JP2010076401A - 反転オフセット印刷用インキ除去版およびその製造方法 - Google Patents

反転オフセット印刷用インキ除去版およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】反転オフセット印刷法を使用して、カラーフィルタにおけるブラックマトリクス部と額縁部のように微細なパターンがある高解像度部と大きなパターンがある低解像度部とが混在する場合に、一回の反転オフセット印刷によって、低解像度部にインキ中抜けによるパターン欠落がなく、しかも高解像度部の微細なパターンも印刷することが可能なインキ除去版を提供することである。
【解決手段】凹部と凸部土台を有する版基板と、該凸部土台上の全面に該凸部土台の形状と一致する形状に設けられている金属層よりなることを特徴とするインキ除去版である。
【選択図】図2

Description

本発明は、反転オフセット印刷法を使用して、ガラス基材やプラスチックフィルムなどの可撓性基材上へ、高精細パタ−ンを形成する際に使用するインキ除去用の版とその製造方法に関するものである。
近年、フラットパネルディスプレイは、省エネルギー、省スペース、可搬性などの点から据え置き型、壁掛け型、携帯型の様々な用途の画像表示装置として利用されている。特に携帯型においては、携帯時に落下させても破損しないような耐衝撃性や、軽量化、薄型化などの点からプラスチック化への要求がある。また、壁掛け型においても上記の要求の他に円柱状の柱や曲面状の壁へのディスプレイの設置という点から可撓性のディスプレイへの要求がある。
しかしながら、従来のフラットパネルディスプレイは、何れもガラス基材上に製造されており、プラスチック基材上に製造することは難しかった。その理由は、従来のフラットパネルディスプレイの部材の作製には高温での加熱工程とフォトリソ工程が含まれているためである。例えば、液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造にあたっては、感光性樹脂のパターニングにあたって、現像、洗浄、ベーキングなどの工程があり、プラスチック基材を使用した場合には、熱による損傷や伸縮が発生してしまう。
また、フォトリソ工程は、精密なパターンを形成することができるが、製膜、露光、現像、剥離を材料毎に行うので、工程が長く、製造設備が大掛かりとなり、製造コストも高い。
以上のことから、プラスチック基材上へ、例えばカラーフィルタのブラックマトリクスのパターンを形成することが可能であって、高位置精度で精密なパターンを形成することが可能な印刷方法が求められていた。
プラスチック基材上への印刷法の一つとして、インクジェット法が検討されている。インクジェット法は、所定の部分にのみ所定の材料をパターニングできるので、材料の利用効率が高く、版も使用しないことから、もっとも簡便なパターニング方法として期待されている。
しかしながら、現状のインクジェット法のインク液滴の直径は数十μm程度であり、着弾精度も数μm程度の誤差がある。また、インクジェット法を用いて精密なパターンを形成するためには、着弾したインキ液滴が所定部分以外に広がらないようにするために、あらかじめ基材上にフォトリソ工程により隔壁を形成しなければならない。そのため、カラーフィルタのブラックマトリクスや導電性インキを用いた高解像度の薄膜トランジスタ配など線幅10μm程度のパターンを形成する方法としては、インクジェット法を採用することができない。
インクジェット法以外の方法としては、スクリーン印刷法が挙げられる。スクリーン印刷法は、電子部品における配線や抵抗体、誘電体の印刷などで実用化されている。しかしながら、孔版印刷であることからインキはペースト状の高粘度のものに限られる。また、スクリーンメッシュの精細度から線幅数十μm程度の厚膜の印刷法としては採用できても、線幅10μm程度のパターンを形成する方法としては、採用できない。
以上のような理由によって、インクジェット法およびスクリーン印刷法以外の方法として、反転オフセット印刷法が試みられている。
