JP2010076371A - 液体吐出ヘッド駆動回路及び液体吐出装置並びに液体吐出ヘッド駆動方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド駆動回路及び液体吐出装置並びに液体吐出ヘッド駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電素子の絶縁性能の低下によって発生する吐出性能の低下を回避し、安定した液体吐出が維持される液体吐出ヘッド駆動回路及び液体吐出装置並びに液体吐出ヘッド駆動方法を提供する。
【解決手段】圧電素子の絶縁抵抗206の抵抗値Rは、駆動電圧V、モニタ抵抗器の抵抗値R、モニタ抵抗器の両端電圧Vが用いてR={(V−V)/V}×Rと表され、Vを測定することで既知の駆動電圧V、モニタ抵抗器の抵抗値Rを用いて圧電素子の絶縁抵抗値Rが求められる。絶縁抵抗値Rが低下すると圧電素子に実際に印加される電圧(V−V)が低下してしまうので、圧電素子に実際に印加される電圧(V−V)が一定の範囲内になるように駆動電圧Vが調整される。
【選択図】図8

Description

本発明は液体吐出ヘッド駆動回路及び液体吐出装置並びに液体吐出ヘッド駆動方法に係り、特に圧電素子を備えた液体吐出ヘッドの駆動技術に関する。
一般に、カラー画像を形成する汎用の画像形成装置として、インクジェット記録装置が広く用いられている。インクジェット記録装置は、例えば、K(黒)、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)の各色に対応するインクジェットヘッドを備え、色ごとに設けられた各ヘッドからカラーインクを吐出して、記録媒体に所望のカラー画像を形成するように構成されている。
インクジェットヘッドには、多数のノズルに対応してそれぞれに圧電アクチュエータ(ピエゾアクチュエータ、圧電素子)などの吐出力発生素子が設けられ、それぞれに吐出力発生素子に対して所定の駆動電圧を与えると、各ノズルから所定のタイミングで所定量のインクが吐出される。
インクジェットヘッドに用いられる圧電素子は、圧電材料から成る圧電体を2枚の電極ではさんだ構造を有しており、電気的にはコンデンサと等価である。また、正常な状態の圧電アクチュエータにおける電極間は所定の絶縁性能を持ち、一般に、その絶縁抵抗値は数MΩから数百MΩ程度である。しかし、何らかの異常により電極間の抵抗値が数百kΩ以下に低下してしまうことがある。絶縁性能の低下の原因としては、以下の(1)〜(3)のようなケースが考えられる。
(1)製造上の不具合によって電極同士が短絡する。
(2)初期は正常であっても、長期にわたる動作に伴い、電極に使用されている金属材料が圧電体内に浸透(マイグレーション)し、やがて短絡に至る。
(3)インクと活電部との間の絶縁構造が破壊されインクが活電部に染み出し、インクを通して電極間に電流が流れる。
上記(3)はインクジェットヘッドに特有の原因である。このような絶縁異常に対しては何らかの対策が必要であり、従来、圧電素子の電極間の抵抗値をモニタするために、インクジェットヘッドに対して直列に抵抗器(モニタ抵抗器)を接続し、インクジェットヘッドにDC電圧を加えたときのモニタ抵抗器の電圧を調べる方法が公知である。
図15に、従来技術に係るインクジェットヘッドの駆動回路の構成例を示す。同図に示す駆動回路200は、ヘッド202に設けられた個々の圧電素子204の絶縁抵抗206を流れる電流の総和であるコモン電流Iを検出するモニタ抵抗器208を備えて構成されている。
ここで、図15に示す駆動回路200の構成及び動作について説明する。図15に示す駆動回路200は、駆動波形を記憶した記憶素子(不図示)からデジタル形式の波形データ列210を順次読み出し、D/Aコンバータ212でアナログ信号に変換する。次に、アナログ信号をオペアンプ214で増幅し、ブースト回路216によって駆動電圧に変換する。
ブースト回路216は、トーテムポール接続された2つのパワートランジスタ218,220からなるプッシュプル回路と、抵抗器222,224及びダイオード226,228から構成されるオペアンプ214の出力信号をブースト回路216のバイアス信号(入力信号)に変換するバイアス回路と、抵抗器230,232を含む帰還回路と、を含んでいる。
図15に示す駆動回路200は、オペアンプ214の出力にブースト回路216を接続して、圧電素子204の駆動に必要な大きな出力電流を流せるように構成され、かつ、オペアンプ214の出力を圧電素子204の駆動に必要な電圧に変換している。これは、圧電素子204に対して電圧パルス信号を与えたときに、圧電素子204のコンデンサ成分234を充放電するための大きな電流を瞬間的に流す必要があるためである。
ヘッド202には、複数のノズル(不図示)のそれぞれに対応した圧電素子204が形成され、それぞれの圧電素子204の駆動電極238にはアナログスイッチ240の一方の端子が電気接続され、アナログスイッチ240の他方の端子は駆動回路200の出力端(符号Aを付して図示)が共通に電気接続されている。
駆動回路200には、ヘッド202とのインターフェース242に画像データを通信するためのポート(不図示)が設けられており、駆動回路200が駆動電圧を生成するタイミングに同期して画像データを通信し、画像データにしたがってアナログスイッチ240のオンオフを切り換えている。このようにして、圧電素子204のオンオフを切り換えてインク吐出パターンが生成されている。
換言すると、各圧電素子204には共通の駆動電圧が供給され、画像データに基づいて各圧電素子204の駆動電極238に設けられたアナログスイッチ240のオンオフを切り換えることで、所定の吐出タイミングで各ノズルからインクが吐出される。
また、図15に示す駆動回路200は、圧電素子204のコモン電極244に電気接続される共通リターン線(コモン線)246とグランド248との間にモニタ抵抗器208を備えている。圧電素子204の絶縁抵抗206の抵抗値が小さくなると、駆動回路200から絶縁抵抗206を経由してモニタ抵抗器208に流れる電流(コモン電流I)が大きくなるので、モニタ抵抗器208の両端に発生するモニタ電位が高くなる。
したがって、このモニタ電位に基づいて、圧電素子204の絶縁異常の有無を判断することが可能である。図15に示す駆動回路200には、モニタ電位に増幅処理を施す増幅処理部250と、増幅処理部250の出力に基づいて圧電素子204の絶縁異常を判断する合否判定部252と、を備えている。
先に述べた理由(1)を原因とする圧電素子204の絶縁異常の回避方法としては、当該圧電素子204を使用しないように画像データ上でマスクをするように吐出プログラムを変更することが挙げられる。また、理由(2)や理由(3)を原因とする圧電素子204の絶縁異常は、使用を続けるうちに徐々に進行するものであって、定期的に圧電素子204の絶縁異常の有無を判断し、絶縁異常と判断されたときに上記吐出プログラムの変更や、絶縁異常となった圧電素子204を含む部分の交換が適宜行われる。
一方、インク吐出を行うために圧電素子204を動作させるときには、時間変化する駆動電圧が圧電素子204に印加されるので、駆動電圧が変化するたびに圧電素子204のコンデンサ成分234に充放電のための電流が流れる。この充放電電流がモニタ抵抗器208に流れるとB点の電位が動くので、圧電素子204に印加される電圧(A点の電位−B点の電位)が変動してしまう。そのために、モニタ抵抗器208と並列にコンデンサ254を接続して、AC電流(パルス電流)に対するインピーダンスを下げ、B点の電位(モニタ電位)の時間変化を抑えている。
共通インピーダンスによる駆動電圧の変動を抑制する方法として、特許文献1にはインクジェットヘッドの駆動方法が開示されている。特許文献1には、サーマル方式インクジェットヘッドにおいて、駆動されるヒータの数Mと共通インピーダンスRCPを乗じた分の電圧降下が発生することを回避するために、駆動される素子数に応じて電圧調整を行うことが記載されている。
特開2000−141664号公報
しかしながら、図15に図示した駆動回路200は、圧電素子204の絶縁抵抗値が小さくなると絶縁抵抗206を経由してモニタ抵抗器208に常時直流電流(漏れ電流)が流れるので、モニタ抵抗器208の電位が上昇した分だけ実際に圧電素子204に加わる駆動電圧が減少してしまう。したがって、圧電素子204に印加される駆動電圧の減少分に対応して圧電素子204の動作(変形)量が減少し、インク吐出量の減少などの吐出性能の低下となって現れる。
