JP2010077754A - 保護フィルムを有する床用化粧シート - Google Patents

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Abstract

【課題】輸送時又は切削等の加工時に表面に傷が付くことが防止されており、表面の一部を塗装する際に塗装部分以外に塗料等が付着することが防止されており、しかも裏面に合成樹脂層(バッカー層)を樹脂の溶融押出しにより形成する場合でも凹凸模様の消失又は減少が防止された床用化粧シートを提供する。
【解決手段】熱可塑性着色基材シート5上に絵柄模様層7、熱可塑性透明性樹脂層9及び透明性表面保護層11が順に積層されている床用化粧シートであって、前記床用化粧シートは、前記透明性表面保護層側から凹凸模様12が賦型されており、更に前記透明性表面保護層11のおもて面に保護フィルム13が剥離可能に積層されている床用化粧シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、保護フィルムを有する床用化粧シートに関する。
床用化粧シートとしては、例えば、特許文献1及び2において、ポリオレフィン系樹脂からなる厚手の合成樹脂層(いわゆるバッカー層)上に装飾シートを積層したものが開示されている。これらの床材用化粧シートは、バッカー層側を各種被着材に貼着して床用化粧材とされる。なお、バッカー層は床材用化粧シートに硬度、強度等を付与するために設けられる厚手の合成樹脂層(補強層)である。
床用化粧シートは、輸送時又は切削等の加工時に表面に擦り傷や切削傷が付く可能性があるため、これを防止できる工夫が求められている。また、表面を部分的に塗装する際に、塗装部分以外に塗料等が付着することを防止できる工夫も求められている。また、おもて面に凹凸模様を有する床用化粧シートにおいては、裏面にバッカー層を樹脂の溶融押出しにより形成する際に凹凸模様が熱により目痩せ(凹凸模様の消失又は減少)する可能性もあり、これも効果的に防止できる工夫が求められている。なお、エンボス加工により付与される上記凹凸模様は「シボ」とも称され、凹凸模様の消失又は減少は「シボ戻り」とも称される。
特開平8−13740号公報 特開平8−1883号公報
本発明は、輸送時又は切削等の加工時に表面に傷が付くことが防止されており、表面の一部を塗装する際に塗装部分以外に塗料等が付着することが防止されており、しかも裏面に合成樹脂層(バッカー層)を樹脂の溶融押出しにより形成する場合でも凹凸模様の消失又は減少が防止された床用化粧シートを提供することを目的とする。
本発明者は、従来技術の問題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、床用化粧シートの表面に保護フィルムを剥離可能に積層することによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の床用化粧シート及び床用化粧材に関する。
1.熱可塑性着色基材シート上に絵柄模様層、熱可塑性透明性樹脂層及び透明性表面保護層が順に積層されている床用化粧シートであって、
前記床用化粧シートは、前記透明性表面保護層側から凹凸模様が賦型されており、更に前記透明性表面保護層のおもて面に保護フィルムが剥離可能に積層されている、
ことを特徴とする床用化粧シート。
2.前記熱可塑性着色基材シートの裏面に厚さ100μm以上の合成樹脂層を更に有する、上記項1に記載の床用化粧シート。
3.前記保護フィルムは極性基を有さない樹脂からなる、上記項1又は2に記載の床用化粧シート。
4.前記極性基を有さない樹脂はポリオレフィン系樹脂である、上記項3に記載の床用化粧シート。
5.前記保護フィルムはポリオレフィン系樹脂を溶融押出しすることにより形成されている、上記項1又は2に記載の床用化粧シート。
6.上記項1〜5のいずれかに記載の床用化粧シートと木質基材とを接着剤層を介して積層することにより得られる床用化粧材。
以下、本発明の床用化粧シート及び床用化粧材について説明する。
床用化粧シート
本発明の床用化粧シートは、熱可塑性着色基材シート上に絵柄模様層、熱可塑性透明性樹脂層及び透明性表面保護層が順に積層されており、
前記床用化粧シートは、前記透明性表面保護層側から凹凸模様が賦型されており、更に前記透明性表面保護層のおもて面に保護フィルムが剥離可能に積層されていることを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の床用化粧シートは、透明性表面保護層のおもて面に保護フィルムが積層されているため、輸送時又は加工時に床用化粧シートに傷付きが生じることが防止されている。また、表面の一部を塗装する場合には、塗装すべき部分以外に保護フィルムを積層しておくことにより塗装部分以外に塗料等が付着することが防止されている。なお、保護フィルムは剥離可能に積層されているため、床用化粧材を施工後、容易に保護フィルムを剥離して実使用に供することができる。
以下、本発明の床用化粧シート及び床用化粧材の各層について説明する。
≪熱可塑性着色基材シート≫
熱可塑性着色基材シート(以下「基材シート」とも言う)は、熱可塑性樹脂により形成されており、着色されている。
