JP2010077549A - 芯鞘型複合長繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】芯部にポリエステルを用いていながらも、得られる成型品に対し良好な柔軟性を与えることのできる、新規な熱接着性長繊維を提供する。
【解決手段】芯部がポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、鞘部が芯部より低融点のポリエチレンで構成された芯鞘型複合繊維の長繊維であって、芯鞘複合比が1:1〜5:1、切断強度が2.0cN/dtex以上である芯鞘型複合長繊維。PTTは、PETに比べ柔軟性に優れているので、得られる成型品に対し良好な柔軟性を与えることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、芯部にポリトリメチレンテレフタレート、鞘部にポリエチレンを配した複合繊維の長繊維であって、熱処理により鞘部が接着成分となり、例えば、柔軟性を要求される各種成型品に好ましく用いうる芯鞘型複合長繊維に関するものである。
従来、メッシュシートなどの交点部の固定やターポリン用布帛等の通水性が重要視される用途では、塩化ビニル樹脂等の樹脂を用いて加工が行われている。しかし、近年、塩化ビニル樹脂などは環境への影響が問題視され、樹脂加工しない加工方法が検討されるようになってきた。
例えば、鞘部が低融点成分である芯鞘型の熱接着性長繊維を用いて、製編織した後、熱処理して低融点成分を溶融又は軟化させることによって、交点部を固定したメッシュシートや網目形状を固定したネット、さらには繊維からなる成型棒などが提案されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
そして、このような熱接着性長繊維は、寸法安定性や耐候性及び価格の面において、ポリエステルを芯成分及び鞘成分に用いたポリエステル系の熱接着性長繊維が一般的に用いられている。
特開2001−271245号公報 特開2001−271270号公報 特開2001−214388号公報
しかし、上記のような熱接着性長繊維は、得られる成型品を硬いものにする傾向が強く、柔軟性を要求される分野には不向きであるという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決し、芯部にポリエステルを用いていながらも、得られる成型品に対し良好な柔軟性を与えることのできる、新規な熱接着性長繊維を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、芯部がポリトリメチレンテレフタレート、鞘部が芯部より低融点のポリエチレンで構成された芯鞘型複合繊維の長繊維であって、芯鞘複合比が1:1〜5:1、切断強度が2.0cN/dtex以上であることを特徴とする芯鞘型複合長繊維を要旨とするものである。
本発明の芯鞘型複合長繊維は、ポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTTと略称することがある)を芯部とし、芯部より低融点のポリエチレンを鞘部に配しているため、熱処理により鞘部のポリエチレンは溶融して接着成分となる。ポリトリメチレンテレフタレートは、通常のポリエチレンテレフタテート(以下、PETと略称することがある)と同じく寸法安定性や耐候性に優れているが、これに留まらずPETに比べ柔軟性にも優れているので、得られる成型品に対し良好な柔軟性を与えることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の芯鞘型複合長繊維は、マルチフィラメントでもモノフィラメントであってもよいが、単糸を糸長方向に対して垂直に切断した横断面形状において、芯鞘型の複合形状を呈しているものである。芯部は1つでも2〜5個程度の複数個ある多芯型であってもよい。また、芯鞘形状は同心円型のものであっても、偏心型のものであってもよい。さらに、繊維の横断面形状としては、芯鞘型であれば丸断面形状のもののみならず、多角形などの異形のものでもよい。
そして、本発明の芯鞘型複合長繊維は、芯部がPTT、鞘部が芯部より低融点のポリエチレンで構成される。芯部をPTTで構成させることで、良好な製糸性が得られると共に、柔軟性に優れるものとなる。
芯部のPTTには、本発明の目的とする性能を損なわない範囲で、他の成分を含有していてもよく、例えば、各種添加剤や原着繊維とするために着色顔料など、あるいは他の共重合成分を含有するものであってもよい。
芯部のPTTの極限粘度〔η〕としては、0.6〜0.8が好ましい。極限粘度〔η〕が0.6より低くなると、繊維の切断強度が低下しやすくなるため好ましくない。一方、極限粘度が0.8より高くなると、結晶性に劣るというPTT特有の性質に起因して、熱接着加工時の熱収縮が大きくなったり、延伸後の巻き取り時において、巻き締まりなどが発生することがあり、好ましくない。
他方、鞘部は芯部より低融点のポリエチレンで構成されるものであり、中密度又は高密度ポリエチレンを用いることが好ましく、中でも、溶融流動性や冷却の面に優れ、製糸性にも優れる高密度ポリエチレン(以下、HDPEと略称することもある)が好ましい。
ポリエチレンの融点としては、100〜150℃が好ましく、110〜140℃がより好ましい。
なお、HDPEの密度としては、0.945〜0.965が好ましい。HDPEの密度は、JISK7112 プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法のD法(密度こうばい管)により測定したものである。
さらに、HDPEのメルトインデックス値(以下、MI値と略称することもある)としては、ASTMのD−1238(E)記載の方法に準じて測定した場合、5〜30g/10分の範囲が好ましい。MI値が30g/10分を超えると、繊維が強度低下を起こすことがあり、一方、5g/10分未満になると溶融粘性が高くなるため、熱接着加工時に溶融流動性が悪くなり、接着斑をおこすようになるため好ましくない。