特許文献1に記載されたインクジェットヘッドの駆動方法は、駆動されるヒータ数の変動(すなわち、駆動条件による動的な変動)による駆動電圧の変動を抑制するものであって、圧電素子を用いたインクジェットヘッドにおける絶縁性能の低下による駆動電圧の変動を抑制するものでない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、圧電素子の絶縁性能の低下によって発生する吐出性能の低下を回避し、安定した液体吐出が維持される液体吐出ヘッド駆動回路及び液体吐出装置並びに液体吐出ヘッド駆動方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る液体吐出ヘッド駆動回路は、駆動電極とコモン電極を有する圧電素子を具備する液体吐出ヘッドに駆動電圧を供給する駆動電圧供給部と、前記コモン電極と電気接続され、前記駆動電極と前記コモン電極の間を流れる電流に応じた電圧を発生させる検出部と、前記駆動電圧供給部から供給された駆動電圧、前記検出部の発生電圧及び前記検出部のインピーダンスに基づいて、前記駆動電極と前記コモン電極との間の絶縁抵抗値を算出する絶縁抵抗値算出部と、前記絶縁抵抗値算出部によって算出された絶縁抵抗値に基づいて、前記駆動電極と前記コモン電極の間に印加される電圧が一定範囲内になるように前記駆動電圧供給部から供給される駆動電圧を制御する駆動電圧制御部と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、圧電素子を備えた液体吐出ヘッドに駆動電圧を供給する駆動回路において、圧電素子の絶縁抵抗値が低下したときに、圧電素子の駆動電極とコモン電極の間に印加される電圧が一定範囲内になるように駆動回路から出力される駆動電圧が制御されるので、圧電素子の絶縁抵抗値の低下に伴う吐出性能の低下を回避することができ、安定した吐出性能が維持される。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置10の全体構成を示す概略図である。同図に示すように、インクジェット記録装置10は、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェットヘッド(以下、ヘッドという。)12K,12C,12M,12Yを有する印字部12と、各ヘッド12K,12C,12M,12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録媒体たる記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、各ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12の印字結果を読み取る印字検出部24と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1には図示しないが、印字部12に含まれる各ヘッド12K,12C,12M,12Yのそれぞれの上面(記録紙16と対向する面と反対側の面)には、各ヘッド12K,12C,12M,12Yの駆動回路基板が立てた状態で配置される。
インク貯蔵/装填部14は、各ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応する色のインクを貯蔵するインク供給タンク(図1中不図示、図6に符号60で図示)を有し、各色のインクは所要のインク流路を介してヘッド12K,12C,12M,12Yと連通されている。
また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。詳細な図示は省略するが、本例のインクジェット記録装置10は、各ヘッド12K,12C,12M,12Yの上面にインク供給部を備え、インク貯蔵/装填部14からインク供給部を介して各ヘッド12K,12C,12M,12Yにインクが供給されるように構成されている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録媒体の種類(メディア種)を自動的に判別し、メディア種に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくともヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面(ノズル開口が形成されるインク吐出面)に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側においてヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによって記録紙16がベルト33上に吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図1中不図示、図7に符号88で図示)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が染み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹き付け、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12のヘッド12K,12C,12M,12Yは、当該インクジェット記録装置10が対象とする記録紙16の最大紙幅に対応する長さを有し、そのノズル面には最大サイズの記録媒体の少なくとも一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたりインク吐出用のノズルが複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。
ヘッド12K,12C,12M,12Yは、記録紙16の送り方向に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色順に配置され、それぞれのヘッド12K,12C,12M,12Yが記録紙16の搬送方向(紙送り方向)延在するように固定設置される。
吸着ベルト搬送部22により記録紙16を搬送しつつ各ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ異色のインクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッド12K,12C,12M,12Yを色別に設ける構成によれば、紙送り方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち、1回の副走査で)、記録紙16の全面に画像を記録することができる。このようなシングルパス印字が可能な構成により、ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能である。また、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。更に、記録紙16に処理液とインクとを付着させた後に、記録紙16上でインク色材を凝集又は不溶化させて、記録紙16上でインク溶媒とインク色材とを分離させる2液系のインクジェット記録装置では、処理液を記録紙16に付着させる手段としてインクジェットヘッドを備えてもよい。
なお、ヘッド12K,12C,12M,12Yは、それぞれ複数のヘッドモジュールを記録紙16の幅方向につなぎ合わせた構造を有していてもよいし、各ヘッドは一体に形成された構造を有していてもよい。
印字部12の後段に設けられる印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサを含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他吐出異常をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各ヘッド12K,12C,12M,12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたR受光素子列と、緑(G)の色フィルタが設けられたG受光素子列と、青(B)の色フィルタが設けられたB受光素子列と、から成る色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が2次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色のヘッド12K,12C,12M,12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッド12K,12C,12M,12Yの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドットの着弾位置の測定などで構成される。
印字検出部24の後段には後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
