材の外周面に接触していない環状間隙部分の部分流路断面積との差が可及的に小さくされ得る。そして、これによっても、環状間隙を通じて流動せしめられる流体の流動量が、環状間隙の周方向において大きくばらつくことなく、可及的に均一化され得る。
それ故、本発明装置では、環状間隙の周方向での流体の流動量のバラツキに起因して、流動量の大なる間隙部分に位置する(形成する)可動部材部分と、流動量が小なる間隙部分に位置する(形成する)可動部材部分との間で、第一及び第二の流体室の互いの対向方向への移動量に差異が生ずることが、効果的に抑制乃至は防止され得る。
従って、かくの如き本発明に従う流体封入式防振装置にあっては、可動部材が、透孔内で、第一流体室と第二の流体室との対向方向とは直角な方向の如何なる位置にあっても、振動入力時に、可動部材が、第一及び第二の流体室の互いの対向方向に、スムーズに且つ部分的にバラツキのない均一な移動量で移動せしめられ得る。そして、その結果として、所望の防振特性が、極めて安定的に発揮され得ることとなるのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウントが、その縦断面形態において示されている。かかる図1から明らかなように、本実施形態のエンジンマウントは、第一の取付部材としての第一の取付金具10と、第二の取付部材としての第二の取付金具12とを備えており、それら第一の取付金具10と第二の取付金具12とが、上下方向に互いに離間配置されて、本体ゴム弾性体14により弾性的に連結されて、構成されている。
そして、例えば、第一の取付金具10が自動車のパワーユニットに取り付けられる一方、第二の取付金具12が自動車のボデーに取り付けられることにより、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようになっている。また、そのような装着状態下では、パワーユニット重量が及ぼされることにより、本体ゴム弾性体14が弾性変形して、第一の取付金具10と第二の取付金具12が相互に接近位置せしめられる。そして、かかる装着状態下、防振すべき主たる振動が、第一の取付金具10と第二の取付金具12の接近乃至離隔方向(マウント中心軸である図1中の略上下方向)に入力されることとなる。なお、以下の説明中、上下方向とは、原則として、図1中の上下方向を言うこととする。
より詳細には、第一の取付金具10は、略円柱形状を呈し、その中央部には、上面において開口する雌ねじ穴16が設けられている。そして、この雌ねじ孔16に、図示しないパワーユニットのブラケット等に挿通された取付ボルト等が螺入されることによって、第一の取付金具10が、パワーユニットに固定的に取り付けられるようになっている。
一方、第二の取付金具12は、図1及び図2から明らかなように、全体として、軸方向中間部に段差部18が設けられて、上部側が下部側よりも大径の略段付の円筒形状を呈し、かかる段差部18よりも上部側部分が大径部20とされている一方、段差部18よりも下側部分が小径部22とされている。そして、そのような第二の取付金具12の略中心軸上において、第一の取付金具10が、第二の取付金具12の大径部20の上方に離間して配設されており、また、それら第一の取付金具10と第二の取付金具12の大径部20との間に、本体ゴム弾性体14が介装されている。
この本体ゴム弾性体14は、全体として、大径の略円錐台形状を呈しており、大径側端面において下方に開口する凹所24を有して、構成されている。そして、かかる本体ゴム弾性体14にあっては、その小径側端部に、第一の取付金具10が、その上端部を除いて、かかる小径側端部内に埋め込まれた状態で、加硫接着されている一方、凹所24を取り囲む大径側端面に対して、第二の取付金具12の大径部20が、その内周面において加硫接着されている。要するに、本体ゴム弾性体14は、第一の取付金具10と第二の取付金具12を備えた一体加硫成形品として形成されている。これによって、第二の取付金具12(大径部20)の上側開口部が、本体ゴム弾性体14によって流体密に覆蓋されているのである。なお、第二の取付金具12の小径部22の内周面には、その略全面を覆うシールゴム層26が、本体ゴム弾性体14と一体的に形成されている。
一方、第二の取付金具12の小径部22の下側開口部には、取付リング28が、配置されている。この取付リング28は、小径部22の内径よりも所定寸法小さな外径を有する高さの低い円筒形状乃至は円環形状を呈している。そして、かかる取付リング28の内側に、可撓性膜としてのゴム薄膜からなるダイヤフラム30が、取付リング28の内孔の全体を覆うように配設されている。このダイヤフラム30は、変形容易なように弛みを持たせた薄肉円板形状を有しており、外周縁部において、取付リング28の内周面に加硫接着されている。つまり、ダイヤフラム30が、その外周縁部に取付リング28が加硫接着された一体加硫成形品として構成されているのである。
そして、このような取付リング28が、第二の取付金具12の小径部22の下側開口部内に、第二の取付金具12と同軸的に位置せしめられており、例えば、かかる小径部22に対する縮径加工等が施されることによって、第二の取付金具12に対して嵌着固定されている。また、そのような固定状態下において、第二の取付金具12の小径部22の内周面に固着された前記シールゴム層26にて、第二の取付金具12の小径部22の内周面と取付リング28の外周面との間が液密にシールされている。
これによって、第二の取付金具12(小径部22)の下側開口部が、取付リング28とその内孔を閉塞するダイヤフラム30とによって液密に覆蓋されており、以て、第二の取付金具12の上下両側(軸方向両側)を覆蓋する本体ゴム弾性体14とダイヤフラム30の対向面間において、非圧縮性流体が封入された流体室32が形成されている。なお、封入流体としては、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等が採用されるが、特に後述する流体の共振作用に基づく防振効果を有利に得るために、本実施形態では、0.1Pa・s以下の低粘性流体が好適に採用される。