反転オフセット印刷法は、シリンダーに巻き付けたインキ剥離性のブランケット上にインキを全面に塗工し、予備乾燥して予備乾燥インキ膜を形成し、その後、この予備乾燥インキ膜から非画線部となる不要部分のインキを除去するために、インキ除去部が凸部であるインキ除去版を予備乾燥インキ膜に押圧し、引き離す。すると、不要なインキがブランケットからインキ除去版の凸部へ移動し、ブランケット上には、インキ除去版の凹部に相対する所望のパターンのインキが残る。このブランケット上のインキパターンを被印刷基材上に転写し、被印刷基材上に所望のインキパターンを形成する印刷法である。(特許文献1、3参照)。
反転オフセット印刷法は、インキ膜厚を調整することが容易であり、また、インキ剥離性のブランケット上に画像パターンを形成するので、被印刷基材へのインキ転写性が良好である。さらに、薄膜での微細パターン形成が可能であるという特徴がある。
通常、反転オフセット印刷法は、インキ剥離性のブランケットとしてシリコーンゴムまたはシリコーン樹脂からなるブランケットを使用する。これらシリコーンゴムまたはシリコーン樹脂からなるブランケット上でインキの予備乾燥を行う時に、ブランケット表面のインキ濡れ性や転写性が不安定になるという問題点を有している。その原因は、塗工されたインキ中の溶剤がブランケット内に浸透し、ブランケットが膨潤するが、ブランケットがシリンダーに固定された状態のまま乾燥を行うために均一な予備乾燥が困難であり、転写性や線幅精度について、部分的なバラツキができてしまうことが原因である。
また、転写後には毎回ブランケットのクリーニング工程および膨潤量を調整するための溶剤乾燥工程が必要なので、連続印刷に不向きである。また、ブランケットがシリンダーに固定されているので、すでにパターンが形成された被印刷基材上に、さらに転写してパターンを形成する場合には、ブランケット上のパターンとの位置合わせが困難であった。
反転オフセット印刷法における上記のような課題を解決すべく、巻取りロールから供給されたインキ剥離性のフィルム基材上に、インキ液膜を塗工して設け、該インキ液膜を予備乾燥し、予備乾燥インキ膜を得た後必要な画像パターンを凹部とした凸版を該予備乾燥インキ膜に押し当て、前記予備乾燥インキ膜の非画像部を該凸版の凸部に転移させ、該インキ剥離性のフィルム基材上に残された予備乾燥インキ膜による画像パターンを目的の被印刷基材表面上へ転写する印刷方法が提案されている。(特許文献2参照)。
この印刷方法によれば、順次新しいインキ剥離性のフィルム基材を送り出し使用することが出来るため転写の連続安定性を確保することが可能である。また、インキ剥離性のフィルム基材が光学的に透明であることで、インキ剥離性のフィルム基材表面に残った画像パターンやアライメントマーク越しに、被印刷基材上の画像パターンやアライメントマークを確認することができることから、転写位置を正確に合わせこむことが容易となり再現性の高い高精細パターンを形成することが可能である。
しかしながら、通常のブランケットを使用した反転オフセット印刷法および上記のインキ剥離性のフィルム基材を用いた反転オフセット印刷法では、例えば、カラーフィルタにおけるブラックマトリクスのように、表示域のようにパターンの線幅が10μm程度であり格子状のパターンである高解像度部と、表示域を取り囲むいわゆる額縁部のように線幅が数mmである低解像度部が混在したパターンを一括して形成することは困難である。その理由について以下に説明する。
反転オフセット印刷法では、インキ除去版の版基材として平滑なガラス板を使用し、それにフォトリソ法によってエッチングレジストパターン形成し、ウェットエッチングを施すことで凹部を形成し、インキ除去版としている。この場合、エッチングされなかった部分、つまり凸部がインキ除去部となる。
しかしながら、ウェットエッチングは等方的であり、インキ除去版の凹部の深さ(版深)を深くしようとすると、パターン凹部の線幅が広くなり、逆に解像度を得ようとすれば版深が小さくなる。その結果、例えばカラーフィルタにおけるブラックマトリクスを印刷するためのインキ除去版を製造しようとした場合、線幅が狭い液晶表示部に必要な解像度が得られる程度のエッチングにすると、版深が浅いので、額縁部のような線幅が広い部分においては転写時にインキ除去版の凹部にインキを一様の厚さに塗布した反転オフセット用のブランケットが接触しまう。その結果、ブランケット上のインキがインキ除去版の凹部に転移してしまう。この現象を、本発明においては版底当たりと呼ぶが、結果として被印刷物上には、線幅が広いパターンにおいて、インキが欠落した部分、すなわちインキ中抜け部分が発生してしまうという問題がある。