加熱・加圧部44によって記録紙16を押圧すると、多孔質のペーパーに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパーの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
〔ヘッドの構造〕
次に、ヘッドの構造について説明する。色別のヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によってヘッドを示すものとする。
図3(a)はヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b)はその一部の拡大図である。また、図3(c)はヘッド50の他の構造例を示す平面透視図、図4はヘッド50の立体的構成を示す断面図(図3(a),(b)中のA−A線に沿う断面図)である。
記録紙16上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド50は、図3(a),(b)に示すように、インク滴の吐出孔であるノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド50の長手方向(紙送り方向と直交する主走査方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
記録紙16の送り方向と略直交する主走査方向に記録紙16の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図3(a)の構成に代えて、図3(c)に示すように、複数のノズル51が2次元的に配列された短尺のヘッドユニット50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録紙16の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。また、図示は省略するが、短尺のヘッドユニットを一列に並べてラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。共通流路55はインク供給源たるインク供給タンク(図3(a)〜(c)中不図示、図6に符号60で図示)と連通しており、該インク供給タンクから供給されるインクは図4の共通流路55を介して各圧力室52に分配供給される。
圧力室52の天面を構成し共通電極(コモン電極)と兼用される振動板56には個別電極57を備えた圧電素子58が接合されており、個別電極(駆動電極)57に駆動電圧を印加することによって圧電素子58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
かかる構造を有するインク室ユニット53を図5に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd×cosθとなり、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
なお、印字可能幅の全幅に対応した長さのノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、記録紙16の幅方向(記録紙16の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるラインまたは複数列のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図3(a),(b)に示すようなマトリクス状に配置されたノズル51を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。即ち、ノズル51-11、51-12、51-13、51-14、51-15、51-16を1つのブロックとし(他にはノズル51-21、…、51-26を1つのブロック、ノズル51-31、…、51-36を1つのブロック、…として)、記録紙16の搬送速度に応じてノズル51-11、51-12、…、51-16を順次駆動することで記録紙16の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと記録紙16とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるラインまたは複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
そして、上述の主走査によって記録される1ライン(或いは帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向といい、上述の副走査を行う方向を副走査方向という。即ち、本実施形態では、記録紙16の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する記録紙16の幅方向が主走査方向ということになる。なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されず、副走査方向に1列のノズル列を有する配置構造など、様々なノズル配置構造を適用できる。
〔インク供給系の構成〕
図6は、インクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インク供給タンク60はヘッド50にインクを供給する基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に含まれる。インク供給タンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。
図6に示すように、インク供給タンク60とヘッド50の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図6には示さないが、ヘッド50の近傍又はヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64が設けられている。キャップ64は、不図示の移動機構によってヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置からヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によってヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、ヘッド50に密着させることにより、ノズル面をキャップ64で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、圧電素子58が動作してもノズル51からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(圧電素子58の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)圧電素子58を動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ64(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き、ダミー吐出)が行われる。
また、ヘッド50内のインク(圧力室52内)に気泡が混入した場合、圧電素子58が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合にはヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。
この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室52内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
〔制御系の説明〕
図7は、インクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦メモリ74に記憶される。
メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システムコントローラ72は、通信インターフェース70、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、等の各部を制御し、ホストコンピュータ86との間の通信制御、メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
