JP2010075404A - 電気かみそり及び電磁アクチュエータ - Google Patents

電気かみそり及び電磁アクチュエータ Download PDF

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浩幸 亀岡
Shigetoshi Sakon
茂俊 佐近
Wataru Jitsumatsu
渉 実松
Kenji Narita
憲二 成田
Satoshi Nakayama
敏 中山
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Abstract

【課題】その時々の髭の導入率の向上を図り、剃り性能を向上させることができる電気かみそりを提供する。
【解決手段】電気かみそりの電磁アクチュエータ15において、可動子32a,32bに往復動方向の駆動力に加えてその直交方向への駆動力が周期的に生じる駆動力F1,F2が生じるように、可動子32a,32bと固定子31との境界部の磁気通路を構成する各突極33a〜33cの凸部33xが往復動方向の直交方向にずらして構成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、往復式電磁アクチュエータを用いて構成される電気かみそり、及び電気かみそり等に用いると好適な往復式電磁アクチュエータに関するものである。
往復式電磁アクチュエータを用いて構成される電気かみそりには、例えば特許文献1にて示されているようなものが提案されている。電気かみそりのヘッド部内には、その往復式電磁アクチュエータを構成すべく、電磁石よりなる固定子がヘッド部内に固定されるのに対し、永久磁石を有する可動子が往復動可能に支持され、その可動子に固定される内刃と該内刃を覆うように網目状の外刃がヘッド部に装着されてなる。そして、固定子への通電に基づいて可動子が往復動(リニア駆動)を行うことで、外刃の編み目から導入された髭等がその外刃と内刃とで剃られるように構成されている。
特開平7−265560号公報
ところで、髭の生え方向は一方向に揃っておらず、顎髭等は特に様々な方向を向いて生えている。そのため、使用者は、上記のような電気かみそりの剃り方向(電気かみそりを肌上で移動させる方向)を様々変化させて外刃の編み目内に髭を導入させる必要があり、電気かみそりの剃り方向を何度も変更して剃り直す行為が煩わしかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、その時々の髭の導入率の向上を図り、剃り性能を向上させることができる電気かみそり及び電磁アクチュエータを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、把持部に対して傾動可能に連結されるヘッド部に、往復動可能な内刃とそれを覆うように外刃が設けられるとともに、前記内刃を往復動させる可動子と、その往復動させる方向に複数の突極が並設される固定子コアにコイルが巻回された固定子とを有してなる電磁アクチュエータが設けられた電気かみそりであって、前記電磁アクチュエータは、前記可動子に前記往復動方向の駆動力に加えてその直交方向への駆動力が周期的に生じるように、前記可動子と前記固定子との境界部の磁気通路が前記突極の少なくとも1つにおいて前記往復動方向の直交方向にずらして構成されていることをその要旨とする。
この発明では、電気かみそりの電磁アクチュエータにおいて、可動子に往復動方向の駆動力に加えてその直交方向への駆動力が周期的に生じるように、可動子と固定子との境界部の磁気通路がその固定子の突極の少なくとも1つにおいて往復動方向の直交方向にずらして構成される。これにより、可動子の往復動に伴って内刃が往復動し、外刃とで髭等が切断されるのに加え、その可動子に作用する往復動方向と直交方向の駆動力にて該可動子を通じてヘッド部を周期的に往復回動させることが可能となり、これが電気かみそりの剃り方向を様々変化させたのと同様になるため、様々な方向を向く髭等が外刃内に導入され易くなってその導入率が高くなり、剃り性能が向上する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電気かみそりにおいて、前記電磁アクチュエータにおける前記固定子の前記突極の先端面、及びそれと対向する前記可動子の磁気作用部の少なくとも一方に、前記磁気通路をずらすための凸部が設けられていることをその要旨とする。