表1に反転オフセット印刷における印刷線幅、すなわちインキ除去版の凹部の線幅と版底当たりが発生しない限界の版深の関係の一例を示す。この関係は、使用するブランケットシリンダーの径、ブランケットの厚さや硬度、ブランケットへ印加する圧力、等によって変化するので、実際の装置、印刷条件について、この関係を求めることが必要である。
Figure 2010076401
この版底当たりの問題を解決すべく、低解像度部のインキ除去版凹部領域に複数の凸部を形成し、版底当たりを最小限にする方法が開示されている。しかし、この方法では版底当たりの面積を減少させることは可能であるが、解消するには至っておらず、部分的にパターンの欠落が発生してしまう。この欠落部分は、カラーフィルタでは、いわゆる白抜けとなってしまうので、この方法は、カラーフィルタの印刷には適用できない。(特許文献3参照)。
以下に特許文献を記す。
特許第3689536号公報 特開2008‐105400号公報 特開2007‐160769号公報
本発明は、上記のような問題を解決すべく為されたものであって、その課題とするところは、カラーフィルタにおけるブラックマトリクス部と額縁部のように微細なパターンがある高解像度部と大きなパターンがある低解像度部とが混在する場合に、一回の反転オフセット印刷によって、低解像度部にインキ中抜けによるパターン欠落がなく、しかも高解像度部の微細なパターンも印刷することが可能なインキ除去版を提供することである。
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る発明は、反転オフセット印刷に用いる平板状のインキ除去版であって、該インキ除去版は凹部と凸部土台を有する版基板と、該凸部土台上の全面に該凸部土台の形状と一致する形状に設けられている金属層よりなることを特徴とするインキ除去版である。
請求項2に係る発明は、前記インキ除去版の凸部土台の基板底部からの高さと、該凸部土台上に設けられた金属層の厚さの比が1:1から1:50の範囲であることを特徴とす
る請求項1に記載のインキ除去版である。
請求項3に係る発明は、反転オフセット印刷に用いる平板状のインキ除去版の製造方法であって、まず平滑な版基板の表面にインキ除去用の凸部土台を形成し、次ぎに該凸部土台以外の部分にフォトリソグラフィ法によってフォトレジストからなる隔壁を設け、さらに該基板の凸部土台上の全面に金属層を形成し、その後に該フォトレジスト隔壁を除去することを特徴とする反転オフセット印刷用インキ除去版の製造方法である。
請求項4に係る発明は、前記基板の凸部土台以外の部分に設ける隔壁の高さが、凸部土台の版基板底部からの高さと前記金属層の厚さを合算した高さ以上であることを特徴とする請求項3に記載の反転オフセット印刷用インキ除去版の製造方法である。
請求項5に係る発明は、前記金属層を、めっき法を用いて形成することを特徴とする請求項3もしくは4に記載の反転オフセット印刷用インキ除去版の製造方法である。
請求項1に係る発明によれば、本発明のインキ除去版は、基板の凸部土台上に該凸部土台と同一形状の所定の高さの金属層が設けられているインキ除去版なので、いわゆる版底当たりを回避することができ、パターンの欠落なく線幅が狭い部分と線幅が広い部分を有する精密なパターンを一括して印刷することができる。
請求項2に係る発明によれば、前記インキ除去版の凸部土台の基板底部からの高さと、該凸部土台上に設けられた金属層の厚さの比が1:1から1:50の範囲であることによって、版の耐久性、寸法安定性が確保でき、安定的にパターン欠落を防止することができる。
請求項3に係る発明によれば、まず平滑な版基板の表面にインキ除去用の凸部土台を形成し、次ぎに該凸部土台以外の部分にフォトリソグラフィ法によってフォトレジストからなる隔壁を設け、さらに該基板の凸部土台上の全面に金属層を形成し、その後に該フォトレジスト隔壁を除去することで寸法精度の高いインキ除去版を製造することができる。
請求項4に係る発明によれば、前記基板の凸部土台以外の部分に設ける隔壁の高さが、凸部土台の版基板底部からの高さと前記金属層の厚さを合算した高さ以上であるので、高精度に金属層の形状を制御することができる。