また、鞘部のポリエチレンにも本発明の目的とする性能を損なわない範囲で、着色顔料や各種添加剤などが添加されていてもよい。
次に、本発明の芯鞘型複合長繊維における芯鞘複合比(芯:鞘の質量比率)としては、1:1〜5:1である必要があり、中でも1:1〜4:1であることが好ましい。芯部が5:1を上回って大きくなると、繊維の複合形態が単糸間で不均一になりやすく、繊維の延伸性が損なわれる。一方、芯部が1:1を下回って小さくなると、繊維の切断強度が低下する。
そして、本発明の芯鞘型複合長繊維は、切断強度が2.0cN/dtex以上であることが必要であり、中でも2.2cN/dtex以上であることが好ましい。切断強度が2.0cN/dtex未満であると、一般的な産業資材用途として使用するには強度が不足し、使用する用途が限られるようになる。
芯鞘型複合長繊維におけるその他の物性については、特に限定されるものでないが、繊維の切断伸度として40〜60%が好ましい。切断伸度が40%未満になると、結晶性に劣るというPTT特有の性質に起因して、巻き取り時において巻き締まりなどが発生することがあり、一方、60%を超えると、延伸倍率が下がるのに伴い繊維の切断強度が低下する傾向にあるので、いずれも好ましくない。
本発明における切断強度、切断伸度は、JIS L−1013引張り強さ及び伸び率の標準時試験に準じ、島津製作所製オートグラフDSS−500を用い、つかみ間隔25cm、引っ張り速度30cm/分で測定する。
本発明の芯鞘型複合長繊維を構成する単糸数、単糸繊度も特に限定するものではないが、マルチフィラメントの場合は、単糸数20〜300本、単糸繊度が5〜30dtexの範囲とすることが好ましく、モノフィラメントの場合は、繊度が200〜2000dtexの範囲とすることが好ましい。
次に、本発明の芯鞘型複合長繊維(マルチフィラメント)の製造方法について説明する。まず、芯部と鞘部のチップをそれぞれ供給して常用の複合紡糸装置を用いて溶融紡糸する。そして、未延伸糸を一旦巻き取り、その後延伸を行う2工程法でもよいが、一旦巻き取らずに連続して延伸を行うスピンドロー法が生産性やコスト面において好ましい。延伸方法としては、加熱ローラのみで行うローラ延伸、又は加熱ローラ間にスチーム熱処理装置を設けて行う方法などが採用できる。巻き取り速度としては、2000〜4000m/分程度が好ましく、巻き取り速度がこの範囲より遅いと生産性が劣り、速いと高強度が得られ難くなったり、延伸性が劣るようになるので好ましくない。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、実施例における各物性値は、下記の方法にて測定した。
(a)ポリエステルの極限粘度
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒とし、濃度0.5g/dl、温度20℃で測定した。
(b)切断強度、切断伸度
前記の方法で測定、算出した。
(c)融点
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC−7型を使用し、昇温速度20℃/分で測定した。
(d)柔軟性
得られた繊維を用いて筒編地を作製し、これを140℃で2分間張力を掛けずに乾熱乾燥し、筒編地の柔軟性を優(○)、劣(×)の2段階で官能評価した。
(実施例1)
芯部を構成するPTTとして、極限粘度〔η〕0.70、融点227℃のPTTを用いた。鞘部を構成するポリエチレンとしては、密度が0.951g/cm、MI値(ASTMのD−1238(E)の方法で測定)が10g/10分、融点が130℃のHDPEを用いた。
常用の複合溶融紡糸装置に孔径が0.5mm、ホール数が48個の芯鞘型複合紡糸口金を装着し、口金温度260℃、芯鞘複合比(芯:鞘)1:1にして紡出した。紡糸口金直下に設けた温度200℃、長さ15cmの加熱筒内を通過させた後、長さ40cmの環状吹き付け装置で、冷却風温度15℃、速度0.7m/秒で冷却した。
次に、油剤を付与して非加熱の1ローラに引き取り、連続して温度90℃の2ローラにて延伸倍率1.02倍で引き揃え、その後、温度110℃の3ローラにて3.8倍延伸し、さらに、温度100℃の4ローラで4%弛緩熱処理した。そして、1%のリラックスをかけて速度3000m/分のワインダーで巻き取り、円形断面形状(芯部と鞘部が同心円に配置された)の550dtex/48フィラメントの芯鞘型複合長繊維を得た。
(実施例2)
芯鞘複合比(芯:鞘)を3:1に変更する以外は、実施例1と同様に行い、芯鞘型複合長繊維を得た。
(比較例1)
芯鞘複合比(芯:鞘)を1:2に変更する以外は、実施例1と同様に行い、芯鞘型複合長繊維を得た。
(比較例2)
PTTに代えて極限粘度〔η〕0.70、融点257℃のPETを用い、口金温度を260℃に代えて280℃、加熱筒の温度を200℃に代えて300℃とする以外は、実施例2と同様に行い、芯鞘型複合長繊維を得た。
実施例1〜2、比較例1〜2で得られた繊維及び筒編地の特性値を測定した結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1、2の芯鞘型複合長繊維は切断強度に優れており、切断伸度も好ましい範囲を満足するものであった。また、編地に対し良好な柔軟性を与えうるものであった。
一方、比較例1の芯鞘型複合長繊維は、芯部の質量比率が小さいために切断強度に劣るものであった。また、比較例2の芯鞘型複合長繊維は、芯部にPTTを用いずPETを用いたものであったので、編地に対し柔軟性を与えることができなかった。

Claims (1)

  1. 芯部がポリトリメチレンテレフタレート、鞘部が芯部より低融点のポリエチレンで構成された芯鞘型複合繊維の長繊維であって、芯鞘複合比が1:1〜5:1、切断強度が2.0cN/dtex以上であることを特徴とする芯鞘型複合長繊維。
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