この発明では、固定子の突極の先端面、及びそれと対向する可動子の磁気作用部の少なくとも一方に、磁気通路をずらすための凸部が設けられる。つまり、凸部を設けるだけの容易な対応で実現可能である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電気かみそりにおいて、前記凸部は、別部材で構成されていることをその要旨とする。
この発明では、凸部が別部材で構成されることから、凸部を有さない既存の固定子又は可動子への適用が可能である。また、磁束が集中する凸部を、例えば渦電流損を小さくできる磁性金属粉体の圧縮成形にて構成したり、磁性金属よりなるコア材の複数枚積層にて構成することも可能である。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気かみそりにおいて、前記電磁アクチュエータにおける前記固定子の突極は3つであり、両側に位置する前記突極の磁気通路が前記往復動方向の直交方向一側に、中央に位置する前記突極の磁気通路が前記往復動方向の直交方向他側にそれぞれずらして構成されていることをその要旨とする。
この発明では、固定子の3つの突極において、両側に位置する突極の磁気通路が往復動方向の直交方向一側に、中央に位置する突極の磁気通路が往復動方向の直交方向他側にそれぞれずらして構成される。つまり、可動子と固定子との境界部の磁気通路のずらし量を限られた範囲内で大きくでき、可動子が受ける往復動方向と直交方向の力を効率よく発生させることが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気かみそりにおいて、前記電磁アクチュエータにおける前記可動子の磁気作用部に永久磁石が用いられていることをその要旨とする。
この発明では、可動子の磁気作用部に永久磁石が用いられることから、固定子側で発生させる磁束量(電流)を抑えても、同等の駆動力が得られる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の電気かみそりにおいて、1つの前記固定子に対し、磁気作用部に永久磁石を用いる前記可動子が一対備えられ、前記可動子は、その永久磁石の磁極が各可動子で逆とされて逆位相で往復動されることをその要旨とする。
この発明では、1つの固定子に対して可動子が一対備えられ、可動子は永久磁石の磁極が各可動子で逆とされて逆位相で往復動される。これにより、一対の可動子の逆位相の往復動に相乗させて、可動子が受ける往復動方向と直交方向の力を効率よく発生させることが可能となる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の電気かみそりにおいて、前記磁気通路のずらしが前記各可動子で線対称にとなるように構成されていることをその要旨とする。
この発明では、磁気通路のずらしが各可動子で線対称にとなるように構成されることから、一対の可動子の逆位相の往復動に相乗させて、可動子が受ける往復動方向と直交方向の力を効率よく発生できる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気かみそりにおいて、前記電磁アクチュエータにおける前記可動子を共振させるためのバネ部材が備えられていることをその要旨とする。
この発明では、可動子を共振させるバネ部材が備えられることから、固定子側で発生させる磁束量(電流)を抑えても、同等の駆動力が得られる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気かみそりにおいて、前記電磁アクチュエータにおける前記固定子コアが磁性金属粉体の圧縮成形にて構成されていることをその要旨とする。
この発明では、固定子コアが磁性金属粉体の圧縮成形にて構成されることから、渦電流損が十分に小さく抑えられ、磁気効率に優れた電磁アクチュエータを構成できる。また、固定子コアは成形にて構成されることから、固定子コアの形状の自由度は高い。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気かみそりにおいて、前記電磁アクチュエータにおける前記固定子コアが磁性金属よりなるコア材の複数枚積層にて構成されていることをその要旨とする。