請求項5に係る発明によれば、金属層をめっき法にて形成することによって、表面平滑性の高いインキ除去版を効率よく製造することができる。
以下に本発明におけるインキ除去版およびインキ除去版の製造方法の一例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明のインキ除去版の基板にはガラス板の他、鉄板、アルミニウム板、ステンレス板、銅板等を用いることができる。寸法精度が必要な印刷を行う場合には、インキ除去版と被印刷物の熱膨張率を一致させることが好ましい。そのためには、インキ除去版の基板の材質と被印刷物の材質を一致させることが好ましい。例えば、カラーフィルタのブラックマトリクスや色材層を印刷する場合には、カラーフィルタ用のガラス板をインキ除去版の基板として使用することが、熱膨張による寸法変化の影響を最小にすることができるので、特に好ましい。
また、配線パターンを形成する場合には、その配線パターンを印刷する基板と同じ材質のものを、インキ除去版の基板とすることが好ましい。例えば、ガラスエポキシ樹脂基板に印刷する場合には、ガラスエポキシ樹脂の表面にニッケルメッキ層を形成したものをインキ除去版の基板とすることが好ましい。
本発明の他の用途として、プラズマディスプレイパネルの電磁波シールドメッシュやマイクロ流路チップの流路パターンの形成等に用いることが可能であり、上記のように適宜基板を選定して用いることが好ましい。
これらの基板の表面に感光性樹脂を用いてマスクパターンを形成した後、既存のドライエッチング処理やウェットエッチング処理、もしくはサンドブラスト処理を用いて、2μmから30μmの凹部を形成する。しかしながら、前述のようにエッチングによる凹部の深さは必要なパターンの線幅によって制限を受ける。例えば、線幅が10μmのパターンを印刷するためには、エッチングによる凹部の深さは10μm以上にすることはできない。この凹部の深さは、凸部土台の高さでもある。
また、サンドブラスト処理では、10μm程度の細線を彫るためには概ね粒径3μm以下の粒子を使用する必要があるが、粒径1μm以下の粒子を基板を彫刻するために十分な初速で吹き付けた場合、空気抵抗により直進性が失われ、舞い上がってしまうため基板を彫刻することができない。反対に、3μm以上の粒子を用いると、線幅精度が得られないため、同様に線幅が10μmのパターンを印刷するためには、サンドブラストによる凹部の深さは10μm以上にすることはできない。
次ぎに、上記の工程エッチングによる凹部を形成した版基板の凸部土台上の全面に金属層を所定の厚さで形成する。所定の厚さとは、インキ除去時にインキ除去版の凹部にブランケット上のインキ層が触れない厚さである。このインキ層が触れないための厚さは、凹部の深さ以外に、ブランケットが取り付けられているシリンダーの径や、ブランケットが押しつぶされている程度やブランケット上にインキの厚さ等によって定まる。たとえば、後に記した実施例の場合には、凹部の深さ5μm、金属層の厚さ20μmとして、厚さ3
μmのブラックマトリクスを印刷しても、線幅3mmの額縁部において版底当たりが発生せず、ブラックマトリクス用インキの中抜けが発生しなかった。
凹部を形成した後、フォトレジストを全面に塗布する。本発明に用いるフォトレジストとしては公知のものを用いることができる。ポジ型レジスト、ネガ型レジストのどちらも使用可能で適宜選択して用いるが、めっき液に対して耐性のある材料を用いる。
本発明に用いる基板の凹部に設けるフォトレジストによる隔壁の高さは、インキ除去版の凸部の版底部からの高さと金属層の厚さを合算した高さ以上であることが好ましい。これにより、金属層を形成する際にフォトレジストが隔壁となり、金属層の形状を制御することが可能となる。
フォトレジストを塗布、乾燥した後、凸部土台と位置を一致させるためアライメント露光する。パターン精度は仕様値を満足する必要がある。しかし、版底当たりが発生することを防止することができればよいので、アライメント精度は、線幅10μmのパターンを印刷する場合には±μm程度でよい。
反転オフセット印刷法では、インキ除去版の凸部に付着したインキを、一回印刷するたびに除去する必要がある。除去する方法は、通常は拭き取りである。このためインキ除去版の凸部には、インキ耐久性の他に、機械的な耐久性が必要である。