また、第二の取付金具12の内部(小径部22の内部)には、仕切部材34が収容配置されており、流体室32中に組み付けられている。この仕切部材34は、例えば、NR系、天然ゴムとスチレン・ブタジエンゴムとをブレンドしたNR/SBR系、天然ゴムとブタジエンゴムとをブレンドしたNR/BR系等のゴム材料を用いて加硫成形されたゴム弾性体からなる単一体にて、構成されている。
そして、図3及び図4に示されるように、かかる仕切部材34においては、その中心部に、透孔36が、厚さ方向に貫通して設けられ、それにより、仕切部材34の全体形状が、略厚肉の円環板形状とされている。この仕切部材34に設けられた透孔36は、仕切部材34の径の略2/3程度の内径を有する円形状を呈している。また、そのような透孔36の両側開口側の内周面部分は、平滑な円筒面とされている一方、透孔36の長さ方向(仕切部材34の厚さ方向)の中央部の内周面には、透孔36の内径の略半分程度の一定の高さで突出し且つ周方向に連続して延びる、円環板状の内フランジ部38が、一体形成されている。
この内フランジ部38は、図1から明らかなように、縦断面形状が略台形状とされて、基部側の厚さが仕切部材34の略1/3程度とされた上で、先端に向かうに従って次第に薄肉化されている。これによって、内フランジ部38の下面が、上方に向かって(内フランジ部38の上面側に向かって)次第に小径となるテーパ面形状を呈する、第三テーパ面としてのテーパ状第一接触面40とされている。一方、内フランジ部38の上面が、下方に向かって(内フランジ部38の下面側に向かって)次第に小径となるテーパ面形状を呈する、第四テーパ面としてのテーパ状第二接触面42とされている。
また、図1、図3及び図4に示されるように、内フランジ部38の外周面の厚さ方向中央部には、断面矩形状を有して、側方に向かって開口するオリフィス形成溝44が、1周に満たない長さで形成されている。このオリフィス形成溝44は、周方向の一端部において、かかる一端部の上側側壁部分に設けられた上側切欠部46を通じて、上方に向かって開口せしめられている。また、周方向の他端部において、かかる他端部の下側側壁部分に設けられた下側切欠部48を通じて、下方に向かって開口せしめられている。
そして、図1に示されるように、かくの如き構造とされた仕切部材34が、流体室32内において、軸直角方向に広がり、且つ透孔36を上下方向に真っ直ぐに延出させた状態で、第二の取付金具12(小径部22)に固定されており、それによって、流体室32が、仕切部材34を挟んだ上下両側に仕切られている。
かくして、仕切部材34の上側には、本体ゴム弾性体14の前記凹所24の内側空間からなり、壁部の一部が本体ゴム弾性体14にて構成された、第一の流体室としての受圧室50が形成されている一方、仕切部材34の下側には、壁部の一部がダイヤフラム30で構成された、第二の流体室としての平衡室52が形成されている。即ち、受圧室50は、振動入力時に本体ゴム弾性体14の弾性変形に伴って振動が入力されて内圧変動が生ぜしめられるようになっている一方、平衡室52は、ダイヤフラム30の変形に基づいて容易に容積変化が許容されて、内圧変化が吸収されるようになっている。そして、それら受圧室50と平衡室52とが、仕切部材34の中央に設けられた透孔36を通じて、相互に連通せしめられている。
なお、仕切部材34も、前記取付リング28と同様に、第二の取付金具12の小径部22内に、第二の取付金具12と同軸的に位置せしめられた状態下で、例えば、かかる小径部22に対する縮径加工等が施されることによって、第二の取付金具12に対して嵌着固定されている。そして、そのような固定状態下において、第二の取付金具12の小径部22の内周面に固着された前記シールゴム層26にて、第二の取付金具12の小径部22の内周面と仕切部材34の外周面との間が液密にシールされている。
これによって、仕切部材34の外周面に周設されたオリフィス形成溝44の側方への開口部が、シールゴム層26にて閉塞せしめられ、以て、このオリフィス形成溝44にて、オリフィス通路54が形成されている。このオリフィス通路54は、オリフィス形成溝44を仕切部材34の上方と下方とに向かってそれぞれ開口せしめる上側切欠部46と下側切欠部48とを通じて、周方向(長さ方向)の一端部と他端部とにおいて、受圧室50と平衡室52とに、それぞれ開口せしめられている。つまり、上側切欠部46が、オリフィス通路54の受圧室50への連通孔とされる一方、下側切欠部48が、オリフィス通路54の平衡室52側への連通孔とされて、それら二つの連通孔を通じて、オリフィス通路54が、受圧室50と平衡室52とを相互に連通せしめている。
そして、そのような仕切部材34の透孔36内には、可動部材56が、収容位置せしめられている。この可動部材56は、例えば、仕切部材34の形成材料と同一のゴム材料を用いて加硫成形されたゴム弾性体からなる非分割の単一体にて、構成されている。そして、図1、図5及び図6から明らかなように、かかる可動部材56が、全体として、仕切部材34の厚さと略同一の高さ(厚さ)と、透孔36の内径よりも所定寸法小さな外径とを有する円柱形状乃至は厚肉の円板形状を呈している。また、この可動部材56においては、軸方向両側端部の外周面部分が、それぞれ平滑な円筒面とされている一方、軸方向中央部の外周面には、全周に亘って、周方向に連続して延びる周溝58が、設けられている。
この周溝58は、円筒形状を呈する底面59と、可動部材56の高さ方向において互いに対向する二つの側面とを有している。そして、それら二つの側面のうちの下側に位置する一方の側面が、それらのうちの上側に位置する他方の側面側に向かって(可動部材56の厚さ方向の中心に向かって)次第に小径となるテーパ面形状を呈する、第一テーパ面としてのテーパ状第一接触面60とされている一方、かかる他方の側面が、一方の側面たるテーパ状第一接触面60側に向かって(可動部材56の厚さ方向の中心に向かって)次第に小径となるテーパ面形状を呈する、第二テーパ面としてのテーパ状第二接触面62とされている。