この発明では、固定子コアが磁性金属よりなるコア材の複数枚積層にて構成されることから、渦電流損が十分に小さく抑えられ、磁気効率に優れた電磁アクチュエータを構成できる。また、金属板のプレス加工にてコア材が形成可能なため、固定子コアの低コスト化に寄与できる。
請求項11に記載の発明は、往復動可能な可動子と、その往復動させる方向に複数の突極が並設される固定子コアにコイルが巻回された固定子とを有してなる電磁アクチュエータであって、前記可動子に前記往復動方向の駆動力に加えてその直交方向への駆動力が周期的に生じるように、前記可動子と前記固定子との間の磁気通路が前記突極の少なくとも1つにおいて前記往復動方向の直交方向にずらして構成されていることをその要旨とする。
この発明では、可動子と固定子との境界部の磁気通路がその固定子の突極の少なくとも1つにおいて往復動方向の直交方向にずらして構成され、可動子に往復動方向の駆動力に加えてその直交方向への駆動力が周期的に生じる電磁アクチュエータを提供できる。このような電磁アクチュエータは、上記した電気かみそりの駆動源等に用いると好適である。
本発明によれば、その時々の髭の導入率の向上を図り、剃り性能を向上させることができる電気かみそり及び電磁アクチュエータを提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の電気かみそり11は、使用者が把持可能な把持部12と、該把持部12の上部において例えば2自由度で傾動可能に連結されたヘッド部13とを有し、そのヘッド部13には複数の刃ブロック14a〜14cとそれを駆動するための電磁アクチュエータ15とを備えてなる。把持部12には、その外側面に操作スイッチ16が備えられるとともに、内部にバッテリ及び駆動回路(ともに図示略)等が備えられており、ヘッド部13の電磁アクチュエータ15には、把持部12の操作スイッチ16のオン操作に基づいて駆動回路から駆動電流(交番電流)が供給されるように電気的に構成されている。
ヘッド部13の上部には、網目状外刃21a,21bとそれに対応する内刃22a,22bとで構成される一対の編み目状刃ブロック14a,14b間に、スリット状外刃21cとそれに対応する内刃(図示略)とで構成されるスリット状刃ブロック14cが配置され、これら3つの刃ブロック14a〜14cがヘッド部13の上部における短手方向に並設される所謂3枚刃の電気かみそり11として構成されている。
各刃ブロック14a〜14cの外刃21a〜21cは、外刃カセット23として一体化されてヘッドハウジング24の上部に対して着脱可能に装着されている。網目状外刃21a,21bの内側には、その内側面に押圧するように内刃22a,22bがそれぞれ配置され、各内刃22a,22bは、ヘッド部13の上部における長手方向に移動可能に配置されている。各内刃22a,22bは、電磁アクチュエータ15の駆動により外刃21a,21b内で往復動される。尚、スリット状刃ブロック14cでは、図示略の内刃が例えば一方側の内刃22aの一方側と連動するようにその内刃22aを駆動する後述の可動子32a(図2参照)と駆動連結される。
電磁アクチュエータ15は、図2(a)に示すように、1つの固定子31と、各内刃22a,22bにそれぞれ対応する2つの可動子32a,32bとを有し、その固定子31は前記ヘッドハウジング24内に固定され、各可動子32a,32bは内刃22a,22bを往復動させる方向にヘッドハウジング24に対して移動可能に支持されている。
固定子31は、下端部が互いに連結され先端側が上方に向けられた3つの突極33a〜33cが内刃22a,22bを往復動させる方向に並設されたE字状の固定子コア33を有し、中央に位置する突極33bの周囲にコイル34が巻回されて構成されている。固定子コア33の各突極33a〜33cは、内刃22a,22bの往復動方向の直交方向に長い断面長方形の四角柱状をなしており、図2(b)に示すようにその先端面において、内刃22a,22bの往復動方向と直交方向で二分する中央線L1に対し、一側が可動子32aを駆動する領域A1、他側が可動子32bを駆動する領域A2とされている。