基材シートを構成する樹脂は熱可塑性樹脂であればよい。熱可塑性樹脂としては、軟質、半硬質又は硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等が挙げられる。
上記の中でも、本発明ではポリプロピレン樹脂を含有することが好ましい。ポリプロピレン樹脂としては、ポリプロピレンを主成分とする単独重合体だけでなく、共重合体であってもよい。例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、及び、ポリプロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられる。その他、エチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1のコモノマーを15モル%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等も挙げられる。
基材シートは、着色材(顔料又は染料)等の添加により着色されている。着色材として、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料のほか、各種の染料も使用することができる。これらは、公知又は市販のものから1種又は2種以上を選ぶことができる。また、着色材の添加量も、所望の色合い等に応じて適宜設定すれば良い。
基材シートには、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等の各種の添加剤が含まれていても良い。
基材シートの厚みは、最終製品の用途、使用方法等により適宜設定できるが、一般には50〜250μmが好ましい。
基材シートは、必要に応じて、絵柄層を形成するインキの密着性を高めるために表面(おもて面)にコロナ放電処理を施してもよい。コロナ放電処理の方法・条件は、公知の方法に従って実施すれば良い。
≪絵柄模様層(絵柄層)≫
絵柄層は、化粧シートに所望の絵柄(意匠)を付与するものであり、絵柄の種類等は限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)して得られるインキを用いた印刷法により、基材シート表面に形成すればよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤には、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等がさらに配合してもよい。
結着材樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、親水性処理されたポリエステル系ウレタン樹脂のほか、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン−アクリレート共重合体、ロジン誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂なども併用できる。
より具体的には、例えば、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノール系樹脂、その他の水溶性合成樹脂;ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類等の水溶性天然高分子;等を使用できる。また、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂変性又は混合樹脂、その他の樹脂も使用できる。上記結着材樹脂は、単独又は2種以上で使用できる。
絵柄層の形成に用いる印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等がある。また、基材シートと絵柄層との間に全面ベタ状の着色層(着色隠蔽層とも言う)を更に形成する場合には、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法が挙げられる。
上記以外にも、例えば、手描き法、墨流し法、写真法、転写法、レーザービーム描画法、電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法、エッチング法などを用いたり、他の形成方法と組み合わせて用いたりしてもよい。
絵柄層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は1〜15μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜10μm程度である。着色隠蔽層の乾燥後の膜厚としても0.1〜10μm程度が好ましい。
≪接着剤層≫
接着剤層は、絵柄層と熱可塑性透明性樹脂層との間に設けてもよい。接着剤層を設けることによって両層の密着性をより高められる。
接着剤層で使用する接着剤は、絵柄層又は熱可塑性透明性樹脂層を構成する成分等に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂等を含む各種接着剤を使用できる。また、反応硬化タイプのほか、ホットメルトタイプ、電離放射線硬化タイプ、紫外線硬化タイプ等の接着剤でもよい。