メモリ74には、システムコントローラ72のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、メモリ74は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。メモリ74は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバである。図7では、装置内の各部に配置されるモータ(アクチュエータ)を代表して符号88で図示している。例えば、図7に示すモータ88には、図1のベルト33の駆動ローラ31(32)を駆動するモータや、図6のキャップ64を移動させる移動機構のモータなどが含まれている。
ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって、図1に示す加熱ファン40の熱源たるヒータや、後乾燥部42のヒータなどを含むヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、ヘッドドライバ84を介してヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84は、ヘッド50の圧電素子58に印加される駆動電圧を生成するとともに、プリント制御部80から与えられる画像データに基づいて該駆動電圧を圧電素子58に印加して圧電素子58駆動する駆動回路を含んで構成される。なお、図7に示すヘッドドライバ84には、ヘッド50の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部24は、図1で説明したようにラインセンサを含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供する。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られた情報に基づいてヘッド50に対する各種補正やヘッド50のメンテナンスを行うように各部を制御する。
印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース70を介して外部から入力され、メモリ74に蓄えられる。この段階では、RGBの画像データがメモリ74に記憶される。
メモリ74に蓄えられた画像データは、システムコントローラ72を介してプリント制御部80に送られ、該プリント制御部80においてインク色ごとのドットデータに変換される。即ち、プリント制御部80は、入力されたRGB画像データをKCMYの4色のドットデータに変換する処理を行う。プリント制御部80で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ82に蓄えられる。
プリント制御部80に含まれる演算処理部80Aは、ヘッド50の設けられる圧電素子の絶縁抵抗値を計算するとともに、当該絶縁抵抗値に応じた駆動電圧を算出する処理ブロックである。演算処理部80Aによって算出された絶縁抵抗値は絶縁抵抗データ記憶部92に記憶されるととともに、絶縁抵抗データ記憶部92に記憶された絶縁抵抗値は駆動電圧の算出の際に演算処理部80Aによって参照される。
また、演算処理部80Aによって算出された絶縁抵抗値は、上位システムに通知され、定期的に絶縁抵抗値をモニタするとともに、絶縁抵抗値の時間的な変化(傾き、傾向など)を求めて、外挿により絶縁抵抗値が所定の値(例えば、絶縁異常による部品交換タイミング)が予測される。
報知部94は、絶縁抵抗値が上記所定の値となるタイミングが所定に時間内に近づいたときに、その旨を報知する手段である。例えば、部品交換タイミングを報知する場合には、部品交換タイミングの1日前といった文字情報による表示をモニタ装置やディスプレイ装置に表示させる態様が挙げられる。
ここでいう「上位システム」とは、図7におけるシステムコントローラ72とプリント制御部80の機能を統合した概念であり、絶縁抵抗値を取得する機能、絶縁抵抗値を所定のメモリに記憶する機能、該メモリに記憶された絶縁抵抗値を参照して装置内の各部に制御信号を送出する機能などを有している。
なお、絶縁抵抗値の算出、絶縁抵抗値に応じた駆動電圧の算出、絶縁抵抗値の時間変化による予測についての詳細は後述する。
プログラム格納部90には各種制御プログラムが格納されており、システムコントローラ72の指令に応じて、制御プログラムが読み出され、実行される。プログラム格納部90はROMやEEPROMなどの半導体メモリを用いてもよいし、磁気ディスクなどを用いてもよい。外部インターフェースを備え、メモリカードやPCカードを用いてもよい。もちろん、これらの記録媒体のうち、複数の記録媒体を備えてもよい。なお、プログラム格納部90は動作パラメータ等の記録手段(不図示)と兼用してもよい。
〔駆動回路の構成について〕
次に、本例に適用されるヘッド50の駆動回路について説明する。本例に適用される駆動回路は、図15に示す駆動回路200と同様の構成が適用されるので、駆動回路の詳細な構造や動作については、図15に図示した駆動回路200の説明を本例の駆動回路の説明とする。また、これ以降の説明では、駆動回路の説明の際には図15を参照することとし、他の図において図15と同一又は類似の部分には同一の符号を用いることとする。
〔絶縁抵抗値の算出方法の説明〕
次に、図8に示す等価回路を用いて、本例に適用される駆動回路(図15参照)における圧電素子の絶縁抵抗値の算出方法について説明する。
図8は、図15の駆動回路200の出力部(A点)から圧電素子204(絶縁抵抗206)、モニタ抵抗器208を経由してグランドに至る電流経路を模式的に図示したものである。
図8に示す電位Vは図15の駆動回路200の出力部の電位であり、図8の抵抗器206(抵抗値R)は図15の圧電素子204の絶縁抵抗206、図8の抵抗器208(抵抗値R)は図15のモニタ抵抗器208である。また、図8の電位Vは、図15のモニタ抵抗器208の両端(コモン線246とグランド248間)の電圧である。
なお、本例に示す絶縁抵抗値の算出方法では、ヘッド202内のすべての圧電素子204に対して同時に駆動電圧が印加されるので(すべての圧電素子が一括して検査されるので)、図8の抵抗器206の抵抗値Rは、ヘッド202のすべての圧電素子の絶縁抵抗206の合成抵抗値を表している。
駆動電圧V、B点における電位(モニタ電位)V、絶縁抵抗206の抵抗値R、モニタ抵抗器の抵抗値Rの関係は、次式(1)で表される。
(V−V)/R=V/R …(1)
上記式(1)を変形すると、絶縁抵抗206の抵抗値Rは、次式(2)で表される。
={(V−V)/V}×R …(2)
ここでは、駆動電圧V、モニタ電位V、モニタ抵抗器208の抵抗値Rは既知なので、式(2)を用いて絶縁抵抗206の抵抗値Rが算出される。
圧電素子204の絶縁抵抗値Rが低下すると、絶縁抵抗206とモニタ抵抗器208の合成抵抗値(R+R)が低下して絶縁抵抗206及びモニタ抵抗器208に流れる電流が増加する。すると、モニタ抵抗器208による電圧降下(モニタ電位VB)が大きくなるので、圧電素子に印加される電圧(V−V)が小さくなってしまう。
本例に示す駆動回路200では、圧電素子204に印加される電圧(V−V)の減少による吐出性能の低下を回避するために、圧電素子204に印加される電圧(V−V)が一定の範囲内になるように、駆動回路の出力電圧(V)を調整するように構成されている。
〔駆動電圧の調整方法の具体例〕
次に、図9を参照しながら、圧電素子の駆動回路の出力電圧の調整の手順について説明する。なお、上記式(1)、式(2)から駆動回路の出力電圧Vは、次式(3)で表され、モニタ抵抗器208の両端電圧Vは、次式(4)で表される。
={(R+R)/R}×V …(3)
=(R/R)×(V−V) …(4)
先ず、駆動回路200(図15参照)のD/Aコンバータ212に所定のデジタルデータ(初期値)が設定される(図9のステップS12)。図15のA点には駆動電圧Vが出力される。
次に、モニタ電位Vが測定される(図9のステップS14)。モニタ電位Vの測定はすべてのアナログスイッチ240をオンに設定し、すべての圧電素子204に駆動電圧Vを印加して行われる。
モニタ電位Vが測定されると、駆動電圧V、モニタ抵抗器208の抵抗値Rから上記式(2)を用いて圧電素子204の絶縁抵抗値Rが算出される。絶縁抵抗値Rは図7の絶縁抵抗データ記憶部92に記憶される(図9のステップS16)。
ここで、圧電素子に印加される電圧(V−V)の目標電圧(絶縁抵抗206の抵抗値が無限大の場合の電圧値)をVとすると、上記式(4)により、モニタ電位Vと目標電圧Vの関係は、次式(5)で表すことができる。
=(R/R)×V …(5)
上記式(5)を満たすようにモニタ電位Vを設定することができれば、圧電素子に印加される電圧(V−V)は目標電圧Vに等しくなる。このとき、上記式(3)と式(5)から、駆動回路200から出力される駆動電圧Vは、次式(6)で表される。
={(R+R)/R}×V …(6)