領域A1において、各突極33a〜33cの先端面には、内刃22a,22bの往復動方向に長い断面長方形の四角柱状の一対の凸部33xが該凸部33xの1つの幅分だけ間隔を空けて設けられている。この場合、両側の突極33a,33cの先端面の凸部33xは、外縁部(内刃22a,22bの往復動方向の直交方向一端部)から一対が並んで設けられているのに対し、中央の突極33bの先端面の凸部33xは、外縁部から凸部33xの1つの幅分だけ内側位置から一対が並んで設けられている。即ち、内刃22a,22bの往復動方向にみて、両側の突極33a,33cの先端面の各凸部33xは一致するが、中央の突極33bの先端面の各凸部33xは該凸部33xの1つの幅分だけ内側にずらして配置されている。もう一方の領域A2については、中央線L1を線対称として各突極33a〜33cの先端面に一対の凸部33xがそれぞれ設けられ、即ち具体的には、両側の突極33a,33cの先端面の凸部33xは、外縁部(内刃22a,22bの往復動方向の直交方向他端部)から一対が並んで設けられているのに対し、中央の突極33bの先端面の凸部33xは、外縁部から凸部33xの1つの幅分だけ内側位置から一対が並んで設けられている。
このような固定子コア33は、図5に示すように、SPCC(冷間圧延鋼板)等の磁性金属よりなるコア材33yを複数枚積層して構成される。尚、この固定子コア33は、磁性金属粉体の圧縮成形にて構成してもよく、また磁性金属ブロックの切削にて構成することもできる。
尚、上記では、各突極33a〜33cの先端面における各領域A1,A2毎に一対の凸部33xを設けたが、図3に示すように、各領域A1,A2毎に凸部33xを1つ設ける態様でもよい。この場合、上記と同様に、両側の突極33a,33cの先端面の凸部33xは外縁部に設けられるのに対し、中央の突極33bの先端面の凸部33xは外縁部から所定量だけ内側位置に設けられる。
そして、図2に示すように、中央の突極33bに巻回されたコイル34には、上記した図示略の駆動回路から駆動のための交番電流が供給され、その電流供給時には中央に位置する突極33bの先端の極性が周期的に変化し、また両側の突極33a,33c先端の極性がその中央の突極33bの極性と逆位相で周期的に変化する。このような交番磁界は、各突極33a〜33c先端の凸部33xから可動子32a,32b側に作用するようになっている。
このような固定子31に対し、各領域A1,A2毎にそれぞれ配置される可動子32a,32bは、固定子31の各突極33a〜33cの先端面に対向する部位に、磁気作用部35a,35bが設けられている。磁気作用部35a,35bは、固定子31とで磁気回路を構成し、該固定子31で生じる交番磁界にて可動子32a,32bの往復動を得るものである。
磁気作用部35a,35bは、内刃22a,22bの往復動方向の長さが固定子コア33の3つの突極33a〜33cに跨り且つ該固定子コア33よりも若干短く、幅(その往復動方向の直交方向長さ)が固定子コア33の一対の凸部33xとその間の間隔を含めた合計幅と同等に形成されている。磁気作用部35a,35bは、同寸法の長方形板状のベース部35yに対しその下面の幅方向両側に、固定子コア33の凸部33xと同幅で且つベース部35yの長さと同じ長さの凸部35xが該凸部35xの1つの幅分だけ間隔を空けて設けられている。そして、各可動子32a,32bは、その磁気作用部35a,35bの幅方向中心が、固定子コア33の両側の突極33a,33c先端面に設けた外側の凸部33xと、中央の突極33b先端面に設けた内側の凸部33xとの中心線L2上に、磁気作用部35a,35bの幅方向中心が位置するように配置されている。このような各可動子32a,32bには、それぞれの内刃22a,22bが着脱可能に連結される。
このような磁気作用部35a,35bは、図6(a)に示すように、ベース部35yが磁性金属にて構成してバックヨークとして機能させ、凸部35xが永久磁石36にて構成される。凸部35xを構成する永久磁石36は、内刃22a,22bを往復動させる方向の中央部が磁極の境界でその両側の磁極が異なっている。また、可動子32a,32bの一対の凸部35xは永久磁石36の極性が同様に配置され、対の可動子32a,32b同士では永久磁石36の極性が逆極性となるように配置されている。
尚、図6(b)に示すように、磁気作用部35a,35bのベース部35yを永久磁石36にて構成するとともに、凸部35xを磁性金属にて構成してもよく、図6(c)に示すように、磁気作用部35a,35bのベース部35yと凸部35xとをともに永久磁石36にて構成してもよい。これら図6(b)及び図6(c)の態様でも、対の可動子32a,32b同士では永久磁石36の極性が逆極性となるように配置されている。