なお、本発明では、熱圧着できる接着剤を使用し、熱圧着によって絵柄層と熱可塑性透明性樹脂層とを積層することもできる。
接着剤層は、絵柄層が認識できる限り、透明でも半透明でもよい。
なお、本発明では、必要に応じ、コロナ放電処理、プラズマ処理、脱脂処理、表面粗面化処理等の公知の易接着処理を接着面に施すこともできる。
接着剤層の厚みは、熱可塑性透明性樹脂層、使用する接着剤の種類等によって異なるが、一般的には0.1〜30μm程度とすれば良い。
≪熱可塑性透明性樹脂層≫
熱可塑性透明性樹脂層は透明である限り着色されていてもよく、絵柄層が視認できる範囲内で半透明であってもよい。
熱可塑性樹脂としては限定されず、本発明では特にポリプロピレン樹脂を含有することが好ましく、上記基材シートの欄で説明した樹脂が好適に使用できる。
透明性樹脂層には、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えばゴム)等の各種の添加剤が含まれていても良い。
透明性樹脂層の厚みは特に限定されないが、一般的には10〜150μm程度である。
≪透明性表面保護層≫
熱可塑性透明性樹脂層の上には、透明性表面保護層が形成されている。透明性表面保護層は限定的ではないが、樹脂成分として電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂を含有することが好ましい。実質的には、これらの樹脂から形成されているものが好ましい。電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂により透明性表面保護層を形成する場合には、化粧シートの耐摩性、耐衝撃性、耐汚染性、耐擦傷性、耐候性等を高め易い。
電離放射線硬化型樹脂としては特に限定されず、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂が使用できる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数を混合して使用できる。硬化反応は、通常、架橋硬化反応である。
具体的には、前記プレポリマー又はモノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物が挙げられる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましい。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの分子量としては、通常250〜100000程度が好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。また、チオールとしては、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールが挙げられる。ポリエンとしては、例えば、ジオール及びジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したものが挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂を硬化させるために用いる電離放射線としては、電離放射線硬化型樹脂(組成物)中の分子を硬化反応させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子が用いられる。通常は紫外線又は電子線を用いればよいが、可視光線、X線、イオン線等を用いてもよい。
紫外線源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用できる。紫外線の波長としては、通常190〜380nmが好ましい。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。その中でも、特に100〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射できるものが好ましい。
2液硬化型ウレタン系樹脂としては特に限定されないが、中でも主剤としてOH基を有するポリオール成分(アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール等)と、硬化剤成分であるイソシアネート成分(トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネート等)とを含むものが使用できる。
これらの透明性表面保護層は、必要に応じて、可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料等を含んでもよい。
透明性表面保護層は、例えば、透明性樹脂層の上に電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂をグラビアコート、ロールコート等の公知の塗工法により塗工後、樹脂を硬化させることにより形成できる。電離放射線硬化型樹脂の場合には、電子線照射により樹脂硬化する。
透明性表面保護層の厚さは特に限定されず、最終製品の特性に応じて適宜設定できるが、通常0.1〜50μm、好ましくは1〜20μm程度である。