本発明のインキ除去版の金属層には公知のものを用いることができる。例えば、銅、ニッケル、クロム、亜鉛、アルミニウム、カドミウム、鉛、錫、銀、金、白金、パラジウム等から適宜選択して用いることができる。また、2種以上の金属の金属層を積層することも可能であり、金属層の機械的強度やインキ密着性、耐食性等を考慮し、選択する。通常のカラーフィルタを形成する際には、金属層としてニッケル、ニッケル合金、クロムが特に好ましい。クロム層をめっき法で形成する場合には、まず銅層を形成し、その上にニッケル層を形成し、その上にクロムめっきを行うことが好ましい。
金属層を設ける手段としては、蒸着法やスパッタリング法、めっき法などを採用することができるが、めっき法は効率よく金属層を形成できるので好ましい。めっき法には公知の方法を用いることができる。一般的には、電解めっき法、無電解めっき法から適宜選択して用いる。インキ除去凸版の材質や凸部パターンに応じて使い分けることができ、インキ除去凸版の凸部パターンが連続パターンでない場合は無電解めっき法を用いることが望ましい。また、インキ除去凸版の表面が不導体である場合、版表面に蒸着法やスパッタリング法、無電解めっき法にて導電層を形成した後に電解めっき処理を施すことも可能である。
無電解めっきを施す場合は公知の方法を用いればよく、例えば、基板に対して必要に応じて脱脂、粗化処理の後、感受性化処理、活性化処理を行い、その後にめっき浴に浸漬する等の方法で金属層を形成することができる。また、電解めっきを施す場合も公知の方法を用いればよく、例えば、版表面が不導体の場合は前述のように導電性を付与させた後、必要に応じて脱脂等の処理を行い、導線を繋ぎこみ、版がカソードとなるような対極を準備した後に両電極をめっき浴に浸漬し、必要な電位で通電することで金属層を形成することができる。
以上のように、金属層を設ける手段としてはめっき法を用いることが好ましく、電解めっき法、無電解めっき法から一方を選択あるいは併用することができるが、多数の凹凸を有するインキ除去版では金属層の均一な膜厚を達成するために無電解めっき法を用いることが好ましい。
このようにして形成する金属層は任意の厚さに設定することができるが、インキ除去版の凸部土台の版底部からの高さと、該凸部土台上に設けた金属層の厚さの比が1:1から1:50の範囲であることが好ましい。1:1未満であると版底当たりを防止することが困難になり、1:50を超えると土台部に対する金属層の厚さが大きくなり、繰り返し仕様による耐久性が低下することや、温度変化などによる寸法安定性が低下するため望ましくない。
以上のようにして金属層を形成した後にフォトレジストを除去して本発明におけるインキ除去版を得ることができる。フォトレジストの除去には、該フォトレジスト専用の除去液のほか、公知の有機溶剤や現像液等から適宜選択して用いる。選択に当たっては、インキ除去版の基板や金属層の溶解、腐食、さらにはインキ除去版の基板からの金属層の剥離等が発生しないよう考慮する必要がある。
本発明の反転オフセット印刷に使用するブラックマトリクス形成用のインキ除去版を作成した実施例を図1、図2の断面説明図に基づいて以下に示すが、これらの方法に限定されるものではない。
図1(a):インキ除去版の基板1は、300mm角、厚さ0.7mmのガラスである。基板1の全面にCr膜11を0.2μm厚でスパッタ成膜した。その後、ポジ型感光性樹脂AZ−1350(ヘキスト社製)をスピンコーターにて硬化後膜厚が10μmとなるよ
うに塗布しレジスト膜2を得た。
図1(b):次ぎに、フォトマスク3を用いて、フォトレジスト膜2を露光し、硬化した。フォトマスク3は、ブラックマトリクスのパターンおよびパターンを取り囲む額縁部を設けたものである。ブラックマトリクスパターンは線幅10μm、額縁部は線幅3mmとしている。
図1(c):所定の現像液を用いて、前記レジスト膜2の未露光部をパドル現像により除去した。現像後、レジストパターンの乾燥を行い、硬化したマスク用レジストパターン2を得た。その後、レジストパターン2をマスク材として、Cr膜のエッチングを行い、刷版の凸部に相当するCrマスクパターン11を形成した
図1(d):ウェットエッチング液として、10%フッ化水素酸を用い、ウェットエッチングした。凹部の深さ、すなわち凸部土台の高さを5μmとした。
図1(e):フォトレジスト膜とCr膜を所定の剥膜液を用いてそれぞれ剥離し、水洗、乾燥して基板1’を得た。