そして、本実施形態では、かかる周溝58のテーパ状第一接触面60と、前記仕切部材34の透孔36の内周面に一体形成された内フランジ部38のテーパ状第一接触面40とが、互いに略同一のテーパ角度を有する、相互に対応したテーパ面形状を呈しており、また、周溝58のテーパ状第二接触面62と、内フランジ部38のテーパ状第二接触面42とが、互いに略同一のテーパ角度を有する、相互に対応したテーパ面形状を呈している。更に、周溝58の最小の溝幅(底面59側の溝幅)が、内フランジ部38の最小厚さ(先端側の厚さ)よりも大きく、且つ周溝58の最大の溝幅(開口側の溝幅)が、内フランジ部38の最大厚さ(基部側の厚さ)よりも大きな寸法とされており、周溝58の深さが、透孔36の内周面からの内フランジ部38の突出高さよりも大きくされている。
換言すれば、可動部材56は、円環板形状を呈する内フランジ部38の内径よりも小さな外径と、仕切部材34の透孔36の軸方向長さ(延出長さ)と略同一の高さを有する円柱状を呈し、その上端部と下端部とに、透孔36の内径よりも所定寸法小さな外径を有する円環板状の外フランジ部64,64が、一体形成されて、成っている。また、それら二つの外フランジ部64,64の互いに対向する側面が、それぞれ、テーパ状第一接触面60とテーパ状第二接触面62とされており、更に、各外フランジ部64にて、周溝58の二つの側壁部が、それぞれ構成されているのである。
そして、図5及び図6から明らかなように、かかる可動部材56のうち、各外フランジ部64の外周面が、平滑な円筒面とされると共に、周溝58の二つの側面が、前記せるように、テーパ状第一接触面60とテーパ状第二接触面62とからなる平滑なテーパ面とされているものの、周溝58の底面59が、複数の突条66と複数の溝部68とが周方向に交互に設けられた凹凸のある円筒面とされている。
すなわち、ここでは、可動部材56の周溝58の底面だけに、周溝58の幅方向(可動部材56の高さ方向で、図5中の上下方向)において、その全幅に亘って連続して延びる突条66が、周方向に等間隔を隔てて、複数個(ここでは8個)一体形成されていると共に、かかる周溝58の底面59における周方向に互いに隣り合う突条66同士の間のみに、それらの突条66を側壁部とする溝部68が、周溝58の幅方向において、その全幅に亘って連続して延びるように、形成されている。かかる溝部68は、周溝58の底面59に対して、それに形成された突条66の数と同一の数(ここでは8個)だけ設けられている。
複数の突条66は、何れも、横断面が、互いの同一の山形状を呈し、全体として、先端に向かうに従って次第に狭幅となる先細り形状とされており、その先端面が、凸状湾曲面とされている。そして、それら各突条66においては、図1に示される如く、可動部材56が仕切部材34の透孔36内に同軸的に位置するように収容された状態下で、各突条66の先端面が仕切部材34の内フランジ部38の内周面に接触しない高さとなるように、周溝58の底面59からの各突条66の最大突出高さ(図6において、hにて示される寸法)が、設定されている。一方、そのような突条66の互いに隣り合うもの同士の間に形成される溝部68は、何れも、横断面が円弧面形状を呈している。
そして、図1に示されるように、仕切部材34の内フランジ部38が、可動部材56の周溝58内に突入せしめられた状態で、可動部材56の全体が、仕切部材34の透孔36内に挿入されて、透孔36の延出方向に移動可能に収容位置せしめられている。また、この可動部材56が透孔36内に収容された仕切部材34が、前述せる如く、流体室32を受圧室50と平衡室52とに仕切るようにして、第二の取付金具12の小径部22内に固定されている。このことから明らかなように、本実施形態では、内フランジ部38にて突入部が構成されている。
なお、可動部材56を仕切部材34の透孔36内に収容させる操作は、例えば、可動部材56の外フランジ部64や透孔36の内周面に設けられた内フランジ部38を、可動部材56の透孔36内への挿入方向やその反対側方向に撓み変形乃至は弾性変形させつつ、可動部材56を透孔36内に押し込むことによって行われる。然るに、可動部材56の外フランジ部64や仕切部材34の内フランジ部38の突出高さや厚さが大きい等の理由により、可動部材56の透孔36内への押込みが困難な場合には、例えば、可動部材56を、上下二つに分割した分割構造としたり、或いは仕切部材34を径方向に複数に分割した分割構造として、それら可動部材56や仕切部材34の少なくとも何れか一方を分割した状態で、可動部材56を仕切部材34の透孔36内に挿入した後、分割された可動部材や仕切部材34をそれぞれ組み付ける操作を行うようにしても良い。
そして、かかる本実施形態のエンジンマウントでは、前述せるように、可動部材56の周溝58の幅及び深さが、仕切部材34の内フランジ部38の厚さ及び高さよりも大きくされ、且つ周溝58の底面59に一体形成された複数の突条66の突出高さ:hが、周溝58の底面から内フランジ部38の先端面までの距離よりも小さな高さに制限されている。また、図1から明らかなように、可動部材56が、透孔36に対して同軸的に位置せしめられた状態下において、透孔36の受圧室50や平衡室52への開口部の内周面部分と、それに対向位置する、可動部材56の外フランジ部64,64の外周面との間の距離:D1 が、透孔36の内周面に設けられた内フランジ部38の先端面と、それに対向位置する、周溝58の底面59に設けられた複数の突条66の各先端面との間の距離:D2 よりも大なる大きさとされている。
かくして、ここでは、可動部材56が、流体室32内に固定された仕切部材34の透孔36内に収容された状態下において、可動部材56の周溝58の底面59及びそれに設けられる複数の突条66のそれぞれの先端面と、仕切部材34の内フランジ部38の先端面との間や、かかる周溝58の二つの側面からなるテーパ状第一接触面60及びテーパ状第二接触面62と、内フランジ部38の二つの側面からなるテーパ状第一接触面40及びテーパ状第二接触面42との間に、それぞれ隙間が形成されている。