そこで、上記式(2)で求められた絶縁抵抗値Rと、モニタ抵抗器208の抵抗値Rと、圧電素子に印加される電圧の目標電圧Vに基づいて、上記式(6)を用いて、駆動電圧Vの目標値VA2が算出される(図9のステップS18)。
次に、図9のステップS20において、駆動電圧Vが目標値VA2となるようにD/Aコンバータ212に設定するためのデジタルデータが求められる。その値は、D/Aコンバータ212のデジタルデータからアナログデータに変換する際のゲインと、オペアンプ214のゲインから求められる。
次に、図9のステップS22において、ステップS20で求められたデジタルデータの値が設定可能であるか否かが判断される。デジタルデータの値が設定可能な範囲を超えた場合には(No判定)、調整不可能と判断し、上位システムにエラーを返すとともに(ステップS24)、シーケンスを終了する(ステップS26)。
一方、ステップS22において、デジタルデータの値が設定可能な範囲内のときは(YES判定)、その値がD/Aコンバータ212に設定される(図9のステップS28)。
次に、ステップS30において、駆動電圧Vが測定され、該測定値がステップS18で求められた駆動電圧Vの目標値VA2に対して所定の誤差範囲内であるか否かが評価される。
何らかの理由により、ステップS30における測定値が所定の誤差範囲を超えている場合には(ステップS32のNo判定)、調整不可能と判断し、上位システムにエラーを返すとともに(ステップS24)、シーケンスを終了する(ステップS26)。
一方、ステップS30における測定値が所定の誤差範囲内の場合には(ステップS32のYes判定)、ステップS34に進み、モニタ電位Vの測定が行われる。次いで、ステップS34の測定値が、式(5)により算出される値に対して所定の誤差範囲内であるか否かが評価される(ステップS36)。
何らかの理由により、ステップS34の測定値が所定の誤差範囲を超えている場合には(ステップS36のNo判定)、調整不可能と判断し、上位システムにエラーを返すとともに(ステップS24)、駆動電圧Vの調整は終了される(ステップS26)。
一方、ステップS34の測定値が所定の誤差範囲である場合には(ステップS36のYes判定)、ステップS32及びステップS34の評価結果がいずれも合格であり、調整結果が合格した旨を上位システムにステータス信号を返して(ステップS38)、シーケンスを終了する。
ステップS38において、上位システムが調整合格通知を取得すると、ステップS20において算出されたデジタルデータを図14のD/Aコンバータ212に設定するように指令信号が送出される。一方、ステップS24において、上位システムがエラーを取得すると、基本的には、エラー原因が取り除かれるまでの間、正常状態に復帰させない。
具体的には、オペレータに対して部品交換が必要である旨のエラー(サービスマンコール)を報知するとともに、駆動電圧V=0(出力電圧ゼロ)とし、装置は待機状態となる。そして、この状態で電源オフし、不具合原因の部品(インクジェットヘッド)を交換した後、電源を再投入すると自動的に本シーケンスが行われる。本シーケンスが正常終了すればそのまま正常状態に復帰する。
上述した駆動電圧調整シーケンスを定期的に行うことで、圧電素子204の両端の電位差は常に目標であるVに維持され、その結果、圧電素子204の絶縁抵抗値Rがある程度(絶縁性能は正常な状態において)低下したとしても、吐出特性が低下してしまうことを回避できる。このような駆動電圧の調整は、ある部分の設けられた複数の圧電素子について、一様に絶縁抵抗の低下が進行する上記(3)の原因による故障を回避する方法として有効である。
なお、圧電素子204の絶縁抵抗値Rが非常に大きいときには、上記式(6)は理想的にはV=Vとなり、必ずしも図9のステップS18以降のシーケンスを行なう必要がない。そのため、ステップS16の絶縁抵抗値Rの計算結果にかかわらず、ステップS18以降のシーケンスを一通り行なっても問題はないが、絶縁抵抗値Rが所定の範囲内となるまで、ステップS18以降のシーケンスを実行しないように構成してもよい。
なお、複数のヘッドブロックを有する構造のヘッドにおいて、ブロックごとに駆動回路が設けられている態様では、ブロックごと(駆動回路ごと)に上述した処理を実行してもよい。
上述した圧電素子204の絶縁抵抗値Rの算出、及び駆動電圧Vの調整は、装置の定期的なメンテナンスを行う際に行われる。もちろん、装置の稼動を開始する際の初期化動作時や、エラーによる装置停止後の初期化動作時に行うことも可能である。
〔圧電素子の絶縁抵抗値による寿命予測の説明〕
次に、圧電素子204の絶縁抵抗206の時間的な変化を用いて圧電素子204が絶縁異常となり交換する時期を予測する方法について説明する。
「背景技術」欄に説明した圧電素子の故障原因のうち、上記(2)の原因による故障は個別の圧電素子に対して起こるものであり、上記(3)の原因による故障はインクが漏れている領域に対して一様に起こり、いずれも長期間の使用により徐々に進行するものである。しかし、絶縁抵抗値Rが低下したとしても所定の絶縁性能を維持している限り(例えば、絶縁抵抗値Rが1MΩ未満となり数百kΩ程度まで低下した状態)、上記のような駆動電圧の変更によって正常動作させることが可能である。
しかし、絶縁抵抗値Rの低下が発生した圧電素子204は、いずれ絶縁異常に至るので(例えば、絶縁抵抗値Rが100kΩ未満に低下状態)交換が必要であるが、最適な交換時期を判断することは極めて困難である。これに対して、本例に示すインクジェット記録装置10では、絶縁抵抗206の抵抗値の時間的な変化によって絶縁異常に至る直前まで使用を継続させ、絶縁異常に至る直前のタイミングを把握するとともに、当該タイミングにおいて当該圧電素子が交換されるので、効率のよい方法といえる。
先ず、圧電素子204の絶縁抵抗値Rが算出されると、その計算結果を上位システム(図7のシステムコントローラ)に通知する。上位システムでは、定期的に絶縁抵抗206の抵抗値Rがモニタされ、絶縁抵抗値Rの時間的な変化が求められる。図10に、絶縁抵抗値Rの時間的な変化をグラフ形式で図示する。図10では、時間に対して絶縁抵抗値Rが線形(反比例)となる場合を例示したが、定期的にモニタされた絶縁抵抗値Rによりこれらの関係が曲線により表されることもあり得る。
このようにして、時間経過と絶縁抵抗値Rとを関連付けして記憶することで、絶縁異常と判断される絶縁抵抗値になるタイミング(図10の交換タイミング)を予測可能である。
また、図10に図示した交換タイミングが近づくと、上位システムから図7に図示した報知部94を介してその旨が報知される。図10の報知タイミングは交換タイミングの2〜3日前といった例が挙げられる。
このようにして、絶縁抵抗値Rを定期的にモニタするとともに、絶縁抵抗値Rの時間的な変化を求めておくことで、絶縁異常となるタイミングを予測することができ、絶縁異常となるタイミングの直前において、絶縁異常となる前に圧電素子204の交換が可能である。なお、圧電素子は個別に交換されるのではなく、ヘッド全体又はブロックごとに一括して交換される。
ここに説明した圧電素子の絶縁寿命予測は、先に説明した駆動電圧Vの調整と組み合わせることが可能である。すなわち、圧電素子204の絶縁抵抗値Rのモニタが行われるごとに絶縁抵抗値Rの時間的な変化を更新しておくことで、より正確に圧電素子204が絶縁異常となるタイミングを予測することが可能となる。
上記の如く構成されたインクジェットヘッドの駆動回路によれば、圧電素子204の絶縁抵抗値Rを求め、該絶縁抵抗値Rに応じて駆動電圧Vが調整されるので、絶縁抵抗値Rの低下による吐出特性の低下を回避することができる。
また、圧電素子204の絶縁抵抗値Rが定期的にモニタされるとともに記憶されるので、圧電素子204が絶縁異常に至るタイミングを予測することができ、このタイミングを適宜報知することで、最適な圧電素子204の交換時期を判断することが可能となる。
〔応用例〕
次に、上述した実施形態の応用例として、応用例1〜4について説明する。
(応用例1)
応用例1では、インクリークの有無を検出する方法について説明する。すなわち、すべてのアナログスイッチ240をオフに切り換えた後に駆動電圧Vを印加し、モニタ電位Vを求めることで、インクリークの検出を判断することができる。インクリークがない状態では、すべてのアナログスイッチ240をオフにして駆動電圧を印加してもモニタ電位Vは現れないが、インクリークがあるとインクの持つ電気抵抗によって図15のA点とB点が電気接続された状態と等価になり、リークしたインクを通ってモニタ抵抗器208に電流が流れモニタ電位Vが現れる。このモニタ電位Vが一定値以上であれば、ンクリークが発生していると判断することができる。
(応用例2)