図2(f):上記基板1’上にダイコータを用いて、基板全面にエポキシ系ネガ型厚膜レジストSU−8(化薬マイクロケム社製)を塗布し、レジスト膜を形成した。ダイコータのダイと基板101の凹部からのギャップを150μmとし、塗布速度を20mm/secとし、レジスト膜5を得た。次ぎに、フォトマスク6として、前記ブラックマトリクス部と額縁部が光透過部であるものを使用して、基板2’の凹部にレジスト膜5の露光硬化した部分が一致するようにアライメント露光した。
図2(g):所定の現像液で現像し、乾燥して、基板2’の凹部に硬化したフォトレジスト膜5が形成されたものを得た。フォトレジスト5の膜厚は30μmであった。
図2(h):上記フォトレジスト膜5による隔壁を設けた基板にエキシマUVを照射し、基板上への金属層の密着向上処理を行った後、SnCl2水溶液を用いて感受性化処理を行い、次いでPdCl2水溶液を用いて活性化処理を行った。
上記処理の後、以下のように調製しためっき浴206に浸漬し、金属層の厚さが20μmとなるまで無電解ニッケルめっきを行い、ニッケル金属層8を形成した。
<無電解めっき浴の組成>
次亜リン酸ニッケル・・・26.7g/10-33
ホウ酸 ・・・12.0g/10-33
硫酸アンモニウム ・・・・2.6g/10-33
酢酸ナトリウム ・・・・4.9g/10-33
最後に基板上のフォトレジストからなる隔壁5をトルエンで溶解して除去した。隔壁5の上に形成されたニッケル金属膜は、隔壁5を溶解除去した際に、同時に除去された。以上の工程によって、版基板の凸部上の全面に金属層が形成されてなる本発明のインキ除去版10を得た。
上記のようにして得たインキ除去版を用いて、カラーフィルタ用のガラス基板に反転オフセット印刷法によって、ブラックマトリクスの印刷を実施したところ、額縁部における版底当たりによるパターン欠陥もなく良好なブラックマトリクスおよび額縁部のパターンが得られた。
本発明は基材上に、反転オフセット印刷法を用いて高解像度部と低解像部とを併せ持つパターンを精密に形成する際に使用して好適なインキ除去版を提供するものであって、種
々の用途に利用できるが、とりわけカラーフィルタの製造や導電性インキによる配線パターン形成に用いることが出来る。
実施例におけるインキ除去版の製造工程を説明するための断面説明図である。 実施例におけるインキ除去版の製造工程を説明するための断面説明図である。
符号の説明
1・・・インキ除去版の基板
1’・・・エッチングによって凹部を形成したインキ除去版の基板
2・・・フォトレジスト
3・・・フォトマスク
4・・・露光光
5・・・フォトレジスト
6・・・フォトマスク
7・・・露光光
8・・・金属層
10・・・本発明によるインキ除去版の例
11・・・Cr膜

Claims (5)

  1. 反転オフセット印刷に用いる平板状のインキ除去版であって、該インキ除去版は凹部と凸部土台を有する版基板と、該凸部土台上の全面に該凸部土台の形状と一致する形状に設けられている金属層よりなることを特徴とするインキ除去版。
  2. 前記インキ除去版の凸部土台の基板底部からの高さと、該凸部土台上に設けられた金属層の厚さの比が1:1から1:50の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のインキ除去版。
  3. 反転オフセット印刷に用いる平板状のインキ除去版の製造方法であって、まず平滑な版基板の表面にインキ除去用の凸部土台を形成し、次ぎに該凸部土台以外の部分にフォトリソグラフィ法によってフォトレジストからなる隔壁を設け、さらに該基板の凸部土台上の全面に金属層を形成し、その後に該フォトレジスト隔壁を除去することを特徴とする反転オフセット印刷用インキ除去版の製造方法。
  4. 前記基板の凸部土台以外の部分に設ける隔壁の高さが、凸部土台の版基板底部からの高さと前記金属層の厚さを合算した高さ以上であることを特徴とする請求項3に記載の反転オフセット印刷用インキ除去版の製造方法。
  5. 前記金属層を、めっき法を用いて形成することを特徴とする請求項3もしくは4に記載の反転オフセット印刷用インキ除去版の製造方法。
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