≪凹凸模様≫
本発明の床用化粧シートは、前記透明性表面保護層側から凹凸模様が賦型されている。この凹凸模様は、例えば、エンボス加工により賦型される。
エンボス加工は、化粧シートに木目模様等の所望のテクスチァーを付与するために行う。例えば、加熱ドラム上で透明性表面保護層を加熱軟化させた後、さらに赤外線輻射ヒーターで140〜170℃に加熱し、所望の形の凹凸模様を有するエンボス板で加圧・賦形し、冷却固定することによりテクスチャーを付与する。エンボス加工は、公知の枚葉又は輪転式エンボス機で行える。
凹凸模様としては、例えば、木目導管溝、浮造模様(浮出した年輪の凹凸模様)、ヘアライン、砂目、梨地等が挙げられる。
本発明では、透明性表面保護層中に他の成分が含まれていても良い。例えば、溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散剤、光安定剤、ツヤ調整剤、ブロッキング防止剤、滑剤等の添加剤を配合できる。
≪保護フィルム≫
透明性表面保護層のおもて面には保護フィルムが剥離可能に積層されている。
保護フィルムとしては限定されないが、本発明では、極性基を有さない樹脂から構成されることが好ましい。極性基を有さない樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
また、保護フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリアリレート等のポリエステル系樹脂もポリオレフィン系樹脂と同様に使用できる。
上記ポリオレフィン系樹脂及び/又はポリエステル系樹脂を用いる場合には、これらの樹脂を溶融押出しすることにより保護フィルムを製膜・積層することが好ましい。例えば、Tダイ押出し機を用いることにより押出し製膜することができる。このように溶融押出しにより保護フィルムを積層する場合には、透明性表面保護層側から賦型されている凹凸模様の形状に沿って溶融樹脂が流れ込んで保護フィルムとなるため、基材シート裏面に合成樹脂層(バッカー層)を樹脂の溶融押出しにより形成する場合に凹凸模様の熱による消失又は減少が防止される。
上記のほか、保護フィルムとしては、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等を基材として、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等を粘着剤として有するタック材を用いることもできる。上記の中でもアクリル系樹脂が好ましい。タック材は基材に上記粘着剤をコーティングにより塗布したものが好ましく、粘着剤の厚みは5〜50μm程度が好ましく、10〜20μm程度がより好ましい。
保護フィルムの厚さは限定的ではないが、50〜500μm程度が好ましく、100〜200μm程度がより好ましい。
透明性表面保護層に保護フィルムを積層する際は、透明性表面保護層のおもて面を表面処理しておくことが好ましい。例えば、オゾン処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、脱脂処理等の公知の易接着処理をしておくことが好ましい。
保護フィルムを積層することによって、輸送・加工時に表面に擦り傷等が付着するのを防止することができる。特にポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂を用いる場合には切削加工時の毛羽立ちが効果的に抑制されているため意匠性を損ない難い。
≪合成樹脂層≫
本発明の床用化粧シートは、基材シートの裏面に厚さ100μm以上の合成樹脂層(いわゆるバッカー層)を設けてもよい。
バッカー層は熱可塑性樹脂で構成することが好ましく、ポリプロピレン樹脂が好ましい。ポリプロピレン樹脂としては、ポリプロピレンを主成分とする単独重合体だけでなく、共重合体であってもよい。例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、及び、ポリプロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられる。その他、エチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1のコモノマーを15モル%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等も挙げられる。
バッカー層は、2層以上の積層体であってもよい。例えば、ポリプロピレン樹脂層を2層以上積層したものでもよい。
バッカー層の厚さは100μm以上であればよく、250〜400μm程度が好ましい。
バッカー層は、例えば、溶融樹脂の押出しによって容易に形成できる。同時押出し法を用いる場合には、積層体からなるバッカー層も容易に形成できる。同時押出し製膜には、例えば、マルチマニホールドタイプやフィードブロックタイプのTダイを使用できる。
床用化粧材
本発明の床用化粧シートは、木質材料と接合することにより、床用化粧材とできる。