また、各可動子32a,32b又は磁気作用部35a,35bには、図4に示すように、内刃22a,22bの往復動方向両端にそれぞれバネ部材37aを設けるのが望ましく、更にその直交方向両側にもバネ部材37bを設けてもよい。特に、バネ部材37aは、可動子32a,32bの往復動に共振するバネ常数に設定しておけば、その可動子32a,32bの往復動時の駆動力が小さくて済む。
そして、このような構成の電磁アクチュエータ15は、図2に示すように、固定子31のコイルに交番電流が流れると、中央の突極33b及び両側の突極33a,33cの先端部の磁極が逆位相で周期的に変化し、この磁界変化を可動子32a,32bの磁気作用部35a,35bが受けて該可動子32a,32bの往復動が行われる。この場合、各可動子32a,32bの永久磁石36の磁極が逆極性としていることから、可動子32a,32bの往復動が逆位相で行われる。そして、この可動子32a,32bの往復動が内刃22a,22bを同方向に往復動させ、これにより外刃21a,21bの編み目内に導入された髭等が内刃22a,22bと外刃21a,21bとで挟まれて切断され、髭が剃り落とされるようになっている。因みに、スリット状外刃21c内に導入された髭等も、一方の可動子32aと連動する図示略の内刃が往復動することで剃り落とされる。
また、固定子31(固定子コア33)の各突極33a〜33c先端面に設けた凸部33xと、可動子32a,32bの磁気作用部35a,35bの凸部35x(永久磁石36)の位置関係から、各可動子32a,32bには、固定子31の中央の突極33bから両側の突極33a,33cに向かうほど若干外側を向く円弧状の駆動力F1,F2が作用することになる。その駆動力F1,F2の内、内刃22a,22bの往復動方向成分で可動子32a,32b(内刃22a,22b)の往復動がなされるが、それと直交する方向成分では同方向に可動子32a,32bを押圧する力となり、更に可動子32a,32bの往復動が逆位相であることから、これがヘッド部13をその外刃21a〜21c側から見た中心点に対して微小角度範囲で往復回動させる。これにより、電気かみそり11の剃り方向を様々に変化させたのと同様になるため、様々な方向を向く髭等が外刃21a〜21cの編み目内に導入され易くなってその導入率が高くなり、これにより剃り性能が向上するものとなっている。
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)本実施形態の電気かみそり11の電磁アクチュエータ15において、可動子32a,32bに往復動方向の駆動力に加えてその直交方向への駆動力が周期的に生じる駆動力F1,F2が生じるように、可動子32a,32bと固定子31との境界部の磁気通路を構成する各突極33a〜33cの凸部33xが往復動方向の直交方向にずらして構成されている。これにより、可動子32a,32bの往復動に伴って内刃22a,22bが往復動し、外刃21a,21bとで髭等が切断されるのに加え、その可動子32a,32bに作用する往復動方向と直交方向の駆動力にて該可動子32a,32bを通じてヘッド部13が周期的に往復回動し、これが電気かみそり11の剃り方向を様々変化させたのと同様になるため、様々な方向を向く髭等が外刃21a,21b内に導入され易くなってその導入率が高くなり、剃り性能を向上することができる。
(2)本実施形態では、固定子31の突極33a〜33cの先端面に設けた凸部33xにて磁気通路がずらされる。つまり、凸部33xを設けるだけの容易な対応で実現可能である。
(3)本実施形態では、固定子31の3つの突極33a〜33cにおいて、両側に位置する突極33a,33cの凸部33xが往復動方向の直交方向一側に、中央に位置する突極33cの凸部33xが往復動方向の直交方向他側にそれぞれずらして構成されている。つまり、可動子32a,32bと固定子31との境界部の磁気通路のずらし量を限られた範囲内で大きくでき、可動子32a,32bが受ける往復動方向と直交方向の力を効率よく発生させることができる。
(4)本実施形態では、可動子32a,32bの磁気作用部35a,35bに永久磁石36が用いられることから、固定子31側で発生させる磁束量(電流)を抑えても、同等の駆動力F1,F2を得ることができる。