また、それによって、透孔36の内周面と可動部材56の外周面との間に、透孔36の延出方向に延びる環状流路70が形成されている。以て、受圧室50と平衡室52とが、前記せる仕切部材34の外周部に設けられたオリフィス通路54に加えて、透孔36内の環状流路70によっても、相互に連通せしめられている。そうして、受圧室50と平衡室52との間での流体流動が、それらオリフィス通路54と環状流路70とを通じて、許容されるようになっているのである。
そして、本実施形態においては、オリフィス通路54が、エンジンシェイク等の低周波数域にチューニングされており、以て、エンジンシェイク等の低周波大振幅振動が入力された際に、オリフィス通路54を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づいて有効な防振効果が発揮されるようになっている。
なお、その際、可動部材56は、受圧室50と平衡室52との間の内圧差に基づいて、仕切部材34の透孔36内において、平衡室52側や受圧室50側(下方や上方)に移動せしめられて、図7及び図8に示されるように、可動部材56の周溝58のテーパ状第二接触面62の全周が、仕切部材34の内フランジ部38のテーパ状第二接触面42の全周に接触せしめられるか、又は可動部材56の周溝58のテーパ状第一接触面60の全周が、仕切部材34の内フランジ部38のテーパ状第一接触面40の全周に接触せしめられるようになる。これにより、可動部材56の透孔36内での移動が規制されると共に、透孔36が、可動部材56(二つの外フランジ部64,64)にて閉塞せしめられて、透孔36を通じての受圧室50と平衡室52との間での実質的な流体流動が阻止され、以て、オリフィス通路54を通じての流体流動作用に基づく防振効果が、より有効に発揮され得るようになっている。
また、ここでは、仕切部材34の透孔36内に形成される環状流路70が、オリフィス通路54のチューニング周波数よりも高周波数域にチューニングされている。これによって、走行こもり音等の高周波小振幅振動が入力された際には、オリフィス通路54の流動抵抗が著しい増大に伴って、オリフィス通路54が実質的に閉塞せしめられる一方で、透孔36内の可動部材56が、可動部材56の周溝58の第一テーパ状接触面60と第二テーパ状接触面62とを、それらに対向する仕切部材56の内フランジ部38の第一テーパ状接触面40と第二テーパ状接触面42とに接触させるまでの限られた小さな移動量で移動せしめられ、このとき、そのような可動部材56の上下移動(微振動)に伴う受圧室50の容積変動と、環状流路70を通じて、受圧室50と平衡室52との間を流動せしめられる流体の流動作用とに基づいて、有効な防振効果が発揮されるようになっている。なお、本実施形態では、可動部材56の外フランジ部64の外周面と透孔36の受圧室50側及び平衡室52側への各開口部の内周面部分との間に位置する環状流路70部分の流路断面積と、可動部材56の周溝58の底面59と透孔36の内周面に一体形成された内フランジ部38の先端面との間に位置する環状流路部分70部分の流路断面積が、互いに同一の大きさとなるように、前記溝部68の深さや円弧面形状が設定されている。それによって、環状流路70のチューニングが容易となっている。
かくして、本実施形態のエンジンマウントにおいては、エンジンシェイク等の低周波大振幅振動と走行こもり音等の高周波小振幅振動のそれぞれの入力時において、有効な防振効果が、何れも有利に発揮されるようになっているのである。
ここで、そのような振動入力時には、可動部材56が、上下方向(透孔36の長さ方向、或いは仕切部材34を間に挟んで上下に位置する受圧室50と平衡室52の互いの対向方向)に対して直角な水平方向に変位して、可動部材56の外周面が、透孔36の内周面に接触(当接)する場合がある。このとき、本実施形態のエンジンマウントでは、図9に示されるように、可動部材56の周溝58の底面59に設けられた突条66の幾つか(ここでは二つ)が、それぞれの先端面のみにおいて、透孔36の内周面に設けられた内フランジ部38の先端面に接触する。
このため、例えば、それぞれ、平滑な円筒面からなる、可動部材の外周面と透孔の内周面との間に、透孔内での流体流動を許容させる環状流路が設けられる場合に比して、可動部材56の水平方向への変位時における、透孔36の内周面に対する可動部材56の外周面の接触面積が、十分に小さくされる。そして、それによって、可動部材56が、その外周面を透孔36の内周面に接触させた状態で、振動入力により上下方向に移動せしめられる際に、透孔36の内周面と可動部材56の外周面との間に生ずる摺動抵抗が可及的に小さくされ、以て、可動部位56の上下方向へのスムーズな移動が可及的に確保され得る。
しかも、本実施形態のエンジンマウントにおいては、可動部材56の周溝58に設けられた複数の突条66の互いに隣り合うもの同士の間に、溝部68がそれぞれ形成されているところから、可動部材56が水平方向に変位して、突条66の幾つかが、透孔36の内周面に設けられた内フランジ部38の先端面に接触した際にも、それら内フランジ部38の先端面に接触した突条66と突条66との間に位置する溝部68を通じて、流体の流動が確保される。また、前記せるように、突条66の先端面と内フランジ部38の先端面との間の距離:D2 よりも、透孔36の受圧室50側や平衡室52側への各開口部の内周面部分と可動部材56の外フランジ部64の外周面との間の距離:D1 が大きくされているため、内フランジ部38の先端面に対する突条66の接触時にも、可動部材56の外フランジ部64の外周面が、透孔36の受圧室50側や平衡室52側への各開口部の内周面部分に接触することがなく、それらの間に位置する環状流路70部分を通じての流体の流動が許容される。
その上、上記の距離:D2 が小さな大きさに設定されているため、突条66が内フランジ部38に接触するまでの可動部材56の水平方向への変位量が、可及的に小さくされている。これによって、突条66の先端面が内フランジ部38の先端面に接触している環状流路70部分の部分流路断面積と、突条66の先端面が内フランジ部38の先端面に接触していない環状流路70部分の部分流路断面積との差が可及的に小さくされ得る。