応用例2では、個別に圧電素子204の絶縁異常を判断する方法について説明する。すなわち、すべてのアナログスイッチ240を同時にオンして駆動電圧Vを印加し、異常が検出された場合には、アナログスイッチ240を1つずつオンして各圧電素子204に対して個別に駆動電圧Vを印加し、各圧電素子204の異常の有無を判断することが可能である。
異常となった圧電素子204が特定された後は、異常となった圧電素子204は常時オフとなるようにアナログスイッチ240が制御され、この状態で通常の画像記録が実行される。この方法は上記(1)、(2)の原因による不具合を回避する方法として有効である。
(応用例3)
応用例3では、通常の画像記録時に発生する突発的な圧電素子204の絶縁異常を判断する方法である。すなわち、上述した圧電素子204の絶縁抵抗値Rの監視を通常の画像記録時に行い、突発的な圧電素子204の絶縁異常を判断する。
図15に示すように、コモン線246に設けられたコンデンサ254の機能により、圧電素子58を動作させたときにパルス電流が流れても、パルス電流に対するコモン線246のインピーダンスはほぼゼロとなるので、圧電素子204に対する絶縁抵抗値Rの影響は小さい。一方、通常記録が行われている期間中に記録に影響しないように定期的に直流電圧が印加されると、その期間だけモニタ抵抗器208の両端にはモニタ電圧が現れる。したがって、圧電素子58を動作させているときでも、モニタ抵抗器208に流れる電流に基づき圧電素子58の絶縁異常の有無を判断することが可能である。
(応用例4)
本例に示す駆動回路200は、絶縁抵抗206の抵抗値Rが低下した圧電素子204に対して、絶縁抵抗値Rの低下を補償するために駆動電圧Vを増加させている。しかし、絶縁抵抗206の抵抗値Rの低下によって駆動回路200が過負荷(消費電流の増加)となり、破損に至るおそれがある。
このような過負荷による駆動回路200の破損を回避するために、駆動回路200の出力部から圧電素子204の絶縁抵抗206、コモン線246、モニタ抵抗器208を経由してグランドに至る経路に流れる電流(コモン電流)Iを一定範囲内に制限するとよい。
図11には、駆動回路200’の出力部213から圧電素子204の絶縁抵抗206、コモン線246、モニタ抵抗器208を経由してグランドに至る経路に流れるコモン電流Iをモニタ電位Vに応じて制限する構成を図示する。
なお、図11中、図15と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図11に示す電流制限部100は、モニタ抵抗器208に流れる電流(すなわち、コモン電流I)を検知して、モニタ抵抗器208や駆動回路200’を構成する各素子(例えば、トランジスタ218,220)の過負荷の状態を検知するとともに、過負荷の状態が検知された場合には、コモン電流Iを制限して、過負荷の状態を解消するように構成されている。
また、電流制限部100は、コモン電流Iを遮断してしまうのでなく、合否判定部252によって絶縁異常の有無を判断できる範囲にコモン電流Iを制限するので、コモン電流Iが制限されている状態においても合否判定部252による絶縁異常の判断が可能となっている。
モニタ抵抗器208の過負荷の状態は、モニタ抵抗器208の定格電力の1/n(n>1)というように決めることができる。例えば、モニタ抵抗器208の定格電力が1Wの場合には、モニタ抵抗器208の消費電力が0.5W(定格電力の1/2)や0.25W(定格電力の1/4)を超えたときに過負荷の状態と判断される。
この消費電力の判断基準とモニタ抵抗器208の抵抗値からモニタ抵抗器208の過負荷の状態を判断する電流の判断基準を決めることが可能である。
また、合否判定部252によって絶縁異常の有無を判断できる範囲は、合否判定部252の増幅処理部158の増幅率(ゲイン)と、絶縁異常の判断基準であるしきい値電圧から決められる。
次に、図12〜図14を用いて電流制限部100の具体的な構成例を示す。なお、図12〜図14には、電流制限部100及びその周辺の構成のみを図示し、駆動回路200’の全体構成の図示は省略する。また、図12〜図14において他の図面と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図12に、電流制限部100として、ヒューズ102と所定の抵抗値を有する抵抗器104を並列接続した構成例を示す。同図に示す構成例では、一般にヒューズ102の抵抗値はモニタ抵抗器208や並列接続された抵抗器104よりも十分小さいので、通常状態ではコモン電流Iはヒューズ102を流れて、モニタ抵抗器208により圧電素子204の絶縁抵抗値Rが正確にモニタされる。
一方、圧電素子204の絶縁抵抗値Rが小さくなって、コモン電流Iがヒューズ102の溶断電流よりも大きくなるとヒューズ102が溶断する。ヒューズ102の溶断後は抵抗器104を経由してコモン電流Iがモニタ抵抗器208に流れるので、圧電素子204の絶縁異常の有無を判断することができる。さらに、抵抗器104の抵抗値はコモン電流Iの制限範囲に対応するように決められているので、コモン電流Iは適正範囲内に制限され、モニタ抵抗器208及び駆動回路200’の過負荷による破損が回避される。
なお、図12に示す態様において、ヒューズ102に代わりヒューズ抵抗器を適用してもよいし、サーミスタなど自己復帰型の電流遮断素子を適用してもよい。ヒューズやヒューズ抵抗を用いた場合には一旦断線すると部品を交換する必要があるが、サーミスタ(正特性サーミスタ)を用いた場合には、部品の交換が不要であり、復帰後(冷却後)に当該回路を再使用することができる。
図12に示す態様によれば、簡単な構成でコモン電流Iの制限を実現することができる。また、部品点数が少なく、使用される部品も汎用部品であり、駆動回路基板108の大型化を招くこともなく、コスト面でも有利である。
図13に、電流制限部100としてトランジスタなどのスイッチング素子を用いた構成例を示す。同図に示す構成例では、コモン線246(コンデンサ254とモニタ抵抗器208の間)にFET110を挿入する。FET110のD(ドレイン)端子はコンデンサ254に接続され、S(ソース)端子はモニタ抵抗器208に接続される。また、G(ゲート)端子には、NPN型トランジスタ112のコレクタ端子と、抵抗器114の一方の端子が接続され、抵抗器114の他方の端子は電源(+V)に接続される。
トランジスタ112のベース端子は、FET110のS端子(モニタ抵抗器208)に接続され、エミッタ端子はグランドに接続される。
ここで、図10に示す電流制限部100の動作を簡単に説明する。圧電素子58の絶縁抵抗58Bが正常範囲であり、コモン電流Iが正常範囲(所定の基準値以下)の場合にはトランジスタ112がオフになるようにトランジスタ112のバイアス回路が決められている。すなわち、モニタ抵抗器208の両端電圧であるモニタ電圧が所定の基準値よりも小さい場合にはトランジスタ112はオフとなる。
そのため、FET110のG端子には+Vの電圧が印加され、ゲートソース間電圧(VGS)は+Vからモニタ電圧を減算した電圧(おおよそ+V)となり、これによりFET110はオンとなる。FET110がオンになると、コモン電流IはFET110のD−S間を経由してモニタ抵抗器208へ流れる。
一方、圧電素子58の絶縁抵抗58Bが小さくなり、FET110を経由して流れるコモン電流Iが増加すると、モニタ電圧が大きくなり、やがてトランジスタ112がオンとなる。ここで、トランジスタ112がオンになるまでは、FET110のVGSはモニタ電圧であるS端子の電位が上昇する分だけ小さくなる。具体的には、+Vに対し0.7V程度小さくなる。
FET110は、トランジスタ112がオンになるまではVGSが小さくなってもオン状態を維持するような特性でなければならない。トランジスタ112がオンになると、FET110のG端子の電位はトランジスタ112のコレクタ−エミッタ間飽和電圧(通常は0.2V程度)となる。
トランジスタ112がオンになると、FET110のS端子の電位はトランジスタ112のベース−エミッタ間電圧となり、略0.7Vとなる。したがって、VGS<0ボルトとなりFET110がオフになる。FET110がオフになると、FET110のD端子からS端子を経由してモニタ抵抗器208に流れるコモン電流Iが遮断される。
なお、FET110がオフになると、モニタ抵抗器208にコモン電流Iが流れなくなるのでモニタ電圧が降下し、モニタ電圧が所定の基準値以下まで下降するとトランジスタ112がオンになる。トランジスタ112がオンになると、FET110がオンになるのでFET110のD端子からS端子向かうドレイン電流(コモン電流I)が流れ、モニタ抵抗器208にもコモン電流Iが流れる。
FET180がオンになるとモニタ電圧が大きくなるので、トランジスタ112が再びオンになり、FET110がオフになる。このようにFET110のオンオフを繰り返すことで最終的には平衡状態となる。当該平衡状態におけるモニタ電圧は0.7V程度である。