(5)本実施形態では、1つの固定子31に対して可動子32a,32bが一対備えられ、可動子32a,32bは永久磁石36の磁極が各可動子32a,32bで逆とされて逆位相で往復動される。このような可動子32a,32bにおいて、本実施形態では、突極33a〜33cの凸部33xのずらしが各可動子32a,32bで線対称にとなるように構成されることから、一対の可動子32a,32bの逆位相の往復動に相乗させて、可動子32a,32bが受ける往復動方向と直交方向の力を効率よく発生させることができる。
(6)本実施形態では、可動子32a,32bを共振させるバネ部材37aを備えることで、固定子31側で発生させる磁束量(電流)を抑えても、同等の駆動力を得ることができる。
(7)本実施形態の固定子コア33を磁性金属よりなるコア材33yの複数枚積層にて構成することで、渦電流損を十分小さく抑えることができ、磁気効率に優れた電磁アクチュエータ15を構成することができる。また、金属板のプレス加工にてコア材33yが形成可能なため、この構成の固定子コア33では低コスト化に寄与できる。また、固定子コア33を磁性金属粉体の圧縮成形にて構成すれば、渦電流損を十分小さく抑えることができ、磁気効率に優れた電磁アクチュエータ15を構成することができるとともに、成形にて構成される固定子コア33ではその形状の自由度は高い。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、凸部33xを固定子コア33(突極33a〜33c)に一体に形成したが、凸部33xを別部材で構成し、接合や接着により固定する態様としてもよい。このようにすれば、凸部33xを有さない既存の固定子31への適用が可能となる。またこの場合、磁束が集中する凸部33xを、例えば渦電流損を小さくできる磁性金属粉体の圧縮成形にて構成する等、固定子コア33の本体部分のとは別の手法で作製することもできる。
・上記実施形態では、固定子31(固定子コア33)の突極33a〜33cの先端面の凸部33xを往復動方向の直交方向にずらしたが、可動子32a,32bの磁気作用部35a,35b側の凸部35xを往復動方向の直交方向にずらす態様としてもよい。また、その両者であってもよい。
・上記実施形態では、両側に位置する突極33a,33cの凸部33xを往復動方向の直交方向一側に、中央に位置する突極33cの凸部33xを往復動方向の直交方向他側にそれぞれずらして構成したが、ずらす態様はこれに限らず、少なくとも1つの突極33a〜33cの凸部33xをずらす態様でもよい。
・上記実施形態では、可動子32a,32bと固定子31との境界部の磁気通路を往復動方向の直交方向にずらすべく、突極33a〜33cの先端面に凸部33xをずらして設けたが、凸部33xを廃止し、突極33a〜33c自身を往復動方向の直交方向にずらす態様としてもよい。
・上記実施形態では、可動子32a,32bの磁気作用部35a,35bに永久磁石36を用いたが、永久磁石36を用いない磁性金属を用いた所謂リラクタンス型の電磁アクチュエータに適用してもよい。この場合、この磁気作用部35a,35bは、磁性金属よりなるコア材の積層、磁性金属粉体の成形、磁性金属ブロックの切削等で作製する。また、この磁気作用部35a,35bでは、往復動方向にも所定間隔でリラクタンス用の凸部を設けるとよい。
・上記実施形態では、中央の突極33bにコイル34を巻回させて固定子31を構成したが、両側のコイル33a,33cにコイル34を巻回させてもよい。
・上記実施形態では、一対の可動子32a,32bを1つの固定子31で駆動したが、各可動子32a,32bそれぞれに対応する固定子を用いる構成としてもよい。
・上記実施形態では、3つの外刃21a〜21cを有する所謂3枚刃の電気かみそり11に適用したが、1枚刃や2枚刃、更には4枚刃以上の構成の電気かみそりに適用してもよい。
本実施形態の電気かみそりの概略構成を説明するための斜視図である。 (a)は電磁アクチュエータの概略構成を説明するための斜視図であり、(b)は固定子(固定子コア)と可動子(磁気作用部)との関係を示す平面図である。 固定子(固定子コア)の変形例を示す平面図である。 可動子のより具体的な構成を示す平面図である。 電磁アクチュエータのより具体的な構成を示す斜視図である。 (a)は可動子(磁気作用部)のより具体的な構成を示す斜視図であり、(b)(c)はその変形例を示す斜視図である。