それ故、可動部材56の水平方向への変位により、突条66が内フランジ部38の先端面に接触した際にも、受圧室50と平衡室52との間での環状流路70を通じての流体流動が、環状流路70の全周に亘って十分に確保され得るだけでなく、その流動量が、環状流路70の周方向において大きくばらつくことなく、可及的に均一化され得る。そして、それによって、環状流路70の周方向での流体の流動量のバラツキが原因で、例えば、可動部材56が傾く等した状態で、流動量の大なる環状流路70部分に位置する(形成する)可動部材56部分が、流動量が小なる環状流路70部分に位置する(形成する)可動部材56部分よりも大きく移動するようになることが、効果的に防止され得る。
従って、かくの如き本実施形態のエンジンマウントにあっては、振動入力時に、可動部材が、透孔56内での水平方向の如何なる位置にあっても、上下方向にスムーズに且つ部分的にバラツキのない均一な移動量で移動せしめられ得る。そして、その結果として、所望の防振特性が、極めて安定的に発揮され得ることとなるのである。
また、かかるエンジンマウントにおいては、可動部材56の周溝58の底面59に設けられた複数の突条66が、何れも、山形状の横断面形状を有して、先端に向かうに従って次第に狭幅となる先細り形状とされているところから、先端面の面積が可及的に小さくされている。そして、それによって、透孔36内での可動部材56の水平方向への変位により、透孔36の内周面に設けられた内フランジ部38の先端面と接触した際における内フランジ部38との接触面積が有利に小さくされ、以て、可動部材56が、その外周面を透孔36の内周面に接触させた状態でも、振動入力による上下方向へのスムーズな移動が、より有利に確保され得る。
さらに、本実施形態のエンジンマウントにおいては、可動部材56の外周面に設けられた周溝58内に、仕切部材34の透孔36の内周面に一体形成された内フランジ部38が突入せしめられた状態で、可動部材56が透孔36内に収容配置されている。そして、周溝58の二つの側面が、内フランジ部38に接触することで、可動部材56の上下方向への移動が、一定の距離において阻止されるようになっている。それ故、例えば、可動部材の上下方向への移動を一定の距離の間で阻止するための部位や部材が、仕切部材に対して、透孔の内周面とは別の箇所に設けられる場合に比して、かかる部位や部材の形成による仕切部材の大型化が、有利に回避され得る。
また、かかるエンジンマウントでは、仕切部材34の透孔36の内周面に一体的に突設された内フランジ部38の全体形状が、突出先端側部位よりも基部側部位が厚肉とされて、先端に向かって次第に薄肉化する円環板形状とされているところから、例えば、かかる内フランジ部38が、突出先端側部位と基部側部位とが同一の厚さとされた全体形状や、突出先端側部位よりも基部側部位が薄肉とされた全体形状を有する場合に比して、内フランジ部38の強度が有利に高められ、それによって、仕切部材34、ひいてはエンジンマウント全体の耐久性の向上が、有利に図られ得る。
さらに、可動部材56の周溝58の二つの側面が前記せる如きテーパ面形状とされていることで、かかる可動部材56の外フランジ部64も、突出先端側部位よりも基部側部位が厚肉とされて、先端に向かって次第に薄肉化する円環板形状とされている。このため、可動部材56の外フランジ部64、更には可動部材56の全体の強度が有利に高められ、また、これによっても、エンジンマウント全体の耐久性の向上が、効果的に図られ得る。
更にまた、かかるエンジンマウントでは、内フランジ部38のテーパ状第一接触面40及びテーパ状第二接触面42と、それら接触する、可動部材56の周溝58のテーパ状第一接触面60及びテーパ状第二接触面62とが、互いに接触するもの同士において、相互に対応したテーパ面形状とされているところから、可動部材56の移動に伴って、それらテーパ状第一接触面40,60同士やテーパ状第二接触面42,62同士が、それぞれ、接触せしめられたときに、互いに摺動せしめられることで、内フランジ部38のテーパ状第一接触面40及びテーパ状第二接触面42が、可動部材56を透孔36の同軸上に位置させるように、可動部材56を移動させる案内面として機能する。そして、それによって、可動部材56が、透孔36内において、常に、仕切部材34の同軸上に安定的に位置せしめられるようになる。
その結果、本実施形態では、可動部材56の外周面と透孔36の内周面との間に形成される環状流路70の幅が、環状流路70の延出方向の何れの位置にあっても、周方向において可及的に均一化され、以て、高周波小振幅振動の入力時に、かかる環状流路70を通じて流動せしめられる流体の流動作用に基づいて、有効な防振効果が、バランス良く安定的に発揮され得ることとなる。
また、かかるエンジンマウントにおいては、低周波大振幅振動の入力時に、可動部材56と仕切部材34とが、互いに対応したテーパ面形状を呈する、周溝58と内フランジ部38のテーパ状第一接触面40,60同士やテーパ状第二接触面42,62同士が互いに接触せしめられて、所謂テーパ嵌合せしめられた状態で、透孔36が閉塞されるところから、透孔36が、より確実に液密に閉塞されるようになる。そして、それによって、オリフィス通路54を通じて流体の流動作用による防振効果が、更に一層安定的に且つ確実に発揮され得ることとなる。
さらに、かかるエンジンマウントでは、可動部材56の周溝58の底面59のみに、複数の突条66と複数の溝部68とが、かかる底面59の周方向に交互に一つずつ設けられている。それ故、例えば、可動部材56の高さと透孔36の延出長さとが同一寸法とされた上で、可動部材56の上下方向の両端部にそれぞれ位置する外フランジ部64,64の外周面に、複数の突条66と複数の溝部68とが設けられる場合とは異なって、可動部材56が上下方向に移動しても、各溝部68の内面と透孔36の内周面との間に形成される環状流路70部分の流路長さが変化するようなことが回避され得る。そして、それによって、環状流路70内での流体の流動作用に基づく防振効果が、安定的に発揮され得ることとなる。