木質材料としては、例えば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる単板、合板、パーティクルボード、繊維板、集成材等が挙げられる。木質材料の形状は特に限定されず、通常はフローリング等への設置を考慮して平板とすればよい。
接合に用いる接着剤は限定されず、公知の木工用接着剤等が広く使用できる。
木質材料と接合後は、例えば、最終製品の特性に応じて、裁断、テノーナーを用いてサネ加工、V字形状の条溝付与、四辺の面取り等を施してもよい。
本発明の床用化粧シートは、透明性表面保護層のおもて面に保護フィルムが積層されているため、輸送時又は加工時に床用化粧シートに傷付きが生じることが防止されている。また、表面の一部を塗装する場合には、塗装すべき部分以外に保護フィルムを積層しておくことにより塗装部分以外に塗料等が付着することが防止されている。なお、保護フィルムは剥離可能に積層されているため、床用化粧材を施工後、容易に保護フィルムを剥離して実使用に供することができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。
実施例1〜2及び比較例1
(床材用化粧シートの作製)
0.06mm厚の着色ポリプロピレン(基材シート)を用意した。基材シートの上に、絵柄模様層(2μm)を印刷により形成した。次に、絵柄模様層の上に0.08mm厚の透明性ポリプロピレン系樹脂フィルム(熱可塑性透明性樹脂層)を、ウレタン系ドライラミネート用接着剤を用いて接着した。透明性接着剤層の厚さは3μmであった。次に、熱可塑性透明性樹脂層の上に電離放射線硬化型樹脂からなる透明性表面保護層(15μm)を形成した。次に、透明性表面保護層側からエンボス加工を施した。エンボス加工では、深さ30μm程度の木目導管模様を付与した。更に、エンボス加工面に下記表1に記載の保護フィルム(100μm)を積層した。
最後に260℃で溶融した樹脂(2種3層)を同時押出し製膜することによりバッカー層を得、そこに上記エンボスシートの基材シート側を載せて、熱ラミネートにより両者を接着した。バッカー層は、ホモポリプロピレン30μm(MFR:6g/10分)/ホモポリプロピレン190μm(MFR:2g/10分)/ホモポリプロピレン30μm(MFR:6g/10分)から形成される積層体とした。
(床用化粧材の作製)
作製した床材用化粧シートの裏面(バッカー層側)に12mmラワン合板を貼着して床用化粧材を作製した。貼着にはウレタン変性エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン接着剤(9g/尺wet)を利用した。
Figure 2010077754
試験例1
実施例及び比較例で作製した床用化粧材の切削性、シボ戻り(凹凸の消失・減少)、剥離性について調べた。結果を表2に示す。
シボ戻りについては、次のように評価した。
○:シボ戻りが防止されている
△:シボ戻りが認められるがエンボス凹凸の意匠性に影響はない
×:シボ戻りが顕著に認められエンボス凹凸の意匠性に影響がある
切削性については、次のように評価した。
○:切削による傷付きが防止されている
×:切削による傷付きが認められる
剥離性については、次のように評価した。
○:容易に剥離できる
×:剥離困難である
Figure 2010077754
表2の結果から明らかなように、保護フィルムが積層された本発明の床用化粧シートは、切削による傷付きが防止されており、床用化粧材として施工後の保護フィルムの剥離性も良好である。また、溶融押出しにより保護フィルムを積層した場合(実施例2)には、エンボス凹凸(シボ)の消失・減少も十分に防止されている。
本発明の床用化粧シートを用いた床用化粧材の模式図(一例)である。
符号の説明
1.木質基材
2.接着剤層
3.裏面プライマー層
4.合成樹脂層(バッカー層)
5.基材シート
6.着色隠蔽層
7.絵柄模様層
8.接着剤層
9.熱可塑性透明性樹脂層
10.プライマー層
11.透明性表面保護層
12.エンボス
13.保護フィルム

Claims (6)

  1. 熱可塑性着色基材シート上に絵柄模様層、熱可塑性透明性樹脂層及び透明性表面保護層が順に積層されている床用化粧シートであって、
    前記床用化粧シートは、前記透明性表面保護層側から凹凸模様が賦型されており、更に前記透明性表面保護層のおもて面に保護フィルムが剥離可能に積層されている、
    ことを特徴とする床用化粧シート。
  2. 前記熱可塑性着色基材シートの裏面に厚さ100μm以上の合成樹脂層を更に有する、請求項1に記載の床用化粧シート。
  3. 前記保護フィルムは極性基を有さない樹脂からなる、請求項1又は2に記載の床用化粧シート。
  4. 前記極性基を有さない樹脂はポリオレフィン系樹脂である、請求項3に記載の床用化粧シート。
  5. 前記保護フィルムはポリオレフィン系樹脂を溶融押出しすることにより形成されている、請求項1又は2に記載の床用化粧シート。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の床用化粧シートと木質基材とを接着剤層を介して積層することにより得られる床用化粧材。
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