すなわち、モニタ電圧によってトランジスタ112によってFET180のオンオフ(オンデューティ)を制御し、FET110のD端子からS端子に流れるドレイン電流(コモン電流I)が所定の範囲内になるように制限している。
図13に示す態様によれば、図12に示すようにヒューズやサーミスタを使う場合に比べて、電流制限部100が機能し始める電流を低く抑えることができる。一般的なヒューズやサーミスタの動作電流は比較的大きいが、図13に示す構成では、モニタ電圧がトランジスタ112をオンさせる電圧(約0.7V)になったときに、電流制限部100が動作を開始するので、適当なモニタ抵抗器208の抵抗値を選ぶことにより、コモン電流Iの制限開始電流や、コモン電流Iの制限範囲を自由に設定できる。
図14には、駆動回路200’の出力電圧がマイナス電圧の場合における電流制限部100の構成例を図示する。図14に示す構成例では、FET110にはPチャネル型FETが適用され、トランジスタ112には、PNP型バイポーラトランジスタが適用される。また、FET110のG端子には、抵抗器114を介して負極性の−Vが印加される。なお、動作原理は図10に示す構成例と共通しているので、説明は省略する。
圧電素子58は、コモン電極56に対して駆動電極57に正極性の駆動電圧を印加してもよいし、コモン電極56に対して駆動電極57に負極性の駆動電圧を印加してもよく、駆動電圧の極性はヘッドの設計によって決められる。
コモン電極56に対して駆動電極57に負極性の駆動電圧を印加して圧電素子58を動作させる場合には、図14に図示した構成例が適用される。
応用例3に係る駆動回路よれば、圧電素子の絶縁異常を検知するためのモニタ抵抗器に流れる電流(コモン電流)を検知することで、モニタ抵抗器及び駆動回路の過負荷状態を検知することができ、モニタ抵抗器及び駆動回路が過負荷の状態であればモニタ抵抗器に流れる電流を制限するので、モニタ抵抗器及び駆動回路が過負荷になることが回避される。
また、モニタ抵抗器に流れる電流は、圧電素子の絶縁異常を判断できる範囲に制限されるので、モニタ抵抗器に流れる電流が制限されている場合にも、圧電素子の絶縁異常の判断が可能である。
なお、上述した応用例1〜4は単独でも十分な効果を発揮するが、装置の構成に応じて、上述した応用例1〜4を適宜組み合わせるとよい。
本実施形態では、本発明の適用例としてインクジェット方式の液体吐出ヘッドの駆動回路を例示したが、本発明は圧電素子などの圧電アクチュエータを駆動するための駆動信号を生成する駆動回路にも適用可能である。
また、本発明が適用される装置例として記録媒体上にカラー画像を形成するインクジェット記録装置を示したが、本発明は液体吐出ヘッドから媒体上に液体を吐出する液体吐出装置(ディスペンサーなど)など、圧電素子を吐出力発生素子に適用した構成に広く適用可能である。
本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
<付記>
上記に詳述した発明の実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書は少なくとも以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
(発明1):駆動電極とコモン電極を有する圧電素子を具備する液体吐出ヘッドに駆動電圧を供給する駆動電圧供給部と、前記コモン電極と電気接続され、前記駆動電極と前記コモン電極の間を流れる電流に応じた電圧を発生させる検出部と、前記駆動電圧供給部から供給された駆動電圧、前記検出部の発生電圧及び前記検出部のインピーダンスに基づいて、前記駆動電極と前記コモン電極との間の絶縁抵抗値を算出する絶縁抵抗値算出部と、前記絶縁抵抗値算出部によって算出された絶縁抵抗値に基づいて、前記駆動電極と前記コモン電極の間に印加される電圧が一定範囲内になるように前記駆動電圧供給部から供給される駆動電圧を制御する駆動電圧制御部と、を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド駆動回路。
本発明によれば、圧電素子を備えた液体吐出ヘッドに駆動電圧を供給する駆動回路において、圧電素子の絶縁抵抗値が低下したときに、圧電素子の駆動電極とコモン電極の間に印加される電圧が一定範囲内になるように駆動回路から出力される駆動電圧が制御されるので、圧電素子の絶縁抵抗値の低下に伴う吐出性能の低下を回避することができ、安定した吐出性能が維持される。
駆動電圧供給部は、波形データを所定のアナログ信号に変換する低電圧回路(小信号を取り扱う回路)と、アナログ信号を圧電アクチュエータの駆動に必要な電流及び電圧に変換するパワー回路(高電圧、大電流を取り扱う回路)と、を含む概念である。
複数の圧電素子を備える態様では、駆動電極及びコモン電極の少なくともいずれか一方にスイッチ素子を備え、複数の圧電素子を並列接続するとともに共通の駆動信号を印加し、スイッチ素子のオンオフを切り換えて所望の圧電素子に駆動電圧を印加する駆動方式を適用するとよい。
駆動電極とコモン電極との間の絶縁抵抗値(圧電素子の絶縁抵抗値)が、絶縁異常と判断される値まで低下したときには、駆動電圧の供給を停止するとともにその旨を報知する態様が好ましい。
(発明2):発明1に記載の液体吐出ヘッド駆動回路において、前記絶縁抵抗値算出部によって算出された前記圧電素子の絶縁抵抗値を定期的に記憶しておく記憶部と、前記記憶部に定期的に記憶された前記圧電素子の絶縁抵抗値に基づいて、前記圧電素子が絶縁異常となる時期を予測する予測部と、を備えたことを特徴とする。
かかる態様によれば、圧電素子の絶縁抵抗値を定期的に記憶しておき、絶縁抵抗値の時間的な変化によって絶縁異常と判断される値になるタイミングを予測することができ、圧電素子が絶縁異常となる手前のタイミングまで当該圧電素子の使用を継続することができ、かつ、圧電素子が絶縁異常となる手前のタイミングで当該圧電素子の交換が可能である。
記憶部に記憶された絶縁抵抗値の時間的な変化を求める態様が好ましい。
(発明3):発明2に記載の液体吐出ヘッド駆動回路において、前記予測部によって予測された前記圧電素子が絶縁異常となる時期よりも所定の期間前にその旨を報知する第1の報知部を備えたことを特徴とする。
かかる態様によれば、圧電素子が絶縁異常となる前にその時期が近づいていることを把握でき、適切な交換時期の判断が可能である。
(発明4):発明1乃至3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド駆動回路において、前記駆動電圧制御部は、変更後の駆動電圧が前記駆動電圧供給部から供給可能な電圧範囲を超える場合には調整不可と判断することを特徴とする。
かかる態様によれば、駆動回路が過負荷になることを防止するとともに、過電圧による圧電素子の破損を回避することができる。
(発明5):発明4に記載の液体吐出ヘッド駆動回路において、前記駆動電圧制御部によって調整不可と判断されたときにその旨を報知する第2の報知部を備えたことを特徴とする。
かかる態様によれば、圧電素子の絶縁抵抗値の低下を駆動電圧の変更により補償することができないことを把握でき、圧電素子の交換等の処理が必要となっていることを把握できる。
(発明6):発明1乃至5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド駆動回路において、前記検出部は所定の抵抗値を有する抵抗器を含むことを特徴とする。
かかる態様において、抵抗器両端子間には圧電素子のコモン電極から検出部へ流れる電流に比例した電圧が発生する。
(発明7):発明6に記載の液体吐出ヘッド駆動回路において、前記駆動電極と前記コモン電極の間の絶縁抵抗値Rは、前記駆動電圧をV、前記検出部の前記抵抗器の抵抗値をR、前記抵抗器の端子間に発生する電圧をVとしたときに、次式R={(V−V)/V}×Rにより表されることを特徴とする。
かかる態様によれば、抵抗器の端子間に発生する電圧Vを測定することで、駆動電圧V、抵抗器の抵抗値をRに基づき圧電素子の絶縁抵抗値Rを求めることができる。
(発明8):発明1乃至7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド駆動回路において、前記液体吐出ヘッドは、複数のノズルのそれぞれに対応して複数の圧電素子を備えるととともに前記複数の圧電素子が並列接続される配線構造を有し、かつ、前記複数の圧電素子の駆動電極にスイッチ素子が設けられ、前記複数のノズルの吐出タイミングに応じて前記スイッチ素子のオンオフを切り換える切換制御部を備えたことを特徴とする。
かかる態様において、複数のスイッチ素子をオンに切り換えて、複数の圧電素子に同時に駆動電圧を供給した場合には、当該複数の圧電素子の絶縁抵抗の合成抵抗値が算出される。