また、かかるエンジンマウントでは、可動部材56が、非分割の単一体にて構成されている。このため、可動部材として、その移動方向に分割された二つの分割部材が互いに組み付けられてなる分割構造を有するものが用いられる場合とは異なり、受圧室50と平衡室52との間の内圧差に基づく可動部材56の移動に伴って、可動部材56のテーパ状第一接触面60やテーパ状第二接触面62が、仕切部材34の内フランジ部38のテーパ状第一接触面40やテーパ状第二接触面42に接触せしめられたときに生ずる衝撃力により、可動部材56のテーパ状第一接触面60とテーパ状第二接触面62との間の距離(周溝58の溝幅)が変化したり、可動部材56が二つに分割せしめられたりすることが、全くない。
それ故、本実施形態のエンジンマウントにおいては、自動車への装着状態での長期使用によって、可動部材56の動きだしから、可動部材56の周溝58のテーパ状第一接触面60やテーパ状第二接触面62が、仕切部材34の内フランジ部38のテーパ状第一接触面40やテーパ状第二接触面42に接触するまでの可動部材56の移動量が、使用開始当初から変わってしまい、そのために、防振特性が変動するようなことが、有利に回避され得る。
従って、かくの如き本実施形態のエンジンマウントにあっては、振動入力に伴う可動部材56の移動による透孔36の開閉に基づいて発揮される所望の防振特性が、より長期に亘って極めて安定的に発揮され得ることとなるのである。
また、かかるエンジンマウントでは、可動部材56の全体と仕切部材34の全体とが、それぞれ、ゴム弾性体からなっている。それ故、低周波大振幅振動の入力時において、可動部材56の周溝58のテーパ状第一接触面60やテーパ状第二接触面62が、仕切部材34の内フランジ部38のテーパ状第一接触面40やテーパ状第二接触面42に接触せしめられたときに生ずる衝撃力が、各接触面40,42,60,62を形成するゴム弾性体の弾性変形に基づいて、有利に吸収せしめられる。それによって、それら各接触面40,42,60,62同士の接触に起因して発生する起振力や、各接触面40,42,60,62同士が強く打ち当たって生ずる打音等が、何れも有利に低減せしめられ得る。
従って、かくの如き本実施形態に係るエンジンマウントにあっては、低周波大振幅振動の入力時において、可動部材56の仕切部材34との接触によって、様々な異音が生ずるようなことが、効果的に防止され得るのである。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態に関する具体的な記載によって、何等限定的に解釈されるものではない。
例えば、前記実施形態では、第一の流体室が、壁部の一部が本体ゴム弾性体14にて構成されて、振動入力時に内圧変動が惹起される受圧室50により構成される一方、第二の流体室が、壁部の一部がダイヤフラム30にて構成されて、容積変化が容易に許容される平衡室52により構成されていたが、第一の流体室と第二の流体室とを、単に、仕切部材にて仕切られて、透孔を通じて連通せしめられただけの構成において、形成しても良い。そして、その意味からすれば、仕切部材34に設けられたオリフィス通路54を省略しても、何等差し支えないのである。
また、図10及び図11に示されるように、可動部材56の周溝58の底面59を平滑な円筒面とする一方、かかる周溝58内に突入するように、仕切部材34の透孔36の内周面に設けられた内フランジ部38の先端面に、複数の突条66と複数の溝部68とを設けることも出来る。
さらに、図12及び図13に示されるように、可動部材56の周溝58の底面59と、仕切部材34の透孔36の内周面に設けられた内フランジ部38の先端面の両方とに対して、複数の突条66と複数の溝部68とをそれぞれ設けることも出来る。この場合には、周溝58の底面59に設けられた各突条66と、内フランジ部38の先端面に設けられた各溝部68とが、径方向に対応位置せしめられることとなる。これによって、可動部材56の透孔36内での中心軸回りの無用な回転が阻止されるといった利点が、得られる。なお、図10乃至図14と後述する図14乃至図18については、前記第一の実施形態と同様な構造とされた部材及び部位について、図1乃至図9と同一の符号を付すことにより、その詳細な説明は省略した。
更にまた、図14及び図15に示されるように、可動部材56の外周面の高さ方向中央部に、突入部としての外フランジ部64を設ける一方、仕切部材34の透孔36の内周面に、周溝58を設けることも出来る。その際には、可動部材56の外フランジ部64の外周面に、複数の突条66と複数の溝部68とを設けるようにしても良い。勿論、可動部材56に突入部としての外フランジ部64を設ける一方、仕切部材34の透孔36の内周面に周溝58を設ける場合にあっても、可動部材56に周溝58を設ける一方、仕切部材34の透孔36の内周面に、突入部としての内フランジ部38を設ける場合と同様に、複数の突条66と複数の溝部68は、周溝58の底面59と突入部としての外フランジ部64の先端面のうちの少なくとも何れか一方に設けられることとなる。
また、可動部材56の上下方向への移動に伴って互いに接触する内フランジ部38の二つの側面40,42や周溝58の二つの側面60,62を、何れも、仕切部材34や可動部材56の軸方向に対して直角な方向に拡がる平坦面にて構成しても良い。
さらに、可動部材56と仕切部材34は、何れも、例示のゴム弾性体からなるものに、何等限定されるものではなく、それら可動部材56と仕切部材34の形成材料には、金属材料や樹脂材料、セラミックス材料等、ゴム弾性体以外の公知の材料が、適宜に用いられる。
なお、仕切部材34をゴム材料や軟質の樹脂材料等にて形成する場合には、好ましくは、仕切部材34の外周面を、仕切部材34の中心部に向かって押圧する作用力に対する強度を高めるための補強部材が埋設される。
すなわち、例えば、図16に示されるように、仕切部材34の内部に、補強金具72を埋設しても良い。ここでは、かかる補強金具72が、全体としてハット形状を呈し、その中心部に円形の中心孔74が、形成されている。そして、この補強金具72の外周部が、仕切部材34の下端部に、全周に亘って連続して延びる円環形態をもって埋設され、また、中心孔74の周辺部が、仕切部材34の透孔36の内周面に一体形成された内フランジ部38の内部に、全周に亘って連続して延びる円環形態をもって埋設されている。