符号の説明
11…電気かみそり、12…把持部、13…ヘッド部、15…電磁アクチュエータ、21a,21b…外刃、22a,22b…内刃、31…固定子、32a,32b…可動子、33…固定子コア、33a〜33c…突極、33x…凸部(磁気通路)、33y…コア材、34…コイル、35a,35b…磁気作用部、36…永久磁石、37a…バネ部材、F1,F2…駆動力。

Claims (11)

  1. 把持部に対して傾動可能に連結されるヘッド部に、往復動可能な内刃とそれを覆うように外刃が設けられるとともに、前記内刃を往復動させる可動子と、その往復動させる方向に複数の突極が並設される固定子コアにコイルが巻回された固定子とを有してなる電磁アクチュエータが設けられた電気かみそりであって、
    前記電磁アクチュエータは、前記可動子に前記往復動方向の駆動力に加えてその直交方向への駆動力が周期的に生じるように、前記可動子と前記固定子との境界部の磁気通路が前記突極の少なくとも1つにおいて前記往復動方向の直交方向にずらして構成されていることを特徴とする電気かみそり。
  2. 請求項1に記載の電気かみそりにおいて、
    前記電磁アクチュエータにおける前記固定子の前記突極の先端面、及びそれと対向する前記可動子の磁気作用部の少なくとも一方に、前記磁気通路をずらすための凸部が設けられていることを特徴とする電気かみそり。
  3. 請求項2に記載の電気かみそりにおいて、
    前記凸部は、別部材で構成されていることを特徴とする電気かみそり。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気かみそりにおいて、
    前記電磁アクチュエータにおける前記固定子の突極は3つであり、両側に位置する前記突極の磁気通路が前記往復動方向の直交方向一側に、中央に位置する前記突極の磁気通路が前記往復動方向の直交方向他側にそれぞれずらして構成されていることを特徴とする電気かみそり。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気かみそりにおいて、
    前記電磁アクチュエータにおける前記可動子の磁気作用部に永久磁石が用いられていることを特徴とする電気かみそり。
  6. 請求項5に記載の電気かみそりにおいて、
    1つの前記固定子に対し、磁気作用部に永久磁石を用いる前記可動子が一対備えられ、前記可動子は、その永久磁石の磁極が各可動子で逆とされて逆位相で往復動されることを特徴とする電気かみそり。
  7. 請求項6に記載の電気かみそりにおいて、
    前記磁気通路のずらしが前記各可動子で線対称にとなるように構成されていることを特徴とする電気かみそり。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気かみそりにおいて、
    前記電磁アクチュエータにおける前記可動子を共振させるためのバネ部材が備えられていることを特徴とする電気かみそり。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気かみそりにおいて、
    前記電磁アクチュエータにおける前記固定子コアが磁性金属粉体の圧縮成形にて構成されていることを特徴とする電気かみそり。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気かみそりにおいて、
    前記電磁アクチュエータにおける前記固定子コアが磁性金属よりなるコア材の複数枚積層にて構成されていることを特徴とする電気かみそり。
  11. 往復動可能な可動子と、その往復動させる方向に複数の突極が並設される固定子コアにコイルが巻回された固定子とを有してなる電磁アクチュエータであって、
    前記可動子に前記往復動方向の駆動力に加えてその直交方向への駆動力が周期的に生じるように、前記可動子と前記固定子との間の磁気通路が前記突極の少なくとも1つにおいて前記往復動方向の直交方向にずらして構成されていることを特徴とする電磁アクチュエータ。
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