(発明9):駆動電極とコモン電極を有する圧電素子を具備する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに駆動電圧を供給する駆動回路と、を備え、前記駆動回路は、発明1乃至8の何れかに記載の液体吐出ヘッド駆動回路を含むことを特徴とする。
液体吐出装置には、ノズルからインクを吐出して記録媒体上にカラー画像を記録するインクジェット記録装置が含まれる。
(発明10):駆動電極とコモン電極を有する圧電素子を具備する液体吐出ヘッドに駆動電圧を供給する駆動電圧供給工程と、前記駆動電極と前記コモン電極の間を流れる電流を検出する検出工程と、前記駆動電圧供給工程により供給された駆動電圧及び前記検出工程によって検出された電流に対応する電圧、前記コモン電極とグランドの間の抵抗値に基づいて、前記駆動電極と前記コモン電極との間の絶縁抵抗値を算出する絶縁抵抗値算出工程と、前記絶縁抵抗値算出工程によって算出された絶縁抵抗値に基づいて、前記駆動電極と前記コモン電極の間に印加される電圧が一定範囲内になるように前記駆動電圧供給部から供給される駆動電圧を制御する駆動電圧制御工程と、を含むことを特徴とする液体吐出ヘッド駆動方法。
また、本明細書は、以下の発明を開示するものである。
(発明11):駆動電極とコモン電極を有する圧電素子を具備する液体吐出ヘッドに駆動電圧を供給する駆動電圧供給部と、前記コモン電極と電気接続され、前記駆動電極と前記コモン電極の間を流れる電流に応じた電圧を発生させる検出部と、前記駆動電圧供給部から供給された駆動電圧、前記検出部の発生電圧及び前記検出部のインピーダンスに基づいて、前記駆動電極と前記コモン電極との間の絶縁抵抗値を算出する絶縁抵抗値算出部と、前記絶縁抵抗値算出部によって算出された前記圧電素子の絶縁抵抗値を定期的に記憶しておく記憶部と、前記記憶部に定期的に記憶された前記圧電素子の絶縁抵抗値に基づいて、前記圧電素子が絶縁異常となる時期を予測する予測部と、を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド駆動回路。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図 図1に示すインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 ヘッドの構造例を示す平面透視図 図3中A−A線に沿う断面図 図3に示すヘッドのノズル配置を示す拡大図 図1に示すインクジェット記録装置のインク供給系の構成を示す概要図 図1に示すインクジェット記録装置の制御系の構成を示す概要図 絶縁抵抗値の算出方法を説明するための等価回路図 絶縁抵抗値算出及び駆動電圧制御の手順を示すフローチャート 絶縁抵抗値の時間的変化の記憶例 本実施形態の応用例3に係る駆動回路の構成を示すブロック図 図11に示す電流制限部の構成例を示すブロック図 図11に示す電流制限部の他の構成例を示すブロック図 図13に示す駆動回路にマイナス電圧を用いた場合の電流制限部の構成例を示すブロック図 従来技術に係る液体吐出ヘッドの駆動回路を説明する図
符号の説明
12K,12C,12M,12Y,50…ヘッド、56…コモン電極(振動板)、57…駆動電極、58,204…圧電素子、80…プリント制御部、80A…演算処理部、84…ヘッドドライバ、92…絶縁抵抗データ記憶部、94…警告部、200…駆動回路、206…絶縁抵抗、208…モニタ抵抗器

Claims (10)

  1. 駆動電極とコモン電極を有する圧電素子を具備する液体吐出ヘッドに駆動電圧を供給する駆動電圧供給部と、
    前記コモン電極と電気接続され、前記駆動電極と前記コモン電極の間を流れる電流に応じた電圧を発生させる検出部と、
    前記駆動電圧供給部から供給された駆動電圧、前記検出部の発生電圧及び前記検出部のインピーダンスに基づいて、前記駆動電極と前記コモン電極との間の絶縁抵抗値を算出する絶縁抵抗値算出部と、
    前記絶縁抵抗値算出部によって算出された絶縁抵抗値に基づいて、前記駆動電極と前記コモン電極の間に印加される電圧が一定範囲内になるように前記駆動電圧供給部から供給される駆動電圧を制御する駆動電圧制御部と、
    を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド駆動回路。
  2. 請求項1に記載の液体吐出ヘッド駆動回路において、
    前記絶縁抵抗値算出部によって算出された前記圧電素子の絶縁抵抗値を定期的に記憶しておく記憶部と、
    前記記憶部に定期的に記憶された前記圧電素子の絶縁抵抗値に基づいて、前記圧電素子が絶縁異常となる時期を予測する予測部と、
    を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド駆動回路。
  3. 請求項2に記載の液体吐出ヘッド駆動回路において、
    前記予測部によって予測された前記圧電素子が絶縁異常となる時期よりも所定の期間前にその旨を報知する第1の報知部を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド駆動回路。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド駆動回路において、
    前記駆動電圧制御部は、変更後の駆動電圧が前記駆動電圧供給部から供給可能な電圧範囲を超える場合には調整不可と判断することを特徴とする液体吐出ヘッド駆動回路。
  5. 請求項4に記載の液体吐出ヘッド駆動回路において、
    前記駆動電圧制御部によって調整不可と判断されたときにその旨を報知する第2の報知部を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド駆動回路。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド駆動回路において、
    前記検出部は所定の抵抗値を有する抵抗器を含むことを特徴とする液体吐出ヘッド駆動回路。
  7. 請求項6に記載の液体吐出ヘッド駆動回路において、
    前記駆動電極と前記コモン電極の間の絶縁抵抗値Rは、前記駆動電圧をV、前記検出部の前記抵抗器の抵抗値をR、前記抵抗器の端子間に発生する電圧をVとしたときに、次式
    ={(V−V)/V}×R
    により表されることを特徴とする液体吐出ヘッド駆動回路。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド駆動回路において、
    前記液体吐出ヘッドは、複数のノズルのそれぞれに対応して複数の圧電素子を備えるととともに前記複数の圧電素子が並列接続される配線構造を有し、かつ、前記複数の圧電素子の駆動電極にスイッチ素子が設けられ、
    前記複数のノズルの吐出タイミングに応じて前記スイッチ素子のオンオフを切り換える切換制御部を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド駆動回路。
  9. 駆動電極とコモン電極を有する圧電素子を具備する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドに駆動電圧を供給する駆動回路と、
    を備え、
    前記駆動回路は、請求項1乃至8の何れか1項に記載の液体吐出ヘッド駆動回路を含むことを特徴とする液体吐出装置。
  10. 駆動電極とコモン電極を有する圧電素子を具備する液体吐出ヘッドに駆動電圧を供給する駆動電圧供給工程と、
    前記駆動電極と前記コモン電極の間を流れる電流を検出する検出工程と、
    前記駆動電圧供給工程により供給された駆動電圧及び前記検出工程によって検出された電流に対応する電圧、前記コモン電極とグランドの間の抵抗値に基づいて、前記駆動電極と前記コモン電極との間の絶縁抵抗値を算出する絶縁抵抗値算出工程と、
    前記絶縁抵抗値算出工程によって算出された絶縁抵抗値に基づいて、前記駆動電極と前記コモン電極の間に印加される電圧が一定範囲内になるように前記駆動電圧供給部から供給される駆動電圧を制御する駆動電圧制御工程と、
    を含むことを特徴とする液体吐出ヘッド駆動方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011251418A (ja) * 2010-05-31 2011-12-15 Brother Industries Ltd 圧電アクチュエータ装置、及び、インクジェットプリンタ
JP2018079470A (ja) * 2018-02-05 2018-05-24 株式会社リコー 液滴吐出方法及び粒子製造方法

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