これによって、内フランジ部38を含む仕切部材34の全体の強度が高められ得る。以て、上下方向に移動する可動部材56の接触による内フランジ部38の変形強度が効果的に向上され得る。そして、その結果として、仕切部材34、ひいてはエンジンマウントの耐久性が、効果的に高められ得る。また、例えば、第二の取付金具12に対する縮径加工等によって、仕切部材34が、第二の取付金具12に取り付けられる場合にあっても、仕切部材34が、第二の取付金具12と共に縮径して、オリフィス通路54の流路断面積や、内フランジ部38の先端面と可動部材56の周溝58の底面59との間に形成される環状流路70の流路断面積が、設計値とは異なる大きさとなってしまうようなことが、有利に防止され得ることとなる。
また、前記実施形態では、本発明の特徴的構成が、所謂挟み込みタイプのエンジンマウントに適用されたものの具体的構造が示されていたが、かかる本発明の特徴的構成は、所謂収容タイプのエンジンマウントに対しても、有利に適用され得る。
すなわち、例えば、図17及び図18に示されるように、仕切部材76を、略厚肉円板状の金属部材からなる仕切部材本体78と、この仕切部材本体78の中心部に設けられた大径の円形凹所80を覆蓋する蓋体82とにて、構成する。そして、仕切部材本体78の円形凹所80が蓋体82にて覆蓋されてなる収容部84内に、略厚肉円板状のゴム弾性体からなる可動部材86を、仕切部材本体78の厚さ方向に移動可能に収容配置する。かかる仕切部材本体78の円形凹所80底部と蓋体82には、それらを貫通する貫通孔88を、それぞれ複数設ける。かくして、それら複数の貫通孔88と円形凹所80の内側空間とにて、仕切部材76を上下に貫通して、仕切部材76の上側と下側とにそれぞれ位置する受圧室50と平衡室52との間での流体の流動を許容せしめる透孔90を形成し、また、それと共に、可動部材86の外周面と、それに対向位置する透孔90(円形凹所80)の内周面との間に、受圧室50と平衡室52との間での流体の流動を許容する環状流路92を形成する。そして、可動部材86の外周面に、複数の突条66と複数の溝部68とを形成する。
このような構造によっても、前記第一の実施形態と同様な作用・効果が、有効に享受され得るのである。なお、かかる収容タイプのエンジンマウントにあっても、複数の突条66と複数の溝部68の形成箇所が、可動部材86の外周面に、何等限定されるものではなく、透孔90の内周面と可動部材86の外周面の少なくとも何れか一方に形成されることとなる。
さらに、可動部材の透孔内に位置する部分の外周面と、それに対向する透孔の内周面のうちの少なくとも何れか一方に設けられる突条の大きさや数は、例示されたものに限定されるものではなく、可動部材の外周面や透孔の内周面の大きさ等に応じて、適宜に変更され得るところである。また、周方向に隣りあう突条同士の間に形成される溝部の数や大きさ等も、突条の大きさや数等に応じて、適宜に変更される。
そのような突条の横断面形状も、例示された山形状に、決して限定されるものではなく、様々な形状が採用され得る。例えば、三角形状や台形状、円弧形状等の山形状以外の、先端に向かって次第に狭幅となる先細り形状の他、U字状や矩形状等、一定の幅を有する形状、或いは先端に向かって次第に拡幅される形状等も、勿論、採用可能である。なお、溝部の形状も、突条の形状に応じて、種々変更されることとなる。
また、仕切部材に設けられる透孔の数や形状等についても、例示のものに、何等限定されるものではなく、仕切部材の大きさや形状等に応じて、適宜に決定されるところである。また、防振装置内に配置される可動部材の数や形状が、透孔の数や形状に応じて、種々変更されることとなる。
更にまた、可動部材は、必ずしも、全体が、透孔内に挿入されて、収容配置されている必要はなく、少なくとも一部が、透孔内に挿入されておれば良い。
加えて、前記実施形態では、本発明を自動車のエンジンマウントに適用したものの具体例を示したが、本発明は、その他、自動車用ボデーマウントや自動車以外の各種装置に用いられる流体封入式防振装置に対して、何れも、有利に適用され得ることは勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
本発明に従う構造を有する流体封入式防振装置の一実施形態を示す縦断面説明図であって、図2のI− I断面に相当する図である。 図1におけるII−II断面説明図である。 図1に示された流体封入式防振装置に装備される仕切部材の上面説明図である。 図3おけるIV矢視説明図である。 図1に示された流体封入式防振装置に装備される可動部材の縦断面説明図であって、図6のV−V断面に相当する図である。 図5におけるVI−VI断面説明図である。 図1に示された流体封入式防振装置の使用状態を示す説明図であって、可動部材が、受圧室側から平衡室側への移動により仕切部材に接触して、透孔が閉塞された状態を示している。 図1に示された流体封入式防振装置の別の使用状態を示す説明図であって、可動部材が、平衡室側から受圧室側への移動により仕切部材に接触して、透孔が閉塞された状態を示している。 図1に示された流体封入式防振装置の更に別の使用状態を示す部分拡大説明図であって、可動部材が、受圧室と平衡室との対向方向に直角な方向に変位して、可動部材の周溝の底面に設けられた突条の幾つかが、仕切部材の透孔の内周面に設けられた突入部の先端面に接触した状態を示している。 本発明に従う流体封入式防振装置の別の実施形態を示す縦断面説明図であって、図11のX−X断面に相当する図である。 図10におけるXI−XI断面説明図である。 本発明に従う流体封入式防振装置の更に別の実施形態を示す縦断面説明図であって、図13のXII−XII断面に相当する図である。 図12におけるXIII−XIII断面説明図である。 本発明に従う流体封入式防振装置の他の実施形態を示す縦断面説明図であって、図15のXIV−XIV断面に相当する図である。 図14におけるXV−XV断面説明図である。 本発明に従う流体封入式防振装置の更に他の実施形態を示す縦断面説明図である。 本発明に従う流体封入式防振装置の更に別の実施形態を示す縦断面説明図であって、図18のXVII−XVII断面に相当する図である。 図17におけるXVIII−XVIII断面説明図である。
符号の説明
10 第一の取付金具 12 第二の取付金具
14 本体ゴム弾性体 30 ダイヤフラム
32 流体室 34,76 仕切部材
36,90 透孔 38 内フランジ部
40,60 テーパ状第一接触面 42,62 テーパ状第二接触面
50 受圧室 52 平衡室
56,86 可動部材 58 周溝
66 突条 68 溝部
70,92 環状流路

Claims (10)

  1. 第一の取付部材と第二の取付部材とを本体ゴム弾性体で連結すると共に、該本体ゴム弾性体を壁部の一部として、非圧縮性流体が封入された第一の流体室を形成し、更に仕切部材を間にして、該第一の流体室とは反対側に、非圧縮性流体が封入された第二の流体室を形成する一方、該仕切部材に対して、それら第一及び第二の流体室を相互に連通可能な透孔を設け、そして、該透孔内において、該第一の流体室と該第二の流体室との対向方向に移動可能とされた可動部材を設け、且つ該可動部材が該第一の流体室側の第一の移動阻止位置と該第二の流体室側の第二の移動阻止位置との間の限られた距離だけ移動せしめられ得るように構成すると共に、該可動部材が、かかる第一及び第二の移動阻止位置に到達したときに、それぞれ、該可動部材が、該透孔を閉塞し得るように構成した流体封入式防振装置において、
    前記可動部材の前記透孔内に位置する部分の外周面と、それに対向する該透孔の内周面のうちの少なくとも何れか一方に対して、それらのうちの少なくとも何れか他方にまで達しない高さで突出し、且つ該可動部材の移動方向に延びる突条の複数を、互いに周方向に所定の間隔を隔てて一体形成すると共に、それら複数の突条が設けられた該可動部材の外周面及び/又は該透孔の内周面における該複数の突条のうちの周方向に互いに隣り合うもの同士の間に、該突条の先端面が該可動部材の外周面及び/又は該透孔の内周面と接触した状態下でも、前記非圧縮性流体が流動可能とされた溝部を、該突条と同じ方向に延びるように、設けたことを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記突条が、先端に向かうに従って次第に狭幅となる先細り形状を有している請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記可動部材が、ゴム弾性体にて形成されている請求項1又は請求項2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記仕切部材に対して、前記第一の流体室と前記第二の流体室とを連通するオリフィス通路が設けられている請求項1乃至請求項3のうちの何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記可動部材の前記透孔内に位置する部分の外周面と、それに対向する該透孔の内周面のうちの少なくとも何れか一方に、全周に連続して延びる周溝が設けられる一方、それらのうちの少なくとも何れか他方に、該周溝の底面及び該可動部材の前記移動方向両側に位置して、互いに対向する二つの側面との間にそれぞれ隙間を開けた状態で、該周溝内に突入位置せしめられる突入部が、該周溝の全周に沿って連続して延びるように設けられ、更に、該可動部材の移動により、該突入部が、該周溝の二つの側面のうちの前記第一の流体室側に位置する側面に接触する位置が、該可動部材の前記第一の移動阻止位置とされる一方、該突入部が、該周溝の二つの側面のうちの前記第二の流体室側に位置する側面に接触する位置が、該可動部材の前記第二の移動阻止位置とされている請求項1乃至請求項4のうちの何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記周溝の互いに対向する前記二つの側面のうちの一方の側面が、それらのうちの他方の側面側に向かって次第に小径となる第一テーパ面とされている一方、該他方の側面が、該一方の側面側に向かって次第に小径となる第二テーパ面とされており、更に、前記突入部の前記二つの側面のうち、前記可動部材の移動により該周溝の該第一テーパ面と接触する一方の側面が、該第一テーパ面に対応したテーパ形状を有する第三テーパ面とされている一方、前記可動部材の移動により該周溝の該第二テーパ面と接触する他方の側面が、該第二テーパ面に対応したテーパ形状を有する第四テーパ面とされている請求項5に記載の流体封入式防振装置。
  7. 前記透孔における前記第一の流体室への開口部と前記第二の流体室への開口部のそれぞれの内周面部分と、それら二つの内周面部分にそれぞれ対向位置する前記可動部材の二つの外周面部分との間のそれぞれの距離が、該透孔の内周面と該可動部材の外周面に設けられて互いに対向位置する前記周溝の底面と前記突入部の先端面との間の距離よりも大なる大きさとされている請求項5又は請求項6に記載の流体封入式防振装置。
  8. 前記複数の突条と前記複数の溝部とが、前記透孔の内周面及び/又は前記可動部材の外周面における前記周溝の底面と前記突入部の先端面のうちの何れか一方のみ、或いはそれら周溝の底面と突入部の先端面の両方のみに形成されている請求項5乃至請求項7のうちの何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
  9. 前記仕切部材が、ゴム弾性体にて形成されている請求項1乃至請求項8のうちの何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
  10. 前記ゴム弾性体にて形成された仕切部材の内部に、該仕切部材の外周面を該仕切部材の中心部に向かって押圧する作用力に対する強度を高めるための補強部材が埋設されている請求項9に記載の流体封入式防振装置。
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